JP4121795B2 - プラスチック光ファイバケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車内や工場内などで使用するのに適した、柔軟性に富んだプラスチック光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車内で用いられている車載用プラスチック光ファイバケーブル(以下、「ケーブル」と記す)としては、芯をポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂で構成し、該芯を取り囲む鞘層をフッ素樹脂で構成したプラスチック光ファイバ裸線の外側に、ナイロン12を内層被覆し、次いで硬度の低いソフトナイロンと呼ばれる、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミドなどの樹脂を外層被覆した構成が提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ケーブルについて本発明者が検討した結果、上述したソフトナイロンと呼ばれる樹脂は、車載用ケーブルの要求特性である、温度85℃、相対湿度85%という高温高湿条件下における長時間暴露において、加水分解による強度低下という問題を生じることが判明した。
【0004】
本発明者は、上記ソフトナイロンに代えてナイロン6−12共重合体を外層被覆に用いることで、上記問題が解決することを見出した。しかしながら、上記ナイロン6−12共重合体は、内層被覆として使用されているナイロン12と比較して硬度が低いものの、ケーブルをワイヤーハーネスに組み立てる際の取り扱いに関しては、柔軟性が不十分であった。
【0005】
外層被覆用の材料としては、ナイロン以外に塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂が挙げられる。しかしながら、塩化ビニル樹脂は環境問題の観点から歓迎されない。また、ポリオレフィン樹脂は燃焼性が強く、これに環境汚染の見地から塩素や臭素を含まない難燃剤を添加して難燃性を付与するには、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を多量に用いる必要があり、このようにポリオレフィン樹脂に金属水酸化物を多量に添加すると、耐摩耗性や機械的強度が低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、自動車内など厳しい環境下での使用に耐える特性を備えたケーブルを提供することにあり、具体的には、特に、高温高湿条件下に長時間暴露しても強度が低下せず、難燃性で耐摩耗性を備え、十分な柔軟性を有する被覆材料を構成し、プラスチック光ファイバケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、芯と鞘層からなるプラスチック光ファイバ裸線の上に被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルまたは該プラスチック光ファイバ裸線に内側被覆層と外側被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
該被覆層または該外側被覆層を構成する被覆樹脂組成物が、少なくとも、ポリアミド樹脂に対してメラミンシアヌレートを1〜20重量%添加したポリアミド樹脂コンパウンド、マレイン化重合体、並びにポリオレフィン樹脂及び水酸化マグネシウムを必須成分とし水酸化マグネシウムが40〜70重量%含まれているポリオレフィン樹脂コンパウンドを構成成分とし、
該ポリアミド樹脂コンパウンドと該ポリオレフィン樹脂コンパウンドと該マレイン化重合体の混合割合が、混合重量部をそれぞれA,P,Mとすると、P/Aは2/8〜8/2であり、M/(A+P)は2/95〜50/50であり、該ポリアミド樹脂がナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン6−12、及びナイロン6−11からなる群から選択される樹脂であり、該マレイン化重合体がポリプロピレンベース、ポリエチレンベース、若しくはエチレン/プロピレン共重合体ベースのマレイン化ポリオレフィン樹脂、又はマレイン化水添共役ジエン重合体、若しくはマレイン化水添芳香族ビニル/共役ジエンブロック或いはランダム共重合体であり、該ポリオレフィン樹脂がポリオレフィンエラストマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、重合型TPOタイプのポリプロピレン樹脂、及びプロピレン−αオレフィン共重合体からなる群から選択される樹脂であることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブルである。
