JP2007314125A - 輪軸及び台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性及び走行安定性を向上させる。
【解決手段】輪軸2は、車軸20と車輪5とボールスプライン3,4とを備える。ボールスプライン3,4は、溝部30a,40aを内周面に有し車軸20に外嵌された大径スリーブ30,40と、溝部31a,41aを外周面に有し車軸20に外嵌されて車軸20及び大径スリーブ30,40の間に介在した小径スリーブ31,41と、溝部30a,40a及び溝部31a,41aの間に介在したボール32,42とを有する。溝部30a,40a及び溝部31a,41aは互いに交差する方向に延在する。大径スリーブ30,40及び小径スリーブ31,41のうち、最も中央側に位置するスリーブは車軸20と一体化され、最も端側に位置するスリーブは車輪に連結され、これらの間に介在する2つのスリーブは互いに一体化されている。
【選択図】図1
【解決手段】輪軸2は、車軸20と車輪5とボールスプライン3,4とを備える。ボールスプライン3,4は、溝部30a,40aを内周面に有し車軸20に外嵌された大径スリーブ30,40と、溝部31a,41aを外周面に有し車軸20に外嵌されて車軸20及び大径スリーブ30,40の間に介在した小径スリーブ31,41と、溝部30a,40a及び溝部31a,41aの間に介在したボール32,42とを有する。溝部30a,40a及び溝部31a,41aは互いに交差する方向に延在する。大径スリーブ30,40及び小径スリーブ31,41のうち、最も中央側に位置するスリーブは車軸20と一体化され、最も端側に位置するスリーブは車輪に連結され、これらの間に介在する2つのスリーブは互いに一体化されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、車輪間隔を変更可能な輪軸と、この輪軸を備える台車とに関する。
従来、軌間寸法の異なるレール上を連続走行可能な鉄道車両の台車として、図4に示すように、車輪103の間隔を変更可能な、いわゆる軌間可変台車100が開発されている。なお、図4では、軸線L3の上下で車輪103などの位置が異なっているが、軸線L3の上側では車輪103の間隔が狭い状態を、下側では広い状態を示している。
このような軌間可変台車100の輪軸101の車軸102には、当該車軸102から車輪103に対して回転トルクを伝達するとともに軸方向Yに伸縮可能なコロスプライン104が設けられている。
このコロスプライン104は、略円筒状の大径スリーブ105及び小径スリーブ106を備えている。大径スリーブ105は、車軸102に外嵌されるとともに輪軸101の中央側において車軸102と一体化されている。小径スリーブ106は、車軸102に外嵌されており、中央側において車軸102及び大径スリーブ105の間に介在するとともに、端側において車輪103及び軸箱107に固定されている。小径スリーブ106の内周には滑り軸受(図示せず)が設けられており、小径スリーブ106や車輪103等を、車軸102に対して軸方向Yに相対移動させることができるようになっている。
これら大径スリーブ105及び小径スリーブ106には、図5(a)〜(c)に示すように、軸方向Yに延在する断面視半円状の溝部105a,106aが、互いに対向した状態で車軸102の周方向に複数設けられている。そして、溝部105a,106aの間には、小径スリーブ106から大径スリーブ105への回転トルク伝達部材として、コロ109,…が介在している。
このような軌間可変台車100においては、車軸102に伝えられた回転トルクが大径スリーブ105、コロ109及び小径スリーブ106を介して車輪103に伝達可能となっている。また、前記滑り軸受を介して小径スリーブ106が軸方向Yに移動することによって、軸方向Yにおける車輪103の間隔が変更されるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、上記のようなコロスプライン104においては、コロ109が円柱状に形成されているため、図6に示すように、軌間可変台車100の重量などによって輪軸101が撓んで大径スリーブ105や小径スリーブ106の回転軸が偏角すると、回転トルク伝達部材としてのコロ109の端部が小径スリーブ106の溝部106aと大径スリーブ105の溝部105aとによって挟まれて過剰なラジアル荷重、特に上下方向の荷重を受ける結果、コロ109が破損してしまう場合がある。そのため、コロスプライン104の耐久性を向上させる観点から、溝部105a,106aとコロ109との間には隙間が設けられている。
