JP4128111B2 - 温水暖房装置およびその制御方法 - Google Patents

温水暖房装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水床暖房などの温水暖房装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温水暖房装置は、たとえば特許文献1に記載されているように、床暖房パネルに温水を流している。この床暖房パネルへの温水への流れは、開閉弁である熱動弁を開閉することにより制御されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−88628号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、たとえば8畳などの床暖房パネルの全体に温水が流れるには、床暖房パネルの温水流路が長いため、温水が流れだしてから長い時間(たとえば約5分)がかかる。したがって、温水をたとえば5分以上流さないと、床暖房パネル全体に温水が行き渡らない。また、給湯用熱源としてヒートポンプを採用した場合には、ヒートポンプの立ち上がりが遅いので、床暖房パネルに供給される温水の温度がなかなか上昇しない。さらに、床暖房パネルへの温水の供給を停止しても、床暖房パネルには温水が残留しており、この床暖房パネルの温水が部屋を暖め続ける。この様に、温水暖房装置(特に、床暖房パネルなど)による暖房は、床面から部屋全体が暖められ快適であるが、温度制御の即応性は低く、その制御は難しい。そして、この温水暖房装置の制御方法として、一定時間(すなわち弁開時間決定周期)毎に、設定温度と部屋の温度(すなわち室温)との差である温度偏差に基づいて温水を流す時間を算出し、温水のデューティ制御により室温の制御を行うことが検討されている。前述のように、床暖房パネルの全体へ温水を流すのに要する時間はたとえば5分以上であるので、弁開時間決定周期はたとえば10分以上に設定されている。
【0005】
この様に、弁開時間決定周期が長いと、設定温度が変更されたり、また、部屋の扉が開いて冷気が流入したりして、温度偏差が大きくなっても、その温度偏差が反映されるのは、図4(b)において従来例として示したように、次回の弁開時間決定周期の開始時点であり、最悪の場合10分近くかかることになる。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、温度偏差が大きくなった際に、極力すぐに反応して部屋を暖めることができる温水暖房装置およびその制御方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本出願の請求項1記載の温水暖房装置は、熱源(31)と、この熱源から温水が供給されて部屋を暖める端末(4)と、この端末への温水供給を制御する開閉弁(36)と、この開閉弁の開閉動作を制御する制御手段(41)とを備えた温水暖房装置であって、前記制御手段が、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定手段と、各弁開時間決定周期の期間中に、前記弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間前記開閉弁を開けるとともに残りの時間の間開閉弁を閉じる開閉弁動作手段と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定手段と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁動作手段の作動を制限する期間途中開閉弁緊急開動作手段とを具備している。
【0008】
請求項2記載の温水暖房装置は、熱源と、この熱源から温水が供給されて部屋を暖める端末と、この端末への温水供給を制御する開閉弁と、この開閉弁の開閉動作を制御する制御手段とを備えた温水暖房装置であって、前記制御手段が、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定手段と、各弁開時間決定周期の開始から、弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間、前記開閉弁を開ける開閉弁開動作手段と、各弁開時間決定周期の開始から弁開時間決定手段で決定された弁開時間が経過すると、前記開閉弁を閉じる開閉弁閉動作手段と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定手段と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁閉動作手段の作動を制限する期間途中開閉弁緊急開動作手段とを具備している。
【0009】
請求項3記載の温水暖房装置は、請求項1または2記載の温水暖房装置において、前記端末が床暖房装置であることを特徴としている。
