JP2007092809A - 油圧式無段変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受圧室20a・20bに導かれる圧油を供給する油圧ポンプを駆動させるエンジンの停止時に、油圧モータの可動斜板の最大斜板位置に対応する位置にあるスプール22に対して、ピストン21を受圧室20a・20bへの圧油の供給が停止される最大斜板位置とする付勢手段95を、前記可動斜板を中立位置とするピストン21の摺動方向側の受圧室20aに設けた。
【選択図】図13
Description
特許文献1に開示されているHSTにおいては、油圧ポンプに対して、その可動斜板に連動する変速シリンダを変速バルブによって切り換え、可動斜板を傾動させる油圧サーボ機構が備えられている。また、油圧モータに対しては、その可動斜板に作用する切換シリンダを電磁切換弁によって切り換え、可動斜板の傾斜状態を選択切換えするサーボ機構が備えられている。
そして、このような構成において、スプールは、HST車両の運転部に設けられる変速ペダル等の変速操作具に連動連結されて移動(位置変更)される。また、前記受圧室に供給される圧油には、エンジンにより駆動される油圧ポンプ(チャージポンプ)によりHSTに供給されるチャージ圧油が用いられる。
例えば、ピストンが可動斜板の中立位置付近に対応する位置にある状態でエンジンが停止されてピストンがその位置に留まると、エンジンブレーキ作用が十分に得られないこととなる。つまり、油圧モータの可動斜板は、前記のとおり油圧ポンプの可動斜板が最大傾斜位置に到達しないか、到達してもそれ以上の増速操作がされない限りは、最大傾斜位置(油圧モータの最大容量状態)で保持されるところ、ピストンが可動斜板の中立位置付近に対応する位置で留まると、油圧モータにおいてその駆動軸を回転させるための作動油の吸入・吐出量が少なくなるため、その駆動軸(HSTの出力軸)に対する回転トルクが小さくなり、油圧モータの駆動軸のブレーキ作用が小さくなる。このため、車両が坂道などで停車された場合に、車軸から油圧モータの駆動軸に伝達される負荷に対するエンジンブレーキが十分に効かないこととなる。
本発明に係る油圧式無段変速装置(HST)は、トラクタ等の農作業用の作業車両やローダ作業機を備える作業車両等に用いられるものである。以下においては、HSTがローダ作業機を備える作業車両に搭載される場合について説明する。
図1及び図2に示すように、HSTにおいては、いずれも可変容積型に構成される油圧ポンプ10及び油圧モータ11をハウジング12内に内包している。
ハウジング12には、油圧ポンプ10及び油圧モータ11の他に、これらの可動斜板10a・11aの斜板角度を調整して、油圧ポンプ10及び油圧モータ11それぞれの出力回転を制御する機構としての油圧サーボ機構2・102、中立位置保持機構3(最大斜板位置保持機構103)及び負荷制御機構4・104等が設けられている。すなわち、油圧ポンプ10に対しては、油圧サーボ機構2、中立位置保持機構3及び負荷制御機構4が設けられ、油圧モータ11に対しては、油圧サーボ機構102、最大斜板位置保持機構103及び負荷制御機構104が設けられている。
駆動軸10bは、HST1の入力軸となり、油路板5に挿嵌されるとともにハウジング12に支承され、エンジン15(図10参照)からの動力が入力される。シリンダブロック10cは、駆動軸10bに相対回転不能に嵌設され該駆動軸10bと共に回動する。プランジャ10dは、シリンダブロック10cに穿設される複数のシリンダ孔に気密的に付勢バネを介して摺接可能に収容される。可動斜板10aは、ハウジング12に傾動可能に支持されてプランジャ10dを往復駆動させる斜板カムとして作用し、プランジャ10dの摺動量を規制する。また、シリンダブロック10cと油路板5との間には、駆動軸10bが挿嵌される弁板10eが介装されている。
駆動軸11bはHST1の出力軸となり、該HST1を介したエンジン15の動力が駆動軸11bから出力される。ここで、可動斜板11a、シリンダブロック11c、プランジャ11d及び弁板11eについては、油圧ポンプ10と略同一の構成であるため、その説明を省略する。
すなわち、油圧モータ11においては、可動斜板11aの傾動角度が調整されることにより、該油圧モータ11への圧油の吸入量が調節可能に構成されている。ただし、油圧モータ11の可動斜板11aは、油圧ポンプ10の可動斜板10aが最大傾斜位置に到達しないか、到達してもそれ以上の増速操作をしない限りは、最大傾斜位置(油圧モータ11の最大容量状態)で保持される構成となっている。
そして、HST1の変速(増速)に際しては、油圧ポンプ10の最大容量状態到達後、即ち可動斜板10aの最大傾斜状態到達後に、最大傾斜位置にある油圧モータ11の可動斜板11aが油圧モータ11の容量減少側(中立位置側)へと傾動される。