特開2003−327121号公報
特開2003−327117号公報
しかしながら、溝部105a,106aとコロ109との間に隙間を設けると、小径スリーブ106から大径スリーブ105への回転トルクの伝達がスムーズに行われずに振動が生じ、走行安定性が悪くなってしまう。
本発明の課題は、耐久性及び走行安定性を向上させることができる輪軸及び台車を提供することである。
請求項1記載の発明は、レール上を走行する台車に備えられる輪軸において、
車軸と、
2つの車輪と、
前記車軸の中央部よりも両端の側にそれぞれ2つずつ設けられたボールスプラインとを備え、
前記ボールスプラインは、
軸線に対して傾斜した溝部を内周面に有するとともに、前記車軸に外嵌された大径スリーブと、
軸線に対して傾斜した溝部を外周面に有するとともに、前記車軸に外嵌されて当該車軸及び前記大径スリーブの間に介在した、前記大径スリーブよりも内径の小さい小径スリーブと、
前記大径スリーブ及び前記小径スリーブの前記溝部の間に介在してこれら大径スリーブ及び小径スリーブの間で回転トルクを伝達するボールとを有し、
前記小径スリーブの前記溝部と、前記大径スリーブの前記溝部とは、互いに交差する方向に延在しており、
前記2つのボールスプラインの前記大径スリーブ及び前記小径スリーブのうち、
前記車軸の最も中央側に位置する中央側スリーブは、当該車軸と一体化され、
前記車軸の最も端側に位置する端側スリーブは、前記車軸に対して軸方向に相対移動可能な状態で、前記車輪に連結され、
前記中央側スリーブと前記端側スリーブとの間に介在する2つの中間スリーブは、前記車軸に対して軸方向に相対移動可能な状態で、互いに一体化されていることを特徴とする。
車軸と、
2つの車輪と、
前記車軸の中央部よりも両端の側にそれぞれ2つずつ設けられたボールスプラインとを備え、
前記ボールスプラインは、
軸線に対して傾斜した溝部を内周面に有するとともに、前記車軸に外嵌された大径スリーブと、
軸線に対して傾斜した溝部を外周面に有するとともに、前記車軸に外嵌されて当該車軸及び前記大径スリーブの間に介在した、前記大径スリーブよりも内径の小さい小径スリーブと、
前記大径スリーブ及び前記小径スリーブの前記溝部の間に介在してこれら大径スリーブ及び小径スリーブの間で回転トルクを伝達するボールとを有し、
前記小径スリーブの前記溝部と、前記大径スリーブの前記溝部とは、互いに交差する方向に延在しており、
前記2つのボールスプラインの前記大径スリーブ及び前記小径スリーブのうち、
前記車軸の最も中央側に位置する中央側スリーブは、当該車軸と一体化され、
前記車軸の最も端側に位置する端側スリーブは、前記車軸に対して軸方向に相対移動可能な状態で、前記車輪に連結され、
前記中央側スリーブと前記端側スリーブとの間に介在する2つの中間スリーブは、前記車軸に対して軸方向に相対移動可能な状態で、互いに一体化されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、小径スリーブ及び大径スリーブの溝部の間には、これら小径スリーブ及び大径スリーブの間における回転トルク伝達部材としてボール、つまり、中心から離れるに従って断面寸法の小さくなる部材が介在するので、断面寸法の一定な円柱状のコロが介在する従来の場合と比較して、輪軸の軸方向における回転トルク伝達部材の端部が、溝部から離れて位置する。従って、小径スリーブ及び大径スリーブの溝部と、回転トルク伝達部材としてのボールとの間に隙間を設けない場合であっても、輪軸が撓んで大径スリーブや小径スリーブの回転軸が偏角したときに、小径スリーブの溝部と大径スリーブの溝部とによってボール、つまり回転トルク伝達部材が挟まれて過剰なラジアル荷重を受けるのを防止することができる。よって、回転トルク伝達部材の破損を防止することができるため、輪軸の耐久性を向上させることができる。
