JP3938894B2 - 油圧機器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧式無段変速機を構成する油圧ポンプ等の油圧機器に設けられる、バルブの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、油圧ポンプと油圧モータとで構成される油圧式無段変速機(以降HST)においては、油路板にチャージ回路と一対のメイン回路とが形成され、このチャージ回路と各メイン回路との間には、チェックバルブとリリーフバルブとがそれぞれ別個に設けられているものや、チェックバルブとリリーフバルブとの両方の機能を有したチェックアンドリリーフバルブが設けられているもの等があった。また、メイン回路には、油圧ポンプの可動斜板が中立位置近傍に位置している際にHSTを中立状態に保持するためのニュートラルバルブが設けられるものもあった。このニュートラルバルブとしては、HST閉回路各部からの作動油の漏れを補充する目的で外部から作動油を供給するためのチェックバルブにおける、逆流防止弁にオリフィスを形成して、該オリフィスから作動油を漏出させるようにしたものがある。また、油圧ポンプ側からの作動油の流量が少ないときにドレン側に開いて油圧ポンプからの作動油を油圧モータ側に流さないようにして中立を確保するように構成してニュートラルバルブもある。そして、このようなバルブは、流体がバルブボディ外部から流入し、該バルブボディに摺動自在に嵌装されるスプールから流出するバルブに構成されることがある。このように、チェックバルブやニュートラルバルブを設けたHSTとしては、下記の特許文献1に示すようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−343971号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、従来のHSTにはチェックアンドリリーフバルブに加えて、別途ニュートラルバルブが設けられていたので、部品点数が増加してコストアップの原因となっていた。特に、チェックバルブとリリーフバルブとが別個に設けられているものでは、部品点数の増加度合いが大きかった。また、ニュートラルバルブを前述のオリフィス式に構成した場合、油圧ポンプの斜板角度が大きく中立域とは大きく離れているときでもオリフィスから作動油が常時漏れているため伝達効率が低下することとなる。さらに、前述のドレン側へ作動油を逃がす方式に構成すると、油圧ポンプ側からの作動油の流量の増大を検知してバルブが閉じる際にショックが発生したり、バルブの切り換えが起こる付近でHSTを作動させると油圧モータ側へ作動油が流れたり止まったりする不安定現象が発生する場合がある。また、流体がバルブボディ外部から流入し、該バルブボディに摺動自在に嵌装されるスプールから流出するように構成されたバルブは、フローフォースにより圧力−流量特性等のバルブ特性が良くない場合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
請求項1においては、油圧式無段変速機を構成する油路板に、油圧ポンプと油圧モータを結ぶ一対のメイン回路とチャージ回路とを形成し、該チャージ回路と各メイン回路との間に、チェックバルブとリリーフバルブとの両方の機能を有し、かつニュートラルバルブの機能も有するチェックアンドリリーフバルブ(35)を構成し、該チェックアンドリリーフバルブ(35)は、低圧時はニュートラルバルブとして、高圧時はリリーフバルブとして作用するバルブ(35a)を具備した油圧機器のバルブ構造において、該バルブ(35a)は、流体がバルブボディ(52)外部から流入し、スプール(55)から流出するバルブとし、前記バルブボディ(52)と、バルブボディ(52)に摺動自在に嵌装されるスプール(55)と、該スプール(55)を一方向へ付勢するバネ部材であるリリーフバネ(54)とを備え、制御圧力をリリーフバネ(54)の反付勢方向へ作用する力として、該スプール(55)にフィードバックし、低圧時及び高圧時には開状態となって、中圧時には閉状態となるように構成し、該スプール(55)の流体流出部にはオリフィス(55a)を形成し、該オリフィス(55a)の下流側と上流側とに生じた差圧を、該スプール(55)の摺動方向一側へ導き、前記スプール(55)への制御圧力のフィードバックは、該スプール(55)の断面積全体よりも小さい面積に制御圧力を掛けることにより行ない、前記バルブボディ(52)のニュートラル用孔(52b)と、該スプール(55 )のオリフィス(55a)とが連通する状態を継続する、圧力ゼロから圧力(P1)に達するまでの低圧領域の範囲、即ち油圧ポンプの可動斜板が中立位置付近にあるときには、作動油がメイン回路からチャージ回路へ向って若干量流れるため油圧モータが回転せず、油圧式無段変速機の中立状態を保持し、該バルブ(35a)はニュートラルバルブとして作用し、該バルブボディ(52)に形成されるリリーフ用孔(52c)と、該スプール(55)に形成されるリリーフ口(55b)とが連通するまで摺動し、メイン回路内の作動油がチャージ回路へ流出を開始するリリーフ圧力(P1からP4)までの範囲では、メイン回路とチャージ回路とは完全に分断されて流量はゼロとし、圧力が該リリーフ圧力(P4)を超えると、メイン回路とチャージ回路とが連通して、該圧力がリリーフ圧力(P4)を超えたときには、バルブ(35a)はリリーフバルブとして作用するものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の油圧機器のバルブ構造において、前記スプール(55)のリリーフ口