JP2008197644A - 改善された火炎特性を有するスロットコア - Google Patents

Abstract

【課題】改善された火炎特性を有するスロットコアを提供する。
【解決手段】本発明は、外部表面に沿って延在された少なくとも１つの溝（２）を備えたスロットコア（１０）であって、中心強度部材（３）と、難燃性のない材料からなり、前記強度部材を取り囲む第１の層（４）と、ハロゲンフリー難燃性材料からなり、前記第１の層（４）を取り囲み、かつ前記少なくとも１つの溝（２）を備えている第２の層（５）とを含むスロットコア関するものである。
【選択図】図１

Description

本発明は、スロットコア及びスロットコア光ケーブルに関する。

特許文献１は、光ユニットと、その光ユニットを収容するための連続したらせん状溝を表面に有するスペーサと、さらに、引張強度中心部材とを備えた光ファイバケーブルを扱っている。

前記スペーサ、つまり、スロットコアは、ポリエチレン、ナイロン、フルオロカーボン重合体またはポリ塩化ビニルからなっている。

しかしながら、そのようなスロットコア光ケーブルは、たとえば、現在のヨーロッパ建築資材指令２００６／７５１／ＥＣを満足させる、最適化した火炎性能を有していない。
ＡＵ−Ｂ−２１９６５／８３

本発明の目的は、スロットコア光ケーブルに用いられる改善されたスロットコアであって、燃焼を抑制することができ、さらに、光ケーブルが折り曲げられたときに光ファイバの機械的な強度の低減を防止することができる新しい種類の構成を有し、外部表面に沿って延在された少なくとも１つの溝を備えたスロットコアを提供することにより、従来の技術の短所を克服することである。

本発明によると、技術上の解決法は、
中心強度部材と、
難燃性のない材料からなり、前記強度部材を取り囲む第１の層と、
ハロゲンフリー難燃性材料からなり、前記第１の層を取り囲み、かつ前記少なくとも１つの溝を備えている第２の層と、
を含むスロットコアにある。

すなわち、本発明によるスロットコアは、部分的にハロゲンフリー難燃性材料からなる。

部分的にハロゲンフリー難燃性材料からなる本発明のハロゲンフリー難燃性（ＨＦＦＲ：halogen free flame retardant）スロットコアは、可燃性材料の量がスロットコア内において、より一般的には、スロットコア光ケーブル内においてできるだけ少なくなることを保証するためのものである。

そして、本発明者は、特に、スロットケーブルが低温において使用されるとき、ＨＦＦＲ材料が中心強度材料によく付着されず、そのため、ＨＦＦＲ材料と強度部材との間の不良な付着によって機械的な特性が悪くなるということを驚きのうちに見出した。

その結果、光ケーブルが折り曲げられる場合、光ケーブルの機械的な強度が低減することになる。

したがって、本発明の２部分スロットコアの設計によると、特に、低温における良好な機械的特性を保障するために、第１の層を介在することにより、ＨＦＦＲ第２の層と中心強度部材との間の付着が可能となる。

有利に、本発明によるスロットコアは、２５以上の限界酸素指数（Limiting Oxygen Index）を示す。

一般的に、ハロゲンフリー難燃性材料は、ポリマーマトリクス及び少なくとも１種の無機充填剤を含んでおり、火事の際に、火炎の伝播を遅延させるためのものである。

たとえば、前記無機充填剤は、金属水酸化物のような難燃性充填剤及び／または炭酸カルシウムまたは滑石のような増量剤を含む。

好ましい実施形態において、前記ポリマーマトリクスは、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる。

本発明の他の目的は、前記スロットコアと、前記溝の内部に収容された少なくとも１つの光ファイバと、前記スロットコアを取り囲む外部シースと、を含むスロットコア光ケーブルにある。

以下において、本発明の一実施形態によるスロットコアの断面図である図１を参照して本発明のさらなる特徴及び利点を詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら制限されるものではない。

スロットコア１０は、そのスロットコア内に、同軸上に埋め込まれた中心強度部材３を含む。一例として、前記中心強度部材は、ガラス繊維強化プラスチック、または複数のねじれた金属ワイヤを含む捻じれ金属コアである。

さらに、前記スロットコア１０は、第１の層４及び第２の層５を含む。

第１の層４は、前記中心強度部材３の周りに直接押し出し成形される。第１の層４の押し出し成形の後、第２の層５が、前記第１の層４の周りに直接押し出し成形される。すなわち、２段階押し出し成形である。

