JP2001108096A - 油圧式無段変速装置の斜板角制御機構 - Google Patents

油圧式無段変速装置の斜板角制御機構

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JP2001108096A JP29186299A JP29186299A JP2001108096A JP 2001108096 A JP2001108096 A JP 2001108096A JP 29186299 A JP29186299 A JP 29186299A JP 29186299 A JP29186299 A JP 29186299A JP 2001108096 A JP2001108096 A JP 2001108096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧式無段変速装置の斜板角度制御機構のコ
スト削減を図るとともに、コンパクト化を図ることを課
題とする。 【解決手段】 斜板角を制御する油圧サーボ機構6を有
した油圧式無段変速装置1において、電磁比例弁から成
る自動斜板角度制御バルブ61を油圧サーボ機構6に接
合して油圧式無段変速装置1の斜板角制御機構を構成す
る。該斜板角は、操作レバー20の手動操作、または、
前記電磁弁の電子制御により操作可能とする。すなわ
ち、手動操作と電子制御を併用することが可能な構造と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧サーボ機構に
より斜板角を制御する油圧式無段変速装置の斜板角制御
機構に技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、油圧式無段変速装置において
は、斜板角を制御するための油圧サーボ機構を斜板角制
御機構として具備したものがあった。この油圧サーボ機
構は、該油圧サーボを構成する手動斜板角度制御バルブ
のスプールの位置に連動して、該スプールの外周部を覆
うピストンが動作し、これにより斜板角度を任意に制御
するように構成していた。そして、該斜板角度制御機構
には、油圧式無段変速装置の上下面等に電磁弁を装着し
て、ある任意の角度で斜板を保持している状態のピスト
ンの両端面に、電磁弁から強制的にパイロット圧を供給
して、斜板角を制御するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電磁弁を斜板
角度制御機構と別体として、油圧式無段変速装置の上下
面等に装着したのでは、装置全体を大型化するとともに
該電磁弁は本装置専用の電磁弁なので、該電磁弁自体、
製造コストも高くなっていた。
【0004】本発明は、前記の点を鑑み、市販の電磁弁
を使用する等して油圧式無段変速装置の斜板角度制御機
構のコスト削減を図るとともに、また、装置自体のコン
パクト化を図ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。すなわち、請求項1においては、油
圧ポンプと油圧モータとを一体的に形成するとともに、
斜板角を制御する油圧サーボ機構を一体的に有した油圧
式無段変速装置において、電磁比例弁により油圧サーボ
機構の操作部材を位置制御する機構ユニットを油圧サー
ボ機構に接合して構成した。
【0006】また、請求項2においては、前記油圧式無
段変速装置において、斜板角の中立位置保持機構を、弾
性体でピストンを両側から付勢して斜板角の中立位置を
保持する構成とし、該ピストンの両側にそれぞれ電磁比
例弁を設けて、該電磁比例弁によって該ピストンの両側
に構成された油路内の油圧を調節することにより、該ピ
ストンを摺動させて斜板角制御を行うように構成した。
【0007】また、請求項3においては、前記斜板角制
御を、油圧ポンプの斜板角制御と油圧モータの斜板角制
御との両方に適用した。
【0008】また、請求項4においては、前記油圧式無
段変速装置において、斜板角の中立位置保持機構を、付
勢部材によりピストンの一端部を、位置固定された他端
部側へ付勢して、斜板角の中立位置を保持する構成と
し、該ピストンの他端部側にのみ電磁弁を設けて、該電
磁比例弁によって該ピストンの他端部側に構成された油
路内の油圧を調節することにより、該ピストンを摺動さ
せて斜板角制御を行うように構成したこ。
【0009】また、請求項5においては、前記油圧式無
段変速装置において、油圧サーボ機構の手動操作を行う
操作レバーを設け、電磁比例弁による斜板角制御に加え
て、該操作レバーの手動操作により斜板角制御を行うこ
とを可能とした。
【0010】また、請求項6においては、前記油圧式無
段変速装置において、前記ピストンと油圧サーボ機構の
スプールとを連結するピン部材を、該ピストンと一体的
に構成した。
【0011】また、請求項7においては、前記油圧式無
段変速装置において、前記ピストンが円周方向に回転す
ることを防止する回り止め部材を設けた。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の油圧式無段変速装置を示す斜視
図、図2は同じく側面断面図、図3は同じく側面図一部
断面図、図4はサーボ機構を示す油圧ポンプの正面図一
部断面図、図5は中立位置保持機構の実施例1を示す平
面図一部断面図、図6は同じく側面断面図、図7は電磁
弁での電流がOFF時における電磁弁の平面断面図、図
8は電磁弁での電流がON時における電磁弁の平面断面
図、図9は中立位置保持機構の実施例2を示す平面図一
部断面図、図10は同じく後面図、図11は中立位置保
持機構の実施例3を示す平面図一部断面図、図12はピ
ストンの一実施例を示す斜視図、図13は図12におけ
るピストンを中立位置保持機構へ配設したときの様子を
