JP4123830B2 - Ledチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶基板上にp型半導体層、n型半導体層を形成したLEDチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばInGaNなどの窒化ガリウム(GaN)系の化合物半導体LEDチップ1は、一般的に図9に示すような構造を有している。つまり、サファイアのような透光性基板2の結晶上に窒化ガリウムのバッファ層(図示せず)を形成し、その上にn型窒化ガリウム層(以下n型半導体層と言う)3、更にその上に多層の量子井戸構造層(発光層を含む)4を順次形成し、また更にその上にp型窒化ガリウム層(p型半導体層と言う)5を形成してLEDチップ1を構成してある。場合によっては更にその上に光取り出し率向上のためのキャップ層が形成されることがある。また、電気的に絶縁するためn型半導体層3、発光層4及びp型半導体層5の側面および下面を絶縁膜8で覆っている。
【0003】
発光層付近の構造は、一般に、バンドギャップの小さい発光層をバンドギャップの大きいクラッド層で挟んだダブルへテロ(DH)構造と呼ばれる層構造を成している。このDH構造によって、正孔や電子が発光層にトラップされ、正孔と電子とが再結合する確率が増大したことが、GaN系LEDにおいて従来のGaAs系LEDと同程度の発光効率が得られた一因と考えられている
ところで、基板として用いるサファイアは導電性がないため、p型半導体層5と発光層4の一部をエッチング除去し、n型半導体層3を露出させてその上にn型半導体層3に対応するn側電極を形成している。従って、窒化ガリウム系LEDチップ1では、半導体層形成面側にn,pの二種類の電極が存在している構造が一般的であり、n側及びp側の各電極上には、ワイヤボンディング或いはバンプ接合に適した面積を有する丸形若しくは四角形の給電部(パッド)6,7を1つずつ形成するのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなDH構造を有するLEDチップ1では、発光層4と、発光層4に近接するクラッド層との屈折率差によって、発光層4で生じた光の内、少なからぬ割合の光が、発光層4とクラッド層との界面で全反射を繰り返しながら、発光層4と平行な向きに進行して発光層4端面に到達し、LEDチップ1の側面から外部へと放射される。そのため、LEDチップ1の側面から放射される光を光の取り出し方向に取り出して利用するためには、LEDチップ1の外部に反射部を設置する必要があり、LEDチップ1を配線基板などに実装して使用する場合はLEDチップ1の実装部を小型にできないという問題があった。
【0005】
また、近年、1個のLEDチップ1から得られる光量を増大させるために、チップの大型化を目指す開発傾向にあり、チップの大型化に伴う発光面内での発光むらを緩和するために、本発明者らは、p側及びn側の電極を複数の電極に分けるといった電極部に関する改良を提案している(特願2001−124556参照)。しかしながら、電極構造が複雑になると、発光層と平行な向きに進行する光がLEDチップ1の側面から外部へ放射される以前に、電極部で散乱されるなどして減衰し、光取り出し効率が低下するというような悪影響が考えられる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、チップ実装部の小型化が可能で光取り出し効率の高いLEDチップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、結晶基板上に少なくとも一対のp型半導体層及びn型半導体層を形成し、p型半導体層とn型半導体層との対向部に発光層を設け、p型半導体層、発光層及びn型半導体層の側面を少なくとも覆う絶縁膜を設けたLEDチップにおいて、発光層内を発光層と平行に進行する光が光の取り出し方向へ全反射されるように、発光層の端面、又は、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の内、少なくとも何れか一方の面を、その法線が発光層に平行な面と成す角度を所定の角度以上とするように、発光層に平行な面に対して傾斜させ、発光層の端面の法線と発光層に平行な面とが成す第1の角度と、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の法線と発光層に平行な面とが成す第2の角度とはそれぞれ鋭角であって、第2の角度を第1の角度よりも大きくし、第1の角度を、絶縁膜の屈折率を発光層の屈折率で除した値の逆正弦よりも小さい角度とし、且つ、第2の角度と第1の角度との差に、発光層の屈折率を絶縁膜の屈折率で除した値に第1の角度の正弦を乗じた値の逆正弦を加算した値を、基板実装後の完成状態において絶縁膜の外側面が接する物質の屈折率を絶縁膜の屈折率で除した値の逆正弦以上としたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面を、発光層の端面と非平行としたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1または2の何れか1つの発明において、絶縁膜の外側に金属膜を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、金属膜を、p型半導体層又はn型半導体層の内少なくとも何れか一