JPH06102442A - 耐熱性難燃プラスチック光ファイバコード - Google Patents

耐熱性難燃プラスチック光ファイバコード

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JPH06102442A
JPH06102442A JP4252563A JP25256392A JPH06102442A JP H06102442 A JPH06102442 A JP H06102442A JP 4252563 A JP4252563 A JP 4252563A JP 25256392 A JP25256392 A JP 25256392A JP H06102442 A JPH06102442 A JP H06102442A
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JP
Japan
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optical fiber
plastic optical
coating layer
weight
fiber cord
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JP4252563A
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English (en)
Inventor
Shigeki Katsuta
成樹 勝田
Shinichi Toyoshima
真一 豊島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、難燃性に優れたプラスチック光ファ
イバコードの提供。 【構成】 ポリカーボネート樹脂の芯とフッ素系樹脂鞘
とからなるプラスチック光ファイバ裸線の外側に、水酸
化マグネシウムの含有量が1重量%以上、35重量%以
下のポリプロピレンを主体とした樹脂組成物からなる第
一被覆層と、引張破断伸度(ASTM D1708 2
3℃ 引張速度100mm/分)が200%以上であ
る、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系
共重合体を含む樹脂からなる第二被覆層とをもつことを
特徴とするプラスチック光ファイバコード。 【効果】 本発明により、高い耐熱性と難燃性とを同時
に要求されるような分野へも、プラスチック光ファイバ
の適用が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短距離の光伝送媒体と
して、FA、自動車などに使用される、耐熱性、難燃
性、耐油性、耐薬品性に優れたプラスチック光ファイバ
コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは、石英系ファ
イバに比べ、可撓性に富み、かつ大口径・高開口数であ
ること、端面処理や接続が容易であることなどから短距
離通信やセンサといった分野への応用が始まっている。
従来実用化されているプラスチック光ファイバには、芯
材にメタクリル酸メチルを主体とした樹脂やポリカーボ
ネート樹脂を用い、鞘材にフッ化ビニリデン系共重合体
やフッ化メタクリレート系共重合体を用いたものがあ
る。また、鞘の外側に低密度ポリエチレンやポリ塩化ビ
ニルを被覆したプラスチック光ファイバコードとしても
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来実用化されてい
る、ポリ塩化ビニル被覆や、難燃ポリエチレン被覆を施
した難燃プラスチック光ファイバコードの耐熱温度はせ
いぜい85℃までしかなく、自動車用のような高い耐熱
性を要求されるような用途では、適用可能な場所が限ら
れていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱温度
のより高い難燃性プラスチック光ファイバを提供するた
め、被覆材の材質やコード構造に関して鋭意検討を重ね
た結果、機械的特性が悪くなる要因ともなる水酸化マグ
ネシュウムの含有量を少なくして、難燃性を落とさずに
耐熱性、耐湿熱性に優れる本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は、ポリカーボネート樹脂の
芯とフッ素系樹脂の鞘とからなるプラスチック光ファイ
バ裸線の外側に、水酸化マグネシウムの含有量が1重量
%以上、35重量%以下のポリプロピレンを主体とした
樹脂組成物からなる第一被覆層とその外側に引張破断伸
度(ASTM D1708 23℃ 引張速度100m
m/分)が200%以上である、フッ化ビニリデン−ク
ロロトリフルオロエチレン系共重合体を含む樹脂からな
る第二被覆層とをもつことを特徴とするプラスチック光
ファイバコード。
【0006】上記、該プラスチック光ファイバ裸線の外
側に、水酸化マグネシウムの含有量が1重量%以上、3
5重量%以下、かつ、赤リンの含有量が0.1重量%以
