JP4128299B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、土木・建築分野において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、セメント・コンクリートに要求される性能は益々高まっており、中でも、セメント・コンクリートの高強度化や早強化の研究は、盛んに行われている。セメント・コンクリートの強度は、水/セメント比に大きく依存し、水/セメント比をできるだけ小さくするため、JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」で規定されている、減水剤や高性能減水剤が使用されている。しかしながら、水/セメント比を低減すると、作業性が悪くなるという課題があった。
他方、セメントの水和を促進することにより、高強度化や早強化を実現する方法が数多く開発されている。例えば、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸、硝酸ナトリウム及びギ酸カルシウム、或いは、乳酸とその塩等の促進剤を使用し、セメント・コンクリートの強度を増進する方法が種々提案されている(米国特許第3427175号、特開昭50-80315号公報、特開昭50-10998号公報、特開昭55-71653号公報、米国特許第3801338号、若しくは、英国特許第1522501号、英国特許第1522502号等)。これらの促進剤を混和したコンクリートは、スランプロスが大きく、作業時間の確保が難しいという課題があった。
本発明者らは、コンクリートのスランプロスを抑制し、高強度を可能としたセメント混和材を先に提案した(特開平9-295843号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このセメント混和材は、早強性が十分でなく、特に低温時における初期強度発現性が十分でないという課題があった。そこで、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のセメント混和材を使用することにより、前記課題を解決できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ギ酸、乳酸、酢酸及びそれらの塩の中から選ばれた少なくとも一種以上のギ酸類と、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、ピロ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及びピロ重亜硫酸塩の中から選ばれた少なくとも一種以上の亜硫酸塩類とを含有してなり、ギ酸類と亜硫酸塩類からなるセメント混和材 100 重量部中、ギ酸類が 50 90 重量部であり、亜硫酸塩類が5〜 50 重量部であるポルトランドセメント用のセメント混和材であり、更に高性能減水剤を含有してなる該セメント混和材であり、ギ酸類、亜硫酸塩類、及び高性能減水剤からなるセメント混和材100重量部中、ギ酸類が30〜90重量部である、また、亜硫酸塩が5〜50重量部である該セメント混和材であり、該セメント混和材とポルトランドセメントを含有してなるセメント組成物であり、該セメント組成物100重量部中、ギ酸類と亜硫酸塩類からなるセメント混和材が1〜7重量部である、ギ酸類、亜硫酸塩類、及び高性能減水剤からなるセメント混和材が1〜7重量部である該セメント組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0006】
本発明のギ酸、乳酸、酢酸及びそれらの塩の中から選ばれた少なくとも一種以上のギ酸類は、一般に、オキシカルボン酸と呼ばれる有機化合物に属するが、例えば、オキシカルボン酸でもコハク酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸又はそれらの塩等では、本発明の効果を奏することができない。他の強い遅延性を示すオキシカルボン酸とは、その効果を異にするものである。本発明のギ酸類とは、具体的には、ギ酸、乳酸、酢酸及びそれらの塩であり、それらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩及びアンモニウム塩等がある。本発明では、これらのうちの少なくとも一種以上が使用可能である。
【0007】
本発明の亜硫酸塩、重亜硫酸塩、ピロ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及びピロ重亜硫酸塩の中から選ばれた少なくとも一種以上の亜硫酸塩類とは、特に限定されるものではないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸カルシウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸リチウム、重亜硫酸カルシウム、ピロ硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム、ピロ硫酸リチウム、ピロ硫酸カルシウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸リチウム、ピロ亜硫酸カルシウム、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ピロ重亜硫酸カリウム、ピロ重亜硫酸リチウム及びピロ重亜硫酸カルシウム等である。本発明では、これらのうちの少なくとも一種以上が使用可能である。
【0008】
