JP4115524B2 - 高純度トコフェロールリン酸エステル類、その製造方法、その分析方法並びに化粧料 - Google Patents
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Description
本発明は、中性付近で水に可溶な高純度トコフェロールリン酸エステル類、その製造方法並びにトコフェロールリン酸エステル類の分析方法に関する。
本発明は、この高純度トコフェロールリン酸エステル類が含まれた化粧料に関する。
【発明の技術的背景】
トコフェロールはビタミンEとして一般によく知られており、ピーナッツ油や大豆油等の植物油に多く含まれている。
ビタミンEすなわち、トコフェロールは、抗不妊作用の解明を目指して研究されてきたが、その過程で最も興味がもたれたのはトコフェロールの抗酸化作用であった。さらに、最近ではトコフェロールあるいはその塩などのトコフェロール類の広範な生理作用も認められるようになってきている。
トコフェロール類のこれらの作用に着目して、トコフェロール類は、医薬品、化粧品原料や飼料添加剤、さらには食品、健康食品、プラスチック添加剤といった分野にまで幅広く応用されている。
しかしながらトコフェロール類は、油脂やアセトン、エタノール等の有機溶媒には溶解するものの水に不溶であり、また粘性油状であるため、その取扱いは制約を受け、さらに、空気中では光、熱、アルカリ等の作用により、容易に酸化されるという問題点がある。
このため、近年では、トコフェロールの誘導体化を図り、親水性を増大させる試みなどが盛んに検討されている。例えば、トコフェロールの親水性を増大させる試みとしては、トコフェロールグリセリンリン酸ジエステルとその塩の合成(特開平6-87875号公報)、トコフェロールの配糖体の合成(例えば特開昭60-56994号公報)、トコフェロールリン酸エステルのエチレングリコール誘導体の合成[薬学雑誌、75,1332(1955)、Chem,Pharm,Bull.,19,687(1971).]等の例が挙げられる。さらには、L-アスコルビン酸・dl-トコフェロールリン酸ジエステル(特開昭59-219295号公報、特開昭62-205091号公報、特開平02-111722号公報)等が挙げられる。
しかしながら上記公報などに開示されているトコフェロール誘導体は全て多段階にわたる合成反応を必要とするために、製造が困難であり、コスト高になるという問題点がある。
また、特公平07−037381号公報には、このトコフェロールリン酸エステル類のヘミコハク酸エステルのアルカリ金属塩を配合し、溶解補助剤及び乳化剤をまったく含まないトコフェロール類を高濃度で含有する水性乳化組成物が提案されている。またトコフェロールのニコチン酸エステル(例えば特開昭55−049074号公報)なども提案されている。
しかしながら、これら公報に記載の化合物は、前記公報記載のものと同様に、多段階にわたる合成行程を必要とするために製造が困難であり、製造コスト高であり、しかも水にほとんど溶けないため広範囲の化粧料製剤に添加しにくいという問題点がある。
なお、比較的合成が簡単な親水性トコフェロール誘導体として、リン酸エステルのナトリウム塩が知られている[薬学雑誌、75,1332(1995)、特公昭37-1737号公報、特公平03-32558号公報、Khim,−Fram,Zh.,17(7),840(1983).]。
しかしながら、中川等は、薬学雑誌において、トコフェロールとオキシ三塩化リンとの反応から得られるトコフェロールリン酸エステルの水溶液は、中性にすると乳濁状となり、沈澱物を生じ、容易に水に溶解しないと記載している[薬学雑誌、75(11)、1322(1955)]。
また、E.E.Zhukova等は、「Khim,−Fram,Zh.,17(7),840(1983).」において、保護基で置換されたオキシ三塩化リンとトコフェロールとを反応させ、次いで脱保護することにより、トコフェロールリン酸エステルが得られることを示しているが、低収率であり、二ナトリウム塩でないと、水に溶解しない旨記載している。すなわちpH10以上の塩基性でないと水に溶解しない。
このため、本発明者らが上記問題点を解決すべく鋭意研究したところ、上記トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属が中性付近で乳濁あるいは沈澱するのは、下記の理由によることを見出した。
すなわち、トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンをピリジン等の脱酸剤の存在下に反応させ、次いで生成物中のリン−ハロゲン結合を加水分解すると、トコフェロールリン酸エステルのみならず、同時に不純物のP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルが副生してしまう。このP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルは、中性域の水溶液に対する溶解度が低いため、このP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルがある程度含まれた水溶液では、固体が析出し、白濁、沈澱が生じてしてしまうことなどを見出した。
このような知見に基づき、本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結果、
上記トコフェロールリン酸エステルとP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルなどとの混合物を、特定条件下で特定の処理をして、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルを選択的に分解するか、あるいは
トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンとを反応させた後、特定の方法で処理することにより、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルが全く若しくはできるだけ生成しないようにしてトコフェロールリン酸エステル類を製造すれば、
中性域で清澄であるような、トコフェロールリン酸エステル類の水溶液が得られることなどを見出して、本発明を完成するに至った。
ところで、特に化粧料との関連では、従来のトコフェロールリン酸エステル類含有物あるいはその製法などには、特に、以下のような問題点があった。
すなわち特に従来の合成方法により製造されたトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩を化粧料に添加すると、アルカリ性水性溶媒ではある程度溶けるが、化粧料で一般的に使用されるpH5〜9の中性付近の水性溶媒には溶解しにくく、広範囲の化粧料製剤には添加しにくいという問題点があった。特に近年の化粧料の主流である化粧水のような水分含有量の高い化粧料に、従来の合成方法により製造されたトコフェロールリン酸エステルを添加すると経時的に製剤中に不溶物が沈殿したり、乳化が破壊されたり、粘度が変化するなどの問題が発生し、化粧料の品質を著しく低下させるという問題点があった。
これらの問題点を解決するために、前述したように、非イオン界面活性剤などを添加し、乳化して溶解させる方法(特公平03−003255)が知られているが、この方法を用いた場合、別に乳化工程が必要となるため製造工程が煩雑になるという問題点や、乳化型化粧品となるため感触が重くなり、近年の主流である透明な化粧水は製造できないという問題点があり、また化粧料に必要とされる室温3年間の長期間の安定性試験、中性付近での安定性試験及び40℃の加速試験などでは経時的に十分に安定な化粧料製剤を得ることができないという問題点があった。
しかしながら本発明者らが完成した前述しような高純度トコフェロールリン酸エステル類の製法、およびこの製法で得られる高純度トコフェロールリン酸エステル類は、従来の製造法による場合と異なり、不純物量が極めて少なく溶解性に優れ、中性域で経時的にも沈澱は発生せず、化粧料に好適に添加可能となっている。
なお、従来の製造法では、上述したようにトコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンをピリジン存在下に反応させ、次いでリン−ハロゲン結合をアルカリ性側で加水分解を行うことによりトコフェロールリン酸エステルを製造しているが、この方法ではトコフェロールリン酸エステルのみならず、同時に不純物としてのP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルの生成が不可避であることが本発明者等の不純物分析法により確認されている。
すなわち本発明者らの研究の結果、このP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルは水に対する溶解性が悪く、特にpH5〜9の中性域では水に対する溶解性が低いため、化粧料に添加しても製剤中で経時的に析出し、沈殿が生じてしまうことが判明した。
したがって中性域で安定なトコフェロールリン酸エステルの化粧料製剤を得るためには、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルの含有量をコントロールすることが必要であり、このためには定量方法の確立並びにこれを選択的に分解・除去する手段が必要である。
しかしながら、従来では、トコフェロールリン酸エステル類の分析はほとんどの場合、紫外線可視光スペクトルおよび31P−NMR等で行われているが[例えば、Bioact.Mol.,3,235(1987)参照]、試料中に数%程度の少量でP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルを含むに過ぎない場合には、その含有比(トコフェロールリン酸エステル/P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル)を求めることは困難であった。さらに、原料であるトコフェロールなどリン原子を含まない化合物の含有量を定量することはこのような分析法では不可能であり、また分析サンプルの調製や測定に比較的手間と時間を要するという問題点があった。その結果、従来ではかかる不純物の正しい定量に基づく純粋なトコフェロールリン酸エステル類を得る方法がなく、このようなトコフェロールリン酸エステル類を用いると化粧料への不純物の混入を招き、安全性が脅かされるばかりか、その不純物に起因する化粧料製剤の品質の悪化、特に経時的な濁りなどの発生を招く虞れがあり、化粧料原料としてのトコフェロールリン酸エステル類の使用が大きく制限されていた。
