JP4124407B2 - 二値化装置 - Google Patents

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    • G11B20/10Digital recording or reproducing
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/005Reproducing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気記録媒体,光記録媒体,光磁気記録媒体等の各種記録媒体に記録されたデジタル信号を読み出して得られる再生信号(HF信号)を元のデジタル信号の2値化データに復元するオートスライス回路等の二値化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CDやDVD系の光記録媒体の再生装置では、記録媒体の再生信号から元のデータを判断させるため、二値化装置が用いられている。
図34は、従来の二値化装置の一例であるオートスライス回路の構成を示す図である。
このオートスライス回路では、二値化部10によって入力信号を二値化するが、二値化部10での二値化信号に基づいてスライスレベル設定部11がスライスレベル信号を設定し、そのスライスレベル信号を二値化部10へ帰還するように構成されている。
そして、二値化部10では、その帰還されたスライスレベル信号と入力信号の大小を比較して入力信号の二値化処理を行っている。
【0003】
以下、従来のオートスライス回路についてさらに詳しく説明する。
図35は、図34に示した従来のオートスライス回路のスライスレベル設定部11の内部構成の一例を示す回路図である。
スライスレベル設定部11は、積分部12と減算部13とからなり、二値化部10に入力信号を入力し、その出力を積分部12に入力している。そして、減算部13によって、DCオフセット信号と積分部12の出力信号との減算を行って、スライスレベル信号として二値化部10に帰還する構成である。
【0004】
次に、図35に示した従来のオートスライス回路の動作についてさらに詳しく説明する。
図36は、図35のオートスライス回路の各部における入力信号又は出力信号の波形を示す波形図である。
図36の(a)は二値化部10に入力する入力信号の波形図、図36の(b)は二値化部10が出力する二値化信号の波形図、図36の(c)は積分部12が出力する積分信号の波形図、図36の(d)は減算部13が出力するスライスレベル信号の波形図、図36の(e)は二値化部10に入力する入力信号及びスライスレベル信号の波形図である。
【0005】
二値化部10に、図36の(a)に示すような波形の任意の入力信号を入力し、初期時に二値化部10のスライスレベル信号を0(V)と仮定すると、二値化部10は入力信号と0(V)のスライスレベル信号とを比較し、入力信号>0(V)の時に出力電圧を0(V)に、入力信号<0(V)の時に出力電圧をVR(例えば+5(V))にそれぞれする二値化信号を出力する(図36の(b)を参照)。
なお、記録媒体からは、記録部(マーク部)は未記録部(スペース部)に対して電圧が低下するような信号が得られ、この信号の極性を反転させた信号をオートスライス回路の入力信号にする場合を仮定すると、図36の(a)に示した入力信号のスライスレベル信号(スライスレベル=0(V)と仮定した場合)に基づく判定では、スペース長<マーク長になる。
【0006】
図36の(b)に示した波形の二値化信号を積分部12によって平均化すると、積分信号として図36の(c)に示すような電圧V1の積分信号が得られる。そして、減算部13で上記電圧V1になった積分信号と二値化信号のハイレベル電圧VR(ここでは5(V)と仮定)を1/2にしたDCオフセット信号との減算を行い(一般式として、DCオフセット信号は、ローレベル電圧+((ハイレベル電圧)−(ローレベル電圧))/2で表すことができる)、図36の(d)に示すようなV0=VR/2−V1なるスライスレベル信号が得られる。
【0007】
このV0=VR/2−V1なるスライスレベル信号を、二値化部10に帰還し、二値化部10は入力信号とV0を比較し、入力信号>V0の時に0(V)となる二値化信号を出力し、また、入力信号<V0の時に+5(V)となる二値化信号を出力する。
このような帰還動作によって、図36の(e)に示すように、入力信号に対して常にスペース長=マーク長となるようにスライスレベル信号を設定して、記録媒体の再生信号から元のデータを判断する、すなわち、再生信号を二値化するものである。
【0008】
ところで、光ディスクのような光記録媒体に情報を記録する場合、実際の信号を記録する前に試し書きを行い、その試し書き部分の信号品質を調べて、記録するレーザ光の強度の最適値を得るというキャリブレーションという動作を行うのが一般的である。
CD系やDVD系の記録可能な光記録媒体では、この試し書きを行う領域をディスク最内周に設け、これをパワーキャリブレーション領域(Power Calibration Area:PCA)と呼び、一連の動作を最適記録パワー設定処理(Optimum Power Control:OPC)と呼んでいる。
【0009】
一例としてOPCは以下のように行う。
まず、PCAにレーザ光強度を数段階、あるいは連続的に変化させてテスト信号を記録する。
次に、その記録部分を再生して、そのHF信号品質から最適に記録が行われた部分の位置を求め、その位置にテスト信号を記録したレーザ光強度をレーザ光強度の最適値にする。
上記再生HF信号の品質チェックは、HF信号の対称性(アシンメトリ)を検出して行う。
【0010】
図37は、各種記録パワーで記録されたテスト用信号を再生してアシンメトリとそのアシンメトリから最適記録パワーとを求める従来の回路構成を示すブロック図である。
図38は、図37のハイパスフィルタ20の出力信号の波形図である。
光ディスクには、予めテスト記録信号が、記録パワーを順次変化させて記録されている。
このテスト用記録信号の記録部分に再生光を照射し、その反射光を検出する。図37に示すように、ハイパスフィルタ20によって検出した反射光からの受光信号として得られるHF信号の直流分をカットする。図38に示す波形の信号が得られる。
【0011】
トップピーク検出回路21とボトムピーク検出回路22は、記録パワー毎にHF信号のトップピーク(+側のピーク)Atとボトムピーク(−側のピーク)Abをアナログ処理によって検出する。
アシンメトリ演算回路23は、β=(At+Ab)/(At−Ab)の演算式に基づく処理によって記録パワー毎のアシンメトリβを演算する(但しAtとAbは符号を含めた値である)。
判定回路24は、上記求められたアシンメトリβの中から最適とされるアシンメトリに最も近いアシンメトリが得られる記録パワーを選び出し、これを最適記録パワー値として決定する。
この決定された最適記録パワー値を用いて実記録を行うことにより、良好な再生信号品質を得ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにして、OPCを実施することによって、記録媒体に最適な記録パワー値を見つけ出すわけであるが、テスト記録で選択される記録パワー値のきざみ幅は、一般的に0.5〜1.0(mw)でラフに行われること、実記録時には記録パワー変動や波長変動が起こること、記録位置によって記録感度や特性が異なること、さらには、記録するストラテジの選択などによって、最適な記録が行われることが必ず保証されているわけではない。
つまり、一般的にOPCを実施しても最適な記録は実現できず、記録条件として記録装置で選択できる範囲で良好なものが選択されるにすぎない。
【0013】
特にマーク長記録された記録媒体の場合、記録パワー値によるジッタあるいはエラー率の変化は急激であり、記録パワー値が最適記録パワー値から少しずれるとジッタあるいはエラー率が規格外になる(「記録パワーマージンが狭い」と表現する)という問題があった。
そこで、記録装置での記録条件選択を、非常に細部まで求めるような回路を設けるのが理想であるが、実際は制御するパラメータが多く、また、互いに各パラメータが強く影響を受けるので、最適記録を記録装置で自動選択させることは非常に困難である。
