JP4524935B2 - 美白化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は美白化粧料に関し、さらに詳しくは皮膚の美白効果に優れ、日焼けによって生じる「シミ」、「ソバカス」等を効果的に防止することができ、しかも安全でありかつ安定であるとともに肌にはりを与える効果やしわを抑制する効果が優れた美白化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚に紫外線を照射すると皮膚中のメラノサイトが活性化し、酵素チロシナーゼおよびTRP1、TRP2の働きによってメラニンの合成が促進される。そして、生成したメラニンの皮膚中での沈着がいわゆる「シミ」、「ソバカス」になることから、それを防止する為に様々な美白化粧料が使用されてきている。従来より、美白効果を示す成分としてアスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン誘導体、胎盤抽出物、コウジ酸、エラグ酸等の成分を配合した化粧料が知られている。一方、近年植物に含有されるポリフェノール等に高い美白効果があることが報告され、それを使用した美白化粧料が提案されている。例えば特開平6−16531号公報ではフラバノン類が、そして特開平10−10543号公報ではヒドロキシフラボン類が美白効果を有することが報告されている。しかしながら、これらの美白成分はその期待される効果が十分でないだけでなく、安定性、安全性、臭い等において問題があり、製品とした時に経時変化により種々の問題を生じ易かった。そこで、これらの問題を改善するとともにさらに美白効果を高めた化粧料として、美白成分とアロエ等の特定の植物エキスおよび亜硫酸塩等の還元剤を組み合わせた特開平7−25742号公報記載の美白化粧料、美白成分とヘデラコサイドを組み合わせた特開平8−133956号公報記載の美白化粧料、美白成分とアミン誘導体および尿素等を組み合せた特開平9−30919号公報記載の美白化粧料、美白成分とアセロラチェリー発酵体を組み合せた特開平10−316533号公報記載の皮膚白色化組成物等があるが、これらにおいてもやはり実使用において十分なる美白効果が得られないのが現状であるだけでなく、肌にはりを与える効果やしわを抑制する効果といういわゆる皮膚の老化防止の効果を十分に併せ持つことができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膚の美白効果に優れ、日焼けによって生じる「シミ」、「ソバカス」等を効果的に防止することができ、しかも安全でありかつ安定であるとともに肌にはりを与える効果やしわを抑制する効果が優れた美白化粧料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に研究を重ねたところ、特定のポリメトキシフラボン化合物と美白成分および特定のカルボン酸またはその誘導体を特定の比率で組み合せることで目的の美白化粧料を得た。
【0005】
すなわち本発明は、(a)式(I)で示されるポリメトキシフラボン0.00005〜10重量%、(b)アスコルビン酸またはその誘導体、胎盤抽出物、コウジ酸またはその誘導体、エラグ酸またはその誘導体、ハイドロキノンまたはその誘導体、レチノールまたはその誘導体、トコフェロールまたはその誘導体、グルコサミンまたはその誘導体、アゼライン酸またはその誘導体、ピリドキシンまたはその誘導体、ケイヒ酸またはその誘導体から選ばれる1種以上の成分0.01〜10重量%、(c)cis−Δ9−オクタデセン酸80重量%以上でありかつcis−Δ9−不飽和脂肪酸85重量%以上である脂肪酸またはその誘導体0.01〜50重量%を含有することを特徴とする美白化粧料である。
【0006】
【化2】
【0007】
(式(I)中のAは水素原子またはメトキシ基を示し、Bは水素原子、メトキシ基または−O−Glyを示す。但しGlyは糖残基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(a)成分のポリメトキシフラボンは式(I)で示されるが、その構造的特徴としてフラボノイド骨格の2,3位が還元され、クロモン環に4個以上のメトキシ基を有し、かつ、クロモン環あるいは2位に結合するベンゼン環に5個以上のメトキシ基を有する。そして、式(I)中のAは水素原子またはメトキシ基を示し、Bは水素原子、メトキシ基または−O−Glyを示す。ここでGlyは糖残基を示すが、その糖残基としては例えば、グルコース、ガラクトース、フコース、キシロース、マンノース、ラムノース、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボース、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デオキシリボース、キノボース、アベクトース等の単糖残基や、それらの単糖が2〜4個結合したマルトース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、キシロビオース、スクロース等のオリゴ糖残基がある。
【0009】
これらの中でも式(II)で示される5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン(通称名ノビレチン)、式(III)で示される5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボン(通称名タンゲレチン)が好ましく、更に好ましくは式(II)で示される5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボンである。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
