JP3668418B2 - 可変容量型油圧モータ - Google Patents

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JP3668418B2 JP2000244772A JP2000244772A JP3668418B2 JP 3668418 B2 JP3668418 B2 JP 3668418B2 JP 2000244772 A JP2000244772 A JP 2000244772A JP 2000244772 A JP2000244772 A JP 2000244772A JP 3668418 B2 JP3668418 B2 JP 3668418B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械および産業機械に用いられる可変容量型油圧モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の可変容量型油圧モータ1の構成を示す断面図である。油圧モータ1は、斜板式ピストンモータであるモータ部2と、モータ部2に装着されるレギュレータ部3とから構成される。油圧モータ1はポンプから一定の流量で供給される作動油によって回転軸4を回転駆動する。油圧モータ1のモータ容量は斜板6の傾転角度を変化させることによって変化し、斜板6の傾転角度を大きく(図8において時計まわり)するとモータ容量が大きくなり、回転軸4の回転速度が低下し、逆に斜板6の傾転角度を小さく(図8において反時計まわり)するとモータ容量が低下し、回転軸4の回転速度が速くなる。
【0003】
この斜板6の傾転角度は傾転ピストン8,9によって調整される。傾転ピストンは一方側(図8の左方)に小径の傾転ピストン9を有し、他方側(図8の右方)に大径の傾転ピストン8を有し、各傾転ピストン8,9がそれぞれモータケーシング5の小径室11、大径室34にそれぞれに装着され、傾転ピストン8,9は変位自在に支持される。この傾転ピストン8,9は小径室11内の圧油と大径室34内の圧油の差圧によって変位し、この差圧はレギュレータ部3に備えられる容量制御弁15によって制御される。
【0004】
図9は、レギュレータ部3の構成を示す断面図である。レギュレータ部3は、レギュレータケーシング20に容量制御弁15、電磁比例制御弁17、および馬力制御弁21が設けられ、側方から側部ブロック22が装着される。容量制御弁15は、スリーブ12と、このスリーブ12に挿嵌され、軸線L方向に変位自在に支持されるスプール部材13とを有し、スプール部材13は、スリーブ12に挿嵌されるスプール23と、スプール23の軸線L方向に一方A(図9の左方)側にスプール23に同軸に支持され、一方A側端面に受圧面24aを有する押圧ピストン24と、スプール23の他方B(図9の右方)側に設けられるばね座25とから成り、スプール23は、ばね座25を介してばね16によって一方A側にばね付勢されている。スプール部材13は、押圧ピストン24を支持するピストン支持部材26に一方端が当接する第1位置から、ばね座25がばね座25に対向して配置されるストッパ27に当接する第2位置にわたって変位自在に支持される。
【0005】
レギュレータケーシング20のレギュレータポート28にパイロットポンプ29からパイロット1次圧Pi1が導かれると、電磁比例制御弁17に制御されて押圧ピストン24の受圧面24aにパイロット2次圧Pi2が作用する。このパイロット2次圧Pi2が増加するとスプール部材13はばね16のばね力に抗して第1位置から第2位置に移動する。
【0006】
傾転ピストン9の小径室11には油圧モータ1への供給圧力もしくは吐出圧力が油路を介して導かれ、この油路から分岐して容量制御弁15を介して大径室34にも小径室11と同様の圧油が導かれる。図8に示すように容量制御弁15のスリーブ12およびスプール23が共に一方A側の第1位置に配置される状態では大径室34に連なる油路は遮断されている。この状態からパイロット2次圧Pi2を増加させるとスプール23がばね16に抗して他方B側へ変位する。するとスリーブ12とスプール23との間に通路が開口し、大径室34に圧油が導かれる。小径室11と大径室34は同じ圧力の圧油が導かれるが、大径の傾転ピストン8の方が受圧面積が大きいので傾転ピストン8,9は一方A側に移動し、これによって斜板6の傾転角度が低下し、モータ容量が低下する。斜板6とスリーブ12とはフィードバックレバー19によって連結されている。フィードバックレバー19は支点18によって揺動支持されており、傾転ピストン8,9が一方A側に移動するとスリーブ12を他方B側へ移動させる。スリーブ12がスプール23に追い付くとスリーブ12とスプール23との間の通路が遮断され、これによって傾転ピストン8,9の移動が停止し、斜板6の傾転動作が停止する。このようにして電磁比例制御弁17によってスプール23に作用するパイロット2次圧Pi2を調整してスプール部材13を変位させることによって、斜板6を傾転させ、任意のモータ容量に調整することができる。
【0007】
したがって、スプール部材13が第1位置にあり、モータ容量が最大、すなわち回転軸4の回転速度が最小となる1速と、スプール部材13が第2位置に位置し、回転速度が最大となる2速との間で無段階に回転速度を調整することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