方への配線部として兼用したことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、チップ側面を発光層と平行な面に対して斜めに傾斜させたことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明では、請求項1乃至5の何れか1つの発明において、p型半導体層とn型半導体層の各々に接続するp側電極とn側電極を半導体層形成側のチップ面に設け、複数のp側電極と、複数のn側電極とを、略平行に等間隔で交互に並行配列して、複数のp側電極の配列方向と交差する方向における一方の端を互いに連結して櫛形に形成するとともに、複数のn側電極の配列方向と交差する方向における他方の端を互いに連結して櫛形に形成して成ることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、各電極の連結されていない側の端部に丸みをもたせたことを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明では、請求項1乃至7の何れか1つの発明において、p型半導体層とn型半導体層との対を複数対積層したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
(基本構成1)
本基本構成のLEDチップの断面図を図1に示す。本基本構成では、サファイアのような透光性基板2の結晶上に、GaN系化合物半導体のn型半導体層3、発光層4を含む量子井戸構造、及びp型半導体層5を順番に積層してある。そして、n型半導体層3及びp型半導体層5の各々には、n側電極及びp側電極の給電部6,7が両半導体層3,5における透光性基板2と反対側の面に設けてある。また、n型及びp型の各半導体層3,5と発光層4の側面及び下面には、n側及びp側電極の給電部6,7が形成された部位を除いて絶縁膜8を形成してある。尚、本基本構成では絶縁膜8の材料として屈折率が約1.5のSiO2を用いている。また、図1中の矢印は発光層4で生じた光の内、発光層4と平行な方向に進行して発光層4の端面に到達した光の光路の一例を示している。
【0019】
ここで、本基本構成では発光層4の端面の法線L1と、発光層4に平行な面Aとの成す角度θ1(鋭角)が、絶縁膜8の屈折率n2を発光層4の屈折率n1で除した値の逆正弦以上となり(θ1≧sin−1(n2/n1))、透光性基板2に近い側ほど幅広となるように、発光層4を含む両半導体層3,5の側面をエッチングしている。例えば発光層4の屈折率n1が約2.6、SiO2からなる絶縁膜8の屈折率n2が約1.5の場合、sin−1(n2/n1)=35.2となるので、本基本構成では角度θ1が約40度となるように、発光層4を含む両半導体層3,5の側面をエッチングして、斜面を形成している。
【0020】
本基本構成のLEDチップ1を図示しない配線基板にフェースダウンの状態で実装して、点灯させたところ、発光層4で発生し、発光層4とクラッド層との界面で全反射を繰り返しながら、発光層4と平行な向きに進行して発光層4の端面に到達した光は、発光層4の端面で光取り出し方向(透光性基板2側)に全反射されるので、発光層4の端面から側方に放射される無駄な光を少なくして、光取り出し効率を高めることができる。
【0021】
尚、本基本構成ではLEDチップ1として、フェースダウンの状態で配線基板に実装される構造のものを例に説明を行ったが、LEDチップ1をフェースダウンの状態で配線基板に実装される構造のものに限定する趣旨のものではなく、図2に示すようにフェースアップの状態で配線基板に実装される場合には、発光層4内を発光層4と平行な向きに進行する光が、発光層4の端面で光の取り出し面側(透光性基板2と反対側)に全反射されるように、発光層4の端面の法線L1と発光層4に平行な面Aとの成す角度θ1が、絶縁膜8の屈折率n2を発光層4の屈折率n1で除した値の逆正弦以上となり(θ1≧sin−1(n2/n1))、透光性基板2から遠い側ほど幅広となるように、発光層4を含む両半導体層3,5の側面をエッチングなどの方法でカットすれば良い。尚、図2中の7aはp型半導体層5の上面に形成された透光性の金属膜からなるp側電極である。
【0022】
(基本構成2)
本基本構成のLEDチップの断面図を図3に示す。尚、LEDチップ1の基本構成は基本構成1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、図3中の矢印は発光層4で生じた光の内、発光層4と平行な方向に進行して発光層4の端面に到達した光の光路の一例を示している。
【0023】
基本構成1では透光性基板2の側面が、発光層4に平行な面と略直交しているのに対して、本基本構成では透光性基板2の側面を、発光層4を含む両半導体層3,5の側面と同様、発光層4に平行な面に対して斜めにカットしており、透光性基板2の側面を発光層4と平行な面に対して斜めに傾斜させることで、発光層4から透光性基板2の側面に向かって進行する光の内、透光性基板2の側面で光取り出し方向(図3の上側)へ全反射される割合が増加し、光取り出し効率をさらに向上させている。また直方体形状のLEDチップ1では、チップ側面に入射した光が全反射されてチップ内部を進行した場合、入射角が変化しないために別の面でも再び全反射されてしまい、チップ内で全反射を繰り返して進行する所謂繰り返し完全反射が発生するが、図3に示すようにチップ側面を傾斜させることで、繰り返し完全反射が起こりにくくなり、光の取り出し効率が向上する。