このような問題点をも解決して、本発明者らはより簡便にトコフェロールリン酸エステル類が検出でき、その含有量が精度よく特定できるような定量精度の高い分析法をも完成した。
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、中性付近で水に可溶で、安定性が高い、高純度のトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(以下、両者をまとめて「トコフェロールリン酸エステル類」ともいう)およびそれらの製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、不純物などの固体物質の析出が防止され、水に対する溶解性や製剤安定性の高いトコフェロールリン酸エステル類含有化粧料を提供することを目的としている。
本発明は、トコフェロールリン酸エステル類や、不純物のP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩(以下、両者をまとめて「P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類」ともいう)を含む化粧料を初め、各種試料中のこれら各成分含量やトコフェロールリン酸エステル類含有品の純度を定量できる簡便な分析方法を提供することを目的としている。
【発明の概要】
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(高純度トコフェロールリン酸エステル類)は、
不純物としてのP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩の含有量が、3重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下であることを特徴としている。
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステル類は、
上記の高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩のpH8.5における濃度3重量%の水溶液が、澄明またはほとんど澄明となることを特徴としている。
本発明では、高純度トコフェロールリン酸エステル類中のトコフェロールリン酸エステルの塩が、ナトリウム塩またはカリウム塩であることが好ましい。
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステル類の製造方法は、
(i)トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩と、
(ii)P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩との混合物を、
酸性条件下で加水分解処理することを特徴としている。
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステル類の製造方法は、トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンとを反応させ、次いで酸性あるいは塩基性水溶液で処理して、トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩を生成させ、
次いでこのトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の生成の際に副生するP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩を酸性条件下で加水分解し、
次いで、必要により、塩基性条件下(塩基性水溶液)で中和または塩基性にすることを特徴としている。
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩は、上記の何れかに記載の製造方法により製造された、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩の含有量が、3重量%以下であることを特徴としている。
本発明に係る化粧料は、上記のような高純度トコフェロールリン酸エステル類を含有しており、この高純度トコフェロールリン酸エステル類に加えて、さらに、アスコルビン酸誘導体および/またはその塩を含有していてもよい。また、高純度トコフェロールリン酸エステル類中のトコフェロールリン酸エステルの塩が、ナトリウム塩またはカリウム塩であることが好ましい。
本発明に係るトコフェロールリン酸エステル類の分析方法は、
試料中に含まれる、
(i)トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩あるいは、
(ii)P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩の分析を行うに際して、
長鎖アルキル基、特に好ましくはオクタデシル基が結合したポリ(メタ)クリレート系ゲルが充填された高速液体クロマトグラフ用カラムを用いることを特徴としている。
本発明においては、カラムの温度が38〜42℃であり、溶離液が0.04〜0.06M(モル/リットル)の酢酸ナトリウムを含有する100/0.9〜1.1(容積比)のメタノール/水であり、かつ紫外可視分光器で検出して分析することが好ましい。
上記のような本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(高純度トコフェロールリン酸エステル類)は、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルを含有していないか、含有していても極く少量しか含有しておらず、その上抗酸化作用、血行促進作用を保持し、しかも著しく水溶性に優れており、pH8.5で濃度3重量%の高純度トコフェロールリン酸エステル類の水溶液は、澄明あるいはほとんど澄明である。しかもこの高純度トコフェロールリン酸エステル類は、粉体であり取扱いが極めて容易であり、皮膚等に対する刺激性、アレルギー性は認められず、皮膚に対する安全性が高く、化粧品原料等に有用である。
なお、本発明において、澄明またはほとんど澄明とは、「化粧品原料基準第2版注解II 1984年(日本公定書協会編、薬事日報社発行)通則第1312〜1313頁」の基準による。
本発明では上記のように長鎖アルキル基、特に好ましくはオクタデシル基結合ポリメタクリレート系ゲル充填カラムを用いており、従来の分析法よりも簡便かつ正確に、試料中のP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルの含有量を定量できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の分析装置を構成する系統図である。
図2は、分析例1の結果を示すクロマトグラムである。
図3は、分析例2の結果を示すクロマトグラムである。
【発明の具体的説明】
以下、まず初めに本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(高純度トコフェロールリン酸エステル類)並びにその製造方法について説明する。
[高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩]
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステル類は、
例えば後述する式[I]で表される、トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(i)を97重量%以上、好ましくは98重量%以上、特に好ましくは99.5重量%以上の量で含有し、
例えば後述する式[II]で表される、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩(ii)(P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類)の含有量が、少ないほど好ましく、3重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。但し、上記トコフェロールリン酸エステル類(i)とP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類(ii)との合計を100重量%とする。
トコフェロールリン酸エステル類含有物中における、不純物であるこのP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類の量が3重量%を超えると、pH5〜9付近の水性溶媒に対する溶解性が低下し、経時的に白濁、析出を生じ、広範囲の化粧料に添加しにくくなる傾向がある。
また、例えばこのように広範な種類の化粧料、医薬品、飼料添加剤、食品(含む健康食品)等への利用を容易にするなどの観点から、特に、該高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の水溶液が、澄明またはほとんど澄明であるものが好ましい。
上記トコフェロールリン酸エステルは、例えば下記式[I]で表される。
[I]:
式[I]中、R1〜R3は、それぞれ独立にメチル基または水素原子を示し、RはC16H33またはC16H27を示す。このRがC16H33(トコフェロールタイプ)である場合、例えば式(r-1):
で表され、RがC16H27(トコトリエノールタイプ)である場合、例えば式(r−2):
で表される。
このような式[I]で表されるトコフェロールリン酸エステルとして、具体的には、例えば、α-,β-,γ,δ-トコフェロールのリン酸エステル、α-,β-,γ-,δ-トコトリエノールのリン酸エステル等が挙げられる。