図1、図2、図4及び図6に示すように、HST1においては、油圧ポンプ10と油圧モータ11とが上下(左右であってもよい)に並設されており、油圧ポンプ10の一側方には油圧ポンプ10用の油圧サーボ機構2が設けられ、油圧モータ11の一側方であって油圧ポンプ10用の油圧サーボ機構2の下方には、油圧モータ11用の油圧サーボ機構102が設けられる。
斜板角度制御バルブ23の構成は、具体的には、ハウジング12内であって油圧ポンプ10の可動斜板10aの側部にシリンダ室24が形成されており、このシリンダ室24内にピストン21が摺動自在に収納されている。ピストン21の側面には、可動斜板10aの側部より突設されるピン軸25が嵌合されている。ピストン21の軸心部には貫通孔21cが開口されており、この貫通孔21c内にスプール22が摺動自在に嵌装されている。
また、ピストン21の貫通孔21cの両端開口部には、キャップ部材86が嵌合されており、一方(本実施例では上方)のキャップ部材86とスプール22との間にバネ87が介装されている。このバネ87により、受圧室20a・20bからの油圧を含めたスプール22とピストン21との相対的な位置関係が調整される。
スプール22の下部外周には嵌合溝26が設けられており、この嵌合溝26に油圧サーボ機構2(のスプール22)の変速駆動部材としてのピン27の一端部27aが嵌合されている。ピン27の他端部27bは、後述する中立位置保持機構3等を構成する捩じりバネ28により挟持されている。ピン27の一端部27aは、ハウジング12及びピストン21の側面に形成される開口12a及び開口21aからハウジング12内部に挿入され、上述したように嵌合溝26に嵌合する。
ピン27には、油圧サーボ機構2の変速操作レバー29が連動連結されており、該変速操作レバー29が操作されることにより、ピン27が捩じりバネ28の付勢力に抗して上下方向(図1及び図6において上下方向)に移動し、これに伴ってスプール22が上下方向に移動するように構成されている。
このように、斜板角度制御バルブ23のスプール22が摺動操作されることによる油路の変更でピストン21が摺動させられ、これにより油圧ポンプ10の可動斜板10aが傾動され、HST1が変速される構成となっている。
図1、図4及び図6等に示すように、中立位置保持機構3は、油圧サーボ機構2から負荷制御機構4を介した位置に設けられ、油圧ポンプ10の可動斜板10aの中立位置を保持するためのものである。中立位置保持機構3は、ケーシング30に内設されており、このケーシング30の内部空間に、デテントロッド31がその長手方向(図1及び図6において上下方向)へ摺動自在に設けられている。
デテントロッド31のキャップ32側端部には、キャップ32に螺挿されるアジャストボルト33が一体的に形成されている。そして、デテントロッド31は、アジャストボルト33を回転させることで長手方向(軸心方向)へ摺動可能に構成されており、通常はロックナット34により位置固定されている。
デテントロッド31の略中央部には、固定部31aが形成されており、前記ピン27の他端部27bがケーシング30の内部空間内に固定部31aと位置を合わせて挿入されている。ここで、ピン27の他端部27bの径と、固定部31aの幅(デテントロッド31の軸心方向の長さ)とは略同一に構成されている。
このように、中立位置保持機構3は、デテントロッド31、バネ36・36及びバネ受け35・35によって、ピン27及び油圧サーボ機構2を通じて、油圧ポンプ10の可動斜板10aを中立位置に保持するように構成されている。
また、最大斜板位置保持機構103には、中立位置保持機構3における中立位置調整機構と同様にして0度位置調整機構が構成されている。0度位置調整機構においては、油圧モータ11の可動斜板11aが0度位置からずれている場合に、アジャストボルト33を回転することにより可動斜板11aが0度位置に位置するように調整することが可能となっている。
まず、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4の構成について説明する。
負荷制御機構4は、前記メイン油路13の圧油が給排されるシリンダ40と、該シリンダ40に摺動自在に内挿されるとともに変速駆動部材としてのピン27と係合するスプール41とを備えている。そして、シリンダ40内におけるスプール41の一側にメイン油路13が連通され、負荷制御時には、メイン油路13からの圧油力によりスプール41が押圧され、このスプール41によりピン27を係合しながら移動させる。これにより、負荷制御機構4は、車両運転部に設けた変速操作具の操作に基づく変速操作レバー29による傾動操作(油圧サーボ機構2等による油圧ポンプ10の可動斜板10aの制御)とは独立に、該可動斜板10aの斜板角度の制御を行う。