請求項4記載の温水暖房装置は、請求項1,2または3記載の温水暖房装置において、前記弁開時間決定周期が10分以上であることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の温水暖房装置の制御方法は、熱源から端末に供給される温水の供給量を開閉弁で開閉制御して、前記端末で部屋を暖める温水暖房装置の制御方法において、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定工程と、各弁開時間決定周期の期間中に、前記弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間前記開閉弁を開けるとともに残りの時間の間開閉弁を閉じる開閉弁動作工程と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、前記開閉弁動作工程が実行される弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定工程と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁動作工程の実行を制限する期間途中開閉弁緊急開動作工程とを具備している。
【0011】
請求項6記載の温水暖房装置の制御方法は、熱源から端末に供給される温水の供給量を開閉弁で開閉制御して、前記端末で部屋を暖める温水暖房装置の制御方法において、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定工程と、各弁開時間決定周期の開始から、弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間、前記開閉弁を開ける開閉弁開動作工程と、各弁開時間決定周期の開始から弁開時間決定手段で決定された弁開時間が経過すると、前記開閉弁を閉じる開閉弁閉動作工程と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、前記開閉弁開動作工程および開閉弁閉動作工程が実行される弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定工程と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁閉動作工程の実行を制限する期間途中開閉弁緊急開動作工程とを具備している。
【0012】
請求項7記載の温水暖房装置の制御方法は、請求項5または6記載の温水暖房装置の制御方法において、前記端末が床暖房装置であることを特徴としている。
請求項8記載の温水暖房装置の制御方法は、請求項5,6または7記載の温水暖房装置の制御方法において、前記弁開時間決定周期が10分以上であることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明における温水暖房装置およびその制御方法の実施の一形態を図1ないし図4を用いて説明する。図1は本発明にかかる温水暖房装置の全体のシステム図である。図2はコントローラの入出力図である。図3は温水制御のフローチャートである。図4は熱動弁の作動のタイムチャートで、(a)が実施の形態のタイムチャート、(b)が従来例のタイムチャートである。なお、図1において、暖房時における冷媒および水の流れを矢印で図示している。また、図2において、コントローラの入出力は熱動弁の作動に特に関係する主要な部品のみが図示されており、これ以外の他の各種部品もコントローラに接続されている。
【0014】
図1において、温水暖房装置は、ヒートポンプユニットである室外機1と、この室外機1からの冷媒と熱交換して温水を供給する温水ユニット2と、室外機1からの冷媒で部屋を空調する空調用室内機3と、複数の部屋にそれぞれ設置され、温水ユニット2からの温水が流れる複数組(この実施の形態では3組)の端末としての床暖房パネル4とを備えている。
【0015】
室外機1は、外気と熱交換した冷媒を温水ユニット2や室内機3に供給するものである。そして、暖房時には、圧縮機6はガス状の冷媒(たとえば、HFC、CO2 など)を圧縮して高温の冷媒を生成し、四方切換弁7に流す。四方切換弁7から流れだした冷媒は、分岐して複数(この実施の形態では2個)のポートを有する第1接続部9に流れる。一方の第1接続部9は室内機3に接続され、また、他方の第1接続部9は温水ユニット2に接続されている。一方の第1接続部9から室内機3に流入した冷媒は部屋の空気と熱交換し部屋を暖める。そして、部屋の空気と熱交換して温度の低下した冷媒は、室外機1の第2接続部11に戻ってくる。また、他方の第1接続部9から温水ユニット2に流入した冷媒は水と熱交換し温水を生成する。そして、水と熱交換して温度の低下した冷媒は、室外機1の第2接続部11に戻ってくる。この第2接続部11には室内機用および温水ユニット用の2個のポートが設けられている。
【0016】
そして、各第2接続部11に対して開閉弁16,17が各々設けられており、温水ユニット2および室内機3から戻ってきて第2接続部11に流入した冷媒は、開閉弁16,17を介して合流し、減圧装置としての電磁弁である絞り弁19で膨張し、熱交換器21に流入する。この熱交換器21で外気と熱交換して冷媒は温められる。そして、温度の上昇した冷媒は、四方切換弁7およびアキュムレータ23を介して圧縮機6に戻っている。
【0017】
開閉弁16,17は、温水ユニット2および室内機3への冷媒の供給が必要な場合には適宜開けられるとともに、不要な場合には適宜閉じられる。また、四方切換弁7は、暖房時には図1の実線で図示するように、圧縮機6からの冷媒を第1接続部9を介して温水ユニット2や室内機3に流すとともに、熱交換器21からの冷媒をアキュムレータ23に流している。
