JP4122666B2 - 交通情報収集システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置検出機能を備えた携帯電話機と基地局を通じて送受信を行なうようにした交通情報収集システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、例えば、交通情報収集システムとしては、交差点や道路際に車両検知器を配置し、車両検知器を通過する車両を検知したり、あるいはその車速を検知してその検知情報を情報収集局に送り、情報収集局において、送られた車両検知情報に基づいて各道路の交通量や渋滞度などを認識するようにしたものがある。また、交差点や道路際にテレビカメラなどを配置して、この映像情報をリアルタイムで判断することにより道路の交通状況を把握するようにした技術も採用されている。
【0003】
このようにして認識された交通情報を、道路際などに設ける表示装置により道路交通情報として通行する車両に案内することで、その道路を通行する場合にかかる所要時間をあるい程度推定することができるし、あるいは、渋滞の発生が予想されている場合には、早い時点で経路を変更することができ、渋滞に巻き込まれないようにして迅速に目的地に到着することができるようになる。
【0004】
また、特開平10−307993号公報には、道路を通行する車両側から直接情報を提供するシステムが考えられている。すなわち、自動車に設ける車載ユニットに携帯電話機を接続することで、自車の走行状態として速度、車種、カーナビを通じた位置情報を携帯電話機を通じて基地局に送信するもので、基地局を通じて車両の情報を収集するようにした構成である。
【0005】
しかしながら、上述したような従来構成のものでは、例えば、前者の構成では、十分な交通情報を収集するためには、検知対象となる多数の交差点や道路際に車両検知器やテレビカメラを配置する必要があり、その設備に要する費用や維持費などが多大になり、さらには、環境の違いや多種類に渡る車両によって交通量の判断に大きな誤差を生じてしまう場合もある。
【0006】
また、後者のものにおいては、上記したような不具合は解消されつつあるものの、車載ユニットを必須要件としており、携帯電話機を所持するだけでは交通情報を収集することができず、さらには、交通情報を送信するためには携帯電話機を車載ユニットに接続することが必要であるから、使用者にとっては情報を提供するための接続作業になる場合もあるので、運転の度に煩わしい作業を行なわねばならないということになる。
【0007】
また、従来においては、このように携帯電話機などの移動体通信装置を所持して移動している人や移動体の位置などを統括的に認識してこれを移動体通信装置の分布情報あるいは移動情報などの情報として利用することは行なわれておらず、これを利用した活用が望まれていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば、道路や交差点などに設備を設ける必要がなく、且つ、道路を通行する者が車両の通信機器に接続する煩わしさも解消することができ、携帯電話機を所持しているだけで自動的に交通情報を提供することができ、これによって、情報収集局側で簡単且つ確実に交通情報を収集することができる交通情報収集システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明によれば、携帯電話機は、位置検出手段により測位用衛星からの信号を受信して現在位置を検出して、これを基地局を通じて送信する。交通情報収集装置は、判断手段により、受信した位置検出データを地図データと比較して道路上に位置するか否かを判断し、道路上に位置することが判断されると、移動状態算出手段は、その受信した位置検出データと前回の位置検出データとに基づいて移動速度および移動方向を算出し、交通情報収集手段により、対象としている道路毎に分けてその道路上に位置する前記携帯電話機の個数および移動速度データならびに移動方向データを収集するようになる。
【0016】
これにより、交通情報収集装置においては、道路上に位置している携帯電話機の移動速度および移動方向を交通状態を認識しようとする対象の道路毎に把握することができるようになり、これをもって対象道路を走行する車両の移動情報を推定することができるようになる。この場合、携帯電話の普及率が高くなるほど移動情報が正確になると考えられるが、普及率が低い場合でも、得られた特徴的な移動情報からその道路に関する交通状態をある程度推定することができるので、迅速な交通情報を得て交通渋滞などの回避をするように誘導するなどの措置を講ずることができるようになる。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の構成のうち、交通情報収集装置側に設けていた判断手段を携帯電話機側に設ける構成としているので、上述と同様の作用効果が得られると共に、交通情報収集装置側において道路上に位置するか否かの処理を実行する必要がなくなり、その分だけデータ処理に要する時間や手間を軽減することができるようになり、他のデータ処理に活用することもできるようになる。また、携帯電話機側においては、交通情報として不必要なデータまで常に送信する必要がないので、基地局との通信を必要な場合にのみ利用することで消費電力の低減や通信回線の効率的な利用をすることができるようになる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の構成のうち、交通情報収集装置側に設けていた判断手段および移動状態算出手段を携帯電話機側に設ける構成としているので、請求項2の構成に比べて、さらに交通情報収集装置側におけるデータ処理量を軽減することができるようになり、その分だけ他のデータ処理を迅速に実行することができるようになり、携帯電話機側においても、交通情報として必要なデータのみを送信することで効率的な通信を行なうことができるようになる。
【0019】
請求項4の発明によれば、上記請求項1ないし3の発明において、交通情報収集装置に推定手段を設け、この推定手段により、携帯電話機の分布情報および移動情報とに基づいて、対象道路毎に移動速度が大きい方から所定割合に相当する個数のデータを抽出してその抽出個数と移動速度の大きさとからその対象道路の交通の流れ状態を推定するので、このようにサンプルとして抽出したデータを利用してその移動状態の特徴を推定して全体の交通状態を推定することができるようになる。
【0020】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明において、交通情報収集装置の推定手段により、抽出したデータの中にその道路における制限速度に相当する移動速度のものが含まれる場合にその道路の交通状態は良好であると推定するようにしたので、少なくとも、渋滞状態では存在しえない速度で移動している携帯電話機が存在することで、その道路のその移動方向については良好な交通状態であることを迅速且つ正確に推定することができ、有用な交通情報として利用することができるようになる。
【0021】
請求項6の発明によれば、請求項4および5の発明において、交通情報収集装置の推定手段により、抽出したデータの中に車両が停滞していると想定される速度の携帯電話機が多数含まれる場合にその道路の交通状態は渋滞であると推定するようにしたので、抽出したデータが移動速度の大きい方からサンプリングしていることから考えて、少なくとも、良好な交通状態では制限速度に相当する移動速度のものが含まれると推定されるにもかかわらず多数の携帯電話機が停滞していると想定される速度で移動していることで渋滞状態の可能性が高いとして推定することができるようになる。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項4ないし6の発明において、交通情報収集装置の推定手段により、抽出したデータがすべて停止状態を示す移動速度である場合にその道路の交通状態に何らかの異常が発生していることを推定するようにしたので、少なくとも、事故などが発生してその道路の車両の通行を不能とする要因が発生している状況を推定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を交通情報収集システムに適用した場合の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本交通情報収集システムの全体構成を概略的に示すもので、次のように構成される。移動体としての車両である自動車1は、図示のように複数台たとえば6台の自動車1a〜1gとして存在している場合について考える。自動車1a〜1fは乗用車であり、自動車1gはバスなどの多数の人が乗車可能な車両である。
【0024】
移動体通信装置としての携帯電話機2は、各自動車1a〜1gに乗車している人が携帯しており、自動車1a〜1fには各1台の携帯電話機2a〜2fが存在し、自動車1gには3台の携帯電話機2g〜2iが存在している。各携帯電話機2a〜2iは、基地局3a〜3cなどの各通信エリア内に位置するときにその基地局3a〜3cを通じてPDC通信網4に接続可能となっている。PDC通信網4からは、図示しない公衆通信網への接続可能となっている。
【0025】
交通情報収集装置としての交通情報センター5はPDC通信網4に接続されており、携帯電話機2a〜2iなど多数の携帯電話機2からの位置検出データを受信回路5aを介して取得し、制御装置5bにおいて後述するようにして交通情報として得ると共に道路毎の交通状態を推定するようになっている。また、制御装置5bには、交通情報を記憶すると共に地図データが記憶されているデータ記憶部5cが接続されると共に、得られた交通情報を外部に伝達するための交通情報発信局5dが付設されている。また、携帯電話機2a〜2iは、後述するように、測位用衛星としての多数のGPS衛星6a,6b,…からの測位電波信号を受信してその現在位置を算出するように構成されている。
【0026】
図2は、携帯電話機2(2a〜2i)の電気的構成を示す機能ブロック図である。この図2において、制御回路7は、マイクロコンピュータ等を主体として構成されるもので、後述する位置検出プログラムを実行すると共に通常の通話機能の制御を行なうものである。
【0027】
キー操作部8は、図示しない本体の前面部に設けられるもので、通話開始キー、通話終了キー、テンキー、アスタリスクキー、シャープキー、ファンクションキー、マナーキー、ドライブモード設定キーなど各種のキーから構成されており、その操作信号は制御回路7に入力されるようになっている。
【0028】
位置検出手段としての位置検出部9は、アンテナ9aを介して受信するGPS衛星6a,6b,…からの複数のGPS信号(測位電波信号)に基づいて演算処理を実行して受信位置のデータを作成し制御回路7に出力する。受信位置のデータは、例えば、緯度、経度、高度などを示すデータで構成されている。
【0029】
音声処理部10は、制御回路7によって制御されるもので、マイク11から入力される音声信号をA/D変換すると共に、スピーカ12に対してD/A変換した音声信号を出力する。音声処理部10は、マイク11から音声信号を受けてA/D変換してデータ変換部13に出力し、データ変換部13において復調された音声信号をD/A変換してスピーカ12に対して出力する。このスピーカ12は着信音等のリンガー音も出力するように構成されている。
【0030】
データ変換部13は、音声処理部10からの音声信号を、例えばπ/4シフトDQPSK(Differential Quadrature Shift Keying)信号に変換する。この変換(デジタル変調)された信号は、送受信部14において例えば800MHz帯の搬送波信号によって直交変調され、アンテナ15から電波信号として外部に送信されるようになっている。また、送受信部14は、アンテナ15を介して電波信号を受信し、その受信信号をデータ変換部13において復調して音声処理部10に与えるようになっている。
【0031】
記憶部16は、RAM、ROM、EEPROMなどから構成されている。制御回路7は必要に応じてこの記憶部16に対してデータの書き込みや読出しを行なうように構成されている。この記憶部16にはあらかじめ所定領域に対応した地図データが記憶されている。
【0032】
ディスプレイ17は、制御回路7から与えられる種々の表示データを表示するものである。駆動部18は、バイブレータ19を振動動作させるもので、制御回路7からの駆動信号に応じて動作する。バイブレータ19は、例えば着信時に駆動され、その振動動作により図示しない筐体が振動され、使用者に振動を伝えて着信を知らせるものである。リンガー音を同時に発生させる使用形態と、リンガー音に代えて振動動作のみを行なう使用形態とが設定可能になっている。
【0033】
次に本実施形態の作用について図3ないし図7も参照して説明する。
携帯電話機2は、制御回路7により、所定時間毎に図3に示す位置検出プログラムを実行して位置検出部9による位置検出動作を行なわせると共にその検出位置データの送信処理を行なう。制御回路7は、プログラムを開始すると、まず、位置検出部9によりアンテナ9aを介してGPS衛星6a,6b,…からのGPS信号を受信させ(ステップS1)、その受信信号に基づいて現在位置を算出させる(ステップS2)。
【0034】
制御回路7は、この位置検出部9により算出された現在位置の位置検出データを送受信部14を介してアンテナ15から送信する(ステップS3)。このような位置検出動作を定期的に繰り返し実行することで交通情報センター5側に自己の存在する位置の位置検出データを逐次送信してその移動情報を得るようにしている。
【0035】
次に、交通情報センター5においては、制御装置5bにより、図4および図5に示すプログラムのフローチャートにしたがって移動状態の算出および交通状態の推定処理を行なっている。まず、図4において、通信エリア内に存在する携帯電話機2から位置検出データの送信があると、制御装置5bにおいては、受信回路5aを介して位置検出データを受信し(ステップP1)、その位置検出データが示す位置が道路上に位置しているか否かを判断する(ステップP2)。
【0036】
この場合、制御装置5bは、データ記憶部5cに記憶している地図データを読出して、位置検出データの示す位置が地図上での道路上の位置に対応しているか否かを判断する。これにより、その携帯電話機2が道路上に存在しているか否かを判断する。なお、道路上に存在していない場合には次の位置検出データが受信されるのを待機するべくステップP1に戻るようになる。
【0037】
また、道路上に位置することが判断された場合でも、その携帯電話機2が初めて位置検出データを送信した場合には、前回の位置検出データは存在していないので、移動速度を算出することができないため、受信した位置検出データを記憶するにとどめて、次の位置検出データを受信すべくステップP1に戻るようになる。
【0038】
そして、2回目以降の位置検出データの受信であった場合には、制御装置5bは、それらの位置検出データに基づいて移動速度および移動方向を算出するようになる(ステップP3)。この場合、前回の位置検出データの受信時刻と今回の位置検出データの受信時刻との差から両者の間の移動時間が得られるので、その間の移動量から移動速度を求めることができる。また、その位置検出データの変位した方向から移動方向も求めることができるようになる。これにより、携帯電話機2が移動した道路の移動方向と移動速度を検出することができる。
【0039】
次に、制御装置5bは、算出された移動方向データおよび移動速度データを受信した位置検出データおよびその携帯電話機2のIDと共に対応する道路別にデータ記憶部5cに記憶し(ステップP5)、このプログラムを終了する。このようにして、多数の携帯電話機2から送信される位置検出データに基づいてそれぞれの移動速度および移動方向を求めてそのデータを蓄積することにより、交通状態を推定しようとする道路毎の交通情報を得ることができるようになる。
【0040】
図5は、このようにして収集された交通情報に基づいて道路毎の交通状態を推定する推定プログラムを示すものである。すなわち、制御装置5bは、まず、推定しようとする対象道路上に位置する多数の携帯電話機2のうちで、同一方向に移動しているものの移動速度のデータを読み出し、それらの移動速度データのうちの大きい方から所定割合たとえば10%の分のデータを抽出する(ステップQ1)。
【0041】
次に、抽出した移動速度のデータを種々の判定レベルと比較することで交通状態を判定するが、この場合における判定レベルは、対象となる道路の制限速度によって異なるので、ここでは、たとえば制限速度が50km/hの道路の場合を例にとって説明する。いま、検出した移動速度のデータの分布が、例えば図6(a),(b),(c)に示すような3つの分布を呈している場合を例にとると、その大きい方から10%のデータは図中斜線で示す部分が対象となる。
【0042】
制御装置5bは、まず、抽出した移動速度のデータを第1の判定レベルである速度のレベルA(たとえば40km/h)とを比較してこれ以上の速度のデータが存在するか否かを判断し(ステップQ2)、図6(a)のような分布の場合では存在する場合に相当するので、そのときの交通状態は制限速度近傍で流れている車両が存在することから、レベルAつまり良好なであると推定して(ステップQ3)リターンする。
【0043】
また、抽出した移動速度のデータの中にレベルA以上のものがない場合には(ステップQ2)、次に、第2の判定レベルである速度のレベルB(たとえば25km/h)と比較してこれ以上の速度のデータが存在するか否かを判断し(ステップQ4)、図6(b)のような分布の場合では存在する場合に相当するので、そのときの交通状態はレベルBつまり制限速度よりも低いが停滞してはいない程度であると推定して(ステップQ5)リターンする。
【0044】
さらに、抽出した移動速度のデータの中にレベルB以上のものもない場合には(ステップQ4)、第3の判定レベルである速度のレベルC(たとえば10km/h)と比較してこれ以上の速度のデータが存在するか否かを判断し(ステップQ6)、図6(c)のような分布の場合では存在する場合に相当するので、そのときの交通状態はレベルCつまり動いてはいるが非常に低速度である程度であるいわゆる「渋滞」の状態であると推定して(ステップQ7)リターンする。
【0045】
また、抽出した移動速度のデータの中にレベルC以上のものがない場合には(ステップQ6)、そのときの交通状態はレベルDつまりほとんどの車両が停止している状態で、何らかの事故あるいは異常の発生により車両の動きが全く停止してしまったような状態であるとして推定して(ステップQ8)リターンする。
【0046】
次に、図7を参照して上述の判定を行なう場合の具体的事例について簡単に説明する。図7は、交差点RXを中心として東西に走る道路Ra,Rbと南北に走る道路Rc,Rdとを示しており、この状況では、道路Raの東行きの路線RaEが渋滞している場合を例にとっている。このことから、交差点RXからこの道路Raの東行きの路線RaEに入ろうとする自動車が存在する道路Rb,Rc,Rdの各路線RbE,RcN,RdSについてもやや渋滞が発生している。逆に、道路Raの西行きの路線RaWは渋滞の発生がないので、信号待ちの場合を除いてスムーズに流れており、同様に道路Rb,Rc,Rdの各路線RbW,RcS,RdNについても渋滞の発生はない状態である。
【0047】
上述のような状況において、交通情報センター5の制御装置5bは、各道路Ra〜Rdを走行する自動車の運転者が携帯している携帯電話機2から位置検出データを受信すると、前述した図4に示すプログラムにしたがってデータ処理を行なうことで各道路Ra〜Rdの走行方向別にそれぞれの携帯電話機2の移動速度のデータを得るようになる。
【0048】
次に、これに基づいて、制御装置5bは、図5に示すプログラムにしたがってデータ処理を行なうことで、各道路Ra〜Rdの走行方向別の交通状態を判定する。例えば、上述の交通状況から、抽出される移動速度のデータは、道路Raの東行きの路線RaEでは図6(c)に示すような分布となることが予想されるので、この路線RaEはレベルCの渋滞状態であることが推定される。また、道路Raの西行きの路線RaWでは図6(a)に示すような分布となることが予想されるので、この路線RaWはレベルAの良好な状態であることが推定される。
【0049】
同様にして、道路Rbの東行きの路線RbE,道路Rcの北行きの路線RcN,道路Rdの南行きの路線RdSでは、図6(b)に示すような分布となることが予想されるので、これらの路線RbE,RcN,RdSはレベルBのやや渋滞している状態であることが推定される。また、道路Rbの西行きの路線RbW,道路Rcの南行きの路線RcS,道路Rdの北行きの路線RdNでは、図6(a)に示すような分布となることが予想されるので、これらの路線RbW,RcS,RdNはレベルAの良好な状態であることが推定されるようになる。
【0050】
なお、上述のようにして得られた交通状態の推定情報については、交通情報センター5側において、例えば、VICSシステムを利用して車両の運転者側にフィードバックすることができるし、道路の適宜の場所の設けた表示装置によって表示させることや、あるいはラジオなどの通信媒体を通じてフィードバックすることができる。また、交通情報センター側において、各道路で発生する渋滞を回避をすべく種々の解析データに用いることもできるし、あるいは渋滞回避をするための誘導情報として利用することもできる。
【0051】
このような本実施形態によれば、携帯電話機2が備える位置検出部9の機能を利用して、交通情報センター5において、基地局3を介してこれらから位置検出データを受信して道路上に位置する携帯電話機2を特定してその移動速度を算出し、これによって判定対象の道路の進行方向毎に移動速度のデータを収集するようにしたので、各道路毎に特別な設備を設けることなく、このような携帯電話機2が普及することに伴ってインフラ設備を特に設けることなく、その道路毎の車両の交通状態を簡便な方法で推定することができるようになる。
【0052】
また、本実施形態によれば、収集した移動速度のデータに基づいてその移動速度が大きい方から例えば10%のものを抽出してこれらのデータからレベルの判定をして交通状態を推定するようにしたので、少なくともレベルA〜Cなどの移動速度で移動する車両が存在することを認識することをもって、確からしい推定を行なうことができるようになる。また、このように推定を行なうことで、完全に道路上を走行する車両と1対1に対応しない場合でも、簡便に交通状況を把握することができるし、携帯電話機2の普及と共にこのような交通状況の把握をより確実なものとすることができるようになる。
【0053】
本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形また拡張できる。
位置検出データが道路上に位置するか否かをもってその携帯電話機2が移動体である車両と共に移動する判断をするようにしているが、より正確を期するために、前回の位置検出データと比較して道路上を移動していることを判断することをもって車両であることを特定するようにしてもよい。
【0054】
抽出した移動速度のデータをレベルA〜Cと比較して交通状態を判断するようにしているが、そのときのデータの個数も交通状態の判断要素として利用することができる。例えば、携帯電話機の普及率を考慮しておおよその交通量も推定することができるし、移動速度が遅く車両が停滞していると判断される場合でも、交通量が少ない場合には渋滞ではないと判断するなどの実情に則した判断要素を考慮することができる。
【0055】
上記実施形態においては、交通情報センター5をPDC通信網4に接続するように構成しているが、このPDC通信網4に接続される公衆通信網を介して接続する構成とすることもできる。
【0056】
また、上記した実施形態では、バスなどの車両に多数の人が乗車している場合に、各人が携帯電話機2を所持しているときには、車両の台数を多く判断してしまうことも考えられる。しかし、このような点に関しては、将来的に適用が予想される「Bluetooth 」という技術を用いることで、携帯電話機2間で相互通信を行なうことによりバスに同乗していることを把握して代表となるものが位置検出データを送信するといったことも行なえるようになるので、正確な情報を得られるようになることは確実である。
【0057】
この「Bluetooth 」と呼ばれる技術は、2.45GHzで半径10mいないの通信端末間で相互通信が可能となるもので、これによって同乗している携帯電話機間で同一速度で移動していることを認識して代表となる1台により位置検出データを送信することで車両の台数を正確に把握することができるようになる。
【0058】
また、将来的には、携帯電話機から各車両に搭載されている車載ユニットを通じて位置検出データを送信することで、自動車に乗って移動していることを認識させるようにすることもできる。
【0059】
さらには、携帯電話機にあらかじめ車両情報なども登録しておくことで、これを位置データ(速度データ)と共に送信すれば、さらに詳細な交通情報を提供することができるようになる。このとき、他人の自動車に乗るときには「bluetooth 」の技術を利用して的確な情報を提供できるようにすることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、車両の移動を対象としているが、携帯電話機2を所持するのが人であることから、人の移動状態を判断することに利用することもできる。例えば、行事や集会などの人出の数や移動の状況を把握したり、駅のラッシュアワーの混雑度や電車と共に移動する人の流れなどを把握することもできるし、特定の施設内での人の移動状態を判断することなどにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成の概略図
【図2】携帯電話機の電気的なブロック構成図
【図3】携帯電話機の位置検出プログラムのフローチャート
【図4】移動状態算出プログラムのフローチャート
【図5】交通状態の推定プログラムのフローチャート
【図6】交通状態を推定する場合の度数分布のパターン図
【図7】渋滞が発生している交差点近傍の状態を事例として示す作用説明図
【符号の説明】
1,1a〜1gは自動車(移動体)、2,2a〜2iは携帯電話機(移動体通信装置)、3a〜3cは基地局、4はPDC通信網、5は交通情報センター(交通情報収集装置)、5aは受信回路、5bは制御装置(判断手段、移動状態算出手段、交通情報収集手段)、5cはデータ記憶部、5dは交通情報発信局、6はGPS衛星(測位用衛星)、7は制御回路、9は位置検出部(位置検出手段)である。
Claims (7)
- 基地局を通じて送受信を行なうように構成され、測位用衛星からの信号を受信して現在位置を検出する位置検出手段を備えた携帯電話機と、
この携帯電話機から前記基地局を通じて送信される位置検出データを受信して地図データと比較することにより道路上に位置するか否かを判断する判断手段と、この判断手段により道路上に位置することが判断された場合に受信した位置検出データと前回の位置検出データとに基づいて移動速度および移動方向を算出する移動状態算出手段と、対象としている道路毎に分けてその道路上に位置する前記携帯電話機の個数および移動速度データならびに移動方向データを収集してその道路の交通情報を得る交通情報収集手段とを有する交通情報収集装置と
を備えたことを特徴とする交通情報収集システム。 - 基地局を通じて送受信を行なうように構成され、測位用衛星からの信号を受信して現在位置を検出する位置検出手段と、検出された位置検出データを地図データと比較することにより道路上に位置する場合にその位置検出データを送信する判断手段とを有する携帯電話機と、
この携帯電話機から前記基地局を通じて送信される位置検出データを受信してその位置検出データと前回の位置検出データとに基づいて移動速度および移動方向を算出する移動状態算出手段と、対象としている道路毎に分けてその道路上に位置する前記携帯電話機の個数および移動速度データならびに移動方向データを収集してその道路の交通情報を得る交通情報収集手段とを有する交通情報収集装置と
を備えたことを特徴とする交通情報収集システム。 - 基地局を通じて送受信を行なうように構成され、測位用衛星からの信号を受信して現在位置を検出する位置検出手段と、検出された位置検出データを地図データと比較することにより道路上に位置するか否かを判断する判断手段と、この判断手段により道路上に位置することが判断された場合に受信した位置検出データと前回の位置検出データとに基づいて移動速度および移動方向を算出する移動状態算出手段とを有する携帯電話機と、
この携帯電話機から前記基地局を通じて送信される位置検出データおよび移動速度データならびに移動方向データに基づいて、対象としている道路毎に分けてその道路上に位置する前記携帯電話機の個数および移動速度データならびに移動方向データを収集してその道路の交通情報を得る交通情報収集手段を有する交通情報収集装置と
を備えたことを特徴とする交通情報収集システム。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の交通情報収集システムにおいて、
前記交通情報収集装置は、前記携帯電話機の分布情報および移動情報とに基づいて、前記対象道路毎に移動速度が大きい方から所定割合に相当する個数のデータを抽出してその抽出個数と移動速度の大きさとからその対象道路の交通の流れ状態を推定する推定手段を備えた構成とされていることを特徴とする交通情報収集システム。 - 請求項4に記載の交通情報収集システムにおいて、
前記交通情報収集装置の推定手段は、前記抽出したデータの中にその道路における制限速度に相当する移動速度のものが含まれる場合にその道路の交通状態は良好であると推定することを特徴とする交通情報収集システム。 - 請求項4または5に記載の交通情報収集システムにおいて、
前記交通情報収集装置の推定手段は、前記抽出したデータの中に車両が停滞していると想定される速度の携帯電話機が多数含まれる場合にその道路の交通状態は渋滞であると推定することを特徴とする交通情報収集システム。 - 請求項4ないし6のいずれかに記載の交通情報収集システムにおいて、
前記交通情報収集装置の推定手段は、前記抽出したデータがすべて停止状態を示す移動速度である場合にその道路の交通状態に何らかの異常が発生していることを推定することを特徴とする交通情報収集システム。
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