上、8重量%以下のポリプロピレン樹脂とスチレン系熱
可塑性エラストマーとからなる樹脂組成物の第一被覆層
とその外側に引張破断伸度(ASTM D170823
℃ 引張速度100mm/分)が200%以上である、
フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系共重
合体を含む樹脂組成物からなる第二被覆層とをもつこと
を特徴とするプラスチック光ファイバコード。
【0007】に関するものである。以下、本発明のプラ
スチック光ファイバコードについて、詳しく説明する。
本発明において芯を構成するポリカーボネート樹脂とし
ては、公知のものが使用できる。また、鞘を構成する樹
脂組成物としては、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロ
アセトンとを含む共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサ
フルオロプロピレンとを含む共重合体、フッ化メタクリ
レート系共重合体などがあげられる。例えば、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロア
セトン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体などである。これらの鞘材を芯の直径の
2/1000〜300/1000の厚さに被覆して、プ
ラスチック光ファイバ裸線を得る。これらのプラスチッ
ク光ファイバ裸線の直径は、通常0.5mm〜1.5m
mが好ましい。
【0008】プラスチック光ファイバのすぐ外側にある
第一被覆層は、少なくとも水酸化マグネシュウムを含
む、ポリプロピレンを主体とした樹脂組成物からなる。
本発明でいうポリプロピレンを主体とした樹脂組成物と
しては、ポリプロピレン樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー、エチレン−プロピレン系ゴム等や、また柔
軟性を付与するため、ポリプロピレン樹脂にスチレン系
熱可塑性エラストマーやエチレン−プロピレン系ゴム、
オレフィン系熱可塑性エラストマー等を混合した樹脂組
成物等が挙げられる。好ましい組成としては、ポリプロ
ピレン樹脂と主鎖中の二重結合のほとんどが水素添加に
よって飽和されたスチレン系飽和型熱可塑性エラストマ
ーとを混合した樹脂組成物である。この場合、ポリプロ
ピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合
比について、特に制限はないが、ポリプロピレン樹脂9
5〜5重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー5〜9
5重量部がよい。より好ましくは、前者が90〜50重
量部、後者が10〜50重量部である。
【0009】第一被覆層に難燃性を付与するため、難燃
剤として水酸化マグネシウムを添加する。好ましい添加
量は、1重量%以上、35重量%以下であり、より好ま
しくは、5重量%以上、25重量%以下である。添加量
が少なすぎても難燃性の効果が現れないし、多すぎる
と、難燃性は向上しても、樹脂の成形性や機械的特性が
低下してしまい、多少の曲げや引っ張りでクラックが入
ったり、破断したりしてしまうので実用的ではない。特
にポリプロピレンを主体とした樹脂組成物に水酸化マグ
ネシウムを添加して難燃化させる場合、水酸化マグネシ
ウムの含有量を50重量%近く、または、それ以上にま
で上げないと充分な難燃性は得られないので、単純に混
合しただけでは、ポリプロピレン樹脂と水酸化マグネシ
ウムとは結合性や分散性が悪いために、混合して得られ
た樹脂組成物の機械的特性は非常に悪く、多少の曲げや
引っ張りでクラックが入ったり、破断してしまい、実用
的ではない。両者をうまく分散させ、結合させるため
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体をさらに混合する方
法もあるが、耐熱性が低下してしまうので、大量に混合
させるのは適切ではない。
【0010】本発明では、フッ素樹脂との二層構造とす
ることによって、機械的特性が悪くなる要因ともなる、
第一被覆層の水酸化マグネシウム含有量を比較的少なめ
にしても、全体の難燃性は充分なレベルに達する。ま
た、難燃性を向上させるため、難燃助剤として赤リンを
添加するのが好ましい。赤リンの好ましい添加量は、
0.1重量%以上、8重量%以下であり、より好ましい
添加量は、1重量%以上、5重量%以下である。赤リン
を添加すると、水酸化マグネシウムの添加量を減らして
も適度な難燃性が得られるので、難燃性を落とさずに被
覆用樹脂組成物の機械的特性を向上させられる。
【0011】なお、これらの難燃剤に加えて、公知の難
燃剤を併用しても差し支えない。その他、酸化防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、ガラス繊維、炭素繊維、滑
