JP2017210035A - 車輪、摩擦式駆動装置及び全方向移動装置 - Google Patents

車輪、摩擦式駆動装置及び全方向移動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オムニホイール式の車輪に用いられるインナースリーブの製造コストを低減し、安価な車輪を提供すること。【解決手段】インナースリーブ36に設けられる円筒体40の内孔38を、真直な軸線Xを有し且つ一定の横断面形状を有するものとし、円筒体40が軸線方向の中間部において芯体32の径方向外方の周面に当接すると共に軸線方向の両端部において各々芯体32の径方向内方の周面に当接するように、内孔38の形状及び寸法を定める。【選択図】図7

Description

本発明は、車輪、摩擦式駆動装置及び全方向移動装置に関し、更に詳細には、オムニホイール式の車輪及びそれを用いた摩擦式駆動装置及び全方向移動装置に関する。
乗り物や物品搬送装置、ロボット等に用いられる全方向移動装置の車輪として、円環状の芯体にインナースリーブを介して複数個のフリーローラが各々自身の中心軸線周りに回転可能に取り付けられた車輪が知られている(例えば、特許文献1、2)。この車輪は、オムニホイール式と呼ばれ、この車輪を用いた全方向移動装置は、芯体の円環中心に一致する中心軸線周りの回転(公転)によって前後方向の走行(前後移動)を行い、フリーローラの中心軸線周りの回転(自転)によって横方向の走行(横移動)を行い、その二つの回転の組み合わせによって斜め方向の走行を行うことができる。
特開2010−247640号公報 国際公開第2010/64408号パンフレット
従来のオムニホイール式の車輪に用いられているインナースリーブは、軸線方向に貫通する内孔を有する円筒体をなし、円筒体の外周にフリーローラを回転可能に取り付けられており、芯体を挿入される内孔は、その全軸長に亘って芯体にぴったり嵌合するように、芯体の曲率と同じ曲率による円弧状の軸線を有する曲がった貫通孔によって構成されている。このため、インナースリーブの切削加工が難しく、インナースリーブの製造コストが高いものになる。このため、数多くのインナースリーブを必要とする車輪は高価なものになる。
本発明が解決しようとする課題は、オムニホイール式の車輪に用いられるインナースリーブの製造コストを低減し、安価な車輪を提供することである。
本発明による車輪は、円環状の輪体による芯体(32)と、軸線方向に貫通する内孔(38)を有する円筒体(40)を含み、前記芯体(32)に嵌装され、前記芯体(32)に固定された複数のインナースリーブ(36)と、前記円筒体(40)の外周に回転可能に取り付けられたフリーローラ(60)とを有し、前記内孔(38)は、真直な軸線(X)を有し且つ一定の横断面形状を有し、前記円筒体(40)が軸線方向の中間部において前記芯体(32)の径方向外方の周面に当接すると共に軸線方向の両端部において各々前記芯体(32)の径方向内方の周面に当接するように、前記内孔(38)の形状及び寸法が定められている。
この構成によれば、内孔(38)が全体に亘って真直な軸線Xを有し、円筒体(40)が直管形状であっても、内孔(38)に芯体(32)を挿通可能で、インナースリーブ(36)は芯体(32)に嵌装される。円筒体(40)が直管形状であることにより、インナースリーブ(36)の製造が容易になり、インナースリーブ(36)の製造コストが低くなり、数多くのインナースリーブ(36)を組み付けられる車輪(30)のコストダウンが図られる。
本発明による車輪は、好ましくは、前記横断面形状が前記芯体(32)の輪径方向に長い形状である。
この構成によれば、芯体(32)に対するインナースリーブ(36)の嵌装が容易に行われる。
本発明による車輪は、好ましくは、前記芯体(32)が円形断面を有し、前記横断面形状が長円又は楕円である。
この構成によれば、インナースリーブ(36)が芯体(32)に対してがた付くことが減少する。
本発明による車輪は、好ましくは、前記インナースリーブ(36)は、前記円筒体(40)の軸線方向の両端に互いに180度反転した周方向位置に設けられた半円筒体(42)を含み、前記芯体の円周方向に隣り合う前記インナースリーブ(36)の前記半円筒部(42)の組み合わせによって円筒体が構成され、前記インナースリーブ(36)は、前記半円筒体(42)を貫通して前記芯体(32)に係止される固定部材(48、54)によって前記芯体(32)に固定されている。
