JP4119234B2 - 液体輸送用の可撓性容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を封入したゴム引き布などからなる液体輸送用の可撓性容器に係わり、更に詳しくは強度と気密防水性が確保されたスライドファスナーにより密閉及び展開可能にした液体輸送用の可撓性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体輸送専用車両により特定の液体を輸送する場合、例えば往路で特定の液体を収容して輸送し、復路で別の液体を収容して輸送する場合には都合がよいが、液体を輸送しない場合には復路では何も収容せず、空の状態で帰路につくことになり、経済性の点から極めて効率的でなかった。
【0003】
かかる課題を解決すべく、例えば特開平3−275485号公報や実開平5−13993号公報などには、往路で液体を折り畳み可能な可撓性容器に封入して目的地まで輸送し、同目的地において封入された液体を他の容器に入れ換えたのち、前記可撓性容器を折り畳み、車両には他の通常の荷物を積載して復路を輸送するための可撓性容器が開発されている。これらの容器は、いずれも注・排液口を備えている。
【0004】
しかして、液体を封入したこれらの可撓性容器をコンテナ内に積載して輸送する場合、車両が加減速なく一定速度で走行する定常走行時には、特に液体の移動も少なく可撓性容器の変形も少ないが、車両の制動時や始動時又は加速時には、慣性により液体が車両の前後方向に移動して輸送用可撓性容器を局部的に膨出させ、輸送用可撓性容器に局部的な歪みを繰り返して発生させるため耐久性を低下させるばかりでなく、特に制動時の慣性力による液体の移動が大きいことから、制動時、特に急停止時には可撓性容器の膨出の割合が他の加減速時よりも大きくなって、制動のたびに運転手に衝撃的な荷重が作用し、以降の運転に支障を来しかねない。
【0005】
上記各公報による提案は、前述のような可撓性容器の耐久性の低下や運転手に対する不快感をなくすべく、同容器の液体移動による変形を極力低減させる構造を採用しようとするものであり、例えば上記特開平3−275485号公報では、制動時に最も変形のしやすい容器の前方側1/4の位置までの素材、特にその上部基材のヤング率を他の部分より大きく設定して補強するものであり、或いは上記実開平5−13993号公報では可撓性を有する筒状容器の底面から1/2以下の高さの周面にバンドを固定したり、或いは芯材補強層と高弾性体とを積層一体化して剛性を高めるようにしている。
【0006】
ところで、上述の可撓性容器は輸送が終えたのち洗浄や、殺菌処理などの液体処理を行う必要があるが、それらの処理をしやすくするため、例えば米国特許第3,965,953号明細書では、1m3 の液体収容量をもつ横長立方形状の可撓性容器の上面中央部に長手方向に5cmの長さの気密防水性スライドファスナーを取り付け、その部分を開閉可能としている。
【0007】
この種の気密防水性スライドファスナーの他の一例として、例えば独国特許第856881号、実開昭58−181210号公報、特公昭63−8763号公報などに開示された務歯構造と、例えば特公平1−54041号公報、実公平2−16648号公報、実公平5−2098号公報などに開示された務歯構造との二種類の構造に大別される。この務歯の構成要素は、先端に噛合頭部を有する槍形状の噛合素子と、一対の小板片からなる挟持部とその端部を連結する連結部とからなる略U字状を呈するクランプ素子とを有している。このクランプ素子は、通常、矩形状の板片を略U字状に加締めることにより得られる。
【0008】
上記独国特許第856881号、実開昭58−181210号公報、特公昭63−8763号公報の務歯構造は、前記噛合素子を前記クランプ素子の連結部内面の中央からその開放端に向けて前記噛合頭部を外部に露出させるようにして、一体に突出させている。この務歯を気密防水性のファスナーテープに固着するには、その気密防水性テープの一側縁部に沿って所定のピッチで噛合頭部の挿通孔を形成しておき、これに務歯の前記噛合頭部を挿通させて、気密防水性テープの挿通孔形成部を前記クランプ素子の湾曲底面に圧接させるようにしてΩ状に折り曲げて押込み、クランプ素子を表裏両面から加締めて強固に挟着固定して、気密防水用のファスナーストリンガを製造する。
【0009】
一方、上記特公平1−54041号公報、実公平2−16648号公報、実公平5−2098号公報の務歯構造は、先端に噛合頭部を有すると共に、後端に矩形状のフランジを有する槍形状の噛合素子と、略U字状のクランプ素子とが別体に形成されている。務歯を気密防水性テープに固着するには、気密防水性テープの一側縁部をフランジ側から先端の噛合頭部にかけて前記噛合素子を包持するように巻き回し、噛合素子のフランジ側から噛合頭部の手前にかけて、気密防水性テープを介して前記クランプ素子を嵌着させたのち包持するように強く加締めて、クランプ素子により気密防水性テープの一側縁部をΩ状に折り曲げて強固に挟着固定して、気密防水用のファスナーストリンガを製造する。
【0010】
これらの気密防水用スライドファスナーの気密防水性は、対向する一対のファスナーストリンガの前記噛合頭部とクランプ素子との間から折り曲げられて外部に露呈する気密防水性テープ部分の圧接力により保障される。この圧接力が弱いと、気密防水性テープに作用する水圧その他の外力により、圧接するテープ間に間隙が生じて、気密防水性が損なわれる。
【0011】
【特許文献1】
特開平3−275485号公報
【特許文献2】
実開平5−13993号公報
【特許文献3】
米国特許第3,965,953号明細書
【特許文献4】
独国特許第856881号公報
【特許文献5】
実開昭58−181210号公報
【特許文献6】
特公昭63−8763号公報
【特許文献7】
特公平1−54041号公報
【特許文献8】
実公平2−16648号公報
【特許文献9】
実公平5−2098号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、噛合素子とクランプ素子とが一体となった上述の務歯構造にあっては、部品点数が減少するため部品管理が容易となるが、気密防水性テープに同務歯を固着するには、気密防水性テープの一側縁部に噛合頭部の挿通孔を形成しなければならない。更には、その挿通孔に噛合頭部を挿通してからクランプ素子の底面に向けて同テープを押し込んでU字状に折り込む必要があり、その固定構造から気密防水性テープがテープ幅方向に移動しやすく、クランプ素子による挟持固着力が弱くなりやすい。そこで、上記特許文献5のように、クランプ素子の開放側端部の対向面にテープ挟持用のリップを突出させて務歯の気密防水性テープに対する固着強度を高めている。
【0013】
また、この種の気密防水用スライドファスナーにとって、気密防水性を確保するには、既述したとおり一対のファスナーストリンガの対向する務歯を噛合させたときの対向するテープ部分の圧接力に依存する。そこで、例えば上記特許文献4や上記各特許文献のごとく、その圧接面積を大きくするため略U字状に折り曲げられたクランプ素子の表裏側の一端又は両端に直角に外側に延出させた舌片を形成すれば、所要の圧接力が確保され、所要の気密防水性が得やすくなる。しかるに、前記クランプ素子の外側に突出させて舌片を形成することは、ファスナー開閉具であるスライダー全体の気密防水性テープに直交する方向の厚みを大きくしてしまう。
【0014】
一方、上記各特許文献7〜9などのような、噛合素子とクランプ素子とが別体にて構成された務歯構造にあっては、部品点数は増えるものの、気密防水性テープへの固着作業は容易であり、しかも噛合素子の基端部に形成されたフランジの存在により気密防水性テープに対する固着強度も大きいため、実施化を図るには好ましい務歯構造であるといえる。
【0015】
