JP2007092803A - 油圧式無段変速装置 - Google Patents
油圧式無段変速装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007092803A JP2007092803A JP2005280565A JP2005280565A JP2007092803A JP 2007092803 A JP2007092803 A JP 2007092803A JP 2005280565 A JP2005280565 A JP 2005280565A JP 2005280565 A JP2005280565 A JP 2005280565A JP 2007092803 A JP2007092803 A JP 2007092803A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil passage
- pressure
- hydraulic
- valve
- load control
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Fluid Gearings (AREA)
Abstract
【解決手段】油圧ポンプ10と油圧モータ11とを接続するメイン油路13a・13bの圧油を用いて負荷制御を行う構成において、前進時に高圧側となるメイン油路13a及び後進時に高圧側となるメイン油路13bの各油路に流れる圧油を、それぞれチェックバルブ58を介して負荷制御機構4・104を構成するアクチュエータに導く構成とした。
【選択図】図11
Description
また、このようなHSTには、エンジンの負荷が設定値以上の場合に作業車両の走行速度を減速する一方、エンジンの負荷が設定値以下の場合に走行速度を増速するように速度制御する機構(負荷制御機構)を備えるものが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、まず、メイン油路からの油圧の取り出しに際し、負荷制御の精度やHSTの効率を低下させるメイン油路側への逆流を防ぐ必要がある。また、油圧ポンプと油圧モータとの間で閉回路を構成するメイン油路においては、作業車両の前進時(HST前進方向回転時)に高圧となるメイン油路と後進時(HST後進方向回転時)に高圧となるメイン油路とがあるが、これらのうちいずれかのメイン油路から負荷制御機構へと油圧を導く構成とすると、前述したようなHSTにおける負荷制御が前進時または後進時のいずれかのみにしか行われないこととなる。こうした場合、一般的に前進時のみ負荷制御を行うことが考えられるが、作業車両などにおいて円滑な作業や走行を行うためには、後進時においても負荷制御が行われることが好ましい。
すなわち、例えば、HSTが遊星歯車機構とともにHMT(Hydro Mechanical Transmission)を構成して用いられる場合等のように、エンジンからの入力に対するHSTの出力トルク(牽引力)が、前進時と後進時で(反対の回転方向で)HSTの可動斜板の斜板角度に対応した値とは異なる(具体的には後進時の方が前進時に比べて牽引力が小さくなる)構成の場合がある。このような場合、前進時または後進時いずれかのエンジン負荷に合わせて(前進時及び後進時で同じエンジン負荷で)負荷制御を行うこととすると、負荷制御が必要とされるまで油圧が上昇するまでに負荷制御がなされてエンジンの馬力を有効利用できない、あるいは負荷制御が必要なまでに油圧が上昇しているにもかかわらず負荷制御がなされずにエンストしてしまうこととなる。
また、各メイン油路から負荷制御機構へと圧油を導くに際し、チェックバルブをそれぞれ介在させることにより、メイン油路側への圧油の逆流や高圧側のメイン油路と低圧側のメイン油路との連通が回避されるので、メイン油路内の油圧の不安定化を防止でき、HSTの効率を低下させることなく、精度良く負荷制御を行うことが可能となる。
本発明に係る油圧式無段変速装置(HST)は、トラクタ等の農作業用の作業車両やローダ作業機を備える作業車両等に用いられるものである。以下においては、HSTがローダ作業機を備える作業車両に搭載される場合について説明する。
図1及び図2に示すように、HSTにおいては、いずれも可変容積型に構成される油圧ポンプ10及び油圧モータ11をハウジング12内に内包している。
ハウジング12には、油圧ポンプ10及び油圧モータ11の他に、これらの可動斜板10a・11aの斜板角度を調整して、油圧ポンプ10及び油圧モータ11それぞれの出力回転を制御する機構としての油圧サーボ機構2・102、中立位置保持機構3(最大斜板位置保持機構103)及び負荷制御機構4・104等が設けられている。すなわち、油圧ポンプ10に対しては、油圧サーボ機構2、中立位置保持機構3及び負荷制御機構4が設けられ、油圧モータ11に対しては、油圧サーボ機構102、最大斜板位置保持機構103及び負荷制御機構104が設けられている。
また、本実施例においては、油圧ポンプ10及び油圧モータ11がいずれも可変容積型に構成されている場合について説明するが、これに限定されず、油圧ポンプ10及び油圧モータ11のうち一方が可変容積型であり他方が固定容積型であってもよい。
駆動軸10bは、HST1の入力軸となり、油路板5に挿嵌されるとともにハウジング12に支承され、エンジン15(図11参照)からの動力が入力される。シリンダブロック10cは、駆動軸10bに相対回転不能に嵌設され該駆動軸10bと共に回動する。プランジャ10dは、シリンダブロック10cに穿設される複数のシリンダ孔に気密的に付勢バネを介して摺接可能に収容される。可動斜板10aは、ハウジング12に傾動可能に支持されてプランジャ10dを往復駆動させる斜板カムとして作用し、プランジャ10dの摺動量を規制する。また、シリンダブロック10cと油路板5との間には、駆動軸10bが挿嵌される弁板10eが介装されている。
駆動軸11bはHST1の出力軸となり、該HST1を介したエンジン15の動力が駆動軸11bから出力される。ここで、可動斜板11a、シリンダブロック11c、プランジャ11d及び弁板11eについては、油圧ポンプ10と略同一の構成であるため、その説明を省略する。
すなわち、油圧モータ11においては、可動斜板11aの傾動角度が調整されることにより、該油圧モータ11への圧油の吸入量が調節可能に構成されている。ただし、油圧モータ11の可動斜板11aは、油圧ポンプ10の可動斜板10aが最大傾斜位置に到達しないか、到達してもそれ以上の増速操作をしない限りは、最大傾斜位置(油圧モータ11の最大容量状態)で保持される構成となっている。
そして、HST1の変速(増速)に際しては、油圧ポンプ10の最大容量状態到達後、即ち可動斜板10aの最大傾斜状態到達後に、最大傾斜位置にある油圧モータ11の可動斜板11aが油圧モータ11の容量減少側(中立位置側)へと傾動される。