また、上記のように小径スリーブ及び大径スリーブの溝部とボールとの間に隙間を設けることなく輪軸の耐久性を向上させることができるので、溝部とボールとを常に接触させておくことができる。従って、小径スリーブから大径スリーブへの回転トルクの伝達をスムーズに行わせて振動の発生を防止することができるため、走行安定性や台車の乗り心地を向上させることができる。
また、ボールスプラインは車軸の各端部に2つずつ設けられており、上述のように各ボールスプラインは回転トルク伝達部材としてのボールを破損させることなく大径スリーブや小径スリーブを偏角させることができるので、輪軸の各端部が2点で屈折可能となる。従って、輪軸の各端部が2点で屈折可能となるため、車軸と車輪との間で回転軸がずれても、これらの回転軸を平行に保つことができる。よって、ボールスプラインが1つのみ設けられている場合と異なり、輪軸が撓んだ場合であっても、車輪をレールに対して一定の角度で当接させることができるため、走行安定性や台車の乗り心地をいっそう向上させることができる。
なお、上記のように2つのボールスプラインの中央側スリーブが車軸と一体化され、中間スリーブ及び端側スリーブが車軸に対して軸方向に相対移動可能であり、端側スリーブが車輪に連結されている場合には、少なくとも端側スリーブが中央側スリーブに対して輪軸の軸方向に相対移動することによって、端側スリーブとともに車輪が軸方向に移動し、軸方向における車輪間隔が変更されることとなる。
また、端側スリーブと車輪とは、ラジアル方向に連結されていても良いし、軸方向に連結されていても良い。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の輪軸において、
前記中央側スリーブ及び前記端側スリーブは、前記大径スリーブであり、
前記2つの中間スリーブは、前記小径スリーブであることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
前記中央側スリーブ及び前記端側スリーブは、前記大径スリーブであり、
前記2つの中間スリーブは、前記小径スリーブであることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項3記載の発明は、台車において、
請求項1または2記載の輪軸を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項1または2記載の輪軸を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項1〜3の何れか一項に記載の発明によれば、耐久性及び走行安定性を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る台車1の概略構成を示す断面図である。なお、この図では、台車1の進行方向に垂直な断面において、台車1の左側部分の図示を一部省略しているが、台車1の各部は中心線L1に対して左右対称となっている。
図1は、本発明に係る台車1の概略構成を示す断面図である。なお、この図では、台車1の進行方向に垂直な断面において、台車1の左側部分の図示を一部省略しているが、台車1の各部は中心線L1に対して左右対称となっている。
この図に示すように、台車1は、レール(図示せず)上を走行する軌間可変台車であり、歯車装置10と、本発明に係る輪軸2とを備えている。
歯車装置10は、図示しない動力源で発生した動力を伝達して輪軸2を回転方向Wに回転させるものである。なお、本実施の形態においては、歯車装置10は輪軸2の中央部と当接しており、いわゆる中央歯車装置となっている。
輪軸2は、軸方向Yに延在する円柱状の車軸20を備えている。車軸20の中央部よりも端側の部分には、車軸20の中央側から端側に向かって軸本体固定スリーブ6、ボールスプライン3、ボールスプライン4及び車輪5がこの順に設けられている。なお、図1では、輪軸2の軸線L2の上下でボールスプライン3,4や、車輪5などの位置が異なっているが、軸線L2の上側では車輪5の間隔が狭い状態を、下側では広い状態を示している。