第２の層５は、前記スロットコア１０の外部表面に沿って長手方向に延在された１０個の溝２を備え、この溝は、前記スロットコアの外部表面の全体に沿って連続したらせん状、またはＳ−Ｚ形状の構成で延在することができる。

前記スロットコア１０の構成は、十分な難燃特性を有する部分ハロゲンフリー難燃性材料である。

第１の層４は、重合体材料、つまり、いかなる難燃性充填剤または増量剤も有さない中密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレン等の難燃性のない材料、そして、ハロゲンフリー難燃性材料からなる。

第２の層５は、有利に、ハロゲンフリー難燃性材料を形成するために従来の技術において公知となった任意の適切な重合体を含む。

たとえば、前記第２の層５は、無機充填剤が内部に添加された高密度、中密度、あるいは低密度ポリエチレンマトリクスからなる。

無機充填剤は、好ましくは、シリコーンと炭酸カルシウムと滑石との混合物、シリコーンと炭酸カルシウムとステアリン酸マグネシウムと二酸化チタンとの混合物、または、シリコーンと水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムとステアリン酸マグネシウムとの混合物等である。

ハロゲンフリー難燃性材料の他の例が、欧州特許第０７７４４８７号に記載されているが、この特許は、ここで参照として援用される。

前記スロットコアは、スロットコア光ケーブル（図示省略）に用いられる。前記スロットコア光ケーブルは、本発明によるスロットコアと、前記溝の内部に収容された少なくとも１つの光ケーブルと、さらに、前記スロットコアを取り囲む外部シースとを含む。

一般的に、光ケーブルは、複数の光ファイバ及びその光ファイバを保護するための保護性部材を含む。

前記スロットコア光ケーブルは、単芯光ケーブル、ルースチューブ（loose tube）光ケーブル、及び／またはリボン型光ケーブルを収容することができる。

単芯光ケーブルは、装置用配線または装置の間の配線手段として用いられる。単芯光ケーブルは、光ファイバ及びその光ファイバの上に形成された外装層を含む。

ルースチューブ光ケーブルは、内部に複数の光ファイバを含む複数のルースュチューブを連結することにより形成される。

リボン型光ケーブルは、少なくとも１つのリボン型光ファイバを有するリボン型光ケーブル束を含む。一般的に、リボン型光ケーブルは、直列に整列された複数の光ファイバと、その光ファイバを連結するために光ファイバの上に被覆されたコーティング層とを含む。

リボン型光ファイバ束は、複数のリボン型光ファイバを積層することにより形成される。

前記スロットコアを取り囲む外部ジャケットは、外部からの衝撃によりスロットコア光ケーブルが摩耗されることを防止し、さらに、外部環境からスロットコア光ケーブルの光ファイバを保護する。

たとえば、外部ジャケットは、ポリエチレンのような押出し重合体材料からなる。

変形例において、前記外部ジャケットは、３５以上の限界酸素指数を有するハロゲンフリー難燃性材料からなる。

本発明のスロットコア光ケーブルは、現在のヨーロッパ建築資材指令２００６／７５１／ＥＣを満足させるため、有利である。

説明のために、図１に示されているような本発明の好ましい実施形態を開示したが、当技術分野における当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、この好ましい実施形態から変形することができるのは勿論である。

より具体的には、前記スロッコアの構造は、その設計、とりわけ溝の個数と設計により制限されるものではない。

本発明によるスロットコア１０の一例を示す図である。

符号の説明

２ 溝
３ 中心強度部材
４ 第１の層
５ 第２の層
１０ スロットコア

Claims (5)

1. 外部表面に沿って延在された少なくとも１つの溝（２）を備えたスロットコア（１０）であって、
   中心強度部材（３）と、
   難燃性のない材料からなり、前記強度部材（３）を取り囲む第１の層（４）と、
   ハロゲンフリー難燃性材料からなり、前記第１の層（４）を取り囲み、かつ前記少なくとも１つの溝（２）を備えている第２の層（５）と、
   を備えるスロットコア。
2. 前記ハロゲンフリー難燃性材料は、ポリマーマトリクス及び少なくとも１種の無機充填剤を含む、請求項１に記載のスロットコア。
3. 前記ポリマーマトリクスは、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる、請求項２に記載のスロットコア。
4. 前記無機充填剤は、難燃性充填剤及び／または増量剤を含む、請求項２に記載のスロットコア。
5. 請求項１から４において規定されたスロットコアと、
   前記溝の内部に収容された少なくとも１つの光ファイバと、
   前記スロットコアを取り囲む外部シースと、
   を備えるスロットコア光ケーブル。

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