図1、図2、図5及び図7に示すように、HST1においては、油圧ポンプ10と油圧モータ11とが上下(左右であってもよい)に並設されており、油圧ポンプ10の一側方には油圧ポンプ10用の油圧サーボ機構2が設けられ、油圧モータ11の一側方であって油圧ポンプ10用の油圧サーボ機構2の下方には、油圧モータ11用の油圧サーボ機構102が設けられる。
斜板角度制御バルブ23の構成は、具体的には、ハウジング12内であって油圧ポンプ10の可動斜板10aの側部にシリンダ室24が形成されており、このシリンダ室24内にピストン21が摺動自在に収納されている。ピストン21の側面には、可動斜板10aの側部より突設されるピン軸25が嵌合されている。ピストン21の軸心部には貫通孔が開口されており、この貫通孔内にスプール22が摺動自在に嵌装されている。
スプール22の下部外周には嵌合溝26が設けられており、この嵌合溝26に油圧サーボ機構2(のスプール22)の変速駆動部材としてのピン27の一端部27aが嵌合されている。ピン27の他端部27bは、後述する中立位置保持機構3等を構成する捩じりバネ28により挟持されている。ピン27の一端部27aは、ハウジング12及びピストン21の側面に形成される開口12a及び開口21aからハウジング12内部に挿入され、上述したように嵌合溝26に嵌合する。
ピン27には、油圧サーボ機構2の変速操作レバー29が連動連結されており、該変速操作レバー29が操作されることにより、ピン27が捩じりバネ28の付勢力に抗して上下方向(図1及び図7において上下方向)に移動し、これに伴ってスプール22が上下方向に移動するように構成されている。
このように、斜板角度制御バルブ23のスプール22が摺動操作されることによる油路の変更でピストン21が摺動させられ、これにより油圧ポンプ10の可動斜板10aが傾動され、HST1が変速される構成となっている。
図1、図5及び図7等に示すように、中立位置保持機構3は、油圧サーボ機構2から負荷制御機構4を介した位置に設けられ、油圧ポンプ10の可動斜板10aの中立位置を保持するためのものである。中立位置保持機構3は、ケーシング30に内設されており、このケーシング30の内部空間に、デテントロッド31がその長手方向(図1及び図7において上下方向)へ摺動自在に設けられている。
デテントロッド31のキャップ32側端部には、キャップ32に螺挿されるアジャストボルト33が一体的に形成されている。そして、デテントロッド31は、アジャストボルト33を回転させることで長手方向(軸心方向)へ摺動可能に構成されており、通常はロックナット34により位置固定されている。
デテントロッド31の略中央部には、固定部31aが形成されており、前記ピン27の他端部27bがケーシング30の内部空間内に固定部31aと位置を合わせて挿入されている。ここで、ピン27の他端部27bの径と、固定部31aの幅(デテントロッド31の軸心方向の長さ)とは略同一に構成されている。
このように、中立位置保持機構3は、デテントロッド31、バネ36・36及びバネ受け35・35によって、ピン27及び油圧サーボ機構2を通じて、油圧ポンプ10の可動斜板10aを中立位置に保持するように構成されている。
また、最大斜板位置保持機構103には、中立位置保持機構3における中立位置調整機構と同様にして0度位置調整機構が構成されている。0度位置調整機構においては、油圧モータ11の可動斜板11aが0度位置からずれている場合に、アジャストボルト33を回転することにより可動斜板11aが0度位置に位置するように調整することが可能となっている。
まず、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4の構成について説明する。
負荷制御機構4は、前記メイン油路13の圧油が給排されるシリンダ40と、該シリンダ40に摺動自在に内挿されるとともに変速駆動部材としてのピン27と係合するスプール41とを備えている。そして、シリンダ40内におけるスプール41の一側にメイン油路13が連通され、負荷制御時には、メイン油路13からの圧油力によりスプール41が押圧され、このスプール41によりピン27を係合しながら移動させる。これにより、負荷制御機構4は、車両運転部に設けた変速操作具の操作に基づく変速操作レバー29による傾動操作(油圧サーボ機構2等による油圧ポンプ10の可動斜板10aの制御)とは独立に、該可動斜板10aの斜板角度の制御を行う。
シリンダ孔42の開口端(上端)部には、メイン油路13から供給される圧油の油路が接続される管継部材43が螺着されており、該管継部材43を介してメイン油路13内の圧油がシリンダ40内に供給される。シリンダ40の上下中途部には、左右方向に開口して前記ピン27が貫通される開口部40aが貫設されている。
管継部材43には、スプール41側に開口するピン孔43bが穿設されている。このピン孔43bにピン44が摺動自在に挿入されている。ピン44の一端側は、スプール41の上側面に当接している。
負荷制御機構104は、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4においてシリンダ孔42を構成するシリンダ40が共用され構成されている。すなわち、前記のとおりハウジング12の一側に付設されるシリンダ40は、油圧モータ11側における油圧サーボ機構102と最大斜板位置保持機構103との間に位置し、該シリンダ40には、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4を構成するスプール41等が設けられるとともに、油圧モータ11用の負荷制御機構104を構成するスプール141等が設けられる。
そして、HSTのメイン油路13からシリンダ40に供給される圧油によってスプール141が押動される構成となっている。これにより、負荷制御機構104は、車両運転部の変速操作具の操作に基づく油圧サーボ機構102等による油圧モータ11の可動斜板11aの制御とは独立に、該可動斜板11aの斜板角度の制御を行う。
シリンダ孔142の開口端(下端)部には、後述するスローリターンバルブ60が構成されるボルト体49が螺挿されている。
つまり、図6、図9及び図10等に示すように、負荷制御機構4においては、管継部材43に形成される外周溝により、該管継部材43とシリンダ孔42との間に、油孔43dを介して油給排ポート43aと連通する油溜り46が構成される。一方、負荷制御機構104においては、ピン孔40bにおけるピン144のスプール141と当接する側と反対側に油溜り146が形成されている。そして、これら油溜り46・146が油路40cを介して連通接続されている。これにより、油給排ポート43a内の圧油は、油路40cを介してピン孔40b内に導かれ、メイン油路13内の油圧に応じてピン144が摺動される。例えば、メイン油路13の油圧が高くなると、ピン孔40bからピン144が押し出され、該ピン144によってスプール141が押圧されて下方向に摺動する。