本発明の高性能減水剤とは、特に限定されるものではないが、一般に、ナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系及びアミノスルホン酸系等と称されるもので、その形態としては、液状タイプ及び粉末タイプのものがある。例えば、花王社製商品名「マイティ2000WH」、「マイティ100」、「マイティ150」、電気化学工業社製商品名「デンカFT-500」、「デンカFT-80」、第一工業製薬社製商品名「セルフロー110P」、昭和電工社製商品名「メルメントF-10」、「モルマスター10」、「モルマスター20」及び日本シーカ社製商品名「シーカメント1000H」等があり、ポリカルボン酸系としては、グレースケミカルズ社製商品名「ダーレックススーパー200」、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP-8HS」、竹本油脂社製商品名「チューポールHP-11」、「チューポールHP-11」、「ポールファイン510N」、藤沢薬品工業社製商品名「パリックFP-100U」、「パリックFP-200」及び日本製紙社製商品名「サンフローPS」、「サンフローHS700」等が挙げられる。その他にも、各社より多くの高性能減水剤が市販されている。
【0009】
本発明のセメント混和材の各成分の配合割合は、セメント混和材がギ酸類と亜硫酸塩類を含有してなる場合、セメント混和材100重量部中、ギ酸類の配合割合は、50〜95重量部であり、60〜90重量部が好ましい。50重量部未満では十分な早強性が得られない場合があり、95重量部を超えると十分なスランプの保持性が得られない場合がある。亜硫酸塩類の配合割合は、5〜50重量部であり、10〜40重量部が好ましい。5重量部未満では十分なスランプの保持性が得られない場合があり、50重量部を超えると十分な早強性が得られない場合がある。
【0010】
セメント混和材がギ酸類、亜硫酸塩類及び高性能減水剤を含有してなる場合、ギ酸類の配合割合は、30〜90重量部が好ましく、40〜80重量部がより好ましい。30重量部未満では十分な早強性が得られない場合があり、90重量部を超えると十分なスランプの保持性が得られない場合がある。亜硫酸塩類の配合割合は、5〜50重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましい。5重量部未満では十分なスランプの保持性が得られない場合があり、50重量部を超えると十分な早強性が得られない場合がある。高性能減水剤の配合割合は、固形分換算で50重量部以下が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。50重量部を超えると材料分離を生じたり、十分な早強性が得られない場合がある。
【0011】
本発明のセメント混和材の配合量は、特に限定されるものではないが、セメント混和材がギ酸類と亜硫酸塩類を含有してなる場合、セメントとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、1〜7重量部が好ましく、2〜5重量部がより好ましい。1重量部未満では、スランプロスの抑制、高強度化、早強化及び低温での初期強度発現性の効果が十分に得られない場合があり、7重量部を超えても更なる効果の増進は期待できない。
【0012】
セメント混和材がギ酸類、亜硫酸塩類及び高性減水剤を含有してなる場合、セメントとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、1〜7重量部が好ましく、2〜5重量部がより好ましい。1重量部未満では、スランプロスの抑制、高強度化、早強化及び低温での初期強度発現性の効果が十分に得られない場合があり、7重量部を超えても更なる効果の増進は期待できない。
【0013】
本発明のセメント混和材は、通常、粉末状で使用するが、本発明のギ酸類、亜硫酸塩類及び高性能減水剤が、水に可溶性若しくは液体であるため、水に溶解させたり、水と混合したりして使用することが可能である。
【0014】
本発明において、ギ酸類、亜硫酸塩類、及び高性能減水剤の他に、必要に応じて凝結促進材を併用することが可能である。凝結促進材としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム及びアルミン酸リチウム等のアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸リチウム等の炭酸塩や重炭酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸カルシウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム及び亜硝酸カルシウム等の硝酸塩や亜硝酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、二水石膏、半水石膏、無水石膏及び硫酸アルミニウム等の無機硫酸塩、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、ミョウバン類、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、並びにトリエタノールアミン等のアミノアルコール類等がある。これらのうちの少なくとも一種以上を併用することにより、高強度化や早強化を更に促進させることができる。
【0015】
本発明のセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等各種ポルトランドセメントと、これらセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカを混合した各種混合セメント、並びに、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント等がある。
【0016】
本発明のセメント混和材及びセメント組成物に、砂、砂利等の骨材の他に、セメント膨張材、AE剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、高分子エマルジョン、ベントナイトやモンモリロナイト等の粘土鉱物、ゼオライト、ハイドロタルサイト及びハイドロカルマイト等のイオン交換体、無機リン酸塩、並びにほう酸等の中から選ばれたものを、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
