JP4127746B2 - 油圧式無段変速装置の斜板角制御機構 - Google Patents

油圧式無段変速装置の斜板角制御機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧サーボ機構により斜板角を制御する油圧式無段変速装置の斜板角制御機構に技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、油圧式無段変速装置においては、斜板角を制御するための油圧サーボ機構を斜板角制御機構として具備した技術があった。この油圧サーボ機構は、該油圧サーボを構成する手動斜板角度制御バルブのスプールの位置に連動して、該スプールの外周部を覆うピストンが動作し、これにより斜板角度を任意に制御するように構成していた。そして、該斜板角度制御機構には、油圧式無段変速装置の上下面等に電磁弁を装着して、ある任意の角度で斜板を保持している状態のピストンの両端面に、電磁弁から強制的にパイロット圧を供給して、斜板角を制御するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電磁弁を斜板角度制御機構と別体として、油圧式無段変速装置の上下面等に装着したのでは、装置全体を大型化するとともに該電磁弁は本装置専用の電磁弁なので、該電磁弁自体、製造コストも高くなっていた。
【0004】
本発明は、前記の点を鑑み、市販の電磁弁を使用する等して油圧式無段変速装置の斜板角度制御機構のコスト削減を図るとともに、また、装置自体のコンパクト化を図ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
請求項1においては、油圧ポンプ(21)と油圧モータ(22)とを一体的に形成するとともに、斜板角を制御する油圧サーボ機構(6)と、斜板を中立位置に保持する中立位置保持機構(11)を一体的に有した油圧式無段変速装置(1)において、該中立位置保持機構(11)を構成するピストン(34)を、自動斜板角度制御バルブ(61・61)にて制御する油圧により摺動して、該ピストン(34)が中立保持する油圧サーボ機構(6)のスプール(72)を摺動操作する機構を、該油圧サーボ機構(6)に接合して構成し、前記中立位置保持機構(11)を構成するピストン(34)は、両方から弾性体により付勢して斜板の中立位置を保持する構成とし、該ピストン(34)の両側の油路にそれぞれ連通する自動斜板角度制御バルブ(61・61)を設け、該自動斜板角度制御バルブ(61・61)によって該ピストン(34)の両側に構成された油路内の油圧を調節することにより、該ピストン(34)を摺動させて、該ピストン(34)とピン(41)により連動するスプール(72)を操作し、斜板角制御を行うように構成し、該ピストン(34)の略中央部には、ピン(41)の一端部(41b)が係合し、該ピン(41)の他端部(41a)が、可動斜板(21c)を操作させるスプール(72)に係合したものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構において、前記前記ピストン(34’)と油圧サーボ機構(6)のスプール(72)とを連結するピン(41)を、該ピストン(34’)と一体的に構成したものである。
【0008】
請求項3においては、請求項1記載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構において、前記ピストン(34”)の外周面に突起部(34”b)を突設し、該突起部(34”b)の摺動を案内する案内溝(10h)を、ケーシング(10)内の空洞(10c)内面に掘削して、該ピストン(34”)が円周方向に回転することを防止する回り止め部材としたものである。
【0009】
請求項4においては、請求項1記載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構において、前記斜板角制御を、油圧ポンプ(21)の斜板角制御と、油圧モータ(22)の斜板角制御との両方に設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は本発明の油圧式無段変速装置を示す斜視図、図2は同じく側面断面図、図3は同じく側面図一部断面図、図4はサーボ機構を示す油圧ポンプの正面図一部断面図、図5は中立位置保持機構の実施例1を示す平面図一部断面図、図6は同じく側面断面図、図7は電磁弁での電流がOFF時における電磁弁の平面断面図、図8は電磁弁での電流がON時における電磁弁の平面断面図である。
【0012】
図9は中立位置保持機構の実施例2を示す平面図一部断面図、図10は同じく後面図、図11は中立位置保持機構の実施例3を示す平面図一部断面図、図12はピストンの一実施例を示す斜視図、図13は図12におけるピストンを中立位置保持機構へ配設したときの様子を示す中立位置保持機構の側面断面図、図14はピストンの別実施例を示す斜視図である。
【0013】
まず、油圧式無段変速装置についての全体構成について説明する。図1、図2に示すように、油圧式無段変速装置(以降HSTと記載する)1においては、可変容量式油圧ポンプ21および可変容量式油圧モータ22がハウジング3に内包されると共に、油路板4の同一面に配設されている。可変容量式油圧ポンプ21は、駆動軸21a、該駆動軸21aが挿嵌され駆動軸21aと共に回動するシリンダブロック21b、該シリンダブロック21bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ21e、及び該プランジャ21eに当接した可動斜板21cにより構成されている。可動斜板21cはプランジャ21eの摺動量を規制し、該可変容量式油圧ポンプ21の作動油の吐出量を調節可能に構成されている。油路板4には図示せぬ油路が設けられており、可変容量式油圧ポンプ21より作動油が該油路を介して油圧モータ22に供給される。