【0024】
また図3に示すLEDチップ1では、絶縁膜8の外側面に金属膜9a,9bを蒸着させており、さらにLEDチップ1の下面側の絶縁膜8に蒸着させた金属膜9aをn型半導体層3と接合させ、n型半導体層3への配線部を金属膜9aで兼用する構造としている。ここで、金属膜9aによりn型半導体層3への配線部を兼用しているので、LEDチップ1をフェースダウンの状態で配線基板に実装する際には、n側電極の給電部6に比べて面積的に広い金属膜9aにバンプを接合することができ、LEDチップ1の配線基板への実装が容易になる。また、n側電極の給電部6に比べて金属膜9aの方が面積が広いので、より大きなバンプを用いたり、複数個のバンプを用いることができ、LEDチップ1と配線基板との間の熱抵抗を小さくして、LEDチップ1の放熱性を高めることができる。
【0025】
また、絶縁膜8の外側に蒸着した金属膜9a,9bは、入射した光を光の取り出し方向へ反射する反射部としても機能するので、光の取り出し効率がさらに向上するという効果が得られる。
【0026】
尚、本基本構成では基本構成1のLEDチップ1において、チップ側面を発光層4と平行な面に対して傾斜させるとともに、絶縁膜8の外側に金属膜9a,9bを蒸着して、金属膜9bでn型半導体層3への配線部を兼用しているが、後述の実施形態において、本基本構成と同様に、チップ側面を発光層4と平行な面に対して傾斜させたり、絶縁膜8の外側に金属膜9a,9bを蒸着して、金属膜9bでn型半導体層3への配線部を兼用したりしても良いことは言うまでもない。
【0027】
(基本構成3)
本基本構成のLEDチップの断面図を図4に示す。本基本構成では、サファイアのような透光性基板2の結晶上に、GaN系化合物半導体のn型半導体層3、発光層4を含む量子井戸構造、及びp型半導体層5を順番に積層してある。そして、n型半導体層3及びp型半導体層5の各々には、n側電極及びp側電極の給電部6,7が両半導体層3,5における透光性基板2と反対側の面に設けてある。また、n型及びp型の各半導体層3,5の側面及び下面には、n側及びp側電極への給電部6,7の形成部位を除いて絶縁膜8を形成してある。尚、本基本構成では絶縁膜8の材料として屈折率n2が約2.0の窒化ケイ素を用いている。また、図4中の矢印は発光層4で生じた光の内、発光層4と平行な方向に進行して発光層4の端面に到達した光の光路の一例を示している。
【0028】
また、本基本構成のLEDチップ1はフェースダウンの状態で図示しない配線基板に実装され、LEDチップ1の周囲を屈折率n3が約1.4の透光性の封止樹脂(図示せず)で封止している。
【0029】
ここで、上述した基本構成1では発光層4の端面の法線L1と、発光層4に平行な面Aとの成す角度θ1が、絶縁膜8の屈折率n2を発光層4の屈折率n1で除した値の逆正弦以上となるように、発光層4を含む両半導体層3,5の側面をエッチングしているのに対して、本基本構成では発光層4の端面を発光層4に平行な面Aと略直交させている(すなわち発光層4の端面の法線を発光層4に平行な面Aと平行させている)。そして、発光層4の側面に接する絶縁膜8の外側面の法線L2と、発光層4に平行な面Aとの成す角度(鋭角)θ2が、封止樹脂の屈折率n3を絶縁膜の屈折率n2で除した値の逆正弦以上となるように(θ2≧sin−1(n3/n2))、絶縁膜8の外側面をエッチングなどの方法でカットして傾斜面8aを形成している。例えば絶縁膜8の屈折率n2が約2.0、封止樹脂の屈折率n3が約1.4の場合、sin−1(n3/n2)≒44となるので、本基本構成では角度θ2が約45度となるように、発光層4に接する絶縁膜8の外側面をエッチングして、傾斜面8aを形成している。このように、発光層4に接する絶縁膜8の外側面を発光層4と平行な面Aに対して傾斜させることで、発光層4と平行な向きに進行する光が、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aで光の取り出し方向へ全反射されるから、従来のLEDチップ1に比べて光の取り出し方向への光の取り出し効率を向上させることができる。
【0030】
(実施形態1)
本実施形態のLEDチップの断面図を図5に示す。本実施形態では、サファイアのような透光性基板2の結晶上に、GaN系化合物半導体のn型半導体層3、屈折率n1が約2.6の発光層4を含む量子井戸構造、及びp型半導体層5を順番に積層してある。そして、n型半導体層3及びp型半導体層5の各々には、n側電極及びp側電極の給電部6,7が両半導体層3,5における透光性基板2と反対側の面に設けてある。また、n型及びp型の各半導体層3,5と発光層4の側面及び下面には、n側及びp側電極への給電部6,7の形成部位を除いて、屈折率n2が約1.5のSiO2からなる絶縁膜8を形成してある。このLEDチップ1はフェースダウンの状態で図示しない実装基板に実装され、LEDチップ1の周囲を屈折率n3が約1.2の透光性の封止樹脂(図示せず)で封止している。尚、図4中の矢印は発光層4で生じた光の内、発光層4と平行な方向に進行して発光層4の端面に到達した光の光路の一例を示している。
【0031】