軸本体固定スリーブ6は、略円筒状に形成されており、中央側の端部において車軸20と一体化されるとともに、端側の端部において車軸20との間にボールスプライン3を介在させている。
ボールスプライン3は、車軸20に外嵌された略円筒状の大径スリーブ30及び小径スリーブ31を備えている。
大径スリーブ30は、本発明における中央側スリーブであり、軸本体固定スリーブ6を介して車軸20と一体化されている。大径スリーブ30の内周面には、図2(a),(b)に示すように、軸線L2に対して傾斜した複数の溝部30a,…が形成されており、これら溝部30a,…は内周面の周方向に配列されている。ここで、これらの溝部30a,…は、交互に延在方向が異なっており、1つおきに平行となっている。なお、本実施の形態においては、溝部30aは6個設けられているが、後述の溝部31a及びボール32と同数である限りにおいて、例えば10個や14個、18個など、他の個数だけ設けられていても良い。また、図示の便宜上、図2(a)では、軸方向Yにおいて大径スリーブ30及び小径スリーブ31を同じ長さで図示しており、図2(b)では、ボール32,…の図示を省略している。
小径スリーブ31は、大径スリーブ30よりも小さい内径を有しており、中央側(図1中左側)の部分において大径スリーブ30の端部及び車軸20の間に介在している。また、この小径スリーブ31は、本発明における中間スリーブであり、車軸20に対して軸方向Yに相対移動可能な状態で、後述の小径スリーブ41と一体化されている。小径スリーブ31における中央側の端部の外周面には、軸線L2に対して傾斜した複数の溝部31a,…が形成されており、これら溝部31a,…は外周面の周方向に配列されている。ここで、これらの溝部31a,…は、交互に延在方向が異なっており、1つおきに平行となっている。また、各溝部31a,…は、図3に示すように、対向する大径スリーブ30の溝部30a,…と互いに交差する方向に延在している。
これら大径スリーブ30及び小径スリーブ31の間には、図2(a)に示すように、複数のボール32,…と、1つのボール保持リング33とが配設されている。
ボール32は、小径スリーブ31及び大径スリーブ30の間の回転トルク伝達部材であり、溝部30a,31aの間に介在している。より詳細には、このボール32は、大径スリーブ30の溝部30aと小径スリーブ31の溝部31aとの交差部分に位置している。なお、本実施の形態においては、ボール32と溝部30a,31aとは、輪軸2のラジアル方向において常に接触した状態となっている。
ボール保持リング33は、周方向に配列された複数の貫通孔33a,…を有しており、各貫通孔33aの内部にボール32を保持している。
また、ボールスプライン4は、図1に示すように、車軸20に外嵌された略円筒状の小径スリーブ41及び大径スリーブ40を備えている。
小径スリーブ41は、大径スリーブ40よりも小さい内径を有しており、端側(図1中右側)の部分において大径スリーブ40の端部及び車軸20の間に介在している。また、この小径スリーブ41は、本発明における中間スリーブであり、車軸20に対して軸方向Yに相対移動可能な状態で、中央側の部分で前記ボールスプライン3の小径スリーブ31と一体化されている。小径スリーブ31における端側の端部の外周面には、上述の図2(a),(b)に示すように、軸線L2に対して傾斜した複数の溝部41a,…が形成されており、これら溝部41a,…は外周面の周方向に配列されている。ここで、これらの溝部41a,…は、交互に延在方向が異なっており、1つおきに平行となっている。なお、本実施の形態においては、溝部41aは6つ設けられているが、後述の溝部40a及びボール42と同数である限りにおいて、他の個数だけ設けられていても良い。
大径スリーブ40は、本発明における端側スリーブであり、車軸20に対して軸方向Yに相対移動可能な状態で、端側の端部で車輪5に連結されている。この大径スリーブ40の内周面には、軸線L2に対して傾斜した複数の溝部40a,…が形成されており、これら溝部40a,…は内周面の周方向に配列されている。ここで、これらの溝部40a,…は、交互に延在方向が異なっており、1つおきに平行となっている。また、各溝部40a,…は、上述の図3に示すように、対向する小径スリーブ41の溝部40a,…と互いに交差する方向に延在している。