シリンダ孔42の開口端(上端)部には、メイン油路13から供給される圧油の油路が接続される管継部材43が螺着されており、該管継部材43を介してメイン油路13内の圧油がシリンダ40内に供給される。シリンダ40の上下中途部には、左右方向に開口して前記ピン27が貫通される開口部40aが貫設されている。
管継部材43には、スプール41側に開口するピン孔43bが穿設されている。このピン孔43bにピン44が摺動自在に挿入されている。ピン44の一端側は、スプール41の上側面に当接している。
負荷制御機構104は、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4においてシリンダ孔42を構成するシリンダ40が共用され構成されている。すなわち、前記のとおりハウジング12の一側に付設されるシリンダ40は、油圧モータ11側における油圧サーボ機構102と最大斜板位置保持機構103との間に位置し、該シリンダ40には、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4を構成するスプール41等が設けられるとともに、油圧モータ11用の負荷制御機構104を構成するスプール141等が設けられる。
そして、HSTのメイン油路13からシリンダ40に供給される圧油によってスプール141が押動される構成となっている。これにより、負荷制御機構104は、車両運転部の変速操作具の操作に基づく油圧サーボ機構102等による油圧モータ11の可動斜板11aの制御とは独立に、該可動斜板11aの斜板角度の制御を行う。
シリンダ孔142の開口端(下端)部には、スローリターンバルブ60が構成されるボルト体49が螺挿されている。
つまり、図5、図8及び図9等に示すように、負荷制御機構4においては、管継部材43に形成される外周溝により、該管継部材43とシリンダ孔42との間に、油孔43dを介して油給排ポート43aと連通する油溜り46が構成される。一方、負荷制御機構104においては、ピン孔40bにおけるピン144のスプール141と当接する側と反対側に油溜り146が形成されている。そして、これら油溜り46・146が油路40cを介して連通接続されている。これにより、油給排ポート43a内の圧油は、油路40cを介してピン孔40b内に導かれ、メイン油路13内の油圧に応じてピン144が摺動される。例えば、メイン油路13の油圧が高くなると、ピン孔40bからピン144が押し出され、該ピン144によってスプール141が押圧されて下方向に摺動する。
このような構成において、負荷制御機構104によって、油圧モータ11の可動斜板11aの斜板角度が小さくなる方向(容量が増大する方向)に傾動制御されるとともに、かかる斜板角度が制御されることによりトルクが制御される。
ここで、本実施例のHST1は、変速(増速)に際しては、前記のとおり油圧ポンプ10の最大容量状態到達後に、最大傾斜位置にある油圧モータ11の可動斜板11aが油圧モータ11の容量減少側へと傾動される構成であるところ、負荷制御機構4・104による負荷制御については、油圧モータ11の可動斜板11aが傾動されている場合は、まず、油圧モータ11が減速側(容量増大側)に制御され、次いで油圧ポンプ10が減速側(容量減少側)に制御される。このため、油圧ポンプ10用の負荷制御機構4においては、前記のとおり背圧室42aにバネ45が内装されており、該バネ45により、スプール41に対するメイン油路13からの圧油力に対向する押圧力が調整される。
メイン油路13(13a・13b)に作動油を供給するチャージポンプ(油圧ポンプ)50は、エンジン15によりポンプ軸51を介して駆動され、オイルタンク52から油を吸入する。
チャージポンプ50の吐出側には、HST1内へとフィルタ53を介した作動油を供給するチャージ油路16が接続されている。すなわち、チャージ油路16からの作動油はHST1内で分岐され、油圧サーボ機構2・102(のシリンダ室24)や、メイン油路13a・13b等に導かれる。
また、チャージ油路16においては、チャージリリーフバルブ54が設けられており(図2及び図4参照)、チャージ油路16内の圧力が所定圧を越えると、このチャージリリーフバルブ54が開弁してチャージ油路16内の作動油がハウジング12内に形成される油溜り56内にリリーフされて油量が調整される。
油圧ポンプ10用の負荷制御機構4には、メイン油路13から負荷制御用油路14を介して圧油が導かれ、この圧油を受けてシリンダ40に内挿されるスプール41が摺動される。
油圧モータ11用の負荷制御機構104には、メイン油路13から負荷制御用油路14を介して圧油が導かれ、この圧油を受けてシリンダ40に内挿されるスプール141が摺動される。