また、このようなトコフェロールリン酸エステルの塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、α-,β-,γ-,δ-トコフェロールのリン酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩;
α-,β-,γ-,δ-トコトリエノールのリン酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
上記P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルは、例えば、下記式[II]で表される。
[II]:
式[II]中、R1〜R3は、それぞれ独立にメチル基または水素原子を、Rは前記と同様のC16H33またはC16H27を示す。
このような式[II]で表されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルとしては、具体的には、例えば、P,P’−ビス−α-,β-,γ-,δ-トコフェロールのジリン酸エステル;P,P’−ビス−α-,β-,γ-,δ-トコトリエノールのジリン酸エステル等が挙げられる。
また、このようなP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルの塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、P,P’−ビス−α-,β-,γ-,δ-トコフェロールのジリン酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩;
P,P’−ビス−α-,β-,γ-,δ-トコトリエノールのジリン酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
このような本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステル類は、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルを全く含有していないか、含有していても極く少量(高純度トコフェロールリン酸エステル類中に、3重量%以下、さらには2重量%以下、特には0.5重量%以下)しか含有しておらず、抗酸化作用、血行促進作用を有し、しかも著しく水溶性に優れている。しかもこの高純度トコフェロールリン酸エステル類は、粉体であり取扱いが極めて容易であり、後述するように、皮膚等に対する刺激性、アレルギー性は認められず、皮膚に対する安全性が高く、化粧品原料等に有用である。
次に、このような高純度トコフェロールリン酸エステル類の製造方法についてその製造工程に従って説明する。
[高純度トコフェロールリン酸エステル類の製造]
本発明では、例えば、下記式に示すように、まずトコフェロール▲1▼とオキシ三ハロゲン化リン▲2▼とを反応させて、トコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼を得ている。
(式▲1▼、▲2▼および▲3▼中で、R1〜R3およびRは前記と同様である。Xはハロゲン原子を示す。)
<トコフェロール>
トコフェロールは、例えば上記式▲1▼で示され、このようなトコフェロールとしては、具体的には、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール;α-,β-,γ-,δ-トコトリエノール等が挙げられる。これらの中では、α−トコフェロールが好ましく用いられる。
なお、RがC16H27である場合は、前述した式(r−1)などで表わすことができ、RがC16H27である場合は、式(r−2)などで表わすことができる。また、トコフェロールとしては合成品のほか、天然品(光学活性品)も知られているが、本発明においてはd体、l体、dl体の何れも用いることができる。
<オキシ三ハロゲン化リン>
オキシ三ハロゲン化リン▲2▼には、特に制限はなく、ハロゲン元素Xが塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等であるオキシ三ハロゲン化リンが挙げられ、例えばオキシ三塩化リンが用いられる。
このようなオキシ三ハロゲン化リン▲2▼は、トコフェロール1モルに対して1〜5モル当量で用いることが好ましく、さらに好ましくは1〜1.3モル当量で用いられる。
上記反応の際には、溶媒を用いることができ、このような溶媒としては、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等の有機系の非反応性溶媒が挙げられる。
このようなトコフェロール▲1▼とオキシ三ハロゲン化リン▲2▼との反応は、通常−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃の範囲で行われる。
なお、この反応の際に発生するハロゲン化水素をトラッピング(捕捉、中和)するために脱酸剤としてピリジン、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基を添加してもよく、このように塩基を反応系に添加する場合には、塩基はトコフェロール1モルに対して、好ましくは1〜5モル当量、より好ましくは1〜2モル当量の量で添加することができる。
トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンとを好ましくはこのような条件下で反応させることにより、前述したように例えば上記式▲3▼で示されるトコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物が得られる。
本発明では、次いでこのトコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼を、酸性あるいは塩基性水溶液で加水分解すると、トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(トコフェロールリン酸エステル類)が得られるが、
この際にP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩(P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類)が副生する。
ここで、まず初めに、トコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼を、例えば、下記式に示すように、塩基性条件(下記式中▲4▼は、塩基または水を示す。以下同様。)で加水分解する場合について述べる。
<トコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物の塩基性条件下に続く酸性条件下での加水分解による高純度トコフェロールリン酸エステルの生成>
[式▲3▼、▲4▼、▲5▼および▲6▼(但し、▲5▼、▲6▼はA1が1価の場合を示す)中で、R1〜R3は、前記と同様にそれぞれ独立にメチル基または水素原子を示し、Rは前記と同様にC16H33またはC16H27を示し、A1はそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムなどを示し、Xは、ハロゲン原子を示し、nはA1の価数に対応する数を示す。]
本発明では、上記式▲3▼に示すトコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼のリン−ハロゲン結合(P−X)を、例えば、上記▲4▼にて加水分解する。
塩基としては、特に限定されず、上記した式▲4▼(A1−(OH)n)で表される、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムなどの水酸化物等が挙げられ、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好適に用いられる。
塩基性水溶液を用いる場合、その塩基濃度が0.5〜10規定、好ましくは1〜3規定のものが用いられ、使用される塩基の量としては、使用されたトコフェロール1モルに対して1〜7モル当量、好ましくは2〜4モル当量に相当する量で用いられる。この反応の際には通常溶媒が用いられ、前記トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンの反応の際に用いられた溶媒がそのまま使用できる。またこのような反応は、通常0〜50℃、好ましくは15〜35℃の温度で、通常30分〜10時間、好ましくは1〜5時間行われる。
上記のように、上記トコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼のリン−ハロゲン結合(P−X)を、塩基(例えば上記▲4▼)にて加水分解すると、
例えば上記▲5▼のトコフェロールリン酸エステル類すなわち「下記式[I]で表されるトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩」が生成する他に、
さらに、例えば上記▲6▼のP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類すなわち「下記式[II]で表されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩」が副生する。
[I](トコフェロールリン酸エステル):
(式[I]中で、R1〜R3、Rは前記と同様。)
[II](P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル):
(式[II]中で、R1〜R3、Rは前記と同様。)
ここで例えば、このような式[I]の化合物を含む前記式▲5▼で示されるトコフェロールリン酸エステル類と、例えば式[II]の化合物を含む前記式▲6▼で示されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類とが含まれたものを、中性域(例:pH5〜9)で水に溶解させた場合、式[II]の化合物を含む式▲6▼で表されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類は溶けにくく沈殿を生ずる。
