JP5318738B2 - 温水床暖房装置 - Google Patents

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Description

この発明は、温水を複数系列の温水パネルに循環して温水暖房を行う温水床暖房装置に関するものである。
従来一つの熱源に対して多数の部屋に温水を循環させる温水床暖房装置では、床暖房を行う、それぞれの部屋に設けられたリモコンにて暖房運転要求と設定温度の信号が発信されると熱源が作動して暖房用循環水を加熱し、温水タンクから循環ポンプの作動にて各部屋に設置された温水パネルに温水が供給され温水パネルの放熱で暖房が行われる。前記循環ポンプと温水パネルの間には熱動弁が設けられ、この熱動弁の開閉時間の調節により、温水パネルへ供給される温水量を変化して各部屋の温度が調節されるものであります。
前記リモコンでは押圧により熱源の運転と熱動弁が開く運転・停止ボタン、低温から高温まで3〜9段階の温度が選択できる温度設定ボタン等が設けられている。そして、各部屋のリモコンの中で1番高い温度設定に合わせて熱源で加熱される温水の温度が決定されると共に、この部屋に対応する熱動弁が全開される。低い温度設定の部屋に対応する熱動弁は設定温度に応じて開時間と閉時間を調整して部屋の温度が抑えられるものである。(例えば、特許文献1参照)
特許3474912号公報
この従来例の温水床暖房装置では、温水回路に接続される温水パネルの大きさが極端に異なり、且つ、小さい温水パネルに対応するリモコンの設定温度が、大きい温水パネルに対応するリモコンの設定温度よりも高い場合には、小さい温水パネルに合わせて温水の温度設定がなされるために、熱源が加熱能力を残しているにも関わらず大きい温水パネルには熱が不足し設定温度まで温水パネルの温度を上昇させることができない問題があった。
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、熱源と温水タンクと循環ポンプを内蔵した熱源機と、前記循環ポンプにて温水を複数系統の温水パネルに循環し、前記温水パネルに対応する温度設定手段にて設定された設定温度と前記温水パネルまたは温水経路の温度差に応じて、前記複数系統の温水パネルに流れる温水を夫々制御する温水制御弁とを備えた温水暖房装置に於いて、前記温度設定手段にて設定された温度が1番高い温水パネルの系統を主温水回路として設定し、この主温水回路の温水制御弁は常に開き、設定温度が低い温水パネルの他系統を従温水回路として設定し、この従温水回路の温水制御弁をそれぞれの設定温度に応じて前記温水制御弁の閉時間を調整して前記温水パネルの温度を制御し、前記従温水回路の温水制御弁が所定時間連続して開状態を継続したとき、この従温水回路を主温水回路として設定変更する温水制御弁制御手段を備えたものである。
この発明によれば、各部屋の温水パネルの大きさの違いや、設定温度の違いにより、一部の部屋(温水パネル)が暖まらない等の不具合を防止し、各部屋の設定温度に応じた床暖房を適切に行う事ができるものである。
この発明一実施例の斜視図。 同概略の説明図。 同フローチャート図。
次に、この発明に係る温水床暖房装置を図面に示された一実施例で説明する。
1は温水床暖房装置の熱源機で、水平仕切板2にて上下2室に分けられ、下部には冷凍回路室3を、上部には温水回路室4を備え、温水連絡配管5によって、室内に設置された床暖房の温水パネル6と接続されている。
前記冷凍回路室3の背面と左側面には空気吸込口7が、前面には吹出口8を備え、内部には圧縮機9、蒸発器10、膨張弁11、送風ファン12と冷凍回路制御部13等を設けている。
前記温水回路室4は上面に給水用蓋14が、背面に配管取出口15を備え、内部には冷媒接続バルブ16、冷媒水熱交換器17、温水タンク18、循環ポンプ19、往き温水ヘッダ20と温水回路制御部21等を設け、前記冷媒水熱交換器17、温水タンク18、循環ポンプ19、往き温水ヘッダ20を往き管22にて順次接続している。
23は前記温水パネル6で放熱した後、温度低下した温水が流れる戻り温水ヘッダで、戻り管24にて前記冷媒水熱交換器17に接続している。
前記往き温水ヘッダ20は、温水を4方向まで分岐できるものであり、分岐後の出口にはそれぞれ熱動弁等の温水制御弁25が取り付けられ、前記温水回路制御部21内に備えた温水制御弁制御手段21aによって、熱動弁の閉弁の時間を調節することで各部屋に設置された温水パネル6の温度を調節する。