モータ容量を最大もしくは最小に保持するには、パイロット2次圧Pi2を調整してスプール部材13を変位させ、大径室34に入る圧油を調整することで、大径の傾転ピストン8を傾転ストッパRに当接させるか、もしくは、小径の傾転ピストン9を傾転ストッパFに当接させるかで、高精度にモータ容量を一定に保つことができるが、モータ容量を中間域で保持するには、スプール部材13を前記第1位置と第2位置との間の中間位置に保持する必要がある。しかしながら電磁比例制御弁17に入力する電流値にはばらつきが生じ、これによってパイロット2次圧Pi2がばらついたり、容量制御弁の寸法誤差によるばらつきにより、スプール部材13を所定の位置に高精度に保つことは困難となる。
【0009】
このような問題を解決する方法として、実公平7−49014号公報には傾転ピストン8に2段構造のストッパを設け、これによって斜板6の中間域の傾転角度を高精度に保持し、油圧モータを3速化する方法が開示されている。しかしながらこの方法ではモータ部の構造を大幅に変更する必要があり、3速化を実現するには高コストとなる。
【0010】
本発明の目的は、スプール部材を中間位置で高精度に位置決めし、低コストで3速化を実現することができる可変容量型油圧モータを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、斜板(38)を有し、斜板(38)の傾転角度に応じてモータ容量を変化させるモータ部31と、
スリーブ(60)、およびスリーブ(60)に挿嵌されて軸線方向に変位自在に支持され、軸線方向一方側に臨む受圧面を有し、軸線方向他方側からばね付勢されるスプール部材(63)を有し、スリーブ(60)とスプール部材(63)との相対位置によって開閉して、斜板38を傾転駆動する圧油の供給および供給停止を制御する容量制御弁(55)とを備え、
スリーブ(60)は、軸線方向に変位自在に設けられ、フィードバックレバー(71)によって斜板(38)に連結されて、斜板(38)の傾転角度に応じた位置に配置され、
スプール部材(63)は、受圧面に作用するパイロット圧力に応じて、軸線方向一方側の第1位置軸線方向他方側の第2位置との間で変位する油圧モータ(30)において、
前記容量制御弁(55)は、
スプール部材(63)の移動経路に臨み、スプール部材(63)の軸線方向に変位自在に支持される当接部材(106)と、
当接部材(106)を、スプール部材(63)の軸線方向他方側から一方側に向かう方向へ、ばね付勢するプリロードばね(105)と、
スプール部材(63)の移動経路上の予め定める係止位置で当接部材(106)スプール部材(63)の軸線方向一方側から係止する係止部材(103)とを含み、
スプール部材(63)は、第1位置から第2位置に向けて変位するとき、第1位置と第2位置との間の中間位置で、係止部材(103)によって係止位置に係止される当接部材(106)に当接し、当接部材(106)によって軸線方向他方側から支持されることを特徴とする可変容量型油圧モータである。
【0012】
本発明に従えば、スリーブおよびスプール部材の相対位置によって開閉する容量制御弁によって、モータ部の斜板を傾転駆動する圧油の供給および供給停止が制御され、斜板が傾転駆動されてモータ部のモータ容量が変更される。スリーブは、フィードバックレバーによって斜板に連結されて、斜板の傾転角度に応じた位置に配置され、スプール部材は、受圧面に作用するパイロット圧力に応じて、軸線方向一方側の第1位置と軸線方向他方側の第2位置との間で変位する。したがってモータ容量は、スプール部材の変位に応じて変化し、スプール部材の位置によって決められるので、パイロット圧力に応じて決定される。
スプール部材の移動経路に臨んで当接部材が配置され、この当接部材は軸線方向一方側へ、プリロードばねによってばね付勢されているとともに、予め定められる係止位置で、係止部材によって係止される。スプール部材にパイロット圧力を与えていない場合には、スプール部材は、第1位置にある。パイロット圧力を増加し、スプール部材を第1位置から他方側へ第2位置に向けて移動させると、第1位置と第2位置との中間位置で、スプール部材は前記当接部材に当接する。当接部材は軸線方向一方側へばね付勢されているので、スプール部材を軸線方向他方側へ移動させるパイロット圧力が前記当接部材ばね付勢力を上まわるまでスプール部材は当接部材によって位置決めされる。したがって、電磁比例制御弁によるパイロット圧力にばらつきが生じたとしても、スプール部材は当接部材によって正確に位置決めされ、これによってモータ容量を所定の中間値に高精度に保つことができる。
【0013】
モータ容量をさらに小さくするには、パイロット圧力をさらに増加させてスプール部材を当接部材ばね付勢力に抗して軸線方向他方側へ変位させる。これによってスプール部材は当接部材とともに軸線方向他方側へ変位してモータ容量を低下させることができ、第2位置に達したときモータ容量は最小となる。またプリロードばねを用いることによって、低コストで容易に当接部材を軸線方向一方側へ付勢する構成を実現することができる。
【0014】
このように本発明では、既存の油圧モータに対してスプール部材に当接する当接部材を追加するだけで、モータ容量の中間域を高精度に保持することが可能となり、油圧モータの構造を大きく変更することなく、低コストで油圧モータの3速化を実現することができる。
【0015】
請求項2記載の本発明は、斜板(38)を有し、斜板(38)の傾転角度に応じてモータ容量を変化させるモータ部31と、
スリーブ(60)、およびスリーブ(60)に挿嵌されて軸線方向に変位自在に支持され、軸線方向一方側に臨む受圧面を有し、軸線方向他方側からばね付勢されるスプール部材(63)を有し、スリーブ(60)とスプール部材(63)との相対位置によって開閉して、斜板38を傾転駆動する圧油の供給および供給停止を制御する容量制御弁(55)とを備え、
スリーブ(60)は、軸線方向に変位自在に設けられ、フィードバックレバー(71)によって斜板(38)に連結されて、斜板(38)の傾転角度に応じた位置に配置され、