(55b)の外周側に、斜めに切り欠いてテーパー形状としたテーパー部(55c)を形成し、リリーフ用孔(52c)形成部分の近傍のバルブボディ(52)の内周に、チャンバ(52g)を形成し、該チャンバ(52g)は、スプール(55)の摺動方向におけるリリーフ口(55b)に近い側の深さが浅く、リリーフ口(55b)から遠い側の深さが深くなる溝により構成し、前記メイン回路側から前記バルブボディ(52)のリリーフ用孔(52c)へ浸入してきた作動油は、リリーフ口(55b)のテーパー部(55c)によりチャンバ(52g)へ案内され、該チャンバ(52g)内で流れの方向を反転させた後に、リリーフ口(55b)を通じてバネ室(92)へ導かれるように構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は本発明のニュートラル・チェック・リリーフバルブが設けられる油圧式無段変速機の一実施例である2ポンプ2モータ式HSTを示す正面断面図、図2は2ポンプ2モータ式HSTの第一HSTを示す側面断面図、図3は2ポンプ2モータ式HSTの第二HSTを示す側面断面図、図4は油路板を示す正面断面図、図5はニュートラル・チェック・リリーフバルブを示す側面断面図、図6はニュートラル・チェック・リリーフバルブの流量特性を示す図である。
【0010】
図7は圧力ゼロから圧力P2までの間のバルブの動きを示す図、図8は圧力P3から圧力P5までの間のバルブの動きを示す図、図9はバルブの第二実施例を示す側面断面図、図10はバルブの第三実施例を示す側面断面図、図11はバルブボディに形成されたチャンバ及びリリーフ用孔とスプールのリリーフ口との部分を示す側面断面図、図12はバルブボディにチャンバを形成しなかった場合のリリーフ用孔とリリーフ口との部分を示す側面断面図、図13はチャンバを形成しなかった場合のバルブの流量特性を示す図である。
【0011】
本発明のニュートラル・チェック・リリーフバルブが設けられる油圧式無段変速機の一実施例である、2ポンプ2モータ式油圧式無段変速機の構成について説明する。尚、本実施例では、第一HST10及び第二HST20を具備した2ポンプ2モータ式HST1について説明するが、本発明のニュートラル・チェック・リリーフバルブは、一つの油圧ポンプと一つの油圧モータとで構成されるHSTにも、もちろんのこと適用することができるものである。
【0012】
図1乃至図3に示す2ポンプ2モータ式の油圧式無段変速機(以降HSTと記す)1は、油圧ポンプ11および油圧モータ12により構成される第一HST10と、油圧ポンプ21および油圧モータ22により構成される第二HST20とを、図4に示す一枚の油路板32に配置して構成されている。2ポンプ2モータ式HST1は車両に搭載され、例えば、第一HST10は直進走行用に、第二HST20は旋回用に用いられる。
【0013】
第一HST10を構成する油圧ポンプ11は、駆動軸11a、該駆動軸11aが挿嵌され駆動軸11aと共に回動するシリンダブロック11b、該シリンダブロック11bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ11eおよび該プランジャ11eに当接した可動斜板11cにより構成され、可変容量式油圧ポンプに構成されている。可動斜板11cはプランジャ11eの摺動量を規制し、該油圧ポンプ11の作動油の吐出量を調節可能に構成されている。油路板32における第一HST10部分には一対のメイン回路13m・13mが形成されており、油圧ポンプ11より作動油が該メイン回路13mを介して油圧モータ12に供給される。油圧モータ12は油圧ポンプ11と同様に、油路板32に挿嵌され、その一端をハウジング31により回動自在に支持された出力軸12a、該出力軸12aが挿嵌され駆動軸11aと連動して回動するシリンダブロック12b、該シリンダブロック12bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ12eおよび該プランジャ12eに当接した可動斜板12cにより構成されている。該シリンダブロック12bは出力軸12aとともに回動する構成になっており、該シリンダブロック12bにはプランジャ12eが摺動自在に挿嵌されている。該プランジャ12eはハウジング31に固設された可動斜板12cに当接している。
【0014】
上記の構成により、駆動力が駆動軸11aに入力され、油圧ポンプ11が駆動される。該油圧ポンプ11により吐出された作動油は油路板32のメイン回路13mを介して油圧モータ12に供給される。供給された作動油により油圧モータ12が駆動され、該駆動力が出力軸12aに伝達される。
【0015】
第一HST10の出力軸12aは、ハウジング31及び油路板32を貫通しており、油路板32側端部(図2における右側端部)は、2ポンプ2モータ式HST1が搭載される車両のトランスミッションに接続され、該出力軸12aからの出力が車両の直進走行用に用いられている。また、出力軸12aの反油路板32側端部(図2における左側端部)には、一体的に回転するプーリ18が取り付けられており、該プーリ18を介して出力軸12aからの出力を外部に取り出すことができるように構成されている。即ち、出力軸12aは、PTO取り出し用の出力軸としても用いられている。このように構成することで、第一HST10から走行用の出力を得るだけでなく、刈取駆動用の出力等のPTO出力を得ることが可能となっている。
【0016】