これらポリメトキシフラボンは各種の合成法によっても得られるが、天然物として植物より溶媒抽出することによっても得ることが出来る。合成例としては例えば、5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボンの合成法としてIndian Journal of HeterocyclicChemistry Vol.6.Jan.-March-1997,pp.221-222に記載の方法等がある。また、植物より溶媒抽出で得る方法としては例えば、ミカン科柑橘類(ウンシュウミカン、ポンカン、ハッサク、レモン、タチバナ、ユズ、スダチ、ザボン、タンジェリン、マンダリンオレンジ、グレープフルーツ等)の果樹皮にはポリメトキシフラボンが含有されているので、それら果樹皮より水、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の水溶性アルコール、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム等の溶剤もしくはそれらの混合溶剤を用いて抽出することにより目的のポリメトキシフラボンを得ることが出来る。
【0013】
植物より溶媒抽出で得る方法としては、例えば、乾燥させたミカン科タチバナ(橘)の果樹皮(生薬名「キッピ」)をブレンダーにて粉砕し、3倍重量の95%エタノール(一級)で一晩浸漬抽出し、抽出液を濾過してから減圧濃縮してキッピ抽出物を得る。その抽出物にクロロホルムを加え、4℃で一晩静置保存してから遠心分離により沈殿物を取り除き、上澄みを濃縮乾固する。さらに、乾固物をエタノールに再溶解してからシリカゲルカラムによる分取液体クロマトグラムにより分取して得ることができる。なお、本発明においてはこれらポリメトキシフラボンを単離してから添加しても反応混合物や植物抽出物等の形で添加してもどちらでも構わない。
【0014】
本発明に用いられる(b)成分であるアスコルビン酸は一般にビタミンCと言われ、その強い還元作用によりメラニン産生に対して抑制効果があるとともにメラニンに対しても還元作用を示す。そして、アスコルビン酸の誘導体としてはアスコルビン酸とパルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、硫酸、燐酸、硝酸等の無機酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸等の有機酸とのモノエステル、ジエステル、トリエステル等が挙げられ、さらにこれらと各種アルカリとの塩が挙げられる。
胎盤抽出物は牛等の哺乳動物の胎盤より抽出されるものであり、メラニン生成を抑制することが広く知られている。例えば、妊娠3〜4ヶ月の牛胎盤を凍結、融解し細切りした後に、低温下で脂溶性成分を繰り返し除去してから精製水で水溶性成分を抽出して得られる。そしてこの抽出物にはチアミン、ニコチン酸、リボフラビン、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン等の水溶性ビタミン、ウラシル、アデニン、グアニン等の核酸関連化合物、グルタミン酸、アラニン、グリシン、ロイシン、リジン、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、バリン、イソロイシン、チロシン等のアミノ酸及びナトリウム、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のミネラルがそれぞれ微量含有される。具体的な市販品として例えば、ニチレイ・水溶性プラセンタエキス、ニチレイ・水溶性プラセンタエキスVP((株)ニチレイ製)等がある。
【0015】
コウジ酸は一般的にアスペルギウス属子ノウ菌、ペニシリウム属子ノウ菌、グルコノバクター属細菌等によって各種炭水化合物から生成され、その誘導体としては無機酸または有機酸とのエステルや各種アルコールとのエーテル等があり、さらにそれらと各種アルカリとの塩が挙げられる。
エラグ酸はエラジタンニンの加水分解の際に生じるが、エラジタンニン中に遊離の状態でも存在する。さらに、没食子酸またはそのメチルエステルを塩化鉄(III)、ヒ酸等と加熱しても得られる。そして、誘導体としては無機または有機酸とのエステルや各種アルコールとのエーテル等があり、さらにそれらと各種アルカリとの塩が挙げられる。
【0016】
ハイドロキノンは1,4−ジヒドロキシベンゼン(p−ジヒドロキシベンゼン)であり、アニリンを硫酸溶液中で酸化してキノンとし、これを亜硫酸で還元する等により得られる化合物である。その誘導体としてはアセチル化物等のエステル体や各種アルコールとのエーテル体、各種糖類との配糖体等がある。ハイドロキノンの配糖体としては例えば、ハイドロキノンα−(またはβ−)D−(またはL−)グルコース、ハイドロキノンα−(またはβ−)D−(またはL−)ガラクトース等の六炭糖配糖体、ハイドロキノンα−(またはβ−)D−(またはL−)リボース、ハイドロキノンα−(またはβ−)D−(またはL−)アラビノース等の五炭糖配糖体、ハイドロキノンα−(またはβ−)D−(またはL−)グルコサミン等のアミノ糖配糖体、ハイドロキノンα−(またはβ−)D−(またはL−)グルクロン酸等のウロン酸配糖体等等が挙げられる。その中でも美白効果、入手の容易性、安定性等の面から言えば、ハイドロキノンβ−D−グルコース(以後アルブチンと称する。)が好ましい。
【0017】
レチノールは一般にビタミンA1と言われる抗酸化作用を有する脂溶性ビタミンであり、特に水産動物の肝油等に多く含まれる成分である。その誘導体としては無機または有機酸とのエステルがあり、例えば酢酸レチノールやパルミチン酸レチノール等がある。