スプール部材(63)は、受圧面に作用するパイロット圧力に応じて、軸線方向一方側の第1位置と軸線方向他方側の第2位置との間で変位する油圧モータ(30)において、
前記容量制御弁(55)は、
スプール部材(63)の移動経路に臨み、スプール部材(63)の軸線方向に変位自在に支持され、軸線方向他方側に臨む受圧面を有し、受圧面に作用する油圧によって軸線方向一方側へ圧力付勢される当接ピストン(144)と、
当接ピストン(144)に油圧を作用させる作用状態と、油圧を作用させない非作用状態とに油の流路を切換える切換弁(133)と、
スプール部材(63)の移動経路上の予め定める係止位置で、当接ピストン(144)をスプール部材(63)の軸線方向一方側から係止する中間位置調整部材(143)とを含み、
スプール部材(63)は、第1位置から第2位置に向けて変位するとき、第1位置と第2位置との間の中間位置で、中間位置調整部材(143)によって係止位置に係止される当接ピストン(144)に当接し、当接ピストン(144)によって軸線方向他方側から支持されることを特徴とする可変容量型油圧モータである。
【0016】
本発明に従えば、スリーブおよびスプール部材の相対位置によって開閉する容量制御弁によって、モータ部の斜板を傾転駆動する圧油の供給および供給停止が制御され、斜板が傾転駆動されてモータ部のモータ容量が変更される。スリーブは、フィードバックレバーによって斜板に連結されて、斜板の傾転角度に応じた位置に配置され、スプール部材は、受圧面に作用するパイロット圧力に応じて、軸線方向一方側の第1位置と軸線方向他方側の第2位置との間で変位する。したがってモータ容量は、スプール部材の変位に応じて変化し、スプール部材の位置によって決められるので、パイロット圧力に応じて決定される。
スプール部材の移動経路に臨んで当接ピストンが配置され、この当接ピストンは軸線方向他方側に臨む受圧面を有し、受圧面に作用する油圧によって軸線方向一方側へ圧力付勢されているとともに、予め定められる係止位置で、係止部材によって係止される。また切換弁が設けられ、この切換弁によって、当接ピストンに油圧を作用させる作用状態と、油圧を作用させない非作用状態とに油の流路が切換えられる。切換弁が作用状態にあるとき、当接部材に圧油が作用し、当接部材は軸線方向一方側へ圧力付勢されて係止位置で中間位置調整部材に係止される。切換弁を非作用状態に切換えると、当接部材に作用する圧油が解除され、中間位置調整部材は、軸線方向他方側へ変位することができる。
【0017】
スプール部材にパイロット圧力を与えていない場合には、スプール部材は、第1位置にある。切換弁が作用状態にあるときに、パイロット圧力を増加し、スプール部材を第1位置から他方側へ第2位置に向けて移動させると、第1位置と第2位置との中間位置で、スプール部材は前記当接スプールに当接する。当接スプールは軸線方向一方側へ圧力付勢されているので、スプール部材は当接スプールに当接して位置決めされる。したがって、電磁比例制御弁によるパイロット圧力にばらつきが生じたとしても、スプール部材は当接部材によって正確に位置決めされ、これによってモータ容量を所定の中間値に高精度に保つことができる。
モータ容量をさらに小さくするには、切換弁を非作用状態に切換えると、当接ピストンに作用する圧油が解除され、当接ピストンによる位置決めが解除されるので、パイロット圧力をさらに増加させて、スプール部材を軸線方向他方側へ変位させることができる。これによってスプール部材は当接ピストンとともに軸線方向他方側へ変位してモータ容量を低下させることができ、第2位置に達したときモータ容量は最小となる。このようにして当接ピストンに作用する圧油とこの圧油の流路を切換える切換弁とによってスプール部材を中間位置に高精度に位置決めすることができる。
【0018】
このように本発明では、既存の油圧モータに対してスプール部材に当接する当接部材を追加するだけで、モータ容量の中間域を高精度に保持することが可能となり、油圧モータの構造を大きく変更することなく、低コストで油圧モータの3速化を実現することができる。
【0019】
請求項に記載の本発明の前記係止位置は、軸線方向に調整可能であることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、当接部材を係止する係止位置が軸線方向に調整可能であるので、これによってスプール部材の中間の停止位置も調整可能となる。すなわち、油圧モータを3速にしたとき、中間の2速のときの回転速度を任意に設定することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である可変容量型油圧モータ30の構成を示す断面図であり、図2は油圧モータ30の油圧回路図である。油圧モータ30はモータ部31と、モータ部31の上部に装着されるレギュレータ部32とこのレギュレータ部32の側方に装着される側部ブロック部33とから構成され、斜板式ピストンモータである。
【0025】
モータ部31は回転軸36と、回転軸36を回転自在に軸支するモータケーシング35と、回転軸36にスプライン結合され、モータケーシング35内で回転軸36と一体に回転するシリンダブロック37と、モータケーシング35の後方(図1の右方)に装着されるブレーキ部45とを含んで構成される。シリンダブロック37には回転軸36まわりに複数個のピストン挿入孔が回転軸36に平行に形成され、各ピストン挿入孔にピストン39がそれぞれ装脱自在に挿入される。シリンダブロック35の前方(図1の左方)には回転軸36の軸線に垂直な傾転軸線まわりに傾転可能にモータケーシング35に支持される斜板38が設けられる。シリンダブロック37から突出するピストン39の先端部にはそれぞれシュー40が回動自在に装着され、各シューは押え板43およびリテーナ44を介して斜板38に押付けられ、斜板38上を回転軸36まわりに滑動する。またシリンダブロック37の後部には回転軸36の軸線まわりの回転が阻止された状態で弁板48が装着される。弁板48には図1の紙面の奥側で半円弧状に開口する第1弁孔(図示せず)と図1の紙面の手前側で半円弧状に開口する第2弁孔(図示せず)とが形成される。