【0018】
そして、冷房時には、四方切換弁7が図1の破線で図示された状態に切り換えられて、圧縮機6からの冷媒を熱交換器21に流すとともに、第1接続部9からの冷媒をアキュムレータ23に流している。また、冷房時には、床暖房パネル4は使用しないので、温水は不要である。したがって、開閉弁17が閉じられ、温水ユニット2への冷媒の供給は停止される。
【0019】
温水ユニット2には、室外機1からの冷媒と水とを熱交換する給湯用熱源である熱交換部31が設けられている。暖房時に、温水ユニット2のポンプ33が稼働すると、ポンプ33は貯湯タンク34から暖房用循環水を吸い込んで、熱交換部31へ吐出する。熱交換部31に流入した暖房用循環水は、熱交換部31で室外機1からの冷媒と熱交換して温度が上昇する。熱交換部31からの暖房用循環水は、複数(この実施の形態では3本)に分岐して、開閉弁である熱動弁36を介して各床暖房パネル4に供給され、床暖房パネル4を循環しながら部屋を暖めたのちに、貯湯タンク34に戻っている。この様に、温水ユニット2内の水は、循環している。熱動弁36は床暖房パネル4毎に設けられ、この熱動弁36を開閉することにより、各床暖房パネル4への暖房用循環水の流れを制御することができる。
【0020】
床暖房パネル4に暖められる各部屋には、リモコン37(図2参照)が各々設置されている。このリモコン37は、室温を設定する室温設定手段である温度設定ボタン38、室温を検出する室温検出手段である室温センサ39およびマイコンなどを内蔵しており、温度設定ボタン38の設定温度と室温センサ39の検出温度である室温との差である温度偏差を出力しており、温度偏差出力手段として機能している。また、温水暖房装置の制御手段であるコントローラ41はマイコンなどで構成されている。このコントローラ41には種々の電気部品が接続されているが、熱動弁36に関係する主な電気部品としては、図2に図示するように、入力側に複数のリモコン37などが接続され、一方、出力側に、複数の熱動弁36が接続されている。コントローラ41に接続される他の電気部品としては、たとえば、入力側には各種設定スイッチ、貯湯タンク34の水位センサ、外気温度センサなどがあり、また、出力側には圧縮機6、ポンプ33や開閉弁16,17などがある。そして、コントローラ41にはタイマが内蔵されており、経過時間などを計測することができるとともに、制御用プログラムが記憶されている。さらに、コントローラ41には予め種々の設定値が設定される。
【0021】
次に、この様に構成されている実施の形態の温水暖房装置における熱動弁36による温水制御の作動について説明する。各熱動弁36は、対応するリモコン37からの温度偏差に基づいてコントローラ41で個別に制御されている。この様に熱動弁36は個別に制御されているが、代表して1個の熱動弁36の制御のフローを図3のフローチャートで説明する。なお、他の熱動弁36も同様にして作動する。
【0022】
ステップ1において、コントローラ41は、リモコン37からの温度偏差が、予め設定されている連続稼働温度差である最大偏差になったか否かを判定している。そして、温度偏差が連続稼働温度差以上の場合には、ステップ8に行き、一方、温度偏差が連続稼働温度差未満の場合にはステップ2に行く。
【0023】
そして、通常の状態では一般的に温度偏差は小さいので、ステップ2に行き、コントローラ41は、熱動弁周期である弁開時間決定周期がタイムオーバーになった(すなわち、次の弁開時間決定周期が開始した)か否かを判定している。そして、熱動弁周期がタイムオーバーの場合にはステップ3に行き、一方、タイムオーバーになっていない場合にはステップ5に行く。
【0024】
そして、ステップ3において、コントローラ41は、温度偏差に基づいて、熱動弁の動作時間(すなわち弁開時間)を算出するとともに、ステップ4に行き、対応する熱動弁36を開ける。また、コントローラ41はタイマーで弁開時間決定周期の開始からの経過時間を計測する。ついで、ステップ5に行く。
【0025】
ステップ5において、コントローラ41は、弁開時間決定周期の開始からの経過時間が、前述の熱動弁動作時間(すなわち弁開時間)になったか否かを判定する。熱動弁動作時間になっている場合にはステップ6に行き、コントローラ41は熱動弁36を閉じて、ステップ7に行く。一方、ステップ5において、熱動弁動作時間になっていない場合には、ステップ7に行く。
【0026】
そして、ステップ7において、熱動弁36以外の他の処理である次処理を行った後に、ステップ1に戻る。そして、温度偏差が連続稼働温度差にならない場合には、この様にして、熱動弁36の弁開時間は、弁開時間決定周期の開始時に温度偏差に基づいて決定される。かつ、弁開時間決定周期の開始時に熱動弁36は開けられる。ついで、弁開時間決定周期の開始時からの経過時間が、決定された弁開時間になると、熱動弁36を閉じている。その後、弁開時間決定周期がタイムオーバーして、次回の弁開時間決定周期が開始すると、新しく熱動弁36の弁開時間を決定しており、以降は同様な工程(すなわち、ステップ1〜ステップ7)が繰り返される。
【0027】