しかしながら、このような式▲5▼で示されるトコフェロールリン酸エステル類と、式▲6▼で示されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類との混合物を、以下に示すように酸性条件下に加水分解反応させると、式(▲5▼−1、[I])で表されるトコフェロールリン酸エステルのみが得られる。
[式▲6▼、(▲5▼−1)中のR1〜R3、R、A1は前記に同じ。]
すなわち、トコフェロールリン酸エステル類(単量体)▲5▼と、副生したP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類(ダイマー)▲6▼とを含む反応生成物に、酸性条件下で加水分解処理を施すと、この反応生成物中の上記式▲6▼で表される「P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩(P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類)」が酸性条件下で加水分解されて、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類などは、トコフェロールリン酸エステル(単量体)(▲5▼−1)になる。なお、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類の加水分解の際には、トコフェロールリン酸エステル類▲5▼は、安定である。
このようなP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類の加水分解分解の際に用いられる酸としては、特に限定されず、具体的には、例えば、硫酸、塩酸、リン酸等が挙げられ、好ましくは、硫酸、リン酸が用いられる。
これらの酸は水で希釈して用いることができ、その場合この酸性水溶液中の酸濃度は、特に限定されないが、後の精製工程での利便性などを考慮すると希薄な方が望ましく、酸性水溶液中の酸濃度としては、好ましくは0.5〜1,1規定の範囲である。また、このような反応の際には、溶媒を用いることができ、溶媒としては具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、n−プロピルアルコール等の有機溶媒を用いることができる。またこのような反応は、通常50℃〜反応液の加熱還流温度、好ましくは70〜110℃の温度で、通常30分〜3時間、好ましくは1時間〜2時間行われる。
なお、ここでこの酸による化合物▲5▼、▲6▼などの加水分解に関連してさらに付言すると、一般的に、リン酸エステル結合(P−O)は比較的容易に加水分解され開裂してしまうことが知られている。例えば、本発明者等は下記のトコフェロールリン酸エステル(a−1)を酸性条件下に加温すると、下記式に示す反応が起こり、極めて速やかにトコフェロール(a−2)とリン酸基とが符号「h」部分で加水分解により開裂し、トコフェロール(a−2)とグリセロリン酸(a−3)とが生成することを確認している。
しかしながら、本発明のようにグリセリン部位を含まないトコフェロールリン酸エステルの場合、上記と同様に酸性条件下に100℃に加熱してもトコフェロール−リン酸結合(C−O−P間)の加水分解は全く進行せず、式▲6▼のP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類が加水分解されて目的のトコフェロールリン酸エステルが得られることを本発明者等は見出したのである。
<トコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物の酸性条件下での加水分解による高純度トコフェロールリン酸エステルの生成>
次に、前記トコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼を、例えば、下記式に示すように、酸(酸性水溶液を含む。以下同様。)で加水分解する場合について述べる。
(式▲5▼−1、▲6▼−1中のR1〜R3、Rは前記に同じ。)
このようにトコフェロールのオキシジハロゲン化リン化合物▲3▼を、酸性条件で加水分解すると、この化合物▲3▼のリン−ハロゲン結合(P−X)が加水分解分解されて上記式(▲5▼−1)で表されるトコフェロールリン酸エステルが生成すると共に、上記式(▲6▼−1)で表されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルも副生してくる。
しかしながら、このような酸性条件下では、さらに加熱することにより、上記式(▲6▼−1)で表されるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルの−P−O−P−結合はさらに加水分解される。その結果、この酸性条件下での反応では、上記式(▲5▼−1)で表されるトコフェロールリン酸エステルのみが生成する。
すなわち、トコフェロール▲1▼とオキシ三ハロゲン化リン▲2▼との反応を行った後に、酸性条件下に、加水分解反応を行うと、前述したような化合物▲3▼を塩基で加水分解した後、さらに酸性条件下に加水分解を行う態様に比して、より少ない行程で効率よく、トコフェロールリン酸エステル(▲5▼−1)を製造できる。
このような反応の際に使用する酸としては、特に限定されないが具体的には、例えば、硫酸、塩酸、リン酸等が挙げられる。
このような酸は水にて希釈して用いることができ、その場合には、酸性水溶液中の酸濃度は、0.5〜10規定、好ましくは3〜9規定である。使用する酸の量は、脱酸剤として用いた塩基1モルに対して0.5〜5モル当量、好ましくは1〜3モル当量である。またこのような反応の際には、溶媒を用いてもよく、その場合、トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンとの反応で用いた溶媒をそのまま用いて行うことができる。このような反応は、通常50℃〜反応液の加熱還流温度、好ましくは70〜110℃の温度で、通常1〜5時間、好ましくは2時間〜4時間行われる。
本発明では、このようにして得られたトコフェロールリン酸エステルを、必要により、前述したような塩基性水溶液で中和または塩基性にしてもよい。
上記の製造方法で得られた式[I](▲5▼−1)で示される高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩は、毒性が低くそのまま化粧品原料等に使用できるが、上記式[I]のトコフェロールリン酸エステルの場合には、所望により有機溶媒、または水−有機溶媒の混合溶媒中で塩基と反応させることにより薬理的に許容されるトコフェロールリン酸エステルの塩に変換してもよい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩などの無機塩やヘキシルアミン塩などのアミン塩などが挙げられ、水溶性に優れたナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
トコフェロールリン酸エステルの塩を形成する場合には、通常溶媒中で、このトコフェロールリン酸エステルを、例えば上記塩を形成しうるアルカリ金属水酸化物などと反応させる。
このような反応の際には、式[I]で表されるトコフェロールリン酸エステルを、有機溶媒に溶解しておくことが好ましく、有機溶媒としては、好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類が用いられる。溶媒は、トコフェロールリン酸エステル重量の4分の1倍量〜5倍量で用いることが望ましい。
本発明では、このようにして調製したトコフェロールリン酸エステルの溶液中に、トコフェロールリン酸エステル1モルに対し、0.5〜1.5モル当量、好ましくは0.9〜1.1モル当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を、水または有機溶媒、好ましくはメタノール、エタノール等のアルコール類に溶解したものを滴下して塩形成反応を行う。
滴下するアルカリ金属の水酸化物の濃度は、トコフェロールリン酸エステルの分解を防ぐためには希薄であることが好ましいが、より好ましくは1〜5規定である。上記アルカリ金属溶液の滴下時には、反応系を0〜50℃、好ましくは10〜30℃の温度に設定することが望ましい。
以上のようにして合成された式[I]で表される高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはそのアルカリ金属塩(高純度トコフェロールリン酸エステル類)は、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル[II]をほとんどあるいは全く含まないため、以下のような清澄な溶液を与える。
すなわち、トコフェロールリン酸エステル(類)が3重量%で含まれ、しかも液性がpH8.5となるように水を加え、さらに必要により水酸化ナトリウムもしくはリン酸を加えてpHなどを調整したとき、清澄な水溶液を与える。
上述したような方法で得られるトコフェロールリン酸エステル類含有物は、高純度であり、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類を殆どあるいは全く含有せず、トコフェロールリン酸エステル類(i)とP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類(ii)との合計100重量%中に、このP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類が3重量%以下(換言すればトコフェロールリン酸エステル類(i)が97〜100重量%)、好ましくは0.5重量%以下(換言すればトコフェロールリン酸エステル類(i)が99.5〜100重量%)の量でしか含まれていない。
次に、本発明に係る化粧料ついて具体的に説明する。
[化粧料]
本発明の化粧料には、上記トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(トコフェロールリン酸エステル類)が含まれている。