ところで、上述した各基本構成のLEDチップ1では、発光層4の端面の法線L1、又は、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面8aの法線L2と、発光層4に平行な面Aとがそれぞれ成す角θ1,θ2が、θ1≧sin−1(n2/n1)、θ2≧sin−1(n3/n2)なる条件を満たすように、発光層4の端面、又は、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面8aの内の一方のみを、発光層4と平行な面Aに対して傾斜させているが、LEDチップ1の大型化に伴って電極構造が複雑化した場合、上記角度θ1,θ2を単独で大きくできない場合も想定される。また、電極構造が比較的単純な構造であったとしても、使用する絶縁膜8や封止樹脂の材料によっては、発光層4と絶縁膜8との屈折率n1,n2の差、絶縁膜8と封止樹脂との屈折率n2,n3の差が小さくなって、上記の条件式を満たすために角度θ1,θ2の値を製作が困難なほど大きい値に設定しなければならない場合も考えられる。
【0032】
そこで、本実施形態では図5に示すように、発光層4の端面の法線L1と面Aとの成す第1の角度(鋭角)がθ1となるように、発光層4の端面を面Aに対して傾斜させるとともに、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面8aの法線L2と面Aとの成す第2の角度(鋭角)が第1の角度θ1よりも大きい角度θ2となるように、発光層4の端面が接する絶縁膜8の外側面8aを面Aに対して傾斜させている。
【0033】
ここで、上記の角度θ1を、絶縁膜8の屈折率n2を発光層4の屈折率n1で除した値の逆正弦よりも小さい値とし(θ1<sin−1(n2/n1))、且つ、第2の角度θ2と第1の角度θ1との差に、発光層4の屈折率n1を絶縁膜8の屈折率n2で除した値に角度θ1の正弦を乗じた値の逆正弦を加算した値αを、基板実装後の完成状態において絶縁膜8の外側面が接する封止樹脂の屈折率n3を絶縁膜8の屈折率n2で除した値の逆正弦以上とするように(α=(θ2−θ1)+sin−1((n1/n2)・sinθ1)≧sin−1(n3/n2))、角度θ1,θ2の値を設定している。例えば発光層4の屈折率n1が約2.6、絶縁膜8の屈折率n2が約1.5、封止樹脂の屈折率n3が約1.2の場合は、θ1<sin−1(n2/n1)=35.2、α≧sin−1(n3/n2)=53.1となるので、上記の条件式を満足するように、本実施形態では角度θ1=25°、角度θ2=40°としている。
【0034】
この時、α=62°となり、発光層4内を発光層4と平行な方向に進行する光が、発光層4と絶縁膜8との界面で屈折し、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aに対して臨界条件(α≧sin−1(n3/n2))を超える入射角αで入射するので、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aで光の取り出し方向へ全反射されることになり、従来のLEDチップ1に比べて光の取り出し方向への光の取り出し効率が向上する。
【0035】
上述した基本構成1〜3のLEDチップ1のように、発光層4の端面、又は、発光層4の端面が接する絶縁膜8の外側面の内の一方のみを傾斜させる場合は、角度θ1,θ2が大きい値となって、製作が難しい場合があるが、本実施形態では発光層4の端面、および、発光層4の端面が接する絶縁膜8の外側面を、それぞれ、発光層4と平行な面Aに対して、製作可能な角度θ1,θ2で傾斜させているので、LEDチップ1の製造が容易であり、発光層4内を発光層4と平行な方向に進行する光を、光の取り出し方向に全反射させることができる。また、発光層4及び絶縁膜8として、屈折率n1と屈折率n2との差が小さいような組み合わせの材料を用いたり、絶縁膜8及び封止樹脂として、屈折率n2と屈折率n3との差が小さいような組み合わせの材料を用いることができ、絶縁膜8や封止樹脂に使用できる材料の種類が増えるから、材料選択の自由度が向上するという利点もある。
【0036】
尚、本実施形態では発光層4の端面と、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面とを非平行としているが(θ1≠θ2)、図6に示すように、θ1<sin−1(n2/n1))、α≧sin−1(n3/n2)なる条件を満足するように角度θ1,θ2を設定するとともに、発光層4の端面と、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面とを略平行としても良く(θ1=θ2)、上述と同様に光の取り出し効率を向上させることができる。
【0037】
ところで、発光層4の端面と、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面とを略平行にした場合、半導体層の厚みによっては、図6に示すように、半導体層の端面と絶縁膜8の外側面との間で全反射を複数回繰り返した後に、透光性基板2を通してLEDチップ1の外部へ放射される場合が考えられ、光路が長くなることで光量の減衰や配光むらが発生する可能性がある。それに対して、図5に示すように発光層4の端面と、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面とを非平行にすれば、絶縁膜8の外側面で全反射した光は、そのまま光の取り出し面側に放射され、上述のような繰り返し反射は発生しないので、発光層4の端面と発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面とを非平行にした場合は略平行にした場合に比べて、光の取り出し効率がさらに向上するという利点がある。