この構成によれば、固定部材(48、54)によるインナースリーブ(36)の芯体(32)に対する固定作業がフリーローラ(60)によって阻害されることがない。また、インナースリーブ(36)が芯体(32)に固定されているので、インナースリーブ(36)およびフリーローラ(60)が芯体(32)の周方向にがた付くことがなく、車輪(30)の回転による走行時にがた付きによる異音が発生することがない。
本発明による車輪は、好ましくは、前記芯体(32)は、少なくとも2個に分割された分割部品(34)の組み合わせにより、少なくとも2個の継ぎ目(A)を有し、前記インナースリーブ(36)は、前記継ぎ目(A)を跨って延在し、前記半円筒体(42)が前記継ぎ目(A)の両側に位置するものを含み、当該インナースリーブ(36)によって前記分割部品(34)が結合されている。
この構成によれば、継ぎ目(A)の接合がフリーローラ(60)を装着されるインナースリーブ(36)によって管継手式に行われるので、継ぎ目(A)の接合が専用部品を必要とすることなく行われ、簡便な構造で、製造コストを削減できる。また、相欠きほぞ構造の継手ではないので、継手部の強度低下がなく、芯体(32)を太くすることなく十分な強度および剛性が得られる。
本発明による摩擦式駆動装置は、上述の発明による車輪(30)と、前記車輪(30)の両側に回転自在に配置されたドライブディスク(70)と、前記ドライブディスク(70)の各々に、当該ドライブディスク(70)の回転中心と同心の円周上に複数個配置され、各々、前記ドライブディスク(70)の回転軸線に対してねじれの関係をなす回転軸線周りに回転可能で、外周面をもって前記フリーローラ(60)の外周面に接触するドライブローラ(78)とを有する。
この構成によれば、ドライブディスク(70)の回転がドライブローラ(78)によってフリーローラ(60)に伝達される。
本発明による全方向移動装置は、上述の発明による摩擦式駆動装置と、前記車輪(30)の両側に配置された前記ドライブディスク(70)を各々個別に回転駆動する駆動装置(84)とを含み、前記車輪(30)によって走行する。
本発明による車輪によれば、インナースリーブの加工が容易になることにより、インナースリーブの製造コストを低減し、安価な車輪を提供することができる。
本発明による車輪及び摩擦式駆動装置が用いられた全方向移動装置(倒立振子型車両)の一つの実施形態を示す斜視図 本実施形態による車輪(主輪)の側断面図 図2の線III−IIIに沿った断面図 図2の線IV−IVに沿った拡大断面図 本実施形態による車輪の分解斜視図 (A)は本実施形態による車輪に用いられる芯体の分解斜視図、(B)は同芯体の組立斜視図 本実施形態による車輪に用いられるインナースリーブ及びフリーローラの拡大断面図 図7の線VIII−VIIIに沿った断面図 図7の線IX−IXに沿った断面図 本実施形態による車輪に用いられるインナースリーブを右側から見た斜視図 同インナースリーブを左側から見た斜視図 他の実施形態による図7の線VIII−VIIIに沿った断面図と同等の断面図
以下に、本発明による車輪及び摩擦式駆動装置が用いられた全方向移動装置の一つの実施形態を、図1〜図9を参照して説明する。
図1に示されているように、本実施形態の全方向移動装置は、倒立振子型車両であり、車体骨格をなす車体フレーム10を有する。車体フレーム10は、前後2個の上部部材12と、上部部材12の左右両端より各々垂下し且つ前後2個の上部部材12を互いに接続する左右の脚部材14と、脚部材14の下部に取り付けられた左右の下部支持プレート16とを含む。上部部材12の上部には乗員の臀部を支持するサドル18が取り付けられている。下部支持プレート16には乗員の足裏を支持する左右のフットステップ20が取り付けられている。