示す中立位置保持機構の側面断面図、図14はピストン
の別実施例を示す斜視図である。
【0013】まず、油圧式無段変速装置についての全体
構成について説明する。図1、図2に示すように、油圧
式無段変速装置(以降HSTと記載する)1において
は、可変容量式油圧ポンプ21および可変容量式油圧モ
ータ22がハウジング3に内包されると共に、油路板4
の同一面に配設されている。可変容量式油圧ポンプ21
は、駆動軸21a、該駆動軸21aが挿嵌され駆動軸2
1aと共に回動するシリンダブロック21b、該シリン
ダブロック21bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ2
1e、及び該プランジャ21eに当接した可動斜板21
cにより構成されている。可動斜板21cはプランジャ
21eの摺動量を規制し、該可変容量式油圧ポンプ21
の作動油の吐出量を調節可能に構成されている。油路板
4には図示せぬ油路が設けられており、可変容量式油圧
ポンプ21より作動油が該油路を介して油圧モータ22
に供給される。
【0014】可変容量式油圧モータ22は可変容量式油
圧ポンプ21と同様に、油路板4に挿嵌し、一端をハウ
ジング3により回動自在に支持された出力軸22a、該
出力軸22aが挿嵌され駆動軸21aと共に回動するシ
リンダブロック22b、該シリンダブロック22bに摺
動自在に挿嵌されたプランジャ22eおよび該プランジ
ャ22eに当接した可動斜板22cにより構成されてい
る。該シリンダブッロク22bは出力軸22aとともに
回動する構成になっており、該シリンダブッロク22b
にはプランジャ22eが摺動自在に挿嵌されている。該
プランジャ22eはハウジング3に配設された可動斜板
22cに当接している。
【0015】上記の構成により、エンジン3の駆動力が
駆動軸21aに入力され、油圧ポンプ21が駆動され
る。そして、該油圧ポンプ21の駆動により吐出された
作動油が油路板4を介して油圧モータ22に供給され
て、該作動油の流出入により油圧モータ22が駆動さ
れ、油圧モータ22の駆動力が出力軸22aに伝達され
る構成となっている。
【0016】以上の如く構成されたHST1は、油圧ポ
ンプ21と油圧モータ22が上下に並設され、油圧ポン
プ21の駆動軸21aの前端部には図示せぬチャージポ
ンプが付設されている。また、図3及び図4に示すよう
に、油圧ポンプ21の一側方及び油圧モータ22の他側
方にはそれぞれ油圧サーボ機構6・6が配設されてい
る。油圧サーボ機構6・6は、ピストン71と、該ピス
トン71の内部に配置されスプール72を有する手動斜
板角度制御バルブ62・62等とから構成されるもの
で、HST1のハウジング3内部に埋め込まれて一体的
に構成されている。
【0017】次に、油圧サーボ機構6の構成について、
ここでは油圧ポンプ21側に配設したサーボ機構6を参
照しながら説明する。図4に示すように、ハウジング3
内における、前記油圧ポンプ21の可動斜板21c(油
圧モータ22においては可動斜板22c)の側部にシリ
ンダ室70を形成し、該シリンダ室70内にピストン7
1を収納し、該ピストン71側面に可動斜板21c(油
圧モータ22においては可動斜板22c)の側部より突
設したピン軸23が嵌合され、該ピストン71の軸心位
置には貫通孔を開口して、この貫通孔内にスプール72
が摺動自在に嵌装されている。
【0018】そして、前記ピストン71にはシリンダ室
70の上部と下部を連通する油路が形成され、該油路は
スプール72の摺動により連通又は遮断されてピストン
71の上下の油室に圧油を送油し、該ピストン71を上
下方向に摺動できるようにしている。また、前記スプー
ル72の下部外周には嵌合溝75が設けられ、該嵌合溝
75にピン41の一端部41aが嵌合されている。該ピ
ン41の他端部41bは、後述する中立保持機構11を
構成する捩じりバネ40により挟持されており、該ピン
41の一端部41aは前記ピストン71側面に開口した
開口71aからハウジング3内部に挿入されて嵌合溝7
5に嵌合している。さらに、油圧サーボ機構6の操作レ
バー20を回動操作することにより、捩じりバネ40を
介してピン41が上下回動し、これに伴ってスプール7
2が上下移動するように構成されており、このスプール
72により手動斜板角度制御バルブ62が構成されてい
るのである。
【0019】また、ハウジング3の油圧サーボ機構6が
構成されている部分には中立位置保持機構11が一体的
に付設され、該中立位置保持機構11には図3等に示す
自動斜板角制御バルブ61が一体的に取り付けられてい
る。該自動斜板角制御バルブ61は電磁比例弁により構
成されており、HST1の駆動軸21aに接続されるエ
ンジンの負荷や足回りの負荷等をセンサ等の検出手段に
より検出し、検出値に応じて自動斜板角度制御バルブ6
1を切換えるように構成している。自動斜板角度制御バ
ルブ61の切換により前記ピン41を上下回動してスプ
ール72を上下移動し、これによりピン軸23が嵌合さ
れるピストン71が上下移動される。このようにして前
記油圧ポンプ21の可動斜板21cの側部(油圧モータ
22においては可動斜板22cの側部)に設けたピン軸
23を上下に移動させて、該可動斜板21c(または可
動斜板22c)が最終的に変速のために回動するように
構成している。
【0020】このように、自動斜板角度制御バルブ61
と手動斜板角度制御バルブ62とにより、ピストン71
とスプール72とを操作することで可動斜板21c・2
2cを回動し、HST1を変速するようにしている。ま
た、油圧サーボ機構6の操作レバー20の部分には前記
可動斜板21c・22cの中立位置を保持する中立位置
保持機構11が構成されている。
【0021】次に、斜板角を電子制御する電磁比例弁に
より構成された自動斜板角度制御バルブ61を、油圧サ