【0038】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図7(a)(b)を参照して説明する。尚、LEDチップ1の基本的な構成は基本構成1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
図7(a)は本実施形態のLEDチップ1の電極配置を説明する説明図である。LEDチップ1の発光面は一辺が約1mmの正方形をしており、従来のLEDチップに比べて大型である。ここで、複数の短冊状のn側電極6aと、複数の短冊状のp側電極7aとが、平行且つ等間隔に交互に並行配列され、複数のn側電極6aの配列方向と交差する方向における一方の端を互いに連結して櫛形に形成するとともに、複数のp側電極7aの配列方向と交差する方向における他方の端を互いに連結して櫛形に形成している。そして、複数のn側電極6aを連結する連結部6cに給電部6を形成するとともに、複数のp側電極7aを連結する連結部7cに給電部7を形成しており、複数のn側電極6aと複数のp側電極7aとを等間隔で交互に並行配列することで、発光面の輝度を均一にできる。尚、n側及びp側電極6a,7aやその給電部6,7は例えばAu或いはAlを蒸着するなどして形成される。
【0040】
ここで、積層方向において透光性基板2に近い側に形成された複数のn側電極6aは、給電部6から遠ざかるにつれて、幅寸法が徐々に狭くなっている。また、n側電極6a上では給電部6から離れた点ほど、その近傍の発光層4を所定の光量で発光させるのに必要な電流密度は小さくなる。したがって、n側電極6aの幅寸法を、必要な電流密度の減少に合わせて狭めれば、n側電極6aに対向するp側電極7aと接続されたp型半導体層5や発光層4の面積を大きく取ることができ、発光効率がさらに向上する。また、LEDチップ1の半導体層形成側のチップ面の全域に亘るように幅広の電極を形成した場合、各々の電極が半導体層形成側のチップ面から放射される光の反射部として機能することになり、光の取り出し効率が向上するという利点がある。また、複数のn側電極6aにおいて櫛の歯に相当する部位の互いに連結されていない側の端部と、複数のp側電極7aにおいて櫛の歯に相当する部位の互いに連結されていない側の端部とは、先端部に電界が集中しやすいため、先端部に丸みを持たせることで電界の集中を抑えることができ、発光輝度をさらに均一にできる。
【0041】
また図7(b)は、図7(a)のB−B’線断面図を示しており、絶縁膜8の材料には屈折率n2が約1.5のSiO2を用いている。また、このLEDチップ1はフェースダウンの状態で図示しない実装基板に実装され、LEDチップ1の周囲を屈折率n3が約1.2の透光性を有する封止樹脂(図示せず)で封止している。
【0042】
ここで、本実施形態においても実施形態1と同様に、発光層4(屈折率n1=約2.6)の端面の法線L1が発光層4と平行な面Aと成す角度をθ1、発光層4の端面と接する絶縁膜8の外側面の法線L2が発光層4と平行な面Aと成す角度をθ2とすると、角度θ1を、絶縁膜8の屈折率n2を発光層4の屈折率n1で除した値の逆正弦より小さい値とし(θ1<sin−1(n2/n1))、且つ、角度θ2と角度θ1との差に、発光層4の屈折率n1を絶縁膜8の屈折率n2で除した値に角度θ1の正弦を乗じた値の逆正弦を加算した値αを、基板実装後の完成状態において絶縁膜8の外側面が接する封止樹脂の屈折率n3を絶縁膜8の屈折率n2で除した値の逆正弦以上とするように(α=(θ2−θ1)+sin−1((n1/n2)・sinθ1)≧sin−1(n3/n2))、角度θ1,θ2の値を設定している。例えば発光層4の屈折率n1が約2.6、絶縁膜8の屈折率n2が約1.5、封止樹脂の屈折率n3が約1.2の場合は、θ1<sin−1(n2/n1)=35.2、α≧sin−1(n3/n2)=53.1となるので、上記の条件式を満足するように、本実施形態では角度θ1=25°、角度θ2=40°としている。
【0043】
この時、α=62°となり、発光層4内を発光層4と平行な方向に進行する光が、発光層4と絶縁膜8との界面で屈折し、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aに対して臨界条件(α≧sin−1(n3/n2))を超える入射角αで入射するので、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aで光の取り出し方向へ全反射されることになり、従来のLEDチップ1に比べて光の取り出し方向への光の取り出し効率が向上する。
【0044】
本実施形態のような複雑な電極構造を有している場合、発光層4内を発光層4と平行な方向に進行する光が、電極で乱反射されるなどして、光の取り出し面側への光の取り出し効率が減少する可能性があるが、図7(b)に示すように、n側電極6aによって複数に分かれている発光層4の端面を斜めにカットするとともに、発光層4の端面に接する絶縁膜8の外側面を斜めにカットしているので、発光層4内を発光層4と平行な方向に進行する光を、光の取り出し方向に全反射させることができ、従来のLEDチップ1に比べて光の取り出し効率を向上させることができる。尚、本実施形態では、基本構成1のLEDチップ1においてn側電極及びp側電極を櫛形に形成して、n側電極の櫛の歯に相当する部位と、p側電極の櫛の歯に相当する部位とを、平行且つ等間隔に交互に配置しているが、他の実施形態のLEDチップ1において本実施形態の電極構造を適用しても良いことは言うまでもない。