このような構成において、負荷制御機構104によって、油圧モータ11の可動斜板11aの斜板角度が小さくなる方向(容量が増大する方向)に傾動制御されるとともに、かかる斜板角度が制御されることによりトルクが制御される。
ここで、本実施例のHST1は、変速(増速)に際しては、前記のとおり油圧ポンプ10の最大容量状態到達後に、最大傾斜位置にある油圧モータ11の可動斜板11aが油圧モータ11の容量減少側へと傾動される構成であるところ、負荷制御機構4・104による負荷制御については、油圧モータ11の可動斜板11aが傾動されている場合は、まず、油圧モータ11が減速側(容量増大側)に制御され、次いで油圧ポンプ10が減速側(容量減少側)に制御される。このため、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4においては、前記のとおり背圧室42aにバネ45が内装されており、該バネ45により、スプール41に対するメイン油路13からの圧油力に対向する押圧力が調整される。
油圧ポンプ10の負荷制御機構4においては、スプール41が、エンジン15に負荷がかかることによるメイン油路13内の油圧の上昇、即ちシリンダ40内(油給排ポート43a内)の圧油の上昇によってピン44を介して押圧されることで、捩じりバネ28の付勢力に抗してピン27を係合しながら移動させる。これにより、油圧サーボ機構2等による傾動操作とは独立に、油圧ポンプ10の可動斜板10aの斜板角度が減速側に制御される。通常、ピン44は、バネ45の付勢力及びチャージ圧によりスプール41を介してピン孔43bに押し込まれている。
本実施例のHST1では、変速操作レバー29が、停止している作業車両を前進走行させるために回動された場合にはピン27が上方向に移動し、後進走行させるために回動された場合にはピン27が下方向に移動する。このピン27の移動に連動して可動斜板10aが徐々に傾動されて斜板角度が大きくなるように制御される。この可動斜板10aの傾動操作は、油圧サーボ機構2や中立位置保持機構3によって制御される。
このとき、車両運転部の変速操作具の増速側への操作により変速操作レバー29が回動されても、連動アーム39により捩じりバネ28が回動されるだけで、可動斜板10aが増速側に傾動されることはなく、過負荷がかかることによるエンストが起きることもない。
油圧モータ11の負荷制御機構104も、油圧ポンプ10の負荷制御機構4と同様、油圧モータ11の可動斜板11aを自動的に傾動させてその斜板角度を制御するように構成されている。ただし、油圧モータ11においては、前述したとおり、可動斜板11aの斜板角度が停止時において最大となるように調整されており、作業車両が増速するにつれて斜板角度が小さくなるように制御されているため次のような態様となる。
このように中・高速領域において油圧モータ11側で負荷制御が行われるときには、油圧ポンプ10側の負荷制御機構4においては、メイン油路13からの油圧に対向してスプール41を押圧する力としてチャージ圧にバネ45による付勢力が加わるため、スプール41は下方に摺動されることがなく、油圧ポンプ10の可動斜板10aは高速側に保持されることとなる。
なお、負荷制御機構4・104は、油圧ポンプ10又は油圧モータ11のいずれかのみに設けられる構成であってもよい。
メイン油路13(13a・13b)に作動油を供給するチャージポンプ(油圧ポンプ)50は、エンジン15によりポンプ軸51を介して駆動され、オイルタンク52から油を吸入する。
チャージポンプ50の吐出側には、HST1内へとフィルタ53を介した作動油を供給するチャージ油路16が接続されている。すなわち、チャージ油路16からの作動油はHST1内で分岐され、油圧サーボ機構2・102(のシリンダ室24)や、メイン油路13a・13b等に導かれる。
また、チャージ油路16においては、チャージリリーフバルブ54が設けられており(図2及び図5参照)、チャージ油路16内の圧力が所定圧を越えると、このチャージリリーフバルブ54が開弁してチャージ油路16内の作動油がハウジング12内に形成される油溜り56内にリリーフされて油量が調整される。
油圧ポンプ10用の負荷制御機構4には、メイン油路13から負荷制御用油路14を介して圧油が導かれ、この圧油を受けてシリンダ40に内挿されるスプール41が摺動される。
油圧モータ11用の負荷制御機構104には、メイン油路13から負荷制御用油路14を介して圧油が導かれ、この圧油を受けてシリンダ40に内挿されるスプール141が摺動される。
背圧油路17は、チャージ油路16と連通接続されており、背圧油路17とチャージ油路16との間には、チェックバルブ47及び背圧バルブ(リリーフバルブ)48が並列に介装されている。具体的には、チャージ油路16から分岐される油路18と背圧油路17間においてチェックバルブ47及び背圧バルブ48が並列に接続構成される(図3参照)。
このように、チャージ油路16と負荷制御機構4・104間を接続する背圧油路17との間に、チェックバルブ47及び背圧バルブ48が介装されることにより、チャージ油路16からの圧油脈動によるハンチングが防止される。
そして、前記閉回路の、前進時(油圧モータ11を前進回転させるとき)に高圧側となるメイン油路(以下、「メイン油路13a」ともいう。)及び後進時(油圧モータ11を後進回転させるとき)に高圧側となるメイン油路(以下、「メイン油路13b」ともいう。)の各油路に流れる圧油を、それぞれチェックバルブ58を介して前記アクチュエータに導く構成としている(図11参照)。
また、各メイン油路13a・13bから負荷制御機構4・104へと圧油を導くに際し、チェックバルブ58をそれぞれ介在させることにより、メイン油路13a・13b側への圧油の逆流や高圧側のメイン油路13と低圧側のメイン油路13との連通が回避されるので、メイン油路13内の油圧の不安定化を防止でき、HST1の効率を低下させることなく、精度良く負荷制御を行うことが可能となる。
メイン油路13の作動油が不足した場合には、チャージ油路16から低圧側のメイン油路13(13a又は13b)に対して、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57を介して作動油が補給される。
ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57・57は、メイン油路13の圧力が一定値よりも高くなる(負荷制御を必要とする圧力になる)と、高くなった側のニュートラル・チェック・リリーフバルブ57が開弁し、作動油をチャージ油路16へ逃がすように構成されている。
また、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57は、油圧ポンプ10の可動斜板10aが中立位置付近に位置している際に、その斜板位置を中立状態に保つように構成される。