前記戻り温水ヘッダ23は、各部屋の温水パネル6から戻る温水の温度をサーミスタセンサ等によって検知する戻りセンサ26を設けている。
27は前記往き温水ヘッダ20と温水連絡配管5と温水パネル6と戻り温水ヘッダ23を連通し、温水を循環することで床暖房を行う温水回路で、温水ヘッダ20・23の接続口の数によって最大4つの温水回路27を設定することができる。
前記熱動弁25は同じ温水回路27の戻りセンサ26の温度が設定温度に達するまでは開弁し、設定温度到達後の閉弁時間を調整することで暖房温度を調節するもので、それぞれの温水回路27に対応するリモコン36設定に従って各部屋の暖房を行うものである。
前記圧縮機9は温水回路制御部21に備えたインバータ駆動回路(図示せず)にて約15〜105Hzの間で多段階に回転数を変化することで往き温水の温度を調整する。前記蒸発器10は縦長で多数のアルミニューム薄板に銅管を貫通させたフィンチューブ式の熱交換器で風上側と風下側に密接して、それぞれ1列ずつ設けられている。銅管は上下に24段設けられ、内部に前記膨張弁11で減圧された液冷媒が流入し、空気中の熱を奪い蒸発器10の出口では気体となり圧縮機9に戻っていく。
28は前記水−冷媒熱交換器17と膨張弁11との間に設けられた放熱器で、前記蒸発器10の風下側で下端より上下に2本の銅管にて構成し、前記水−冷媒熱交換器17と膨張弁11を接続するものであり、蒸発器10の風下側のアルミニューム薄板を共用して、蒸発器10と一体に形成されることで、内部熱交換器を使用せずに吐出圧力の上昇を抑えことができるので、製造コストを低く抑えることになる。また、除霜運転での溶け残りを防止することができ、除霜の効率を向上させることができる。また、吐出圧力の上昇を抑えるので圧縮機9の消費電力増加を抑えることができ、高COPを実現できる。
前記膨張弁11は電子式の膨張弁で圧縮機9の回転数や冷凍回路の各部温度等によって冷凍回路制御部13にて開度が制御されるものである。
前記送風ファン12は樹脂製のプロペラファンで、回転数可変の送風モータ29によって回転し、前記空気吸込口7、蒸発器10、送風ファン12、吹出口8で室外送風経路30を形成し、蒸発器10にて外気から熱を奪うものである。
31は前記空気吸込口7の内側に設けられた気温センサで、サーミスタセンサー等により吸込空気の温度を検知するものである。32は前記蒸発器10に取り付けられた除霜センサで、蒸発器10に発生した霜を検知するものである。33は前記圧縮機9の吐出側冷媒配管の表面に取り付けられた吐出温センサで、圧縮機9の能力制御に等のために吐出冷媒の温度を検知するものである。34は前記冷媒水熱交換器17に設けた熱交センサで水−冷媒熱交換器の温度によって冷凍回路と温水回路の温度を調節するものである。35は前記往き管22の温度を検知する往きセンサで、この温度によって各温水パネル6の最高温度が決まるものである。
36は温水パネル6の設置された各室内で必要な温度をそれぞれに設定する温度設定手段としてのリモコンで、低温側から高温側まで9段階の温度を選択する温度設定スイッチ37と、それぞれの部屋の暖房を運転・停止する運転スイッチ38を設けている。
また、前記リモコン36の各設定温度を基に温水の往き温度の最高温度を設定することで、温水パネル6の過熱を防止するものである。
図3のフローチャートについて説明すれば、s1にてリモコン35の運転スイッチ38によって床暖房の運転が開始され、s2にて運転中の各リモコン35の温度設定スイッチ37の設定値を読み込み、一番高い設定のリモコン36に対応する温水回路27を主温水回路に設定する。
次にs4とs5が並行して行われる、主温水回路27では熱動弁25を常時開にし、主温水回路27の温度設定に応じた、設定戻り温度を目指して圧縮機9の回転周波数と膨張弁11開度を調整して運転する。つまり、戻りの温水温度が設定戻り温度より低く、温度差が大きいほど圧縮機9は高回転で運転し、温度差が小さいほど低回転になり、更に設定戻り温度を超えた場合には、一時的に停止して戻り温水温度を調節するものである。(s4)
主温水回路27以外の従温水回路27は各リモコン36の温度設定に応じて各設定戻り温度を目指して熱動弁25の開閉を調整して運転する。具体的には従温水回路27の設定戻り温度は、主温水回路の戻り温度よりも低く設定されたものであるので、設定戻り温度に達するまで熱動弁25は開弁し、設定戻り温度に到達後所定時間閉弁し、この閉弁時間の間に戻り温度が低下するので、再度設定戻り温度に到達するまで開弁することで室内の温度を調節するものである。(s5)