【0014】
また、記録媒体は、その記録媒体に記録を行った記録再生装置のみによって再生されるわけではない。
つまり、記録を行った記録再生装置では最適な記録が行われていても、再生を行う再生装置ではピックアップヘッド(PUH)の特性が、記録を行った記録再生装置のPUHと全く同一ではないため(波長,レンズのNA,リムインテンシティー,ビーム径等の違い)、その再生装置では最適な記録状態として再生される保証が全くない。
したがって、最適な記録条件で記録されていない部分であっても良好な特性で読み出せるようにすることが重要である。
【0015】
特に、再生特性としてはジッタも重要であるが、エラー率の方がより重要である。
ジッタとエラー率の記録パワー依存性が一致し、ジッタ最小となる記録パワー値では、エラー率も最小となっていると考えるのは正しくない。
なぜなら、記録パワーに対する各記録マーク長の振幅中心の変化において、全ての記録マーク長の振幅中心が、ある記録パワーで一致するわけではないからである。
従来、ジッタを最小とする記録を行うことが主眼におかれているが、ジッタが最小になる記録状態が最適な記録になることが保証されているわけではない。
【0016】
なぜなら、ジッタはあくまで中心値からのズレ量を標準偏差として表した値であるから、中心値からのズレ量が小さいデータが数多く存在する場合は、例え中心値から大きくずれてエラーになるようなデータがあった場合でも、その数がごく僅かであればジッタは非常に小さい値を示すからである。
したがって、エラー率が最小,あるいは小さいという条件が満たされなければ、ジッタが小さければ小さいほど良いということにはならない。
逆に言えば、エラー率が非常に小さければ、ジッタは大きくても構わない。
しかし、ジッタが大きいと、使用環境や記録再生装置の特性バラツキ、あるいは長期の保存によってエラー率が上昇する場合があるため、エラー率が非常に低い場合であっても、ジッタはある程度の範囲に抑制する必要がある。
【0017】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、記録装置で記録パワー値等の最適な記録条件が選択されなかった場合でも、また再生する装置から見て最適な記録が行われていない場合でも、エラー率を低くした再生が行えるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次の(1)〜(9)の二値化装置を提供するものである。
(1)記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値に基づいてハイレベル信号とローレベル信号とに二値化して出力する二値化手段と、その二値化手段から出力されたハイレベル信号の平均値を求め、その平均値に基づいて上記スライスレベル値を求めて上記二値化手段に設定するスライスレベル設定手段と、上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段を備えた二値化装置。
【0019】
(2)記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値以上と以下でそれぞれハイレベル信号とローレベル信号とに二値化し、さらに上記スライスレベル値以上と以下でそれぞれローレベル信号とハイレベル信号とに二値化してそれぞれ出力する二値化手段と、その二値化手段から出力された前者のハイレベル信号の平均値と後者のハイレベル信号の平均値とをそれぞれ求め、その両平均値の平均値を求め、その平均値に基づいて上記スライスレベル値を求めて上記二値化手段に設定するスライスレベル設定手段と、上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段を備えた二値化装置。
【0020】
(3)記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値以上と以下でそれぞれハイレベル信号とローレベル信号とに二値化し、さらに上記スライスレベル値以上と以下でそれぞれローレベル信号とハイレベル信号とに二値化してそれぞれ出力する二値化手段と、その二値化手段から出力された前者のハイレベル信号の平均値と後者のハイレベル信号の平均値とをそれぞれ求め、その両平均値から上記再生信号の状態に応じていずれか一方の平均値を選択し、その平均値に基づいて上記スライスレベル値を求めて上記二値化手段に設定するスライスレベル設定手段と、上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段を備えた二値化装置。
【0021】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの二値化装置において、上記重み付加手段を、上記ハイレベル信号を出力時間の経過につれてレベル値が減少する信号にする手段にした二値化装置。
(5)上記(1)乃至(3)のいずれかの二値化装置において、上記重み付加手段を、上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号をハイレベル時間の長さが短いものほどレベル値の高い信号にする手段にした二値化装置。
【0022】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの二値化装置において、上記スライスレベル値の変化量を、上記再生信号のうちの最短マーク長の次に短いマーク長の振幅中心値の変化量よりも大きくするようにした二値化装置。
(7)上記(1)乃至(5)のいずれかの二値化装置において、上記記録媒体に記録されたマーク長とスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が、最短マーク長と該最短マーク長の次に短いマーク長間とで交差する関係を示すようにハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加するようにした二値化装置。
(8)上記(1)乃至(5)のいずれかの二値化装置において、上記再生信号の最短マーク長の振幅中心値を検出する振幅中心値検出手段と、上記二値化手段に設定するスライスレベル値が上記振幅中心値検出手段によって検出した振幅中心値と一致するように上記スライスレベル設定手段によって求めたスライスレベル値にスライスオフセット値を付加するスライスオフセット付加手段を設けた二値化装置。
【0023】
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかの二値化装置において、上記記録媒体が、マークが記録されるトラック列を挟む2つの非記録領域に上記トラック列の中心を線対称中心として非線対称な物理的変化部が形成されている二値化装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
この実施形態のオートスライス回路では、次の2つを実現する。
▲1▼ 記録が最適な記録状態でない場合でも、また再生する装置から見て最適な記録が行われていない場合でも、すなわち、再生が行われる再生装置でジッタが良好な値を示さない場合であってもエラー率を低減して再生できるようにする。
▲2▼ 記録状態に変動がある場合(例えば記録中の記録パワーの変動や、トラックオフセットの影響,記録層の膜厚ムラ等の影響による)、その記録状態変動によるジッタやエラー率変化を少なくして再生できるようにする。
【0025】
まず、この実施形態のオートスライス回路において、上記2つの事項を実現するためのジッタ及びエラー率の記録パワー変化に対する変動(マージン)を拡大する方法を説明する。
ジッタは出現頻度が高く、スライスレベルの変動に対して振幅のダイナミックレンジが小さい(すなわち変調度が小さい)短マークに大きく影響され、ほぼ最短マークと次に短い短マークの振幅中心のズレ量で決まる。
すなわち、最短マークと次に短い短マークの振幅中心が一致する記録パワー近傍でジッタが最小になる。
【0026】
一方、エラー率は出現頻度が高く、変調度の変化が大きく、またスライスレベルの変動に対して振幅値のダイナミックレンジが小さい(すなわち変調度が小さい)最短マークとスライスレベルのズレ量で決まる。