【0045】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図8を参照して説明する。上述した実施形態1では、透光性基板2上にn型半導体層3と発光層4を含む量子井戸構造とp型半導体層5とを順番に積層したpn接合部を1組だけ形成しているのに対して、本実施形態では、n型半導体層3と発光層4を含む量子井戸構造とp型半導体層5とを順番に積層したpn接合部10a〜10cを3組積み重ねた構造を有しており、1つのLEDチップ1内に発光層4が3層存在するので、実施形態1に比べて1個当たりのLEDチップ1の光量を増大させることができる。尚、LEDチップ1の基本構成は実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
本実施形態では、半導体層のうち透光性基板2から最も遠いp型半導体層5の表面と、各pn接合部10a〜10cの端面とを絶縁膜8で覆っているが、絶縁膜8の材料としては、屈折率n2が約1.5のSiO2を用いている。また、このLEDチップ1はフェースダウンの状態で図示しない実装基板に実装され、チップの周囲は屈折率n3が約1.2の透光性の封止樹脂(図示せず)で封止されている。
【0047】
ここで、各pn接合部10a〜10cの端面の形状は、実施形態1で説明した図5に示すLEDチップ1と同様であり、発光層4(屈折率n1=約2.6)の端面の法線L1が発光層4と平行な面Aと成す角度をθ1、発光層4の端面と接する絶縁膜8の外側面の法線L2が発光層4と平行な面Aと成す角度をθ2とすると、角度θ1を、絶縁膜8の屈折率n2を発光層4の屈折率n1で除した値の逆正弦より小さい値とし(θ1<sin−1(n2/n1))、且つ、角度θ2と角度θ1との差に、発光層4の屈折率n1を絶縁膜8の屈折率n2で除した値に角度θ1の正弦を乗じた値の逆正弦を加算した値αを、基板実装後の使用状態において絶縁膜8の外側面が接する封止樹脂の屈折率n3を絶縁膜8の屈折率n2で除した値の逆正弦以上とするように(α=(θ2−θ1)+sin−1((n1/n2)・sinθ1)≧sin−1(n3/n2))、角度θ1,θ2の値を設定している。例えば発光層4の屈折率n1が約2.6、絶縁膜8の屈折率n2が約1.5、封止樹脂の屈折率n3が約1.2の場合は、θ1<sin−1(n2/n1)=35.2、α≧sin−1(n3/n2)=53.1となるので、上記の条件式を満足するように、本実施形態では角度θ1=25°、角度θ2=40°としている。
【0048】
この時、α=62°となり、発光層4内を発光層4と平行な方向に進行する光が、発光層4と絶縁膜8との界面で屈折し、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aに対して臨界条件(α≧sin−1(n3/n2))を超える入射角αで入射するので、絶縁膜8の外側面に設けた傾斜面8aで光の取り出し方向へ全反射されることになり、従来のLEDチップ1に比べて光の取り出し方向への光の取り出し効率が向上する。
【0049】
尚、本実施形態では対向するn型半導体層3とp型半導体層5とを含むpn接合部を3組形成しているが、pn接合部の数は2組以上であれば何組でも良く、1個当たりのLEDチップ1の光量を大きくできる。また、複数の発光層4は、全て同じ波長の光を放射するものでも良いが、一部又は全ての発光層4が互いに異なる波長の光を放射するようにしても良い。また、上述した各実施形態において、対向するn型半導体層3とp型半導体層5とを含むpn接合部を複数組形成しても良く、本実施形態と同様に1個当たりのLEDチップ1の光量を大きくできる。
【0050】
ところで、上述した各実施形態においては、透光性基板2としてサファイア基板を例に説明を行ったが、透光性基板2をサファイア基板に限定する趣旨のものではなく、配線基板にフェースダウンの状態で実装する場合には、透光性の結晶基板であればどのような基板を用いても良く、サファイア以外のSiCやGaINなどの結晶基板を用いても良い。また、LEDチップ1を配線基板にフェースアップの状態で実装する場合には、透光性を有していない結晶基板でも良い。
【0051】
また、n型半導体層3及びp型半導体層5の各々に接続されたn側及びp側電極の給電部6,7はそれぞれ結晶基板における半導体層側のチップ面に設けているが、例えばSiCのように導電性を有する結晶基板を用いた場合には、結晶基板に近い側の半導体層(本実施形態の場合はn型半導体層3)に接続される電極を、結晶基板における半導体層側と反対側の表面に形成しても良い。
【0052】
また、上記各実施形態では結晶基板上に、n型半導体層3、発光層4を含む量子井戸構造、及びp型半導体層5をこの順番で積層してあるが、p型半導体層5、発光層4を含む量子井戸構造、及びn型半導体層3の順番で積層するようにしても良い。また更に、n型半導体層3及びp型半導体層5としてGaN系化合物半導体を例に説明を行っているが、半導体の種類を上記のものに限定する趣旨のものではなく、GaAs系化合物半導体などでも良い。また、発光層4付近の構造としては量子井戸構造を用いているが、特に量子井戸構造に限定するものではなく、それ以外の構造のものを用いても良い。
【0053】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、結晶基板上に少なくとも一対のp型半導体層及びn型半導体層を形成し、p型半導体層とn型半導体層との対向部に発光層を設け、p型半導体層、発光層及びn型半導体層の側面を少なくとも覆う絶縁膜を設けたLEDチップにおいて、発光層内を発光層と平行に進行する光が光の取り出し方向へ全反射されるように、発光層の端面、又は、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の内、少なくとも何れか一方の面を、その法線が発光層に平行な面と成す角度を所定の角度以上とするように、発光層に平行な面に対して傾斜させ、発光層の端面の法線と発光層に平行な面とが成す第1の角度と、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の法線と発光層に平行な面とが成す第2の角度とはそれぞれ鋭角であって、第2の角度を第1の角度よりも大きくし、第1の角度を、絶縁膜の屈折率を発光層の屈折率で除した値の逆正弦よりも小さい角度とし、且つ、第2の角度と第1の角度との差に、発光層の屈折率を絶縁膜の屈折率で除した値に第1の角度の正弦を乗じた値の逆正弦を加算した値を、基板実装後の完成状態において絶縁膜の外側面が接する物質の屈折率を絶縁膜の屈折率で除した値の逆正弦以上としたことを特徴とし、発光層の端面、又は、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の内、少なくとも何れか一方の面を、その法線が発光層に平行な面と成す角度を所定の角度以上とするように、発光層に平行な面に対して傾斜させることで、発光層内を発光層と平行な方向に進行する光を、発光層の端面、又は、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の何れかで光の取り出し方向へ全反射させているので、光の取り出し方向へ放射される光量を増やして、光の取り出し効率を高めることができる。さらに、従来のLEDチップのように、発光層内を発光層と平行な方向に進行する光を光の取り出し方向に反射する部材をLEDチップの外側に設ける場合に比べて、LEDチップの実装部を小型にできるから、光の取り出し効率を高めた小型のLEDチップを実現できる。
【0056】
さらに、発光層内を発光層と平行な方向に進行する光は、絶縁膜との界面で屈折された後、絶縁膜の外側面に入射するのであるが、絶縁膜の外側面への入射角が臨界角以下となり、絶縁膜の外側面で光の取り出し方向に全反射されるから、光の取り出し方向へ放射される光量を増やして、光りの取り出し効率を高めることができる。また、絶縁膜や封止材料に使用できる材料は屈折率によって或る程度決まってしまうが、発光層の端面と、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の両方を発光層と平行な面に対して傾斜させた場合は、何れか一方の面のみを傾斜させた場合に比べて、各材料の屈折率の設定の自由度が高くなり、その結果、使用できる材料の自由度が高くなるという効果がある。
【0057】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面を、発光層の端面と非平行としたことを特徴とし、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面と発光層の端面とを平行にした場合は、発光層内を発光層と平行な方向に進行した光が絶縁膜の外側面で一旦反射された後、絶縁膜の外側面と発光層の端面との間で反射を繰り返して光の取り出し方向へ放射されるため、光路が長くなって光量が減衰したり配光むらが発生するといった問題が発生するが、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面と発光層の端面とを非平行にすることで、絶縁膜の外側面と発光層の端面との間で反射が繰り返されるのを防止し、光路長を短くして光量の減衰や配光むらを低減できるという効果がある。
【0058】
請求項3の発明は、請求項1または2の何れか1つの発明において、絶縁膜の外側に金属膜を設けたことを特徴とし、絶縁膜の外側面で反射せずに透過した光を金属膜の表面で反射させることにより、光の取り出し方向に放射される光量を増やして、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0059】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、金属膜を、p型半導体層又はn型半導体層の内少なくとも何れか一方への配線部として兼用したことを特徴とし、金属膜で配線部を兼用しているので、フェースダウンの状態で実装する場合には、半導体層に設けた電極部に比べて面積の広い金属膜にバンプを接合すれば良く、基板への実装を容易に行えるという効果がある。さらに、半導体層に設けた電極部に比べて金属膜の方が面積が広いので、より大きなバンプを用いたり、複数のバンプを使用することができ、LEDチップと基板との間の熱抵抗を小さくして、放熱性を高めることができる。