【0017】
本発明のセメント混和材及びセメント組成物を製造する際に、使用する混合装置として、既存の如何なる撹拌装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー及びナウターミキサー等がある。又、混合方法は、それぞれの材料を施工時に別々に混合してもよいし、予めその一部又は全部を混合しておいても差し支えない。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0019】
実施例1
各種ギ酸類と亜硫酸塩類(1)を表1に示す割合で配合し、セメント混和材を調製した。このセメント混和材をセメントαとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、3重量部配合して、セメント組成物/砂比=1/3、水/セメント組成物比=50%のモルタルを調製した。このモルタルの20℃における、フローの経時変化と圧縮強度の測定を行った。その結果を表1に示す。
<使用材料>
ギ酸類A:試薬1級ギ酸カルシウム
ギ酸類B:試薬1級ギ酸
ギ酸類C:試薬1級ギ酸ナトリウム
ギ酸類D:試薬1級ギ酸カリウム
ギ酸類E:試薬1級乳酸
ギ酸類F:試薬1級乳酸カルシウム
ギ酸類G:試薬1級乳酸ナトリウム
ギ酸類H:試薬1級乳酸カリウム
ギ酸類I:試薬1級酢酸カルシウム
ギ酸類J:ギ酸類Aとギ酸類Fの等重量混合物
ギ酸類K:ギ酸類A、ギ酸類F及びギ酸類Iの等重量混合物
クエン酸:試薬1級クエン酸
亜硫酸塩類(1):試薬1級亜硫酸カリウム
セメントα:電気化学工業社製早強ポルトランドセメント
砂:JIS標準砂(ISO 679準拠)
水:水道水
<試験方法>
圧縮強度:JIS A 1108に準じて測定。
フロー試験:JIS R 5201に準じて測定。
【0020】
【表1】
Figure 0004128299
【0021】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、良好なモルタルフローの保持と圧縮強度発現性を示している。一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、圧縮強度が低い(実験No.1-1)、フローロスが大きい(実験No1-8)、硬化しない(実験No.1-19)ことを示している。
【0022】
実施例2
ギ酸類A80重量部、各種亜硫酸塩20重量部を配合してセメント混和材を調製し、セメントαとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、セメント混和材を3重量部配合したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。尚、比較のためクエン酸を配合し、同様の試験を行った。その結果を表2に示す。
<使用材料>
亜硫酸塩類(1):試薬1級亜硫酸カリウム
亜硫酸塩類(2):試薬1級亜硫酸ナトリウム
亜硫酸塩類(3):試薬1級亜硫酸カルシウム
亜硫酸塩類(4):試薬1級亜硫酸アンモニウム
亜硫酸塩類(5):試薬1級重亜硫酸ナトリウム
亜硫酸塩類(6):試薬1級重亜硫酸カリウム
亜硫酸塩類(7):試薬1級ピロ亜硫酸ナトリウム
亜硫酸塩類(8):試薬1級ピロ硫酸カリウム
亜硫酸塩類(9):試薬1級ピロ重亜硫酸カリウム
亜硫酸塩類(10):亜硫酸塩類(1)と亜硫酸塩類(8)の等重量混合物
【0023】
【表2】
Figure 0004128299
【0024】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、モルタルフローの経時変化が少なく良好な流動性を示し、圧縮強度発現にも優れている。
【0025】
実施例3
ギ酸類A80重量部、亜硫酸塩(1)20重量部を配合してセメント混和材を調製し、セメントαとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中のセメント混和材の配合量を表3に示すように変えたこと以外は、全て実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0004128299
【0027】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、良好なモルタルフローの保持と圧縮強度発現性を示している。一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例(実験No.3-1)では、モルタルのフローロスが大きく、圧縮強度が低いことを示している。
【0028】
実施例4
ギ酸類A、亜硫酸塩(1)及び各種高性能減水剤aを表4に示す割合で配合してセメント混和材を調製し、セメントαとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、セメント混和材を3重量部配合し、水/セメント組成物比=40%、セメント組成物/砂比=1/3のモルタルを調製した。このモルタルを使用して、フローの経時変化と圧縮強度の測定を行った。その結果を表4に示す。
<使用材料>
高性能減水剤a:市販ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
【0029】
【表4】
Figure 0004128299
【0030】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、良好なモルタルフローの保持と圧縮強度発現性を示している。一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、モルタルに材料分離が発生したり(実験No.4-1)、フローロスが大きい(実験No.4-7)ことを示している。