左右の脚部材14及び下部支持プレート16間には主輪(車輪)30及び左右のドライブディスク70が配置されている。左右のドライブディスク70は、主輪30の左右両側に対称の配置で、ハブ72と、ホイール74と、ハブ72及びホイール74の周方向に等間隔に配置されて両端をハブ72或いはホイール74に固定された複数のホルダ76との組立体によって構成され、下部支持プレート16に取り付けられて左右方向に延在する一つの支持軸22によって車体フレーム10に左右方向に延在する略水平な中心軸線周りに回転可能に支持されている。換言すると、車体フレーム10は一つの支持軸22によって左右のドライブディスク70を各々左右方向に延在する略水平な同一軸線上に回転可能に支持している。
左右のドライブディスク70には、各々、ホルダ76によって複数のドライブローラ78がドライブディスク70の周方向に等間隔に配置されている。ドライブローラ78は各々ドライブディスク70の回転軸線(中心軸線)に対してねじれの関係をなす回転軸線周りに回転可能であり、下側に位置するもののみが外周面をもって後述する主輪30の接地側(下側)に位置するフリーローラ(ドリブンローラ)60の外周面(主輪30の径方向内方の外周面)に左右対称に摺接している。接地側に位置するドライブローラ78は、サドル18に着座した乗員の荷重が車体フレーム10を介して支持軸22に作用することにより、接地している主輪30のフリーローラ60に押し付けられる。
車体フレーム10には鼓形状の規制ローラ102が支持軸22の中心軸線と平行な軸線周りに回転可能に取り付けられている。規制ローラ102は、主輪30内の上部を左右方向に貫通して延在し、円弧状の括れ部が主輪30の上側に位置するフリーローラ60の外周面(主輪30の径方向内方の外周面)に摺接することにより、主輪30が車体フレーム10に対して左右方向に傾斜すること及び上下方向に移動することを阻止する。
車体フレーム10には、接地しているフリーローラ60の前後に位置するフリーローラ60を左右から挟むようにしてフリーローラ60の外周面(主輪30の径方向内方の外周面)に摺接する規制ローラ110が支持軸22を中心として回動可能に支持部材108によって取り付けられている。規制ローラ110は、接地点を通る鉛直線より前後方向に離れた位置にあるフリーローラ60に接触していることにより、主輪30が接地点を通る鉛直線周りに回転することを規制、つまり車体フレーム10に対する主輪30のヨー運動を規制する。また、規制ローラ110は、主輪30が車体フレーム10に対してロール運動することも、ピッチ運動することも規制する。
上述のように、主輪30は、下側を左右のドライブローラ78及び規制ローラ110によって軸線方向に挟まれ、上側を規制ローラ102によって支持されることにより、倒立振子制御下では中心軸線が略水平になる起立姿勢を維持する。
ドライブディスク70にはドリブンプーリ80が同心に固定されている。車体フレーム10は主輪30の上方にギヤボックス82を取り付けられている。ギヤボックス82の外壁には左右の電動モータ84(図1では右側のドライブディスク70用の電動モータのみを図示)及び左右のドライブプーリ86(図1では左側のドライブディスク70用のドライブプーリのみを図示)が取り付けられている。ギヤボックス82は減速歯車装置(不図示)を内蔵しており、当該減速歯車装置は左右の電動モータ84の回転を減速して左右のドライブプーリ86に個別に伝達する。ドライブプーリ86とドリブンプーリ80とには左右で対応するもの同士間に無端のコグドベルト88(図1では左側のドライブディスク70用のコグドベルトのみを図示)が掛け渡されている。これにより、左右のドライブディスク70が個別に回転駆動される。
下部支持プレート16には支持軸90によって尾輪支持アーム92の基端が回動可能に連結されている。尾輪支持アーム92は、基端より主輪30の後方に向けて延在し、支持軸90の中心軸線周りに車体フレーム10に対して略上下方向に回動可能になっている。尾輪支持アーム92は遊端にオムニホイール式の尾輪(副輪)94をドライブディスク70の回転軸線に直交する略水平な中心軸線周りに回転可能に支持している。尾輪94は尾輪支持アーム92に取り付けられた電動モータ96によって回転駆動される。
ギヤボックス82の前部には電気ボックス98が取り付けられている。電気ボックス98は、電子制御装置、ジャイロセンサ、モータドライブユニット等を内蔵している。電子制御装置は、倒立振子制御則に従った制御処理に基づいて車体フレーム10が略直立姿勢を維持すべく左右の電動モータ84を制御すると共に、旋回のために電動モータ96を制御する。なお、車体フレーム10には、図示されていないが、これらの電装品の電源をなすバッテリが搭載されている。