トコフェロールは一般にビタミンEと言われる抗酸化作用を有する脂溶性ビタミンであり、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールがある。植物性食品、特に油脂に多く含まれる。その誘導体としては無機または有機酸とのエステルがあり、例えばdl−α−酢酸トコフェロール等がある。
【0018】
グルコサミンは別名キトサミンとも言われアミノ糖の一種であり、2−アミノグルコースである。甲殻類の殻を塩酸で処理して炭酸カルシウムを除いてから水酸化アルカリで処理して蛋白質糖を除く、次いで酸により加水分解すると理論量のグルコサミンと酢酸が得られる。その誘導体としては無機酸または有機酸との塩として例えば、塩酸塩、メチルグルコシド塩酸塩等があり、その他、無機酸または有機酸とのエステル、N−アセチルグルコサミン、N−メチルグルコサミン等がある。
アゼライン酸は別名レパルギン酸とも言われる1,7−ヘプタンジカルボン酸である。酸化したアマニ油、カビの胞子の加水分解物、ケラチンの酸化生成物中等に存在するが、リシノレイン酸を過マンガン酸カリウムと濃硝酸で酸化したり、オレイン酸をオゾン分解したり、9,10−ジオキシステアリン酸を重クロム酸、硫酸で酸化したりすることによっても得られる。そして、誘導体としては各種アルコールとのモノエステルまたはジエステルがあり、さらにそれらの塩類が挙げられる。
【0019】
ピリドキシンは一般にビタミンB6と言われ、酵母、米糖等に多く含まれる水溶性ビタミンの一種である。そして、その誘導体としては無機酸または有機酸とのエステル等がある。
ケイヒ酸はβ―フェニルアクリル酸であり、ペルーバルサム、タイワンカエデ等の樹脂に遊離またはエステルとして存在する。ベンズアルデヒド、無水酢酸ナトリウム、無水酢酸の混合物を熱すればナトリウム塩として生成する(パーキン反応)。誘導体としては各種アルコールとのエステル、塩化物、アミド、ニトリル等がある。
(b)成分としては、上記に挙げられたものの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。但し、入手の容易さや化合物の安定性等を考慮すると好ましくはアスコルビン酸またはその誘導体、胎盤抽出物、コウジ酸またはその誘導体、ハイドロキノンまたはその誘導体、トコフェロールまたはその誘導体、ケイ皮酸またはその誘導体である。
【0020】
本発明で用いられる(c)成分は炭素数6〜22のカルボン酸またはその誘導体がcis−Δ9−オクタデセン酸80重量%でありかつcis−Δ9−不飽和脂肪酸85重量%である脂肪酸およびその誘導体であり、その誘導体としては、1価または多価アルコールとのエステル、アンモニアや有機アミンとの脱水縮合物であるアミド等がある。さらに、これらカルボン酸を還元して得られるアルコールおよびそのアルコールと1価または多価アルコールとのエーテルや無機酸、有機酸とのエステル等が挙げられる。但し、本発明においては(c)成分は上記成分の中で特に親油性の成分であり、具体的にはHLBが8以下の非イオン性界面活性剤または油性成分である。
そして、これらの中で好ましいものは、cis−Δ9−オクタデセン酸85重量%でありかつcis−Δ9−不飽和脂肪酸90重量%である脂肪酸またはその誘導体である。但し、脂肪酸組成はガスクロマトグラフ測定による面積比により求める。
【0021】
本発明の(a)成分であるポリメトキシフラボンは組成物全量中に0.00005〜10重量%であり、好ましくは0.0001〜7重量%、更に好ましくは0.001〜5重量%である。0.00005重量%未満では十分な美白効果を得ることができず、10重量%を超えると経時安定性に問題を生じるだけでなくコスト的に不利である。
(b)成分は組成物全量中に0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜7重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%未満では十分な美白効果を得ることができなく、10重量%を超えると経時安定性に問題を生じたりベタツキを生じるだけでなくコスト的に不利である。
(c)成分は組成物全量中に0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜30重量%である。0.01重量%未満では美白効果、肌にはりを与える効果、しわ抑制効果において十分な効果が得られなく、50重量%を超えると感触が悪くなったり刺激を有することがあり好ましくない。
【0022】
尚、本発明の美白化粧料には、化粧料に常用されている添加剤を本発明の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素系油、牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の合成トリグリセライド、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル油、ミツロウ、カルナバロウ等のロウ、直鎖および環状のジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体、セラミド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチン等の油性基剤、石鹸、アシルメチルタウリン塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、アミドアミノ酸塩、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤、アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の水溶性高分子、ピロリドンカルボン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、食塩等の有機酸または無機塩、pH調製剤である酸およびアルカリ、殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、色素、香料等を配合できる。