しかして、上述のいずれの務歯構造にあっても、従来のクランプ素子は一部を除いてすべからく略矩形状を呈しており、隣接するクランプ素子の挟持部における対向する側面が互いに平行となっている。その例外として、上記特許文献4がある。この特許明細書によれば、一対のファスナーストリンガの側縁にジグザグ状に対向して固着される各クランプ素子が、側面視で挟持部先端に向けて幅狭となる台形に形成されている。
【0016】
この対向して配されるクランプ素子の挟持部先端面同士がテープ方向に完全にずれて配されているため、全く重畳する対向面を有していない。このことは、一対のファスナーストリンガの務歯が噛合したとき、対向するクランプ素子の挟持部の各先端面同士による気密防水性テープに対する直接的な押圧力が作用しないため、防水性テープ間に所要の圧接力が発生せず、気密防水性を低下させる。
【0017】
ところで、この種の気密防水用スライドファスナーにあっては、同ファスナーの装着製品、例えば可撓性容器などは不使用時に折り畳まれる。このとき、前記気密防水用スライドファスナーのファスナーストリンガも同時に務歯間で折り畳まれようとする。図15は、このときのファスナーストリンガ208の折畳み形態を示している。同図Aは同ファスナーストリンガ208の正面図、同図Bは同ファスナーストリンガ208の折り畳まれる側から見た要部の平面図である。
【0018】
一般的なクランプ素子の挟持部は、上述のごとく側面視で矩形状を呈するため、図15に示すように、折り畳まれる側で隣り合うクランプ素子204は、その対向する挟持片205aの外側稜線同士が密着し、同クランプ素子204の気密防水性テープ201を挟んで反対側の挟持片205bの外側稜線同士が離間して、その外側稜線部分が、挟持片205aの折り畳まれる側の外側稜線同士の密着部分を中心にしてテープ長さ方向に大きく開こうとする。このとき、その気密防水性テープ201の一部が引き裂かれると、気密防水性が損なわれる。
【0019】
すなわち、例えば容器の折畳み時に不用意に大きな折曲げ荷重が加わると、クランプ素子204の挟持部205の一外側稜線部を中心とする回動により、外側稜線部が密着する側の気密防水性テープ部分には圧縮応力が作用すると同時に、同テープ201を挟んだ反対側の外側稜線部との間にある気密防水性テープ部分には強力な引張り応力が作用する。このとき、上述のごとく、その引張応力側の気密防水性テープ部分が引き裂かれやすい。この気密防水性テープ201の裂断は、本来の機能である気密防水用スライドファスナー200の気密防水性を喪失させることになる。
【0020】
また、専用車両に液体を封入した上記各特許文献1又は2のような可撓性容器を積載して輸送する場合、車両が加減速なく一定速度で走行する定常走行時には、可撓性容器内で液体の移動も少なく同容器の変形が少ないが、車両の制動時や始動時又は加速時においては、慣性により液体が車両の前後方向に移動して可撓性容器を局部的に膨出させる現象が発生する。
【0021】
このように、上記各特許文献3〜9に開示された気密防水性スライドファスナーを上記各特許文献1又は2のような可撓性容器に開閉可能に装着したときは、可撓性容器の度重なる膨出・縮小の繰り返しにより気密防水性スライドファスナーに大きな応力が繰り返し作用するため、その引張応力側の気密防水性テープ部分に前記繰返し荷重がかかると、上述のごとき裂け目が僅かであったとしても、次第に大きくなり、更に気密防水性がなくなり液漏れの発生につながるものであった。この減少は、特に液体の輸送中に発生する。
【0022】
本発明は、かかる課題に対してなされたものであり、その具体的な目的は、気密防水性が確保されると共に、長さ方向に強く折り曲げられても容易には裂断しないスライドファスナーにより密閉及び展開可能にした液体輸送用の可撓性容器を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本件請求項1に係る発明は、頂面部と、底面部と、頂面部及び底面部を連結する周面部とを有する液体輸送用の可撓性容器であって、前記周面部は、前面部と後面部と第1及び第2の側面部とから構成される矩形状を呈し、前記周面部には気密防水性スライドファスナーが開閉可能に装着されてなり、同スライドファスナーは、気密防水性テープの一側縁を、複数の噛合素子が噛合頭部を外部に突出させると共に、そのベース部側から包持して折り曲げ、同テープの一側縁に略Ω状断面の務歯保持部を形成し、この務歯保持部の周面を一対の板状挟持片からなる挟持部と各挟持片の一端を連結する連結部とからなる略U字状のクランプ素子をもって挟持して構成される一対のファスナーストリンガを有し、前記クランプ素子が、前記気密防水性テープをテープ長さ方向で隣合うクランプ素子間で折り畳んだとき、テープ長さ方向に隣接する挟持片同士の側面間に存在するテープ部分に発生する引張応力を逃すための応力逃し部を有してなり、前記第1の側面部に隣接する前記頂面部の周縁の少なくとも2つの角部にそれぞれ吊り片を有すると共に、前記第1の側面部に隣接する前記底面部の周縁の少なくとも2つの角部にそれぞれ第2の吊り片を有し、務歯の噛合時に一対のファスナーストリンガの対向縁部に沿って所定のピッチをもってジグザグ状に対向して配される各挟持部の対向する先端面の一部が重畳され、前記応力逃し部は、前記クランプ素子の平面視で、前記挟持部の側面が、クランプ素子の連結部側端面から前記挟持部先端まで所定の角度をもって漸次減少するテーパ面を含んでなることを特徴とする液体輸送用の可撓性容器にある。
【0024】
本発明にあっては、容器の形態を特に規定するものではなく、横長立方形状の容器や円筒形状の容器、或いは三角形や五角形以上の多角形状断面をもつ角筒形状の容器であってよく、頂面部と、底面部と、前記頂面部及び底面部を連結する周面部とを有していればよい。
【0025】
この種の可撓性容器に適用される気密防水性スライドファスナーとしては、前述のごとく液体輸送中に受ける液圧は極めて大きいため、その材質や加工精度などには様々な制限が加えられる。本発明に使われるファスナーストリンガーを構成する防水性テープは、経糸及び緯糸により織成された基布に、合成ゴム、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂等をコーテイング処理又は貼り合わせなどをして防水性及び弾性を付与したテープである。一方、前記務歯及びスライダーには各種の金属が使われている。
【0026】
ところで、従来の一般的な構成を備えるこの種の気密防水用スライドファスナーにあって、その気密防水性テープの長さ方向に沿ってテープ面を折り畳むと、既述したごとく、折り畳まれる側の隣り合うクランプ素子の相対する挟持片の外側稜線同士が密着し、同クランプ素子は前記外側稜線部の密着部分を中心にして回動し、気密防水性テープの折り曲げ側とは反対側の外側稜線部間で、同テープをその長さ方向に大きく開こうとする。このとき密着する各外側稜線部の密着部分はロックされた状態で相対的に移動せず、回転中心が固定してしまうため、折り畳まれた気密防水性テープは両クランプ素子間の折畳み側とは反対側でテープ長さ方向に大きな引張り応力を受けて裂断することになる。
【0027】
そこで、本発明にあっては気密防水性テープを略C字状に包持するクランプ素子の表裏面側の挟持片間にあるテープ部分に発生する局部的な過大な引張応力を逃すための応力逃し部を形成して、前述のように気密防水用スライドファスナーが折り畳まれたとき、その応力逃し部の存在により折り曲げて密着する稜線部同士の密着固定位置を相対的に移動可能とし、折畳み側とは反対側の挟持片間の過大な引張り応力を逃がすようにする。その結果、折り畳まれる側とは反対側の稜線部に過大な引張り応力が発生せずに、その部分での気密防水性テープの裂断が効果的に回避されるようになる。
【0028】