本発明では、トコフェロールリン酸エステル塩としては、化粧料がpH5〜9の液体化粧料、特に透明な水溶液型化粧水の場合においては、水溶性が高いナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。このトコフェロールリン酸エステル塩を化粧水以外の化粧料に添加する場合は、不純物が少なく化粧品として生理学的に毒性の許容できる塩類であれば良く、マグネシウム塩、アルミニウム塩などの無機塩やヘキシルアミン塩などのアミン塩であってもよい。
本発明の高純度トコフェロールリン酸エステル類は、不純物であるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類(ii)(以下ビス体と称することがある。)の含有量がトコフェロールリン酸エステル類(i)とP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類(ii)との合計100重量%中に、3重量%以下であり、トコフェロールリン酸エステル類(i)の含量(純度)が97重量%以上である。好ましくはビス体の含有量が2重量%以下で、上記成分の純度(成分(i)の含量)が98重量%以上、さらに好ましくはビス体の含有量が0.5重量%以下で、上記成分の純度が99.5〜100重量%である。
なお、上記の場合のビス体の含有量と純度はオクタデシル基結合ポリ(メタ)クリレート系ゲルカラム充填の高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したものが採用される。その分析条件は、カラム温度が38〜42℃であり、溶離液が0.04〜0.06Mの酢酸ナトリウムを含有する100/0.9〜1.1のメタノール/水であり、かつ紫外可視分光器での検出である。検出波長は287nmが用いられる。
また本発明で使用される高純度トコフェロールリン酸エステル類は、pH5〜9の範囲、より好ましくはpH8.5において、濃度3重量%の水溶液を調製した場合、後述するような基準で測定すると、澄明あるいはほとんど澄明であり、経時的にも水溶性に優れ、化粧料に配合しても沈澱、白濁などが生じない。
(本明細書では、単に「%」と表示することがあるが、その趣旨に反しない限り「重量%」を意味する。)
本発明に係る高純度のトコフェロールリン酸エステル及び/またはそのアルカリ金属またはアルミニウムなどの水溶性塩類は、従来品と異なり、水に対する溶解性に明確な差異が存在し著しく良好な水溶性を示すため高速液体クロマトグラムを使用できない場合でも、その溶解性の差から本発明の化粧料に添加できうるか否かをある程度判断できる。
つまり、トコフェロールリン酸エステル類を、好ましくはpH8.5の水に3重量%の量で溶かすとき、澄明に溶解する性質を示せば本発明の化粧料に使用しうる。
本発明のトコフェロールリン酸エステル及び/またはその塩(トコフェロールリン酸エステル類)の化粧料への配合量は、特に限定されないが通常その効果を期待する場合はそれらの合計濃度で0.0001mol/(化粧料100g)以上の量で添加される。トコフェロールリン酸エステル類については、毒性等は特に報告されていないが、ビタミンEそれ自身の過剰症を警戒すべき場合もあるため、通常の化粧料配合濃度の上限としては、50重量%以下であることが望ましい。ただし、パウダー化粧料のように希釈して使用される剤形のものはこの限りでない。
本発明の化粧料の剤形はクリーム、エッセンス、化粧水、乳液、パウダー、ムース、マニュキュア、リップクリーム、パック歯磨き、うがい薬、トローチ、浴用剤、シャンプー、リンス、ヘアトニック、養毛剤、育毛剤、頭皮用剤等の化粧料への添加可能な全ての剤形をとることができる。
本発明の化粧料には、本発明のトコフェロールリン酸エステル類以外の成分を溶解する目的及び化粧料の本来の目的である保湿性、洗浄性等を付加する目的で、既存の乳化剤を一般的な濃度で添加することもできる。
本発明のトコフェロールリン酸エステル類含有化粧料に、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム等のL−アスコルビン酸リン酸エステル類またはその塩類、あるいはL−アスコルビン酸グルコシド、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレート等のL−アスコルビン酸の誘導体またはその塩類を配合すると、これらの各成分のラジカルトラッピング活性が相乗的に増加するため老化防止、紫外線対策等の目的の化粧品、育毛剤等には特に効果的である。
本発明の化粧料に添加可能な安定剤としては、抗酸化能を持つ物質が挙げられ、具体的には、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンEニコチネート、ビタミンE酢酸エステル、ユビキノン及びこれらのビタミン誘導体または塩類;アスタキサンチン等のカロチノイド類;の他に、
システイン、グルタチオン、グルタチオンペルオキシターゼ、SOD、クエン酸類、リン酸類、ポリフェノール類、核酸、漢方薬、海藻類、無機物等の抗酸化物質が挙げられる。
上記以外の安定剤として、パラアミノ酸系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾフラン系、サリチル酸系、クマリン系、アゾール系等の紫外線吸収剤を本発明の化粧料に添加すると、紫外線によるトコフェロールリン酸エステル類の分解が防止できるため併用してもよい。
また、本発明の化粧料には、上記成分とともに、通常化粧料に使用されている美白化粧原料を配合してもよい。配合(併用)できる美白原料の例としては、コウジ酸、プラセンターエキス、アルブチン等が挙げられる。
また、抗炎症成分または消炎成分を併用または混用するとトコフェロールリン酸エステルとの相乗効果で消炎効果が促進されるので、これら既存の抗炎症成分または消炎成分を本発明の化粧料に配合することもできる。
本発明の化粧料に添加できる消炎成分としては、サリチル酸誘導体型消炎剤、アニリン誘導体型消炎剤、鎮けい剤、ピラゾロン誘導体型消炎剤、インドメタシン系消炎剤、メフェナム酸系消炎剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎酵素剤等が挙げられるが、これらの例に特に限定されない。
本発明の化粧料には、上記以外に、化粧品原料基準外成分規格1993追補(薬事日報社)等の化粧品添加物規格書等に掲載された既存の添加物を通常の目的で添加することができる。
本発明のトコフェロールリン酸エステル及びその塩類またはそれらの混合物を必要に応じてゼラチン、油脂類等の被膜剤で被膜したもの、あるいはマイクロカプセル、デキストリン等で包摂したものを本発明の化粧料に添加することもできる。
本発明の高純度トコフェロールリン酸エステル類配合化粧料は、従来のトコフェロールリン酸エステルを配合した化粧料よりも物理的安定性の点で優れている。これは従来のトコフェロールリン酸エステル類には、不溶性の不純物であるP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルが含有されていることに起因し、本来の純粋なトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の物性と異なる性質を示したことによる。
本発明の化粧料に配合した、式[I]で表されるトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(例:アルカリ金属塩)(i)は、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類(ii)を含まないか、あるいは含んでいたとしても極めて少量((i)+(ii)の合計100重量%中に3重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下)であるため、水に溶かすと中性域で可溶な溶液を得ることができ、化粧料製剤として安定な製剤を得ることができる。
また、トコフェロールリン酸エステルは、トコフェロールとリン酸が結合したものであり、トコフェロールが元来備えている効果、即ち抗酸化作用、血行促進作用を有する上に、水溶性も向上している。さらには吸湿性が少ない粉体のため取扱いも極めて容易で、皮膚刺激性、アレルギー性は認められず、皮膚に対する安全性が高く、化粧料原料に有用である。
[トコフェロールリン酸エステル類の分析]
次に、本発明に係るトコフェロールリン酸エステル類の分析方法について説明する。
本発明では、トコフェロールリン酸エステルおよび/またはそのアルカリ金属塩[I]を定量するにあたり、長鎖アルキル基結合ポリ(メタ)クリレート系ゲル充填高速液体クロマトグラフ用カラムを用いており、このようなカラムを用いることにより効果的に分析できる。
本発明の分析方法は、例えば、図1に示す分析装置を使用して行うことができる。すなわち、溶離液1を送液ポンプ2を介して長鎖アルキル基結合ポリメタクリレート系ゲル充填高速液体クロマトグラフ用カラム5に送液するとともに、分析試料3を試料インジェクター部4を介して溶離液内に注入し、上記カラム5内で試料分離を行い、次いで該カラムからの溶出液を紫外可視分光検出器6において検出分析し、必要により記録計(図示せず)にて記録する。
本発明の分析方法で使用する分析カラムとしては、長鎖アルキル基結合ポリメタクリレート系ゲルが充填されたカラムが好適である。このようなゲル充填カラムの中でも、上記長鎖アルキル基が直鎖状あるいは分岐状で、この長鎖アルキル基の炭素数が6〜60、好ましくは8〜28であるものが好ましく、オクタデシル基結合ポリメタクリレート系ゲル充填カラム(例えば、昭和電工(株)製 Shodex RS pak D18−613,同DE413)がとくに好適である。
本発明では、上記充填材を用いる点以外に、分析装置を構成する他の部材については特に制限はなく、通常、高速液体クロマトグラフィー用として使用される送液ポンプ、試料インジェクター、検出器、記録計などを用いることができる。
また上記充填材が充填されるカラムの材質、形状、大きさなどは特に制限はなく、例えばステンレスカラムを好ましく挙げることができる。