また、本発明の第2は、上記本発明のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であって、
予めポリオレフィン樹脂に水酸化マグネシウムを分散混練させてポリオレフィン樹脂コンパウンドを調整する工程と、予めポリアミド樹脂にメラミンシアヌレートを混練してポリアミド樹脂コンパウンドを調整する工程と、該ポリオレフィン樹脂コンパウンドと該ポリアミド樹脂コンパウンドとマレイン化重合体とを混練する工程によって製造された被樹脂組成物を、プラスチック光ファイバ裸線の上、または該プラスチック光ファイバ裸線に内側被覆層を形成した上に被覆することを特徴とするプラスチック光ファイバケーブルの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のケーブルは、自動車内など厳しい環境下での使用に耐える、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、耐湿熱性、難燃性、耐摩耗性に優れたプラスチック光ファイバケーブルであり、この様な総合特性を有するケーブルは全く新規である。
【0010】
本発明のケーブルは、外層被覆に少なくともポリアミド樹脂とマレイン化重合体とポリオレフィン樹脂と水酸化マグネシウムからなる特定の被覆樹脂組成物を用いたことにより、上記特性を得るに至った。以下に詳細に説明する。
【0011】
ポリオレフィン樹脂は耐薬品性に優れており、さらに、ポリアミド樹脂に比べて曲げ弾性率が低く、該ポリオレフィン樹脂をポリアミド樹脂に配合することで柔軟性が得られる。しかしながら、ポリオレフィン樹脂は上記したように燃焼性が高く、本発明においては、ポリオレフィン樹脂に難燃剤として水酸化マグネシウムを添加することでケーブルに難燃性を付与している。
【0012】
通常、水酸化マグネシウムはポリオレフィン樹脂に40〜70重量%と多量に添加しなければ難燃性効果が得られないが、この様に多量に水酸化マグネシウムを添加したポリオレフィン樹脂コンパウンドは耐摩耗性に劣るものとなってしまう。
【0013】
本発明においては、ポリオレフィン樹脂をポリアミド樹脂と混練することによって、耐摩耗性が著しく改善されている。その理由は、ポリオレフィン樹脂とポリアミド樹脂を構成成分とする本発明の被覆樹脂組成物においては、ポリオレフィン樹脂の周囲を耐摩耗性に優れたポリアミド樹脂が取り囲む構造をとっていることによるものと思われる。即ち、特に好ましい被覆樹脂組成物のミクロ構造形態は、ポリアミド樹脂の海とポリオレフィン樹脂の島を有する海島構造のアロイであると思われる。
【0014】
被覆樹脂組成物の難燃性を確保するために特に好ましくは、被覆樹脂組成物を構成する、上述のポリオレフィン樹脂成分とポリアミド樹脂成分がそれぞれ独立に難燃性を有していることにある。そのため、水酸化マグネシウムは主としてポリオレフィン樹脂に分散させる必要があるが、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂の共存下に水酸化マグネシウムをブレンドすると、水酸化マグネシウムはポリアミド樹脂により分散されやすい。従って、ポリオレフィン樹脂をポリアミド樹脂と混練する前に、予めポリオレフィン樹脂に水酸化マグネシウムを分散させてポリオレフィン樹脂コンパウンドを調整し、該ポリオレフィン樹脂コンパウンドをポリアミド樹脂と混練することが望ましい。
【0015】
水酸化マグネシウムを多量に含むポリオレフィン樹脂コンパウンドは、溶融時に流動性が低くなり、ポリアミド樹脂との混練においては、ポリアミド樹脂が海成分になり易く、ポリオレフィン樹脂コンパウンドが島成分となり易い。上記したように、ポリアミド樹脂は耐摩耗性に優れ、当該海島構造によって、ポリアミド樹脂の耐摩耗性が被覆樹脂組成物に反映されるため、当該傾向は本発明においてより効果的である。
【0016】
本発明において、水酸化マグネシウムは必須構成成分であり、ポリオレフィン樹脂コンパウンド中に40〜70重量%含まれていることが好ましく、望ましくは50〜70重量%である。尚、補助的な難燃剤として、別の水酸化金属化合物やリン化合物などを適宜添加することも可能であり、ポリオレフィン樹脂コンパウンドの酸素指数が好ましくは30以上、より好ましくは35以上となるように難燃剤を添加する。
【0017】