左右の電動モータ84が同一方向に且つ同一速度で駆動されている場合には、左右のドライブディスク70が同一速度で同一方向に回転し、主輪30が円環中心を回転軸線として回転する。このとき、左右のドライブディスク70に回転速度差が生じないため、主輪30のフリーローラ60が自転せず、倒立振子型車両は真っ直ぐに前進あるいは後進する。
左右の電動モータ84が互いに異なった回転方向及び又は回転速度に駆動されている場合には、左右のドライブディスク70間に回転速度差が生じ、左右のドライブディスク70の回転力による円周(接線)方向の力に対し、この力に直交する向きの分力が左右のドライブローラ78と主輪30のフリーローラ60との接触面に作用する。この分力によってフリーローラ60が自身の中心軸線回りに回転(自転)することになる。
フリーローラ60の回転は、左右のドライブディスク70の回転速度差によって定まるから、例えば、左右のドライブディスク70を互いに同一速度で逆向きに回転させると、主輪30は全く公転せず、フリーローラ60の自転だけが生じる。これにより、主輪30には左右方向の走行力が加わることになり、倒立振子型車両は、左右方向に走行(真横移動)する。左右のドライブディスク70を同一方向に相違した速度で回転させると、主輪30の公転と共にフリーローラ60の自転が生じ、倒立振子型車両は斜め前方あるいは斜め後方に走行する。
電動モータ96によって尾輪94が回転駆動されると、倒立振子型車両は主輪30の接地点を中心として旋回する。なお、主輪30及び尾輪94が同時に回転駆動されると、その回転駆動の状態に応じて、旋回中心は変化する。
つぎに、本実施形態による主輪30の詳細を、図2〜図11を参照して説明する。
主輪30は、図2〜図5に示されているように、芯体32を有する。芯体32は、図6(A)に示されている半円形の2個の分割部材34の組み合わせによって図6(B)に示されているような所定輪径による円環状の輪体をなしている。詳細には、芯体32は、2個の分割部材34の端部同士の突き合わせによって端面35同士が互いに対向して接合することにより2個の継ぎ目A(図2参照)を形成し、各継ぎ目Aにおいて分割部材34同士が接合されることによって連続した円環状をなしている。継ぎ目Aにおける分割部材34の接合は後述するインナースリーブ36によって行われる。
分割部材34はステンレス鋼(例えば、機械構造用炭素鋼鋼管STKM)やアルミニウム等の金属製の円形横断面形状のパイプを180度の曲げ加工によって半円形に成形したものである。
芯体32には複数のインナースリーブ36が嵌装されている。インナースリーブ36は、例えば、アルミニウム等の金属の削り出し品、パイプ材を原材料として切削加工したものであり、図7〜図11に示されているように、軸線方向に貫通した内孔38を有する円筒体40と、円筒体40の軸線方向の両端に互いに180度反転した周方向位置に設けられた半円筒体42とを含む。円筒体40と半円筒体42とは互いに一体であり、内孔38に芯体32を挿通される。なお、インナースリーブ36は、押出し材、鍛造、鋳造等によって製造することもできる。
内孔38は、全体に亘って真直な軸線Xを有し、全体に亘って芯体32の外径に等しい横幅を有して芯体32の輪径方向に長い長円による一定形状の横断面形状を有し、図7に示されているように、円筒体40が軸線方向の中間部Bにおいて芯体32の径方向外方の周面に当接し、軸線方向の両端部Cにおいて各々芯体の径方向内方の周面に当接するように、長円方向の寸法を定められている。
これにより、内孔38が全体に亘って真直な軸線Xを有するもの、つまり、円筒体40が直管形状であっても、内孔38に芯体32を挿通可能で、インナースリーブ36は上下左右にがた付きを生じることなく芯体32に嵌装される。内孔38が全体に亘って真直な軸線Xを有する曲がりがない孔であるから、内孔38はドリル工具やエンドミル等によって形成することができ、インナースリーブ36の製造が容易になる。このことにより、インナースリーブ36の製造コストが低くなり、数多くのインナースリーブ36を組み付けられる主輪30のコストダウンが図られる。