【0023】
【実施例】
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
ポリメトキシフラボンの抽出
乾燥させたミカン科タチバナ(橘)の果樹皮(生薬名「キッピ」)500gをブレンダーにて粉砕し、3倍重量(1500g)の95%エタノール(一級)で一晩浸漬抽出し、抽出液を濾過してから減圧濃縮してキッピ抽出物を得た。
その抽出物10gにクロロホルム100mlを加え、4℃で一晩静置保存してから遠心分離により沈殿物を取り除き、上澄みを濃縮乾固した。さらに、乾固物をエタノール30mlに再溶解してからシリカゲルカラムによる分取液体クロマトグラムに供した後に核磁気共鳴スペクトル(NMR)および質量分析スペクトル(MS)の構造解析装置を用いて分析したところ、5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン、5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンがそれぞれ単離されたことが確認された。
図1〜6に1H−NMR、13C−NMRおよびMSスペクトルの分析結果を示す。
【0024】
実施例1〜6および比較例1
前述のように得たキッピ抽出物より単離した5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン、5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンを使用して表1に示す美白化粧料を調製し、褐色モルモットを用いてin vivoにおけるメラニン生成抑制効果の評価を行った。すなわち、褐色モルモットの背部を剃毛し、5×10cmの長方形の穴を開けた紫外線遮蔽版で覆い、紫外線を照射した(0.5J/cm2)。色素沈着が形成された後、表1の美白化粧料50μLを1日2回塗布した。そして、塗布前と塗布後の黒化の度合いを色差計にて測定した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
注1;シーメート(武田薬品工業(株))
注2;EXTRA OS−85(日本油脂(株)製)<脂肪酸組成:cis−Δ9−オクタデセン酸87%、cis−Δ9−不飽和脂肪酸91%>
注3;NOFABLE EO−85S(日本油脂(株)製)<脂肪酸組成:cis−Δ9−オクタデセン酸88%、cis−Δ9−不飽和脂肪酸91%>
注4;キレスト 2DS(中部キレスト(株)製)
注5;ΔL*:色差計のL*値(明度)で、照射前を0としてUV照射後のL*値との差を黒化度とした。すなわち、値の低い方が黒化度は高い。
表1より、本発明の美白化粧料は比較例1のブランクと比較して褐色モルモットのメラニン生成を顕著に抑制することが判った。
【0027】
実施例7〜9および比較例2〜5
前述のように得たキッピ抽出物およびそのキッピ抽出物より単離した5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン、5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンを使用して表2に示す水中油型乳液である美白化粧料を調整し、下記の方法により評価を行なった。但し、添加成分として表2に示す15成分を共通添加成分Aとして使用した。結果を表3に示す。尚、キッピ抽出物中を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した結果、5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボンおよび5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボン含量はそれぞれ1重量%と0.5重量%であった。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
注1;シーメート(武田薬品工業(株))
注2;Vitamin A Palmitate 1.0m.I.U/g(日本ロッシュ(株))
注3;ニチレイ・水溶性プラセンタエキスVP((株)ニチレイ)
注4;EXTRA OS−85(日本油脂(株)製)<脂肪酸組成:cis−Δ9−オクタデセン酸87%、cis−Δ9−不飽和脂肪酸91%>
注5;NOFABLE EO−85S(日本油脂(株)製)<脂肪酸組成:cis−Δ9−オクタデセン酸88%、cis−Δ9−不飽和脂肪酸91%>
【0031】
(美白化粧料の評価)
(1)美白効果
20名の女性(25才〜40才)をパネラーとし、1日朝晩2回ずつ2ヶ月間化粧料を使用し、その後の皮膚の「シミ」、「ソバカス」の改善度を肉眼で下記のように判定し、50名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を美白効果の高い化粧料であると評価した。
2点:明らかに有効であると判断された場合。
1点:やや効果が有ると判断された場合。
0点:全く効果が無いと判断された場合。
(2)しわ抑制効果