これら大径スリーブ40及び小径スリーブ41の間には、図2(a)に示すように、複数のボール42,…と、1つのボール保持リング43とが配設されている。
ボール42は、小径スリーブ41及び大径スリーブ40の間の回転トルク伝達部材であり、溝部40a,41aの間に介在している。より詳細には、このボール42は、大径スリーブ40の溝部40aと小径スリーブ41の溝部41aとの交差部分に位置している。なお、本実施の形態においては、ボール42と溝部40a,41aとは、輪軸2のラジアル方向において常に接触した状態となっている。
ボール保持リング43は、周方向に配列された複数の貫通孔43a,…を有しており、各貫通孔43aの内部にボール42を保持している。
車輪5は、図1に示すように、前記レールと当接した状態で回転方向Wに回転するようになっている。車輪5よりも輪軸2の端側には、台車枠(図示せず)に連結された状態でスラスト軸受構造体15が配設されており、車軸20及び車輪9の一体的な回転を許容するとともに車軸20に対する車輪9の位置を固定するようになっている。これらの車輪5及びスラスト軸受構造体15は、車軸20に外嵌された略円筒状の車輪支持スリーブ7によって支持されている。
車輪支持スリーブ7は、内周面に滑り軸受70,70を有しており、車軸20に対して軸方向Yに相対移動することができるようになっている。なお、この車輪支持スリーブ7は、本実施の形態においては、中央側の端部において小径スリーブ31,41と車軸20との間に介在しているが、これら小径スリーブ31,41に対しては非接触な状態となっている。
なお、車輪支持スリーブ7よりも車軸20の端側には、軸方向Yにおいて車輪5の位置を固定する位置固定装置(図示せず)が配設されている。この位置固定装置は、軸方向Yにおいてスラスト軸受構造体15の位置を固定することにより、車輪5、大径スリーブ40、小径スリーブ41及び小径スリーブ31の位置を固定するようになっている。このような位置固定装置としては、従来より公知のものを用いることができる。
続いて、走行中の台車1の動作について説明する。なお、台車1が走行するときには、車輪5は前記位置固定装置によって軸方向Yに固定された状態となっている。
まず、前記動力源が駆動すると、歯車装置10を介して車軸20に動力が伝達され、当該車軸20が回転する。これにより、ボールスプライン3の大径スリーブ30が、軸本体固定スリーブ6を介して車軸20と一体的に回転する。
また、大径スリーブ30が回転すると、この大径スリーブ30の溝部30aの内面に押されてボール32が回転し、このボール32に溝部31aの内面が押されて小径スリーブ31が回転する。また、ボールスプライン3の小径スリーブ31が回転すると、この小径スリーブ31と一体的にボールスプライン4の小径スリーブ41が回転する。更に、小径スリーブ41が回転すると、この小径スリーブ41の溝部41aの内面に押されてボール42が回転し、このボール42に溝部40aの内面が押されて大径スリーブ40が回転する。
このように、小径スリーブ31,41の溝部31a,41aと大径スリーブ30,40の溝部30a,40aとの間には、小径スリーブ31,41及び大径スリーブ30,40の間における回転トルク伝達部材としてボール32,42、つまり、中心から離れるに従って断面寸法の小さくなる部材が介在するので、断面寸法の一定な円柱状のコロが介在する従来の場合と比較して、輪軸2の軸方向Yにおける回転トルク伝達部材の端部は溝部31a,41a及び溝部30a,40aから離れて位置する。そのため、小径スリーブ31,41の溝部31a,41a及び大径スリーブ30,40の溝部30a,40aと、回転トルク伝達部材してのボール32,42との間に隙間を設けない場合であっても、輪軸2が撓んで大径スリーブ30,40や小径スリーブ31,41の回転軸が偏角したときに、小径スリーブ31,41の溝部31a,41aと大径スリーブ30,40の溝部30a,40aとによってボール32,42、つまり回転トルク伝達部材が挟まれて過剰なラジアル荷重を受けるのが防止される。