【0026】
図2に示されるように油圧ポンプ42から切換弁41を介して油圧モータ30の第1ポート46に油を供給すると、弁板48の前記第1弁孔を介してシリンダブロック37の図1における紙面奥側に配置されるピストン挿入孔に油が供給され、各ピストン39は前方(図1の左方)に押出される。ピストン39が前方に押出されるとシュー40が斜板38上を滑動しながら下方に移行し、これによってシリンダブロック37は図1の左方から見て反時計まわりに回転する。図1の紙面の手前側に配置されるピストン39はシリンダブロック37の回転に伴ってピストン挿入孔に押戻される。これによって弁板48の第2弁孔および油圧モータ30の第2ポート47を介して油が排出され、タンク49に戻される。
【0027】
前記切換弁41を切換え、逆に第2ポート47から油を供給すると回転軸36は図1の左方から見て時計まわりに回転し、第1ポート46から油が排出される。
【0028】
斜板38の上端部には傾転ピストン51,52が連結される。傾転ピストン51,52の前端部には小径の傾転ピストン51が回動自在に連結され、この小径の傾転ピストン51はモータケーシング35に形成される小径室53に、回転軸36に平行な軸線方向に変位自在に挿入される。傾転ピストン51,52の後部には前記小径の傾転ピストン51よりも大径の傾転ピストン52が回動自在に装着され、この大径の傾転ピストン52はモータケーシング35に形成される大径室54に回転軸36の軸線方向に平行に変位自在に装着される。したがって、小径室53に導入される圧油と大径室54に導入される圧油の差圧によって傾転ピストン51,52は前後に移動し、これに伴って斜板38の傾転角度が変化する。傾転ピストン51,52が前方に変位すると、斜板38の傾転角度が小さくなり、これによって油圧モータ30のモータ容量が減少し、逆に傾転ピストン51,52が後方に変位すると斜板38の傾転角度が大きくなり、油圧モータ30のモータ容量が増大する。この傾転ピストン51,52はレギュレータ部32に設けられる容量制御弁55および馬力制御弁70によって制御される。
【0029】
次に図2を参照して容量制御弁55および馬力制御弁70の機能について説明する。容量制御弁55はスリーブ60とスプール部材63とを有し、スプール部材63はスリーブ60に挿嵌され、軸線L方向に変位自在に支持されるスプール61と、スプール61の軸線L方向一方A(図1,2の左方)側から押圧する押圧ピストン62と、スプール61の軸線L方向他方B(図1,2の右方)側に設けられるばね座108とから成り、ばね座108の他方B側に設けられるばね64によってスプール61は軸線L方向一方A側へばね付勢されている。押圧ピストン62の一方A側端面は、一方A側に臨む受圧面であり、作用する圧油によってスプール61を他方B側へ押圧する。レギュレータ部32のレギュレータポート91にはパイロットポンプ90からパイロット1次圧Pi1が入力され、電磁比例制御弁65を介して押圧ピストン62受圧面にパイロット2次圧Pi2を作用させる。
【0030】
馬力制御弁70はスプール66とこのスプール66を一方A側から押圧する段付の押圧ピストン67とから構成される。スプール66の他方B側にはばね68が設けられ、これによってスプール66は一方A側にばね付勢されている。
【0031】
チェック弁を介して油圧モータ30の第1ポート46に連なる第1油路74は馬力制御弁70、馬力制御弁70の押圧ピストン67の一方側の室73、および傾転ピストン50の小径室53に連なる。油圧モータ30の第2ポート47に連なる第2油路75は馬力制御弁70の押圧ピストン67の他方側の室72に連なる。また馬力制御弁70と容量制御弁55とは第3油路76を介して連なり、容量制御弁55は第4油路77を介して傾転ピストン52の大径室54に連なる。また、容量制御弁55のスリーブ60と斜板38とはフィードバックレバー71によって連結され、このフィードバックレバー71は中間部が支点85によって揺動支持される。
【0032】
図1および図2に示す状態では容量制御弁55にはパイロット2次圧Pi2が作用せず、これによってスプール61はばね64のばね力によって軸線方向一方A側に変位しており、またスリーブ60も軸線方向一方A側にあり、スリーブ60とスプール61との間の通路は遮断されている。すなわち、傾転ピストン52の大径室54には圧油が作用せず、タンク49に連通している。これに対して傾転ピストン51の小径室53には第1油路74を介して油圧ポンプ42から圧油が導かれ、傾転ピストン51,52は最も他方B側に変位している。スリーブ60と斜板38とはフィードバックレバー71を介して連結されているので、前述したようにスリーブ60は最も一方A側に位置している。
【0033】
一方、馬力制御弁70はばね68によって一方A側へばね付勢されており、第1油路74と第3油路76とが連通し、容量制御弁55に圧油を導いている。
【0034】
電磁比例制御弁65によって押圧ピストン62に作用するパイロット2次圧Pi2を増加させるとばね64のばね力に抗して押圧ピストン62がスプール61を軸線方向他方B側へ変位させる。するとスリーブ60とスプール66との間の通路が開口し、第3油路76と第4油路77とが連通して傾転ピストン52の大径室54に第1油路74からの圧油が導かれる。小径室53にも第1油路74からの圧油が導かれているが、大径の傾転ピストン52と小径の傾転ピストン51の受圧面積の差により傾転ピストン51,52は一方A側に変位する。これによって斜板38の傾転角度が減少し、モータ容量が低減する。傾転ピストン51,52の一方A側への変位によってフィードバックレバー71を介して容量制御弁55のスリーブ60もスプール61に追従して他方B側へ変位する。これによってスリーブ60とスプール61との間に形成されていた通路が再び遮断され、傾転ピストン52の大径室54に圧油が導かれなくなり、傾転ピストン50の変位が停止する。このようにして斜板38の傾転角度が小さくなり、モータ容量が低下した位置で斜板38は停止する。このようにして油圧モータ30の回転軸36の回転速度が速くなる。