前記スライドファスナーの底面部からの取付高さhが全高Hの1/2以下であることが好ましい。
この発明は、前記スライドファスナーに輸送中の過大な応力が作用しないようにして耐久性を向上させている。輸送中における始動時や制動時の加減速による可撓性容器内の液体の挙動は、液面から略1/2の高さまでが大きく前後に移動し、それ以上の深さではその移動量が極端に少なくなる。つまり、容器内の液体は頂面部の前面部寄りで最も大きく移動して、深くなるほど移動量は漸減し、その深さが容器の1/2の深さよりも深くなると殆ど移動がなくなる。このように移動量が変化すると容器の前面部或いは後面部に作用する応力も同様に変化して、その変化量に応じて可撓性容器の膨出量も左右される。
【0029】
前記スライドファスナーが前記頂面部の周縁下部に沿った周面部に設けられていることが好ましい。
輸送中における始動時や制動時の加減速にあっても、前記頂面部の近傍は、可撓性容器内の液体の移動による影響を受けるものの、液面近くであるため、その液圧は小さい。従って、前記スライドファスナーを前記頂面部の周縁下部に沿った周面部に設けることにより、前記スライドファスナーの寿命を延ばすことができる。
【0030】
前記気密防水性スライドファスナーが前記前面部、後面部と第1及び第2の側面部のうちの3面部にわたり連続して取り付けられると共に、同気密防水性スライドファスナーの上止具及び下止具が前記前面部を除く他面部に配されていることが好ましい。
【0031】
このように気密防水性スライドファスナーを、立方形状の容器の4周面部のうち、少なくとも前面部と後面部及び第1及び第2の側面部のうちの3面部にわたり連続して取り付けることにより、同スライドファスナーを開くと容器は同スライドファスナーが連続的に取り付けられた3面部から2つに展開し、容器の内表面が略完全に露呈することになる。そのため、容器の洗浄や殺菌処理並びに乾燥処理を連続して、しかも効率的に行うことができ、常に清潔な容器として使用することができ、特に牛乳や果汁などの飲料液の輸送では衛生上の管理が容易となる。
【0032】
なお、気密防水性スライドファスナーが連続して取り付けられる3面部に前面部を必ず含ませるようにしたのは、既述したとおり前記可撓性容器には繰り返し操作がなされる輸送車両の急速制動時に、容器内の液体が前方へと大きく移動して、前面部に最も大きな荷重が加わるため、前面部に同気密防水性スライドファスナーの上止具及び下止具を取り付ける場合には早期に気密防水性を失う恐れがあるがためである。
【0033】
また請求項1に係る発明は、前記第1の側面部に隣接する前記頂面部の周縁の少なくとも2つの角部に吊り片を有すると共に、前記第1の側面部に隣接する前記底面部の周縁の少なくとも2つの角部に第2の吊り片を有していることを特徴としている。
【0034】
この発明は、前記気密防水性スライドファスナーの上止具と下止具とを前記第1の側面部に取り付けている。つまり、この種の可撓性容器による液体の輸送時にあって、輸送車両の制動或いは加減速に基づき容器内部の液体が移動するときに過大な荷重が作用するのは容器の前面部又は後面部であり、各側面部にはさして大きな荷重変動がない。従って、気密防水性スライドファスナーにあって最も損傷しやすい上止具及び下止具を前記第1の側面部に取り付けている。
【0035】
この種の可撓性容器により輸送される液体の多くは各種の飲料液であって、容器は常に清潔で衛生的でなくてはならない。液体輸送にあっては、前記可撓性容器の周面部に気密防水性スライドファスナーを開閉可能に装着していることによって、同容器の少なくとも周面部を大きく開放することを可能にしている。つまり、前記第1の側面部に隣接する前記頂面部の周縁の少なくとも2つの角部に取り付けられた吊り片と、前記第1の側面部に隣接する前記底面部の周縁の少なくとも2つの角部に取り付けられた第2の吊り片とを利用して引っかけて吊り下げることにより、容器内面を大きく開放する。
【0036】
また、前記気密防水性スライドファスナーの容器に対する開閉端部を前記第1の側面部まで延ばしている。このように容器の周面部を大きく開放することを可能にすることにより、液体輸送後の容器から液体を排出したのちの、同容器内部の洗浄や殺菌処理に曝すにあたって、前記気密防水性スライドファスナーを操作して周面部を大きく開放させることにより、容器を外方に展開させることができるようになり、容器の内面を外部に露呈でき、その状態で可撓性容器を洗浄や殺菌処理に曝すと、効率的に且つ容器内部の隅々にわたって洗浄や殺菌を行うことができ、更にはその後の乾燥時にも容器内面を直接外部に露呈するため乾燥時間を速めることができる。
【0037】
また、乾燥後に前記容器の気密防水性スライドファスナーを閉じれば、容器内面が外気などに触れることが防止され、清潔さと無菌状態を長く維持させることが可能となり、極めて衛生的である。
【0038】
前記2つの第1の吊り片及び前記2つの第2の吊り片のそれぞれ中間部に第3の吊り片を有していることを特徴としている。
可撓性容器の容量が大きい場合は、上述のごとく可撓性容器の内面を大きく開放すると、前記2つの第1の吊り片及び前記2つの第2の吊り片のそれぞれの容器の中間部分が下方に大きく垂れ下がる。このため、前記第1及び第2の側面部の一部が垂れ下がらないように吊り片を増やすことが好適である。このことによって容器を更に大きく、しかも確実に展開することを可能にする。特に、上記洗淨や殺菌処理によっても液体の残留量を極力減少させると共に、乾燥効率を更に向上させている。
【0039】
更に本願の請求項1に係る発明は、務歯の噛合時に一対のファスナーストリンガの対向縁部に沿って所定のピッチをもってジグザグ状に対向して配される各挟持部の対向する先端面の一部が重畳されていることをも特徴と一つとしている。
【0040】
一般に前記クランプ素子は、その表裏挟持片の先端対向面には互いに接近するように突出するリップ部が形成されている。クランプ素子を加締めて、その表裏挟持片をもって略Ω状に折り曲げられた気密防水性テープの務歯保持部を表裏側から強く挟持するとき、同挟持片の先端に内側に突出して設けられた前記リップ部が前記務歯保持部に食い込み、その固定を更に強固なものとする。
【0041】
本発明者等の実験によれば、前記リップ部の前面を適切な大きさに形成すれば、挟持部の先端に前記リップ部とは反対側に延出する舌片を形成しなくとも、気密防水用スライドファスナーの閉鎖時に発生する前記リップ部の前面による押圧力によって、外部に露出して対向する気密防水性テープの折り曲げ部分に所要の圧接力を付与することができ、十分な気密防水性が確保されることが判明している。
【0042】
一方、前記リップ部の前面は、務歯の噛合時に一対のファスナーストリンガの対向縁部に沿って所定のピッチをもってジグザグ状に対向して配列されるように、クランプ素子が各ファスナーストリンガに固着されている。しかるに、上述した独国特許第856881号のように、クランプ素子の前記対向面がテープ長さ方向にずれて、押圧力が直接作用するはずの重畳部分がないときは、一対のファスナーストリンガの気密防水性テープ間の対向露出端縁に十分な圧接力が生じない。そこで、本発明ではジグザグ状に対向して配列される前記クランプ素子の各対向面の一部を必ず重畳させるように配して、気密防水性テープ間の所要の圧接力を確保し、気密防水用スライドファスナーの気密防水性を高めている。
【0043】
更に本願請求項1に係る発明では、前記応力逃し部は、前記クランプ素子の平面視で、前記挟持部の側面が、クランプ素子の連結側端面から挟持部先端方向に同クランプ素子の肉厚と気密防水性テープのテープ厚との加算位置よりも先端側を少なくとも起点として、前記挟持部先端まで所定の角度をもって漸次減少するテーパ面を含んでいることを特徴としている。
【0044】