【0060】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、チップ側面を発光層と平行な面に対して斜めに傾斜させたことを特徴とし、チップ側面を発光層と平行な面に対して略直交させた場合、チップ側面で一旦全反射された光が、LEDチップの他の面で次々に全反射されて、チップ内を進行する所謂繰り返し完全反射が発生するが、チップ側面を発光層と平行な面に対して斜めに傾斜させているので、繰り返し完全反射の発生を抑制して、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0061】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1つの発明において、p型半導体層とn型半導体層の各々に接続するp側電極とn側電極を半導体層形成側のチップ面に設け、複数のp側電極と、複数のn側電極とを、略平行に等間隔で交互に並行配列して、複数のp側電極の配列方向と交差する方向における一方の端を互いに連結して櫛形に形成するとともに、複数のn側電極の配列方向と交差する方向における他方の端を互いに連結して櫛形に形成して成ることを特徴とし、チップ面にp型半導体層とn型半導体層の各々に接続する電極を略平行に等間隔で並行配置しているので、発光面内で発光輝度を均一にできる。
【0062】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、各電極の連結されていない側の端部に丸みをもたせたことを特徴とし、先端部に電界が集中するのを防止して、発光面内での発光輝度をさらに均一にできる。
【0063】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1つの発明において、p型半導体層とn型半導体層との対を複数対積層したことを特徴とし、発光層を複数設けることで、1個当たりのLEDチップの光量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本構成1のLEDチップの断面図である。
【図2】同上の別のLEDチップの断面図である。
【図3】基本構成2のLEDチップの断面図である。
【図4】基本構成3のLEDチップの断面図である。
【図5】実施形態1のLEDチップの断面図である。
【図6】同上の別のLEDチップの断面図である。
【図7】実施形態2のLEDチップを示し、(a)は電極の配置を上側から見た図、(b)はB−B’断面図である。
【図8】実施形態3のLEDチップの断面図である。
【図9】従来のLEDチップの断面図である。
【符号の説明】
1 LEDチップ
2 透光性基板
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
6,7 給電部
8 絶縁膜
A 面
L1 法線
Claims (8)
- 結晶基板上に少なくとも一対のp型半導体層及びn型半導体層を形成し、前記p型半導体層と前記n型半導体層との対向部に発光層を設け、p型半導体層、発光層及びn型半導体層の側面を少なくとも覆う絶縁膜を設けたLEDチップにおいて、発光層内を発光層と平行に進行する光が光の取り出し方向へ全反射されるように、発光層の端面、又は、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の内、少なくとも何れか一方の面を、その法線が発光層に平行な面と成す角度を所定の角度以上とするように、発光層に平行な面に対して傾斜させ、発光層の端面の法線と発光層に平行な面とが成す第1の角度と、発光層の端面に接する絶縁膜の外側面の法線と発光層に平行な面とが成す第2の角度とはそれぞれ鋭角であって、第2の角度を第1の角度よりも大きくし、第1の角度を、絶縁膜の屈折率を発光層の屈折率で除した値の逆正弦よりも小さい角度とし、且つ、第2の角度と第1の角度との差に、発光層の屈折率を絶縁膜の屈折率で除した値に第1の角度の正弦を乗じた値の逆正弦を加算した値を、基板実装後の完成状態において絶縁膜の外側面が接する物質の屈折率を絶縁膜の屈折率で除した値の逆正弦以上としたことを特徴とするLEDチップ。
- 前記発光層の端面に接する前記絶縁膜の外側面を、前記発光層の端面と非平行としたことを特徴とする請求項1記載のLEDチップ。
- 前記絶縁膜の外側に金属膜を設けたことを特徴とする請求項1または2の何れか1つに記載のLEDチップ。
- 前記金属膜を、p型半導体層又はn型半導体層の内少なくとも何れか一方への配線部として兼用したことを特徴とする請求項3記載のLEDチップ。
- チップ側面を発光層と平行な面に対して斜めに傾斜させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載のLEDチップ。
- p型半導体層とn型半導体層の各々に接続するp側電極とn側電極を半導体層形成側のチップ面に設け、複数のp側電極と、複数のn側電極とを、略平行に等間隔で交互に並行配列して、複数のp側電極の配列方向と交差する方向における一方の端を互いに連結して櫛形に形成するとともに、複数のn側電極の配列方向と交差する方向における他方の端を互いに連結して櫛形に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のLEDチップ。
- 前記各電極の連結されていない側の端部に丸みをもたせたことを特徴とする請求項6記載のLEDチップ。
- 前記p型半導体層と前記n型半導体層との対を複数対積層したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載のLEDチップ。
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