剤、充填剤、カーボンブラック、着色剤など、公知の高
分子用添加剤を、適宜混合することも可能である。第一
被覆層の厚みは、0.01mm以上が好ましく、より好
ましくは、0.1mm以上が必要である。薄すぎると、
はっきりした理由は不明であるが、この外側にあるフッ
素樹脂層の悪影響のため、高温高湿下で伝送損失が大き
く増加してしまう。
【0012】その外側の第二被覆層として使用できるフ
ッ素系樹脂は、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロ
エチレン系共重合体を含む樹脂組成物である。詳しく
は、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共
重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレ
ン共重合体を主鎖とし、ポリフッ化ビニリデンをこの主
鎖にグラフト結合させた共重合体、フッ化ビニリデン−
クロロトリフルオロエチレン共重合体を主鎖とし、ポリ
フッ化ビニリデンをこの主鎖にグラフト結合させた共重
合体とポリフッ化ビニリデンとのブレンド体、これらの
フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系共重
合体と、ポリオレフィン系樹脂とのブレンド体、これら
のフッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系共
重合体と、ポリアミド樹脂とのブレンド体、これらのフ
ッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系共重合
体と、ポリウレタン樹脂とのブレンド体、これらのフッ
化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体
とアクリル樹脂とのブレンド体等があげられる。だだ
し、これらのフッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエ
チレン系共重合体を含む樹脂組成物の引張破断伸度が、
200%以上である必要がある。ここで、引張破断伸度
は、温度23℃、引張速度100mm/分で、ASTM
D1708に準じて測定した値である。破断伸度が小
さいと、引っ張りや曲げ、ねじりによって、プラスチッ
ク光ファイバコードの表面にクラックが入ったり、折れ
やすくなってしまうので好ましくない。好ましい引張破
断伸度は200%以上、より好ましくは300%以上で
ある。このような引張破断伸度の大きい樹脂を使用する
ことにより、プラスチック光ファイバコードの引張破断
伸度も大きくなって、曲げや引っ張りに対して強くな
り、機械的特性が向上する。
【0013】この層の厚みは、0.01mm以上である
のが好ましい。薄すぎるとフッ素樹脂のもつ優れた難燃
性、耐薬品性が薄れてしまう。より好ましくは0.1m
m以上である。また、第一被覆層とフッ素樹脂被覆層と
の厚みの関係は、好ましくは、第一被覆層の厚み:フッ
素樹脂被覆層の厚み=1:15〜10:1、より好まし
くは、第一被覆層の厚み:フッ素樹脂被覆層の厚み=
1:5〜3:1である。また、用いるプラスチック光フ
ァイバ裸線の直径が、0.5mm〜1.0mm程度であ
れば、最外被覆層の外径は、すでに市場で用いられてい
るコネクタの内径に合わせて、1.0mm〜2.2mm
程度にするが、場合によっては2.2mm〜4.0mm
にして、用いるコネクタ寸法に合わせることも可能であ
る。
【0014】さらに、この外側に熱可塑性樹脂を何層か
被覆したり、アラミド繊維などの補強繊維を介在させて
も良い。このような熱可塑性樹脂としては、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリウ
レタン樹脂、各種の熱可塑性エラストマー、塩素化ポリ
エチレンコンパウンド、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂などがある。
【0015】これらの樹脂の被覆方法は、一般の電線被
覆と同様に、例えば、被覆用樹脂組成物を溶融押出する
押出機に接続したダイスに、プラスチック光ファイバ裸
線を通して、その外側に被覆用樹脂組成物を被覆する。
同様に、第一被覆層を被覆したプラスチック光ファイバ
コード又は第一被覆層および第二被覆層を被覆したプラ
スチック光ファイバコードなどを通して、その外側に被
覆用樹脂組成物を被覆するこの様な方法を用いる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0017】
【実施例1】旭化成ポリプロピレン樹脂 M1500
(旭化成工業(株)製)を50重量部、ゴムとして、ス
チレン系飽和型熱可塑性エラストマー:タフテック(登
録商標) H1041(旭化成工業(株)製)を18重
量部、タルクを15重量部、酸化防止剤 IRGANO
X(商標) 1010(日本チバガイギー製)を0.3