溶離液としては、トコフェロールリン酸エステル類を他の不純物から分離できうるものであれば特に限定されないが、メタノール(MeOH)/水(酢酸ナトリウムを含む。)系が望ましい。本発明では、MeOH/H2O(容積比)=100/0.9〜1.1で特に100/1[MeOH+水の合計を1リットル中に、0.05molのCH3COONaを含む]を使用すると分離性能がよく望ましい。
本発明の分析方法によれば、化粧料などの試料中に含まれる、トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩(例:アルカリ金属塩)の純度(換言すれば、不純物の含有量)を従来法に比してより簡便かつ精度よく(正確に)定量できる。
このため、トコフェロールリン酸エステルの化粧料製剤中の定量がより容易となっている。
【発明の効果】
本発明に係る高純度トコフェロールリン酸エステル類は、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類を含有していないか、もしくは極微量しか含有しておらず、しかも抗酸化作用、血行促進作用等を保持しており、そのうえ、従来のトコフェロールリン酸エステル類含有物と比して水溶性が著しく向上している。
この高純度トコフェロールリン酸エステル類は、粉体であるため取扱いも極めて容易であり、皮膚に対する刺激性、アレルギー性の何れも認められず、皮膚に対する安全性が高く、化粧品原料等として有効である。
このような高純度トコフェロールリン酸エステル類が含まれた化粧料は、上記特性を有している。
本発明に係る化粧料が水性のものであって、長期間経過後に消費されるような場合にも、本発明に係る化粧料では、配合されているトコフェロールリン酸エステル類が不溶性の沈殿物を生成させることがなく、品質の経時(貯蔵)安定性に優れている。
なお、従来の分析法では、トコフェロールリン酸エステル類が配合された化粧料では長期間経過すると沈澱が生じてくる原因を十分に解析できなかったが、
本発明者らが見出したトコフェロールリン酸エステル類の分析法では、長鎖アルキル基(好ましくはオクタデシル基)結合ポリ(メタ)クリレート系ゲルカラムが充填された高速液体クロマトグラフィーを用いることにより、その原因として不純物のP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類が含まれていることが挙げられることをつきとめており、しかもこの不純物の含有量は、前述したような本発明の方法でトコフェロールリン酸エステル類を製造すれば、実質上このような不純物を含まないか、極微量に抑制可能となっており、また化粧料にこのような不純物を含まない本発明の高純度トコフェロールリン酸エステル類を用いることにより、安定性特に経時安定性に優れ、不溶解性物の析出がない化粧料の提供が可能となっている。
また本発明の分析法では、長鎖アルキル基(好ましくはオクタデシル基)結合ポリメタクリレート系ゲルが充填された高速液体クロマトグラフィー用カラム用いており、トコフェロールリン酸エステル類およびP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類は、従来の分析法に比して、その成分量をより正確にしかも簡便に定量できる。
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定されるものではない。
なお、以下の例で「%」は、重量%の意味であり、その趣旨に反しない限り全成分合計を100重量%とする。
【実施例A−1】
dl−α−トコフェロール25.0g(0.05モル)をピリジン9.3gを含むトルエン75mlに溶解した。
このような溶液に、オキシ三塩化リン9.8g(0.064モル)を攪拌下室温(約15℃)〜50℃で滴下した。
滴下終了後、室温で、なお3時間反応させその後、10%硫酸水溶液100mlを加えて析出した塩を溶解し、分液ロートにて有機層と水層とを分離した。
分取した有機層に10%−硫酸水溶液100mlを加え、加熱還流下4時間反応させた。
次いで、メタノール5mlを添加し有機層を分離、分取した後、5%−硫酸水溶液100mlで洗浄し、濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物に2−プロパノール100mlを加えた。
次いで、水酸化ナトリウム2.4gを溶解させたメタノール25mlを滴下した。この温度で1時間反応させた後に、生じた沈殿物を濾別し、1リットルメタノールに溶解後、150mlに濃縮した。その後、アセトン200mlを滴下し白色沈殿を析出させ、アセトンで洗浄後、減圧乾燥することにより、高純度dl−α−トコフェロールリン酸エステルナトリウム塩の白色粉末18.2gを得た。
31P−NMR(CD3OD、δ値、ppm単位、85%リン酸基準)
2.9
赤外線吸収スペクトル(FT−IR;KBr,cm-1)
1030
1111
1169
1250
2500〜3200
元素分析
【実施例A−2】
dl−α−トコフェロール25.0g(0.058モル)ピリジン9.3gを含むトルエン75mlに溶解させておき、氷浴にて0℃まで冷却した。
冷却後、オキシ三塩化リン9.8g(0.064モル)を攪拌下に5分間で滴下した。
滴下終了後、氷浴をはずし、なお3時間反応させその後、6N−硫酸水溶液を50ml加え、3時間加熱還流させた。その後、分液ロートにて有機層と水層とを分離した。このうちの有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、エバポレータにて濃縮乾固させた後、1−プロパノール100mlを加えた。
次いで、水酸化ナトリウム2.40gを溶解させたメタノール25mlを滴下し、35℃〜40℃に加温した。この温度で1時間反応させた後に、生じた沈殿物を濾別し、1リットルのメタノールに溶解後、150mlに濃縮した。その後、アセトン20mlを滴下し白色沈殿を析出させ、この沈澱物をアセトンで洗浄した後、減圧乾燥することにより、白色粉末18.9gを得た。
このようにして得られた高純度dl−α−トコフェロールリン酸テステルナトリウム塩に対して実施例A−1と同様に分析を行ったところ、31P−NMRのケミカルシフト、および赤外線吸収スペクトルのピーク位置は全て先に記載した値と一致し、元素分析値も誤差範囲内で一致した。
【実施例A−3】
dl−α−トコフェロール25.0g(0.05モル)をピリジン9.3gを含むメチルtert−ブチルエーテル75mlに溶解させておき、氷浴にて0℃まで冷却した。
このような温度に冷却した後、オキシ三塩化リン9.8g(0.064モル)を攪拌下5分間で系内に滴下した。
滴下終了後、氷浴をはずし、なお3時間反応させその後、2N−水酸化ナトリウム水溶液を95ml加えて10分間攪拌し、さらに10%硫酸水溶液100mlを加えた後、分液ロートにて有機層と水層とを分離した。
分取した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、エバポレータにて濃縮乾固させ、この濃縮乾固物にトルエン100mlと1N−硫酸水溶液100mlを加え、加熱還流下2時間反応させた。
次いで、有機層を分離して得た後、濃縮乾固させ、得られた濃縮乾固物をヘキサン150mlから再結晶し、dl-α-トコフェロールリン酸エステル19.8gを得た。
【実施例A−4】
図1に示すような、オクタデシル基結合ポリメタクリレート系ゲル充填カラム(Shodex RS pak D18−613 6φ×150mm)と紫外可視分光検出器とから構成された分析装置に(±)−DL−トコフェロールフォスフェイト(シグマ社製)10mgを溶離液に溶解させて20μl注入し、分析を行ったところ図2に示すクロマトグラムが得られた。
図中ピークAはトコフェロールリン酸エステル、また、ピークBはP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルであることが31P−NMRより明かとなった。なお、分析条件は以下の通りである。
溶離液;MeOH/H2O(容積比)=100/1[MeOHとH2Oの合計を1リットル中に、0.05molのCH3COONaを含む]
溶離速度;0.5ml/分
紫外可視分光器;日本分光社製 875−UV
検出波長;287nm
カラム温度;40℃
【実施例A−5】
実施例A−1で得られた高純度dl−α−トコフェロールリン酸エステルナトリウム塩を上記実施例3に示した条件で分析を行ったところ、図3に示すクロマトグラムが得られた。ピークCは実施例3でのピークAと同一の保持時間であった。従って、ピークCを与える化合物すなわち実施例A−1で示した操作により得られた白色粉末はトコフェロールリン酸エステルであることが明かである。なお、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルは検出限界以下であった。
【実施例A−6】
実施例A−1で得られた高純度dl-α-トコフェロールリン酸エステルナトリウム塩3.0gを室温(25℃)において、水87mlに溶かし、次いで1N−塩酸を徐々に滴下し水溶液のpH調整を行い、pH8.5の水溶液を得た。その際、pHメーター(堀場製作所製pHメーター:D-12)を使用した。
この水溶液に水を加え全重量を100gとしたとき、水溶液は澄明またはほとんど澄明であった。
また、実施例A−3で得られた高純度dl-α-トコフェロールリン酸エステル3.0gを室温(25℃)において、水77mlに懸濁し、次いで1N−水酸化ナトリウム水溶液12mlを徐々に滴下し、溶解した。次いで、1N−塩酸を徐々に滴下し、水溶液のpH調整を行い、pH8.5の水溶液を得た。なお、この際、pHメーター(堀場製作所製pHメーターD-12)を用いた。
この水溶液に水を加え全重量を100gとしたとき、水溶液は、澄明またはほとんど澄明だった。
[澄明またはほとんど澄明の評価基準]
本明細書中で、「澄明またはほとんど澄明」とは、「化粧品原料基準第2版注解 II 1984年(日本公定書協会編、薬事日報社発行)、通則、第1312〜1313頁」の基準による。
すなわち、「澄明」とは、下記の濁度標準液0.2mlに水を加えて20mlとし、これに薄めた硝酸(硝酸1体積に水を加えて3体積に希釈したもの:1→3と記す。以下同様。)1ml、デキストリン溶液(デキストリン1gに水を加えて50mlにしたもの:1→50と記す。以下同様。)0.2ml、および硝酸銀試液1mlを加え、15分間放置したときの濁度以下とする。但し、浮遊物などの異物の混入をほとんど認めないものとする。
