JP4678211B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フリップチップ実装に適したGaN系発光ダイオードと、フリップチップ実装されたGaN系発光ダイオードを含む発光装置に関する。
GaN系発光ダイオード(以下「GaN系LED」ともいう。)は、GaN系半導体からなる発光層を挟んでp型およびn型のGaN系半導体が接合されてなる、pn接合ダイオード構造を有する半導体発光素子であり、発光層を構成するGaN系半導体の組成を選択することによって、赤色〜紫外に至る光を発光させることが可能である。
GaN系半導体は、化学式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体であって、例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、AlN、InNなど、任意の組成のものが例示される。また、上記化学式において、3族元素の一部をホウ素(B)、タリウム(Tl)などで置換したもの、また、N(窒素)の一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)などで置換したものも、GaN系半導体に含まれる。
GaN系LEDは、有機金属化合物気相成長(MOVPE)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、分子ビームエピタキシー(MBE)法等の気相成長法を用いて、サファイア等からなる結晶基板上に、n型GaN系半導体層、発光層、p型GaN系半導体層をこの順に含む積層体を、n型GaN系半導体層の側が結晶基板側となるように形成し、その後、n型GaN系半導体層に給電するための電極と、p型GaN系半導体層に給電するための電極とを形成することによって、作製することができる。
なお、本明細書では、GaN系半導体層を気相成長法により製造する際に、結晶基板が下側にあり、その上にGaN系半導体層が積み重ねられるものとみなして、この上下の区別を、素子構造の説明においても適用する。また、上下方向(結晶基板やGaN系半導体層の厚み方向でもある。)と直交する方向を、横方向と呼ぶ。また、p型GaN系半導体層を単にp型層と呼び、n型GaN系半導体層を単にn型層とも呼ぶ。
図15に、従来のGaN系LEDの断面構造の一例を示す。図15において、101はサファイアからなる結晶基板、102はSiドープGaNからなるn型層、103はGaNとInGaNとからなるMQW構造の発光層、104はMgドープAlGaNからなるp型層、105はMgドープGaNからなるコンタクト層、P101はTiとAlとを積層してなる下部電極、P102はNiとAuとを積層してなる上部電極である。下部電極P101と上部電極P102は、それぞれ、n型層102とp型層104に給電するための電極である。
このようなGaN系LEDの実装形態の一つとして、素子の上面側を実装用基材の実装面に向けて固定する、フリップチップ実装がある。フリップチップ実装された素子では、発光層103で発生される光が、結晶基板101の下面側から素子外に取り出される。
図15に示すGaN系LEDでは、発光層103から上部電極P102の方向に進む光が、コンタクト層105の表面をほぼ全面的に覆うように形成された上部電極P102の下面で反射され、その進行方向を結晶基板101の方向に変えるので、上部電極P102を光反射性の良好な材料で形成することにより、フリップチップ実装したときの光取り出し効率を向上させることができる(特許文献1)。上部電極P102の材料は、コンタクト層105との接触抵抗が低く、かつ、光反射性が良好であることが望ましいが、これらの要求を同時に満足する材料を見つけることは簡単ではない。
図16に示すのは、従来技術に係る他のGaN系LEDの断面構造である。この素子では、上記問題を解決するために、コンタクト層205との接触抵抗が小さな金属からなる上部電極P202が、コンタクト層205の表面に部分的に形成され、その上を覆って、光反射性の良好なAg、Alからなる反射層rが形成されている(特許文献2)。しかし、この方法では、上部電極P202と反射層rとを別々の工程で積層することが必須となるため、工程数が多くなるだけでなく、上部電極P202と反射層rの積層状態を常に一定に保つことが難しく、素子間やウェハ間でバラツキが生じ易い。そのために、電極形成時に通常行われる熱処理工程や、フリップチップ実装時の加熱工程で、反射層rと上部電極P202との間でAg、Alの拡散や合金化反応が生じるときに、その状態が一定とならず、その結果として、上部電極P202とコンタクト層205との間の接触抵抗が不安定となり、素子間やウェハ間でのバラツキが大きくなるという問題がある。
特開平11−220170 特開2004−119983
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、フリップチップ実装時の光取り出し効率が改善されるとともに、別工程で形成される電極と反射層との間での材料の拡散や合金化反応によって、コンタクト層と電極との接触抵抗が不安定化する問題のない、GaN系LEDを提供することを目的とする。
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)少なくとも、n型GaN系半導体層と、GaN系半導体からなる発光層と、p型GaN系半導体層と、発光層で発生する光を透過する半導体からなるコンタクト層とを、この順に含む半導体積層体と、前記コンタクト層の表面に形成された電極および透明絶縁体と、前記透明絶縁体の表面に形成された反射層とを有し、前記透明絶縁体は、前記コンタクト層の材料の屈折率よりも小さい屈折率を有し、(A)前記反射層が、前記電極が前記透明絶縁体の表面まで延長して形成されたものであるか、または、(B)前記電極と前記反射層とが分離して形成されている、GaN系発光ダイオード。
(2)前記透明絶縁体の屈折率が、前記コンタクト層の材料の屈折率の85%未満である、前記(1)に記載のGaN系発光ダイオード。
(3)前記コンタクト層がp型GaN系半導体、n型GaN系半導体または酸化物半導体で形成されている、前記(1)または(2)に記載のGaN系発光ダイオード。
(4)前記電極および/または反射部が、発光層で発生された光を反射し得る位置に、Ag、Al、Rh、Pt、Pd、Irから選ばれる少なくともひとつの材料からなる反射部を含む、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のGaN系発光ダイオード。
(5)前記コンタクト層の表面に、前記電極に直接覆われた領域である電極被覆領域と、前記透明絶縁体に直接覆われた領域である絶縁被覆領域とが、混在する領域が形成された、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のGaN系発光ダイオード。
(6)前記電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在する領域において、前記電極被覆領域と前記絶縁被覆領域のそれぞれが細分化されている、前記(5)に記載のGaN系発光ダイオード。
(7)前記発光層がInGaNからなるとともに、その発光波長が紫色(約420nm)〜紫外(約365nm)の領域にあり、かつ、前記電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在する領域における電極被覆領域の面積比が20%〜40%である、前記(6)に記載のGaN系発光ダイオード。
(8)前記反射層は、前記電極が前記透明絶縁体の表面まで延長して形成されたものである、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のGaN系発光ダイオード。
(9)前記電極と前記反射層とが分離して形成されている、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のGaN系発光ダイオード。
(10)前記反射層がAgからなる反射部を含む、前記(9)に記載のGaN系発光ダイオード。
(11)実装用基材と、その表面にフリップチップ実装された、前記(1)〜(10)のいずれかに記載のGaN系発光ダイオードとを含む、発光装置。
上記(1)に記載されたGaN系LEDは、n型GaN系半導体層と、GaN系半導体からなる発光層と、p型GaN系半導体と、発光層で発生する光を透過する半導体からなるコンタクト層とを、この順に含む半導体積層体と、前記コンタクト層の表面に形成された電極および透明絶縁体と、前記透明絶縁体の表面に形成された反射層とを有しており、透明絶縁体が、コンタクト層の材料の屈折率よりも小さい屈折率を有しているために、発光層で発生される光が、金属からなる電極や反射層により反射されるだけではなく、コンタクト層と透明絶縁体との界面でも反射される。このコンタクト層と透明絶縁体との界面での反射にともなう損失は、透明絶縁体の光吸収が小さいために、金属表面での反射に伴う損失と比べて小さい。そのために、このGaN系発光ダイオードでは、電極や反射層による反射のみを利用する従来のGaN系発光ダイオードと比較して、n型GaN系半導体層側からの光の取り出し効率が改善される。
上記(1)に記載されたGaN系発光ダイオードでは、更に、透明絶縁体の表面に形成される反射層が、コンタクト層の表面に形成される電極を透明絶縁体の表面まで延長したものとされるか、または、この反射層と電極とが分離して形成される。このような構成とすることにより、電極と反射層とを別々の工程で形成し積層する場合に発生していた、電極とコンタクト層との間の接触抵抗が不安定となる問題が、改善される。
以下、図面を参照して具体的に説明する。
(第一の態様)
図1は、本発明の第一の態様に係るGaN系LEDの構造を示す模式図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)のX−Y線における断面図である。
図1において、11は結晶基板、12はn型層、13は発光層、14はp型層、15はコンタクト層、P11は下部電極、P12は上部電極、Insは透明絶縁体である。上部電極P12は、コンタクト層15の表面と接する部分から、透明絶縁体Insの表面をも覆うように延長して形成されており、透明絶縁体Insの表面では反射層として作用するように構成されている。
図1(a)における破線は、上部電極P12の下に隠れている透明絶縁体Insの輪郭線を表している。
結晶基板11は、例えば、サファイア基板である。
n型層12は、例えば、Si(ケイ素)を5×1018cm−3の濃度でドープした、膜厚3μmのGaN層である。
発光層13は、例えば、膜厚8nmのGaN障壁層と膜厚2nmのInGaN井戸層を、各10層交互に積層してなるMQW(多重量子井戸)層である。
p型層14は、例えば、Mg(マグネシウム)を5×1018cm−3の濃度でドープした膜厚30nmのAl0.1Ga0.9N層である。
コンタクト層15は、例えば、Mgを5×1019cm−3の濃度でドープした膜厚200nmのGaN層である。
結晶基板11とn型層12との間には、GaN、AlGaNなどからなるバッファ層(図示せず)を設けることが好ましい。
下部電極P11は、例えば、n型層12と接する側から順に、膜厚100nmのAl(アルミニウム)、膜厚100nmのW−Ti、膜厚100nmのAu(金)、膜厚100nmのPt(白金)、膜厚400nmのAuを積層し、熱処理することにより形成される。
透明絶縁体Insは、例えば、膜厚300nmのSiOである。
上部電極P12は、例えば、下層側から順に、膜厚10nmのNi(ニッケル)、膜厚10nmのAu(金)、膜厚100nmのRh(ロジウム)、膜厚100nmのAu(金)、膜厚100nmのPt(白金)、膜厚400nmのAu膜厚を積層し、熱処理することにより形成される。
透明絶縁体Insは、コンタクト層15の表面に部分的に形成されており、上部電極P12は、コンタクト層15の表面の、透明絶縁体Insが形成されていない領域と接している。また、上部電極P12は、コンタクト層15の表面を覆った領域から連なって、透明絶縁体Insの表面も覆うように形成されている。
図2は、コンタクト層15の表面付近を拡大して示したものである。図2において、領域αと領域βは、それぞれコンタクト層15の表面の領域であり、コンタクト層15の表面は、領域αの中で上部電極P12と接しており、領域βの中で透明絶縁体Insと接している。以下、領域αのように、コンタクト層の表面が上部電極に直接覆われた領域を電極被覆領域と呼び、領域βのように、コンタクト層の表面が透明絶縁体に直接覆われた領域を絶縁被覆領域と呼ぶことにする。