すなわち、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57は、メイン油路13へのチャージ圧油供給用のチェックバルブの機能を有するバルブに、負荷制御圧調整用のリリーフバルブの機能とニュートラルゾーン拡張用のリリーフバルブ(ニュートラルバルブ)の機能とを有するバルブ構造が一体的に加えられたバルブである。
図3及び図5に示すように、油路板5において、上下方向に略平行に配されるメイン油路13a・13bに対して、これらの間に配されるチャージ油路16を構成する油路16aが略水平方向に連通している。この油路16aの延長上(左右)には、メイン油路13a・13bと連通するとともに左右方向に外部に開口するバルブ孔5aが油路板5に形成されている。バルブ孔5aの開口部は、該開口部に螺挿されるプラグ部材59により塞がれており、このバルブ孔5a内にニュートラル・チェック・リリーフバルブ57が構成される。つまり、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57は、チャージ油路板5に形成されるチャージ油路16と各メイン油路13a・13bとの接続部においてバルブ孔5a内に構成され、対向した状態で配設される。
ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57は、前記バルブ孔5aに摺動自在に内挿されるバルブボディ62と、該バルブボディ62に摺動自在に内挿されるスプール63と、該スプール63のバルブボディ62内における摺動を付勢するリリーフバネ64と、バルブボディ62の端部(前記プラグ部材59側)に螺嵌される支持ピース65と、該支持ピース65に摺動自在に内挿されるフィードバックピン66と、バルブボディ62を付勢するチェックバネ67とを備えている。
すなわち、前記のとおりバルブ孔5aの開口部を塞ぐプラグ部材59は、バルブ孔5a内に挿入される略筒状の挿嵌部59aを有しており、該挿嵌部59a内に支持ピース65を含むバルブボディ62の一側部分が挿入される。そして、この挿嵌部59a内においてプラグ部材59及び支持ピース65間にチェックバネ67が介装され、該チェックバネ67によって支持ピース65を介してバルブボディ62が前記方向に付勢される。
すなわち、前進時には、前記のとおりメイン油路13aが高圧側となり、該メイン油路13a側のニュートラル・チェック・リリーフバルブ57におけるバルブ部62aは閉じ、チャージ油路16とメイン油路13aとは分断される(図13参照)。一方、この場合のメイン油路13aに対して低圧側となるメイン油路13b側のニュートラル・チェック・リリーフバルブ57におけるバルブ部62aは開き、チャージ油路16とメイン油路13bとは連通される(図12参照)。
後進時においても同様にして、高圧側となるメイン油路13bとチャージ油路16とは分断され、低圧側となるメイン油路13aとチャージ油路16とは連通される。
油圧ポンプ10の可動斜板10aが中立位置付近にあり、メイン油路13a・13b間の圧力差が小さいとき、即ちメイン油路13からニュートラル・チェック・リリーフバルブ57にかかる圧力が小さいときには、作動油がメイン油路13からチャージ油路16へ若干量流れる。このため、油圧モータ11が回転されず、HST1の中立状態が保持される。
バネ室68内とチャージ油路16内とは、バルブボディ62のバルブ部62a側先端部に形成される連通孔62dにより連通しているので、メイン油路13内の作動油が、ニュートラル用孔62b、オリフィス63b、バネ室68及び連通孔62dを通じてチャージ油路16へ流出する。
つまり、油圧が0に近い状態からメイン油路13内の圧力が上昇すると、作動油の流量が増加し、スプール63に働く差圧による力が大きくなり、該スプール63がバネ室68側へ摺動するように構成されている。
その後、メイン油路13内の圧力が所定値に達すると、スプール63の摺動によりニュートラル用孔62bとオリフィス63bとが分断され、メイン油路13からチャージ油路16への作動油の流れが途絶える。
前記低圧領域から圧力が上昇すると、スプール63はさらにチャージ油路16側(図12において右側)へ摺動する。ここで、前記のとおりニュートラル用孔62bとオリフィス63bとが分断されてから、圧力がさらに上昇してバルブボディ62に形成されるリリーフ用孔62cとスプール63に形成されるリリーフ口63dとが連通した状態(図13(c)参照)となるまでは、メイン油路13とチャージ油路16とが分断された状態となる(図13(b)参照)。つまり、油圧が低圧領域を上回ってニュートラル用孔62bとオリフィス63bとが分断されてから、圧力の上昇によりリリーフ用孔62c及びリリーフ口63dを介してメイン油路13とチャージ油路16とが連通されるまでの間が、中圧領域に設定され、この圧力範囲では、メイン油路13とチャージ油路16とが分断され、メイン油路13からチャージ油路16へ作動油の流れない状態が継続され、HSTをフル効率で作動させる。
ここで、メイン油路13内の油圧が高まることによるスプール63のリリーフバネ64の付勢力に抗する方向への摺動は、バネ室68内においてバルブボディ62に形成される段差部62eにより規制される。つまり、負荷制御が行われるメイン油路13内の油圧の高圧領域においては、スプール63が段差部62eに当接した状態が保持される。
つまり、負荷制御が行われる際に高圧側となるメイン油路13とチャージ油路16との間のニュートラル・チェック・リリーフバルブ57においては、バルブボディ62のバルブ部62aは閉じた状態となり、メイン油路13からの油圧によってスプール63はリリーフバネ64の付勢力に抗する方向に摺動され、バルブボディ62のリリーフ用孔62cとスプール63のリリーフ口63dとが連通してリリーフバルブ機能を発揮する状態となる。
すなわち、HST1においては、負荷制御機構4・104による負荷制御が行われる際に、閉回路を構成するメイン油路13のうちの、高圧側となるメイン油路13を流れる圧油の一部が、絞り69(リリーフ用孔62cとリリーフ口63dとの連通部)を介して低圧側となるチャージ油路16に排出される構成となっている。
これにより、リリーフ用孔62cとリリーフ口63dとが、連通して開く場合と分断されて閉じる場合とで流量にヒステリシスが生じる(同じ圧力での流量が異なる)ことを防止することができ、良好なリリーフ特性が得られる構成となっている。
つまり、負荷制御時において、高圧側となるメイン油路13と該メイン油路13に対して低圧側となるチャージ油路16との連通が断たれると、メイン油路13から負荷制御機構4・104への作動油の流れが安定せずに脈動が生じることとなる。このメイン油路13内における脈動は、該メイン油路13内の油圧を用いて負荷制御機構4・104を作動させる構成においてその作動の正確性に影響を及ぼすこととなる。