「ほとんど澄明」とは、濁度標準液0.5mlに水を加えて20mlとし、これに薄めた硝酸(1→3)1ml、デキストリン溶液(1→50)0.2ml及び硝酸銀試液1mlを加え、15分間放置したときの濁度以下とする。但し、浮遊物などの異物の混入をほとんど認めないものとする。
[濁度標準液]:0.1N−塩酸14.1mlに水を加えて正確に50mlとする。その10.0mlをとり、水を加えて正確に1000mlとする。
[化粧料]
以下、本発明に係る化粧料についてさらに具体的に説明するが、本発明に係る化粧料に使用できるトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の配合例はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例(化粧料)において用いた成分の略号を表1に示す。
【表1】
また上記表1に示すトコフェロールリン酸エステル類のうちで、dl-α-トコフェロールリン酸エステル(VEP−1)は、上記「実施例A−3」の方法で調製し、またdl-α-トコフェロールリン酸エステルナトリウム(VEP−2)は、「実施例A−1」に記載の方法で調製した。この表に示す他のトコフェロールリン酸エステル類は、前記「実施例A−1」〜「実施例A−3」の何れかにそれぞれ準拠して製造したものである。
【実施例B−1】
次の処方に従い常法により化粧水を製造した。
エチルアルコール 39.6%
1,3ブチレングリコール 9.5%
ヒマシ油 4.9%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
メチルパラペン 0.2%
精製水 残分
【実施例B−2】
次の処方に従い常法により乳液を製造した。
アボガド油 11.0%
ベヘニルアルコール 0.6%
ステアリン酸 0.4%
グリセリン脂肪酸エステル 0.9%
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 1.1%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.4%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
1,3ブチレングリコール 10.1%
メチルパラペン 0.2%
香料 0.4%
精製水 残分
【実施例B−3】
次の処方に従い常法によりクリームを製造した。
スクワラン 11.1%
ステアリン酸 7.8%
ステアリルアルコール 6.0%
ミツロウ 1.9%
プロピレングリコールモノステアレート 3.1%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.1%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
1,3ブチレングリコール 11.9%
メチルパラペン 0.2%
香料 0.4%
精製水 残分
【実施例B−4】
次の処方に従い常法によりパックを製造した。
ポリビニルアルコール 14.5%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.8%
1,3ブチレングリコール 2.9%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
エチルアルコール 10.0%
メチルパラペン 0.1%
精製水 残分
【実施例B−5】
次の処方に従い常法により口紅を製造した。
ヒマシ油 45.3%
ヘキサデシルアルコール 25.2%
ラノリン 3.9%
ミツロウ 4.8%
オゾケライト 3.4%
キャンデリラロウ 6.2%
カルナウバロウ 2.1%
メチルパラベン 0.1%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
酸化チタン 2.1%
赤色色素 4.8%
香料 0.1%
水分 残分
【実施例B−6】
次の処方に従い常法によりファンデーションを製造した。
流動パラフィン 23.5%
パルミチン酸イソプロピル 14.3%
ラノリンアルコール 1.8%
酢酸ラノリン 2.9%
マイクロクリスタリンワックス 6.5%
オゾケライト 7.7%
キャンデリラロウ 0.4%
メチルパラベン 0.1%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
酸化チタン 14.5%
カオリン 13.9%
タルク 5.7%
着色顔料 3.9%
香料 0.5%
水分 残分
【実施例B−7】
次の処方に従い常法により練り歯磨きを製造した。
第二リン酸カルシウム二水和物 45.5%
カルボキメチルセルロースナトリウム 0.5%
ガラギーナン 0.5%
グリセリン 9.8%
ソルビトール 9.7%
サツカリンナトリウム 0.1%
ラウリル硫酸ナトリウム 2.3%
塩化ナトリウム 2.1%
α−トコフェロール 0.4%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
防腐剤 0.1%
香料 0.5%
精製水 残分
【実施例B−8】
次の処方に従い常法によりうがい薬を製造した。
エチルアルコール 34.6%
グリセリン 14.5%
α−トコフェロール 0.4%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
香料 0.1%
精製水 残分
【実施例B−9】
次の処方に従い常法により養毛剤を製造した。
エチルアルコール 60.0%
ヒマシ油 4.3%
レゾルシン 0.7%
メチルパラペン 0.1%
トウガラシチンキ 0.4%
α−トコフェロール 0.5%
VEP−2 1.5%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
精製水 残分
【実施例B−10】
次の処方に従い常法によりシャンプーを製造した。
ラウリル酸トリエタノールアミン 15.0%
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.3%
ポリアクリル酸トリエタノールアミン塩 0.3%
ジンクピリジウム−1−チオール−N−オキサイド 1.1%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
色素 微量
香料 0.5%
精製水 残分
【実施例B−11】
次の処方に従い常法によりリンスを製造した。
塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム 1.4%
ステアリルアルコール 0.6%
グリセリルモノステアレート 1.5%
塩化ナトリウム 0.2%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
精製水 残分
【実施例B−12】
次の処方に従い常法により浴用剤を製造した。
炭酸水素ナトリウム 35.5%
クエン酸 37.1%
ポリエチレングリコール 2.1%
酸化マグネシウム 1.1%
α−トコフェロール 0.5%
VEP−2 23.0%
アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 1.0%
アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 1.0%
色素 微量
香料 2.0%
【実施例B−13】
次の処方に従い常法により化粧水を製造した。
エチルアルコール 39.6%
1,3ブチレングリコール 9.5%
ヒマシ油 4.9%
VEP−2 1.0%
アスコルビン酸グルコシド 1.0%
コウジ酸 1.0%
プラセンタエキス 1.0%
アルブチン 1.0%
メチルパラペン 0.2%
精製水 残分
【実施例B−14】
次の処方に従い常法により化粧水を製造した。
エチルアルコール 39.6%
1,3ブチレングリコール 9.5%
ヒマシ油 4.9%
VEP−5 3.0%
メチルパラペン 0.2%
精製水 残分
【実施例B−15】
次の処方に従い常法により乳液を製造した。
アボガド油 11.0%
ベヘニルアルコール 0.6%
ステアリン酸 0.4%
グリセリン脂肪酸エステル 0.9%
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 1.1%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.4%
VEP−5 3.0%
1,3ブチレングリコール 10.1%
メチルパラペン 0.2%
香料 0.4%
精製水 残分
【実施例B−16】
次の処方に従い常法によりクリームを製造した。
スクワラン 11.1%
ステアリン酸 7.8%
ステアリルアルコール 6.0%
ミツロウ 1.9%
プロピレングリコールモノステアレート 3.1%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.1%
VEP−1 1.0%
VEP−2 2.0%
1,3ブチレングリコール 11.9%
メチルパラペン 0.2%
香料 0.4%
精製水 残分
【実施例B−17】
次の処方に従い常法によりパックを製造した。
ポリビニルアルコール 14.5%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.8%
1,3ブチレングリコール 2.9%
VEP−1 3.0%
エチルアルコール 10.0%
メチルパラペン 0.1%
精製水 残分
【実施例B−18】
次の処方に従い常法により口紅を製造した。
ヒマシ油 45.3%
ヘキサデシルアルコール 25.2%
ラノリン 3.9%
ミツロウ 4.8%
オゾケライト 3.4%
キャンデリラロウ 6.2%
カルナウバロウ 2.1%
メチルパラベン 0.1%
VEP−1 2.0%
VEP−2 1.0%
酸化チタン 2.1%
赤色色素 4.8%
香料 0.1%
水分 残分
【実施例B−19】
次の処方に従い常法によりファンデーションを製造した。