また、上記のように回転トルクが伝達されるときに、小径スリーブ31,41の溝部31a,41a及び大径スリーブ30,40の溝部30a,40aと、ボール32,42との間にはラジアル方向の隙間がないため、溝部31a,41a及び溝部30a,40aとボール32,42とは常に接触した状態となる。そのため、小径スリーブ31,41から大径スリーブ30,40への回転トルクの伝達がスムーズに行われる結果、振動の発生が防止される。
また、車軸20の各端部には2つのボールスプライン3,4が設けられており、上述のように各ボールスプライン3,4は回転トルク伝達部材としてのボール32,42を破損させることなく大径スリーブ30,40や小径スリーブ31,41を偏角させることができるので、輪軸2の各端部は2点で屈折可能となる。そのため、車軸20と車輪5との間で、回転軸がずれても、これらの回転軸は平行に保たれる。
そして、ボールスプライン4の大径スリーブ40が回転すると、この大径スリーブ40と一体的に車輪5が回転し、これにより台車1が走行する。
続いて、車輪5の間隔を変更するときの台車1の動作について説明する。
まず、前記位置固定装置による車輪5の固定状態が解除されると、軌間の変動に伴って車輪支持スリーブ7が滑り軸受70,70を介し、車軸20に対して軸方向Yに相対移動する。
まず、前記位置固定装置による車輪5の固定状態が解除されると、軌間の変動に伴って車輪支持スリーブ7が滑り軸受70,70を介し、車軸20に対して軸方向Yに相対移動する。
また、この車輪支持スリーブ7の移動に伴って、車輪5やボールスプライン4の大径スリーブ40が車軸20に対して軸方向Yに相対移動する。これにより、図3に示すように、小径スリーブ41から大径スリーブ40に対して回転トルクを伝達可能な状態に維持しつつ、ボールスプライン4が軸方向Yに伸張または収縮する。
また、同様にして、ボールスプライン3の小径スリーブ31が大径スリーブ30に対して軸方向Yに相対移動することにより、ボールスプライン3が軸方向Yに伸張または収縮する。なお、このとき、ボールスプライン4の小径スリーブ41はボールスプライン3の小径スリーブ31と一体的に軸方向Yに相対移動する。また、本実施の形態においては、ボールスプライン3の長さの変化量は、ボールスプライン4の変化量よりも大きくなっている。
そして、これらボールスプライン3,4の伸張または収縮により、ボールスプライン4の大径スリーブ40に連結された車輪5の間隔が変更されることとなる。
以上の台車1によれば、小径スリーブ31,41の溝部31a,41aと大径スリーブ30,40の溝部30a,40aとによって回転トルク伝達部材としてのボール32,42が挟まれて過剰なラジアル荷重を受けるのを防止することができるため、回転トルク伝達部材の破損を防止し、輪軸2の耐久性を向上させることができる。
また、小径スリーブ31,41から大径スリーブ30,40への回転トルクの伝達をスムーズに行わせて振動の発生を防止することができるため、走行安定性や台車1の乗り心地を向上させることができる。
更に、車軸20と車輪5との間で回転軸を平行に保つことができるため、輪軸2が撓んだ場合であっても、車輪5をレールに対して一定の角度で当接させることができる。従って、走行安定性や台車1の乗り心地をいっそう向上させることができる。
なお、上記の実施の形態においては、本発明における中央側スリーブ,端側スリーブを大径スリーブ30,40とし、中間スリーブを小径スリーブ31,41として説明したが、中央側スリーブ,端側スリーブを小径スリーブとし、中間スリーブを大径スリーブとしても良い。また、中央側スリーブをボールスプライン3の大径スリーブ、2つの中間スリーブのうち車軸20の中央側のものをボールスプライン3の小径スリーブ、端側のものをボールスプライン4の大径スリーブ、端側スリーブをボールスプライン4の小径スリーブとしても良い。また、中央側スリーブをボールスプライン3の小径スリーブ、2つの中間スリーブのうち車軸20の中央側のものをボールスプライン3の大径スリーブ、端側のものをボールスプライン4の小径スリーブ、端側スリーブをボールスプライン4の大径スリーブとしても良い。