ーボ機構6へ一体的に付設される中立位置保持機構11
へ一体的に取り付けて構成した本発明に係る実施例(実
施例1)について図5乃至図7を参照しながら説明す
る。図5に示すように、中立位置保持機構11は、側面
視「凸」字を反時計回りに状90°回転させた形状のケ
ーシング10に内装されており、該中立位置保持機構1
1の後端上下部(図5における右端上下部)にそれぞれ
略円筒状の自動斜板角度制御バルブ61・61を固定ボ
ルト63・63・・・で締結して固設している。該自動
斜板角度制御バルブ61・61から延出される配線65
・65の他端は、図示せぬ電磁比例弁制御用コントロー
ラに接続する。
【0022】図5及び図7に示すように、前記ケーシン
グ10の後部(図5における右側)に位置するケーシン
グ後部10bには、上下方向に貫通する空洞10cが穿
孔され、該空洞10cには中立位置保持機構11の構成
部材が挿設されている。ケーシング後部10bにおけ
る、空洞10cの後方(図5においては右方)には、上
下方向に貫通する空洞をさらに二本穿孔し、該空洞を空
洞10c側から順に、チャージポンプから圧油が供給さ
れるポンプポート10d、ドレンへ返油するタンクポー
ト10eとする。また、前記ケーシング後部10bの後
端面に配設した円筒状の自動斜板角度制御バルブ61・
61の軸心位置からタンクポート10e、ポンプポート
10dを経て空洞10cまで貫通するスプール孔10f
・10fを開口し、すなわち、該スプール孔10f・1
0fと空洞10c、ポンプポート10d及びタンクポー
ト10eとを連通している。該スプール孔10f・10
fにはスプール12・12を挿設して空洞10c、ポン
プポート10d及びタンクポート10eにおけるスプー
ル孔10f・10fとの連通部を塞いでいる。また、該
スプール12・12の頭部12a・12aは自動斜板角
度制御バルブ61・61の軸心に配設した軸方向に摺動
自在な可動鉄心66・66の一端と近接させる。また、
スプール12・12の脚部12b・12bの油路と当接
する位置においてスプール脚部12b・12bの半径方
向に貫通孔を開口し、また、該貫通孔の半径方向中央
部、スプール12・12における軸心位置から軸方向に
スプール12・12の脚先12c・12cまで穿孔して
油の抜け道となるバイパス12d・12dを形成する。
【0023】図5及び図6に示すように、前記空洞10
cには、ピストン34が長手方向(図5における上下方
向)へ摺動自在に挿嵌されている。空洞10c内におけ
るピストン34の両外側にはアジャストボルト38・3
8が挿嵌されている。該アジャストボルト38・38の
外側端部はキャップ39・39に螺装され、内側端部
は、ピンストン34内に嵌入している。そして、アジャ
ストボルト38・38は回転させることで、長手方向へ
移動可能に構成されており、通常は固定ボルト42・4
2により位置固定されている。また、前記ピン41の他
端部41bが該ケーシング10の空洞10c内に挿入さ
れている。
【0024】ピストン34の略中央部には、ピン41の
他端部41bの径と略同一径の固定穴34aが形成さ
れ、該他端部41bは固定穴34aと位置を合わせてケ
ーシング10内へ挿入されている。また、ケーシング1
0の空洞10c内においては、ピストン34の両側に、
バネ受け35・35がピストン34の軸心方向へ摺動自
在に設けられている。
【0025】該バネ受け35・35は、キャップ39・
39とバネ受け35・35との間に圧縮状態で介装され
るバネ36・36により固定穴34a側へ付勢されてお
り、前記アジャストボルト38・38の頭部38a・3
8aに係止している。図5における上下のアジャストボ
ルト38・38の各頭部38a・38a間の寸法は、ピ
ストン34に形成される上下の段差部34b・34b間
の寸法と合わせるように調整しており、これにより、前
記バネ受け35・35は該段差部34b・34bにも係
止している。そして、ピストン34は、アジャストボル
ト38・38の各頭部38a・38aに係止して位置決
めされているバネ受け35・35により両側から挟みこ
まれる構成となっている。
【0026】前記操作レバー20は、ケーシング10の
ケーシング前部10aの左右中央部の回動軸25を中心
に回動自在に支持されており、図6に示すように、ケー
シング前部10aの反操作レバー配置面側において、ピ
ン41を支持する支持アーム26が該回動軸25により
回動自在に軸支されている。前記ケーシング前部10a
の支持アーム26配設面側において、回動軸25の外周
部には前記捩じりバネ40が回動自在に外嵌され、該捩
じりバネ40によりピン41の他端部41bが挟持され
ている。また、回動軸25には該回動軸25と一体的に
回動する連動アーム27が固設されており、該連動アー
ム27は捩じりバネ40により挟持されている。
【0027】そして、操作レバー20を回動操作する
と、回動軸25に固設される連動アーム27、及び該連
動アーム27を挟持する捩じりバネ40が一体的に回動
される。さらに、捩じりバネ40に挟持されるピン41
が、該捩じりバネ40と一体的に回動される。また、ケ
ーシング10には、前記空洞10c略中央部からケーシ
ング10の支持アーム26配設面側へ貫通する長孔10
gが形成されており、該長孔10gはケーシング後部1
0bの長手方向に長く形成されている。すなわち、操作
レバー20を回動操作すると、ピン41が長孔10gに
沿って、連動アーム27及び捩じりバネ40を介して一
体的に回動されて、図4における前記スプール72を移
動操作するように構成されている。
【0028】また、操作レバー20が回動操作されてい
ない状態においては、ピン41の他端部41bが固定穴
34a嵌入しているピストン34は、バネ36・36に
より付勢され、アジャストボルト38・38に係止して