背圧油路17は、チャージ油路16と連通接続されており、背圧油路17とチャージ油路16との間には、チェックバルブ47及び背圧バルブ(リリーフバルブ)48が並列に介装されている。具体的には、チャージ油路16から分岐される油路18と背圧油路17間においてチェックバルブ47及び背圧バルブ48が並列に接続構成される(図3参照)。
また、背圧油路17においては、負荷制御機構4の近傍にオリフィス61が設けられ、負荷制御機構104の近傍にスローリターンバルブ60が設けられている。
このように、チャージ油路16と負荷制御機構4・104間を接続する背圧油路17との間に、チェックバルブ47及び背圧バルブ48が介装されることにより、チャージ油路16からの圧油脈動によるハンチングが防止される。
そして、前記閉回路の、前進時(油圧モータ11を前進回転させるとき)に高圧側となるメイン油路(以下、「メイン油路13a」ともいう。)及び後進時(油圧モータ11を後進回転させるとき)に高圧側となるメイン油路(以下、「メイン油路13b」ともいう。)の各油路に流れる圧油を、それぞれチェックバルブ58を介して前記アクチュエータに導く構成としている(図10参照)。
各油圧サーボ機構2・102は、スプール22のピストン21との相対位置変更により、シリンダ室24内におけるピストン21の摺動方向両側に形成される受圧室20a・20bのいずれかに圧油を供給してピストン21を摺動させることで、該ピストン21にピン軸25を介して連結される可動斜板10a・11aを傾動させて油圧ポンプ10あるいは油圧モータ11の容積を変更する構成となっている。
この際、チャージ油路16を介して供給される作動油は、定流量バルブ55により流量が制限される。定流量バルブ55は、油圧ポンプ10側の油圧サーボ機構2及び油圧モータ11側の油圧サーボ機構102それぞれに対して設けられ、各油圧サーボ機構2・102の斜板角度制御バルブ23に供給される圧油の流量が独立に制限される(図10参照)。
定流量バルブ55は、図4に示すように、HST1のハウジング12の一端部において形成される孔部12bに螺挿されて埋設されるボルト部材90内に構成され、チャージ油路16から油路19を介して油圧サーボ機構2・102のピストン21内(シリンダ室24内)に導かれる作動油の油量を制限する。定流量バルブ55を介した作動油は、孔部12bと連通する油路21bを介して油圧サーボ機構2・102のシリンダ室24内へと導かれる。
位置決め手段89は、エンジン15の停止によるチャージポンプ50の駆動の停止に伴ってシリンダ室24内へのチャージ圧油の供給が停止された状態において、ピストン21を中立位置に移動させて保持する。つまり、ピストン21は、シリンダ室24内において、スプール22の摺動により受圧室20a・20bへのチャージ圧油が供給されてスプール22との相対位置関係により摺動するところ、シリンダ室24内へのチャージ圧油の供給が停止されるエンジン15の停止時には、ピストン21はスプール22の摺動による油圧変化の影響を受けないかあるいはわずかしか受けないこととなる。また、エンジン15の停止時には、車両運転部の変速操作具の操作により変速操作レバー29及びピン27を介して、スプール22は油圧ポンプ10の可動斜板10aの中立位置に対応する位置にある。
そこで、この状態でのピストン21を位置決め手段89により受圧室20a・20bへの圧油の供給が停止される中立位置に保持した状態とする。
ピストン21の位置決め手段89が設けられる側(図11における下側)端部には、該ピストン21の周縁部が略筒状に突設されるとともに受圧室20bに含まれる空間を内包する筒状突部21fが形成されている。
バネ受け92は、筒状体の端部に鍔部92aを有する略ハット状に形成され、その鍔部92aをスプール22側(図11における上側)にした状態で、該鍔部92aを介して前記筒状突部21f内にピストン21と相対摺動可能に設けられる。
止め輪93は、ピストン21の筒状突部21fの先端部には内嵌されている。この止め輪93に対してバネ受け92の鍔部92aが筒状突部21f内空間の内側から係止する構成となっている。
バネ受け92は、その鍔部92aを止め輪93に当接させた状態で、ピストン21の筒状突部21fの先端よりも突出した状態となる。このバネ受け92の突出する部分における底部92bがシリンダ室24の底面24aに当接可能となっている。
また、シリンダ室24の底面24aには、穴状の油溜り24bが形成されており、バネ受け92の底部92bには、逃がし孔92cが形成されている。これにより、バネ受け92の底部92bがシリンダ室24の底面24aに当接した状態で、逃がし孔92cを介して筒状突部21f内と油溜り24bとが連通した状態となる。