また、歯車装置10を中央歯車装置として説明したが、輪軸2の中央部からオフセットされた位置で当該輪軸2と当接する、いわゆるオフセット歯車装置としても良い。
1 台車
2 輪軸
3,4 ボールスプライン
5 車輪
20 車軸
30 大径スリーブ,中央側スリーブ
31,41 小径スリーブ,中間スリーブ
32,42 ボール
40 大径スリーブ,端側スリーブ
30a,31a,40a,41a 溝部
L2 軸線
Y 軸方向
2 輪軸
3,4 ボールスプライン
5 車輪
20 車軸
30 大径スリーブ,中央側スリーブ
31,41 小径スリーブ,中間スリーブ
32,42 ボール
40 大径スリーブ,端側スリーブ
30a,31a,40a,41a 溝部
L2 軸線
Y 軸方向
Claims (3)
- レール上を走行する台車に備えられる輪軸において、
車軸と、
2つの車輪と、
前記車軸の中央部よりも両端の側にそれぞれ2つずつ設けられたボールスプラインとを備え、
前記ボールスプラインは、
軸線に対して傾斜した溝部を内周面に有するとともに、前記車軸に外嵌された大径スリーブと、
軸線に対して傾斜した溝部を外周面に有するとともに、前記車軸に外嵌されて当該車軸及び前記大径スリーブの間に介在した、前記大径スリーブよりも内径の小さい小径スリーブと、
前記大径スリーブ及び前記小径スリーブの前記溝部の間に介在してこれら大径スリーブ及び小径スリーブの間で回転トルクを伝達するボールとを有し、
前記小径スリーブの前記溝部と、前記大径スリーブの前記溝部とは、互いに交差する方向に延在しており、
前記2つのボールスプラインの前記大径スリーブ及び前記小径スリーブのうち、
前記車軸の最も中央側に位置する中央側スリーブは、当該車軸と一体化され、
前記車軸の最も端側に位置する端側スリーブは、前記車軸に対して軸方向に相対移動可能な状態で、前記車輪に連結され、
前記中央側スリーブと前記端側スリーブとの間に介在する2つの中間スリーブは、前記車軸に対して軸方向に相対移動可能な状態で、互いに一体化されていることを特徴とする輪軸。 - 請求項1記載の輪軸において、
前記中央側スリーブ及び前記端側スリーブは、前記大径スリーブであり、
前記2つの中間スリーブは、前記小径スリーブであることを特徴とする輪軸。 - 請求項1または2記載の輪軸を備えることを特徴とする台車。
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JP2006148475A JP2007314125A (ja) | 2006-05-29 | 2006-05-29 | 輪軸及び台車 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107856692A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-03-30 | 中车长春轨道客车股份有限公司 | 用于实现准‑窄轨距转换的车轮滑移装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006083937A (ja) * | 2004-09-15 | 2006-03-30 | Ntn Corp | クロスグルーブ型ボールスプライン |
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- 2006-05-29 JP JP2006148475A patent/JP2007314125A/ja active Pending
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CN107856692A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-03-30 | 中车长春轨道客车股份有限公司 | 用于实现准‑窄轨距转换的车轮滑移装置 |
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