可動斜板12cは、モータ用サーボ機構36によりその斜板角を調節可能とされ、モータ用サーボ機構36は操作部45により操作される。モータ用サーボ機構36は、ハウジング31に一体的に形成されるモータ用サーボ機構収納部31b内に収納されており、主にサーボピストン81と、該サーボピストン81の内部に配置されモータ側サーボ用スプールを有する手動斜板角度制御バルブとで構成されている。サーボピストン81は、モータ用サーボ機構収納部31b内に上下摺動自在に収納され、該サーボピストン81の側面には可動斜板12cの側部から突設したピン軸84が嵌合している。
【0017】
そして、操作部45をパイロット圧などにより操作することで、モータ用サーボ機構36が作動され、可動斜板12cが回動されることとなる。尚、油圧モータ12の可動斜板12cの斜板角が大きくなると、出力軸12aの回転数が減少し、車両が減速されることとなる。
【0018】
従って、第一HST10やPTO等にかかる負荷に応じて操作部45へ供給されるパイロット圧を変化させ、可動斜板12cの斜板角を調節する制御を行うことで、油圧モータ12からの出力を定馬力に制御して、安定した走行や作業を行うことが可能となる。
【0019】
また、パイロット圧導入口45dへ供給されるパイロット圧の変化は、多段階的、又は無段階で連続的に調節するようにしているので、車両の速度やトルクの制御をスムーズに行うことが可能となっている。尚、モータ用サーボ機構36の下端部には電磁弁38が付設されており、前記操作部45による操作とは別に、電磁弁38の作動によりサーボピストン81を上下摺動させて可動斜板12cの斜板角を調節することも可能となっている。
【0020】
一方、第二HST20を油圧ポンプ21は、駆動軸21a、該駆動軸21aが挿嵌され駆動軸21aと共に回動するシリンダブロック21b、該シリンダブロック21bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ21eおよび該プランジャ21eに当接した可動斜板21cにより構成され、可変容量式油圧ポンプに構成されている。可動斜板21cはプランジャ21eの摺動量を規制し、該油圧ポンプ21の作動油の吐出量を調節可能に構成されている。油路板32における第二HST20部分には一対のメイン回路23m・23mが形成されており、油圧ポンプ21より作動油が該メイン回路23mを介して油圧モータ22に供給される。
【0021】
油圧モータ22は油圧ポンプ21と同様に、油路板32に挿嵌され、その一端をハウジング31により回動自在に支持された出力軸22a、該出力軸22aが挿嵌され駆動軸22aと共に回動するシリンダブロック22b、該シリンダブロック22bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ22eおよび該プランジャ22eに当接した固定斜板22cにより構成されている。該シリンダブロック22bは出力軸22aとともに回動する構成になっており、該シリンダブロック22bにはプランジャ22eが摺動自在に挿嵌されている。該プランジャ22eはハウジング31に固設された可動斜板22cに当接している。
【0022】
上記の構成により、駆動力が駆動軸21aに入力され、油圧ポンプ21が駆動される。該油圧ポンプ21により吐出された作動油は油路板32のメイン回路23mを介して油圧モータ22に供給される。供給された作動油により油圧モータ22が駆動され、該駆動力が出力軸22aに伝達される。
【0023】
以上の如く構成される第一HST10及び第二HST20には、油圧ポンプ11の可動斜板11c及び油圧ポンプ21の可動斜板21cの斜板角を調節するためのポンプ用サーボ機構61が、それぞれ設けられている。ポンプ用サーボ機構61・61は、2ポンプ2モータ式HST1の左右両側部に配置されており、それぞれハウジング31と一体的に形成されているサーボ機構収納部31a・31aに収納されている。即ち、2ポンプ2モータ式HST1は、該ポンプ用サーボ機構61・61及び前記モータ用サーボ機構36とともに、一つのハウジング31にて一体構造に形成されている。
【0024】
ポンプ用サーボ機構61は、主にピストン71と、該ピストン71の内部に配置されポンプ側サーボ用スプール72を有する手動斜板角度制御バルブ63とで構成されている。ピストン71は、サーボ機構収納部31a内に上下摺動自在に収納され、該ピストン71の側面には可動斜板21cの側部から突設したピン軸23が嵌合されている。ポンプ側サーボ用スプール72は、ピストン71の軸心部分を貫通する孔内に摺動自在に嵌装されている。
【0025】
そして、前記ピストン71にはサーボ機構収納部31a内の上部と下部を連通する油路が形成され、該油路はポンプ側サーボ用スプール72の摺動により連通又は遮断されてピストン71の上下の油室に圧油を送油し、該ピストン71を上下方向に摺動できるようにしている。また、前記ポンプ側サーボ用スプール72の下部には、ポンプ側サーボ用スプール72の駆動ピンとしてのピン41が嵌合されている。該ピン41は、中立位置保持機構51を介して操作レバー50と連結連動され、該操作レバー50を回動操作することによりピン41が上下回動し、これに伴ってポンプ側サーボ用スプール72が上下移動するように構成されている。これにより、ピストン71が上下摺動し、ピン軸23を介して可動斜板11c・21cの斜板角の調整が行われる。
【0026】
また、ポンプ用サーボ機構61の上端には、電磁弁にて構成される自動斜板角制御バルブ62が付設されており、例えば、第一HST10の駆動軸21aに接続されるエンジンの負荷や足回りの負荷等の検出値に応じて該自動斜板角度制御バルブ62を切り換え、この切換方向に応じてポンプ側サーボ用スプール72を上下摺動させて、可動斜板11c・21cの斜板角を調節することも可能となっている。
【0027】