気密防水用スライドファスナーにあって、その気密防水性テープのテープ面を長さ方向に折り畳むと、上述のごとく、折り畳まれる部分の隣り合う挟持部は、折り畳み側の挟持片の外側稜線部同士が密着し、その密着部分を支点として挟持部が回動し、折り畳まれる側とは反対側の気密防水性テープには、隣接する前記クランプ素子間で大きな引張応力が発生する。クランプ素子の挟持部が平面視で従来の矩形状である場合には、気密防水用スライドファスナーを前述のように折り畳むと、前記クランプ素子の挟持部先端側が2重に重なり合った気密防水性テープのテープ本体側にあり、クランプ素子の連結部側が気密防水性テープの自由端側となるため、そのテープ長さ方向の折畳み形態は連結部側が伸びて挟持部の先端側が圧縮された略円錐形の一部に近似する形態となる。
【0045】
その結果、気密防水用スライドファスナーの折畳み部を中心として、クランプ素子は隣接する挟持部の先端側の外側稜線部で密着し、連結部側の側面同士は僅かに開いた状態となる。この状態で、噛合素子のベース部側で折り曲げられた気密防水性テープの務歯保持部は、前記折畳み部の内側に殆ど内部応力が発生せず、折畳み部の外側が大きく伸ばされるような過大な引張応力が発生する。
【0046】
本発明にあっては、前述の折畳み形態に着目してなされたものであり、先ず各クランプ素子の挟持部の左右側面を上述の略円錐形に倣って先端側が幅狭となるようなテーパ面とすることによって、上記応力逃し部となると考えた。しかしながら、本発明による気密防水性テープに対する務歯の固着構造によれば、既述したとおり、噛合素子を中心に気密防水性テープとクランプ素子とが前記噛合素子を包持するように屈曲させて、気密防水性テープに固着させる。
【0047】
かかる固着構造にあって、クランプ素子の挟持部の全体で強力に気密防水性テープを挟持させるには、少なくとも挟持部と連結部との境界面における挟持力を従来と同様の大きさをもつ挟持力とすることが望ましい。そのためには、本発明のように、少なくとも略C字状に折り曲げられる気密防水性テープの務歯保持部とクランプ素子の連結部から挟持部にかけての境界面とが、従来と同様のテープ長さ方向の幅寸法を有することが必要となる。そこで、本発明では、挟持部先端に向けて幅狭とする上記テーパ面の起点を、クランプ素子の肉厚と気密防水性テープのテープ厚との加算位置に設定している。
【0048】
以上の構成を備える本発明によれば、気密防水性テープに対する務歯に必要な固着強度が確保されるとともに、気密防水用スライドファスナーを長さ方向に折り畳んだときにも、前記テーパ面が応力逃し部となって、互いの干渉が避けられ、たとえその外側稜線部が接触するとしても、折り畳みの完了する時点では軽く接触する程度であり、その間に折り畳まれる側とは反対側の挟持部と連結部との間に存在する気密防水性テープ部分に過大な引張応力が発生せず、同気密防水性テープ部分を裂断することも回避できる。
【0049】
前記クランプ素子の両側面におけるテーパ面のテーパ角は、3°〜7°であることが望ましい。3°よりも小さいと、折り畳まれる側に隣り合う挟持片の外側稜線部分が密着してロック状態となり、応力逃し部としての機能が十分に発揮されず、折り畳まれる側のクランプ素子間で気密防水性テープに裂断が発生しやすい。また、7°を越えると、気密防水用スライドファスナーの閉鎖時に、対向して配されるクランプ素子間に互いに作用する直接的な押圧力が発生しにくくなり、対向する気密防水性テープ同士の圧接力を効果的に発生させず、所要の気密防水性能が得にくくなる。
【0050】
前記応力逃し部に前記挟持部の先端側隅角部の周面面取りを含んでいることが望ましく、また前記応力逃し部を、前記挟持部の外側稜線部に形成される面取りを含んでいることが好ましい。更に、前記応力逃し部が、前記挟持部の内側稜線部の少なくとも一端部に形成される面取りを含んでいることが望ましい。
【0051】
これらの応力逃し部は、いずれも気密防水用スライドファスナーを長さ方向で折り曲げたとき、その折畳み部を中心とするクランプ素子間において、気密防水性テープの一部の裂断を効果的に回避することが可能となる。これらの発明は、請求項1又は6に係る発明と組み合わせることができ、気密防水性テープの裂断が更に効果的に回避される。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基いて具体的に説明する。
図1〜図3は、本発明の代表的な液体輸送用の可撓性容器1による液体輸送装置の一部を切開して示す側面図である。図1は液体を充填した前記可撓性容器を荷台に載置して輸送する車両を示し、図2は液体充填前の減容した前記可撓性容器を積載した輸送車両を示している。また、図3は折り畳んだ状態にある前記可撓性容器を収納したときの同輸送車両を示している。
【0053】
本発明の液体輸送装置の構成要素の一つである液体輸送用車両40は、可撓性容器1を荷台41上に載置収納する収納室42を備えており、通常、同室内は冷却器43により冷却雰囲気にある。前記荷台41の前後には一対の剛性と強度を備えた支持壁部44が立設されている。
【0054】
前記支持壁部44は、例えば鋼板材製の板状パネルから構成され、荷台41の表面に沿って前後方向に移動可能とされている。一枚の支持壁部44の背面44aには支承ブラケット45が脱着自在に取り付けられている。可撓性容器1により液体を輸送するときは、前述のようにして支持壁部44を立設位置にて立設し、液体輸送後の可撓性容器1を折り畳んで車両の収納室42に収納したのちに、前記支持壁部44から支承ブラケット45を取外し、同支持壁部44を図3に示すごとく前記荷台41の表面に沿って前方に移動させて、フック等の適当な固定手段により運転室の後壁面に固定させる。
【0055】
前後一対の各支持壁部44の上端縁には、液体充填済みの可撓性容器1を上方から抑えて輸送中における可撓性容器1の形態を安定化するため、押えバー46の両端部がボルト等の固着手段により脱着可能に固定される。
【0056】
図4は本発明の代表的な実施形態である可撓性容器の外観を模式的に示す斜視図であり、図5は同容器の気密防水性スライドファスナー(以下、単に防水性ファスナーという。)の端部取付態様を示す平面図である。
【0057】
本実施形態による可撓性容器本体10は、繊維補強層をポリウレタン樹脂により被覆した弾性シート材から構成され、矩形状の頂面部11、同じく矩形状の底面部12、及び前記頂面部11と底面部12とを連結する周面部13とからなり、同周面部13は前面部13a、後面部13b及び左右一対の第1及び第2側面部13c,13dより構成された全体が横長立方形状を有している。
【0058】
可撓性容器本体10の前記頂面部11の前面部寄り中央には、円筒状の排気口11a−1が突設されると共に、その頂面部11の後面部寄りには円筒状の攪拌口11a−2が突設されている。本実施形態では、前記排気口11a−1及び攪拌口11a−2を容器本体10との馴染みをよくするため同等の材質で構成しているが、金属或いは硬質の合成樹脂材料により構成することもできる。それらの開口の閉塞は、硬質である場合には図示せぬ密閉蓋や栓を取外し自在に取り付けるようにすればよいが、軟質である場合には通常のホース類の端部を閉塞するバネ製のクリップ等の図示せぬ閉め金具が使われる。また、前記容器本体10の後面部13bにあって、下端部中央には輸送する液体の注排口13b−1が突設されている。この注排口13b−1には液体の注排時に外部から図示せぬホース類が接続される。
【0059】
また、可撓性容器本体10の4つの上部隅角部には、それぞれにテープをループ状にした第1の吊り片10a−1が取り付けられている。この吊り片10a−1は、減容した状態の可撓性容器本体10を膨らませて立ち上がらせるときに用いられる。具体的に説明すると、防水性ファスナー20を閉じた可撓性容器本体10は、図2に示すごとく車両の荷台41に減容した状態で載置される。液体の注入に先立って、容器本体10内に空気を吹き込み膨らませて立ち上がらせた状態とする。第1の吊り片10a−1は、人手により或いはクレーンにより上方に引き上げられて容器本体10の上寄り部分を持ち上げ、容器本体10内に空気が入り込みやすくするために使用される。