位置決めされているバネ受け35・35によって挟み込
まれて一定位置に保持されている。そして、本HST1
においては、上述の如く、操作レバー20に操作力がか
かっていなくて、ピストン34がバネ受け35・35に
より一定位置に保持されている状態で、油圧ポンプ21
の可動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22c
が中立位置に位置するように調節されている。すなわ
ち、ピストン34、バネ36・36、アジャストボルト
38・38、及びバネ受け35・35等によりHST1
の油圧ポンプ21及び油圧モータ22の中立位置を保持
する中立位置保持機構11を構成しており、該中立位置
保持機構11により、ピン41及び油圧サーボ機構6を
通じて、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モー
タ22の可動斜板22cを中立位置に保持するようにし
ている。本中立位置保持機構11においては、アジャス
トボルト38・38を回転操作して、頭部38a・38
aによるバネ受け35・35の係止位置を変えること
で、ピストン34の挟み込み位置を調節し、中立位置の
調整を行うことができるようにしている。
【0029】次に電磁比例弁からなる自動斜板角度制御
バルブ61により、中立位置保持機構11のピストン3
4を上下に摺動させて、ピン41、スプール72及びピ
ストン71を通じて可動斜板21c・22cの斜板角を
制御する制御機構を図7及び図8を参照しながら説明す
る。図7に示すように、前記自動斜板角度制御バルブ6
1は、ソレノイド67、軸方向に摺動可能な可動鉄心6
6、及びソレノイド67の磁力を増加させる固定鉄心6
7等で構成されており、電気信号のON・OFFによっ
て制御される強力な電磁石を構成している。
【0030】すなわち、ソレノイド67に電流が流れて
いない状態においては、スプール12のスプール頭部1
2aはバネ68により電磁比例弁61側へ付勢されてお
り、該スプール頭部12aに当接する可動鉄心66はス
プール12により反空洞10c側へ付勢されている。こ
の場合、スプール12のバイパス12dにおける半径方
向に開口した部分はタンクポート10eの部分に位置し
ており、該タンクポート10eと空洞10cとはバイパ
ス12dにより連通されている。この状態から、ソレノ
イド64に電流が流れて電磁石が励磁されると、図8に
示すように、可動鉄心66はスプール12側に吸着され
て移動する。従って、該スプール12は可動鉄心66に
よって空洞10c側に押されて移動し、スプール脚部1
2bの半径方向に開口した部分のバイパス12dがポン
プポート10d位置に来て、該バイパス12dを介して
ポンプポート10dと空洞10cが連通する。このと
き、スプール頭部12aと当節してスプール12の外周
に配設したバネ68は縮み、スプール12の移動を制限
している。ポンプポート10dと空洞10cとが連通す
ることで、チャージポンプで加圧されたポンプポート1
0d内の圧油は、ポンプポート10d側から空洞10c
側へと流れ、空洞10c内の圧力が高まり、該圧力によ
り空洞10c内に配設されたピストン34を押して摺動
移動させるのである。
【0031】すなわち、図5において、前記ケーシング
10における操作レバー20側を前側と見なした場合、
例えば、上側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流
すと、上部側のキャップ39とピストン34との間に形
成される空洞10cが、ポンプポート10dと連通し、
該空洞10c内に圧油が流入する。また、この場合、下
側の自動斜板角度制御バルブ61には電流は流しておら
ず、下部側のキャップ39とピストン34との間に形成
される空洞10cは、タンクポート10eと連通して、
該空洞10c内の油はタンクポート10e側へ返油可能
となっている。上部側の空洞10cに圧油が流入する
と、ピストン34が下方に押されて、下方のバネ36の
付勢力に抗して摺動移動するとともに、下部側の空洞1
0c内の油がタンクポート10eへ返油される。逆に、
下側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すととも
に、上側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流さな
かった場合は、下部側の空洞10cに圧油が流入してピ
ストン34が上方へ摺動移動することとなる。このよう
に、自動斜板角度制御バルブ61に電流を流すことによ
り、ピストン34を上下方向に摺動移動させることがで
きるのである。
【0032】また、上部側の自動斜板角度制御バルブ6
1に電流を流し、スプール12のバイパス12dを介し
てポンプポート10dと空洞10cとが連通している状
態において、電流を遮断すると、ソレノイド34で構成
された電磁石の吸引力がなくなり、前記バネ68の付勢
力によりスプール12が自動斜板角度制御バルブ61に
押し戻されて、上部側の空洞10cはタンクポート10
eと連通する。これにより、上下部の空洞10cがとも
にタンクポート10eと連通することとなって、ピスト
ン34をバネ36・36の付勢力が互いに釣り合う位
置、すなわち中立位置にまで戻すことができる。尚、逆
に下部側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流して
いる状態の場合においても同様である。さらに、上下の
自動斜板角度制御バルブ61に共に電流を流さなかった
場合には、上部側の空洞10cと下部側の空洞10cと
の両方がタンクポート10eと連通するため、ピストン
34にはポンプポート10dからのチャージ圧がかから