2ポンプ2モータ式HST1のハウジング31には、第二油圧ポンプ21の駆動軸21aにより回転駆動されるチャージポンプ49が付設されており、ハウジング31及び油路板32には、それぞれチャージ回路31c・32cが形成されている。また、ハウジング31の第二HST20部分の上面に形成されるフィルタ用台座31eには、フィルタ継手47を介してフィルタ48が直接装着されている。
【0028】
チャージポンプ49は、吸入口49aから作動油を吸入して吐出口49bから吐出する。吐出口49bから吐出される作動油は、ハウジング31に形成される案内路31dを通じて、ハウジング31の第二HST20部分の上面に装着されるフィルタ48へ案内される。そして、該フィルタ48を通過した後にチャージ回路31c・32cへ供給される。また、チャージポンプ49にはPTOポート49cが設けられており、該チャージポンプ49から圧送される作動油を、他の作業機の作動用に用いることが可能となっている。
【0029】
また、チャージ回路32cと、第一HST10のメイン回路13m・13m、及び第二HST20のメイン回路23m・23mとの間には、それぞれニュートラル・チェック・リリーフバルブ35が介装されている。ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35は、各メイン回路13m又は各メイン回路23mに対して設けられる一対のバルブ35a・35aにて構成されている。そして、メイン回路13m・23mの作動油が不足した場合には、チャージ回路32cから不足した側のバルブ35aを介して、メイン回路13m・23mへ作動油が補給されるように構成している。
【0030】
また、該ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35は、メイン回路13m・23mの圧力が一定値よりも大きくなると、大きくなった側のバルブ35aが開弁して、作動油をチャージ回路32cへ逃がすように構成されている。さらに、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35は、前記油圧ポンプ11・21の可動斜板11c・21cが中立位置付近に位置している際に、第一・第二HST10・20を中立状態に保つように構成されている。即ち、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35は、チェックバルブの機能を有するバルブにリリーフバルブの機能とニュートラルバルブの機能とを有したバルブ構造を一体的に加えたバルブである。
【0031】
さらに、チャージ回路32cにはチャージリリーフバルブ39(図3図示)が設けられており、チャージ回路32c内の圧力が所定圧を超えるとチャージリリーフバルブ39が開弁して、チャージ回路32c内の作動油をハウジング31内へ逃がすように構成している。
【0032】
以下に、チェックアンドリリーフバルブ35について詳しく説明する。図5に示すニュートラル・チェック・リリーフバルブ35は、一対のバルブ35a・35aにより構成されている。バルブ35aは、バルブボディ52、リリーフバネ54、バルブボディ52に摺動自在に嵌装されるスプール55、支持ピース59、フィードバックピン58、及びチェックバネ57により構成されている。油路板32の左右内側に配置されるバルブ35aは油路板32に形成されるバルブ孔32hの奥側に直接挿入され、外側に配置されるバルブ35aは各構成部材をカートリッジケース98内に一体的に組み込んだ状態でバルブ穴32hに挿入されている。
【0033】
内側に配置されるバルブ35aは、バルブ穴32hに摺動自在に挿入したバルブボディ52内にスプール55を摺動自在に嵌装している。バルブ穴32hにおけるバルブボディ52より奥側には支持ピース59が配置され、該支持ピース59とバルブボディ52とは一体的に螺合している。支持ピース59にはバルブ穴32h方向に摺動自在にフィードバックピン58が嵌装されている。バルブボディ52内部のバネ室92にはリリーフバネ54が設けられ、スプール55を支持ピース59側へ付勢している。また、バルブボディ52及び支持ピース59は、チェックバネ57により外側方向へ付勢されており、該バルブボディ52のバルブ部52dが後述するカートリッジ98の先端部98cに形成されるシート部98aに当接している。
【0034】
一方、外側に配置されるバルブ35aは、前述の内側のバルブ35aと同様の構成のものをカートリッジ98に一体的に組み込んで構成している。但し、外側のバルブ35aにおけるバルブボディ52及び支持ピース59は、チェックバネ57により内側へ付勢され、バルブボディ52のバルブ部52dがカートリッジ98に形成されるシート部98bに当接している。カートリッジ98の先端部98cは、内側のバルブ35aと内側のバルブ35aとの間に配置されており、その内部は連通路98dを通じてチャージ回路32cと連通している。また、チェックバネ57が嵌装される支持ピース59の外周には固定溝59aが形成され、該固定溝59aにチェックバネ57を嵌め込んで、該チェックバネ57が支持ピース59から容易に脱落しないようにしている。
【0035】
そして、内側のバルブ35aにおいては、通常時はバルブボディ52のバルブ部52dがシート部98aに当接してチャージ回路32cとメイン回路13m・23mとが分断されているが、該メイン回路13m・23m内の作動油の不足が生じて圧力が低下すると、チャージ回路32cの圧力によりバルブボディ52がチェックバネ57の付勢力に抗してバルブ穴32hの奥側へ移動され、バルブ部52dがシート部98aから離間して、連通路98dを通じてチャージ回路32cとメイン回路13m・23mとが連通する。これにより、作動油がバルブボディ52外部からバルブ35a内に流入し、スプール55のオリフィス55aからバネ室92側へ流出する。尚、バルブ部52dが開いた際には、カートリッジ98の先端部98c内とメイン回路13m・23mとは、バルブボディ52のバルブ部52dに形成される切欠部52fにより連通される。