各円筒体40の外周には、図7に示されているように、アウタレース62Aにゴム製のフリーローラ60を加硫接着されたボールベアリング62のインナレース62Bがスナップリング64によって装着されている。
芯体32に対するインナースリーブ36の装着は、既にフリーローラ60を装着されているインナースリーブ36を、図6(A)に示されているように、分割部材34が円環状に組み合わせられていない2個の半円状の分割部材34の各々に、分割部材34の端部より所定個数挿入することにより行う。
インナースリーブ36は、各々、芯体32の円周方向に隣り合うインナースリーブ36の半円筒体42が互いに180度異なった周方向位置にある状態で、内孔38に芯体32を通されることにより、芯体32の円周方向に隣り合う半円筒体42同士が補完し合って、つまり組み合わさって略円筒状をなし(図4参照)、図2に示されているように、芯体32の周方向の全体に亘って実質的に隙間なく配置される。
なお、分割部材34の端部の外輪側(芯体32の輪径方向外方)が面取り状の切除によって緩傾斜面34A(図6(A)参照)になっていることにより、分割部材34に対するインナースリーブ36の挿入が容易に行われるようになる。
半円筒体42にはリベット孔44(図4、図7、図10、図11参照)が貫通形成されている。芯体32には各インナースリーブ36のリベット孔44に整合するリベット孔46(図2、図4〜図6参照)が複数貫通形成されている。リベット孔44及び46には、図4に示されているように、半円筒体42の外周側からブラインドリベット48が挿入されている。各ブラインドリベット48は、先端が芯体32の中空部内において膨径変形することによって芯体32に係止され、各インナースリーブ36を芯体32に固定する。
このようにして、インナースリーブ36が芯体32に固定されるので、インナースリーブ36およびフリーローラ60が芯体32の周方向にがた付くことがなく、車輪(30)の回転による走行時にがた付きによる異音が発生することがない。
また、この構造によれば、ブラインドリベット48によるインナースリーブ36の芯体32に対する固定作業がフリーローラ60によって阻害されることがなく、しかもリベット孔44及び46は芯体32の中心軸線方向に延在しているから、ブラインドリベット48の打ち込みが芯体32の中心軸線方向側からフリーローラ60と干渉することなく行われる。
半円筒体42にはもう一つのリベット孔50(図4、図7、図10、図11)が貫通形成されている。芯体32には継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36のリベット孔50に整合するリベット孔52(図4〜図6)が貫通形成されている。インナースリーブ36のうち、継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36は、継ぎ目Aを芯体32の周方向を跨って延在し、各半円筒体42が継ぎ目Aの両側に位置している。換言すると、フリーローラ60毎の複数のインナースリーブ36は、継ぎ目Aを跨って延在し、半円筒体42が継ぎ目Aの両側に位置するものを2個含んでいる。
リベット孔50及び52には、図4に示されているように、半円筒体42の外周側からブラインドリベット54が挿入されている。ブラインドリベット54は、先端が芯体32の中空部内において膨径変形することによって芯体32に係止される。これにより、継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36はブラインドリベット48に加えてブラインドリベット54によって継ぎ目Aの両側に固定される。つまり、継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36は、円筒体40の一方の側の半円筒体42を、継ぎ目Aを隔てて突き合わせられている2個の分割部材34のうちの一方の分割部材34に固定され、他方の側の半円筒体42を他方の分割部材34に固定され、2個の分割部材34を接合する継手を兼ねている。