重量部、カーボンブラックを0.5重量部、水酸化マグ
ネシウムを15重量部、赤リンを2重量部の割合で混合
し、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃で混練押し
出し、第一被覆層に用いる被覆用樹脂組成物を調製し
た。
【0018】直径0.98mmのポリカーボネート樹脂
を芯とし、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロアセトン共重合体を鞘とした、外径
1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を、溶融押出
機に直結したダイスに導入し、上記第一被覆用樹脂組成
物を0.45mmの厚さで被覆して、直径1.9mmの
プラスチック光ファイバコードを得た。次にこのプラス
チック光ファイバコードを、フッ化ビニリデン−クロロ
トリフルオロエチレン共重合体を主鎖とし、ポリフッ化
ビニリデンをこの主鎖にグラフト結合させた共重合体を
含む樹脂である、セントラル硝子製のセフラルソフト
(商標) G150R100Bで、0.15mmの厚さ
に被覆して、外径2.2mmの二層構造のプラスチック
光ファイバコードを得た。なお、この第二被覆層に使用
した樹脂の引張破断伸度は、430%であった。
【0019】このプラスチック光ファイバコードの伝送
損失は、光波長770nmで680dB/kmであっ
た。このプラスチック光ファイバコードを、温度125
℃の恒温槽に1000時間入れておいた後の伝送損失
は、690dB/kmと、非常に安定している。また、
このプラスチック光ファイバコードを、温度85℃湿度
95%RHの恒温恒湿槽に1000時間入れておいた後
の伝送損失は、815dB/kmと安定している。
【0020】このコードの難燃性を調べた。難燃性試験
を、UL規格(UL−1581試験に同じ)のVW−1
の垂直試験に準じて行ったところ、10サンプルについ
ての試験で、すべて危なげなく合格した。曲げ半径5m
mで曲げても、被覆層にクラックは入らなかった。ま
た、ASTM D638に従い、引張試験を行ったとこ
ろ、降伏荷重8.1kg、破断伸度180%と充分な値
を示したし、破断するまで被覆層に割れ・ひび等は入ら
なかった。このように、優れた機械的特性を示した。
【0021】
【実施例2】旭化成ポリプロピレン樹脂 M1500
(旭化成工業(株)製)を65重量部、ゴムとして、ス
チレン系飽和型熱可塑性エラストマー:タフテック H
1041(旭化成工業(株)製)を18重量部、タルク
を10重量部、酸化防止剤 IRGANOX 1010
(日本チバガイギー製)を0.3重量部、カーボンブラ
ックを0.5重量部、水酸化マグネシウムを5重量部、
赤リンを2重量部の割合で混合し、二軸押出機を用い
て、樹脂温度200℃で混練押し出し、第一被覆層に用
いる被覆用樹脂組成物を調製した。
【0022】直径0.98mmのポリカーボネートを芯
とし、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロアセトン共重合体を鞘とした、外径1.0
mmのプラスチック光ファイバ裸線を、溶融押出機に直
結したダイスに導入し、上記第一被覆用樹脂組成物を
0.45mmの厚さで被覆して、直径1.9mmのプラ
スチック光ファイバコードを得た。次にこのプラスチッ
ク光ファイバコードを、フッ化ビニリデン−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体を主鎖とし、ポリフッ化ビニ
リデンをこの主鎖にグラフト結合させた共重合体を含む
樹脂である、セントラル硝子製のセフラルソフト G1
50R100Bと、ポリフッ化ビニリデンKYNAR7
40(日本ペンウォルト社製)とを、50重量部ずつ混
合した第二被覆用樹脂組成物で、0.15mmの厚さに
被覆して、外径2.2mmの二層構造のプラスチック光
ファイバコードを得た。なお、この第二被覆層に使用し
た樹脂の引張破断伸度は、380%であった。
【0023】このプラスチック光ファイバコードの伝送
損失は、光波長770nmで670dB/kmであっ
た。このプラスチック光ファイバコードを、温度125
℃の恒温槽に1000時間入れておいた後の伝送損失
は、680dB/kmと、非常に安定している。また、
このプラスチック光ファイバコードを、温度85℃湿度
95%RHの恒温恒湿槽に1000時間入れておいた後
の伝送損失は、805dB/kmと安定している。
【0024】このコードの難燃性を調べた。難燃性試験
を、UL規格のVW−1の垂直試験に準じて行ったとこ
ろ、10サンプルについての試験で、すべて危なげなく
合格した。曲げ半径5mmで曲げても、被覆層にクラッ
クは入らなかった。また、ASTM D638に従い、
引張試験を行ったところ、降伏荷重9.0kg、破断伸
度120%と充分な値を示し、破断するまで被覆層に割
れ・ひび等ははいらなかった。このように、優れた機械
的特性を示した。
【0025】
【実施例3】旭化成ポリプロピレン樹脂 M1500