【0014】
可変容量式油圧モータ22は可変容量式油圧ポンプ21と同様に、油路板4に挿嵌し、一端をハウジング3により回動自在に支持された出力軸22a、該出力軸22aが挿嵌され駆動軸21aと共に回動するシリンダブロック22b、該シリンダブロック22bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ22eおよび該プランジャ22eに当接した可動斜板22cにより構成されている。該シリンダブッロク22bは出力軸22aとともに回動する構成になっており、該シリンダブッロク22bにはプランジャ22eが摺動自在に挿嵌されている。該プランジャ22eはハウジング3に配設された可動斜板22cに当接している。
【0015】
上記の構成により、エンジン3の駆動力が駆動軸21aに入力され、油圧ポンプ21が駆動される。そして、該油圧ポンプ21の駆動により吐出された作動油が油路板4を介して油圧モータ22に供給されて、該作動油の流出入により油圧モータ22が駆動され、油圧モータ22の駆動力が出力軸22aに伝達される構成となっている。
【0016】
以上の如く構成されたHST1は、油圧ポンプ21と油圧モータ22が上下に並設され、油圧ポンプ21の駆動軸21aの前端部には図示せぬチャージポンプが付設されている。また、図3及び図4に示すように、油圧ポンプ21の一側方及び油圧モータ22の他側方にはそれぞれ油圧サーボ機構6・6が配設されている。油圧サーボ機構6・6は、ピストン71と、該ピストン71の内部に配置されスプール72を有する手動斜板角度制御バルブ62・62等とから構成されるもので、HST1のハウジング3内部に埋め込まれて一体的に構成されている。
【0017】
次に、油圧サーボ機構6の構成について、ここでは油圧ポンプ21側に配設したサーボ機構6を参照しながら説明する。図4に示すように、ハウジング3内における、前記油圧ポンプ21の可動斜板21c(油圧モータ22においては可動斜板22c)の側部にシリンダ室70を形成し、該シリンダ室70内にピストン71を収納し、該ピストン71側面に可動斜板21c(油圧モータ22においては可動斜板22c)の側部より突設したピン軸23が嵌合されている。該ピストン71の軸心位置には貫通孔を開口して、この貫通孔内にスプール72が摺動自在に嵌装されている。
【0018】
そして、前記ピストン71にはシリンダ室70の上部と下部を連通する油路が形成され、該油路はスプール72の摺動により連通又は遮断されてピストン71の上下の油室に圧油を送油し、該ピストン71を上下方向に摺動できるようにしている。また、前記スプール72の下部外周には嵌合溝75が設けられ、該嵌合溝75にピン41の一端部41aが嵌合されている。該ピン41の他端部41bは、後述する中立保持機構11を構成する捩じりバネ40により挟持されており、該ピン41の一端部41aは前記ピストン71側面に開口した開口71aからハウジング3内部に挿入されて嵌合溝75に嵌合している。
さらに、油圧サーボ機構6の操作レバー20を回動操作することにより、捩じりバネ40を介してピン41が上下回動し、これに伴ってスプール72が上下移動するように構成されており、このスプール72により手動斜板角度制御バルブ62が構成されているのである。
【0019】
また、ハウジング3の油圧サーボ機構6が構成されている部分には、中立位置保持機構11が一体的に付設され、該中立位置保持機構11には、図3等に示す自動斜板角制御バルブ61が一体的に取り付けられている。該自動斜板角制御バルブ61は電磁比例弁により構成されており、HST1の駆動軸21aに接続されるエンジンの負荷や足回りの負荷等をセンサ等の検出手段により検出し、検出値に応じて自動斜板角度制御バルブ61を切換えるように構成している。自動斜板角度制御バルブ61の切換により前記ピン41を、上下回動してスプール72を上下移動し、これによりピン軸23が嵌合されるピストン71が上下移動される。このようにして前記油圧ポンプ21の可動斜板21cの側部(油圧モータ22においては可動斜板22cの側部)に設けたピン軸23を、ハウジングに穿設した孔内で上下に移動させて、該可動斜板21c(または可動斜板22c)が最終的に変速のために回動するように構成している。
【0020】
このように、自動斜板角度制御バルブ61と手動斜板角度制御バルブ62とにより、ピストン71とスプール72とを操作することで可動斜板21c・22cを回動し、HST1を変速するようにしている。また、油圧サーボ機構6の操作レバー20の部分には前記可動斜板21c・22cの中立位置を保持する中立位置保持機構11が構成されている。
【0021】
次に、斜板角を電子制御する電磁比例弁により構成された自動斜板角度制御バルブ61を、油圧サーボ機構6へ一体的に付設される中立位置保持機構11へ一体的に取り付けて構成した本発明に係る実施例(実施例1)について図5乃至図7を参照しながら説明する。図5に示すように、中立位置保持機構11は、側面視「凸」字を反時計回りに状90°回転させた形状のケーシング10に内装されており、該中立位置保持機構11の後端上下部(図5における右端上下部)にそれぞれ略円筒状の自動斜板角度制御バルブ61・61を固定ボルト63・63・・・で締結して固設している。該自動斜板角度制御バルブ61・61から延出される配線65・65の他端は、図示せぬ電磁比例弁制御用コントローラに接続する。
【0022】