ず、該ピストン34は中立位置で停止することとなる。
【0033】このように、上下の自動斜板角度制御バル
ブ61の作動を、電流のON・OFFにより制御するこ
とにより、ピストン34を上下に摺動移動することがで
き、該ピストン34の位置を制御することができるので
ある。そして、ピストン34を摺動移動させることによ
り、該ピストン34に嵌合するピン41が、ケーシング
10の長孔10gに沿って摺動され、さらに、該ピン4
1が、図4における前記スプール72を移動操作して、
油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ22の
可動斜板22cの斜板角を制御することができるのであ
る。
【0034】尚、自動斜板角度制御バルブ61は、ソレ
ノイド64に流れる電流量に比例して可動鉄心66に推
力が働き、スプール12を押すのである。こうして該ス
プール12が押されると、ポンプポート10dと空洞1
0cが連通して該空洞10cへ高圧油が流れ込むのであ
る。該スプール12に働く力は、脚先12cの表面積と
空洞10c内の圧力の積となり、また、スプール12に
はバネ68からの付勢力が働き、これらのスプール12
に働く力が可動鉄心66に働く推力と釣り合うまで、該
空洞10c内の圧力は加圧される。この空洞10c内の
圧力とピストン34の端面の表面積の積が、バネ36に
よる付勢力と釣り合うまで、ピストン34は摺動移動す
るのである。すなわち、ソレノイド64に流れる電流値
とピストン34の移動量は線形的に比例し、これによ
り、油圧サーボ機構6のスプール72を駆動し、可動斜
板21c・22cの斜板角の回転制御を行なうのであ
る。このような構成の前記自動斜板角制御バルブ61
は、センサ等の検出手段により検出したエンジンの負荷
や足回りの負荷等を電磁比例弁制御用コントローラにフ
ィードバックすることにより、可動斜板21c・22c
の斜板角を最適な状態にコントロールするために、可動
鉄心66の伸縮タイミングを電気的に制御している。
【0035】また、本HST10においては、上述の如
く、左右両側の自動斜板角度制御バルブ61・61に電
流がOFFの状態において、ピン41がケーシング10
の左右中央位置でバネ受け35・35により保持されて
いる状態で、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧
モータ22の可動斜板22cが中立位置に位置するよう
に調節されている。すなわち、ピストン34、バネ36
・36、及びバネ受け35・35等によりHST10の
油圧ポンプ21及び油圧モータ22の中立位置を保持す
る中立位置保持機構11を構成しており、該中立位置保
持機構11により、ピン41及び油圧サーボ機構6を通
じて、油圧ポンプ21の可動斜板21c及び油圧モータ
22の可動斜板22cを中立位置に保持するようにして
いる。
【0036】このように、中立位置保持機構11を、油
圧サーボ機構6のスプール72を駆動するスプール駆動
部としてのピン41と同一径の固定穴34aをピストン
34に形成して、該固定穴34aにピン41を嵌装し、
ピン41が嵌装されたピストン34を、バネ36・36
によりバネ受け35・35を介して両側から挟み込んで
中立位置を保持する構成としたので、該中立位置保持機
構11を簡単な構成とするとともに小型化することがで
き、中立位置の調整も容易に行うことが可能となる。ま
た、ピン41が嵌入するピストン34を、バネ36・3
6により付勢されるバネ受け35・35にて挟みこんで
中立位置を保持するように構成しているため、バネ36
・36の付勢力を止め輪等の付加部材により受けること
が必要でなくなり、止め輪が外れる等の心配がなくなっ
て耐久性を向上させることができる。さらに、中立位置
保持の精度を向上させることが可能となる。
【0037】次に自動斜板角度制御バルブ61を、油圧
サーボ機構6へ一体的に付設される中立位置保持機構1
1へ一体的に取り付けた構成の別実施例(実施例2)を
説明する。図9及び図10に示すように、中立位置保持
機構11’のケーシング10の構成においては、ピスト
ン34をケーシング10の空洞10c内に摺動自在に配
設し、該ピストン34内にキャップ39によって支持さ
れるアジャストボルト38を挿入している。該アジャス
トボルト38はネジ部材に構成され、該アジャストボル
ト38の途中部には固定ナット43が螺装されている。
また、アジャストボルト38における固定ナット43の
外側からはロックナット33が締結され、固定ナット4
3の位置を固定されている。ピストン34内におけるキ
ャップ39側端部には止輪37を嵌装しており、該止輪
37の内側にバネ受け35を摺動自在に設けるととも
に、ピストン34内の段差部34b側にバネ受け35を
摺動自在に設けている。また、ピストン34の軸心方向
略中央部の外周に形成される固定穴34aにゼンキピン
41が嵌装されている。
【0038】そして、止輪37側のバネ受け35と段差
部34b側のバネ受け35との間にバネ36を圧縮状態
で介装して、該バネ受け35・35を外側方向へ付勢し
ている。この状態においては、キャップ39側のバネ受
け35は、止輪37及び固定ナット43に係止し、段差
部34b側のバネ受け35は、該段差部34b及びアジ
ャストボルト38の頭部38aに係止しており、これに
よってピストン34が位置固定されている。このよう
に、バネ36の付勢力によりピストン34が位置固定さ
れている状態にて、ピン41及び油圧サーボ機構6を通
じて該ピストン34と連結される、油圧ポンプ21の可
動斜板21c及び油圧モータ22の可動斜板22cが中
立位置となるように調整されている。
【0039】また、可動斜板21c・22cの回転角度
の制御は、手動による操作レバー20の回動操作とケー
シング後面両側方に固設した自動斜板角度制御バルブ6