【0035】
前述と逆に電磁比例制御弁65によって容量制御弁55の押圧ピストン62に作用するパイロット2次圧Pi2を低下させると、スプール61はばね64のばね力によって軸線L方向一方A側へ変位した位置に停止し、これによって傾転ピストン51,52は他方B側に変位してモータ容量が増加し、回転速度が低下する。このようにして電磁比例制御弁65によって油圧モータ30のモータ容量を制御し、回転速度を制御することができる。
【0036】
油圧モータ30に供給される油の供給量は常に一定であるので、モータ容量を低下させると回転軸36の回転速度は速くなるが、回転トルクは低下する。パイロット2次圧を増加し、高速で回転させたときに油圧モータ30に高負荷が作用した場合には、第1油路74内の圧力が高圧となり、馬力制御弁70の押圧ピストン67がばね68のばね力に抗してスプール66を他方B側へ押圧する。すると第3油路76がタンク49に連通して大径室54内の圧油が抜かれる。これによって傾転ピストン51,52が他方B側に変位してモータ容量を増大して回転速度が低下し、回転トルクが増加する。このようにして馬力を一定に保った状態で油圧モータ30が保護される。図2では、モータ片側のポートが高圧になったときのみ上述の作動が可能であるが、チェック弁98の組合せにより、本図と反対のポート(第2ポート47)が高圧時や両ポートの高圧を選択させて差動させることも可能である。
【0037】
図3は図1の切断面線III−IIIから見た断面図であり、図4は図3の切断面線IV−IVから見た断面図であり、図5は図3の切断面線V−Vから見た断面図である。レギュレータ部32はレギュレータケーシング100に馬力制御弁70、容量制御弁55および電磁比例制御弁65が組付けられており、このレギュレータ部32の側方に側部ブロック部33が取付けられる。レギュレータケーシング100には容量制御弁55のスリーブ60が挿入されるスリーブ挿入孔101が軸線L方向に貫通して形成され、側部ブロック部33には前記スリーブ挿入孔101が同軸となるように貫通孔102が形成される。
【0038】
スリーブ60に挿嵌されるスプール61がその軸線L方向に変位自在にスリーブ60に支持され、スリーブ60がスリーブ挿入孔101に前記軸線L方向に変位自在に嵌まり込む。このスリーブ挿入孔101の他方B側の開口はカバー112によって塞がれ、側部ブロック部33の貫通孔102の一方A側の開口はカバー111によって塞がれる。
【0039】
レギュレータ部32のスリーブ挿入孔101の軸線L方向一方A側端部にはピストン支持部材104が装着され、このピストン支持部材104に押圧ピストン62が軸線L方向に変位自在に支持される。側部ブロック部33の貫通孔102にはプリロードばね105、当接部材106および中間位置調整部材103から成る中間位置規定手段80が設けられる。押圧ピストン62は軸線方向一方A側端部で拡径する頭部62aを有する。当接部材106は環状であり、押圧ピストン62に嵌まり込み、スプール部材63の一部である押圧ピストン62の頭部62aの移動経路に臨んで配置され、他方B側へ移動する頭部62aに当接する。この当接部材106とピストン支持部材104との間に圧縮コイルばねから成るプリロードばね105が介在される。中間位置調整部材103は有底短円筒状であり、貫通孔102に軸線L方向に変位可能に装着される。この中間位置調整部材103の他方B側端部に当接部材106が係止され、当接部材106がこの係止位置よりも軸線L方向一方A側へ変位することを阻止する。カバー111には外方からボルト113が軸線Lに同軸に螺着され、ボルト113は中間位置調整部材103の底部に当接する。このボルト113を螺進または螺退させることによって中間位置調整部材103の装着位置を軸線L方向に調整することができる。前記押圧ピストン62の頭部62aは中間位置調整部材103に嵌まり込み、この頭部62aと中間位置調整部材103の底部との間の空間がピストン室110となり、このピストン室110内の圧力に応じて押圧ピストン62はスプール61を押圧する。
【0040】
スリーブ挿入孔101の軸線方向他方B側にはばね座108、圧縮コイルばねから成るばね64、および略円柱状のストッパ81が設けられ、このばね64はばね座108を介してスプール61を軸線方向一方A側へばね付勢する。
【0041】
レギュレータ部32のレギュレータポート91にはパイロットポンプ90からパイロット1次圧力Pi1が導かれ、電磁比例制御弁65を介して前記ピストン室110に、パイロット2次圧力Pi2が作用する。電磁比例制御弁65はオペレータの操作量に応じた電流値に比例してパイロット2次圧力Pi2を発生する。
【0042】
ピストン室110にパイロット2次圧Pi2が作用しない状態ではスプール61はばね64のばね力によって軸線方向一方A側へばね付勢され、スプール61の軸線方向一方A側端面61aがピストン支持部材104の他方B側の端面である第1ストッパ107に当接支持され、スプール部材63は第1位置に位置決めされる。このときモータ容量は最大となっている。この状態からパイロット2次圧力Pi2が上昇すると押圧ピストン62の頭部62aにパイロット2次圧力Pi2が作用して押圧ピストン62はばね64のばね力に抗してスプール61を軸線方向他方B側へ押圧し、スプール部材63が軸線方向他方B側へ変位する。