ところで、温度設定ボタン38で設定温度を大きく変更したり、部屋の扉や窓などが開けられて室温が大きく低下したりすると、リモコン37からの温度偏差が連続稼働温度差よりも大きくなることがある。すると、前述のように、ステップ1の際に、ステップ8に行き、コントローラ41は熱動弁36を開ける。そして、ステップ7に行く。以降は、ステップ1、ステップ8およびステップ7を順次繰り返しており、リモコン37からの温度偏差が連続稼働温度差よりも低くなるまで、熱動弁36が開いた状態が維持される。したがって、図4(a)に図示するように、設定温度などが変更されると、弁開時間決定周期に関係なく、即座に熱動弁36が開き、床暖房パネル4に温水が流れ、部屋の床暖房を急速に行うことができる。
【0028】
この様にして、制御手段であるコントローラ41は、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定手段と、各弁開時間決定周期の期間中に、前記弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間前記開閉弁を開けるとともに残りの時間の間開閉弁を閉じる開閉弁動作手段と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定手段と、前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁動作手段の作動を制限する期間途中開閉弁緊急開動作手段などを具備している。
この様に、コントローラ41は、上記手段以外にも、実行される各工程に対応して各工程を実行する手段を具備している。
【0029】
前述の様に、上記実施の形態においては、温度偏差が連続稼働温度差である最大偏差以上になると、弁開時間決定周期に関係なく、弁開時間決定周期の期間の途中においても、熱動弁36を即座に開けて、迅速に部屋を暖めることができる。このように、この実施の形態では、熱動弁36の開動作は、従来のように、熱動弁周期が終了して次の熱動弁周期が開始するまで待つことがない。
【0030】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)床暖房パネル4、熱動弁36およびリモコン37などの個数は適宜変更可能である。たとえば、単数でも可能である。
【0031】
(2)この実施の形態では、温水供給用の熱源はヒートポンプに接続された熱交換部31であるが、温水を供給することができるならば、他の形式や構造は適宜変更可能である。たとえば、ガスボイラーなどでも可能である。
(3)温度偏差出力手段の構造や形式は、温度偏差を出力することができるならば、適宜変更可能である。たとえば、リモコン37から室温信号および設定温度をコントローラ41に入力し、コントローラ41がこの室温および設定温度に基づいて温度偏差を算出すること(すなわち、コントローラ41が温度偏差を算出する手段を具備していること)も可能である。
【0032】
(4)制御手段はコントローラ41であるが、熱動弁36を制御できるならば、その構造や形式は適宜変更可能である。
(5)弁開時間決定周期や連続稼働温度差などは、コントローラ41に予め設定されているが、この弁開時間決定周期や連続稼働温度差などの値は、適宜変更可能である。たとえば、部屋の大きさや室温などで変動させることも可能である。
【0033】
(6)各弁開時間決定周期の開始時において弁開時間が決定されており、この弁開時間に基づいて、開閉弁は決定された弁開時間の間、開いた後に閉じているが、弁開時間決定周期の期間中に、決定された弁開時間の間、開閉弁が開くとともに、残りの時間の間、閉じていれば良く、その開閉弁の開時期および閉時期は、適宜変更可能である。ただし、開閉弁は決定された弁開時間の間、開いた後に閉じていることが好ましい。
(7)端末は床暖房パネル4であるが、他の形式や構造のものでも可能である。ただし、床暖房パネル4であることが好ましい。また、端末の個数や配置などは適宜変更可能である。
(8)温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かの判定は、実施の形態では弁開時間決定周期の開始の時点から行われているが、少なくとも、弁開時間決定周期の途中において行われていればよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、温度偏差が連続稼働温度差以上になったと判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において、端末への温水供給を制御する開閉弁を開けているので、設定温度が変更されたり、また、部屋の扉が開いて冷気が流入したりして、温度偏差が大きくなった際に、従来のように、弁開時間決定周期が終了して次回の弁開時間決定周期が開始することを待つことなく、迅速に暖房を行うことができる。
【0035】
特に、床暖房装置では、装置の全体に温水が行き渡る時間が長いので、弁開時間決定周期の期間の途中において、開閉弁を開けて、迅速に暖房を行うことが好ましい。
【0036】
また、弁開時間決定周期が10分以上である場合には、従来では、最悪10分近く待つ必要があったが、弁開時間決定周期の期間の途中において、開閉弁を開けているため、迅速に暖房を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明にかかる温水暖房装置の全体のシステム図である。
【図2】 図2はコントローラの入出力図である。
【図3】 図3は温水制御のフローチャートである。