図1(a)に示すように、この素子では、コンタクト層15の表面において、格子状を呈する電極被覆領域が、複数の正方形状の絶縁被覆領域を取り囲んだパターンが形成されている。電極被覆領域を構成する帯状領域の幅(隣り合う絶縁被覆領域の間の距離)は、例えば2μmであり、絶縁被覆領域の一辺の長さは、例えば、8μmである。
図1に示すGaN系LEDの製造工程を以下に説明する。
結晶基板11の上に、n型層12、発光層13、p型層14を形成する工程は、周知のGaN系半導体結晶の気相成長法を用いて行うことができる。コンタクト層15をGaN系半導体で形成する場合には、コンタクト層15の形成までを、連続して行うことができる。
図3(a)は、コンタクト層15の成長が完了したウェハの上面図である。便宜上、ひとつの素子に相当する領域のみを表示しているが、実際の工程はウェハ単位で行われる。図3(b)および(c)、図4(d)および(e)も同様である。
コンタクト層15の成長が完了したウェハに対して、まず、図3(b)に示すように、透明絶縁体Insを形成する。製膜法としては、透明絶縁体Insの種類に応じて、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、スプレー熱分解法等、公知の製膜法を適宜用いることができる。ゾル−ゲル法などの湿式法を用いることも妨げられない。透明絶縁体InsをSiOで形成する場合の好ましい製膜法は、プラズマCVD法である。
透明絶縁体Insのパターニングは、公知のフォトリソグラフィ技法を用いて行うことができる。例えば、コンタクト層15の表面全体にレジストマスクを形成し、フォトリソグラフィ技法を用いて、該レジストマスクに絶縁被覆領域の形状を有する開口部を形成する。そして、その上からSiO膜を形成した後、レジストマスクをリフトオフすることによって、絶縁被覆領域のみにSiO膜を残す方法である。また、コンタクト層15の表面全体にSiO膜を形成した後、その表面に、フォトリソグラフィ技法を用いて、絶縁被覆領域の上方のみを覆うフォトレジスト膜を形成し、露出したSiO膜をエッチング除去することによって、絶縁被覆領域のみにSiO膜を残す方法も用い得る。
コンタクト層15の表面に透明絶縁体Insを形成したら、次は、図3(c)に示すように、コンタクト層15および透明絶縁体Insの両方を覆うように、上部電極P12を形成する。上部電極P12の形成には、公知の蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。
上部電極P12を形成したら、塩素ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、コンタクト層15の表面側から、コンタクト層15、p型層14、発光層13の一部を除去し、図4(d)に示すように、n型層12を露出させる。
次に、図4(e)に示すように、露出されたn型層12の表面に、下部電極P11を形成する。その後、電極の接触抵抗を低下させるために、ウェハ全体を熱処理し、電極とGaN系半導体層との密着を促進させる。この熱処理には、透明絶縁体Insと上部電極P12との密着を促進させる効果も有る。
熱処理後、必要に応じて結晶基板11の下面を研削および/または研磨して、結晶基板11の厚さを薄くした後、スクライビング、ダイシング、レーザ溶断などの方法を用いて素子分離を行う。
このようにして、図1に示すGaN系LEDを作製することができる。
図1に示す、第一の態様に係るGaN系LEDでは、発光層13で生じる光のうち、発光層13から直接、または、内部反射を経て、素子内を上方に進行する成分は、上部電極P12の下面(コンタクト層15の表面を覆う部分、および、透明絶縁体Insの表面を覆う部分)と、それに加えて、コンタクト層15と透明絶縁体Insとの界面で反射を受ける。この、コンタクト層15と透明絶縁体Insとの界面での反射は、コンタクト層15と透明絶縁体Insの屈折率差による反射であるが、この反射に伴う損失は、透明絶縁体の材料であるSiOの光吸収が小さいことから、金属からなる上部電極P12の表面での反射に伴う損失と比べて小さくなる。また、この界面で反射されなかった光は、透明絶縁体Insの内部に入射して、上部電極P12の下面で反射されることになるが、透明絶縁体Insの内部を伝播する際に受ける損失は小さい。そのため、透明絶縁体Insを設けないで、コンタクト層15の表面を上部電極P12のみで覆った場合と比べて、反射に伴う損失が小さくなるため、素子の光取り出し効率が改善される。
(第二の態様)
図5は、本発明の第二の態様に係るGaN系LEDの構造を示す模式図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)のX−Y線における断面図である。
図5において、21は結晶基板、22はn型層、23は発光層、24はp型層、25はコンタクト層、P21は下部電極、P22は上部電極、、P23はボンディング・パッド、Insは透明絶縁体、Rは反射層である。
結晶基板21は、例えば、サファイア基板である。
n型層22は、例えば、Siを5×1018cm−3の濃度でドープした、膜厚3μmのGaN層である。
発光層23は、例えば、膜厚8nmのGaN障壁層と膜厚2nmのInGaN井戸層を、各10層交互に積層してなるMQW層である。
p型層24は、例えば、Mgを5×1018cm−3の濃度でドープした膜厚30nmのAl0.1Ga0.9N層である。
コンタクト層25は、例えば、Mgを5×1019cm−3の濃度でドープした膜厚200nmのGaN層である。
結晶基板21とn型層22との間には、GaN、AlGaNなどからなるバッファ層(図示せず)を設けることが好ましい。
下部電極P21は、例えば、n型層22と接する側から順に、膜厚100nmのAl(アルミニウム)、膜厚100nmのW−Ti、膜厚100nmのAu(金)、膜厚100nmのPt(白金)、膜厚400nmのAuを積層し、熱処理することにより形成される。
上部電極P22は、例えば、下層側から順に、膜厚10nmのNi(ニッケル)、膜厚10nmのAu(金)、膜厚100nmのRh(ロジウム)を積層し、熱処理することにより形成される。
ボンディングパッドP23は、例えば、下層側から順に、膜厚20nmのTi(チタン)、膜厚400nmのAuを積層し、熱処理することにより形成される。
透明絶縁体Insは、例えば、膜厚300nmのSiOである。
反射層Rは、例えば、下層側から順に、膜厚100nmのRh、膜厚10nmのNi(ニッケル)、膜厚10nmのAu(金)、膜厚100nmのRh(ロジウム)を積層することにより形成される。
露出した上部電極P22の表面および反射層Rの表面は、直接、またはNiまたはTiの薄膜からなる密着性強化層を介して、SiOなどからなる絶縁保護膜(図示せず)で被覆することが好ましい。
透明絶縁体Insと上部電極P22は、コンタクト層25の表面において、格子状を呈する電極被覆領域が、複数の正方形状の絶縁被覆領域を取り囲んだパターンが形成されるように、配置されており、電極被覆領域を構成する帯状領域の幅(隣り合う絶縁被覆領域の間の距離)は、例えば2μmであり、絶縁被覆領域の一辺の長さは、例えば、10μmである。
上部電極P22と反射層Rは分離して形成されている。なお、この分離は、上部電極P22と反射層Rとの間での材料の拡散や合金化反応が実質的に抑制される程度であればよく、電気的に完全に絶縁されていることは要求されない。
図5に示すGaN系LEDの製造工程を以下に説明する。
結晶基板21の上に、n型層22、発光層23、p型層24を形成する工程は、前記第一の態様と同様である。
図6(a)は、コンタクト層25の成長が完了したウェハの断面図である。便宜上、ひとつの素子に相当する領域のみを表示しているが、実際の工程はウェハ単位で行われる。図6(b)、図7(c)および(d)も同様である。
コンタクト層25の成長が完了したウェハに対して、図6(b)に示すように、透明絶縁体Insと、反射層Rの最下層部であるRhの積層体を形成する。この積層体のパターニングは、例えば、コンタクト層15の表面に、フォトリソグラフィ技法を用いて、絶縁被覆領域の形状を有する開口部を形成したレジストマスクを形成し、その上からSiO膜とRhの積層体を形成した後、レジストマスクをリフトオフして、絶縁被覆領域のみに該積層体を残すことにより行うことができる。
次に、図7(c)に示すように、透明絶縁体Insに覆われていないコンタクト層15の表面の、電極被覆領域とすべき部分と、透明絶縁体InsとRhの積層体の上に、更に、Ni、Au、Rhを順次積層することによって、上部電極P22と反射層Rを完成させる。
上部電極P22と反射層Rを形成した後、図7(d)に示すように、塩素ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、コンタクト層25の表面側から、コンタクト層25、p型層24、発光層23の一部を除去し、n型層22を露出させ、その表面に下部電極P21を形成するとともに、コンタクト層15および上部電極P22の上に、上部電極P22と接触するように、ボンディングパッドP23を形成する。
その後、電極の接触抵抗を低下させるために、ウェハ全体を熱処理し、電極とGaN系半導体層との密着を促進させる。熱処理後、必要に応じて結晶基板21の下面を研削および/または研磨して、結晶基板21の厚さを薄くした後、スクライビング、ダイシング、レーザ溶断などの方法を用いて素子分離を行う。
このようにして、図5に示すGaN系LEDを作製することができる。
前記第一の態様および第二の態様において、コンタクト層15、25は、p型不純物を高濃度にドープしたp型GaN系半導体で形成する他、n型GaN系半導体や、n型導電性の導電性金属酸化物(酸化物半導体)で形成することもできる。酸化物半導体としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などが例示される。
コンタクト層15、25を、n型GaN系半導体や、酸化物半導体といった、n型の半導体材料で形成する場合には、p型層14、24とコンタクト層15、25との接合部の抵抗が十分に低くなるように、p型層14、24およびコンタクト層15、25のキャリア濃度を、該接合部近傍で高くすることが望ましい。また、p型層14、24とコンタクト層15、25との間に、透明または島状の金属薄膜を介在させるなど、該接合部の抵抗を低下させるための、公知の構造を適宜採用することができる。
コンタクト層15、25を酸化物半導体で形成するには、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、スプレー熱分解法など、酸化物半導体薄膜の公知の製造方法を用いることができる。
透明絶縁体Insの材料は、発光層13、23の発光波長において透過性を有し、かつ、屈折率がコンタクト層15、25の材料の屈折率よりも小さい無機絶縁体であればよく、コンタクト層15、25をGaN系半導体で形成する場合には、そのGaN系半導体の組成に応じて、SiO、Al、スピネル、Si、ZrO、AlN、TiOなどを適宜用いることができる。コンタクト層15、25を酸化物半導体で形成する場合には、透明絶縁体Insの好ましい材料は、SiO、Al、スピネルである。
コンタクト層15、25と透明絶縁体Insとの界面での屈折率差による反射がより効果的に生じるように、透明絶縁体Insの屈折率は、コンタクト層15の材料の屈折率の85%未満とすることが好ましく、80%未満とすることがより好ましく、75%未満とすることが特に好ましい。
SiOは1.4〜1.5という小さな屈折率を有することから、透明絶縁体Insの材料として特に好ましい。コンタクト層15をGaN系半導体で形成し、透明絶縁体InsをSiOで形成する場合、GaN系半導体の屈折率は約2.5前後であることから、スネルの法則によれば、コンタクト層15、25と透明絶縁体Insとの界面に、コンタクト層15、25の側から入射する光のうち、入射角が約36度以上の光は、この界面で全反射されることになる。従って、発光層13、23で発生する光のうち、コンタクト層15、25の側に向かって進行する光のかなりの部分を、コンタクト層15、25と透明絶縁体Insとの界面で反射させることが可能となる。
透明絶縁体Insの厚さは、例えば、100nm〜5μmである。透明絶縁体Insの上面形状を、ドット状、帯状などとする場合に、そのドットや帯の幅よりも、透明絶縁体Insの厚さ(高さ)が大きくなってもよい。コンタクト層15、25と透明絶縁体Insの界面で光が反射される際には、透明絶縁体Insの内部への光の染み出しが伴うが、この光が上部電極P12または反射層Rにより受ける吸収を小さくするには、透明絶縁体Insの厚さは200nm以上とすることが好ましく、300nm以上とすることがより好ましい。
下部電極P11、P21および上部電極P12、P22は、Ni(ニッケル)、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Co(コバルト)、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)、W(タングステン、La(ランタン)、Cu(銅)、Ag(銀)、Y(イットリウム)などの単体や合金で形成することができ、また、これらを積層した構造とすることもできる。
下部電極P11、P21とn型層12、22との間には、酸化物半導体層を介在させることもできる。
上部電極P12、P22の膜厚は、光反射性が生じる大きさとすればよく、例えば、20nm〜5μmである。十分な光反射性を持たせるには、上部電極P12、P22の厚さは50nm以上とすることが好ましく、100nm以上とすることがより好ましい。
コンタクト層15、25をp型GaN系半導体で形成する場合には、上部電極P12、P22は、少なくとも、コンタクト層15、25と接する部分であるコンタクト部を、Ni、Pd、Rh、Pt、Auから選ばれるひとつ以上の材料で形成すると、コンタクト層15、25との接触抵抗が特に低くなり、好ましい。
一方、コンタクト層15、25をn型GaN系半導体または酸化物半導体で形成する場合には、上部電極P12、P22の、少なくともコンタクト部を、Al、Tiまたはこれらの合金で形成すると、コンタクト層15、25との接触抵抗が特に低くなり、好ましい。
上部電極P12、P22は、発光層で発生された光を反射し得る位置に、Ag、Al、Rh、Pt、Pd、Irから選ばれる少なくともひとつの材料からなる反射部を含むように構成することが好ましい。例えば、上部電極P12、P22のコンタクト部を、コンタクト層15、25の材料に応じて、前記の、接触抵抗の低下のために好ましい材料を用いて透明に形成し、その直上に、前記の反射部を形成することができる。反射部は、厚さを50nm以上とすることが好ましい。
コンタクト層15、25をp型GaN系半導体で形成する場合の、上部電極P12、P22の好ましい構成として、上部電極P12、P22の最下層部分を、下層側/上層側の順に、Rh/Ag、Rh/Pt、Rh/Pd、Rh/Ir、Pd/Ag、Pd/Rh、Pd/Pt、Pd/Ir、Pt/Agから選ばれる積層構造とし、かつ該積層構造全体の厚さを50nm以上とする構成が例示される。
また、コンタクト層15、25をn型GaN系半導体または酸化物半導体で形成する場合の、上部電極P12、P22の好ましい構成として、上部電極P12、P22の最下層部分を、厚さ50nm以上のAlとする構成が例示される。この場合、光反射性の観点からは純Alを用いることが好ましいが、耐熱性を向上させるために、Ti、Si、Cu、Ndなどの元素を添加したAl合金も好適に用い得る。これらの元素は、合金の反射率が純Alの80%以下とならない程度に添加することが望ましい。
第一の態様において、上部電極P12の最表面部分に、Au、Sn、Inなどからなるボンディング部を形成すると、フリップチップ実装の際の接合に用いられる、Au−Sn共晶ハンダなどのろう材との濡れ性が良好となる。この場合、ボンディング部とコンタクト部との間や、ボンディング部と反射部との間に、高融点金属(W、Mo、Zr、Ti、白金族から選ばれる単体または、それらの合金)からなるバリア部を設けることが好ましい。このようなバリア部を設けることにより、上部電極P12が加熱された際に、ボンディング部とコンタクト部との間や、ボンディング部と反射部との間で、材料の拡散や合金化反応が生じることにより、上部電極P12とコンタクト層15との接触抵抗が増加したり、上部電極P12の光反射性が低下することが抑制される。
第二の態様において、反射層Rは、光反射性を有する金属膜とする。反射層Rは、発光層で発生された光を反射し得る位置に、Ag、Al、Rh、Pt、Pd、Irから選ばれる少なくともひとつの材料からなる反射部を含むように構成することが好ましい。反射部は、厚さを50nm以上とすることが好ましい。
p型GaN系半導体は導電性が低いために、p型GaN系半導体からなる層の内部では、電流の横方向の拡散が殆ど生じない。従って、第一の態様または第二の態様に係るGaN系LEDにおいて、コンタクト層15、25をp型GaN系半導体で形成する場合には、上部電極P12、P22によって電流を横方向に拡散させる必要がある。また、コンタクト層15、25をn型GaN系半導体や酸化物半導体で形成するときも、その膜厚を小さくすると横方向の電流拡散性が低くなるので、上部電極P12、P22によって横方向の電流拡散を補助することが好ましい。そこで、これらの場合には、コンタクト層15、25の表面に電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在するように、透明絶縁体Insと上部電極P12、P22を形成することが好ましい。
コンタクト層15、25の表面に電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在するパターンとしては、例えば、ネット状の電極被覆領域が複数の絶縁被覆領域を取り囲んだパターン、複数の帯状の電極被覆領域と絶縁被覆領域とが交互に並んだパターン、放射状、ミアンダ状、渦巻き状、樹枝状などを呈す電極被覆領域を絶縁被覆領域が取り囲んだパターン、などが例示される。これらのパターンの電極被覆領域と絶縁被覆領域とを入れ替えたパターンや、各種パターンを混在させたパターンでもよい。なお、第二の態様の場合には、電極被覆領域の各部分に通電されるように、電極被覆領域を、全体として連続させる。
図8に、電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在したパターンの具体例を示す。図8(a)〜(f)は、いずれも上面図であり、塗り潰された領域を電極被覆領域、塗り潰されていない領域を絶縁被覆領域とすると、図8(a)はネット状の電極被覆領域が複数の方形の絶縁被覆領域を取り囲んだパターン、図8(b)はネット状の電極被覆領域が複数の円形の絶縁被覆領域を取り囲んだパターン、図8(c)は複数の帯状の電極被覆領域と絶縁被覆領域とが、並列状に交互に並んだパターン、図8(d)は、それぞれ環状をなす、複数の帯状の電極被覆領域と絶縁被覆領域とが、同心状に交互に並んだパターン、図8(e)はミアンダ状を呈す電極被覆領域を絶縁被覆領域が取り囲んだパターン、図8(f)は放射状を呈す電極被覆領域を絶縁被覆領域が取り囲んだパターンを、それぞれ示している。
特に、コンタクト層15、25をp型GaN系半導体で形成する場合には、コンタクト層15、25の内部で電流が殆ど横方向に拡散しないため、発光層13、23では、実質的に、電極被覆領域の下方でしか発光が生じない。そこで、発光する領域が横方向にできるだけ均一に分布するように、コンタクト層15、25の表面に混在させる電極被覆領域と絶縁被覆領域のそれぞれを、細分化することが好ましい。電極被覆領域と絶縁被覆領域のそれぞれが細分化されて混在しているとは、具体的には、電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在している領域の中の、任意の50μm四方の領域を見たとき、その領域内に電極被覆領域と絶縁被覆領域とが少なくともひとつづつ含まれるように、電極被覆領域と絶縁被覆領域とが設けらた状態をいう。
コンタクト層15、25の表面に、電極被覆領域と絶縁被覆領域のそれぞれを細分化して混在させた領域を形成する場合、該領域における電極被覆領域の面積比(電極被覆領域と絶縁被覆領域とを合わせた面積に占める電極被覆領域の面積比率)は、例えば、10%〜80%とすることができ、好ましくは20%〜50%とすることができる。
特に、InGaNを発光層に用いたGaN系LEDでは、発光層のIn組成が低い程、すなわち、発光波長が短い程、電流密度の増加に伴う発光効率の低下が小さく、また、発光波長のシフトも小さいので、高電流密度での駆動に適していることが知られている。そこで、InGaNからなる発光層を有し、発光波長が紫色(約420nm)〜紫外(約365nm)の領域にあるGaN系LEDでは、光反射に伴う損失の小さい絶縁被覆領域の面積を広く取り、発光層の一部の領域(電極被覆領域の下方の領域)に電流を集中させて高電流密度で発光させた方が効率上有利となるため、前記電極被覆領域の面積比は、20%〜40%とすることが好ましく、20%〜30%とすることがより好ましい。
コンタクト層15、25をn型GaN系半導体または酸化物半導体で形成する場合は、その膜厚を適度に大きくすれば、コンタクト層15、25の内部での電流の横方向の拡散性が良好となるので、コンタクト層15、25の表面に電極被覆領域と絶縁被覆領域とを混在させるにあたり、各領域を細分化することは必須ではない。すなわち、これらの領域が混在するパターンを、より粗くしてもよい。例えば、電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在したパターンを、格子状を呈する電極被覆領域が、複数の正方形状の絶縁被覆領域を取り囲んだパターンとする場合の、絶縁被覆領域の一辺の長さを、50μm以上とすることができる。
第一の態様および第二の態様において、コンタクト層のシート抵抗が十分に低い場合には、図9、図11および図12に示す素子のように、コンタクト層の表面の中央部分に電極被覆領域を設けない構成とすることができる。コンタクト層のシート抵抗が十分に低いときとは、コンタクト層の内部における電流の横方向拡散に伴う電圧降下が、素子の動作電圧(順方向電圧)と比べて十分に小さいときであり、このとき、コンタクト層の表面の中央部分に電極被覆領域を設けなくても、コンタクト層の内部で、コンタクト層の中央部分にも電流が拡がり、その結果、コンタクト層のほぼ全面の下方で、均一な発光が生じる。
図9は、第一の態様に係る、コンタクト層の表面の中央部分に電極被覆領域を設けないGaN系LEDの構造を示す模式図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は図9(a)のX−Y線における断面図である。図9において、31は結晶基板、32はn型層、33は発光層、34はp型層、35はコンタクト層、P31は下部電極、P32は上部電極、Insは透明絶縁体である。図9(a)における破線は、上部電極P32の下に隠れている透明絶縁体Insの輪郭線を表している。
結晶基板31は、例えば、サファイア基板である。
n型層32は、例えば、Siを5×1018cm−3の濃度でドープした、膜厚3μmのGaN層である。
発光層33は、例えば、膜厚8nmのGaN障壁層と膜厚2nmのInGaN井戸層を、各10層交互に積層してなるMQW層である。
p型層34は、例えば、発光層23と接する部分を、Mgを5×1018cm−3の濃度でドープした膜厚30nmのAl0.1Ga0.9N層とし、その上に、Mgを5×1019cm−3の濃度でドープした膜厚200nmのGaN層を形成した積層体である。
コンタクト層35は、例えば、膜厚500nmのITOである。
透明絶縁体Insは、例えば、膜厚300nmのSiOである。
下部電極P31および上部電極P32は、例えば、下層側から順に、膜厚10nmのTi、膜厚100nmのAl、膜厚100nmのW−Ti、膜厚100nmのAu、膜厚100nmのPt、膜厚400nmのAuを、同時に積層し、熱処理することにより形成される。
図9(a)に示すように、この素子では、幅10μmの帯状の電極被覆領域が、コンタクト層35の表面の周辺部に、環状をなすように形成されている。コンタクト層35の表面の、この電極被覆領域に囲まれた領域は、透明絶縁体Insに直接覆われた絶縁被覆領域となっている。
このような、コンタクト層の表面の中央部分に電極被覆領域を設けない形態では、電極被覆領域と絶縁被覆領域の配置や形状は特に限定されず、上部電極とコンタクト層との接触抵抗が大きくなり過ぎない範囲(素子の動作電圧の10%を超えないことが望ましい)で、電極被覆領域の面積をできるだけ小さくすることが好ましい。コンタクト層の上面形状を方形とした場合の、電極被覆領域と絶縁被覆領域の配置および形状の例を、図10に示す。図10(a)〜(f)では、塗り潰された領域が電極被覆領域、塗り潰されていない領域が絶縁被覆領域を示している。
図11は、第二の態様に係る、コンタクト層の表面の中央部分に電極被覆領域を設けないGaN系LEDの構造を示す模式図であり、図11(a)は上面図、図11(b)は図11(a)のX−Y線における断面図である。図11において、41は結晶基板、42はn型層、43は発光層、44はp型層、45はコンタクト層、P41は下部電極、P42は上部電極、Insは透明絶縁体、Rは反射層である。
結晶基板41は、例えば、サファイア基板である。
n型層42は、例えば、Siを5×1018cm−3の濃度でドープした、膜厚3μmのGaN層である。
発光層43は、例えば、膜厚8nmのGaN障壁層と膜厚2nmのInGaN井戸層を、各10層交互に積層してなるMQW層である。
p型層44は、例えば、発光層43と接する部分を、Mgを5×1018cm−3の濃度でドープした膜厚30nmのAl0.1Ga0.9N層とし、その上に、Mgを5×1019cm−3の濃度でドープした膜厚200nmのGaN層を形成した積層体である。
コンタクト層45は、例えば、膜厚500nmのITOである。
透明絶縁体Insは、例えば、膜厚300nmのSiOである。
下部電極P31および上部電極P32は、例えば、下層側から順に、膜厚10nmのTi、膜厚100nmのAl、膜厚100nmのW−Ti、膜厚100nmのAu、膜厚100nmのPt、膜厚400nmのAuを、同時に積層し、熱処理することにより形成される。
反射層Rは、膜厚200nmのAgである。
反射層Rの表面は、直接、またはNiまたはTiの薄膜からなる密着性強化層を介して、SiOなどからなる絶縁保護膜(図示せず)で被覆することもできる。
図11に示す素子では、上部電極P42と反射層Rとが分離して形成されている。そのために、反射層Rの材料として、Agを好適に用いることができる。Agは、可視短波長領域から紫外波長領域において極めて良好な光反射性を有するが、高電位状態に置かれると電気化学的なマイグレーションを起こし易いという問題がある。図11に示す素子では、Agからなる反射層Rが、素子の高電位側の電極である上部電極P42と分離しているため、この問題が抑制される。
図12は、第二の態様に係る、コンタクト層の表面の中央部分に電極被覆領域を設けないGaN系LEDの、他の形態例を示す断面構造図である。図12に示す素子では、透明絶縁体Insが、発光層53、p型層54、コンタクト層55の端面をも覆うように、延長して形成されている。そして、下部電極P51が透明絶縁体Insの表面をも覆うように延長して形成され、透明絶縁体Insの表面では反射層として作用するように構成されている。図12に示す素子の結晶基板51、n型層52、発光層53、p型層54、コンタクト層55、上部電極P52は、図11に示す素子と同じとすることができる。また、下部電極P51の材料および積層構造も、図11に示す素子と同じとすることができる。
(フリップチップ実装例)
図13は、図1に示すGaN系LEDのフリップチップ実装例を示す、断面構造図である。
図13において、Subは実装用基材であり、例えば、AlNからなる基板Sub1の表面に、Auからなるリード電極Sub2、Sub3のパターンが形成されたものである。GaN系LEDは、素子の上面側を実装用基材Subの実装面に向けて、下部電極P11をリード電極Sub2に、上部電極P12をリード電極Sub3に、それぞれ、導電性接合材料Cで接合することにより、実装用基材Subに固定されている。導電性接合材料Cは、例えば、Au−Snハンダ等のろう材や、導電体微粒子が樹脂バインダに分散されてなる導電性ペーストである。
なお、以上の説明で例示したGaN系LEDにおいて、結晶基板にはサファイアだけではなく、GaN系半導体層の成長に使用し得る公知の結晶基板を用いることができるが、SiC、GaN、ZnOなどからなる、導電性の透明結晶基板を用いる場合には、下部電極を、エッチングにより形成したn型層の露出面に形成する代わりに、結晶基板の下面に形成することが可能となる。そのような素子では、フリップチップ実装の際、実装用基材の実装面に形成された電極に対して、上部電極のみを導電性接合材料で固定し、下部電極のボンディングはワイヤを用いて行うことができる。
(変形例)
第一の態様および第二の態様に係るGaN系発光ダイオードは、GaN系半導体層の成長に用いる結晶基板を、必須の構成として含まなくてもよい。すなわち、GaN系半導体層の成長に用いられた結晶基板は、最終的に素子から除去することができる。このような実施形態に係るGaN系発光ダイオードの製造工程を、図14を用いて説明する。
図14(a)は、結晶基板61上に、n型層62、発光層63、p型層64、コンタクト層65を成長し、更に、透明絶縁体Ins、上部電極P62、を形成したウェハの断面図である。便宜上、ひとつの素子に相当する領域のみを表示しているが、実際の工程はウェハ単位で行われる。コンタクト層65は、例えば、膜厚500nmのITOである。素子分離後の各素子単位におけるコンタクト層65の表面において、中央部分が絶縁被覆領域とされ、それを取り巻く周辺部に電極被覆領域が環状に存在するように、透明絶縁体Insと上部電極P62が形成されている。
図14(b)は、上部電極P62の上に、導電性接合材料Cを介して、保持基板Bが接合されたところを示す断面図である。導電性接合材料Cは、例えば、ろう材や、導電性ペーストである。保持基板Bは、導電性基板であればよく、各種の半導体基板や、金属基板を用いることができる。また、上部電極P62を電極とする電気メッキにより、Niなどの金属の厚膜を堆積させ、これを保持基板として用いることもできる。
図14(c)は、結晶基板61を除去し、露出させたn型層62の表面に、下部電極P61が形成されたところを示す断面図である。結晶基板61の除去は、結晶基板61の全部または大部分を、研削・研磨により摩滅させたり、レーザリフトオフの技術を用いて、結晶基板61をn型層62から剥離させたり、結晶基板61または結晶基板61とn型層62との間に形成されたバッファ層(図示せず)を選択的に溶解することにより、結晶基板61を除去またはn型層62から剥離することにより、行うことができる。
結晶基板を最終的に素子から除去する実施形態の他の例として、結晶基板を有する素子を、図13に示すように実装用基材の表面にフリップチップ実装した後、レーザリフトオフの技術を用いて、実装用基材の表面に固定された素子から結晶基板を除去することもできる。
本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードを示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)のX−Y線における断面図である。 図1に示すGaN系発光ダイオードの一部の拡大図である。 図1に示すGaN系発光ダイオードの製造工程を説明する図である。 図1に示すGaN系発光ダイオードの製造工程を説明する図である。 本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードを示す図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)のX−Y線における断面図である。 図5に示すGaN系発光ダイオードの製造工程を説明する図である。 図5に示すGaN系発光ダイオードの製造工程を説明する図である。 電極被覆領域と絶縁被覆領域とが混在したパターンを例示する図である。 本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードを示す図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は図9(a)のX−Y線における断面図である。 電極被覆領域と絶縁被覆領域の配置および形状を例示する図である。 本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードを示す図であり、図11(a)は上面図、図11(b)は図11(a)のX−Y線における断面図である。 本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードを示す図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は図12(a)のX−Y線における断面図である。 本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードの実装例を示す図である。 本発明の実施形態に係るGaN系発光ダイオードの製造工程を説明する図である。 従来技術に係るGaN系発光ダイオードを示す図である。 従来技術に係るGaN系発光ダイオードを示す図である。
符号の説明
11、21、31、41、51、61 結晶基板
12、22、32、42、52、62 n型GaN系半導体層
13、23、33、43、53、63 発光層
14、24、34、44、54、64 p型GaN系半導体層
15、25、35、45、55、65 コンタクト層
P11、P21、P31、P41、P51、P61 下部電極
P12、P22、P32、P42、P52、P62 上部電極
P23 ボンディング・パッド
Ins 透明絶縁体
R 反射層

Claims (4)

  1. 下記(A)のGaN系発光ダイオードを、該GaN系発光ダイオードに含まれる下記上部電極が形成された側の面を実装用基材の実装面に向けて、該実装用基材に固定してなる発光装置。
    (A)少なくとも、n型GaN系半導体層と、GaN系半導体からなる発光層と、p型GaN系半導体層とをこの順に含む、GaN系半導体積層体と、
    前記p型GaN系半導体層の表面に形成され、前記発光層で発生する光を透過する導電性金属酸化物層と、
    前記導電性金属酸化物層の表面の一部に形成された上部電極と、
    前記導電性金属酸化物層の表面の他の一部に形成された透明絶縁体と、
    前記透明絶縁体の表面に形成された反射層とを有し、
    前記透明絶縁体は、前記導電性金属酸化物層の材料の屈折率よりも小さい屈折率を有し、
    さらに、前記GaN系半導体積層体から前記p型GaN系半導体層および前記発光層が一部除去されることにより露出した前記n型GaN系半導体層の表面に、下部電極が形成され、
    上部電極および下部電極のそれぞれは、前記反射層と層構造が同一ではなく、かつ、前記反射層と分離して形成されている、
    GaN系発光ダイオード。
  2. 下記(B)のGaN系発光ダイオードを、該GaN系発光ダイオードに含まれる下記上部電極が形成された側の面を実装用基材の実装面に向けて、該実装用基材に固定してなる発光装置。
    (B)少なくとも、n型GaN系半導体層と、GaN系半導体からなる発光層と、p型GaN系半導体層とをこの順に含む、GaN系半導体積層体と、
    前記p型GaN系半導体層の表面に形成され、前記発光層で発生する光を透過する導電性金属酸化物層と、
    前記導電性金属酸化物層の表面の一部に形成された上部電極と、
    前記導電性金属酸化物層の表面の他の一部に形成された透明絶縁体と、
    前記透明絶縁体の表面に形成された反射層とを有し、
    前記透明絶縁体は、前記導電性金属酸化物層の材料の屈折率よりも小さい屈折率を有し、
    さらに、当該発光ダイオードの前記上部電極が形成された側とは反対側の面に、前記n型GaN系半導体層に接続された下部電極が形成され、
    前記上部電極は、前記反射層と層構造が同一ではなく、かつ、前記反射層と分離して形成されている、
    GaN系発光ダイオード。
  3. 前記透明絶縁体の屈折率が、前記導電性金属酸化物層の材料の屈折率の85%未満である、請求項1または2に記載の発光装置
  4. 記反が、前記発光層で発生された光を反射し得る位置に、Ag、Al、Rh、Pt、Pd、Irから選ばれる少なくともひとつの材料からなる反射部を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置
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