そこで、前記のとおり、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57にて構成される絞り69により、負荷制御時における高圧側となるメイン油路13内の圧油を低圧側に排出させることにより、メイン油路13内の脈動を抑制することができ、HST1における負荷制御を精度良く行うことが可能となる。
すなわち、バルブボディ62においてスプール63の摺動により影響を受けない位置に孔部を設け(例えば図12中69a参照)、これを絞り69として用いる。この場合、メイン油路13内の圧力に係わらず、メイン油路13とチャージ油路16とは絞り69(69a)を介して連通されることとなる。このため、油圧ポンプ10の可動斜板10aが中立位置付近にありメイン油路13a・13b間の圧力差が小さい場合においては、HST1の中立範囲を拡張することができ、負荷制御時においては、該負荷制御に影響するメイン油路13内の脈動を抑制することが可能となる。
つまり、前記のとおり、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57においてリリーフ用孔62cとリリーフ口63dとが連通することにより構成される絞り69は、バルブボディ62内に形成されバネ室68内に連通するように構成され、バルブ部62aによりチャージチェックバルブを構成するバルブボディ62に貫通状に設けられている。
また、高圧側となるメイン油路13から絞り69を介してリリーフされる低圧側がチャージ油路16であるので、別途作動油を供給する必要もなく負荷制御の円滑化が図れる。
すなわち、前述したように、油圧ポンプ10の可動斜板10aが中立位置付近にある低圧領域では、スプール63はその当接面63aを支持ピース65の当接面65aに当接させた状態となり、ニュートラル用孔62bとオリフィス63bとは連通した状態となる(図13(a)参照)。この状態では、リリーフ用孔62cとリリーフ口63dとは連通しておらず、絞り69は封鎖された状態である。
この状態からメイン油路13内の油圧が高まり中圧領域になると、フィードバックピン66が当接面65aから突出してスプール63を移動させる。これにより、ニュートラル用孔62bとオリフィス63bとが分断される(図13(b)参照)。この状態は、メイン油路13内の油圧が高まって高圧領域となり、リリーフ用孔62cとリリーフ口63dとが連通して絞り69が構成されるまで継続することとなる。
つまり、負荷制御が行われる際は、絞り69によりメイン油路13内における脈動を防止するとともに、中立拡張から負荷制御が行われるまでの間、絞り69を封鎖する(リリーフ用孔62cとリリーフ口63dとを連通させない)ことにより、メイン油路13からチャージ油路16へ圧油を逃さないようにする。これにより、メイン油路13を介する油圧ポンプ10から油圧モータ11への油圧の伝達率が向上し、HST1の容積効率を高めることができる。
チェックバルブ58は、各メイン油路13a・13bに対して備えられ各メイン油路13a・13bの最高圧力を規定するリリーフバルブ(ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57)を構成するプラグ部材59に内設されている。そして、このプラグ部材59から、前記アクチュエータに導く圧油が取り出される構成となっている。
つまり、各メイン油路13a・13bに対しては、リリーフバルブの機構を有するニュートラル・チェック・リリーフバルブ57がそれぞれ備えられ、該ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57は、メイン油路13と連通するように油路板5に形成されるバルブ孔5a内に構成される。このバルブ孔5aの外部に開口する部分に、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57を構成するプラブ部材59が挿嵌されている。すなわち、プラグ部材59は、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57において、その挿嵌部59a内に支持ピース65を含むバルブボディ62の一側部分が挿入されるとともに、支持ピース65との間に介装されるチェックバネ67を受けるバネ受けプラグとなる。このプラブ部材59に、チェックバルブ58が構成され、該プラグ部材59から、負荷制御機構4・104へ導かれる圧油が取り出される。
プラグ部材59において、挿嵌部59a内の底面(チェックバネ67の一端側が支持される面)から、基部59b及び継手部59cの中途部にかけて該継手部59cの突設方向にバルブ穴59dが穿設されている。また、継手部59cの先端面には、オリフィス59fを介してバルブ穴59dと連通する凹部59eが形成されている。つまり、バルブ穴59dは、オリフィス59f及び凹部59eを介して継手部59cの突出方向に外部と連通している。
このような構成により、高圧側のメイン油路13内の圧油は、チェックバルブ58を介してプラグ部材59から導出される。
まず、前進時に高圧側となるメイン油路13aから負荷制御機構4・104への油路構成(前記油路14aの構成)について説明すると、メイン油路13a内の圧油は、前記のとおりチェックバルブ58のプラグ部材59から導出される。プラグ部材59においては、その継手部59cに螺着される継手部材73aを介して送油管74aの一端が接続される。送油管74aの他端は、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4において、管継部材43の上方開口部に螺挿される継手部材75aに、接合部材76aを介して接続される。つまり、油路14aは、継手部材73a、送油管74a、接合部材76a及び継手部材75a等により構成され、この油路14aにより、メイン油路13a内からの圧油が、負荷制御機構4の油給排ポート43a内に導かれて該負荷制御機構4を作動させる。
また、油給排ポート43a内に流入する圧油の一部は、該油給排ポート43aと油孔43dを介して連通する油溜り46から、シリンダ40に形成される前記油路40cを介して油圧モータ11側の負荷制御機構104における油溜り146へと導かれ、該負荷制御機構104を作動させる。
また、油給排ポート43a内に流入する圧油の一部は、前記と同様、油溜り46及び油路40cを介して負荷制御機構104に導かれ、該負荷制御機構104を作動させる。
なお、油路14a・14bを構成する送油管74a・74bは、例えば図1や図4に示すように、支持部材78によりハウジング12等に適宜支持固定される。
すなわち、各メイン油路13a・13bに対して備えられるリリーフバルブ(ニュートラル・チェック・リリーフバルブ57)の構成部材であるプラグ部材59をチェックバルブ58の構成部材として兼用することができる。これにより、メイン油路13から負荷制御機構4・104へと圧油を導くに際し、簡単な構造・低コストにより、HST1の効率を低下させることなく安定して負荷制御を行うためのチェックバルブ58を構成することができる。