1・61の電子制御により行うことができる。操作レバ
ー20を手動により操作してピン41を回動させ、可動
斜板21c・22cの斜板角を制御する動作原理は、前
記実施例1と同様でありここでは省略し、次に、電子制
御によるピストン34の動作原理を説明する。図9にお
ける右側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流す
と、ソレノイド64に流れる電流量に比例して可動鉄心
66に推力が働き、スプール12が空洞10c側へ移動
して、前述の場合と同様に、キャップ39とピストン3
4の右端部との間に形成される空洞10cが、ポンプポ
ート10dと連通し、該空洞10c内に高圧油が流入す
る。該スプール12に働く力は、脚先12cの表面積と
空洞10c内の圧力の積となり、また、スプール12に
はバネ68からの付勢力が働き、これらのスプール12
に働く力が可動鉄心66に働く推力と釣り合うまで、該
空洞10c内の圧力は加圧される。こうして、該圧力と
ピストン34の端面の表面積の積が、バネ36による付
勢力と釣り合うまで、ピストン34は摺動移動するので
ある。また、この場合、左側の自動斜板角度制御バルブ
61には電流は流しておらず、ピストン34の左端部に
形成される空洞10cは、タンクポート10eと連通し
て、該空洞10c内の油はタンクポート10e側へ返油
可能となっている。こうして、右側の空洞10cに圧油
が流入すると、ピストン34が左方に押されて、バネ3
6の付勢力に抗しながら摺動移動するとともに、左側の
空洞10c内の油がタンクポート10eへ返油される。
この場合、左側のバネ受け35(段差部34b側)はア
ジャストボルト38の頭部38aに係止してそのままの
位置で停止しており、右側(キャップ39側)のバネ受
け35は止輪37に係止してピストン34とともにバネ
36を圧縮しながら左方へ移動する。
【0040】逆に、左側の自動斜板角度制御バルブ61
に電流を流すとともに、右側の自動斜板角度制御バルブ
61に電流を流さなかった場合は、左側の空洞10cに
圧油が流入してピストン34が右方へ摺動移動すること
となる。この場合、右側のバネ受け35は固定ナット4
3に係止してそのままの位置で停止しており、左側のバ
ネ受け35はピストン34の段差部34bに係止して該
ピストン34とともにバネ36を圧縮しながら右方へ移
動する。このように、自動斜板角度制御バルブ61に電
流を流すことにより、ソレノイド64に流れる電流値と
ピストン34の移動量は線形的に比例し、ピストン34
を左右方向に摺動移動させて、油圧サーボ機構6のスプ
ール72を駆動し、可動斜板21c・22cの斜板角の
回転制御を行なうのである。
【0041】また、図7乃至図9において、図9におけ
る右側の自動斜板角度制御バルブ61のみに電流を流
し、スプール12のバイパス12dを介してポンプポー
ト10dとピストン34の右側の空洞10cとが連通し
ている状態において、電流を遮断すると、ソレノイド3
4で構成された電磁石の吸引力がなくなり、前記バネ6
8の付勢力によりスプール12が自動斜板角度制御バル
ブ61に押し戻されて、ピストン34より右側の空洞1
0cはタンクポート10eと連通する。これにより、左
右部の空洞10cがともにタンクポート10eと連通し
てピストン34には圧油からの力がかからなくなるた
め、該ピストン34が、バネ36の付勢力により位置固
定されると中立位置にまで戻すことができる。尚、逆に
左側の自動斜板角度制御バルブ61に電流を流している
状態の場合においても同様である。
【0042】このように、左右の自動斜板角度制御バル
ブ61の作動を、電流値を制御することにより、ピスト
ン34を左右に摺動移動することができ、該ピストン3
4の位置を制御することができるのである。そして、ピ
ストン34を摺動移動させることにより、該ピストン3
4に嵌合するピン41が、ケーシング10の長孔10g
に沿って摺動され、さらに、該ピン41が、前記スプー
ル72を移動操作して、油圧ポンプ21の可動斜板21
c及び油圧モータ22の可動斜板22cの斜板角を制御
することができるのである。このように構成した実施例
2は、実施例1に比べて部材点数を削減でき、中立位置
保持機構11のコストの削減を図ることができる。
【0043】次に自動斜板角度制御バルブ61について
の更に別実施例(実施例3)を説明する。図11に示す
ように、実施例3は、実施例1におけるピストン34の
一側に配置されるバネ36、及びバネ受け35・35を
取り外すとともに、該ピストン34の他側に配置される
自動斜板角度制御バルブ61を取り外した構成としてい
る。すなわち、中立位置保持機構11”のケーシング1
0の構成において、空洞10c内におけるピストン34
の両外側にはアジャストボルト38・38が挿嵌されて
いる。該アジャストボルト38・38の外側端部はキャ
ップ39・39に螺装され、該キャップ39・39の内
側端部は、ピンストン34内に嵌入している。そして、
アジャストボルト38・38はキャップ39・39に対
して回転させることで、長手方向へ移動可能に構成され
ており、通常は固定ボルト42・42により位置固定さ
れている。
【0044】ピストン34の略中央部には、ピン41の
他端部41bの径と略同一径の固定穴34aが形成さ
れ、該他端部41bは固定穴34aと位置を合わせてケ
ーシング10の空洞10c内へ挿入されている。また、
ケーシング10の空洞10c内においては、ピストン3
4の他側に、バネ受け35がピストン34の軸心方向へ
摺動自在に設けられている。該バネ受け35は、キャッ
プ39とバネ受け35との間に圧縮状態で介装されるバ
ネ36により固定穴34a側へ付勢されており、ピスト
ン34の他側に配置されるアジャストボルト38の頭部