【0060】
更に、可撓性容器本体10の前記前面部13a及び後面部13bの下端縁には、それぞれ帯状のテープの一面に、面ファスナーの係合部を備えた4個の底面部固定片10bが取り付けられている。同底面部固定片10bは、可撓性容器本体10の底面部12を上記支持壁部44に係合固定するときに用いられる。かかる構成は、本出願人が先に提案した特開平13−72176号公報に開示されているように、底面部固定片10bの下面には雄係合素子と雌係合素子とが混在する面ファスナー係合部が設けられており、底面部固定片10bは、車両40の荷台41に設置した前後支持壁部44の図示せぬ掛止部に巻回され、面ファスナー係合部を対向係合させて固定される。
【0061】
なお、底面部固定片10bは、防水性ファスナー20を開き、可撓性容器本体10を展開して、同容器1を洗浄、殺菌、或いは乾燥処理を行うとき、クレーンのフックに懸垂させるために用いてもよい。液体輸送時や容器洗浄時において容器の上方に架設される支持バーに前記第1吊り片10a−1を懸垂支持させると共に、前記底面部固定片10bを車両の荷台41や洗浄設備の床面に緊張固定することにより、可撓性容器が液体を充填したときと同様の皺のない立体形態とすることができる。
【0062】
本発明にあって、前記防水性ファスナー20の取付位置は、特に限定されるものではない。図6はその取付位置の関係を示している。同図によれば、防水性ファスナー20を底面部12からの高さhが容器全体の高さHの略1/3の位置であって、同防水性ファスナー20を容器本体10の周面部13の前面部13a、左側面部13d及び後面部13bの全体にわたって連続的に取り付けると共に、図4に示すように同防水性ファスナー20の端部が前面部13a及び後面部13bからそれぞれ右側面部13cの前後両端部にかけて所要の長さを内側に入った位置まで延設されており、同防水性ファスナー20の上止具20a及び下止具20bが右側面部13cの前記延設位置にそれぞれ配される。
【0063】
本発明における前記防水性ファスナー20の種々の延設位置として、同防水性ファスナー20の上止具20a及び下止具20bは、図4に示すように可撓性容器本体10の右側面部13cに限定されず、左側面部13dや後面部13bでもよく、或いは上止具20a及び下止具20bを右側面部13c及び左側面部13dに振り分けて取り付けるようにしてもよい。
【0064】
しかし、前記上止具20a及び下止具20bは、液体輸送時において最も衝撃荷重を受けやすい。特に前面部13aへの取付けは避けるほうが好ましく、図4に示す実施形態にあって、前記各止具20a,20bを容器本体10の右側面部13cのそれぞれ前後端側に設けている理由は、液体輸送中の容器本体10にかかる負荷の最も大きい部位は容器本体10の前後面部13a、13bであり、特に急停止時に衝撃的な大荷重が作用する前面部13aに各止具20a、20bを配すると、同止具20a、20bが早期に損傷しやすいがためである。
【0065】
その防水性ファスナー20の取付位置は、容器1の使用回数、液体輸送中の制動回数(通常制動及び急制動の回数)、容器1の耐用年数、防水性ファスナーの耐用年数等により決まるために、一律に規定することはできないが、図6において少なくとも容器本体10の底面部12からの取付高さhが全高さHの1/2以下の高さ位置に取り付けることが好ましい。防水性ファスナー20に輸送中の過大な応力が作用しないようにして耐久性を向上させることができる。
【0066】
また、本発明は、防水性ファスナー20が前記頂面部11の周縁下部に沿った周面部13に設けられていてもよい。液体は前記頂面部11の周縁下部よりも下方に封入されるが、輸送中における始動時や制動時の加減速にあっても、前記頂面部11の近傍は、可撓性容器1内の液体の移動による影響を受けるものの、液面近くであるため、その液圧は小さい。従って、防水性ファスナー20を前記頂面部11の周縁下部に沿った周面部13に設けることにより、防水性ファスナー20の耐久性を向上させることができる。
【0067】
前記容器本体10は、既述したように防水性ファスナー20が容器本体10の周面13の右側面部13cの前後端部まで周回状に取り付けられている。このため、スライダー28で防水性ファスナー20を開くと、容器本体10は右側面部13cを介して略逆V字状に展開して容器内面を外部へ露呈するようになる。このような状態で、例えば図示せぬクレーンのフックに容器本体10の右側面部13c側に取り付けられた第1の吊り片10a−1及び/又は底面部固定片10bを利用して引っかけて吊り下げ、クレーンを降ろして、例えば洗浄する図示せぬ処理槽内の洗浄液に展開状態にある前記容器本体10を浸漬して洗浄を行う。
【0068】
このように、容器本体10を展開状態で一気に洗浄や殺菌を行うことができるばかりでなく、次の乾燥工程に移行させるときも前記クレーンを移動させれば、容易に容器本体10を移動でき、しかもその移行の途中で容器本体10内の液切れがなされるため、乾燥効率も向上する。
【0069】
なお、このような洗浄や殺菌処理において、図示せぬ処理槽内へ容器本体10を投入するものだけでなく、洗浄液や殺菌液を図示せぬ噴射ノズルによって、容器本体10の展開している内部へ噴射して処理することもできる。なお、第1の吊り片10a−1及び底面部固定片10bに着脱自在に連結した図示せぬ引張りロープを左右方向に引張ることで容器本体10の展開を積極的に拡開して、洗浄や殺菌処理をより容易にすることもできる。
【0070】
図7及び図8は可撓性容器の変形例をそれぞれ示している。これらの第1及び第2の変形例において、上記実施形態である可撓性容器1と大きく異なるところは、底面部固定片10bを排除していることにある。なお、これらの図において上記実施形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。
【0071】
図7において、第1の変形例である可撓性容器本体10の4つの上部隅角部には第1の吊り片10a−1がそれぞれ取り付けられると共に、その上部隅角部に対応する4つの下部隅角部に第2の吊り片10a−2がそれぞれ取り付けられている。かかる構成を備えることにより、液体輸送時や容器洗浄時に可撓性容器本体10を固定するためだけではなく、可撓性容器10が液体を充填したときと同様の皺のない立体形態とすることができる。
【0072】
一方、図8に示す第2の変形例である可撓性容器本体10は、左右一対の第1及び第2側面部13c,13dの上端中央部と下端中央部とにそれぞれ第3の吊り片10a−3を設けている点が、上記第1変形例とは異なっている。可撓性容器1の容量が大きい場合は、上述のごとく可撓性容器本体10の内面を大きく開放すると、各第1及び第2側面部13c,13dの上端中央部と下端中央部とが下方に大きく垂れ下がる。この第2変形例では、第1及び第2側面部13c,13dの一部が垂れ下がらないように第3の吊り片10a−3を増やしている。図示例によれば、各第1及び第2側面部13c,13dの上端中央部と下端中央部とにそれぞれ1個の第3の吊り片10a−3を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3の吊り片10a−3の設置数や取付箇所は、図示例に限定されるものではない。第3の吊り片10a−3は、例えば各側面部13c,13dの上端中央部と下端中央部の任意の部位に複数個設けてもよく、可撓性容器本体10の大きさに応じて増やすことが好ましい。これにより、可撓性容器1が大きくても、容器本体10の内面を確実に展開することができる。特に、上述のような洗淨や殺菌処理によっても、液体の残留量を極力減少させると共に、乾燥効率を向上させることができるようになる。