【0036】
同様に、外側のバルブ35aにおいては、通常時はバルブボディ52がシート部98bに当接してチャージ回路32cとメイン回路13m・23mとが分断されているが、該メイン回路13m・23m内の作動油の不足が生じて圧力が低下すると、チャージ回路32cの圧力によりバルブボディ52がチェックバネ57の付勢力に抗してバルブ穴32hの外側方向へ移動され、バルブ部52dがシート部98bから離間して、連通路98d及び連通孔98eを通じてチャージ回路32cとメイン回路13m・23mとが連通する。これにより、作動油がバルブボディ52外部からバルブ35a内に流入し、スプール55のオリフィス55aからバネ室92側へ流出する。尚、バルブ部52dより外側方向におけるバルブボディ52とカートリッジ98との間の空間と、メイン回路13m・23mとは、連通孔98e及び切欠部52fを通じて連通している。ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35の各バルブ35a・35aは、このようにチェックバルブとしての機能を有する。
【0037】
また、各バルブ35a・35aは、次のように、油圧ポンプ11・21の可動斜板11c・21cが中立位置近傍に位置している際に第一・第二HST10・20を中立状態に保持するためのニュートラルバルブの機能、及びメイン回路13m・23m内の圧力が所定圧を超えると、超えた分の圧力をチャージ回路32cへ開放するリリーフバルブの機能も有している。
【0038】
つまり、図6に示すように、バルブ35aにかかるメイン回路13m・23mからの圧力がゼロから圧力P1に至るまでの範囲、即ち油圧ポンプ11・21の可動斜板11c・21cが中立位置付近にあるときには、作動油がメイン回路13m・23mからチャージ回路32cへ向って若干量流れるため油圧モータ12・22が回転せず、第一・第二HST10・20の中立状態が保持される。この圧力ゼロから圧力P1までの範囲では、バルブ35aはニュートラルバルブとして作用している。
【0039】
圧力P1から圧力P4までの範囲では、メイン回路13m・23mとチャージ回路32cとは完全に分断されて流量はゼロである。そして、圧力がP4を超えると、メイン回路13m・23mとチャージ回路32cとが連通して、メイン回路13m・23mからチャージ回路32cへ向って作動油がリリーフするように構成されている。この圧力がP4を超えたときには、バルブ35aはリリーフバルブとして作用する。
【0040】
具体的に説明すると、図7(a)に示すように、バルブ35aにおいては、圧力がゼロに近い状態では、スプール55がリリーフバルブ54の付勢力により支持ピース59に当接している。この状態では、バルブボディ52に形成されるニュートラル用孔52bとスプール55に形成されるオリフィス55aとが連通しており、該ニュートラル用孔52b及びオリフィス55aにより、メイン回路13m・23mと連通しているバルブボディ52の外周部と、バネ室92内とが連通されている。バネ室92内とチャージ回路32cとは、バルブボディ52に形成される連通孔52aにより連通しているので、メイン回路13m・23m内の作動油がニュートラル用孔52b、オリフィス55a、バネ室92、及び連通孔52aを通じてチャージ回路32cへ流れ出す。
【0041】
オリフィス55aを通じてチャージ回路32cへ流れ出す作動油はオリフィス55aにて絞られているため、スプール55の一側に位置するバネ室92内の圧力と、案内路55gを通じてニュートラル用孔52bと連通するスプール55の他側との間に差圧が生じる。即ち、スプール55の一側のバネ室92内の圧力の方が低くなるため、該スプール55にバネ室92側(リリーフバネ54の付勢力に抗する方向)への力が働く。そして、圧力ゼロに近い状態からメイン回路13m・23m内の圧力が上昇すると作動油の流量が増加し、スプール55に働く差圧による力が大きくなって、スプール55がバネ室92側へ摺動するようになる。
【0042】
また、メイン回路13m・23m内の圧力はフィードバックピン58の後端(図7における右側)にかかっており、該フィードバックピン58がスプール55をリリーフバネ54の付勢力に抗してチャージ回路32c側(図7における左側)へ押圧する。この差圧による力とフィードバックピン58の押圧力とによって、スプール55がバネ室92側(左方)へ摺動し、差圧による力及びフィードバックピン58の押圧力とリリーフバネ54の付勢力とが釣り合った箇所で停止する。その後、図7(b)に示すように、圧力がP1に達すると、ニュートラル用孔52bとオリフィス55aとが分断される位置までスプール55が摺動し、メイン回路13m・23mからチャージ回路32cへの作動油の流れが途絶える。
【0043】
このように、ニュートラル用孔52bとオリフィス55aとが連通する状態が圧力ゼロから圧力P1に達するまでの低圧領域の間継続し、この範囲では、油圧ポンプ11・21の可動斜板11c。21cが中立位置から若干ずれていたとしても第一・第二HST10・20は中立状態を保持することが可能となっている。
【0044】