【図4】 図4は熱動弁の作動のタイムチャートで、(a)が実施の形態のタイムチャート、(b)が従来例のタイムチャートである。
【符号の説明】
4 床暖房パネル(端末)
31 温水ユニットの熱交換部(熱源)
36 熱動弁(開閉弁)
41 コントローラ(制御手段)

Claims (8)

  1. 熱源と、
    この熱源から温水が供給されて部屋を暖める端末と、
    この端末への温水供給を制御する開閉弁と、
    この開閉弁の開閉動作を制御する制御手段とを備えた温水暖房装置であって、
    前記制御手段が、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定手段と、
    各弁開時間決定周期の期間中に、前記弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間前記開閉弁を開けるとともに残りの時間の間開閉弁を閉じる開閉弁動作手段と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定手段と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁動作手段の作動を制限する期間途中開閉弁緊急開動作手段とを具備していることを特徴とする温水暖房装置。
  2. 熱源と、
    この熱源から温水が供給されて部屋を暖める端末と、
    この端末への温水供給を制御する開閉弁と、
    この開閉弁の開閉動作を制御する制御手段とを備えた温水暖房装置であって、
    前記制御手段が、部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定手段と、
    各弁開時間決定周期の開始から、弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間、前記開閉弁を開ける開閉弁開動作手段と、
    各弁開時間決定周期の開始から弁開時間決定手段で決定された弁開時間が経過すると、前記開閉弁を閉じる開閉弁閉動作手段と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定手段と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁閉動作手段の作動を制限する期間途中開閉弁緊急開動作手段とを具備していることを特徴とする温水暖房装置。
  3. 前記端末が床暖房装置であることを特徴としている請求項1または2記載の温水暖房装置。
  4. 前記弁開時間決定周期が10分以上であることを特徴としている請求項1,2または3記載の温水暖房装置。
  5. 熱源から端末に供給される温水の供給量を開閉弁で開閉制御して、前記端末で部屋を暖める温水暖房装置の制御方法において、
    部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定工程と、
    各弁開時間決定周期の期間中に、前記弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間前記開閉弁を開けるとともに残りの時間の間開閉弁を閉じる開閉弁動作工程と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、前記開閉弁動作工程が実行される弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定工程と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁動作工程の実行を制限する期間途中開閉弁緊急開動作工程とを具備していることを特徴とする温水暖房装置の制御方法。
  6. 熱源から端末に供給される温水の供給量を開閉弁で開閉制御して、前記端末で部屋を暖める温水暖房装置の制御方法において、
    部屋の設定温度と部屋の検出温度との差である温度偏差に基づいて弁開時間決定周期毎に弁開時間を決定する弁開時間決定工程と、
    各弁開時間決定周期の開始から、弁開時間決定手段で決定された弁開時間の間、前記開閉弁を開ける開閉弁開動作工程と、
    各弁開時間決定周期の開始から弁開時間決定手段で決定された弁開時間が経過すると、前記開閉弁を閉じる開閉弁閉動作工程と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったか否かを、前記開閉弁開動作工程および開閉弁閉動作工程が実行される弁開時間決定周期の期間の途中において判定する期間途中連続稼働判定工程と、
    前記温度偏差が連続稼働温度差以上になったと前記期間途中連続稼働判定手段が判定した際に、弁開時間決定周期の期間の途中において即座に前記開閉弁を開けるとともに、前記開閉弁閉動作工程の実行を制限する期間途中開閉弁緊急開動作工程とを具備していることを特徴とする温水暖房装置の制御方法。
  7. 前記端末が床暖房装置であることを特徴としている請求項5または6記載の温水暖房装置の制御方法。
  8. 前記弁開時間決定周期が10分以上であることを特徴としている請求項5,6または7記載の温水暖房装置の制御方法。
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