JP7171146B2 - セメント系水硬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントの一部をセメントの代替物としての高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物に関するものであり、特に潜在水硬性を備えた高炉スラグ微粉末の水和反応が亜硝酸塩およびジエタノールイソプロパノールアミンの添加により活性化されるようにしたものである。
高炉スラグをセメントに置き替えての使用が着目されている。
例えば、非特許文献1においては、「結合材として使用する際には、ポルトランドセメントの代替として利用されることが多いため、使用するポルトランドセメント量が低減し、クリンカ焼成時に生成するCO2発生量を低減することができる。加えて、一般的に高炉スラグ微粉末を使用することで単位水量を低減でき、使用セメント量を減らす効果が期待できるため環境負荷低減となる。また、使用するセメントを減少させることで、セメントからのアルカリ供給量が低減し、中性化抵抗性は低下するがアルカリシリカ反応への抵抗性は向上する。またスラブ中に存在するA1203により、塩分遮蔽性や耐硫酸塩性や海水作用に対する抵抗性も向上する。一方でセメント置換によりクリンカ量が減少し初期の反応が遅延するが、セメント中のC2Sの反応が抑制されることで、養生を行えば長期強度の伸びを期待することもできる。」と述べられている。
そして、高炉スラグ微粉末の置換率を大きくすることで、(1)発熱速度が低減されコンクリートの温度上昇を抑制、(2)長期強度が無混入コンクリートよりも大きい、(3)耐海水性、耐酸性、耐硫酸塩性に対して効果大、(4)緻密なコンクリートが得られるため、水密性、塩分遮蔽性が向上、(5)適切な置換率を設定することでアルカリシリカ反応抑制効果が向上という効果がある反面、初期強度発現や中性化抵抗性、養生の影響などがあることが指摘されている。
特許文献4記載の発明は、本願の発明者による発明であり、このようなセメントの一部を高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物中の高炉スラグ微粉末の水和反応が亜硝酸塩によって活性化されることを見出して出願されたものである。高炉スラグ微粉末による置換率(高炉スラグ微粉末のセメントに対する質量での置換率)が小さい範囲においても初期材齢における硬化促進や、強度増加の効果があり、特に置換率が大きい場合、例えば60%以上におけるこれらの初期材齢における硬化促進や、強度増加の効果が顕著である。
一方、セメント系水硬性組成物における亜硝酸塩の使用例としては、従来、例えば、特許文献1に、亜硝酸塩をセメントの硬化促進剤として用いること、具体的にはポルトランドセメントに対して無水換算で1.0~7.0重量%の亜硝酸塩と0.2~3.0重量%の苛性アルカリとを添加するポルトランドセメントの凝結硬化促進方法が記載されている。
また、亜硝酸塩はその防錆効果にも着目されており、特許文献2には、アルカリ骨材反応を有効に抑制することができ、アルカリ骨材反応により劣化したコンクリート構造物の補修及び増厚に有効で、大面積でも施工性が良好なグラウト材として、ポルトランドセメントと、高炉スラグ微粉末と、ナフタリンスルホン酸系減水剤及びメラミン系減水剤と、亜硝酸リチウムと、骨材とを含有してなるグラウト材が記載されている。
また、特許文献3には、流動性を低下させずに、凝結時間を短くすることができる、普通エコセメントおよびセメント混和材を含むセメント組成物として、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウムまたは塩化カルシウムを凝結促進剤として用い、セメント混和材として、高炉スラグ微粉末、フライアッシュおよび石灰石微粉末からなる群より選ばれる一種以上を含むものが記載されている。
また、特許文献5には、セメント組成物の硬化物の強度を長期にわたって顕著に向上させ得るセメント用添加剤として、質量平均分子量が3000~740000であり多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが5モル以上付加された構造を有する化合物(A)と、アルカノールアミン化合物(B)とを含むセメント用添加剤およびこのセメント用添加剤をセメント組成物が記載されており、使用されるアルカノールアミン化合物(B)として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリス(2-ヒドロキシブチル)アミンが列挙されている。
特許文献5においては、特許文献5記載の発明が発現し得るセメント組成物の硬化物の長期強度向上効果は、化合物(A)のみに起因するセメント組成物の硬化物の長期強度向上効果とアルカノールアミン化合物(B)のみに起因するセメント組成物の硬化物の長期強度向上効果との和から予想される効果に比べて、顕著に高い相乗効果を示すということが述べられている。
特公平03-045023号公報 特開2006-273680号公報 特開2016-183057号公報 特開2018-076203号公報 特許第6359772号公報
伊代田岳史、「高炉スラグ微粉末を大量使用したコンクリート」、公益社団法人コンクリート工学会、コンクリート工学Vol.52(2014)No.5、p409-414
前述のように、セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物の課題としては、高炉スラグ微粉末の添加により初期の材齢における強度が低下するという問題があり、特に、高炉スラグ微粉末を多量置換した場合はより顕著になる。
強度増進のためには高炉スラグの水和の活性化ができるだけ増進させることが必要となる。また、従来知られているセメントの初期材齢の強度を増加させる促進剤は、通常、初期の材齢に効果があるが長期の材齢における水和反応が抑制されるため効果が小さいという問題がある。
また、本願の発明者による特許文献4記載の発明においては、高炉スラグ微粉末による置換率が小さい範囲においても、置換率が大きい範囲においても初期材齢における硬化促進や、強度増加の効果が得られたが、さらなる効果の改善が期待された。
本発明は、このような背景のもとに開発されたものであり、セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物において、亜硝酸塩に加えジエタノールイソプロパノールアミンを添加することで、高炉スラグの水和反応がさらに活性化され、初期材齢においても長期の材齢においても反応が活性となり、より高い強度増加効果が得られるセメント系組成物を提供することを目的としている。
本発明は、セメントの一部をセメントの代替物としての潜在水硬性を備えた高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物において、前記高炉スラグ微粉末のセメントに対する質量での置換率が60%以上であり、前記高炉スラグ微粉末の水和反応を活性化するための亜硝酸塩が無水物換算で0.5~3.0質量%、およびジエタノールイソプロパノールアミンが純分換算で0.01~0.02質量%添加されていることを特徴とするものである。
本発明は、セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物中の高炉スラグ微粉末の水和反応が亜硝酸塩に加え、さらにジエタノールイソプロパノールアミンを添加することによって、亜硝酸塩のみを加えた場合に比べ、さらに活性化され、硬化物の初期強度が改善されることを見出したものである。
なお、後述するように、亜硝酸塩を加えずに、ジエタノールイソプロパノールアミンのみを添加した試験例(表1の比較例4、5)では、亜硝酸塩もジエタノールイソプロパノールアミンも添加しない試験例(表1の比較例1)に比べても初期の材齢における強度が低下する結果となっているにも関わらず、亜硝酸塩とジエタノールイソプロパノールアミンの両者を併用することで(表1の実施例1、2、3)、特に圧縮強度に関し、初期材齢でも長期材齢でも高い強度増進効果が得られた。
また、このセメント系水硬組成物に、さらにセッコウや炭酸カルシウムが添加してもよい。セッコウを添加することで、初期強度の増進および収縮の抑制の効果がある。炭酸カルシウムを添加することで、セッコウと同様に初期強度の増進および収縮の抑制の効果がある。また、セッコウと炭酸カルシウムを併用することにより初期強度の増進および収縮の抑制の効果が大きくなる。
高炉スラグの粉末度と成分は限定されない。しかし、高炉スラグのAl2O3が高いほどAFm相の生成量が多くなり高炉スラグの反応が活性となるため、高炉スラグのAl2O3が高い方が好ましい。特に、高炉スラグのAl2O3の範囲は12~16%が好ましい。
亜硝酸塩の種類は特に限定されないが、比較的入手が容易で使用しやすいものとしては亜硝酸カルシウムを挙げることができる。
その他、通常のセメントの場合と同様、適宜、高性能AE減水剤その他の混和剤や混和材、骨材などと混合、混連し、モルタルやコンクリートとして打設することができる。
本発明のセメント系水硬組成物において、亜硝酸塩およびジエタノールイソプロパノールアミンの両者を併用することで、亜硝酸塩のみ加えジエタノールイソプロパノールアミンを添加しない場合に比べ、高炉スラグの水和反応をさらに活性化して、初期材齢のみではなく長期材齢においても強度増進効果が高い。
試験に用いた比較例および実施例の水和熱速度曲線を示すグラフである。 試験に用いた比較例および実施例における添加剤の初期水和への影響を示すグラフである。 試験に用いた比較例および実施例における高炉スラグ高含有セメント中の高炉スラグの反応率を示すグラフである。 試験に用いた比較例および実施例における高炉スラグ高含有セメント中のエーライトの反応率を示すグラフである。
セメント系水硬組成物に含まれるセメントの種類は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントなどがありいずれも使用できる。一般には、普通ポルトランドセメントが使用される場合が多い。
セメント系水硬組成物中の高炉スラグの範囲は特に限定されないが、20~90%が好ましく、40%~80%がより好ましく、60%~70%が特に好ましい。高炉スラグの割合が少なすぎる場合は、高炉スラグの水和の活性化による強度増進の効果が少なくなる。高炉スラグの割合が多すぎる場合は、高炉スラグの水和の活性化の効果が大きいが、セメントが少なくなるため強度増進効果が少なくなる。
高炉スラグの粉末度は特に限定されない。一般にはJISA6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に準拠したものが用いられる。高炉スラグの成分も特に限定されないが、高炉スラグのAl2O3が高いほどAFm相の生成量が多くなり高炉スラグの反応が活性となるため、高炉スラグのAl2O3が高い方が好ましい。
特に、高炉スラグのAl2O3の範囲は12~16%が好ましい。高炉スラグのAl2O3が低すぎる場合は、亜硝酸塩を固溶するAFm相の生成量が少なくなり高炉スラグの水和反応の活性化の効果が小さくなる可能性がある。高炉スラグのAl2O3が高すぎる場合は、相対的に高炉スラグCaOが低くなり高炉スラグの水和反応の活性化の効果が小さくなる可能性がある。
セッコウは、二水セッコウ、半水セッコウ、無水セッコウがあるが、特に限定されない。セッコウの種類は無水セッコウが好ましい。セッコウの粉末度は特に限定されない。ブレーン比表面積で3000~8000cm2/gが好ましい。
セッコウの添加の割合は、セメント系水硬組成物中のSO3換算で5.0質量%以下となるような添加量が好ましい。セメント系水硬組成物中のSO3換算で5.0質量%を超えると硬化体が過剰な膨張となる場合がある。
炭酸カルシウムは、従来からセメント組成物やセメント混和材やコンクリートの構成材料として用いられている石灰石微粉末であれば特に限定されない。炭酸カルシウムの粉末度は、ブレーン値で2000~10000cm2/gが好ましい。セメント系水硬組成物中の炭酸カルシウムの割合は、10質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましい。炭酸カルシウムが過剰の場合は、強度が増加しない可能性がある。
亜硝酸塩の種類は特に限定されないが、比較的入手が容易で使用しやすいものとしては亜硝酸カルシウムを挙げることができる。亜硝酸カルシウムは一水和物および四水和物があるが特に限定されない。亜硝酸塩の添加方法は、粉末および液体のいずれも可能である。亜硝酸塩の添加割合は、亜硝酸塩の無水物換算で0.1~5.0質量%が好ましく、0.5~3.0質量%がより好ましい。亜硝酸塩が少なすぎる場合は高炉スラグの反応の活性化の効果が小さく、亜硝酸塩が多すぎる場合はこわばりなど流動性に影響する可能性がある。
ジエタノールイソプロパノールアミンの添加割合は、純分換算で0.005~0.05質量%が好ましく、0.01~0.02質量%がより好ましい。ジエタノールイソプロパノールアミンが少なすぎる場合は強度増進の効果が小さくなり、ジエタノールイソプロパノールアミンが多すぎる場合は硬化体に空気が連行して強度が低下する場合がある。しかし、亜硝酸塩とジエタノールイソプロパノールアミンの併用により硬化体のへの空気の連行が抑制できる。
〔使用材料〕
使用材料は、表1に示すように、
普通ポルトランドセメント(OPC):ブレーン値3430cm2/g
高炉スラグ微粉末(BFS):ブレーン値4390cm2/g
無水セッコウ(Anhydrite):ブレーン値4320cm2/g
を用い、OPC:BFS: Anhydrite=30:65:5(質量)とした。
Figure 0007171146000001
〔試験方法〕
表2に示す割合で比較例1~5、実施例1~3のセメント系水硬組成物を作成した。また、表2には併せてJISR5201「セメントの物理試験方法」に準拠して材齢3日、7日、28日における曲げ強度と圧縮強度の試験結果を示した。
Figure 0007171146000002
亜硝酸塩として、亜硝酸カルシウム一水和物(一級試薬)を使用し、添加量は無水物換算で0.5%と1.0%とし、ジエタノールイソプロパノールアミンについては純分換算で0.01%とし、両者を併用する場合はジエタノールイソプロパノールアミン0.01%と0.02%とし、さらに亜硝酸カルシウムCa(NO2)2 を0.5%と1.0%とした。
セメントペーストは、水粉体比0.4(質量比)とし、養生温度は20℃とした。
水和発熱量と水和反応速度は多点式コンダクションカロリメータにより7日間測定した。密封養生した試料を所定量のアセトンを用いて水和停止し、24時間アスピレータにより乾燥させた、水和生成物についてはXRDにより同定し、内部標準法によりエーライトの反応率測定およびサリチル酸-アセトン-メタノールの選択溶解法により高炉スラグの反応率を測定した。
〔試験結果〕
(1) 初期水和
水和初期の発熱速度曲線を図1に示した。最初のピークが普通ポルトランドセメントの反応に基づき、第2のピークが高炉スラグの反応による考えることができる。
亜硝酸カルシウムの添加(比較例2、3)により両方のピークとも大きくなり、1.0%添加(比較例3)では顕著となっている。亜硝酸カルシウムの添加により、高炉スラグ高含有セメント中の普通ポルトランドセメントも高炉スラグの両方の反応とも促進される。
ジエタノールイソプロパノールアミンの添加(比較例4)では、主に第2ピークが大きくなっており、高炉スラグの反応に影響している。両者を併用し亜硝酸カルシウム1.0%添加(実施例2、3)の場合には両方の反応が促進されている。
図2に材齢1日から7日までの発熱量を示した。亜硝酸カルシウム添加(比較例2、3)では、材齢3日までは、発熱量は大きいが、材齢7日では、無添加(比較例1)に近い値となっている。
これに対して、ジエタノールイソプロパノールアミンを添加(比較例4)すると材齢7日において無添加(比較例1)より大きな値を示した。これは両者を併用(実施例1~3)した場合にも同様の傾向を示し、また、材齢1日と2日においては、発熱量は増加し、亜硝酸カルシウムとジエタノールイソプロパノールアミンの併用効果が現われている。
(2) 長期水和
材齢7日以後の、高炉スラグ高含有セメント中のエーライトの反応率と高炉スラグの反応率を図3と図4に示した。
材齢7日の高炉スラグの反応率は、無添加(比較例1)に比べて、いずれの場合も添加剤の添加(比較例3、4)により増加している。両者を併用し、ジエタノールイソプロパノールアミンが0.01%の場合(実施例2)には高炉スラグの反応率は高い値を示したが、ジエタノールイソプロパノールアミンを0.02%(実施例3)とすると減少した。
材齢28日の高炉スラグの反応率は、ジエタノールイソプロパノールアミン単独(比較例4)あるいは両者を併用した場合(実施例2、3)ともに無添加(比較例1)や亜硝酸カルシウム添加(比較例2、3)に比べて高い値を示した。
高炉スラグ高含有セメント中のエーライトの反応率は、亜硝酸カルシウム添加(比較例3)では、材齢28日以後ほとんど増加しないが、ジエタノールイソプロパノールアミンの添加(比較例4、実施例2、3)により28日以後のエーライトの反応が増加する傾向を示し、特に材齢56日では、その傾向が顕著であった。
高炉スラグ高含有セメントの水和反応に及ぼすジエタノールイソプロパノールアミンと亜硝酸カルシウムの影響をまとめると、両者とも初期の水和を促進し、両者を併用すると、高炉スラグ高含有セメント中では、材齢7日以降の反応、特に高炉スラグの反応が促進された。
また、亜硝酸カルシウムの有無にかかわらず、ジエタノールイソプロパノールアミンの添加により材齢56日における高炉スラグ高含有セメント中のエーライトの反応率が増加した。
また、表2に示した材齢3日、7日、28日における曲げ強度と圧縮強度の試験結果より、ジエタノールイソプロパノールアミン単独(比較例4、5)の場合、特に初期の強度が無添加(比較例1)に比べても低いにもかかわらず、亜硝酸カルシウムとジエタノールイソプロパノールアミンを併用(実施例1~3)した場合、特に初期の曲げ強度と初期および長期(28日)の圧縮強度が無添加(比較例1)に比べて高く、強度増進の効果があらわれている。
また、圧縮強度についてみると、亜硝酸カルシウム単独添加(比較例2、3)と比べ、特に長期強度が高くなっている(実施例1~3)。このように試験において単独添加では強度増進効果がマイナスとなったジエタノールイソプロパノールアミンとの併用により、亜硝酸カルシウム単独添加以上の強度増進効果が得られた。

Claims (4)

  1. セメントの一部をセメントの代替物としての潜在水硬性を備えた高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬組成物において、前記高炉スラグ微粉末のセメントに対する質量での置換率が60%以上であり、前記高炉スラグ微粉末の水和反応を活性化するための亜硝酸塩が無水物換算で0.5~3.0質量%、およびジエタノールイソプロパノールアミンが純分換算で0.01~0.02質量%添加されていることを特徴とするセメント系水硬組成物。
  2. 請求項1記載のセメント系水硬組成物において、さらにセッコウが添加されていることを特徴とするセメント系水硬組成物。
  3. 請求項2記載のセメント系水硬組成物において、さらに炭酸カルシウムが添加されていることを特徴とするセメント系水硬組成物。
  4. 請求項1~3の何れか一項に記載のセメント系水硬組成物において、前記亜硝酸塩が亜硝酸カルシウムであることを特徴とするセメント系水硬組成物。
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