図5及び図7に示すように、前記ケーシング10の後部(図5における右側)に位置するケーシング後部10bには、上下方向に貫通する空洞10cが穿孔され、該空洞10cには中立位置保持機構11の構成部材が挿設されている。ケーシング後部10bにおける、空洞10cの後方(図5においては右方)には、上下方向に貫通する空洞をさらに二本穿孔し、該空洞を空洞10c側から順に、チャージポンプから圧油が供給されるポンプポート10d、ドレンへ返油するタンクポート10eとする。また、前記ケーシング後部10bの後端面に配設した円筒状の自動斜板角度制御バルブ61・61の軸心位置からタンクポート10e、ポンプポート10dを経て空洞10cまで貫通するスプール孔10f・10fを開口し、すなわち、該スプール孔10f・10fと空洞10c、ポンプポート10d及びタンクポート10eとを連通している。該スプール孔10f・10fにはスプール12・12を挿設して空洞10c、ポンプポート10d及びタンクポート10eにおけるスプール孔10f・10fとの連通部を塞いでいる。また、該スプール12・12の頭部12a・12aは自動斜板角度制御バルブ61・61の軸心に配設した軸方向に摺動自在な可動鉄心66・66の一端と近接させる。また、スプール12・12の脚部12b・12bの油路と当接する位置においてスプール脚部12b・12bの半径方向に貫通孔を開口し、また、該貫通孔の半径方向中央部、スプール12・12における軸心位置から軸方向にスプール12・12の脚先12c・12cまで穿孔して油の抜け道となるバイパス12d・12dを形成する。
【0023】
図5及び図6に示すように、前記空洞10cには、ピストン34が長手方向(図5における上下方向)へ摺動自在に挿嵌されている。空洞10c内におけるピストン34の両外側にはアジャストボルト38・38が挿嵌されている。該アジャストボルト38・38の外側端部はキャップ39・39に螺装され、内側端部は、ピンストン34内に嵌入している。そして、アジャストボルト38・38は回転させることで、長手方向へ移動可能に構成されており、通常は固定ボルト42・42により位置固定されている。また、前記ピン41の他端部41bが該ケーシング10の空洞10c内に挿入されている。
【0024】
ピストン34の略中央部には、ピン41の他端部41bの径と略同一径の固定34aが形成され、該他端部41bは固定34aと位置を合わせてケーシング10内へ挿入されている。また、ケーシング10の空洞10c内においては、ピストン34の両側に、バネ受け35・35がピストン34の軸心方向へ摺動自在に設けられている。
【0025】
該バネ受け35・35は、キャップ39・39とバネ受け35・35との間に圧縮状態で介装されるバネ36・36により固定34a側へ付勢されており、前記アジャストボルト38・38の頭部38a・38aに係止している。図5における上下のアジャストボルト38・38の各頭部38a・38a間の寸法は、ピストン34に形成される上下の段差部34b・34b間の寸法と合わせるように調整しており、これにより、前記バネ受け35・35は該段差部34b・34bにも係止している。そして、ピストン34は、アジャストボルト38・38の各頭部38a・38aに係止して位置決めされているバネ受け35・35により両側から挟みこまれる構成となっている。
【0026】
前記操作レバー20は、ケーシング10のケーシング前部10aの左右中央部の回動軸25を中心に回動自在に支持されており、図6に示すように、ケーシング前部10aの反操作レバー配置面側において、ピン41を支持する支持アーム26が該回動軸25により回動自在に軸支されている。前記ケーシング前部10aの支持アーム26配設面側において、回動軸25の外周部には前記捩じりバネ40が回動自在に外嵌され、該捩じりバネ40によりピン41の他端部41bが挟持されている。また、回動軸25には該回動軸25と一体的に回動する連動アーム27が固設されており、該連動アーム27は捩じりバネ40により挟持されている。
【0027】
そして、操作レバー20を回動操作すると、回動軸25に固設される連動アーム27、及び該連動アーム27を挟持する捩じりバネ40が一体的に回動される。さらに、捩じりバネ40に挟持されるピン41が、該捩じりバネ40と一体的に回動される。また、ケーシング10には、前記空洞10c略中央部からケーシング10の支持アーム26配設面側へ貫通する長孔10gが形成されており、該長孔10gはケーシング後部10bの長手方向に長く形成されている。すなわち、操作レバー20を回動操作すると、ピン41が長孔10gに沿って、連動アーム27及び捩じりバネ40を介して一体的に回動されて、図4における前記スプール72を移動操作するように構成されている。
【0028】
また、操作レバー20が回動操作されていない状態においては、ピン41の他端部41bが固定34a嵌入しているピストン34は、バネ36・36により付勢され、アジャストボルト38・38に係止して位置決めされているバネ受け35・35によって挟み込まれて一定位置に保持されている。そして、本HST1においては、上述の如く、操作レバー20に操作力がかかっていなくて、ピストン34がバネ受け35・35により一定位置に保持されている状態で、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cが中立位置に位置するように調節されている。すなわち、ピストン34、バネ36・36、アジャストボルト38・38、及びバネ受け35・35等によりHST1の油圧ポンプ21及び油圧モータ22の中立位置を保持する中立位置保持機構11を構成しており、該中立位置保持機構11により、ピン41及び油圧サーボ機構6を通じて、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cを中立位置に保持するようにしている。本中立位置保持機構11においては、アジャストボルト38・38を回転操作して、頭部38a・38aによるバネ受け35・35の係止位置を変えることで、ピストン34の挟み込み位置を調節し、中立位置の調整を行うことができるようにしている。
【0029】
次に電磁比例弁からなる自動斜板角度制御バルブ61により、中立位置保持機構11のピストン34を上下に摺動させて、ピン41、スプール72及びピストン71を通じて可動斜板21c・22cの斜板角を制御する制御機構を図7及び図8を参照しながら説明する。図7に示すように、前記自動斜板角度制御バルブ61は、ソレノイド67、軸方向に摺動可能な可動鉄心66、及びソレノイド67の磁力を増加させる固定鉄心67等で構成されており、電気信号のON・OFFによって制御される強力な電磁石を構成している。
【0030】
すなわち、ソレノイド67に電流が流れていない状態においては、スプール12のスプール頭部12aはバネ68により電磁比例弁61側へ付勢されており、該スプール頭部12aに当接する可動鉄心66はスプール12により反空洞10c側へ付勢されている。この場合、スプール12のバイパス12dにおける半径方向に開口した部分はタンクポート10eの部分に位置しており、該タンクポート10eと空洞10cとはバイパス12dにより連通されている。この状態から、ソレノイド64に電流が流れて電磁石が励磁されると、図8に示すように、可動鉄心66はスプール12側に吸着されて移動する。従って、該スプール12は可動鉄心66によって空洞10c側に押されて移動し、スプール脚部12bの半径方向に開口した部分のバイパス12dがポンプポート10d位置に来て、該バイパス12dを介してポンプポート10dと空洞10cが連通する。このとき、スプール頭部12aと当節してスプール12の外周に配設したバネ68は縮み、スプール12の移動を制限している。ポンプポート10dと空洞10cとが連通することで、チャージポンプで加圧されたポンプポート10d内の圧油は、ポンプポート10d側から空洞10c側へと流れ、空洞10c内の圧力が高まり、該圧力により空洞10c内に配設されたピストン34を押して摺動移動させるのである。
【0031】
すなわち、図5において、前記ケーシング10における操作レバー20側を前側と見なした場合、例えば、上側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すと、上部側のキャップ39とピストン34との間に形成される空洞10cが、ポンプポート10dと連通し、該空洞10c内に圧油が流入する。また、この場合、下側の自動斜板角度制御バルブ61には電流は流しておらず、下部側のキャップ39とピストン34との間に形成される空洞10cは、タンクポート10eと連通して、該空洞10c内の油はタンクポート10e側へ返油可能となっている。上部側の空洞10cに圧油が流入すると、ピストン34が下方に押されて、下方のバネ36の付勢力に抗して摺動移動するとともに、下部側の空洞10c内の油がタンクポート10eへ返油される。逆に、下側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すとともに、上側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流さなかった場合は、下部側の空洞10cに圧油が流入してピストン34が上方へ摺動移動することとなる。このように、自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すことにより、ピストン34を上下方向に摺動移動させることができるのである。
【0032】
また、上部側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流し、スプール12のバイパス12dを介してポンプポート10dと空洞10cとが連通している状態において、電流を遮断すると、ソレノイド34で構成された電磁石の吸引力がなくなり、前記バネ68の付勢力によりスプール12が自動斜板角度制御バルブ61に押し戻されて、上部側の空洞10cはタンクポート10eと連通する。これにより、上下部の空洞10cがともにタンクポート10eと連通することとなって、ピストン34をバネ36・36の付勢力が互いに釣り合う位置、すなわち中立位置にまで戻すことができる。尚、逆に下部側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流している状態の場合においても同様である。さらに、上下の自動斜板角度制御バルブ61に共に電流を流さなかった場合には、上部側の空洞10cと下部側の空洞10cとの両方がタンクポート10eと連通するため、ピストン34にはポンプポート10dからのチャージ圧がかからず、該ピストン34は中立位置で停止することとなる。
【0033】
このように、上下の自動斜板角度制御バルブ61の作動を、電流のON・OFFにより制御することにより、ピストン34を上下に摺動移動することができ、該ピストン34の位置を制御することができるのである。そして、ピストン34を摺動移動させることにより、該ピストン34に嵌合するピン41が、ケーシング10の長孔10gに沿って摺動され、さらに、該ピン41が、図4における前記スプール72を移動操作して、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cの斜板角を制御することができるのである。
【0034】
尚、自動斜板角度制御バルブ61は、ソレノイド64に流れる電流量に比例して可動鉄心66に推力が働き、スプール12を押すのである。こうして該スプール12が押されると、ポンプポート10dと空洞10cが連通して該空洞10cへ高圧油が流れ込むのである。該スプール12に働く力は、脚先12cの表面積と空洞10c内の圧力の積となり、また、スプール12にはバネ68からの付勢力が働き、これらのスプール12に働く力が可動鉄心66に働く推力と釣り合うまで、該空洞10c内の圧力は加圧される。この空洞10c内の圧力とピストン34の端面の表面積の積が、バネ36による付勢力と釣り合うまで、ピストン34は摺動移動するのである。
すなわち、ソレノイド64に流れる電流値とピストン34の移動量は線形的に比例し、これにより、油圧サーボ機構6のスプール72を駆動し、可動斜板21c・22cの斜板角の回転制御を行なうのである。このような構成の前記自動斜板角制御バルブ61は、センサ等の検出手段により検出したエンジンの負荷や足回りの負荷等を電磁比例弁制御用コントローラにフィードバックすることにより、可動斜板21c・22cの斜板角を最適な状態にコントロールするために、可動鉄心66の伸縮タイミングを電気的に制御している。
【0035】
また、本HST10においては、上述の如く、左右両側の自動斜板角度制御バルブ61・61に電流がOFFの状態において、ピン41がケーシング10の左右中央位置でバネ受け35・35により保持されている状態で、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cが中立位置に位置するように調節されている。すなわち、ピストン34、バネ36・36、及びバネ受け35・35等によりHST10の油圧ポンプ21及び油圧モータ22の中立位置を保持する中立位置保持機構11を構成しており、該中立位置保持機構11により、ピン41及び油圧サーボ機構6を通じて、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cを中立位置に保持するようにしている。
【0036】
このように、中立位置保持機構11を、油圧サーボ機構6のスプール72を駆動するスプール駆動部としてのピン41と同一径の固定34aをピストン34に形成して、該固定34aにピン41を嵌装し、ピン41が嵌装されたピストン34を、バネ36・36によりバネ受け35・35を介して両側から挟み込んで中立位置を保持する構成としたので、該中立位置保持機構11を簡単な構成とするとともに小型化することができ、中立位置の調整も容易に行うことが可能となる。また、ピン41が嵌入するピストン34を、バネ36・36により付勢されるバネ受け35・35にて挟みこんで中立位置を保持するように構成しているため、バネ36・36の付勢力を止め輪等の付加部材により受けることが必要でなくなり、止め輪が外れる等の心配がなくなって耐久性を向上させることができる。さらに、中立位置保持の精度を向上させることが可能となる。
【0037】
次に自動斜板角度制御バルブ61を、油圧サーボ機構6へ一体的に付設される中立位置保持機構11へ一体的に取り付けた構成の別実施例(実施例2)を説明する。
図9及び図10に示すように、中立位置保持機構11’のケーシング10の構成においては、ピストン34をケーシング10の空洞10c内に摺動自在に配設し、該ピストン34内にキャップ39によって支持されるアジャストボルト38を挿入している。該アジャストボルト38はネジ部材に構成され、該アジャストボルト38の途中部には固定ナット43が螺装されている。また、アジャストボルト38における固定ナット43の外側からはロックナット33が締結され、固定ナット43の位置を固定されている。ピストン34内におけるキャップ39側端部には止輪37を嵌装しており、該止輪37の内側にバネ受け35を摺動自在に設けるとともに、ピストン34内の段差部34b側にバネ受け35を摺動自在に設けている。また、ピストン34の軸心方向略中央部の外周に形成される固定34aにゼンキピン41が嵌装されている。
【0038】
そして、止輪37側のバネ受け35と段差部34b側のバネ受け35との間にバネ36を圧縮状態で介装して、該バネ受け35・35を外側方向へ付勢している。この状態においては、キャップ39側のバネ受け35は、止輪37及び固定ナット43に係止し、段差部34b側のバネ受け35は、該段差部34b及びアジャストボルト38の頭部38aに係止しており、これによってピストン34が位置固定されている。このように、バネ36の付勢力によりピストン34が位置固定されている状態にて、ピン41及び油圧サーボ機構6を通じて該ピストン34と連結される、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cが中立位置となるように調整されている。
【0039】