【0031】
実施例5
ギ酸類A60重量部、亜硫酸塩(1)20重量部及び表5に示す各種高性能減水剤20重量部とを配合してセメント混和材を調製し、セメントαとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、セメント混和材を3重量部配合した以外は、全て実施例4と同様に行った。その結果を表5に示す。
<使用材料>
高性能減水剤a:市販ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
高性能減水剤b:市販芳香族アミノスルホン酸塩系
高性能減水剤c:市販メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系
高性能減水剤d:市販ポリカルボン酸系
高性能減水剤e:市販ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
高性能減水剤f:市販ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
【0032】
【表5】
Figure 0004128299
【0033】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、モルタルフローの経時変化が少なく良好な流動性を示し、圧縮強度発現性にも優れている。
【0034】
実施例6
ギ酸類A60重量部、亜硫酸塩(1)20重量部及び高性能減水剤a20重量部を配合してセメント混和材を調製し、セメントαとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中のセメント混和材の配合量を表6に示すように変えたこと以外は、全て実施例4と同様に行った。その結果を表6に示す。
【0035】
【表6】
Figure 0004128299
【0036】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、良好なモルタルフローの保持と圧縮強度発現性を示している。一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例(実験No.6-1)では、モルタルのフローロスが大きく、圧縮強度が低いことを示している。
【0037】
実施例7
表7に示す各種セメントと、ギ酸類A60重量部、亜硫酸塩類(1)20重量部及び高性能減水剤a20重量部を配合してセメント混和材を調製し、セメントとセメント混和材を含有してなるセメント組成物100重量部中、セメント混和材を3重量部配合した。このセメント組成物を使用し、単位セメント組成物量400kg/m3、水/セメント組成物比=40%、s/a=46%のコンクリートを環境温度20℃で作製し、スランプと圧縮強度の測定を行った。又、同じ配合のコンクリートについて、環境温度5℃で作製し、材齢1日における圧縮強度を測定した。その結果を表7に示す。但し、セメント混和材を配合しない場合には、高性能減水剤aを配合して、セメント混和材を配合した場合と同一のスランプとした。
セメントα:電気化学工業社製早強ポルトランドセメント
セメントβ:電気化学工業社製普通ポルトランドセメント
セメントγ:電気化学工業社製高炉セメントB種
砂:新潟県姫川産
砂利:新潟県姫川産、Gmax=25mm
【0038】
【表7】
Figure 0004128299
【0039】
本発明のセメント混和材を配合したセメント組成物は、良好なコンクリートのスランプの保持と圧縮強度発現性を示している。一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例(実験No.7-4,7-5,7-6)では、コンクリートのスランプロスが大きく、圧縮強度発現性も低いものである。特に、5℃の低温での圧縮強度は、著しく低いことを示している。
【0040】
【発明の効果】
本発明のセメント混和材を使用することにより、モルタルやコンクリートの流動性を改善し、高強度化、早強化を図ると共に、低温での初期強度発現性に優れたセメント組成物が得られる。

Claims (7)

  1. ギ酸、乳酸、酢酸及びそれらの塩の中から選ばれた少なくとも一種以上のギ酸類と、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、ピロ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及びピロ重亜硫酸塩の中から選ばれた少なくとも一種以上の亜硫酸塩類とを含有してなり、ギ酸類と亜硫酸塩類からなるセメント混和材 100 重量部中、ギ酸類が 50 90 重量部であり、亜硫酸塩類が5〜 50 重量部であるポルトランドセメント用のセメント混和材。
  2. 更に高性能減水剤を含有してなる請求項1に記載のセメント混和材。
  3. ギ酸類が、ギ酸類、亜硫酸塩類、及び高性能減水剤からなるセメント混和材100重量部中、30〜90重量部である請求項に記載のセメント混和材。
  4. 亜硫酸塩が、ギ酸類、亜硫酸塩類、及び高性能減水剤からなるセメント混和材100重量部中、5〜50重量部である請求項又は請求項に記載のセメント混和材。
  5. 請求項1〜請求項のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材とポルトランドセメントとを含有してなるセメント組成物。
  6. ギ酸類と亜硫酸塩類からなるセメント混和材が、セメント組成物100重量部中、1〜7重量部である請求項に記載のセメント組成物。
  7. ギ酸類、亜硫酸塩類、及び高性能減水剤からなるセメント混和材が、セメント組成物100重量部中、1〜7重量部である請求項に記載のセメント組成物。
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