【0073】
このように容器本体10の周面部13を大きく開放することを可能にすることにより、上述のごとく液体輸送後の容器本体10から液体を排出したのちの、同容器内部の洗浄や殺菌処理にあたって、前記スライドファスナー20を操作して周面部13を大きく開口させることにより、容器本体10を外方に展開させることができるようになり、容器本体10の内面を外部に露呈でき、その状態で容器本体10を洗浄や殺菌処理に曝すと、効率的に且つ容器内部の隅々にわたって洗浄や殺菌を行うことができ、更にはその後の乾燥時にも容器内面を直接外部に露呈するため乾燥時間を大幅に速めることができる。
【0074】
次に、本発明の代表的な実施形態である気密防水用スライドファスナーの一例を図9〜図16に基いて具体的に説明する。図9は本実施形態に係る気密防水用スライドファスナーの務歯噛合時における一部を切開した務歯の噛合部分を拡大して示す平面図、図10は図9のII-II 線における矢視断面図、図11は図10のIII-III 線における矢視断面図である。
【0075】
本実施形態の気密防水用スライドファスナー20は、従来と同様に、気密防水性テープ21、務歯22、スライダー20c、上下止具20a、20bなどから構成されている。気密防水性テープ21はゴム材、軟質の合成樹脂シートなどの単独、或いはゴムやエラストマー樹脂が被着された織物などの水密素材からなり、そのテープ21の一側縁部を長手方向に沿って屈曲させて、その側縁部に沿って一定間隔毎に務歯22が固着されている。
【0076】
また、容器本体10に対する前記防水性ファスナー20の取付方法は、気密防水性を確保するには、縫着による固定ではなく、高周波溶着や超音波溶着によることが好ましく、こうした溶着の場合には互いに親和性が高いほうが溶着強度が高くなることから、同一系の熱可塑性樹脂であることが好ましく、本実施形態では防水性テープ21のコーティング材としてポリウレタン樹脂を使うと共に、容器本体10を構成する繊維補強層を被覆する樹脂材料としてポリウレタン樹脂を使っている。勿論、本発明にあって、防水性テープ21のコーティング材及び繊維補強層の被覆材料はポリウレタン樹脂に限定されるものではなく、既述した他の熱可塑性合成樹脂材料を使うこともできる。
【0077】
本実施形態による務歯22は、別個の部材からなる噛合素子23及びクランプ素子24により構成される。なお、本発明にあっては噛合素子23及びクランプ素子24が一体に形成される場合をも含んでいる。ただし、噛合素子23及びクランプ素子24が別体に構成される場合には、既述したように、噛合素子の形状の一部が噛合素子23及びクランプ素子24を一体に構成する場合とは異なっている。
【0078】
本実施形態による単独構成からなる前記噛合素子23の全体形状は、従来のそれと変わるところがなく、矩形柱部23aの先端に矩形断面をもつやじり状の噛合頭部23bを有すると共に、矩形柱部23aの基端に矩形状のフランジ23cを有している。かかる形状の噛合素子23には、図10に示すように、気密防水性テープ21の一側縁部が噛合素子23の前記フランジ23cを抱え込むようにして折り曲げられ、更にそのテープ本体側とテープ側縁側とを拡開状に折り曲げて、全体の折曲げ断面形状が略Ω状の務歯保持部21aを形成し、務歯保持部21aより前記噛合頭部23bを外部に露出可能としている。
【0079】
こうして噛合素子のフランジ23c及び矩形柱部23aを包持するように折り曲げられた気密防水性テープ21の務歯保持部21aの周面に沿って、同じく図10に示すような、クランプ素子24を強制的に屈曲変形させることにより、気密防水性テープ21の一側縁部に所要の間隔をもたせて複数の務歯22を固着する。複数の噛合素子23を一直線状に並べて、これらの噛合素子23を気密防水性テープ21の一側縁部で包持するには、気密防水性テープ21の一側縁部で噛合素子23を包持する前に、複数個の噛合素子23を気密防水性テープ21の一側縁部に沿って一定の間隔をおいて順次並べておく。一方、前述のごとく略U字状に屈曲される前記クランプ素子24は、図12に示すように、一端の対峙間隔を他端の対峙間隔よりも広くなるように傾斜させた一対の板状挟持片25a,25bの他端側を連結部26をもって連結した屈曲板片から構成されている。
【0080】
前記挟持片25a,25bの連結部26側とは反対側の各端部には、その対峙方向に突出するリップ部27が形成されている。また、前記リップ部27を含めたクランプ素子24の屈曲内面には、その屈曲方向に直線的に延びる複数本の凹溝24aが形成されている。隣合うクランプ素子24の前記連結部26の中央側面は連結杆24bをもって一体に連結されている。クランプ素子24を、さらに屈曲変形して気密防水性テープ21に取り付けたのち、前記連結杆24bは切除され、務歯22が気密防水性テープ21の一側縁部に沿って固着一体化されて、ファスナーストリンガ28が製造される。
【0081】
所要の長さをもつ一対のファスナーストリンガ28にスライダ24が通され、同ストリンガ28の一端に上止具20aが、その他端に下止具20bが、それぞれ固着されて気密防水用スライドファスナー20が得られることになる。図10は前記スライダー24により気密防水用スライドファスナー20が閉鎖されたときの断面図を示している。
【0082】
以上のファスナー構成は、クランプ素子24の構成を除くと、従来と実質的に変わるところがない。従来のクランプ素子204の構成は、図14及び図15に示し既述したとおり、平面視で略矩形状を呈している。これに対して、本実施形態によるクランプ素子24は、本発明の特徴的構成であるクランプ素子24の挟持部25に、気密防水用スライドファスナー20の折曲げ時において隣接するクランプ素子24間の務歯保持部21aのテープ部分21bに発生する過大な引張応力の応力逃し部が形成されている。
【0083】
これを、本実施形態によるクランプ素子24の構造を示す図9〜図12と従来のクランプ素子204の構造を示す図15を参照しながら、具体的に説明する。
【0084】
先ず、図15に基づいて従来のクランプ素子204の構造について簡単に説明すると、同クランプ素子204の全体的な形態は本実施形態によるクランプ素子24の形態とほぼ同一である。しかしながら、従来のクランプ素子204にあっては、その挟持部205の挟持片205a及び205bが略矩形状の小板片からなり、そのテープ長さ方向の幅寸法は挟持部205の全ての領域において同一である。更に、各挟持片205a及び205bの内外面側の稜線部分には格別の加工が施されておらず、それぞれが略90°の直角な稜線部分のままである。
【0085】
従って、いま従来のファスナーストリンガ208を、そのテープ面に沿って長さ方向に折り曲げたとき、図15(B)に示す平面視では、折曲げ中心の務歯202と、それに隣接する務歯202との間では、折り曲げられる側の挟持片205aの先端側稜線部分が密着すると共に、その連結部206側では互いが離間方向に移動する傾向がある。そのため、前記隣接するクランプ素子204の連結部206側のテープ部分には引張応力が発生している。このとき、同時に隣接するクランプ素子204は、同図Bに示すように、折り曲げられる側の挟持片205aの前述の密着する部分を中心に回動し、折り曲げられる側とは反対側の挟持片205bを互いに離間する方向へと移動させようとして、その間の務歯保持部201aのテープ部分、特に連結部206側のテープ部分201bに、平面視における連結部206側のテープ部分に発生する引張応力と相まって、極めて大きな引張応力が発生し、同部分201bは挟持片205bにより挟持端部から裂断が始まる。
【0086】