また、可動斜板21c・22cの回転角度の制御は、手動による操作レバー20の回動操作とケーシング後面両側方に固設した自動斜板角度制御バルブ61・61の電子制御により行うことができる。操作レバー20を手動により操作してピン41を回動させ、可動斜板21c・22cの斜板角を制御する動作原理は、前記実施例1と同様でありここでは省略し、次に、電子制御によるピストン34の動作原理を説明する。図9における右側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すと、ソレノイド64に流れる電流量に比例して可動鉄心66に推力が働き、スプール12が空洞10c側へ移動して、前述の場合と同様に、キャップ39とピストン34の右端部との間に形成される空洞10cが、ポンプポート10dと連通し、該空洞10c内に高圧油が流入する。該スプール12に働く力は、脚先12cの表面積と空洞10c内の圧力の積となり、また、スプール12にはバネ68からの付勢力が働き、これらのスプール12に働く力が可動鉄心66に働く推力と釣り合うまで、該空洞10c内の圧力は加圧される。こうして、該圧力とピストン34の端面の表面積の積が、バネ36による付勢力と釣り合うまで、ピストン34は摺動移動するのである。また、この場合、左側の自動斜板角度制御バルブ61には電流は流しておらず、ピストン34の左端部に形成される空洞10cは、タンクポート10eと連通して、該空洞10c内の油はタンクポート10e側へ返油可能となっている。こうして、右側の空洞10cに圧油が流入すると、ピストン34が左方に押されて、バネ36の付勢力に抗しながら摺動移動するとともに、左側の空洞10c内の油がタンクポート10eへ返油される。この場合、左側のバネ受け35(段差部34b側)はアジャストボルト38の頭部38aに係止してそのままの位置で停止しており、右側(キャップ39側)のバネ受け35は止輪37に係止してピストン34とともにバネ36を圧縮しながら左方へ移動する。
【0040】
逆に、左側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すとともに、右側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流さなかった場合は、左側の空洞10cに圧油が流入してピストン34が右方へ摺動移動することとなる。この場合、右側のバネ受け35は固定ナット43に係止してそのままの位置で停止しており、左側のバネ受け35はピストン34の段差部34bに係止して該ピストン34とともにバネ36を圧縮しながら右方へ移動する。このように、自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すことにより、ソレノイド64に流れる電流値とピストン34の移動量は線形的に比例し、ピストン34を左右方向に摺動移動させて、油圧サーボ機構6のスプール72を駆動し、可動斜板21c・22cの斜板角の回転制御を行なうのである。
【0041】
また、図7乃至図9において、図9における右側の自動斜板角度制御バルブ61のみに電流を流し、スプール12のバイパス12dを介してポンプポート10dとピストン34の右側の空洞10cとが連通している状態において、電流を遮断すると、ソレノイド34で構成された電磁石の吸引力がなくなり、前記バネ68の付勢力によりスプール12が自動斜板角度制御バルブ61に押し戻されて、ピストン34より右側の空洞10cはタンクポート10eと連通する。これにより、左右部の空洞10cがともにタンクポート10eと連通してピストン34には圧油からの力がかからなくなるため、該ピストン34が、バネ36の付勢力により位置固定されると中立位置にまで戻すことができる。尚、逆に左側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流している状態の場合においても同様である。
【0042】
このように、左右の自動斜板角度制御バルブ61の作動を、電流値を制御することにより、ピストン34を左右に摺動移動することができ、該ピストン34の位置を制御することができるのである。そして、ピストン34を摺動移動させることにより、該ピストン34に嵌合するピン41が、ケーシング10の長孔10gに沿って摺動され、さらに、該ピン41が、前記スプール72を移動操作して、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cの斜板角を制御することができるのである。このように構成した実施例2は、実施例1に比べて部材点数を削減でき、中立位置保持機構11のコストの削減を図ることができる。
【0043】
次に自動斜板角度制御バルブ61についての更に別実施例(実施例3)を説明する。
図11に示すように、実施例3は、実施例1におけるピストン34の一側に配置されるバネ36、及びバネ受け35・35を取り外すとともに、該ピストン34の他側に配置される自動斜板角度制御バルブ61を取り外した構成としている。すなわち、中立位置保持機構11”のケーシング10の構成において、空洞10c内におけるピストン34の両外側にはアジャストボルト38・38が挿嵌されている。該アジャストボルト38・38の外側端部はキャップ39・39に螺装され、該キャップ39・39の内側端部は、ピンストン34内に嵌入している。そして、アジャストボルト38・38はキャップ39・39に対して回転させることで、長手方向へ移動可能に構成されており、通常は固定ボルト42・42により位置固定されている。
【0044】
ピストン34の略中央部には、ピン41の他端部41bの径と略同一径の固定34aが形成され、該他端部41bは固定34aと位置を合わせてケーシング10の空洞10c内へ挿入されている。また、ケーシング10の空洞10c内においては、ピストン34の他側に、バネ受け35がピストン34の軸心方向へ摺動自在に設けられている。該バネ受け35は、キャップ39とバネ受け35との間に圧縮状態で介装されるバネ36により固定34a側へ付勢されており、ピストン34の他側に配置されるアジャストボルト38の頭部38a及びピストン34の段差部34bに係止している。また、ピストン34の一側は、該ピストン34の一側に配置されるアジャストボルト38の頭部38aに当接して、該ピストン34がそれ以上一側へ移動することを規制している。そして、ピストン34が該頭部38a当接した位置で保持されている状態において、可動斜板21c・22cの斜板角が最大角となるようにアジャストボルト38・38を調節して位置決めをしている。