このように、継ぎ目の接合がフリーローラ60を装着されるインナースリーブ36によって管継手式に行われるので、継ぎ目Aの接合が専用部品を必要とすることなく行われ、簡便な構造で、製造コストを削減できる。また、相欠きほぞ構造の継手ではないので、継手部の強度低下がなく、芯体32を太くすることなく十分な強度および剛性が得られる。
また、リベット孔50及び52はリベット孔44及び46より芯体32の輪外側に形成されていることにより、ブラインドリベット54の打ち込みも芯体32の輪外側からフリーローラ60と干渉することなく行われる。
芯体32の円周方向に隣り合うボールベアリング62及びフリーローラ60の各間には、図2〜図4に示されているように、スペーサ66が配置されている。各スペーサ66は、芯体32の円周方向に隣り合うボールベアリング62及びフリーローラ60間にできる楔形状(芯体32の軸線方向で見て楔形状)の空間、特に芯体32の輪外側の空間を埋めるように、芯体32の軸線方向で見て楔形、つまり側面形状が楔形をしており、且つ正面形状がインナースリーブ36を芯体32の輪外側に跨ぐ門形(ステープル形)をしており、板ばね68によってインナースリーブ36に固定されている。
板ばね68は、スペーサ66の門形の中間部に形成されたスリット66Aに係合してスペーサ66に固定される中間部68Aと、中間部68Aの両端よりインナースリーブ36の側に折曲された脚片部68Bとを有し、両脚片部68Bの先端部68Cが各々半円筒体42に形成された長円形状の係止孔(凹部)56に嵌合している。なお、一つの板ばね68の一方の先端部68Cは、隣接するインナースリーブ36のうちの一方のインナースリーブ36の半円筒体42の係止孔56に嵌合し、他方の先端部68Cは、隣接するインナースリーブ36のうちの他方のインナースリーブ36の半円筒体42の係止孔56に嵌合する。これらの嵌合は、脚片部68Bの弾性変形のもとに、工具を必要とすることなく弾圧的に行われる。
上述したように、本実施形態の主輪30は、芯体32が2個の分割部材34の組み合わせによって構成され、2個の分割部材34の接合がフリーローラ60を保持するインナースリーブ36によって管継手式に行われるので、分割部材34の接合に専用部品を必要とすることがなく、簡便な構造で、製造コストを削減できる。しかも、主輪30は相欠けによる接合部を含まないから、継手部(接合部)の強度低下がなく、芯体32を太くすることなく十分な強度及び剛性を得ることができる。
更には、分割部材34が金属パイプ製であることにより、曲げ加工によって芯体32を製造でき、削り出しや鋳造による場合に比して製造コストを大幅に削減できる。しかも、分割部材34が金属パイプ製であることにより、芯体32の軽量化が図られる。
また、芯体32が2個の分割部材34の組み合わせによって構成されていることにより、芯体32に対するインナースリーブ36及びフリーローラ60の組み付けが、分割部材34の組み合わせ前の状態下で、容易に行われ得る。
また、フリーローラ60を保持するインナースリーブ36の全てが芯体32に固定されるので、インナースリーブ36及びフリーローラ60が芯体32の周方向にがた付くことがなく、主輪30の回転による走行時にがた付きによる異音が発生することがない。しかも、インナースリーブ36は、フリーローラ60を装着される円筒体40の両側に形成されている半円筒体42を径方向に貫通するブラインドリベット48、54によって芯体32に固定されるので、フリーローラ60がこの固定作業を阻害することがない。半円筒体42は、隣接するもの同士で補完し合って円筒状をなす組み合わせであることにより、突き合わせによる場合に比して半円筒体42が隣接するフリーローラ60間に大きい空隙を作ることがなく、フリーローラ60の設置個数を減らす原因になることがない。
スペーサ66は、フリーローラ60間の空隙に異物が侵入することを防止する。これにより、フリーローラ60の回転が異物の噛み込みによって阻害されることが防止される。スペーサ66は板ばね68によってインナースリーブ36に装着されるので、インナースリーブ36に対するスペーサ66の着脱を、工具を必要とすることなく簡便に行えるようになる。また、スペーサ66の交換作業も簡単に作業性よく行えるようになる。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、内孔38は、全体に亘って真直な軸線Xを有するものであれば、横断面形状が長円に代えて芯体32の輪径方向に長い楕円(図12参照)あるいは芯体32の輪径方向に長い長円及び楕円の類似形状であってもよい。また、内孔38は芯体32の外径よる大きい内径を有するものであってもよい。