流動パラフィン 23.5%
パルミチン酸イソプロピル 14.3%
ラノリンアルコール 1.8%
酢酸ラノリン 2.9%
マイクロクリスタリンワックス 6.5%
オゾケライト 7.7%
キャンデリラロウ 0.4%
メチルパラベン 0.1%
VEP−4 3.0%
酸化チタン 14.5%
カオリン 13.9%
タルク 5.7%
着色顔料 3.9%
香料 0.5%
水分 残分
【実施例B−20】
次の処方に従い常法により練り歯磨きを製造した。
第二リン酸カルシウム二水和物 45.5%
カルボキメチルセルロースナトリウム 0.5%
ガラギーナン 0.5%
グリセリン 9.8%
ソルビトール 9.7%
サツカリンナトリウム 0.1%
ラウリル硫酸ナトリウム 2.3%
塩化ナトリウム 2.1%
α−トコフェロール 0.4%
VEP−3 1.0%
防腐剤 0.1%
香料 0.5%
精製水 残分
【実施例B−21】
次の処方に従い常法によりうがい薬を製造した。
エチルアルコール 34.6%
グリセリン 14.5%
α−トコフェロール 0.4%
VEP−3 1.0%
香料 0.1%
精製水 残分
【実施例B−22】
次の処方に従い常法により養毛剤を製造した。
エチルアルコール 60.0%
ヒマシ油 4.3%
レゾルシン 0.7%
メチルパラペン 0.1%
トウガラシチンキ 0.4%
α−トコフェロール 0.5%
VEP−4 0.5%
精製水 残分
【実施例B−23】
次の処方に従い常法によりシャンプーを製造した。
ラウリル酸トリエタノールアミン 15.0%
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.3%
ポリアクリル酸トリエタノールアミン塩 0.3%
ジンクピリジウム−1−チオール−N−オキサイド 1.1%
VEP−6 0.1%
VEP−1 0.4%
色素 微量
香料 0.5%
精製水 残分
【実施例B−24】
次の処方に従い常法によりリンスを製造した。
塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム 1.4%
ステアリルアルコール 0.6%
グリセリルモノステアレート 1.5%
塩化ナトリウム 0.2%
VEP−5 1.0%
精製水 残分
【実施例B−25】
次の処方に従い常法により浴用剤を製造した。
炭酸水素ナトリウム 35.5%
クエン酸 37.1%
ポリエチレングリコール 2.1%
酸化マグネシウム 1.1%
α−トコフェロール 0.5%
VEP−4 25.0%
色素 微量
香料 2.0%
【比較例B−1〜B−3】
以下の比較例により本発明の効果を確認した。
本発明の効果を確認する実施例には本発明の前記【実施例B−1】から【実施例B−3】のVEP−2配合化粧料を用い、コントロール区(比較例)には本発明のVEP−2の代わりに従来法により製造された試薬(±)−dl−トコフェロールフォスフェート(シグマ社製:P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル19重量%含有)を用い、それぞれに非イオン界面活剤POE(20)ソルビタンモノオレート0.3%を配合した化粧料を製造し、各々を温度40℃における6カ月後の化粧料の安定性テストを実施した。
その結果を次の基準により評価した。即ち、沈殿が生じ実用に使用困難なものを1点、多少の沈殿が生じるものの実用に耐え得るものを2点、殆ど沈殿が生じないものを3点、全く沈殿が生じないものを4点として評価し、異なる観察者20人の合計を求めその単純平均値を表2に示した。
これらの比較試験の結果、下表に示すとおり本発明のVEP−2(dl-α-トコフェロールリン酸エステルナトリウム)を含有する化粧料はコントロール(比較例)に比較し、沈殿の発生が目覚ましく抑制され、長期間保存しても沈殿の発生しないトコフェロールリン酸エステル配合の化粧料を製造しうることが確認された。
【表2】
【分析例1】
オクタデシル基結合ポリメタクリレート系ゲル充填カラム(Shodex RS pak D18−613 6φ×150mm)と紫外線可視分光検出器とから構成された分析装置に(±)−DL−トコフェロールフォスフェイト(シグマ社製)1%を含有する実施例B−1の組成でVEP−2のみを除いた化粧水20mgを溶離液に溶解させ、20μlを注入し、分析を行ったところトコフェロールリン酸エステルのピーク及びP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルのピークが明確に分離、定量できることが確認された。
クロマトグラム分析結果を図2に示す。
なお、31P−NMRより確認されているトコフェロールリン酸エステルとP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルを用いて、図2のピークAがトコフェロールリン酸エステルであり、ピークBがP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルによるものであることを確認した。
トコフェロールリン酸エステルの濃度は0.8%、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルは0.2%であった。
なお、クロマトグラム分析条件は以下のとおりである。
溶離液;MeOH(メタノール)/H2O(容積比)=100/1[メタノール+水の合計1リットル中に、0.05molのCH3COONaを含む。]
溶離速度;0.5ml/min
紫外可視分光器;日本分光社製 875−UV
検出波長;287nm
カラム温度;40℃
【分析例2】
実施例A−1で得られた高純度dl-α-トコフェロールリン酸エステルナトリウム塩を上記分析例1に示した条件で分析を行ったところ、図3に示すクロマトグラムが得られた。
この図3において、ピークCは、トコフェロールリン酸エステルナトリウム塩によるものであった。なお、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類は、検出限界以下であった。
【分析例3】
本発明の高純度dl-α-トコフェロールリン酸エステルナトリウム塩(VEP−2)を1%の量で含有する実施例B−1に記載の化粧水20mgを上記分析例1に示した条件下に分析したところ、上記分析例2の場合と同様に、トコフェロールリン酸エステルによるピークのみが確認された。P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステル類は検出限界以下であった。
Claims (10)
- P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩の含有量が、3重量%以下であることを特徴とする高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩。
- 上記P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩の含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩。
- トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩のpH8.5における濃度3重量%の水溶液が、澄明またはほとんど澄明であることを特徴とする高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩。
- 高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩に含まれるトコフェロールリン酸エステルの塩が、ナトリウム塩またはカリウム塩である請求項1〜3の何れかに記載の高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩。
- (i)トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩と、
(ii)P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩との混合物を、
酸性条件下で加水分解処理することを特徴とする高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の製造方法。 - トコフェロールとオキシ三ハロゲン化リンとを反応させ、次いで酸性あるいは塩基性水溶液で処理して、トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩を生成させ、
次いでこのトコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の生成の際に副生するP,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩を酸性条件下で加水分解し、
次いで必要により、塩基性条件下で中和または塩基性にすることを特徴とする高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩の製造方法。 - 請求項5または6に記載の製造方法により製造された、P,P’−ビストコフェロールジリン酸エステルおよび/またはその塩の含有量が、3重量%以下であることを特徴とする高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩。
- 請求項1〜4および請求項7の何れかに記載の高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩を含有する化粧料。
- 上記高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩に加えて、さらに、アスコルビン酸誘導体および/またはその塩を含有する請求項8に記載の化粧料。
- 高純度トコフェロールリン酸エステルおよび/またはその塩中のトコフェロールリン酸エステルの塩が、ナトリウム塩またはカリウム塩である請求項8〜9の何れかに記載の化粧料。
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