【0045】
このような構成において、ピストン34の摺動を電子制御する場合、1つの自動斜板角度制御バルブ61に流す電流値で行い、すなわち、電流値を大きくすると、前述の場合と同様に、電磁石の働きによりスプール12を空洞10c側へ押し、ポンプポート10dから空洞10cへと油を供給してピストン34を他側に摺動させる。この場合、例えば本機構を油圧モータ22に適用した場合、可動斜板22cの斜板角はピストン34が摺動するに従って減少し、やがて中立位置となる。さらにピストン34が摺動すると、出力軸22aの回転が逆転する方向に斜板角が増加していく。また、電流値を小さくすれば、電磁石の吸引力が小さくなり、スプール12は図8に示すバネ68の付勢力により自動斜板角度制御バルブ61側へ押し戻されて、空洞10cとタンクポート10eとが連通し減圧する。すると、ピストン34は、バネ36の付勢力により、空洞10c内の圧油をタンクポート10eへ返油しながら一側へ摺動移動する。そして、該ピストン34の一側がアジャストボルト38の頭部38aに当接した位置で停止する。
【0046】
また、実施例1と同様に手動により操作レバーを回動して可動斜板21c・22cの回転角度の調節を行なうこともできる。このように構成することにより、実施例1及び実施例2に比べて、更に部品点数を削減でき、中立位置保持機構11のコストの削減を図ることができる。
【0047】
最後に中立位置保持機構11を構成するピストン34の別実施例を説明する。中立位置保持機構11においては、両側のバネ36・36により付勢されて中立位置に保持されるピストン34を、手動または、電子制御により左右方向に摺動させてピン41を移動させ、該ピン41に連結されるスプール72を上下方向に摺動させて斜板角21c・22cを回動させるのであるが、本実施例においては、ピストン34及びピン41を、図12及び図13に示すように一体的に形成することもできる。このように構成することにより、図6に示すようにピストン34の固定34aとピン41との間で嵌合する部分で生ずる摺動方向のずれや軸廻りの回転によるずれを解消でき動力の伝達効率が高まる。また、一体型としたピン付きピストン34’とすることで、剛体としての強度も高まる。
【0048】
また、空洞10c内に摺動自在に挿嵌されるピストン34は、長手方向に摺動するとともに軸心回りに回転可能である。従って、図6に示すように、ピストン34に嵌入するピン41をケーシング10の長孔10gによりガイドして、該ピストン34の回転を防止している。また、図14に示すように、ピストン34”の外周面に突起部34”bを突設し、該突起部34”bの摺動を案内する案内溝10hをケーシング10内の空洞10c内面に掘削して、該ピストン34の回転を防止することもできる。
【0049】
あるいは、ピストン34の側面に案内溝を掘削し、前記空洞内面に突起部を突設する構造としてもよく、凸部と凹部が嵌合して摺動し回転を防止する構造であれば、その形状等特に限定するものではない。このように構成することにより、前記突起部34”bが案内溝10hに沿って摺動するのでピストン34”の軸廻りの回転を防止でき、ピストン34”は軸方向の運動にのみに制限される。このようにピストン34の軸廻りの回転を防止することにより、ピストン34”はピン41にモーメントを加えないため、ピン41における外周部分の他の部材と接する部分での摩擦を軽減することができ、ピン41を滑らかに摺動させることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1記載の如く、油圧ポンプ(21)と油圧モータ(22)とを一体的に形成するとともに、斜板角を制御する油圧サーボ機構(6)と、斜板を中立位置に保持する中立位置保持機構(11)を一体的に有した油圧式無段変速装置(1)において、該中立位置保持機構(11)を構成するピストン(34)を、自動斜板角度制御バルブ(61・61)にて制御する油圧により摺動して、該ピストン(34)が中立保持する油圧サーボ機構( 6)のスプール(72)を摺動操作する機構を、該油圧サーボ機構(6)に接合して構成し、前記中立位置保持機構(11)を構成するピストン(34)は、両方から弾性体により付勢して斜板の中立位置を保持する構成とし、該ピストン(34)の両側の油路にそれぞれ連通する自動斜板角度制御バルブ(61・61)を設け、該自動斜板角度制御バルブ(61・61)によって該ピストン(34)の両側に構成された油路内の油圧を調節することにより、該ピストン(34)を摺動させて、該ピストン(34)とピン(41)により連動するスプール(72)を操作し、斜板角制御を行うように構成し、該ピストン(34)の略中央部には、ピン(41)の一端部(41b)が係合し、該ピン(41)の他端部(41a)が、可動斜板(21c)を操作させるスプール(72)に係合したので、該自動斜板角度制御バルブ(61・61)により油圧サーボ機構の操作部材を位置制御する機構ユニットを油圧サーボ機構に接合して構成したことにより、油圧サーボ機構をコンパクトにまとめあげることができ、また、該自動斜板角度制御バルブ(61・61)には、市販のものを使用しているので、コスト削減にも繋がる。
【0051】
また、前記油圧式無段変速装置において、斜板角の中立位置保持機構を、弾性体でピストンを両側から付勢して斜板角の中立位置を保持する構成とし、該ピストンの両側にそれぞれ自動斜板角度制御バルブ(61・61)を設けて、該自動斜板角度制御バルブ(61・61)によって該ピストンの両側に構成された油路内の油圧を調節することにより、該ピストンを摺動させて斜板角制御を行うように構成したことにより、手動操作に比べてより精度の高い制御を実現し、また電子制御機能を備えた装置全体としてコンパクトにまとめあげることができる。