20名の女性(25才〜40才)をパネラーとし、皮膚化粧料を一日2回ずつ連続2週間使用した時の肌の状態について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上をしわ抑制効果に優れた化粧料であると評価した。
2点:しわが明らかに目立たなくなったと感じた場合。
1点:しわがやや目立たなくなったと感じた場合。
0点:しわ抑制効果が全く無いと感じた場合。
【0032】
(3)肌のはり
20名の女性(25才〜40才)をパネラーとし、皮膚化粧料を一日2回ずつ連続2週間使用した時の肌の状態について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌にはりを与える効果のある化粧料であると評価した。
2点:明らかに肌にはりがでたと感じた場合。
1点:やや肌にはりがでたと感じた場合。
0点:肌にはりがでないと感じた場合。
(4)経時安定性
化粧料を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃および40℃で3ヶ月間保存し、その外観を観察して、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度でも外観の変化がない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において若干おり、沈殿を生じるまたは若干着色を生じる。)
×:安定性不良(いずれかの温度においており、沈殿を生じるまたは分離する。もしくは着色が著しい。)
【0033】
実施例7〜9より、本発明の乳液はいずれも美白効果に優れるとともに、肌にはりを与える効果やしわ抑制効果に優れ、経時安定性にも優れていた。一方、比較例2〜5では十分な性能が得られていない。つまり、比較例2および比較例3では(a)成分が配合されていなく、比較例4では(b)成分が配合されていないことからそれぞれ美白効果が弱くなっており、比較例5では(c)成分が配合されていないことから美白効果、肌にはりを与える効果、しわ抑制効果において十分な性能が得られていない。
【0034】
実施例10〜12
前述のように得たキッピ抽出物およびそのキッピ抽出物より単離した5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン、5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンを使用して表3に示す水中油型クリームである美白化粧料を調整し、評価項目(1)〜(3)は実施例7〜9の方法により、そして(4)経時安定性については下記の方法により評価を行なった。但し、添加成分として表4に示す13成分を共通添加成分Bとして使用した。結果を表3に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
(4)経時安定性
美白化粧料を透明ガラス容器に密封して−5℃、25℃および45℃で1ヶ月間保存したときの状態を調査し、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観の変化がなくブツ等も生じない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において僅かに沈殿を生じるか僅かに分離が見られる。または僅かにブツ、ダマを生じている。)
×:安定性不良(いずれかの温度において明らかに沈殿を生じるか分離する。またはブツやダマを生じる。)
実施例10〜12より、本発明のクリームはいずれも美白効果に優れるとともに、肌にはりを与える効果やしわ抑制効果に優れ、経時安定性にも優れていた。
【0037】
【発明の効果】
本発明の美白化粧料は美白効果に優れるとともに、肌にはりを与える効果やしわ抑制効果に優れ、経時安定性にも優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボンの1H−NMRのチャートを示す。
【図2】 図2は5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボンの13C−NMRのチャートを示す。
【図3】 図3は5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボンの質量分析スペクトルのチャートを示す。
【図4】 図4は5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンの1H−NMRのチャートを示す。
【図5】 図5は5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンの13C−NMRのチャートを示す。
【図6】 図6は5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボンの質量分析スペクトルのチャートを示す。
Claims (1)
- (a)式(I)で示されるポリメトキシフラボン0.00005〜10重量%、(b)アスコルビン酸またはその誘導体、胎盤抽出物、コウジ酸またはその誘導体、エラグ酸またはその誘導体、ハイドロキノンまたはその誘導体、レチノールまたはその誘導体、トコフェロールまたはその誘導体、グルコサミンまたはその誘導体、アゼライン酸またはその誘導体、ピリドキシンまたはその誘導体、ケイヒ酸またはその誘導体から選ばれる1種以上の成分0.01〜10重量%、(c)cis−Δ9−オクタデセン酸80重量%以上でありかつcis−Δ9−不飽和脂肪酸85重量%以上である脂肪酸またはその誘導体0.01〜50重量%を含有することを特徴とする美白化粧料。
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