逆に、バネ受け92の底部92bがシリンダ室24の底面24aから離れた状態から、ピストン21が受圧室20b側に摺動する際は、まず、筒状突部21fの先端よりも突出しているバネ受け92の底部92bがシリンダ室24の底面24aに当接する。さらに、ピストン21がバネ91の付勢力に抗して摺動することにより、止め輪93とバネ受け92の鍔部92aとの係止は解除され、ピストン21はその筒状突部21fの先端がシリンダ室24の底面24aに当接するまで摺動する。
すなわち、エンジン15の停止時に、ピストン21が中立位置付近に位置することから、エンジン15のクランキング時に油圧ポンプ10の可動斜板10aが中立位置付近に位置することとなるので、HST1の駆動トルクも極めて小さくなり、わずかなブレーキ作用(例えば、エンジン15からの動力伝達系における抵抗力)が得られれば、エンジン15始動時における意図しない作業車両の微速発進を防止できる。
また、HST1がHMTを構成して用いられる場合など、ピストン21が、油圧ポンプ10の可動斜板10aが空転する角度となる位置で留まることを回避することができるので、作業車両の坂道などでの確実な停止を行うことができる。
この場合、図12に示すように、ピストン21の上側(前進側)においても筒状突部21fが形成され、前記と同様、バネ91と、バネ受け92と、止め輪93とを備える位置決め手段89が設けられる。この場合、ピストン21は、両側の受圧室20a・20bに設けられる位置決め手段89・89により両側から位置決めされてエンジン15の停止時に中立位置付近に位置することとなる。
そして、シリンダ室24内において摺動するピストン21は、その中立位置から、前進側(受圧室20a側)に摺動する場合は、受圧室20aに設けられる位置決め手段89のバネ91の付勢力に抗して移動し、後進側(受圧室20b側)に摺動する場合は、受圧室20bに設けられる位置決め手段89のバネ91の付勢力に抗して移動することとなる。
これにより、作業車両の前進・後進いずれの方向についても、エンジン15の再始動時における作業車両の微速発進を防止することができるとともに、坂道などにおける停車を確実にすることができる。
そこで、この状態でのピストン21を付勢手段95により受圧室20a・20bへの圧油の供給が停止される最大斜板位置に保持した状態とする。
付勢手段95は、ピストン21の端部とシリンダ室24の上面24dとの間に介装され、ピストン21を最大斜板位置側へと押圧付勢する。ここで、ピストン21の端部には、周縁部が略筒状に突設されるとともに受圧室20aに含まれる空間を内包する凹部21hが形成されており、該凹部21hに付勢手段95の一側が挿嵌される。
また、シリンダ室24の上面24dには、窪み状の油溜り24eが形成されている。
すなわち、エンジン15の停止時において、ピストン21が最大斜板位置で保持されることにより、油圧モータ11の容量が最大の状態となり、油圧モータ11においてその駆動軸11bを回転させるための作動油の吸入・吐出量が多くなる。このため、油圧モータ11の駆動軸11bに対する回転トルクが大きくなり、該駆動軸11bのブレーキ作用が向上する。従って、作業車両が坂道などで停車された場合に、作業車両の車軸から油圧モータ11の駆動軸11bに伝達される負荷に対するエンジンブレーキが十分に効くこととなる。
2 油圧サーボ機構
10 油圧ポンプ
10a 可動斜板
11 油圧モータ
11a 可動斜板
15 エンジン
20a 受圧室
20b 受圧室
21 ピストン
22 スプール
23 斜板角度制御バルブ
24 シリンダ室
50 チャージポンプ
89 位置決め手段
95 付勢手段
102 油圧サーボ機構
Claims (1)
- 可変容積型とした油圧モータと、シリンダ室に摺動可能に収納されるピストンに摺動部材を内装して前記油圧モータの斜板角度制御バルブを構成する油圧サーボ機構とを備え、
前記油圧サーボ機構は、前記摺動部材の前記ピストンとの相対位置変更により、前記シリンダ室内における前記ピストンの摺動方向両側に形成される受圧室のいずれかに圧油を供給して該ピストンを摺動させることで、該ピストンに連結される前記油圧モータの可動斜板を傾動させて該油圧モータの容積を変更する構成の油圧式無段変速装置であって、
前記受圧室に導かれる圧油を供給する油圧ポンプを駆動させるエンジンの停止時に、前記可動斜板の最大斜板位置に対応する位置にある前記摺動部材に対して、前記ピストンを前記受圧室への圧油の供給が停止される最大斜板位置とする付勢手段を、前記可動斜板を中立位置とする前記ピストンの摺動方向側の受圧室に設けたことを特徴とする油圧式無段変速装置。
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