また、メイン油路13から負荷制御機構4・104へと導く圧油を、メイン油路13が形成される油路板5から取り出すに際し、別途新たに取出部を設ける必要がないので、HST1における他の配管との干渉を回避して配管用空間の確保が容易となる。例えば本実施例のように、プラグ部材59が、メイン油路13が形成される油路板5の反対側の面から突出する構成においては、負荷制御機構4・104への油路14a・14bを互いに干渉させることなく容易に配管することができる。
このように、外部配管を行うことなくHST1の内部に油路を構成することによっても、メイン油路13内の圧油を負荷制御機構4・104に導くことができる。この場合、HST1の外部に配管空間を確保する必要がなく、外観的によりシンプルな構造とすることができる。
チェックバルブ58・58の開弁圧に差を設けることにより、前進時と後進時とで負荷制御が開始されるタイミングを異なるものとすることが可能となる。これにより、HST1が、例えばHMT等のように前進時と後進時とで可動斜板の同じ角度における出力トルク(牽引力)が異なる構成に用いられる場合に容易に対応することができ、前進時及び後進時いずれにおいても十分な牽引力を得ることができる。
そこで、チェックバルブ58・58の開弁圧に差を設けることにより、前進時・後進時それぞれに適したタイミングで負荷制御を効かせることが可能となり、前進時及び後進時いずれにおいてもエンジンの馬力を有効利用することができて十分な牽引力を得ることができる。
前述したように、各メイン油路13a・13bから負荷制御機構4・104への油路において介設される両チェックバルブ58・58においては、開弁圧設定用の弾性部材としてのチェックバネ72が設けられるところ、このチェックバネ72は少なくとも一方のチェックバルブ58に設けられればよい。
チェックバルブ58においては、チェックバネ72は圧油が流出する側(二次側)に備えられ、圧油が流入する側(一次側)の圧力がチェックバネ72により設定される所定圧を越えると、チェックバルブ58が開弁することとなる。
そこで、チェックバルブ58・58の開弁圧に差を設けるには、一方のチェックバルブ58のみにチェックバネ72を設ける方法と、両方のチェックバルブ58・58にチェックバネ72を設ける方法がある。
これにより、前述したHMT等のように、後進時に牽引力が小さくなる構成においては、後進時に高圧側となるメイン油路13b側のチェックバルブ58にのみチェックバネ72を設けることで、メイン油路13内の油圧が十分に上昇した状態で負荷制御が行われることとなるので、後進時においてもエンジンの馬力を有効利用することができて十分な牽引力を得ることができる。
すなわち、図11に示すように、油圧ポンプ10側の負荷制御機構4における背圧室42aの近傍に設けられる絞り部としてはオリフィス61が設けられる。また、油圧モータ11側の負荷制御機構104における背圧室142aの近傍に設けられる絞り部としてはスローリターンバルブ60が設けられる。
また、ボルト体49の外周部には溝部49eが形成されており、該溝部49eによりシリンダ40のシリンダ孔142との間に背圧油路17と連通する油溜り85が形成される。つまり、前記油路49dは油溜り85に開口する。
スプール80は、その後端部に当接するバネ81により油給排ポート49cを閉じる方向に付勢されている。バネ81は、バルブ穴49bの開口部に嵌合されてサークリップ83により固定される台座82により受けられる。つまり、バネ81はスプール80の後端部と台座82との間に介装されスプール80を押圧付勢する。
図16(a)に示すように、スローリターンバルブ60の一次側(背圧油路17側)と二次側(背圧室142a側)との圧力差がない状態(自然状態)では、背圧室142aと背圧油路17との間での作動油の行き来は無く、バネ81の付勢力によりスプール80のバルブ部80aが油給排ポート49cのシート面に当接し、油給排ポート49cが閉じられた状態となる。
図16(b)に示すように、背圧室142a側の油圧が背圧油路17側の油圧より高い状態では、油圧及びバネ81の付勢力によりスプール80が押圧されて油給排ポート49cが閉じられた状態となる。この状態で、作動油は背圧室142aからスプール80に形成されるオリフィス80cを介して背圧油路17側へと流出する。このオリフィス80cにより、背圧油路17側へ流出する作動油の流量が制限される。
図16(c)に示すように、背圧室142a側の油圧が背圧油路17側の油圧より低い状態では、この差圧によりスプール80を摺動させる力が、バネ81の押圧力によりスプール80を付勢する力を上回った場合、スプール80がバネ81の付勢力に抗して摺動される。これにより、油給排ポート49cは開いた状態(バルブ部80aが前記シート面から離間した状態)となり、作動油は背圧油路17から油給排ポート49cバルブ穴49bを介して背圧室142a側へと流れる。この際、作動油の流量はオリフィス80cにより制限されない。
特に、本実施例においては、斜板角度の微妙な変化が作業車両の速度に影響する中・高速領域において作動する油圧モータ11側の負荷制御機構104に対し、その背圧を制御するためのスローリターンバルブ60が設けられている。
すなわち、図10に示すように、油圧モータ11側の負荷制御機構104におけるスプール141と変速駆動部材であるピン27との係合位置にて、該スプール141と、最高速位置のピン27との間に間隔sが設けられている。
この状態のピン27(図10において二点鎖線で示す)に対し、その拡径部27c(の上端)とスプール141の切欠き部141bとの間に間隔sを設ける。つまり、間隔sは、負荷制御時にスプール141が摺動を開始してからピン27と係合するまでの摺動量となる。
つまり、油圧モータ11側の負荷制御機構104においては、前記のとおりスローリターンバルブ60が設けられることにより、スプール141が減速側に摺動するに伴い背圧室142a内の油圧が高まって該スプール141の動きが緩慢になるところ、スプール141がピン27と係合するまでに所定量摺動させることにより、スプール141の動きがより緩慢になった状態でピン27に係合させることができる。
すなわち、図10に示すように、スプール141に、該スプール141とシリンダ40との間を液密に保持するシール部材としてのOリング84が設けられている。
具体的には、Oリング84は、スプール141の背圧室142a側端部において、該スプール141に形成される外周溝に装着される。これにより、スプール141が、そのOリング84部分においてシリンダ40のシリンダ孔142の内壁と密着することとなり、スプール141の背圧室142aに対する液密性が保持される。