【0052】
また、前記油圧式無段変速装置において、油圧サーボ機構の手動操作を行う操作レバーを設け、電磁比例弁による斜板角制御に加えて、該操作レバーの手動操作により斜板角制御を行うことを可能としたことにより、何らかのトラブルで手動操作機構あるいは、電子制御機能が故障したとしても、他のもう一方の操作で対処することができる。
【0053】
請求項2記載の如く、前記油圧式無段変速装置において、前記ピストンと油圧サーボ機構のスプールとを連結するピン部材を、該ピストンと一体的に構成したことにより、ピストンとピンとの間の嵌合する部分で生ずる摺動方向のずれや軸廻りの回転によるずれを解消でき動力の伝達効率が高まる。また、ピンとピストンを一体型とすることで、剛体としての強度も高まる。
【0054】
請求項3記載の如く、前記油圧式無段変速装置において、前記ピストンが円周方向に回転することを防止する回り止め部材を設けたことにより、ピストンの軸廻りの回転を防止し、該ピストンの運動を軸方向の摺動移動に規制し、また、該ピストンからピンにモーメントを加えないため、ピンにおける外周部分の他の部材と接する部分での摩擦を軽減することができ、ピンを滑らかに摺動させることができる。
【0055】
請求項4記載の如く、前記斜板角制御を、油圧ポンプの斜板角制御と油圧モータの斜板角制御との両方に適用したことにより、油圧式無段変速装置の変速範囲を広く確保しつつ、高精度に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の斜板角度制御機構を有する油圧式無段変速装置を示す斜視図。
【図2】 同じく側面断面図。
【図3】 同じく側面図一部断面図。
【図4】 サーボ機構を示す油圧ポンプの正面図一部断面図。
【図5】 中立位置保持機構の実施例1を示す平面図一部断面図。
【図6】 同じく側面断面図。
【図7】 電磁弁での電流がOFF時における電磁弁の平面断面図。
【図8】 電磁弁での電流がON時における電磁弁の平面断面図。
【図9】 中立位置保持機構の実施例2を示す平面図一部断面図。
【図10】 同じく後面図。
【図11】 中立位置保持機構の実施例3を示す平面図一部断面図
【図12】 ピストンの一実施例を示す斜視図。
【図13】 図12におけるピストンを中立位置保持機構へ配設したときの様子を示す中立位置保持機構の側面断面図。
【図14】 ピストンの別実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 油圧式無段変速装置
6 油圧サーボ機構
10 ケーシング
11 中立位置保持機構
12 スプール
20 操作レバー
21 油圧ポンプ
21c 可動斜板
22 油圧モータ
22c 可動斜板
34 ピストン
41 ピン
61 自動斜板角度制御バルブ
62 手動斜板角度制御バルブ
72 スプール

Claims (4)

  1. 油圧ポンプ(21)と油圧モータ(22)とを一体的に形成するとともに、斜板角を制御する油圧サーボ機構(6)と、斜板を中立位置に保持する中立位置保持機構(11)を一体的に有した油圧式無段変速装置(1)において、該中立位置保持機構(11)を構成するピストン(34)を、自動斜板角度制御バルブ(61・61)にて制御する油圧により摺動して、該ピストン(34)が中立保持する油圧サーボ機構(6)のスプール(72)を摺動操作する機構を、該油圧サーボ機構(6)に接合して構成し、前記中立位置保持機構(11)を構成するピストン(34)は、両方から弾性体により付勢して斜板の中立位置を保持する構成とし、該ピストン(34)の両側の油路にそれぞれ連通する自動斜板角度制御バルブ(61・61)を設け、該自動斜板角度制御バルブ(61・61)によって該ピストン(34)の両側に構成された油路内の油圧を調節することにより、該ピストン(34)を摺動させて、該ピストン(34)とピン(41)により連動するスプール(72)を操作し、斜板角制御を行うように構成し、該ピストン(34)の略中央部には、ピン(41)の一端部(41b)が係合し、該ピン(41)の他端部(41a)が、可動斜板(21c)を操作させるスプール(72)に係合したことを特徴とする油圧式無段変速装置の斜板角制御機構。
  2. 請求項1記載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構において、前記前記ピストン(34’)と油圧サーボ機構(6)のスプール(72)とを連結するピン(41)を、該ピストン(34’)と一体的に構成したことを特徴とする油圧式無段変速装置の斜板角制御機構。
  3. 請求項1記載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構において、前記ピストン(34”)の外周面に突起部(34”b)を突設し、該突起部(34”b)の摺動を案内する案内溝(10h)を、ケーシング(10)内の空洞(10c)内面に掘削して、該ピストン(34”)が円周方向に回転することを防止する回り止め部材としたことを特徴とする油圧式無段変速装置の斜板角制御機構。
  4. 請求項1記載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構において、前記斜板角制御を、油圧ポンプ(21)の斜板角制御と、油圧モータ(22)の斜板角制御との両方に設けたことを特徴とする油圧式無段変速装置の斜板角制御機構。
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