また、芯体32は、半円形の2個の分割部材34の組み合わせに限られることはなく、3分割や4分割等の複数個の分割部材の組み合わせによるものや、インナースリーブ36及びフリーローラ60の組み付けのために1箇所に切断による継ぎ目があるものであってもよい。
芯体32は、中空パイプに限られることなく、中実のものであってもよく、また、断面形状が楕円や多角形であってもよい。芯体32に対するインナースリーブ36の固定は、ブラインドリベット54に限られることなく、ねじやクリップ等の固定部材によって行われてもよい。
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 車体フレーム
18 サドル
20 フットステップ
22 支持軸
30 主輪(車輪)
32 芯体
34 分割部材
34A 緩傾斜面
36 インナースリーブ
38 内孔
40 円筒体
42 半円筒体
44 リベット孔
46 リベット孔
48 ブラインドリベット(固定部材)
50 リベット孔
52 リベット孔
54 ブラインドリベット(固定部材)
56 係止孔
60 フリーローラ
66 スペーサ
68 板ばね
68A 中間部
68B 脚片部
68C 先端部
70 ドライブディスク
78 ドライブローラ
80 ドリブンプーリ
82 ギヤボックス
84 電動モータ
86 ドライブプーリ
88 コグドベルト
92 尾輪支持アーム
94 尾輪
96 電動モータ
98 電気ボックス
A 継ぎ目

Claims (7)

  1. 円環状の輪体による芯体と、
    軸線方向に貫通する内孔を有する円筒体を含み、前記芯体に嵌装され、前記芯体に固定された複数のインナースリーブと、
    前記円筒体の外周に回転可能に取り付けられたフリーローラとを有し、
    前記内孔は、真直な軸線を有し且つ一定の横断面形状を有し、前記円筒体が軸線方向の中間部において前記芯体の径方向外方の周面に当接すると共に軸線方向の両端部において各々前記芯体の径方向内方の周面に当接するように、前記内孔の形状及び寸法が定められている車輪。
  2. 前記横断面形状が前記芯体の輪径方向に長い形状である請求項1に記載の車輪。
  3. 前記芯体が円形断面を有し、前記横断面形状が長円又は楕円である請求項2に記載の車輪。
  4. 前記インナースリーブは、前記円筒体の軸線方向の両端に互いに180度反転した周方向位置に設けられた半円筒体を含み、
    前記芯体の円周方向に隣り合う前記インナースリーブの前記半円筒部の組み合わせによって円筒体が構成され、
    前記インナースリーブは、前記半円筒体を貫通して前記芯体に係止される固定部材によって前記芯体に固定されている請求項1から3の何れか一項に記載の車輪。
  5. 前記芯体は、少なくとも2個に分割された分割部品の組み合わせにより、少なくとも2個の継ぎ目を有し、
    前記インナースリーブは、前記継ぎ目を跨って延在し、前記半円筒体が前記継ぎ目の両側に位置するものを含み、当該インナースリーブによって前記分割部品が結合されている請求項4に記載の車輪。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の車輪と、
    前記車輪の両側に回転自在に配置されたドライブディスクと、
    前記ドライブディスクの各々に、当該ドライブディスクの回転中心と同心の円周上に複数個配置され、各々、前記ドライブディスクの回転軸線に対してねじれの関係をなす回転軸線周りに回転可能で、外周面をもって前記フリーローラの外周面に接触するドライブローラと、
    を有する摩擦式駆動装置。
  7. 請求項6に記載の摩擦式駆動装置と、
    前記車輪の両側に配置された前記ドライブディスクを各々個別に回転駆動する駆動装置とを含み、
    前記車輪によって走行する全方向移動装置。
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