また、フィードバックピン58がなく、前述の差圧のみでスプール55が摺動するように構成していれば、圧力が上昇していっても、バルブの流量は一定に保持される。しかし、本バルブ35aは差圧に加えてフィードバックピン58による押圧力によってスプール55を摺動させるようにしているので、圧力がP1に達すると、ニュートラル用孔52bとオリフィス55aとが分断される位置までスプール55が摺動することとなっている。即ち、バルブ35aは、定流量バルブにフィードバックピン58を加えて構成したものである。このように構成することで、一般的に存在する定流量バルブの機構を用いて(定流量バルブにフィードバックピン58を加えた簡単な構成で)、ニュートラルバルブ、チェックバルブ、及びリリーフバルブの機能を備えたバルブ35aを構成することが可能となっている。
【0045】
尚、図9に示すように、高圧流体を制御するバルブ35aにおける、定流量バルブにフィードバックピン58を加えた簡単な構成は、スプールとフィードバック用のピンとを一体的に構成した、制御圧力を受けるピン部55pを有した段付きスプール55により実現することも可能である。これらのピン部55pや前記フィードバックピン58の断面積は、スプール55の断面積よりも小さく形成されているため、該ピン部55pやフィードバックピン58にかかる圧力が高圧であっても、低コストで精度の高い圧力フィードバックを行うことが可能となる。
【0046】
また、図10に示すように、スプール55の流出部55eに前記オリフィス55aを形成しない場合は、低圧域において図6の2点鎖線で示す如く、流量が大きく圧力上昇時の流量の立下り度合いも大きくなる。即ち、本案のバルブ35aのようにオリフィス55aを形成してこれにより生ずる差圧をフィードバックすることで、形成しない場合に比べて無駄な流量の消費を抑え、圧力上昇によって閉じる際のショックを減少することができ、中立位置近傍で開く際の消費流量のばらつきを少なくすることが可能となっている。
【0047】
圧力P1から圧力が上昇すると、スプール55はさらに左方へ摺動するが、図7(c)に示すように圧力P2となっても、さらに図8(a)のように圧力P3となっても、ニュートラル用孔52bとオリフィス55aとは分断されている。従って、圧力P1から圧力P4までの間の中圧領域では、メイン回路13m・23mからチャージ回路32cへの作動油の流れがない状態が継続する。
【0048】
そして、図8(b)に示すように、圧力が上昇して圧力P4に達すると、バルブボディ52に形成されるリリーフ用孔52cとスプール55に形成されるリリーフ口55bとが連通するようになり、メイン回路13m・23mとバネ室92とが連通し、メイン回路13m・23m内の作動油がチャージ回路32Cへリリーフされる。図8(b)に示す圧力P4から図8(c)に示す圧力p5までの高圧領域では、圧力が増すにつれてリリーフ用孔52cとリリーフ口55bとの連通面積が増加し、作動油の流量も連通面積に応じて増える。
【0049】
リリーフ口55bの外周側には斜めに切り欠いてテーパー形状としたテーパー部55cが形成され、リリーフ用孔52c形成部分の近傍におけるバルブボディ52の内周にはチャンバ52gが形成されている。図11に示すように、メイン回路13m・23m側からリリーフ用孔52cへ浸入してきた作動油は、リリーフ口55bのテーパー部55cによりチャンバ52gへ案内され、該チャンバ52g内で流れの方向を反転させた後に、リリーフ口55bを通じてバネ室92へ導かれる。チャンバ52gは、スプール55の摺動方向におけるリリーフ口55bに近い側の深さが浅く、リリーフ口55bから遠い側の深さが深くなる溝により構成されている。
【0050】
ここで、図12に示すように、仮にリリーフ口55bにテーパー部55cを形成せず、バルブボディ52にチャンバ52gを形成しなかった場合は、図13に示すように、圧力P4以上の範囲で十分なリリーフ流量が得られなかったり(図中U1)、クラッキング圧であるP4からオーバーシュートしたりして(図中U2)、良好なリリーフ特性が得られない。また、リリーフ用孔52cとリリーフ口55bとが連通して開く場合と、リリーフ用孔52cとリリーフ口55bとが分断されて閉じる場合とで、流量にヒステリシスが生じる(開く場合と閉じる場合とで、同じ圧力での流量が異なる)場合もある。
【0051】
このように良好なリリーフ特性が得られないのは、作動油がスプール55等に作用する流体力(フローフォース)によるものであると考えられるため、本案ではこの流体力とバルブボディ52及びスプール55の形状との関係を最適化して、即ち流体力の低減を図り良好なリリーフ特性を得るべく、前述のようにテーパー部55c及びチャンバ52gを形成している。
【0052】
以上のように、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35を構成するバルブ35aは、ニュートラルバルブの機能と、チェックバルブの機能と、リリーフバルブの機能とを一体的に構成したものであるので、従来のように、ニュートラルバルブ、チェックバルブ、及びリリーフバルブをそれぞれ設ける必要がなく、部品点数を削減してコスト低減を図ることができるとともに、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35の仕組性を向上することができる。
【0053】
また、ニュートラル・チェック・リリーフバルブ35は、その流量特性を、「圧力ゼロから圧力P1に達するまでは若干の流量があって、圧力P1から圧力P4までは流量がゼロとなり、圧力がP4を超えるとリリーフする」ように構成しているので、第一・第二HST10・20の作動域でのメイン回路13m・23m側からチャージ回路側への油漏れを防止しつつ、第一・第二HST10・20の中立範囲(圧力ゼロから圧力P1までの範囲)を確保することが可能となっている。