ここで、定流量バルブ55は、チャージ油路16から分岐して各油圧サーボ機構2・102に接続される油路19・19において、負荷制御機構4・104における背圧として用いられるチャージ圧を制限することのない位置に設けられる。つまり、定流量バルブ55は、チャージ油路16から分岐してチャージ圧油を各負荷制御機構4・104の背圧油路17に供給する油路18内のチャージ圧油の流量を制限することのない位置に設けられる(図11参照)。
ボルト部材90の外周部には溝部90bが形成されており、該溝部90bによりボルト部材90と孔部12bとの間に、前記油路19と連通する油溜り95が形成される。この油溜り95は、ボルト部材90に形成される側孔90cを介してバルブ穴90a内と連通する。
そして、スプール91がバネ94による付勢力によりバルブ穴90aの底面に当接した状態で、該スプール91の連通孔91dとボルト部材90の側孔90cとが互いの中心位置を合わせて連通した状態となる。つまり、スプール91がバネ94により押圧されてバルブ穴90aの底面に当接した状態が、連通孔91dと側孔90cとの連通面積が最大の状態となる。また、バルブ穴90aの底面には、窪み状の油溜り90dが形成されている。
ここで、オリフィス91cにより流量が絞られることから、二次側の油圧が低減する一方、一次側(バルブ穴90aにおけるオリフィス91cより奥側)の油圧は上昇する。この上昇する油圧により、スプール91はバネ94の付勢力に抗してバネ受け92側(図17において下側)へと摺動される。このスプール91の摺動により、連通孔91dと側孔90cとの連通面積は減少することとなる。これにより、油溜り95から側孔90cを介してバルブ穴90a内に流入するチャージ圧油の流量は減少し、定流量バルブ55の一次側の油圧は低減する。そして、二次側の油圧が一次側の油圧を上回ると、スプール91はバルブ穴90a内における奥側に摺動する。
つまり、定流量バルブ55によって油圧サーボ機構2・102に導かれる油量を制限することにより、油圧サーボ機構2・102の動作を緩慢にすることができるとともに、斜板角度制御バルブ23への供給油圧が安定して脈動が抑制され、油圧サーボ機構2・102おける制御を安定させることができる。
また、負荷制御機構4・104に背圧を供給するチャージ圧油の流量が制限されることがないので、メイン油路13からの油圧に対向する背圧を十分に得ることができ、負荷制御を精度良く行うことができる。
2 油圧サーボ機構
3 中立位置保持機構
4 負荷制御機構
10 油圧ポンプ
10a 可動斜板
11 油圧モータ
11a 可動斜板
13(13a・13b) メイン油路
16 チャージ油路
17 背圧油路
27 ピン
29 変速操作レバー
40 シリンダ
41 スプール
42a 背圧室
55 定流量バルブ
57 ニュートラル・チェック・リリーフバルブ
58 チェックバルブ
59 プラグ部材
60 スローリターンバルブ
61 オリフィス
69 絞り
72 チェックバネ
84 Oリング
102 油圧サーボ機構
103 最大斜板位置保持機構
104 負荷制御機構
141 スプール
142a 背圧室
s 間隔
Claims (3)
- 少なくともいずれか一方を可変容積型とした油圧ポンプ及び油圧モータに、該油圧ポンプ及び/又は油圧モータの可動斜板の斜板角度を制御する油圧サーボ機構であって、該可動斜板に連動連結した変速駆動部材を変速操作レバーの操作により移動させる構成のものを付設するとともに、該変速駆動部材を減速側に移動させるアクチュエータを有し、前記油圧ポンプと油圧モータとを接続する閉回路のメイン油路の圧油を負荷検出要素かつ作動油として前記アクチュエータに導き作動させる負荷制御機構を付設した油圧式無段変速装置であって、
前記閉回路の、前進時に高圧側となるメイン油路及び後進時に高圧側となるメイン油路の各油路に流れる圧油を、それぞれチェックバルブを介して前記アクチュエータに導く構成としたことを特徴とする油圧式無段変速装置。 - 前記チェックバルブの開弁圧に差を設けたことを特徴とする請求項1に記載の油圧式無段変速装置。
- 前記チェックバルブの少なくとも一方に、開弁圧設定用の弾性部材を設けたことを特徴とする請求項2に記載の油圧式無段変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005280565A JP2007092803A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 油圧式無段変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005280565A JP2007092803A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 油圧式無段変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007092803A true JP2007092803A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37978773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005280565A Pending JP2007092803A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 油圧式無段変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007092803A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7377467B1 (ja) | 2022-06-22 | 2023-11-10 | 井関農機株式会社 | コンバイン |
JP7377468B1 (ja) | 2022-06-22 | 2023-11-10 | 井関農機株式会社 | コンバイン |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54101503A (en) * | 1978-01-27 | 1979-08-10 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | Capacity-control regulator for use in variable capacity hydraulic pumps |
JPH02266161A (ja) * | 1989-04-04 | 1990-10-30 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 建設機械の油圧駆動回路 |
JPH0650955U (ja) * | 1992-12-18 | 1994-07-12 | 小松メック株式会社 | 静油圧駆動車における車速コントロール装置 |