(旭化成工業(株)製)を45重量部、ゴムとして、ス
チレン系飽和型熱可塑性エラストマー:タフテック H
1041(旭化成工業(株)製)を15重量部、タルク
を10重量部、酸化防止剤 IRGANOX 1010
(日本チバガイギー製)を0.3重量部、カーボンブラ
ックを0.5重量部、水酸化マグネシウムを30重量部
の割合で混合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度200
℃で混練押し出し、第一被覆層に用いる被覆用樹脂組成
物を調製した。
【0026】直径0.98mmのポリカーボネートを芯
とし、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロアセトン共重合体を鞘とした、外径1.0
mmのプラスチック光ファイバ裸線を、溶融押出機に直
結したダイスに導入し、上記第一被覆用樹脂組成物を
0.45mmの厚さで被覆して、直径1.9mmのプラ
スチック光ファイバコードを得た。次にこのプラスチッ
ク光ファイバコードを、フッ化ビニリデン−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体を主鎖とし、ポリフッ化ビニ
リデンをこの主鎖にグラフト結合させた共重合体を含む
樹脂である、セントラル硝子製のセフラルソフト G1
50R100Bで、0.15mmの厚さに被覆して、外
径2.2mmの二層構造のプラスチック光ファイバコー
ドを得た。なお、この第二被覆層に使用した樹脂の引張
破断伸度は、430%であった。
【0027】このプラスチック光ファイバコードの伝送
損失は、光波長770nmで680dB/kmであっ
た。このプラスチック光ファイバコードを、温度125
℃の恒温槽に1000時間入れておいた後の伝送損失
は、690dB/kmと、非常に安定している。また、
このプラスチック光ファイバコードを、温度85℃湿度
95%RHの恒温恒湿槽に1000時間入れておいた後
の伝送損失は、830dB/kmと安定している。
【0028】このコードの難燃性を調べた。難燃性試験
を、UL規格のVW−1の垂直試験に準じて行ったとこ
ろ、10サンプルについての試験で、すべて危なげなく
合格した。曲げ半径5mmで曲げても、被覆層にクラッ
クは入らなかった。また、ASTM D638に従い、
引張試験を行ったところ、降伏荷重7.3kg、破断伸
度170%と充分な値を示し、破断するまで被覆層に割
れ・ひび等ははいらなかった。このように、優れた機械
的特性を示した。
【0029】
【比較例1】旭化成ポリプロピレン樹脂 M1500
(旭化成工業(株)製)を32重量部、ゴムとして、ス
チレン系飽和型熱可塑性エラストマー:タフテック H
1041(旭化成工業製)を18重量部、酸化防止剤
IRGANOX 1010(日本チバガイギー製)を
0.3重量部、カーボンブラックを0.5重量部、水酸
化マグネシウムを45重量部、赤リンを5重量部の割合
で混合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃で混
練押し出し、被覆用樹脂組成物を調製した。
【0030】直径O.98mmのポリカーボネートを芯
とし、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロアセトン共重合体を鞘とした、外径1.0
mmのプラスチック光ファイバ裸線を、溶融押出機に直
結したダイスに導入し、上記被覆用樹脂組成物を0.6
mmの厚さで被覆して、直径2.2mmのプラスチック
光ファイバコードを得た。
【0031】このコードの難燃性を調べた。難燃性試験
を、UL規格のVW−1の垂直試験に準じて行ったとこ
ろ、10サンプルについての試験で、すべて合格した。
しかし、曲げ半径10mmで曲げると、被覆層表面に無
数のクラックがはいってしまった。また、ASTM D
638に従い、引張試験を行ったところ、伸び始めた直
後から被覆層表面にたくさんのクラックが入り、すぐに
被覆層は破断してしまった。このように、機械的特性に
劣るものしかできなかった。
【0032】
【比較例2】旭化成ポリプロピレン樹脂 M1500
(旭化成工業(株)製)を35重量部、ゴムとして、ス
チレン系飽和型熱可塑性エラストマー:タフテック H
1041(旭化成工業(株)製)を15重量部、タルク
を10重量部、酸化防止剤 IRGANOX 1010
(日本チバガイギー製)を0.3重量部、カーボンブラ
ックを0.5重量部、水酸化マグネシウムを36重量
部、赤リンを4重量部の割合で混合し、二軸押出機を用
いて、樹脂温度200℃で混練押し出し、被覆用樹脂組
成物を調製した。
【0033】直径O.98mmのポリカーボネートを芯
とし、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロアセトン系共重合体を鞘とした、外径1.
0mmのプラスチック光ファイバ裸線を、溶融押出機に
直結したダイスに導入し、上記被覆用樹脂組成物を0.