【0054】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1に記載の如く、油圧式無段変速機を構成する油路板に、油圧ポンプと油圧モータを結ぶ一対のメイン回路とチャージ回路とを形成し、該チャージ回路と各メイン回路との間に、チェックバルブとリリーフバルブとの両方の機能を有し、かつニュートラルバルブの機能も有するチェックアンドリリーフバルブ(35)を構成し、該チェックアンドリリーフバルブ(35)は、低圧時はニュートラルバルブとして、高圧時はリリーフバルブとして作用するバルブ(35a)を具備した油圧機器のバルブ構造において、該バルブ(35a)は、流体がバルブボディ(52)外部から流入し、スプール(55)から流出するバルブとし、前記バルブボディ(52)と、バルブボディ(52)に摺動自在に嵌装されるスプール(55)と、該スプール(55)を一方向へ付勢するバネ部材であるリリーフバネ(54)とを備え、制御圧力をリリーフバネ(54)の反付勢方向へ作用する力として、該スプール(55)にフィードバックし、低圧時及び高圧時には開状態となって、中圧時には閉状態となるように構成し、該スプール(55)の流体流出部にはオリフィス(55a)を形成し、該オリフィス(55a)の下流側と上流側とに生じた差圧を、該スプール(55)の摺動方向一側へ導き、前記スプール(55)への制御圧力のフィードバックは、該スプール(55)の断面積全体よりも小さい面積に制御圧力を掛けることにより行ない、前記バルブボディ(52)のニュートラル用孔(52b)と、該スプール(55)のオリフィス(55a)とが連通する状態を継続する、圧力ゼロから圧力(P1)に達するまでの低圧領域の範囲、即ち油圧ポンプの可動斜板が中立位置付近にあるときには、作動油がメイン回路からチャージ回路へ向って若干量流れるため油圧モータが回転せず、油圧式無段変速機の中立状態を保持し、該バルブ(35a)はニュートラルバルブとして作用し、該バルブボディ(52)に形成されるリリーフ用孔(52c)と、該スプール (55)に形成されるリリーフ口(55b)とが連通するまで摺動し、メイン回路内の作動油がチャージ回路へ流出を開始するリリーフ圧力(P1からP4)までの範囲では、メイン回路とチャージ回路とは完全に分断されて流量はゼロとし、圧力が該リリーフ圧力(P4)を超えると、メイン回路とチャージ回路とが連通して、該圧力がリリーフ圧力(P4)を超えたときには、バルブ(35a)はリリーフバルブとして作用するので、制御圧力をバネ部材の反付勢方向へ作用する力としてスプールにフィードバックし、低圧時及び高圧時には開状態となって、中圧時には閉状態となり、低圧時はニュートラルバルブとして、高圧時はリリーフバルブとして作用し、HSTの作動域でのメイン回路側からチャージ回路側への油漏れを防止しつつ、HSTの中立範囲(圧力ゼロから第一圧力までの範囲)を確保することが可能となる。
【0055】
更に、前記スプールへの制御圧力のフィードバックは、該スプールの断面積全体よりも小さい面積に制御圧力をかけることで行うので、かかる圧力が高圧であっても、低コストで精度の高い圧力フィードバックを行うことが可能となる。
また、使用する圧力により、圧力を受ける部分であるフィードバックピンとスプールとを別体に形成したものと一体に形成したものといったように使い分けることが可能である。
【0056】
更に、前記バルブは、流体がバルブボディ外部から流入し、スプールから流出するバルブであって、スプールの流体流出部にはオリフィスが形成され、該オリフィスの下流側と上流側とに生じた差圧をスプールの摺動方向一側へ導いたので、形成しない場合に比べて無駄な流量の消費を抑え、圧力上昇によって閉じる際のショックを減少することができ、中立位置近傍で開く際の消費流量のばらつきを少なくすることが可能となる。
【0057】
更に、バルブ構造を、油圧機器のチェックアンドリリーフバルブ内に一体的に設けたので、ニュートラルバルブ、チェックバルブ、及びリリーフバルブをそれぞれ別に設ける必要がなく、部品点数を削減してコスト低減を図ることができるとともに、ニュートラル・チェック・リリーフバルブの仕組性を向上することができる。
【0058】
請求項2に記載の如く、請求項1記載の油圧機器のバルブ構造において、前記スプール(55)のリリーフ口(55b)の外周側に、斜めに切り欠いてテーパー形状としたテーパー部(55c)を形成し、リリーフ用孔(52c)形成部分の近傍のバルブボディ(52)の内周に、チャンバ(52g)を形成し、該チャンバ(52g)は、スプール(55)の摺動方向におけるリリーフ口(55b)に近い側の深さが浅く、リリーフ口(55b)から遠い側の深さが深くなる溝により構成し、前記メイン回路側から前記バルブボディ(52)のリリーフ用孔(52c)へ浸入してきた作動油は、リリーフ口(55b)のテーパー部(55c)によりチャンバ(52g)へ案内され、該チャンバ(52g)内で流れの方向を反転させた後に、リリーフ口(55b)を通じてバネ室(92)へ導かれるように構成したので、流体力(フローフォース)の低減を図って、良好なリリーフ特性を得ることができる。
仮にリリーフ口55bにテーパー部55cを形成せず、バルブボディ52にチャンバ52gを形成しなかった場合は、図13に示すように、圧力P4以上の範囲で十分なリリーフ流量が得られなかったり(図中U1)、クラッキング圧であるP4からオーバーシュートしたりして(図中U2)、良好なリリーフ特性が得られないのである。