次にs6にて従温水回路の中で熱動弁25が30分以上継続して開弁しており、且つ圧縮機9の回転周波数が60Hz未満であるかを判断する。この状態は従温水回路27の中に主温水回路27より極端に大きな温水パネル6が使用されると、主温水回路27は小さな温水パネル6であるので、比較的早く戻り温水が設定戻り温度に到達し、圧縮機9の回転を下げてしまった場合には、大きな温水パネル6の従温水回路27は何時になっても戻り温水温度に達することがでず、圧縮機9の能力が余っているにも係わらず希望の暖房温度が達成できない状態であるかを判断するものであり、暖房運転開始時の誤判断を防止するために、圧縮機9の回転周波数が60Hz未満の条件を加えたもので、Yesはs7へ、Noはs8へ進むものである。
s7では、熱動弁25が継続して開弁した従温水回路と主温水回路に設定変更し、旧主温水回路を従温水回路に設定変更することで、それまで設定戻り温度まで上昇することができなかった、大きな温水パネル6の温水を圧縮機9の回転周波数を上昇させることで、戻り温度も上昇させることができるものである。
s8では各リモコン35の設定が変更されたかを判断し、Yesで変更された場合はs2に戻って新たに主温水回路と従温水回路の設定をし、Noで変更されなかった場合はs9へ進む。
s9では各リモコン35の運転スイッチ38がOFFされるかを判断し、全てのリモコン35が運転停止を選択したときに、s10へ進み、熱源機1全体を停止するものである。
このように、各部屋の温水パネルの大きさの違いや、設定温度の違いにより、一部の部屋(温水パネル)が暖まらない等の不具合を防止し、各部屋の設定温度に応じた床暖房を適切に行う事ができるものである。
また、圧縮機の回転周波数の条件を加えることで、運転開始時の誤判断を防止してより適確な暖房制御をすることができるものである。
1 熱源機
6 温水パネル
18 温水タンク
19 循環ポンプ
20 往き温水ヘッダ
21 温水回路制御部
21a 温水制御弁制御手段
22 往き管
23 戻り温水ヘッダ
24 戻り管
25 温水制御弁(熱動弁)
26 戻りセンサ
35 往きセンサ
36 リモコン

Claims (2)

  1. 熱源と温水タンクと循環ポンプを内蔵した熱源機と、前記循環ポンプにて温水を複数系統の温水パネルに循環し、前記温水パネルに対応する温度設定手段にて設定された設定温度と前記温水パネルまたは温水経路の温度差に応じて、前記複数系統の温水パネルに流れる温水を夫々制御する温水制御弁とを備えた温水暖房装置に於いて、前記温度設定手段にて設定された温度が1番高い温水パネルの系統を主温水回路として設定し、この主温水回路の温水制御弁は常に開き、設定温度が低い温水パネルの他系統を従温水回路として設定し、この従温水回路の温水制御弁をそれぞれの設定温度に応じて前記温水制御弁の閉時間を調整して前記温水パネルの温度を制御し、前記従温水回路の温水制御弁が所定時間連続して開状態を継続したとき、この従温水回路を主温水回路として設定変更する温水制御弁制御手段を備えたこと特徴とする温水床暖房装置。
  2. インバータ装置によって多段階に能力可変可能な圧縮機と冷媒水熱交換器と膨張弁と蒸発器等を冷媒配管で接続してヒートポンプサイクルを形成し、熱源としての前記ヒートポンプサイクルと温水タンクと循環ポンプを内蔵した熱源機と、前記循環ポンプにて温水を複数系統の温水パネルに循環し、前記温水パネルに対応する温度設定手段にて設定された設定温度と前記温水パネルまたは温水経路の温度差に応じて、前記複数系統の温水パネルに流れる温水を夫々制御する温水制御弁とを備えた温水暖房装置に於いて、前記温度設定手段にて設定された温度が1番高い温水パネルの系統を主温水回路として設定し、この主温水回路の温水制御弁は常に開き、温度設定が低い温水パネルの他系統を従温水回路として設定し、この従温水回路の温水制御弁をそれぞれの温度設定に応じて前記温水制御弁の閉時間を調整して前記温水パネルの温度を制御し、前記従温水回路の温水制御弁が所定時間連続して開状態を継続し、且つ、前記圧縮機の回転が所定周波数より小さいとき、前記従温水回路を主温水回路として設定変更する温水制御弁制御手段を備えたこと特徴とする請求項1記載の温水床暖房装置。
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