6mmの厚さで被覆して、直径2.2mmのプラスチッ
ク光ファイバコードを得た。
【0034】このコードの難燃性を調べた。難燃性試験
を、UL規格のVW−1の垂直試験に準じて行ったとこ
ろ、10サンプルについての試験で全て不合格であっ
た。また、曲げ半径10mmで曲げると、被覆層表面に
無数のクラックがはいってしまった。また、ASTM
D638に従い、引張試験を行ったところ、伸び始めた
直後から被覆層表面にたくさんのクラックが入り、すぐ
に被覆層は破断してしまった。このように、機械的特性
に劣るものしかできなかった。
【0035】
【比較例3】直径0.98mmのポリカーボネートを芯
とし、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロアセトン共重合体を鞘とした、外径1.0
mmのプラスチック光ファイバ裸線を、溶融押出機に直
結したダイスに導入し、ポリフッ化ビニリデン KYN
AR740(日本ペンウォルト社製)を0.15mmの
厚さで被覆して、直径1.3mmのプラスチック光ファ
イバコードを得た。次に、このプラスチック光ファイバ
コードを、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体を主鎖とし、ポリフッ化ビニリデンをこの
主鎖にグラフト結合させた共重合体を含む樹脂である、
セントラル硝子製のセフラルソフト G150R100
Bと、ポリフッ化ビニリデン KYNAR740(日本
ペンウォルト社製)とを、50重量部ずつ混合した被覆
用樹脂組成物で、0.15mmの厚さに更に被覆して、
外径2.2mmの二層構造のプラスチック光ファイバコ
ードを得た。
【0036】このプラスチック光ファイバコードの伝送
損失は、光波長770nmで680dB/kmであっ
た。しかし、このプラスチック光ファイバコードを、温
度85℃湿度95%RHの恒温恒湿槽に1000時間入
れておいた後の伝送損失は、1610dB/kmと、大
きく増加した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】水酸化マグネシウムを含むポリプロピレ
ン系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとからなる
第一被覆層と、その外側にフッ化ビニリデン−クロロト
リフルオロエチレン系共重合体を含む樹脂との二層構造
のプラスチック光ファイバコードとしたことにより、第
一被覆層に含まれる水酸化マグネシウムなどの難燃剤の
含有量を減らすことが可能となり、機械的特性、難燃性
を落とさずに従来品よりも耐熱性・耐湿熱性を上げるこ
とができた。耐熱温度125℃の難燃性プラスチック光
ファイバコードも作製できた。難燃性はUL規格VW−
1に合格する。しかも、機械的特性も優れ、多少の曲げ
や引張りでは、コード表面にクラックが入ったり、破断
したりしなくなった。
【0039】本発明により、高い耐熱性・耐湿熱性と難
燃性とを同時に要求されるような分野へも、プラスチッ
ク光ファイバコードの適用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバコードの断面
図。
【符号の説明】
1 プラスチック光ファイバ裸線 2 第一被覆層 3 第二被覆層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂の芯とフッ素系樹
    脂の鞘とからなるプラスチック光ファイバ裸線の外側
    に、水酸化マグネシウムの含有量が1重量%以上、35
    重量%以下のポリプロピレンを主体とした樹脂組成物か
    らなる第一被覆層とその外側に引張破断伸度(ASTM
    D1708 23℃ 引張速度100mm/分)が2
    00%以上である、フッ化ビニリデン−クロロトリフル
    オロエチレン系共重合体を含む樹脂組成物からなる第二
    被覆層とをもつことを特徴とするプラスチック光ファイ
    バコード。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂の芯とフッ素系樹
    脂の鞘とからなるプラスチック光ファイバ裸線の外側
    に、水酸化マグネシウムの含有量が1重量%以上、35
    重量%以下、かつ、赤リンの含有量が0.1重量%以
    上、8重量%以下のポリプロピレン樹脂とスチレン系熱
    可塑性エラストマーとを含む樹脂組成物からなる第一被
    覆層と、引張破断伸度(ASTM D1708 23℃
    引張速度100mm/分)が200%以上である、フ
    ッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン系共重合
    体を含む樹脂組成物からなる第二被覆層とをもつことを
    特徴とするプラスチック光ファイバコード。
JP4252563A 1992-09-22 1992-09-22 耐熱性難燃プラスチック光ファイバコード Pending JPH06102442A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11101915A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Asahi Chem Ind Co Ltd プラスチック光ファイバ裸線、素線及びケーブル
JP2000221370A (ja) * 1999-01-26 2000-08-11 Alcatel 通信ケ―ブルの伝送要素を緩衝するための可撓性の熱可塑性ポリオレフィンエラストマ―
KR100433905B1 (ko) * 2002-08-26 2004-06-04 삼성전자주식회사 플라스틱 광섬유 및 그 제조방법
CN104280820A (zh) * 2013-07-02 2015-01-14 住友电气工业株式会社 光纤和光缆

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