【0043】
ピストン支持部材104とばね座106との間に介在されるプリロードばね105は中間位置調整部材103によって予め圧縮された状態にある。パイロット2次圧力Pi2が増加し、押圧ピストン62の頭部62aが当接部材106に達すると、押圧ピストン62には予め圧縮されていたばね105のばね力が作用する。したがって、パイロット2次圧力Pi2が押圧ピストン62を変位させる力が、プリロードばね105およびばね64のばね力に打ち勝つまで押圧ピストン62は変位しない。したがって、当接部材106に押圧ピストン62の頭部62aが充分に当接するだけのパイロット2次圧Pi2を電磁比例制御弁65で与えることによって、パイロット2次圧力Pi2のばらつきにかかわらず押圧ピストン62は変位せず、スプール部材63の押圧ピストン62の頭部62aが、係止位置に係止される当接部材108に当接した中間位置にスプール部材63を高精度に位置決めすることができる。
【0044】
さらにパイロット2次圧力Pi2を増加させ、パイロット2次圧力Pi2が押圧ピストン62を変位させる力がプリロードばね105およびばね64のばね力を上回ると、スプール61は軸線L方向他方B側へ変位しはじめる。スプール61他方B側に設けられるばね座108がストッパ81に当接するとスプール61の変位が停止する。このようにしてスプール61は第2位置に位置決めされ、このときモータ容量は最小となる。
【0045】
図6はモータ容量とパイロット2次圧力Pi2と電磁比例制御弁65の電流値との関係を示すグラフであり、参照符120がパイロット2次圧力Pi2と電流値との関係を示すグラフであり、参照符121がパイロット2次圧力Pi2とモータ容量との関係を示すグラフである。参照符120で示すように電磁比例制御弁65はオペレータによって入力される電流値に比例してパイロット2次圧力Pi2が増加する。また参照符121で示すようにモータ容量はパイロット2次圧力Pi2が増加するにつれて減少するが、前述したように、スプール部材63が当接部材108に当接する場合にはパイロット2次圧力Pi2にかかわらずスプール部材63は中間位置に保持されるので、参照符122で示す領域ではモータ容量が一定となる。したがってこの領域122の範囲内でのパイロット2次圧力Pi2の変動ではモータ容量が変化せず、いわば領域122は不感帯となる。またこの領域122に対応する電流値の領域123内での電流値のばらつきではモータ容量は変動しない。したがって、領域123のほぼ中央となる値に電流値を保持することによってモータ容量は所定の中間値で一定となり、領域123内での電流値の変動や領域122内でのパイロット2次圧力Pi2の変動ではモータ容量は変動せず、中間値に一定に保たれる。このようにして電磁比例制御弁65に入力する電流値のばらつきや容量制御弁55の寸法誤差によるばらつきなどにかかわらず、モータ容量を中間値に高精度に保持することができる。
【0046】
前記モータ容量の予め定める中間値は当接部材106が係止される位置によって決定され、この位置は中間位置調整部材103によって決定される。したがって、カバー111に螺着するボルト113を螺進または螺退させて中間値調整部材103の軸線L方向の位置を調整することによってモータ容量の中間値を調整することができる。また、モータ容量が最小となる第2位置はストッパ81の軸線L方向の位置によって決定され、ストッパ81はカバー112に螺着されるボルト115を螺進または螺退させることによって調整することができる。
【0047】
このように本実施形態では既存の油圧モータの側部ブロック部に代えて、中間位置規定手段80を備える側部ブロック部33を装着するだけで、スプール部材63を中間位置に保持することができる。したがって、従来技術のように油圧モータの構造を大きく変更する必要がなく、側部ブロック部33の部品を交換するだけでよく、低コストで容易に油圧モータを3速化することができる。
【0048】
図7は本発明の他の実施形態の油圧モータのレギュレータ部130の構成を示す断面図である。なお本実施形態のモータ部は図1に示すモータ部31と同様の構成であるものとし、説明は省略する。
【0049】
本実施形態では側部ブロック部131は従来の側部ブロック部と同様であり、レギュレータ部130の構成が異なる。すなわちスリーブ挿入孔101の軸線方向他方B側には中間位置調整部材143、当接ピストン144およびプラグ142を有する中間位置規定手段146が設けられる。中間位置調整部材143は略有底短円筒状であり、底部を一方A側に向けてスリーブ装着孔101に装着される。当接ピストン144は中間位置調整部材143の底部に形成される挿通孔に軸線L方向に変位自在に挿通され、他方B側端部が拡径して頭部145が形成され、一方A側の端部がスプール部材63のばね座108の移動経路に臨んで配置される。当接ピストン144はプラグ142によって塞がれ、プラグ142と当接ピストン144の頭部145との間にピストン室141が形成される。パイロットポンプ90からのパイロット1次圧Pi1は第1レギュレータポート91に導かれるとともに、切換弁133を介して第2レギュレータポート134に導かれ、さらに前記ピストン室141に導かれる。このピストン室141内の圧力が当接ピストン144の頭部145に作用して当接ピストン144は軸線L方向一方A側へ圧力付勢される。これによって当接ピストン144は、先端部をばね座108に対向させた状態で、頭部145が中間位置調整部材143の底部に係止され、この係止位置よりも一方A側への変位が阻止されている。
【0050】