これに対して、本実施形態によるクランプ素子24の形態は、図9及び図12に示すごとく、各挟持片25a及び25bの一部に様々な応力逃し部を形成している。これにより、務歯保持部21aにおける連結部26側のテープ部分21bが容易に裂断することを防止する。
【0087】
本実施形態による前記応力逃し部としては、図9及び図12に示すとおり、挟持片25a,25bの左右側面上に形成されたテーパ面24cと、その内外稜線部分に形成された面取り部24d及び24eがある。この他にも、例えば図9に符号Rで示すように、各挟持片25a,25bの先端角隅部、特にその内面側隅部を微小な円弧面に形成している。本実施形態では、更に多様な応力逃し部を形成しているが、それらの応力逃し部の全てが必要でない場合もあり、その一部を除くこともできる。
【0088】
ここで、上記引張応力の応力逃し部として最も有効な手段である前記テーパ面24cを設計するにあたっては、他の応力逃し部の設計以上に留意すべき点がある。これを図9及び図12と表1とを参照しながら、その機能と共に具体的に説明する。
【0089】
先ず、留意すべき第1の点は、挟持部25に形成するテーパ面24cの形成起点位置である。一般に、クランプ素子24の大きさや配列ピッチは、気密防水用スライドファスナー20の寸法(幅寸法、長さ寸法など)や用途、或いはテープ構造や素材により、予め決められている。前記テーパ面24cを、クランプ素子の平面視で略台形となるように、連結部26の外側端縁から挟持部25の先端にかけてテーパ面を形成すると、クランプ素子24による気密防水性テープ21の挟持力が低下してしまう。
【0090】
そこで、本実施形態にあっては、前記テーパ面24cの形成起点位置を、クランプ素子24による気密防水性テープ21に対する必要な挟持力を確保すべく、その連結部26側における気密防水性テープ21に対する実質的な挟持面積を確保している。すなわち、前記テーパ面24cの形成起点位置を、連結部26の外側端面から少なくともクランプ素子24の肉厚D1に気密防水性テープ21のテープ厚D2を加算した値(D1+D2)以上の寸法位置Hに設定している。この寸法位置Lよりも連結部26側にテーパ面24cの形成起点位置を設定すると、気密防水用スライドファスナー20の横引き力による務歯22の外れが発生しやすくなる。
【0091】
次に留意すべき点は、前記テーパ面24cのテーパ角αにある。このテーパ角αが小さ過ぎると、既述したとおり気密防水用スライドファスナー20の折畳み時に気密防水性テープ21の一部が裂断しやすくなり、テーパ角αが大きすぎると、クランプ素子24の挟持片25a,25bの先端幅寸法Wが小さくなり、一対のファスナーストリンガ28の対面する各クランプ素子24の挟持片25a,25bの先端前面の間に重畳する部分W1がなくなり、対向する気密防水性テープ21間に発生する圧接力が小さくなって、所要の気密防水性能が得られない。
【0092】
図16は、前記テーパ面24cのテーパ角αの変化に伴う気密防水用スライドファスナー20の気密性の変化を示している。ただし、この図に示すテーパ角αは、テーパ面24cの形成起点位置をクランプ素子24の肉厚D1と気密防水性テープ21のテープ厚D2とを加算した寸法位置としている。このテーパ面24cの形成起点位置を変更する場合には、ファスナー折畳み時における気密防水性テープ21の裂断が発生しない好適なテーパ角αの範囲も、気密防水性テープ21間の上記圧接力との関係で自ずと変更される。
【0093】
図15において、テーパ角(逃げ角)αが0°のときはテーパ面24cを全く形成しない場合であり、隣接するクランプ素子の側面が平行している。いま、図16に示すように、前記テーパ面24cのテーパ角αを0°から8°まで変化させると、気密防水用スライドファスナー20の気密度は2×10-5から0.7×10-5(Pa)へと、漸次減少していることが理解できる。従って、気密防水用スライドファスナー20の気密度を重視すると、同図からテーパ角αは5°以下であることが望ましい。
【0094】
しかして、本発明にあっては、気密性能の他に、上述のごとく気密防水用スライドファスナー20が長さ方向で強く折り曲げられたときに、気密防水性テープ21の一部に裂断を発生させないことも主要な目的としている。そこで、次のごとき実験を行った。
【0095】
気密防水性テープ21にゴム引きの繊維織物テープを採用し、務歯22の噛合素子23を既述した図9に示す構造とすると共に、クランプ素子24の挟持部25における前記テーパ面24cの形成起点位置を上記クランプ素子24の肉厚D1と気密防水性テープ21のテープ厚D2とを加算した寸法位置Lとしている。
【0096】
かかる条件下で、上記テーパ角αを0°、2°、5°及び8°として、前記寸法位置Lから挟持部25の先端までの側面全体にテーパ面24cを形成し、それぞれ10本の気密防水用スライドファスナー20を作成した。各ファスナー20について、各テーパ角αごとの、ストリンガ曲げ耐久度(折曲げ時のテープ裂断強度)、気密度(Pa)、重畳量比率(圧迫量比率)(%)、チェーン横引強度(N/in)の平均値を求めた。ここで、ストリンガ曲げ耐久度は1本の気密防水用スライドファスナー20について、300回の折畳みを行い気密防水性テープ21の裂断の程度を「×」,「△」,「○」,「◎」で評価した。
表1は、前記実験結果を示している。
【0097】
【表1】
Figure 0004119234
【0098】
表1によれば、ストリンガ曲げ耐久度はテーパ角αが2°で「△」、5°で「○」、8°では「◎」と、テーパ角αを大きくすればするほど、同耐久度が増すことが分かる。一方、気密度はテーパ角αが大きくなるにつれて低下しており、その原因がクランプ素子24の対向前面間の重畳量の比率に依存することが理解できる。この重畳量比率の値が大きいほど、気密度は増加する。また、一対のファスナーストリンガ28同士を離間方向に横引きしたときの務歯22の脱落強度を示すチェーン横引強度は、テーパ面24cの形成起点位置を上述のごとく設定すると、テーパ角αが8°であっても十分に耐えられる強度を有していることが理解される。
【0099】
このように、上記テーパ角αは他の要因と相まって気密防水用スライドファスナー20に対する気密防水性能や耐久性、特に気密防水用スライドファスナー20の折曲げによる気密防水性テープ21の裂断を回避する上で、大きな影響を及ぼす主要な要因となっている。従って、前記テーパ角αの設定には、他の要因、例えばテーパ面24cの形成起点位置、上記挟持片25a,25bの内外稜線部分に形成される面取り部24d,24e、或いは上記挟持片25a,25bの先端隅角部に形成される円弧面Rの設定量をも勘案する必要がある。
以上を踏まえるとき、本発明における前記テーパ面24cのテーパ角αは、3°〜7°であることが望ましい。
【0100】
また本発明によれば、図9及び図12に示すように、クランプ素子24の各挟持片25a,25bのテープ側稜線部分とテープ側とは反対側の外側稜線部分に面取り部24d,24eを形成すると、気密防水用スライドファスナー20が上述のように折り畳まれるとき、その折り畳まれる側で隣接するクランプ素子24の挟持片25a同士の外側稜線部分がたとえ密着しても、そこに面取りがなされているため、その面取り部24d,24eに滑りが生じて、密着点が移動し、折り畳まれる側とは反対側の挟持片25b間に存在する気密防水性テープ21、特にその挟持片25bの連結部26側のテープ部分21bに発生する引張応力の一部が逃がされ、同テープ部分21bの裂断をしにくくする。
【0101】
更に、図9に符号Rで示すように、クランプ素子24の各挟持片25a,25bの先端隅角部に微小な円弧面を形成する場合も、気密防水用スライドファスナー20が折り畳まれたとき、折り畳まれる側で隣接する挟持片25aの各先端側の隅角部において挟持片25a同士が密着して回動時の支点となるため、前記円弧面Rの存在により同支点が移動し、上記面取り部24d,24eと同様に、折り畳まれる側とは反対側の挟持片25bの連結部26側のテープ部分21bに発生する引張応力の一部が逃がされ、同テープ部分の裂断をしにくくする。