一方、ポリアミド樹脂も難燃剤を添加したポリアミド樹脂コンパウンドとして用いることが好ましく、ポリオレフィン樹脂コンパウンドと混練する前に、ポリアミド樹脂に難燃剤として予めメラミンシアヌレートを混練しておくことが好ましい。メラミンシアヌレートを添加する場合には、ポリアミド樹脂に対して1〜20重量%添加することが好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。
【0018】
本発明に用いられるポリアミド樹脂としては、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン6などの他、ナイロン6−12、ナイロン6−11などが好ましく用いられる。中でも、曲げ弾性率の低いナイロン6−12が特に好ましい。これらの樹脂は単独で用いても、複数を混合して用いても良い。尚、ポリアミド樹脂でも、前述したソフトナイロンと呼ばれるポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミドなどは、曲げ弾性率が低いものの、高温高湿条件下において加水分解による劣化があり、上記具体例ほど好ましくはない。
【0019】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリオレフィンエラストマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、重合型TPOタイプのポリプロピレン樹脂、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体などがある。これらのポリオレフィン樹脂は単独で用いても、複数を混合して用いても良い。また、これらのポリオレフィン樹脂の1種類以上の他に、ポリオレフィン樹脂以外のエラストマーを含んでいてもかまわない。
【0020】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂成分は、柔軟性を付与するための成分であるため、その曲げ弾性率がポリアミド樹脂よりも低い50〜1000MPaであることが好ましく、特に、200〜600MPaであることが好ましい。
【0021】
ところで、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂の混練による樹脂相互の分散は不安定であるため、相溶化剤が必要である。本発明においては、マレイン化重合体を相溶化剤として用いる。本発明に用いるマレイン化重合体とは、例えばマレイン化ポリオレフィン樹脂やマレイン化水添ジエン系樹脂が好ましく用いられる。
【0022】
マレイン化ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレンベースのものやポリエチレンベースのもの、或いは、エチレン/プロピレン共重合体ベースのものなどから選ぶことができる。これらマレイン化ポリオレフィン樹脂は、例えば三井化学社から商品名「アドマー」として販売されている。
【0023】
また、マレイン化水添ジエン系樹脂としては、マレイン化水添共役ジエン重合体、マレイン化水添芳香族ビニル/共役ジエンブロック或いはランダム共重合体などであり、具体的には、共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレンが、芳香族ビニルとしてはスチレンやα−メチルスチレンが挙げられる。例えば、旭化成社より商品名「タフテックMシリーズ」で販売されている樹脂から選択することができる。
【0024】
本発明において、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂コンパウンドとマレイン化重合体の好ましい混合割合は、混合重量部をそれぞれA、P、Mとすると、P/Aは2/8〜8/2であり、M/(A+P)は2/95〜50/50である。尚、Pは、ポリオレフィン樹脂に水酸化マグネシウムを添加したポリオレフィン樹脂コンパウンドの混合重量部を示し、また、ポリアミド樹脂に難燃剤を分散させた場合には、上記Aは難燃剤を含むポリアミド樹脂コンパウンドの混合重量部を意味する。
【0025】