ジッタは全てのマークの平均値に対する変動量によって決まるため、1つの記録マーク長の記録状態だけで判断することはできず、最低2つの記録マーク長の記録状態を判断する必要がある。
エラー率の場合は、中心値に対するズレ量の分布の大小はさほど問題にならず、再生誤りになるほどの二値化のズレがあるか否かで決まる(したがってジッタが最小でなくても構わない)。
すなわち、スライスレベル信号の変動に対して振幅値のダイナミックレンジが小さく、しかも記録状態の変化が大きい最短マークの状態のみによって、エラー率の良し悪しを判断することができる。
【0027】
上述した従来のオートスライス回路では、二値化部からの信号がハイレベル(High−level)とローレベル(Low−level)の完全な矩形波である場合、オートスライス回路の帰還動作によってスライスレベル信号は、いわゆる平均的なマーク長の振幅値の中心付近に常に設定される。
マーク長変調による記録の場合、平均的なマーク長は、必ず最短マーク長よりも長くなるから(例えば、DVDに使用される8−16変調の場合、平均マーク長は約5Tで、最短マーク長は3Tである)、平均マーク長に追従するスライスレベル信号では、短マークによって支配されるジッタやエラー率が、それらが最小になる記録パワー値からずれると大きく悪化することになる。
【0028】
そこで、この実施形態のオートスライス回路では、スライスレベル信号を最短マークの振幅中心に近づけると共に、最短マークの振幅変動(形成状態変動)に自動的に追従させるようにする。
つまり、単に最短マークの平均的な振幅値中心にスライスレベル信号を追従させるものではなく、スライスレベル信号を最短マークの振幅変動(振幅中心の変動)にも追従させるのである。
例えば、スライスレベル信号が、変調方式によって決まる平均的なマーク長の振幅値中心に設定される場合、スライスレベル信号にスライスオフセット信号を加えてそれを最適化することによって(スライスオフセット信号を加えて、最短マークの振幅値中心にスライスレベル信号が近づくようにする)、ジッタやエラー率を改善することができる。
【0029】
しかし、これだけではジッタやエラー率の改善効果は不十分である。
なぜなら、短マークは、非常に形成状態のバラツキが大きく、記録層膜厚のバラツキ,偏心,溝形状の変化(ウォブルやランドプレピット等の影響),トラックオフセット等の影響によって、変調度や振幅中心の変動が大きくなるため、ジッタやエラー率を低く抑えるためには、この変化にスライスレベル信号もある程度追従させる必要があるのである。
【0030】
図4〜図6は、それぞれ記録媒体に記録されるマーク長によって(記録周波数によって)変調度のバラツキが変化する様子とスライスレベル信号の変動の様子とを示した波形図である。
同各図中、上段の信号はトラッキングエラー信号を、中段の信号は二値化部に入力される入力信号(ここでは波形等化後のHF信号)を、下段の信号は二値化部へ帰還するスライスレベル信号をそれぞれ示しており、図4は記録周波数が0.9(MHz)の単一周波数の信号を、図5は記録周波数が2.2(MHz)の単一周波数の信号を、図6は記録周波数が3.2(MHz)の単一周波数の信号をそれぞれ記録した結果を示している。
【0031】
この図4〜図6に示すように、記録周波数が高まると、すなわちマーク長が短くなるほど変調度の乱れが大きくなり、変調度の変動に追従するスライスレベル信号が大きく変動することが明らかである(振幅値中心のレベルが大きく変動していることを示す結果である)。
したがって、ジッタやエラー率を低く抑えるためには、短マークの変化にスライスレベルもある程度追従させる必要がある。
【0032】
図7と図8は、それぞれ平均マークと最短マークの記録位置に対する振幅値の変化の一例を模式的に示した線図である。
図7と図8では、図4〜図6で明らかにしたように、最短マークの振幅値は記録位置による変化が大きいが、平均マークの振幅値は記録位置による変化が小さい様子を示している。
したがって、図7に示すような記録状態の場合、平均マーク長に追従したスライスレベル信号Y(ほぼ平均マーク振幅値の中心に位置する)では、最短マークを正しく判別することができない。
このスライスレベル信号Yにオフセット信号を加えてスライスレベル信号Xにすれば、最短マーク中心にスライスレベル信号を設定することができ、ジッタやエラー率を改善することができる。
【0033】
しかし、図7に示すように、最短マークはその振幅値変化が平均マークよりも大きくなるため、ジッタやエラー率の低減は不十分である。
そこで、この実施形態のオートスライス回路では、図8に示すように、スライスレベル信号を最短マークの振幅値中心に近づけると共に、最短マークの振幅値変動にも追従させる。
これによって、ジッタやエラー率を大幅に改善することができる。
【0034】
また、ジッタの記録パワー依存性は、スライスレベルで変化させることはできないが(ジッタ値の絶対値は変化しても、ジッタ最小となる記録パワーを変えることはできない。これはジッタが少なくとも2つ以上のマーク長の記録状態によって決まるためである)、エラー率は、最短マークとスライスレベル信号との関係が支配的であるから、スライスレベル信号を変えることにより、エラー率の記録パワー依存性を変える(エラー率は最短マークのみによってほぼ決まるため、エラー率最小となる記録パワーを変えることができる)。
これによって、記録が最適な記録状態でない場合でも、すなわち、ジッタが良好な値を示さない場合であっても、エラー率を低減して再生することができる。
【0035】
すなわち、次の▲1▼と▲2▼に基づいて、ジッタやエラー率の増加を抑制するためには、スライスレベル信号を短マーク、特に最短マークの振幅中心に近づけることが重要であるとともに、スライスレベル信号を短マーク、特に最短マークの振幅変動に追従させる必要がある。
▲1▼ ジッタやエラー率は、より発生頻度が高く、かつ振幅の小さい短マーク、特に最短マークによって支配される。
▲2▼ 短マークは、記録する領域やその近傍の領域状態に大きく左右されるため、形成状態(例えば振幅)の変動が大きくなりやすい。
【0036】
次に、この発明の実施形態である上述した最短マークの変動にスライスレベル信号を追従させる機能を備えたオートスライス回路について説明する。
図1は、この発明の二値化装置の一実施形態であるオートスライス回路の構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示したスライスレベル設定部2の内部構成を示すブロック図である。
【0037】
(1)この発明の請求項1に係わるオートスライス回路
図1に示したオートスライス回路において、二値化部1が記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値に基づいてハイレベル信号とローレベル信号とに二値化して出力する二値化手段の機能を備え、スライスレベル設定部2が二値化部1から出力されたハイレベル信号の平均値を求め、その平均値に基づいて上記スライスレベル値を求めて二値化部1に設定するスライスレベル設定手段の機能を備えている点は従来のオートスライス回路と同様であるが、この発明の請求項1に係わるオートスライス回路として、上記二値化部1あるいは上記スライスレベル設定部2に上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段の機能を設けた点が異なる。
【0038】
このオートスライス回路は、二値化部1が上記重み付加手段の機能を果たすようにした場合、光ディスク(記録媒体)にマーク長で記録されたデータ(情報)の再生信号のレベルがスライスレベル信号よりも高いときにはローレベル信号を、低いときにはハイレベル信号をそれぞれ出力し(二値化部1は、再生信号のレベルが、スライスレベル信号よりも高いときにはハイレベル信号を、低いときにはローレベル信号をそれぞれ出力するようにしてもよい)、ハイレベル信号の出力時間の経過につれてハイレベル値が減少する信号にして出力する。
あるいは、スライスレベル設定部2が上記重み付加手段の機能を果たすようにした場合、二値化部1から出力されたハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加した信号にする。
したがって、ハイレベル信号の出力時間の長い長マーク、あるいは長スペースは、ハイレベル信号の出力電圧が低下するため、スライスレベル信号を決定するための平均値における短マークの影響を大きくすることができるのである。
【0039】
上記ハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段は、二値化部1あるいはスライスレベル設定部2に設けることが可能である。
また、上記ハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段としては、二値化部1がハイレベル時間の短い信号ほどハイレベル電圧値の高い信号を出力する方法、二値化部1がハイレベル信号の出力時間の経過につれてハイレベル値が減少するような信号を出力する方法、二値化部1は従来通りのハイレベル値が一定な矩形波を出力するが、スライスレベル設定部2においてハイレベル時間の短い信号に所定の係数を付加して演算(演算による平均化)する方法、二値化部1は従来通りのハイレベル値が一定な矩形波を出力するが、スライスレベル設定部2における電気的処理によってハイレベル時間の短い信号ほどハイレベル電圧値を高める方法、あるいは二値化部1は従来通りのハイレベル値が一定な矩形波を出力するが、スライスレベル設定部2における電気的処理によってハイレベル信号の出力時間の経過につれてハイレベル値が減少するようにする方法等を用いることが可能である。
【0040】
したがって、スライスレベル信号を最短マークの振幅値中心に近づけると共に、最短マークの振幅変動に自動的に追従させるために、二値化部1から出力するハイレベル信号の平均化を行う過程において、ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重みをつけて平均化することができる。
つまり、ハイレベル時間が短いハイレベル信号ほど、スライスレベル信号を決める平均値に寄与する割合を高めることによって、スライスレベル信号はハイレベル時間が短いハイレベル信号を発生させる短マーク、あるいは短スペースの変動に追従させることが可能になる。
【0041】
このようにして、スライスレベル信号をハイレベル時間の短い二値化信号、すなわち短マークまたは短スペースの変動に自動的に追従するようにしたので、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
つまり、ジッタやエラー率を低減し、また記録装置で記録パワー等の最適な記録条件が選択されなかった場合でも、また再生する装置から見て最適な記録が行われていない場合でも、エラー率を低くした再生が行える。
【0042】
(2)この発明の請求項2に係わるオートスライス回路
次に、上述したこの発明の請求項1に係わるオートスライス回路では、スライスレベル信号を決めるためにハイレベル信号の平均化を行ったが、これは記録マークかスペースかどちらか一方の状態からスライスレベル信号を決めるものである。
しかし、マーク長記録の場合、短い時間の間ではDCフリーな信号にはならず、例えば、短マークと長スペースの組み合わせの信号、あるいはその逆で短スペースと長マークの組み合わせの信号が出現する可能性がある。
この場合、マーク長記録された記録媒体からの再生信号とスライスレベル信号とを二値化部1で比較し、スペース部に対してハイレベル信号を出力する構成とするか、マーク部に対してハイレベル信号を出力する構成とするかで、スライスレベル信号の値と記録状態変化に対するスライスレベル信号の追従性が変わる可能性がある。
【0043】
そこで、この発明の請求項2に係わるオートスライス回路では、図1に示した二値化部1が記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値以上と以下でそれぞれハイレベル信号とローレベル信号とに二値化し、さらに上記スライスレベル値以上と以下でそれぞれローレベル信号とハイレベル信号とに二値化してそれぞれ出力する二値化手段の機能を果たし、スライスレベル設定部2が二値化部1から出力された前者のハイレベル信号の平均値と後者のハイレベル信号の平均値とをそれぞれ求め、その両平均値の平均値を求め、その平均値に基づいて上記スライスレベル値を求めて二値化部1に設定するスライスレベル設定手段の機能を果たし、上記二値化部1あるいは上記スライスレベル設定部2が上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段の機能を果たすようにしている。
【0044】
このオートスライス回路は、二値化部1がスライスレベル信号に対するハイレベル信号とローレベル信号の関係を逆転させた信号とを切り換えて出力する。
すなわち、マ−ク長記録された記録媒体からの再生信号のスペース部に対してハイレベル信号を出力する信号と、マーク長記録された記録媒体からの再生信号のマーク部に対してハイレベル信号を出力する信号を出力する。
このように、スライスレベル信号の追従性の信頼性を高めるため、スペース部に対してハイレベル信号を出力する構成と、マーク部に対してハイレベル信号を出力する構成の両方を設け、それぞれから得られるハイレベル信号の平均値をさらに平均化した値をスライスレベル信号を決定するための平均値としたのである。
【0045】
上記「スライスレベル信号に対するハイレベル信号とローレベル信号の関係を逆転させた信号」は、入力信号の極性を反転させるとよい。また、図1に示した二値化部1において極性を変えることにより、スライスレベル信号に対して入力信号が大きい場合にハイレベル信号を出力するか、あるいはスライスレベル信号に対して入力信号が小さい場合にハイレベル信号を出力するかを切り換えるとよい。あるいは、図2に示すような構成の場合、減算部4で極性を変えるようにしても良い。すなわち、スライスレベル信号を(DCオフセット信号)−(積分信号)の結果を反映させるか、(積分信号)−(DCオフセット信号)の結果を反映させるかを変えることで得ることができる。
このようにして、スライスレベル信号をハイレベル時間の短い二値化信号、すなわち短マークと短スペースの変動に自動的に追従するようにしたので、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0046】
(3)この発明の請求項3に係わるオートスライス回路
また、この発明の請求項3に係わるオートスライス回路では、図1に示した二値化部1が記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値以上と以下でそれぞれハイレベル信号とローレベル信号とに二値化し、さらに上記スライスレベル値以上と以下でそれぞれローレベル信号とハイレベル信号とに二値化してそれぞれ出力する二値化手段の機能を果たし、スライスレベル設定部2が二値化部1から出力された前者のハイレベル信号の平均値と後者のハイレベル信号の平均値とをそれぞれ求め、その両平均値から上記再生信号の状態に応じていずれか一方の平均値を選択し、その平均値に基づいて上記スライスレベル値を求めて二値化部1に設定するスライスレベル設定手段の機能を果たし、二値化部1あるいは上記スライスレベル設定部2が上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段の機能を果たすようにしている。
【0047】
すなわち、スライスレベル信号の追従性の信頼性を高めるために、スペース部に対してハイレベル信号を出力する構成と、マーク部に対してハイレベル信号を出力する構成の両方を設け、それぞれから得られるハイレベル信号の平均値のうち、記録状態に適した方をスライスレベル信号を決定するための平均値として切り替えを行うようにしたのである。
このようにして、記録状態に合わせてスライスレベル信号を短マークの変動に自動的に追従させるか、短スペースの変動に自動的に追従させるかを選択するので、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0048】
(4)この発明の請求項4に係わるオートスライス回路
上記「ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化する」ことを実現する具体的方法の一例として、上記二値化部1あるいは上記スライスレベル設定部2を、ハイレベル信号の出力時間の経過につれてハイレベル値が減少する信号にする手段にしたものである。
この「ハイレベル時間の経過につれてハイレベル値が減少する信号」とは、図9の(a)〜(c)に示すように、入力信号時間によってそのハイレベル値が徐々に減衰する信号である。
【0049】
つまり、ハイレベル信号の内のハイレベル時間が長い信号を出力時間の経過につれてレベル値が減少する信号である。この場合、VR1=VR2=VR3である必要はなく、VR1≧VR2≧VR3であってもよい。
このようにして、スライスレベル信号をハイレベル時間の短い二値化信号、すなわち短マークと短スペースの両方の変動に自動的に追従させるので、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0050】
(5)この発明の請求項5に係わるオートスライス回路
上記「ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化する」ことを実現する具体的方法の一例として、上記二値化部1あるいは上記スライスレベル設定部2を、上記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号をハイレベル時間の長さが短いものほどレベル値の高い信号にする手段にしたものである。
この「ハイレベル時間が短い信号をハイレベル時間の長さが短いものほどレベル値の高い信号」とは、図10の(a)〜(c)に示すように、ハイレベル値は入力信号時間に依存せずに一定であり、VR1≧VR2≧VR3(但し、全ての≧が同時に=となることはない)である信号である。
【0051】
このようにして、スライスレベル信号をハイレベル時間の短い二値化信号、すなわち短マークと短スペースの両方の変動に自動的に追従させるので、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0052】
(6)この発明の請求項6に係わるオートスライス回路
また、上記のようなオートスライス回路に、上記ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化してスライスレベル信号を決定する処理が有効に働くための規定を設けると良い。
すなわち、図1,図2に示したオートスライス回路において、上記スライスレベル値の変化量を、上記再生信号のうちの最短マーク長の次に短いマーク長の振幅中心値の変化量よりも大きくするようにする。
【0053】
すなわち、記録パワー変化に対するスライスレベル信号の変化量が、二値化部1へ入力される再生信号のうち、少なくとも最短マーク長の次に短いマーク長の振幅中心の変化量よりも大きければ、スライスレベル信号が、最短マーク長の次に短いマーク長の変動よりも、より最短マーク長の変動に追従していることを保証できる。
したがって、スライスレベル信号の最短マークに対する追従性を向上させることができ、上記ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化してスライスレベル信号を決定する処理が有効に働く。
【0054】
このようにして、記録パワーを変化させて記録した部分を再生した場合に、記録パワー変化に対するスライスレベル信号の変化量を、再生信号のうち最短マーク長の次に短いマーク長の振幅中心の変化量よりも大きくなるようにしたので、スライスレベル信号が短マーク又は短スペースの変動に自動的に追従するようになり、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0055】
(7)この発明の請求項7に係わるオートスライス回路
さらに、上記のようなオートスライス回路に、上記ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化してスライスレベル信号を決定する処理が有効に働くための規定を設けると良い。
上記オートスライス回路において、上記記録媒体に記録されたマーク長とスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が、最短マーク長と該最短マーク長の次に短いマーク長間とで交差する関係を示すようにハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加するようにしたものである。
【0056】
図11と図12は、それぞれ複数の記録パワーでの記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線を示す線図であり、共に最短マーク長が3Tで、平均マーク長が約5TとなるDVDの例を示している。
すなわち、図11に示すように、複数の記録パワーでの記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が、最短マーク長と最短マークの次に短いマーク長間で交差すれば、スライスレベル信号の最短マークに対する追従性を向上させることができ、上述のようなオートスライス回路におけるハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化してスライスレベル信号を決定する処理を有効に働かせることができる。
【0057】
すなわち、スライスレベル信号が、最短マーク長の次に短いマーク長の変動よりも、より最短マーク長の変動に追従していれば、複数の記録パワーでの、記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が、最短マーク長と最短マークの次に短いマーク長間で交差するようになる。平均マーク長にスライスレベル信号が追従していれば、図12に示すように、記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が平均マーク長で交差する。
【0058】
このようにして、複数の記録パワーでの記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が、最短マーク長と最短マークの次に短いマーク長間で交差するようにしたので、スライスレベルが短マーク又は短スペースの変動に自動的に追従するようになり、ジッタやエラー率の増加を抑制することができ、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0059】
(8)この発明の請求項8に係わるオートスライス回路
さらに、再生の信頼性を高める目的で、スライスレベル信号を短マークの変動に自動的に追従させると共に、再生状態に合わせて最小のエラー率で再生を行うために、最短のマーク長の振幅中心にスライスレべル信号が一致するようにスライスオフセット信号を加えるとよい。
図3は、この発明に係わるオートスライス回路の他の構成を示すブロック図である。
【0060】
この発明の請求項8に係わるオートスライス回路では、最短マーク振幅中心検出部5が上記再生信号の最短マーク長の振幅中心値を検出する振幅中心値検出手段の機能を果たし、オフセット設定部6が二値化部1に設定するスライスレベル値が最短マーク振幅中心検出部5によって検出した振幅中心値と一致するようにスライスレベル設定部2によって求めたスライスレベル値にスライスオフセット値を付加するスライスオフセット付加手段の機能を果たす。
したがって、再生状態に合わせてスライスレベル信号を調整するが、その調整量をスライスレべル信号が最短のマーク長の振幅値中心に一致するオフセット量というように、非常に明確に決定することができるため、非常に簡単に最適なスライスレベルを設定することができる。
また、このスライスレベル信号のオフセット調整によって、記録状態が最適状態でなくともエラー率を最小にした再生が行える。
【0061】
このようにして、再生信号の最短マーク長の振幅値中心を検出し、その振幅値中心とスライスレベル信号が一致するようにスライスオフセット信号を加えて再生するようにしたので、記録状態が最適な記録状態でない場合でも、エラー率を最小化して再生することが可能になり、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
また、記録状態が最適な記録状態でない場合でも、エラー率を最小化して再生することが可能になるため、記録装置での各種条件の制御規制を緩和することができ、生産性も向上する。
【0062】
(9)この発明の請求項9に係わるオートスライス回路
上記のようなオートスライス回路において、上記ハイレベル時間が短いハイレベル信号に重み付けを行って平均化してスライスレベル信号を決定する処理が有効に働くための記録媒体を規定するとよい。
この発明の請求項9に係わるオートスライス回路では、使用する記録媒体が、マークが記録されるトラック列を挟む2つの非記録領域に上記トラック列の中心を線対称中心として非線対称な物理的変化部が形成されている。
【0063】
すなわち、最短マークの形成状態のバラツキが大きくなる、すなわち振幅値変動が大きくなる可能性がある記録媒体が、記録マークが記録されるトラック列を挟む2つの非記録領域に記録トラック中心を線対称中心として非線対称な物理的変化部が形成されている記録媒体であることを見出したものである。
本発明では、特に最短マークの形成状態のバラツキが大きくなる、すなわち振幅値変動が大きくなる可能性がある記録媒体が、「記録マークが記録されるトラック列を挟む2つの非記録領域に記録トラック中心を線対称中心として非線対称な物理的変化部が形成されている記録媒体」であり、この記録媒体が記録マークが記録されるトラック中心が蛇行している記録媒体であることを明示したものである。
【0064】
この「記録マークが記録されるトラック中心が蛇行している記録媒体」とは、例えばランドとグルーブという案内溝がある記録媒体であり、そのグルーブあるいはランドがアドレスや制御情報を示すための所謂ウォブルが形成されている記録媒体である。
また「記録マークが記録されるトラック列を挟む2つの非記録領域に記録トラック中心を線対称中心として非線対称な物理的変化部が形成されている記録媒体」の別の例としては、例えばランドとグルーブという案内溝がある記録媒体であり、グルーブ部のみを記録領域とし、ランド部にはいわゆるランドプレピットと呼ばれるアドレス情報が形成されている光ディスク等の記録媒体が挙げられる。このようにして、オートスライス回路の効果が特に有効となる記録媒体の条件を明示したため、この実施形態のオートスライス回路の有用性を容易に享受することが可能になる。
【0065】
(この発明に係わるオートスライス回路を備えた情報再生装置の構成例)
この情報再生装置のオートスライス回路は図1と同様の構成であり、二値化部1の出力信号が、図9の(a)〜(c)に示すように、ハイレベル信号が出力時間とともに減少(減衰)する信号である。
【0066】
(この発明に係わるオートスライス回路を備えた情報再生装置の性能確認1)
まず、二値化部1による二値化処理が、短マークにより重みが付けられた二値化処理であることを確認した。
波長660nm,NA0.65の光ピックアップを用いて、市販のDVD−Rディスクに14T単一パターンを記録クロック周波数を変えて記録し、同光ピックアップで再生を行い、この情報再生装置のオートスライス回路での動作を調べた。
ここでは、二値化部1へ入力される入力信号と、二値化部1へ帰還されるスライスレベル信号、さらには二値化信号を調べた。
【0067】
その結果は、図13〜図16に示すように、入力信号の周波数が高かった場合には、略等しかった二値化信号のハイレベル時間:THとローレベル時間:TLが、図17〜図19に示すように、入力信号の周波数の低下によってTH>TLになっていることが確認できた。
これは、図13〜図19に示したように、入力信号の周波数の低下によって、二値化信号のハイレベル信号の最小値が徐々に低下し、二値化部1へ帰還されるスライスレベル信号の電圧値が上昇するためであることがわかる。
図20は、入力信号の周波数と二値化部1へ帰還されるスライスレベル信号の電圧値との関係を示した線図である。
その結果から、入力信号の周波数の低下によって二値化部1へ帰還されるスライスレベル信号の電圧値が上昇することが確認できた。
【0068】
また、入力信号の周波数と二値化信号のハイレベル時間(スペース長に相当)とローレベル時間(マーク長に相当)との関係を測定した。
その結果は、図21に示すとおりであり、入力信号の周波数が高かった場合には略等しかったハイレベル時間(スペース長)とローレベル時間(マーク長)が、入力信号の周波数の低下によって(例えば入力信号の周波数が40(MHz以下))スペース長>マーク長になっていることが確認できた。
以上の結果から、ハイレベル時間が長いハイレベル信号ほどハイレベル電圧の低下が大きくなることが確認でき、この実施形態のオートスライス回路を用いた情報再生装置では、二値化信号の平均値(積分値)に占める短マークの二値化信号の割合を高めることができることを確認できた。
【0069】
(従来のオートスライス回路を備えた情報再生装置の性能確認1)
波長660nm、NA0.65の光ピックアップを用いて、市販のDVD−Rディスクにランダムパターン(8−16変調)を2.5倍速の線速度で(8.5m/s)、記録パワーを変えて記録した。
従来のオートスライス回路を備えた情報再生装置(以下「従来装置」と称する)のオートスライス回路では、二値化部からの二値化信号は完全な矩形波であり、スライスレベルが常に変調方式によって決まる平均マーク長の振幅値中心近傍に設定されている。
このオートスライス回路を有する従来装置で上記DVD−Rディスクの記録部を再生し、ジッタ(σ/Tw)を測定した。その結果を図22に示す。
その結果から、従来装置では、記録パワーに対するジッタ(σ/Tw)のマージンが非常に狭いことがわかる。
【0070】
次に、従来装置で、ジッタ(σ/Tw)が最小となるようにスライスレベルを調整し(記録状態に合わせて最適なスライスオフセット量を求め、それを加えた)、ジッタ(σ/Tw)を測定した。
その結果を図23に示す。
その結果から、従来装置で、スライスレベル信号を調整することで、記録パワーに対するジッタ(σ/Tw)マージンをある程度拡大できることがわかるが、エラー率(8ECCブロックの平均PIエラー数)は、14.8(mw)で記録された部分で最小となり、500を越えた。
【0071】
(従来のオートスライス回路を備えた情報再生装置の性能確認2)
波長660nm,NA0.65の光ピックアップを用いて、市販のDVD−Rディスクにランダムパターン(8−16変調)を1.0倍速の線速度で(3.5m/s)、記録パワーを変えて記録した。
従来装置でのオートスライス回路では、二値化部からの二値化信号は完全な矩形波であり、スライスレベルが常に変調方式によって決まる平均マーク長の振幅値中心近傍に設定されている。
【0072】
この従来装置で、ジッタ(σ/Tw)が最小になるようにスライスレベル信号を調整し(記録状態に合わせて最適なスライスオフセット量を求め、それを加えた)、上記DVD−Rディスクのジッタ(σ/Tw)を測定した。
その結果、記録パワー9.0(mw)で記録された部分でジッタ,エラー率(8ECCブロックの平均PIエラー数)とも最小値をとったが、ジッタは13.2(%)、エラー率は500を越えた。
【0073】
(この発明に係わるオートスライス回路を備えた情報再生装置の性能確認2)
波長660nm,NA0.65の光ピックアップを用いて、市販のDVD−Rディスクにランダムパターン(8−16変調)を2.5倍速の線速度で(8.5m/s)、記録パワーを変えて記録した。
この記録部分を、波長650nm,NA0.60の光ピックアップで再生し、記録パワーに対する最短マーク(ここでは3T)の振幅値中心、最短マークの次に短いマーク(ここでは4T)の振幅値中心、最大振幅を示すマーク(ここでは14T。但し、最大振幅値を示すマーク長が必ずしも14Tであることを示すものではない)の振幅値中心のそれぞれの変化及びスライスレベル信号の変化を測定した。その結果は、図24に示すとおりである。
なお、振幅値中心を測定した信号は、二値化部1に入力される直前の信号であり、この実施例では再生HF信号を波形等化した後の信号を極性反転させた信号である。
【0074】
また図中では、EQ3Tが最短マークの振幅値中心、EQ4Tが最短マークの次に短いマークの振幅値中心、EQ14Tが最大振幅を示すマーク長の振幅値中心を、SL5.0はスライスレベル信号を示す。
その結果から、この実施形態の情報再生装置によって、記録パワー変化に対するスライスレベル信号の変化量が、二値化部1へ入力される受光信号のうち、少なくとも最短マーク長の次に短いマーク長の振幅値中心の変化量よりも大きくなるように設定できていることが確認できた。
【0075】
そこで、このようにスライスレベル信号が設定された場合の効果を確認した。図25はジッタ(σ/Tw)を測定した結果を示す線図であり、図25には合わせてエラー率(8ECCブロックの平均PIエラー数)を測定した結果も示した。
その結果から、従来の再生装置に対して、ジッタ(σ/Tw)及びエラー率の記録パワーマージンが大きく拡大され、この実施形態の情報再生装置が非常に有効であることが確認できた。
【0076】
次に、スライスレベル信号に手動でオフセット信号を加えたときのジッタ(σ/Tw)及びエラー率の変化を測定した(ここでのスライスオフセット量は、記録状態によらず一定値とした)。
その結果は、図26と図27に示すとおりであり、凡例の数値はスライスレベル信号に加えるオフセットダイアルの値である。
その結果から、スライスレベル信号にオフセット信号を加えることにより、エラー率が最小となる記録パワーの領域を変えることができることが確認できた。その結果は、記録が最適な記録状態でない場合、あるいは再生する装置から見て最適な記録が行われていない場合でも、すなわち再生が行われる情報再生装置でジッタが良好な値を示さない場合であっても、エラー率を低減して再生できることを示す結果である。
【0077】
そこで、次に図3に示したオートスライス回路を備えた情報再生装置、すなわち、二値化部1に入力される入力信号の最短マークの振幅値中心を最短マーク振幅中心検出部5によって検出し、その振幅値中心とスライスレベル設定部2で得られた信号とが略一致するように、オフセット設定部6によってオフセット信号を加えるようにした情報再生装置によって、上記ランダムパターンが複数の記録パワーで記録された部分を再生した。
その結果、図28に示すように、広い記録パワー範囲で非常に低いエラー率で情報の再生が行えることが確認できた。
【0078】
(この発明に係わるオートスライス回路を備えた情報再生装置の性能確認3)
波長660nm,NA0.65の光ピックアップを用いて、市販のDVD−Rディスクにランダムパターン(8−16変調)を1.0倍速の線速度で(3.5m/s)記録パワーを変えて記録した。
この記録部分を、波長650nm,NA0.60の光ピックアップで再生し、記録パワーに対する最短マーク(ここでは3T)の振幅値中心、最短マークの次に短いマーク(ここでは4T)の振幅値中心、最大振幅を示すマーク(ここでは14T。但し、最大振幅を示すマーク長が必ずしも14Tであることを示すものではない)の振幅値中心の変化、及びスライスレベル信号の変化を測定した。
その結果は、図29に示すとおりである。
なお、振幅値中心を測定した信号は、二値化部1に入力される直前の信号であり、この実施例では再生HF信号を波形等化した後の信号を極性反転させた信号である。
【0079】
また図中は、EQ3Tが最短マークの振幅値中心、EQ4Tが最短マークの次に短いマークの振幅値中心、EQ14Tが最大振幅を示すマーク長の振幅値中心を、SL5.0はスライスレベル信号を示す。
その結果から、この実施形態の情報再生装置によって、記録パワー変化に対するスライスレベル信号の変化量が、二値化部1へ入力される受光信号のうち、少なくとも最短マーク長の次に短いマーク長の振幅値中心の変化量よりも大きくなるように設定できていることが確認できた。
そこで、このようにスライスレベル信号が設定された場合の効果を確認した。
【0080】
図30は、ジッタ(σ/Tw)を測定した結果を示す線図であり、図30には合わせてエラー率(8ECCブロックの平均PIエラー数)を測定した結果も示した。
その結果から、従来の再生装置に対して、ジッタ(σ/Tw)及びエラー率の記録パワーマージンが大きく拡大され、この実施形態の情報再生装置が非常に有効であることが確認できた。
【0081】
次に、スライスレベル信号に手動でオフセット信号を加えたときのジッタ(σ/Tw)及びエラー率の変化を測定した(ここでのスライスオフセット量は、記録状態によらず一定値とした)。
その結果は、図31と図32に示すとおりであり、図中の数値はスライスレベル信号に加えるオフセットダイアルの値である。
その結果から、スライスレベル信号にオフセット信号を加えることで、エラー率が最小となる記録パワーの領域を変えることができることが確認できた。
この結果は、記録が最適な記録状態でない場合、あるいは再生する装置から見て最適な記録が行われていない場合でも、すなわち再生が行われる再生装置でジッタが良好な値を示さない場合であっても、エラー率を低減して再生できることを示す結果である。
【0082】
そこで、次に図3に示したオートスライス回路を備えた情報再生装置、すなわち、二値化部1に入力される入力信号の最短マークの振幅値中心を最短マーク振幅中心検出部5によって検出し、その振幅値中心とスライスレベル設定部2で得られた信号とが略一致するように、オフセット設定部6によってオフセット信号を加えるようにした情報再生装置によって、上記ランダムパターンが複数の記録パワーで記録された部分を再生した。
その結果、図33に示すように、広い記録パワー範囲で非常に低いエラー率で情報の再生が行えることが確認できた。
【0083】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の二値化装置によれば、記録装置で記録パワー値等の最適な記録条件が選択されなかった場合でも、また再生する装置から見て最適な記録が行われていない場合でも、エラー率が低く、記録パワー変化(記録状態変化)に対するエラー率増加の少ない再生が行えるので、再生の信頼性を大幅に向上させることができる。
また、再生の信頼性の向上によって、記録時の記録条件を大幅に緩和すること(記録時に設定条件の許容幅を拡大させること)が可能になり、記録装置への負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の二値化装置の一実施形態であるオートスライス回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したスライスレベル設定部2の内部構成を示すブロック図である。
【図3】この発明に係わるオートスライス回路の他の構成を示すブロック図である。
【図4】記録媒体に記録されるマーク長によって変調度のバラツキが変化する様子とスライスレベル信号の変動の様子とを示した波形図である。
【図5】同じく記録媒体に記録されるマーク長によって変調度のバラツキが変化する様子とスライスレベル信号の変動の様子とを示した波形図である。
【図6】同じく記録媒体に記録されるマーク長によって変調度のバラツキが変化する様子とスライスレベル信号の変動の様子とを示した波形図である。
【図7】平均マークと最短マークの記録位置に対する振幅値の変化の一例を模式的に示した線図である。
【図8】同じく平均マークと最短マークの記録位置に対する振幅値の変化の一例を模式的に示した線図である。
【図9】ハイレベル時間の増加とともにそのハイレベル値が徐々に減衰する信号の一例を示す波形図である。
【図10】ハイレベル時間の長さが短いものほどレベル値の高い信号の一例を示す波形図である。
【図11】複数の記録パワーでの記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線を示す線図である。
【図12】同じく複数の記録パワーでの記録マークとスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線を示す線図である。
【図13】入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図14】同じく入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図15】同じく入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図16】同じく入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図17】同じく入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図18】同じく入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図19】同じく入力信号と二値化信号とスライスレベル信号の変化を示す波形図である。
【図20】入力信号の周波数と二値化部1へ帰還されるスライスレベル信号の電圧値との関係を示した線図である。
【図21】マーク長とスペース長の周波数変化を示す波形図である。
【図22】従来装置でDVD−Rディスクの記録部を再生したときに測定したジッタ(σ/Tw)の値の変化を示す線図である。
【図23】従来装置でジッタ(σ/Tw)が最小となるようにスライスレベルを調整したときに測定したジッタ(σ/Tw)の値の変化を示す線図である。
【図24】記録パワーに対する最短マークの振幅値中心と最短マークの次に短いマークの振幅値中心と最大振幅を示すマークの振幅値中心のそれぞれの変化及びスライスレベル信号の変化を示す線図である。
【図25】本発明の装置によりスライスレベル信号を設定したときに測定されたジッタ(σ/Tw)とエラー率の変化を示す線図である。
【図26】スライスレベル信号に手動でオフセット信号を加えたときに測定されたジッタ(σ/Tw)の変化を示す線図である。
【図27】同じくスライスレベル信号に手動でオフセット信号を加えたときに測定されたエラー率の変化を示す線図である。
【図28】スライスレベル信号に最短マークの振幅中心と一致するように自動でオフセット信号を加えたときに測定されたエラー率の変化を示す線図である。
【図29】記録パワーに対して測定された最短マークの振幅値中心と最短マークの次に短いマークの振幅値中心と最大振幅を示すマークの振幅値中心の変化及びスライスレベル信号の変化を示す線図である。
【図30】本発明の装置によりスライスレベル信号を設定したときに測定された他のジッタ(σ/Tw)とエラー率の変化を示す線図である。
【図31】スライスレベル信号に手動でオフセット信号を加えたときに測定されたジッタ(σ/Tw)の変化を示す線図である。
【図32】同じくスライスレベル信号に手動でオフセット信号を加えたときに測定されたエラー率の変化を示す線図である。
【図33】スライスレベル信号に最短マークの振幅中心と一致するように自動でオフセット信号を加えたときに測定されたエラー率の変化を示す線図である。
【図34】従来の二値化装置の一例であるオートスライス回路の構成を示す図である。
【図35】図34に示した従来のオートスライス回路のスライスレベル設定部11の内部構成の一例を示す回路図である。
【図36】図35のオートスライス回路の各部における入力信号又は出力信号の波形を示す波形図である。
【図37】各種記録パワーで記録されたテスト用信号を再生してアシンメトリとそのアシンメトリから最適記録パワーとを求める従来の回路構成を示すブロック図である。
【図38】図37のハイパスフィルタ20の出力信号の波形図である。
【符号の説明】
1,10:二値化部 2,11:スライスレベル設定部
3,12:積分部 4,13:減算部
5:最短マーク振幅中心検出部
6:オフセット設定部
20:ハイパスフィルタ 21:トップピーク検出回路
22:ボトムピーク検出回路
23:アシンメトリ演算回路
24:判定回路

Claims (9)

  1. 記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値に基づいてハイレベル信号とローレベル信号とに二値化して出力する二値化手段と、該二値化手段から出力されたハイレベル信号の平均値を求め、該平均値に基づいて前記スライスレベル値を求めて前記二値化手段に設定するスライスレベル設定手段と、前記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段とを備えたことを特徴とする二値化装置。
  2. 記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値以上と以下でそれぞれハイレベル信号とローレベル信号とに二値化し、さらに前記スライスレベル値以上と以下でそれぞれローレベル信号とハイレベル信号とに二値化してそれぞれ出力する二値化手段と、該二値化手段から出力された前者のハイレベル信号の平均値と後者のハイレベル信号の平均値とをそれぞれ求め、該両平均値の平均値を求め、該平均値に基づいて前記スライスレベル値を求めて前記二値化手段に設定するスライスレベル設定手段と、前記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段とを備えたことを特徴とする二値化装置。
  3. 記録媒体にマーク長で記録された情報を再生したときに得られる再生信号をスライスレベル値以上と以下でそれぞれハイレベル信号とローレベル信号とに二値化し、さらに前記スライスレベル値以上と以下でそれぞれローレベル信号とハイレベル信号とに二値化してそれぞれ出力する二値化手段と、該二値化手段から出力された前者のハイレベル信号の平均値と後者のハイレベル信号の平均値とをそれぞれ求め、該両平均値から前記再生信号の状態に応じていずれか一方の平均値を選択し、該平均値に基づいて前記スライスレベル値を求めて前記二値化手段に設定するスライスレベル設定手段と、前記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加する重み付加手段とを備えたことを特徴とする二値化装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二値化装置において、前記重み付加手段は、前記ハイレベル信号を出力時間の経過につれてレベル値が減少する信号にする手段であることを特徴とする二値化装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二値化装置において、前記重み付加手段は、前記ハイレベル信号の内のハイレベル時間が短い信号をハイレベル時間の長さが短いものほどレベル値の高い信号にする手段であることを特徴とする二値化装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二値化装置において、前記スライスレベル値の変化量を、前記再生信号のうちの最短マーク長の次に短いマーク長の振幅中心値の変化量よりも大きくするようにしたことを特徴とする二値化装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二値化装置において、前記記録媒体に記録されたマーク長とスペース長との差の記録マーク長依存性を示す曲線が、最短マーク長と該最短マーク長の次に短いマーク長間とで交差する関係を示すようにハイレベル時間が短い信号に所定の重みを付加するようにしたことを特徴とする二値化装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二値化装置において、前記再生信号の最短マーク長の振幅中心値を検出する振幅中心値検出手段と、前記二値化手段に設定するスライスレベル値が前記振幅中心値検出手段によって検出した振幅中心値と一致するように前記スライスレベル設定手段によって求めたスライスレベル値にスライスオフセット値を付加するスライスオフセット付加手段とを設けたことを特徴とする二値化装置。
  9. 前記記録媒体は、マークが記録されるトラック列を挟む2つの非記録領域に前記トラック列の中心を線対称中心として非線対称な物理的変化部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の二値化装置。
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