【0102】
以上は本発明の好適な実施形態を例示したものであり、例えばクランプ素子に形成される応力逃し部として、上述のごとく、テーパ面24c、面取り部24d,24e及び円弧面Rの全てを具備する必要はなく、気密防水用スライドファスナー20の長さや幅、気密防水性テープ21のテープ材質、クランプ素子24の大きさなど他の要因との関係で、前記応力逃し部のいずれか一つ、或いはそれらの任意の組合せによっても、本発明の目的を充分に達成することができることは勿論である。従って、本発明は上記実施形態や変形例に限定されないことは当然であり、各請求項に記載した範囲内で様々に設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体輸送装置の代表的な実施形態を一部切開して示す側面図である。
【図2】同液体輸送装置において荷台上に液体注入前の減容した状態の可撓性容器を載置したときの状態を一部切開して示す側面図である。
【図3】前記可撓性容器を折り畳んで収納したときの同液体輸送装置の状態を一部切開して示す側面図である。
【図4】本発明の液体輸送用の可撓性容器の代表的な実施形態を概略で示す斜視図である。
【図5】同容器に取り付けられた防水性ファスナーの端部取付部位を示す正面図である。
【図6】同容器に対する防水性ファスナーの取付態様の一例を示す部分断面図である。
【図7】同容器の変形例を示す斜視図である。
【図8】同容器の他の変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明の代表的な実施形態を示す噛合状態にある気密防水用スライドファスナーの噛合部分の一部を切開した要部拡大平面図である。
【図10】図9におけるII-II 線の矢視断面図である。
【図11】図10におけるIII-III 線の矢視断面図である。
【図12】本発明に適用されるクランプ素子列の固着前の構造例を示す内側から見た斜視図である。
【図13】本発明の気密防水用スライドファスナーの折畳み形態を示す説明図である。
【図14】従来の務歯固着部を切開して示す気密防水用スライドファスナーの要部平面図である。
【図15】従来の気密防水用スライドファスナーの折畳み形態を示す説明図である。
【図16】本発明におけるクランプ素子に形成されるテーパ面のテーパ角の変化に基づく気密度の変化を示す相関図である。
【符号の説明】
1 液体輸送用の可撓性容器
10 容器本体
10a−1〜3 第1〜第3の吊り片
10b 底面部固定片
11 頂面部
11a−1 排気口
11a−2 攪拌口
12 底面部
13 周面部
13a 前面部
13b 後面部
13b−1 液体の注排口
13c 右側面部(第1の側面部)
13d 左側面部(第2の側面部)
40 液体輸送用車両
41 荷台
42 収納室
43 冷却器
44 支持壁部
44a 背面
45 支承ブラケット
46 押えバー
20,200 気密防水用スライドファスナー
20a 上止具
20b 下止具
20c スライダー
20d 引手
21,201 気密防水性テープ
21a,201a 務歯保持部
21b,201b テープ部分
21c 折曲部
22,202 務歯
23,203 噛合素子
23a,203a 矩形柱部
23b,203b 噛合頭部
23c,203c フランジ
24,204 クランプ素子
24a 凹溝
24b 連結杆
24c テーパ面
24d 外側稜線部分の面取り部
24e 内側稜線部分の面取り部
25,205 挟持部
25a,25b
205a,205b 挟持片
26 連結部
27 リップ部
28,208 ファスナーストリンガ
R 円弧面

Claims (8)

  1. 頂面部(11)と、底面部(12)と、頂面部(11)及び底面部(12)を連結する周面部(13)とを有する液体輸送用の可撓性容器(1) であって、
    前記周面部 (13) は、前面部 (13a) と後面部 (13b) と第1及び第2の側面部 (13c,13d) とから構成される矩形状を呈し
    前記周面部(13)には気密防水性スライドファスナー(20)が開閉可能に装着されてなり、 同スライドファスナー(20)は、気密防水性テープ(21)の一側縁を、複数の噛合素子(23)が噛合頭部(23b) を外部に突出させると共に、そのベース部側から包持して折り曲げ、同テープ(21)の一側縁に略Ω状断面の務歯保持部(21a) を形成し、この務歯保持部(21a) の周面を一対の板状挟持片(25a,25b) からなる挟持部(25)と各挟持片(25a,25b) の一端を連結する連結部(26)とからなる略U字状のクランプ素子(24)をもって挟持して構成される一対のファスナーストリンガ(28)を有し、
    前記クランプ素子(24)が、前記気密防水性テープ(21)をテープ長さ方向で隣合うクランプ素子(24)間で折り畳んだとき、テープ長さ方向に隣接する挟持片(25a,25b) 同士の側面間に存在するテープ部分(21b) に発生する引張応力を逃すための応力逃し部を有してなり、
    前記第1の側面部(13c) に隣接する前記頂面部(11)の周縁の少なくとも2つの角部にそれぞれ吊り片(10a-1) を有すると共に、前記第1の側面部(13c) に隣接する前記底面部(12)の周縁の少なくとも2つの角部にそれぞれ第2の吊り片(10a-2) を有し、
    務歯(22)の噛合時に一対のファスナーストリンガ(28)の対向縁部に沿って所定のピッチをもってジグザグ状に対向して配される各挟持部(25)の対向する先端面の一部が重畳され、
    前記応力逃し部は、前記クランプ素子(24)の平面視で、前記挟持部(25)の側面が、クランプ素子(24)の連結部側端面から前記挟持部先端まで所定の角度をもって漸次減少するテーパ面(24c) を含んでなる、
    ことを特徴とする液体輸送用の可撓性容器。
  2. 前記スライドファスナー(20)の底面部(12)からの取付高さhが全高Hの1/2以下であることを特徴とする請求項1記載の可撓性容器。
  3. 前記スライドファスナー(20)が前記頂面部(11)の周縁下部に沿った周面部(13)に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の可撓性容器。
  4. 前記気密防水性スライドファスナー(20)が前記前面部(13a) 、後面部(13b) と第1及び第2の側面部(13c,13d) のうちの3面部にわたり連続して取り付けられると共に、同気密防水性スライドファスナー(20)の上止具(20a) 及び下止具(20b) が前記前面部(13a) を除く他面部(13b〜13d)に配されてなることを特徴とする請求項1記載の可撓性容器。
  5. 2つの前記第1の吊り片(10a-1) 及び2つの前記第2の吊り片(10a-2) のそれぞれ中間部に第3の吊り片(10a-3) を有してなることを特徴とする請求項4記載の可撓性容器。
  6. 前記クランプ素子(24)の両側面における前記テーパ面(24c) のテーパ角 (α) が、3°〜7°であることを特徴とする請求項1記載の可撓性容器。
  7. 前記応力逃し部は、前記挟持部(25)の先端側隅角部の周面面取り部(R) を含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の可撓性容器。
  8. 前記応力逃し部は、前記挟持部(25)の内側稜線部の少なくとも一端部に形成される面取り部(24e) を含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の可撓性容器。
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