本発明のケーブルの好ましい実施形態としては、芯と鞘層からなるプラスチック光ファイバ裸線の上に、上述の本発明に係る被覆樹脂組成物からなる被覆層を一層設けた構成とすることができる。また、被覆材として従来使用されていた、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィンエラストマー樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ビニリデンフロライド系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂などからなる内層被覆層と、本発明に係る被覆樹脂組成物からなる外層被覆層を有する多層被覆構造のケーブルとしても良い。図1に、該多層被覆構造のケーブルの一例の断面模式図を示す。図中、1は芯、2は鞘層、3はプラスチック光ファイバ裸線、4は内層被覆層、5は外層被覆層である。
【0026】
中でも、車載用ケーブルとして好ましい形態は、プラスチック光ファイバ裸線の上に、ナイロン12などの引っ張り弾性率や曲げ弾性率が1000〜1500MPaの強固なポリアミド樹脂を内層被覆し、その外側に曲げ弾性率がより低い本発明に係る被覆樹脂組成物を外層被覆し、ケーブルを柔軟に構成したものである。特に、本発明に係る被覆樹脂組成物からなる外層被覆層の内側に、ポリアミド樹脂からなる内層被覆層を配置することにより、プラスチック光ファイバ裸線と内層被覆層を一体としてコネクタに取り付けることが可能になるため、好ましいものである。
【0027】
本発明に用いられるプラスチック光ファイバ裸線は、芯とこれを取り囲む鞘層からなり、芯を構成する芯樹脂がポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂やポリカーボネート樹脂などの透明樹脂からなり、鞘層を構成する鞘樹脂は芯を構成する樹脂より屈折率の低いフッ素樹脂からなるものが好ましい。また、鞘層は1層でも2層以上の複層構成であっても良い。
【0028】
本発明のケーブル及び該ケーブルを構成する裸線の直径は、裸線の芯の直径が0.9〜1.0mm程度、裸線の外径が0.95〜1.1mm程度、ケーブルの外径が1.2〜4.0mm程度のものに好ましく適用される。尚、従来の車載用ケーブルは、裸線の外径が1.0mm、内層被覆層の外径が1.5mm、外層被覆層の外径が2.3mmである。
【0029】
【実施例】
ナトリウムD線における23℃の屈折率が1.492のPMMA樹脂を芯樹脂とし、屈折率が1.410のフッ化メタクリレート系樹脂を第1層目(内側)の鞘樹脂とし、ビニリデンフロライド40モル%とテトラフロロエチレン48モル%とヘキサフロロプロペン12モル%からなり屈折率が1.36で融点が155℃の共重合体を第2層目(外側)の鞘樹脂とした。複合紡糸により、芯の直径が0.96mm、第1鞘層の外径が0.98mm、第2鞘層の外径が1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。
【0030】
得られた裸線の上に黒色ナイロン12を外径が1.5mmになるように被覆して内層被覆層とした。さらに、曲げ弾性率(ISO178にて規定される)800MPaのナイロン6−12共重合体で、内部にメラミンシアヌレートを10重量%含む樹脂を50重量部と、マレイン化水添芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体(旭化成社製「タフテックM1943」)を10重量部と、ポリオレフィン樹脂コンパウンドとして、難燃ポリエチレンを40重量部とを二軸押出機で混練して被覆樹脂組成物を調整し、上記内層被覆層の外側に、外径2.3mmとなるように外層被覆し、ケーブルを得た。上記難燃ポリエチレンは、ポリエチレン−1ブテン共重合体40重量部と水酸化マグネシウム60重量部からなるコンパウンドで、酸素指数34であり、上記被覆樹脂組成物の曲げ弾性率は560MPaであった。
【0031】
得られたケーブルの曲げ易さを評価するために、ケーブルの曲げ強度を測定した。測定方法は、23℃で10cmの長さのケーブルを15mmのチャック間距離をおいて横たえ、チャック間の中央部のケーブルをへらで50mm/minの押し付け速度で押しつけ、初期のケーブルのたわみ(mm)に対する応力(N)で曲げ強度を求めた。その結果、本例のケーブルの曲げ強度は9N/mmであった。これは、従来使用されていた車載用プラスチック光ファイバケーブルの15N/mmよりはるかに柔軟であった。
【0032】
次に、本例のケーブルの難燃性を燃焼試験により評価した。燃焼試験は、ケーブルを45℃の傾斜に張った銅線に巻き付け、バーナーの炎を10秒間照射して行った。その結果、炎は15〜20秒の間に消えた。これは、車載用ケーブルとしての仕様である、自己消火性30秒以下という難燃性の条件を満たしている。
【0033】