またスリーブ挿入孔101の一方A側に装着されるピストン支持部材104には従来と同様に押圧ピストン150が軸線L方向に変位自在に装着され、この押圧ピストン150の一方A側端面の受圧面にパイロット2次圧力Pi2が作用する。パイロット2次圧力Pi2が作用しない状態ではばね64のばね力によってスプール61は軸線L方向一方A側にばね付勢され、スプール61の一方A側端面61aがピストン支持部材104の他方B側の端面である第1ストッパ107に当接支持され、スプール61は第1位置に位置決めされている。このときモータ容量は最大となっている。
【0051】
オペレータの操作によってパイロット2次圧力Pi2が増加すると押圧ピストン150はばね60のばね力に抗してスプール61を軸線L方向他方Bへ変位させる。ばね座108が当接ピストン144の先端である中間ストッパ147に当接すると、スプール61にはばね64のばね力とともに一方A側へ圧力付勢される当接ピストン144からの力が作用して停止する。第1レギュレータポート91と第2レギュレータポート134にはどちらもパイロットポンプ90からパイロット1次圧力Pi1が導かれているので、電磁比例制御弁17を全開にし、パイロット2次圧をパイロット1次圧になるまで上げた場合、スプール61の一方A側の押圧ピストン150に作用する圧力と他方B側の当接ピストン144に作用する圧力が等しくなるが、押圧ピストン150の受圧面積よりも当接ピストン144の頭部145の受圧面積の方が大きいので、押圧ピストン150が一方B側へ押圧する力より当接ピストン144が他方A側へ押圧する力の方が大きくなる。したがって、スプール部材63のばね座108が当接ピストン144に当接するのに充分に大きなパイロット2次圧力Pi2を押圧ピストン150に作用することによって、当接ピストン144の先端の中間ストッパ147にばね座108が当接する中間位置にスプール部材63を高精度に保持することができる。
【0052】
この状態からスプール61をさらに軸線L方向他方B側へ変位させるには切換弁133を切換え、ピストン室141とタンク49とを連通させて当接ピストン144にパイロット1次圧力Pi1を作用させなくする。これによって当接ピストン144は軸線L方向他方B側へ変位可能となり、スプール部材63は当接ピストン144の頭部145がプラグ142に当接する第2位置まで変位することができる。
【0053】
このような構成によってスプール61を中間位置に高精度に位置決めすることが可能となる。またスプール挿入孔101に装着される中間位置調整部材143に外側から螺着される係止リング149を螺進または螺退させて中間位置調整部材143の装着位置を軸線L方向に調整することによって、当接ピストン144の係止位置を軸線L方向に調整し、これによってスプール部材63の中間位置を調整することができる。
【0054】
このように本実施形態では、既存の油圧モータのレギュレータ部に代えて、中間位置規定手段146を備えるレギュレータ部130を取付けることによって容易にスプール部材63を中間位置に高精度に保持し、低コストで油圧モータの3速化を実現することが可能となる。
【0055】
また本発明の実施の形態さらに他の形態として、スプール部材63の一方A側に図3に示す中間位置規定手段80を設け、他方B側に図7に示す中間位置規定手段146を設ける構成としてもよい。すなわち、中間位置規定手段80の当接部材106が、スプール61の一方A側で押圧ピストン62の移動経路に臨んで係止され、中間位置規定手段146の当接ピストン144が、スプール61の他方B側で、ばね座108の移動経路に臨んで係止され、スプール部材63が第1位置から他方B側に移動するとき、まず当接部材106に当接して第1の中間位置に位置決めされ、さらに他方B側に変位して当接ピストン144に当接して第2の中間位置に位置決めされる。このようにして、スプール部材63は軸線L方向に異なる2つの中間位置で高精度に位置決めすることができ、油圧モータを4速化することができる。
【0056】
またさらに他の実施形態として、スプール61の両側にばねを用いる中間位置規定手段80を設けることによって油圧モータを4速化してもよく、またさらにスプール61の両側に油圧を用いる中間位置規定手段146を設けて油圧モータを4速化してもよい。
【0057】
上述した各実施形態ではスプール部材63はスプール61と、スプール61の一方A側に設けられ、スプール61を軸線方向他方B側へ押圧する押圧ピストン62または150と、スプール61の他方B側に設けられ、ばね64のばね力をスプール61に伝達するばね座108との3つの部材から構成される形態としたが、スプール部材はこのような構成に限らず、スプール61の一方A側端面が受圧面となり、他方B側端面がばね座となり、一つの部材から成る構成であってもよい。
【0058】
また上述した各実施形態ではモータ部31は斜板式油圧モータとしたが、斜軸式油圧モータであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、軸線方向他方側へ変位するスプール部材の中間域でスプール部材に当接する当接部材を設け、プリロードばねを用いて当接部材をばね付勢することによって、スプール部材を中間位置に高精度に位置決めすることができる。これによって従来の構成を大幅に変更することなく、低コストでユーザの要求に応じて油圧モータの3速化を実現することが可能となる。またばねを用いることによって、容易に当接部材を付勢する構成を実現することができる。
【0060】
請求項2記載の本発明によれば、軸線方向他方側へ変位するスプール部材の中間域でスプール部材に当接する当接ピストンを設け、当接ピストンを圧力付勢することによって、スプール部材を中間位置に高精度に位置決めすることができる。これによって従来の構成を大幅に変更することなく、低コストでユーザの要求に応じて油圧モータの3速化を実現することが可能となる。また当接ピストンを圧力付勢するにあたって、当接ピストンに作用させる圧油を、切換弁によって切換える構成とし、容易に当接ピストンの圧力付勢および付勢の解除を切換えることができる。