38a及びピストン34の段差部34bに係止してい
る。また、ピストン34の一側は、該ピストン34の一
側に配置されるアジャストボルト38の頭部38aに当
接して、該ピストン34がそれ以上一側へ移動すること
を規制している。そして、ピストン34が該頭部38a
当接した位置で保持されている状態において、可動斜板
21c・22cの斜板角が最大角となるようにアジャス
トボルト38・38を調節して位置決めをしている。
【0045】このような構成において、ピストン34の
摺動を電子制御する場合、1つの自動斜板角度制御バル
ブ61に流す電流値で行い、すなわち、電流値を大きく
すると、前述の場合と同様に、電磁石の働きによりスプ
ール12を空洞10c側へ押し、ポンプポート10dか
ら空洞10cへと油を供給してピストン34を他側に摺
動させる。この場合、例えば本機構を油圧モータ22に
適用した場合、可動斜板22cの斜板角はピストン34
が摺動するに従って減少し、やがて中立位置となる。さ
らにピストン34が摺動すると、出力軸22aの回転が
逆転する方向に斜板角が増加していく。また、電流値を
小さくすれば、電磁石の吸引力が小さくなり、スプール
12は図8に示すバネ68の付勢力により自動斜板角度
制御バルブ61側へ押し戻されて、空洞10cとタンク
ポート10eとが連通し減圧する。すると、ピストン3
4は、バネ36の付勢力により、空洞10c内の圧油を
タンクポート10eへ返油しながら一側へ摺動移動す
る。そして、該ピストン34の一側がアジャストボルト
38の頭部38aに当接した位置で停止する。
【0046】また、実施例1と同様に手動により操作レ
バーを回動して可動斜板21c・22cの回転角度の調
節を行なうこともできる。このように構成することによ
り、実施例1及び実施例2に比べて、更に部品点数を削
減でき、中立位置保持機構11のコストの削減を図るこ
とができる。
【0047】最後に中立位置保持機構11を構成するピ
ストン34の別実施例を説明する。中立位置保持機構1
1においては、両側のバネ36・36により付勢されて
中立位置に保持されるピストン34を、手動または、電
子制御により左右方向に摺動させてピン41を移動さ
せ、該ピン41に連結されるスプール72を上下方向に
摺動させて斜板角21c・22cを回動させるのである
が、本実施例においては、ピストン34及びピン41
を、図12及び図13に示すように一体的に形成するこ
ともできる。このように構成することにより、図6に示
すようにピストン34の固定穴34aとピン41との間
で嵌合する部分で生ずる摺動方向のずれや軸廻りの回転
によるずれを解消でき動力の伝達効率が高まる。また、
一体型としたピン付きピストン34’とすることで、剛
体としての強度も高まる。
【0048】また、空洞10c内に摺動自在に挿嵌され
るピストン34は、長手方向に摺動するとともに軸心回
りに回転可能である。従って、図6に示すように、ピス
トン34に嵌入するピン41をケーシング10の長孔1
0gによりガイドして、該ピストン34の回転を防止し
ている。また、図14に示すように、ピストン34”の
外周面に突起部34”bを突設し、該突起部34”bの
摺動を案内する案内溝10hをケーシング10内の空洞
10c内面に掘削して、該ピストン34の回転を防止す
ることもできる。
【0049】あるいは、ピストン34の側面に案内溝を
掘削し、前記空洞内面に突起部を突設する構造としても
よく、凸部と凹部が嵌合して摺動し回転を防止する構造
であれば、その形状等特に限定するものではない。この
ように構成することにより、前記突起部34”bが案内
溝10hに沿って摺動するのでピストン34”の軸廻り
の回転を防止でき、ピストン34”は軸方向の運動にの
みに制限される。このようにピストン34の軸廻りの回
転を防止することにより、ピストン34”はピン41に
モーメントを加えないため、ピン41における外周部分
の他の部材と接する部分での摩擦を軽減することがで
き、ピン41を滑らかに摺動させることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。すなわち、請求項1記載
の如く、電磁比例弁により油圧サーボ機構の操作部材を
位置制御する機構ユニットを油圧サーボ機構に接合して
構成したことにより、油圧サーボ機構をコンパクトにま
とめあげることができ、また、該電磁弁には、市販のも
のを使用しているので、コスト削減にも繋がる。
【0051】また、請求項2記載の如く、前記油圧式無
段変速装置において、斜板角の中立位置保持機構を、弾
性体でピストンを両側から付勢して斜板角の中立位置を
保持する構成とし、該ピストンの両側にそれぞれ電磁比
例弁を設けて、該電磁比例弁によって該ピストンの両側
に構成された油路内の油圧を調節することにより、該ピ
ストンを摺動させて斜板角制御を行うように構成したこ
とにより、手動操作に比べてより精度の高い制御を実現
し、また電子制御機能を備えた装置全体としてコンパク
トにまとめあげることができる。
【0052】また、請求項3記載の如く、前記斜板角制
御を、油圧ポンプの斜板角制御と油圧モータの斜板角制
御との両方に適用したことにより、油圧式無段変速装置
の変速範囲を広く確保しつつ、高精度に制御することが
可能となる。
【0053】また、請求項4記載の如く、前記油圧式無
段変速装置において、斜板角の中立位置保持機構を、付
勢部材によりピストンの一端部を、位置固定された他端
部側へ付勢して、斜板角の中立位置を保持する構成と
し、該ピストンの他端部側にのみ電磁弁を設けて、該電
磁比例弁によって該ピストンの他端部側に構成された油
路内の油圧を調節することにより、該ピストンを摺動さ
せて斜板角制御を行うように構成したことにより、さら
に部品点数を減らすことができ、より安価に装置を製作
でき、また、装置全体の大きさもコンパクトにまとめあ
げることができる。
【0054】また、請求項5記載の如く、前記油圧式無
段変速装置において、油圧サーボ機構の手動操作を行う
操作レバーを設け、電磁比例弁による斜板角制御に加え
て、該操作レバーの手動操作により斜板角制御を行うこ
とを可能としたことにより、何らかのトラブルで手動操
作機構あるいは、電子制御機能が故障したとしても、他
のもう一方の操作で対処することができる。
【0055】また、請求項6記載の如く、前記油圧式無
段変速装置において、前記ピストンと油圧サーボ機構の
スプールとを連結するピン部材を、該ピストンと一体的
に構成したことにより、ピストンとピンとの間の嵌合す
る部分で生ずる摺動方向のずれや軸廻りの回転によるず
れを解消でき動力の伝達効率が高まる。また、ピンとピ
ストンを一体型とすることで、剛体としての強度も高ま
る。
【0056】また、請求項7記載の如く、前記油圧式無
段変速装置において、前記ピストンが円周方向に回転す
ることを防止する回り止め部材を設けたことにより、ピ
ストンの軸廻りの回転を防止し、該ピストンの運動を軸
方向の摺動移動に規制し、また、該ピストンからピンに
モーメントを加えないため、ピンにおける外周部分の他
の部材と接する部分での摩擦を軽減することができ、ピ
ンを滑らかに摺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜板角度制御機構を有する油圧式無段
変速装置を示す斜視図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】同じく側面図一部断面図。
【図4】サーボ機構を示す油圧ポンプの正面図一部断面
図。
【図5】中立位置保持機構の実施例1を示す平面図一部
断面図。
【図6】同じく側面断面図。
【図7】電磁弁での電流がOFF時における電磁弁の平
面断面図。
【図8】電磁弁での電流がON時における電磁弁の平面
断面図。
【図9】中立位置保持機構の実施例2を示す平面図一部
断面図。
【図10】同じく後面図。
【図11】中立位置保持機構の実施例3を示す平面図一
部断面図
【図12】ピストンの一実施例を示す斜視図。
【図13】図12におけるピストンを中立位置保持機構
へ配設したときの様子を示す中立位置保持機構の側面断
面図。
【図14】ピストンの別実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 油圧式無段変速装置 6 油圧サーボ機構 10 ケーシング 11 中立位置保持機構 12 スプール 20 操作レバー 21 油圧ポンプ 21c 可動斜板 22 油圧モータ 22c 可動斜板 34 ピストン 41 ピン 61 自動斜板角度制御バルブ 62 手動斜板角度制御バルブ 72 スプール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと油圧モータとを一体的に形
    成するとともに、斜板角を制御する油圧サーボ機構を一
    体的に有した油圧式無段変速装置において、電磁比例弁
    により油圧サーボ機構の操作部材を位置制御する機構ユ
    ニットを油圧サーボ機構に接合して構成したことを特徴
    とする油圧式無段変速装置の斜板角制御機構。
  2. 【請求項2】 前記油圧式無段変速装置において、斜板
    角の中立位置保持機構を、弾性体でピストンを両側から
    付勢して斜板角の中立位置を保持する構成とし、該ピス
    トンの両側にそれぞれ電磁比例弁を設けて、該電磁比例
    弁によって該ピストンの両側に構成された油路内の油圧
    を調節することにより、該ピストンを摺動させて斜板角
    制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1記
    載の油圧式無段変速装置の斜板角制御機構。
  3. 【請求項3】 前記斜板角制御を、油圧ポンプの斜板角
    制御と油圧モータの斜板角制御との両方に適用したこと
    を特徴とする請求項2記載の油圧式無段変速装置の斜板
    角制御機構。
  4. 【請求項4】 前記油圧式無段変速装置において、斜板
    角の中立位置保持機構を、付勢部材によりピストンの一
    端部を、位置固定された他端部側へ付勢して、斜板角の
    中立位置を保持する構成とし、該ピストンの他端部側に
    のみ電磁弁を設けて、該電磁比例弁によって該ピストン
    の他端部側に構成された油路内の油圧を調節することに
    より、該ピストンを摺動させて斜板角制御を行うように
    構成したことを特徴とする請求項1記載の油圧式無段変
    速装置の斜板角制御機構。
  5. 【請求項5】 前記油圧式無段変速装置において、油圧
    サーボ機構の手動操作を行う操作レバーを設け、電磁比
    例弁による斜板角制御に加えて、該操作レバーの手動操
    作により斜板角制御を行うことを可能としたことを特徴
    とする請求項2又は請求項4記載の油圧式無段変速装置
    の斜板角制御機構。
  6. 【請求項6】 前記油圧式無段変速装置において、前記
    ピストンと油圧サーボ機構のスプールとを連結するピン
    部材を、該ピストンと一体的に構成したことを特徴とす
    る請求項2又は請求項4又は請求項5記載の油圧式無段
    変速装置の斜板角制御機構。
  7. 【請求項7】 前記油圧式無段変速装置において、前記
    ピストンが円周方向に回転することを防止する回り止め
    部材を設けたことを特徴とする請求項6記載の油圧式無
    段変速装置の斜板角制御機構。
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