次いで、本例のプラスチック光ファイバケーブルの摩耗試験を行った。試験方法は、DIN72551に準じた以下の方法で行った。繰り返し摩耗を行うへらの先端部に水平に溝を切って、直径0.256mmのステンレスワイヤの上半分が飛び出るように固定し、該へらに7Nの荷重をかけ、55rpmの周期で、プラスチック光ファイバケーブルの上を15mm往復運動を500回行った。その結果、外層被覆層は、図2に示す模式断面図のように摩耗し、その摩耗厚さ(t)は290μmであったが、内層被覆層まで及ぶことはなく、車載用プラスチック光ファイバケーブルとして使用に耐えることが判明した。尚、図2において、2aは第1鞘層、2bは第2鞘層であり、図1と同じ部材には同じ符号を付した。
【0034】
さらに、本例のケーブルの耐湿熱安定性を評価した。評価方法は、プラスチック光ファイバケーブルを温度85℃、相対湿度85%の環境下に3000時間放置した後の伝送損失を650nmの単色光で入射NA0.6で測定した。その結果、伝送損失は200dB/kmと安定していた。また、ケーブルの破断伸び率も90%と十分な性能を保持していた。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高温高湿環境下でも長期間安定した強度を示し、難燃性や耐摩耗性に優れると同時に、ワイヤーハーネスに組み立てる際にも取り扱いが容易な優れた柔軟性を示すプラスチック光ファイバケーブルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバケーブルの一実施形態の断面模式図である。
【図2】本発明の実施例における耐摩耗性試験後のプラスチック光ファイバケーブルの断面模式図である。
【符号の説明】
1 芯
2 鞘層
2a 第1鞘層
2b 第2鞘層
3 プラスチック光ファイバ裸線
4 内層被覆層
5 外層被覆層

Claims (2)

  1. 芯と鞘層からなるプラスチック光ファイバ裸線の上に被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルまたは該プラスチック光ファイバ裸線に内側被覆層と外側被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
    該被覆層または該外側被覆層を構成する被覆樹脂組成物が、少なくとも、ポリアミド樹脂に対してメラミンシアヌレートを1〜20重量%添加したポリアミド樹脂コンパウンド、マレイン化重合体、並びにポリオレフィン樹脂及び水酸化マグネシウムを必須成分とし水酸化マグネシウムが40〜70重量%含まれているポリオレフィン樹脂コンパウンドを構成成分とし、
    該ポリアミド樹脂コンパウンドと該ポリオレフィン樹脂コンパウンドと該マレイン化重合体の混合割合が、混合重量部をそれぞれA,P,Mとすると、P/Aは2/8〜8/2であり、M/(A+P)は2/95〜50/50であり、該ポリアミド樹脂がナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン6−12、及びナイロン6−11からなる群から選択される樹脂であり、該マレイン化重合体がポリプロピレンベース、ポリエチレンベース、若しくはエチレン/プロピレン共重合体ベースのマレイン化ポリオレフィン樹脂、又はマレイン化水添共役ジエン重合体、若しくはマレイン化水添芳香族ビニル/共役ジエンブロック或いはランダム共重合体であり、該ポリオレフィン樹脂がポリオレフィンエラストマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、重合型TPOタイプのポリプロピレン樹脂、及びプロピレン−αオレフィン共重合体からなる群から選択される樹脂であることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。
  2. 請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であって、
    予めポリオレフィン樹脂に水酸化マグネシウムを分散混練させてポリオレフィン樹脂コンパウンドを調整する工程と、予めポリアミド樹脂にメラミンシアヌレートを混練してポリアミド樹脂コンパウンドを調整する工程と、該ポリオレフィン樹脂コンパウンドと該ポリアミド樹脂コンパウンドとマレイン化重合体とを混練する工程によって製造された被樹脂組成物を、プラスチック光ファイバ裸線の上、または該プラスチック光ファイバ裸線に内側被覆層を形成した上に被覆することを特徴とするプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
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