【0062】
請求項記載の本発明によれば、係止部材の係止位置を軸線方向に調整することによって、中間域でのスプール部材の停止位置である中間位置を調節することができる。すなわち、3速化したときの油圧モータの2速の回転速度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である油圧モータ30の構成を示す断面図である。
【図2】油圧モータ30の油圧回路図である。
【図3】図1の切断面線III−IIIから見た断面図である。
【図4】図3の切断面線IV−IVから見た断面図である。
【図5】図3の切断面線V−Vから見た断面図である。
【図6】パイロット2次圧力Pi2とモータ容量と電磁比例制御弁47の電流値との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施の形態の油圧モータのレギュレータ部130の構成を示す断面図である。
【図8】従来の油圧モータ1の構成を示す断面図である。
【図9】従来の油圧モータのレギュレータ部3の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
30 油圧モータ
31 モータ部
32,130 レギュレータ部
33,131 側部ブロック部
38 斜板
51,52 傾転ピストン
55 容量制御弁
60 スリーブ
61 スプール
62 押圧ピストン
63 スプール部材
64 ばね
65 電磁比例制御弁
70 電気制御弁
80,146 中間位置規定手段
103,143 中間位置調整部材
105 プリロードばね
106 当接部材
133 切換弁
144 当接ピストン

Claims (3)

  1. 斜板(38)を有し、斜板(38)の傾転角度に応じてモータ容量を変化させるモータ部31と、
    スリーブ(60)、およびスリーブ(60)に挿嵌されて軸線方向に変位自在に支持され、軸線方向一方側に臨む受圧面を有し、軸線方向他方側からばね付勢されるスプール部材(63)を有し、スリーブ(60)とスプール部材(63)との相対位置によって開閉して、斜板38を傾転駆動する圧油の供給および供給停止を制御する容量制御弁(55)とを備え、
    スリーブ(60)は、軸線方向に変位自在に設けられ、フィードバックレバー(71)によって斜板(38)に連結されて、斜板(38)の傾転角度に応じた位置に配置され、
    スプール部材(63)は、受圧面に作用するパイロット圧力に応じて、軸線方向一方側の第1位置軸線方向他方側の第2位置との間で変位する油圧モータ(30)において、
    前記容量制御弁(55)は、
    スプール部材(63)の移動経路に臨み、スプール部材(63)の軸線方向に変位自在に支持される当接部材(106)と、
    当接部材(106)を、スプール部材(63)の軸線方向他方側から一方側に向かう方向へ、ばね付勢するプリロードばね(105)と、
    スプール部材(63)の移動経路上の予め定める係止位置で当接部材(106)スプール部材(63)の軸線方向一方側から係止する係止部材(103)とを含み、
    スプール部材(63)は、第1位置から第2位置に向けて変位するとき、第1位置と第2位置との間の中間位置で、係止部材(103)によって係止位置に係止される当接部材(106)に当接し、当接部材(106)によって軸線方向他方側から支持されることを特徴とする可変容量型油圧モータ。
  2. 斜板(38)を有し、斜板(38)の傾転角度に応じてモータ容量を変化させるモータ部31と、
    スリーブ(60)、およびスリーブ(60)に挿嵌されて軸線方向に変位自在に支持され、軸線方向一方側に臨む受圧面を有し、軸線方向他方側からばね付勢されるスプール部材(63)を有し、スリーブ(60)とスプール部材(63)との相対位置によって開閉して、斜板38を傾転駆動する圧油の供給および供給停止を制御する容量制御弁(55)とを備え、
    スリーブ(60)は、軸線方向に変位自在に設けられ、フィードバックレバー(71)によって斜板(38)に連結されて、斜板(38)の傾転角度に応じた位置に配置され、
    スプール部材(63)は、受圧面に作用するパイロット圧力に応じて、軸線方向一方側の第1位置と軸線方向他方側の第2位置との間で変位する油圧モータ(30)において、
    前記容量制御弁(55)は、
    スプール部材(63)の移動経路に臨み、スプール部材(63)の軸線方向に変位自在に支持され、軸線方向他方側に臨む受圧面を有し、受圧面に作用する油圧によって軸線方向一方側へ圧力付勢される当接ピストン(144)と、
    当接ピストン(144)に油圧を作用させる作用状態と、油圧を作用させない非作用状態とに油の流路を切換える切換弁(133)と、
    スプール部材(63)の移動経路上の予め定める係止位置で、当接ピストン(144)をスプール部材(63)の軸線方向一方側から係止する中間位置調整部材(143)とを含み、
    スプール部材(63)は、第1位置から第2位置に向けて変位するとき、第1位置と第2位置との間の中間位置で、中間位置調整部材(143)によって係止位置に係止される当接ピストン(144)に当接し、当接ピストン(144)によって軸線方向他方側から支持されることを特徴とする可変容量型油圧モータ。
  3. 前記係止位置は、軸線方向に調整可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の可変容量型油圧モータ。
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