また、リリーフ用孔52cとリリーフ口55bとが連通して開く場合と、リリーフ用孔52cとリリーフ口55bとが分断されて閉じる場合とで、流量にヒステリシスが生じる(開く場合と閉じる場合とで、同じ圧力での流量が異なる)場合もあるのである。
このように良好なリリーフ特性が得られないのは、作動油がスプール55等に作用する流体力(フローフォース)によるものであると考えられるため、本案ではこの流体力とバルブボディ52及びスプール55の形状との関係を最適化して、即ち流体力の低減を図り 良好なリリーフ特性を得るべく、前述のようにテーパー部55c及びチャンバ52gを形成しているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のニュートラル・チェック・リリーフバルブが設けられる油圧式無段変速機の一実施例である2ポンプ2モータ式HSTを示す正面断面図である。
【図2】 2ポンプ2モータ式HSTの第一HSTを示す側面断面図である。
【図3】 2ポンプ2モータ式HSTの第二HSTを示す側面断面図である。
【図4】 油路板を示す正面断面図である。
【図5】 ニュートラル・チェック・リリーフバルブを示す側面断面図である。
【図6】 ニュートラル・チェック・リリーフバルブの流量特性を示す図である。
【図7】 圧力ゼロから圧力P2までの間のバルブの動きを示す図である。
【図8】 圧力P3から圧力P5までの間のバルブの動きを示す図である。
【図9】 バルブの第二の実施例を示す側面断面図である。
【図10】 バルブの第三の実施例を示す側面断面図である。
【図11】 バルブボディに形成されたチャンバ及びリリーフ用孔とスプールのリリーフ口との部分を示す側面断面図である。
【図12】 バルブボディにチャンバを形成しなかった場合のリリーフ用孔とリリーフ口との部分を示す側面断面図である。
【図13】 チャンバを形成しなかった場合のバルブの流量特性を示す図である。
【符号の説明】
1 2ポンプ2モータ式HST
10 第一HST
20 第二HST
13m・23m メイン回路
32 油路板
32c チャージ回路
35 チェックアンドリリーフバルブ
35a バルブ
52 バルブボディ
52b ニュートラル用孔
52c リリーフ用孔
52g チャンバ
55 スプール
55a オリフィス
55b リリーフ口
55c テーパー部

Claims (2)

  1. 油圧式無段変速機を構成する油路板に、油圧ポンプと油圧モータを結ぶ一対のメイン回路とチャージ回路とを形成し、該チャージ回路と各メイン回路との間に、チェックバルブとリリーフバルブとの両方の機能を有し、かつニュートラルバルブの機能も有するチェックアンドリリーフバルブ(35)を構成し、該チェックアンドリリーフバルブ(35)は、低圧時はニュートラルバルブとして、高圧時はリリーフバルブとして作用するバルブ(35a)を具備した油圧機器のバルブ構造において、該バルブ(35a)は、流体がバルブボディ(52)外部から流入し、スプール(55)から流出するバルブとし、前記バルブボディ(52)と、バルブボディ(52)に摺動自在に嵌装されるスプール(55)と、該スプール(55)を一方向へ付勢するバネ部材であるリリーフバネ(54)とを備え、制御圧力をリリーフバネ(54)の反付勢方向へ作用する力として、該スプール(55)にフィードバックし、低圧時及び高圧時には開状態となって、中圧時には閉状態となるように構成し、該スプール(55)の流体流出部にはオリフィス(55a)を形成し、該オリフィス(55a)の下流側と上流側とに生じた差圧を、該スプール(55)の摺動方向一側へ導き、前記スプール(55)への制御圧力のフィードバックは、該スプール(55)の断面積全体よりも小さい面積に制御圧力を掛けることにより行ない、前記バルブボディ(52)のニュートラル用孔(52b)と、該スプール(55)のオリフィス(55a)とが連通する状態を継続する、圧力ゼロから圧力(P1)に達するまでの低圧領域の範囲、即ち油圧ポンプの可動斜板が中立位置付近にあるときには、作動油がメイン回路からチャージ回路へ向って若干量流れるため油圧モータが回転せず、油圧式無段変速機の中立状態を保持し、該バルブ(35a)はニュートラルバルブとして作用し、該バルブボディ(52)に形成されるリリーフ用孔(52c)と、該スプール(55)に形成されるリリーフ口(55b)とが連通するまで摺動し、メイン回路内の作動油がチャージ回路へ流出を開始するリリーフ圧力(P1からP4)までの範囲では、メイン回路とチャージ回路とは完全に分断されて流量はゼロとし、圧力が該リリーフ圧力(P4)を超えると、メイン回路とチャージ回路とが連通して、該圧力がリリーフ圧力(P4)を超えたときには、バルブ(35a)はリリーフバルブとして作用することを特徴とする油圧機器のバルブ構造。
  2. 請求項1記載の油圧機器のバルブ構造において、前記スプール(55)のリリーフ口(55b)の外周側に、斜めに切り欠いてテーパー形状としたテーパー部(55c)を形成し、リリーフ用孔(52c)形成部分の近傍のバルブボディ(52)の内周に、チャンバ(52g)を形成し、該チャンバ(52g)は、スプール(55)の摺動方向におけるリリーフ口(55b)に近い側の深さが浅く、リリーフ口(55b)から遠い側の深さが深くなる溝により構成し、前記メイン回路側から前記バルブボディ(52)のリリーフ用孔(52c)へ浸入してきた作動油は、リリーフ口(55b)のテーパー部(55c)によりチャンバ(52g)へ案内され、該チャンバ(52g)内で流れの方向を反転させた後に、リリーフ口(55b)を通じてバネ室(92)へ導かれるように構成したことを特徴とする油圧機器のバルブ構造。
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