JPH08312776A (ja) * | 1995-05-23 | 1996-11-26 | Komatsu Ltd | 油圧駆動車両の油圧モータ容量制御装置 |
JP2000179683A (ja) * | 1998-12-16 | 2000-06-27 | Nissan Motor Co Ltd | 油圧式無段変速機 |
JP2002005281A (ja) * | 2000-06-23 | 2002-01-09 | Iseki & Co Ltd | 作業車両の負荷制御装置 |
JP2004011769A (ja) * | 2002-06-06 | 2004-01-15 | Kubota Corp | 静油圧式無段変速装置 |
-
2005
- 2005-09-27 JP JP2005280565A patent/JP2007092803A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54101503A (en) * | 1978-01-27 | 1979-08-10 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | Capacity-control regulator for use in variable capacity hydraulic pumps |
JPH02266161A (ja) * | 1989-04-04 | 1990-10-30 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 建設機械の油圧駆動回路 |
JPH0650955U (ja) * | 1992-12-18 | 1994-07-12 | 小松メック株式会社 | 静油圧駆動車における車速コントロール装置 |
JPH08312776A (ja) * | 1995-05-23 | 1996-11-26 | Komatsu Ltd | 油圧駆動車両の油圧モータ容量制御装置 |
JP2000179683A (ja) * | 1998-12-16 | 2000-06-27 | Nissan Motor Co Ltd | 油圧式無段変速機 |
JP2002005281A (ja) * | 2000-06-23 | 2002-01-09 | Iseki & Co Ltd | 作業車両の負荷制御装置 |
JP2004011769A (ja) * | 2002-06-06 | 2004-01-15 | Kubota Corp | 静油圧式無段変速装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7377467B1 (ja) | 2022-06-22 | 2023-11-10 | 井関農機株式会社 | コンバイン |
JP7377468B1 (ja) | 2022-06-22 | 2023-11-10 | 井関農機株式会社 | コンバイン |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4814598B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
US6389809B1 (en) | Volume control valve of variable displacement hydraulic rotating machine | |
JP4847242B2 (ja) | ミキサドラム駆動装置 | |
JP4605604B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
JPH11247965A (ja) | ハイドロスタティックトランスミッションシステム | |
JP2006329213A (ja) | 中立バルブ構造 | |
JP2007092803A (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
JP4694935B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
JP4718953B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
WO2006022032A1 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
KR101596560B1 (ko) | 서보 레귤레이터 | |
US7954316B2 (en) | Hydrostatic stepless transmission | |
JP4610454B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
JP5244325B2 (ja) | 油圧式無断変速装置 | |
JP4605605B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
CN109154290B (zh) | 泵装置 | |
JP2007092809A (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
US11079014B2 (en) | Traveling hydraulic stepless transmission | |
JP4928237B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
US6481333B1 (en) | Positioning device, capacity controller using positioning device, and speed changing device | |
JP2013221458A (ja) | 油圧回転機械 | |
JP5064007B2 (ja) | 油圧式無段変速装置 | |
JP3938894B2 (ja) | 油圧機器のバルブ構造 | |
JPH10281106A (ja) | 油圧パワーユニット | |
JP2006291736A (ja) | 油圧ポンプ制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20071128 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100316 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20100514 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20101102 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |