JP3839715B2 - 光学記録媒体の記録方法と記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学記録媒体の記録方法、および記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクのような光学記録媒体に信号記録を行う場合、実際の信号を記録する前に試し書きを行い、その試し書き部分の信号品質を調べて、記録するレーザ光の強度の最適値を得るという、いわゆるキャリブレーションという動作が一般的に行われている。
【0003】
CD(Compact Disc)系や、DVD(Digital Versatile Disc)系の記録可能な光学記録媒体では、上記のような信号の試し書きを行う領域をディスクの最内周部分に設け、これをPCA(Power Calibration Area)と称しており、上記のような一連の動作を、OPC(Optimum Power Control)と称している。
【0004】
上記OPCの一例を以下に説明する。
先ず、信号の試し書きを行う領域であるPCAに、照射レーザ光の強度を数段階、あるいは連続的に変化させてテスト信号を記録する。
次に、その記録部分の信号を再生して、そのHF信号品質から最適に記録が行われた部分の位置を求め、その位置にテスト信号を記録したレーザ光の強度を、検出し、これを照射レーザ光強度の最適値とする。
再生HF信号の品質チェックは、HF信号の対称性(アシンメトリ)を検出して行われる。
【0005】
各種記録パワーで記録されたテスト用信号を再生してアシンメトリを求め、これから最適記録パワーを求めるための従来の回路構成を図1に示す。
光ディスクには、予めテスト記録信号が記録パワーを順次変化させて記録されているものとする。このテスト用記録信号の記録部分に再生用のレーザ光を照射しその反射光を検出する。この受光信号として得られるHF信号は、ハイパスフィルタ1で直流分がカットされる。
トップピーク検出回路2、ボトムピーク検出回路3は、記録パワーごとにHF信号のトップピーク(+側のピーク)Atと、ボトムピーク(−側のピーク)Abをアナログ処理により検出する。
アシンメトリ演算回路4は、β=(At+Ab)/(At−Ab)により定義されるアシンメトリを、記録パワーごとに演算する(図2)。但しAtとAbは符号を含めた値であるものとする。
【0006】
判定回路5は、求められたアシンメトリβの中から、最適とされるアシンメトリに最も近いアシンメトリが得られる記録パワーを選び出し、これを最適記録パワーとして決定する。
このようにして決定された最適記録パワーを用いて実記録を行うことにより、良好な再生信号品質を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のOPC方法においては、以下に示すような問題点があった。
第1の問題として、上記アシンメトリβでの記録状態管理は、ジッタ最小とする記録を行おうとするものであるが、ジッタを重視した記録では、エラー率を最小とする記録が行われない場合がある。すなわち、ジッタとエラー率との両方が最適となる記録が行われない場合がある。
【0008】
第2の問題として、受光信号として得られるHF信号によって記録状態を判断しているが、実際に二値化される信号は、波形等化された信号である。
【0009】
第3の問題として、上記アシンメトリβ=0でジッタが最小となる考え方は理論的に不明確である。
【0010】
第4の問題として、信号の記録を行う際の記録線速度や、光学記録媒体の記録層膜厚などの層構成条件が異なると、ジッタ最小となる記録状態がβ=0から大きくずれる場合が発生する。
【0011】
第5の問題として、β=0でジッタ最小となる光学記録媒体を実現させようとすると、材料や層構成条件の選択の幅が非常に狭くなり、全体として良好な記録再生特性が得られなくなる場合が発生する。
【0012】
第6の問題として、βにオフセットを持たせて、β=βなる記録パワーを実記録時の最適記録パワーとする方法も考えられるが、この場合もβの意味が理論的に不明確である。
【0013】
第7の問題として、βを予め光学記録媒体や記録装置に記憶させる場合、光学記録媒体と記録装置の組合せや、使用環境によっては、βが最適なβとなる保証がない。
【0014】
第8の問題として、さらに、βを予め光学記録媒体や記録装置に記憶させる場合、記録ストラテジとして異なる設定が選択された場合(同一の記録ストラテジが選択されていても、記録装置よって、波長や発光波形が微妙に異なる場合を含む)、βが最適なβとなる保証がない。
【0015】
また、従来においては、ジッタを最小とする記録を行うことが主眼におかれているが、ジッタ最小となる記録状態が最適な記録となることが保証されているわけではない。なぜなら、ジッタはあくまで中心値からのズレ量を標準偏差として表した値であるから、中心値からのズレ量が小さいデータが数多く存在する場合は、例え中心値から大きくずれ、エラーとなるようなデータがあった場合でも、ジッタは非常に小さい値を示すからである。
【0016】
したがって、結局においてエラー率が最小、あるいは小さいという条件が満たされなければ、ジッタは小さいければ小さいほど良いということにはならない。逆に言えば、エラー率が非常に小さければ、ジッタは大きくても構わないのである。
しかし、ジッタが大きいと、使用環境や、記録再生装置の特性バラツキ、あるいは長期の保存によってエラー率が上昇する場合があるため、エラー率が非常に低い場合であっても、ジッタはある程度の範囲に抑制する必要がある。
【0017】
そこで、本発明においては、上記問題点に鑑みて、ジッタおよびエラー率とも良好な記録が行われることを保証する記録方法、およびその記録装置を提供する。
【0018】
【発明を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、実記録に先立って最適な記録パワーを決定する方法に関するものであり、記録パワーを変化させてテスト記録を行い、この異なる記録パワーでテスト記録された部分の中から二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心Aとを検出し、AとAとが一致する記録パワーをPとし、AとAとが一致する記録パワーをPとした場合、P≦Pw≦Pとなる記録パワーPwを実記録時の最適記録パワーとして選択するものとする。
【0019】
請求項2に係る光記録媒体の記録装置は、実記録に先立って記録パワーを変化させてテスト記録を行う手段と、テスト記録された部分における、二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心Aを検出する手段とを有するものとし、上記のようにして異なる記録パワーでテスト記録された部分の中から、上記Aと上記Aとが一致する記録パワーをP、上記Aと上記Aとが一致する記録パワーをPとした場合、P≦Pw≦Pとなる記録パワーPwを、実記録時の最適記録パワーとして選択するものとする。
【0020】
従来におけるβでの記録状態管理は、ジッタ最小とする記録を行おうとするものであるが、このようにジッタを重視した記録においては、エラー率を最小とする記録が行われない場合がある。これは、図3(b)に示すように、全ての記録マーク長信号の振幅中心が、ある1つの記録パワーで一致しなくなる場合に生ずる(但し、図3(a)、(b)においては、最短マーク長の振幅中心レベル変化をA、次に短いマーク長の振幅中心レベル変化をA、最大振幅を示すマーク長の振幅中心レベル変化をAで示した。他のマーク長の振幅中心レベルは省略した)。
【0021】
すなわち、おおよそジッタ最小となる記録状態とは、出現頻度が最も高く、スライスレベルに対する振幅変動許容幅が狭い(すなわち変調度が小さい)、最短マーク長信号の振幅中心と次に短いマーク長信号の振幅中心が一致する状態である(記録パワーがPの近傍)。この記録パワーがPの状態では、ジッタが最小となるスライスレベルは、最短マーク長信号の振幅中心と次に短いマーク長信号の振幅中心に一致する時であるが、このスライスレベルに対し、より大きな振幅を示す長いマーク長信号(例えば最大振幅を示すマーク長信号)の振幅中心が大きくずれるため、エラー率が最小とならない。
【0022】
図3(b)のような記録状態の場合、エラー率が最小となるのは、最短マーク長信号の振幅中心と次に短いマーク長信号の振幅中心、およびより大きな振幅を示す長いマーク長信号(例えば最大振幅を示すマーク長信号)の振幅中心が近接するP〜Pの領域である。
【0023】
図3(a)は、図3(b)の特別な場合であると考えることができ、この場合、最短マーク長の振幅中心レベル変化をA、次に短いマーク長の振幅中心レベル変化をA、最大振幅を示すマーク長の振幅中心レベル変化をAで示す場合、これらに対応する記録パワーが、P≒P≒Pとなるため、ジッタ最小となる条件と、エラー率が最小となる条件が一致する(ジッタ最小となる記録パワーで記録を行えば、エラー率も最小となる記録が行える)。
【0024】
このように本発明では、二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心Aとした場合、AとAが一致する記録パワー近傍でジッタが最小となり、AとAとが一致する記録パワーPと、AとAとが一致する記録パワーPの間にエラー率が最小となる記録パワーが存在することを見出した。
【0025】
本発明では、まず最適記録パワーの選択を適切なものとするために、記録状態の判定を行うための信号を受光信号として得られるHF信号ではなく、二値化されるべき最終信号とした。
この二値化されるべき最終信号とは、二値化が行われる二値化処理回路へ入力される最終信号のことであり、DVD系光ディスクの場合、例えば受光信号として得られるHF信号を波形等化した信号が、二値化されるべき最終信号となる。
【0026】
また従来は、最大振幅を示すマーク長信号のアシンメトリをβという指標で表現し、この値を管理していたが、本発明においては、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心と、最短マーク長信号の振幅中心と、次に短いマーク長信号の振幅中心を検出し、この振幅中心の変化を管理するものとする。
【0027】
ジッタは出現頻度が高く、また振幅のダイナミックレンジが小さい短マークに支配されることは明らかであるから、最大振幅を示すマーク長信号のβのみによって最適記録パワーを決定する従来の方法は、βとジッタの関係の相関性を利用したものにすぎず、理論的に曖昧な方法である。
【0028】
すなわち、実験時(製品出荷前)の検査で、最小ジッタが得られた時の記録パワーでは、β=βであったというだけで、β=βでジッタが最小となることは全く保証されないのである。また、エラー率に関する保証は全くないといって良い。
【0029】
従来のように、プラス側の最大値Atとマイナス側の最大値Abの和(=At+Ab)を最大振幅値(=At−Ab)で除算するような、いわゆる正規化が行われると、記録パワーに対する実際のアシンメトリ変化(実信号レベルでの変化)が歪められ、最適記録パワーとなる記録状態の判断が正確でなくなる。
一方、本発明では、最適記録パワーを決めるために、各マーク長信号の振幅中心値のズレを評価する方法であり、理論的に明快な方法ある。
また、記録状態から、ジッタ最小となる記録パワーや、エラー率が最小となる記録パワーを判断することができ、信頼性の高い最適記録パワー決定方法となる。
【0030】
振幅中心を検出するマーク長として、最短マーク長信号と、次に短いマーク長信号を検出する理由は、上述したように、ジッタは一般的に短マークによって支配されるため、ジッタ最小となる記録パワーを見つけ出すためには、これら短マークの情報取得が必須であるからである。
【0031】
これは、マーク長が短い信号ほど出現頻度が高く、また振幅が小さいために、スライスレベルの変動に対する許容幅が狭いためである。
ジッタを最小とする記録状態を見つけ出すためには、最短マーク長信号と、次に短いマーク長信号の振幅中心を検出すればよいが、本発明で最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心をも検出する理由は、エラー率が最小となる記録状態領域を見つけ出すためである。
【0032】
一般的に、記録密度が低く、記録線速度も遅い場合は、全ての記録マーク長信号の振幅中心がある1つの記録パワーで一致するが(図3(a))、記録密度が高密度となり、記録線速度が高速化する場合、全ての記録マーク長信号の振幅中心がある1つの記録パワーで一致しなくなる(図3(b))。
このような場合に、本発明の最適記録パワー決定方法、およびそれを用いた記録装置が非常に有効となるのである。
【0033】
すなわち本発明の光学記録媒体の記録方法およびこれに用いる光学記録媒体の記録装置によれば、ジッタ、エラー率の両方が最適となる記録パワーを確実に見つけ出すことができ、再生の信頼性が高い記録を行うことができる。
また、本発明の光学記録媒体の記録方法および光学記録媒体の記録装置によれば、記録媒体や記録装置に予め記憶された情報をもとに最適記録パワーを求めるような方法ではなく、テスト記録による結果のみから純粋に最適な記録パワーを見つけ出す方法を採るため、光学記録媒体や記録装置のバラツキの影響がなく、再生の信頼性の高い記録を行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の光学記録媒体の記録方法の具体的な例について、図を参照して以下に詳述する。
本発明の光学記録媒体の記録方法においては、記録装置として、実記録に先立って記録パワーを変化させてテスト記録を行う手段と、テスト記録された部分における、二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心Aを検出する手段とを有するものを適用するものとする。この装置においては、上記のようにして異なる記録パワーでテスト記録された部分の中から、上記Aと上記Aとが一致する記録パワーをP、上記Aと上記Aとが一致する記録パワーをPとした場合、P≦Pw≦Pとなる記録パワーPwを、実記録時の最適記録パワーとして選択する機能を有するものとする。
(実施例1)
パスルテック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(記録再生装置:記録再生波長660nm、NA0.63)を用いて、市販のDVD−Rディスクに、記録線速度3.5(m/s)で、記録パワーを変化させて信号記録を行った。
この記録部分を上記の光ディスク評価装置を用いて信号再生し、下記の(1)〜(5)までの事項についての評価を行った。
但し、下記の(1)、(2)の評価は、パスルテック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(再生専用装置:再生波長650nm、NA0.60)を用いて行った。
(1)・・・ジッタ(σ/Tw):図4および図5に示す。
(2)・・・エラー率(8ECCブロック毎の平均PIエラー数):図4に示す。
(3)・・・HF信号におけるβ:図5に示す。
(4)・・・HF信号を波形等化した信号(EQと略す)におけるβ:図6に示す。
(5)・・・HF信号を波形等化した信号(EQと略す)における各記録マーク長信号の振幅中心・・・図7に示す。
上記(1)〜(5)についての記録パワー依存性を、それぞれ図に示した。
なお、この評価では、二値化されるべき最終信号は、HF信号を波形等化した信号である。
【0035】
(実施例2)
パスルテック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(記録再生装置:記録再生波長660nm、NA0.63)を用いて、市販のDVD−Rディスクに、記録線速度8.5(m/s)で、記録パワーを変化させて信号記録を行った。
この記録部分を、上記光ディスク評価装置を用いて信号再生し、下記の(6)〜(10)までの事項についての評価を行った。
但し、(6)、(7)の評価は、パスルテック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(再生専用装置:再生波長650nm、NA0.60)で行った。
(6)・・・ ジッタ(σ/Tw):図8および図9に示す。
(7)・・・ エラー率(8ECCブロック毎の平均PIエラー数):図8に示す。
(8)・・・ HF信号におけるβ:図9に示す。
(9)・・・ HF信号を波形等化した信号(EQと略す)におけるβ:図10に示す。
(10)・・・ HF信号を波形等化した信号(EQと略す)における各記録マーク長信号の振幅中心:図11に示す。
上記(6)〜(10)についての記録パワー依存性を、それぞれ図に示した。なお、この評価では、二値化されるべき最終信号は、HF信号を波形等化した信号である。
【0036】
また、図6および図10においては、最大振幅を示すマーク長信号のβ(凡例:EQ 14T。但し、最大振幅を示すマーク長が必ずしも14Tであることを示すものではない)の他に、最短マーク長信号である3Tマーク長信号のβ(凡例:EQ 3T)と、次に短いマーク長信号である4Tマーク長信号のβ(凡例:EQ 4T)も合わせて示した。
【0037】
一般的にβというと、最大振幅を示すマーク長信号に対するパラメータであるが、ここでは3T、4T信号にもβを適用した。すなわち、各マーク長の振幅に対し、{(+側のピーク振幅値)+(−側のピーク振幅値)}/{(+側のピーク振幅値)−(−側のピーク振幅値)}を各マーク長のβとした。
【0038】
図7および図11では、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心と(凡例:EQ 14T。但し、最大振幅を示すマーク長が必ずしも14Tであることを示すものではない)、最短マーク長信号である3Tマーク長信号の振幅中心(凡例:EQ 3T)と、次に短いマーク長信号である4Tマーク長信号の振幅中心(凡例:EQ 4T)を示した。
【0039】
上記(実施例1)および(実施例2)の結果から、以下のようなことがわかった。
1)図5に示すように、従来のβ法による、β=0となる記録パワーでは、ジッタおよびエラー率がともに最小値からややずれる。
2)図6に示すように、従来のβ法に準じた、波形等化後の信号によるβ=0(EQ 14Tのβ=0)となる記録パワーでは、ジッタ、エラー率とも最小値から大きくずれる。
3)図9に示すように、従来のβ法による、β=0となる記録パワーでは、エラー率は図8に示すように、ほぼ最小値をとるが、ジッタが最小値から大きくずれる。
4)図10に示すように、従来のβ法に準じた、波形等化後の信号によるβ=0(EQ 14Tのβ=0)となる記録パワーでは、ジッタ、エラー率とも最小値から大きくずれる。すなわち実験の範囲内で、EQ 14Tのβ=0となる記録パワーが存在しない。
【0040】
上述したことから明らかなように、従来のβによる最適記録パワー選定方法においては、ジッタとエラー率との両者が最適と保証される記録パワーを見つけ出さないことが確認できた。
【0041】
なお、最適記録パワーはβ=βの時に得られるとし、テスト記録された部分から、β=βとなる記録パワーを見つけ出すという方法も考えられるが、βという値はあくまで代表値(仮の目標値)であって、最適パワーとなる理論的条件ではないため、その有効性は十分でない。
【0042】
また、HF信号を波形等化した信号における最短マーク信号の振幅中心と、次に短いマーク長信号の振幅中心と、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心の三者は、図11に示すように、必ずしも、ある記録パワーで一点で交わらないことが確認できた。
これは、HF信号を波形等化した信号における最短マーク信号の振幅中心と、次に短いマーク長信号の振幅中心と、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心の変化のうち、2つの信号の変化を検出しただけでは、ジッタとエラー率の両方が最適となる記録パワーが見出せない場合があることを示す結果である。
ましてや、従来法のように、1つの信号で、ジッタとエラー率の両方が最適となる記録パワーを見い出すことが困難であることは明らかである。
【0043】
本発明の記録方法においては、二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号(ここでは3T信号)の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号(ここでは4T信号)の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号(ここでは、おおよそ6T〜14T信号)の振幅中心Aを検出し、AとAとが一致する記録パワーをP、AとAとが一致する記録パワーをPとした場合、P≦Pw≦Pとなる記録パワーPwを実記録時の最適記録パワーとして選択するが、上記(実施例1)の場合は、P=P=9.0(mw)で、最適記録パワーはPw=9.0(mw)と決定される(図7参照)。
【0044】
一方、(実施例2)の場合には、P=14.5(mw)、P=15.7(mw)で最適記録パワーは、14.5(mw)≦Pw≦15.7(mw)と決定される(図11参照)。
この最適記録パワーとして決定された記録パワーでは、ジッタ、およびエラー率の最小値が得られていることが、図5および図8から明らかである。よって、本発明の光学記録媒体への記録方法が極めて有効であることが証明された。
【0045】
さらに、波形等化後の信号を用い、最短マーク信号のβと、次に短いマーク長信号のβと、最大振幅を示すマーク長信号のβが一致するような記録パワーを最適記録パワーとする方法(図6参照)、あるいは(最短マーク信号のβと、次に短いマーク長信号のβとが一致する記録パワー)≦最適記録パワー≦(最短マーク長の次に短いマーク長信号のβと最大振幅を示すマーク長信号のβが一致する記録パワー)とする最適記録パワー設定方法(図10参照)においては、ジッタとエラー率との両方が最小となる記録パワーが決定できない場合があることが確認でき(図6では図4を参照、図10では図8を参照)、波形等化後の信号のβではなく、波形等化後の信号の振幅中心によって最適記録パワーを判定する本発明の記録方法が極めて有効であることが示された。
【0046】
【発明の効果】
本発明の記録方法、および記録装置によれば、ジッタ、エラー率の両方が最適となる記録パワーを確実に検出することができ、再生の信頼性の高い記録を行うことができた。
【0047】
また、本発明の記録方法、および記録装置によれば、記録媒体や記録装置に予め記憶された情報をもとに最適記録パワーを求めるような方法ではなく、テスト記録による結果のみから純粋に最適な記録パワーを見つけ出す方法であるため、記録媒体や記録装置のバラツキの影響がなく、再生の信頼性が高い記録を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】最適記録パワーを求めるための従来の回路構成を示す。
【図2】HF信号のトップピーク(+側のピーク)Atと、ボトムピーク(−側のピーク)Abを示す。
【図3】(a) 記録パワーと振幅中心レベルとの関係を示す。
(b) 記録パワーと振幅中心レベルとの関係を示す。
【図4】記録パワーとジッタとPIエラーとの関係を示す。
【図5】記録パワーとジッタとβとの関係を示す。
【図6】記録パワーとHF信号を波形等化した信号(EQ)におけるβとの関係を示す。
【図7】記録パワーとHF信号を波形等化した信号(EQ)における振幅中心との関係を示す。
【図8】記録パワーとジッタとPIエラーとの関係を示す。
【図9】記録パワーとジッタとβとの関係を示す。
【図10】記録パワーとHF信号を波形等化した信号(EQ)におけるβとの関係を示す。
【図11】記録パワーとHF信号を波形等化した信号(EQ)における振幅中心との関係を示す。
【符号の説明】
1……バイパスフィルタ、
2……トップピーク検出回路
3……ボトムピーク検出回路
4……アシンメトリ演算回路
5……判定回路

Claims (2)

  1. 実記録に先立って、最適な記録パワーを決定する光学記録媒体の記録方法であって、
    記録パワーを変化させてテスト記録を行い、該異なる記録パワーでテスト記録された部分の中から、二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心Aとを検出し、上記Aと、上記Aとが一致する記録パワーをPとし、上記Aと、上記Aとが一致する記録パワーをPとした場合において、
    ≦Pw≦Pとなる記録パワーPwを実記録時の最適記録パワーとして選択することを特徴とする光学記録媒体の記録方法。
  2. 光学記録媒体の記録装置において、
    実記録に先立って記録パワーを変化させてテスト記録を行う手段と、上記テスト記録された部分における、二値化されるべき最終信号の最短マーク長信号の振幅中心Aと、次に短いマーク長信号の振幅中心Aと、最大振幅を示すマーク長信号の振幅中心Aを検出する手段とを有し、上記異なる記録パワーでテスト記録された部分の中から、上記Aと上記Aとが一致する記録パワーをP、上記Aと上記Aとが一致する記録パワーをPとした場合において、
    ≦Pw≦Pとなる記録パワーPwを、実記録時の最適記録パワーとして選択することを特徴とする光学記録媒体の記録装置。
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