JP4115330B2 - 画像形成装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の電子放出素子からなるマルチ電子源を備えた画像形成装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マルチ電子源を構成する各電子放出素子の電子放出特性のばらつきを抑制する方法として、特許文献1及び特許文献2に開示されている特性調整方法が知られている。特許文献1には、表面伝導型電子放出素子(Surface Conduction Electron Emitter)(以下「SCE素子」という)をマトリクス状に配置したマルチ電子源において、表示駆動電圧より高い電圧値の測定電圧を印加して、各SCE素子の電子放出特性として放出電流または発光輝度を測定し、その特性に基づいて、電子放出特性の基準値を求めた後、各SCE素子の電子放出特性が基準値に応じた値となるように、測定電圧よりさらに高い電圧値の特性シフト電圧を決定し、各SCE素子に印加することにより、各SCE素子の電子放出特性が一様に揃えられることが開示されている。
【0003】
さらに、特許文献2には、表示駆動電圧より高い電圧値の予備駆動電圧を全SCE素子に印加する第1期間と、表示駆動電圧を印加して各SCE素子の電子放出特性を測定する第2期間と、予備駆動電圧より高い電圧値の特性シフト電圧を各SCE素子に印加する第3期間と、特性シフト電圧印加後に表示駆動電圧を印加して再度電子放出特性を測定する第4期間とからなる一連の特性調整プロセスが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−228867号公報
【特許文献2】
特開2000−243256号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の基準値に応じた値になるように特性を調整する特性シフト電圧を印加する特性調整工程においては、素子毎に調整具合にバラツキが発生する可能性があった。
【0006】
そして、この調整具合のバラツキの発生により、過度に特性シフト電圧が印加されて特性が基準値以下の値になったり、所望の時間だけ特性シフト電圧が印加された後でも基準値まで特性がシフトしていなかったりと、均一性が十分に改善されない可能性がある。
【0007】
さらに、素子毎に同一の波高値を印加すると、シフト量が予め見積もっていたものより小さく、特性を目標値までシフトさせるまでの時間が長くなり、非現実的な長時間工程となる場合があった。
【0008】
したがって、このような調整具合のバラツキに対応できるようなより汎用性が高く、さらには精度良く基準値へと特性をシフトさせる特性調整工程の確立が望まれている。
【0009】
また、観測者が見た場合の視覚的なバラツキも防止することが望まれている。
【0010】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、短時間でマルチ電子源の特性を調整し、画像表示の面内輝度特性を均一にする画像形成装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
基板上に複数の電子放出素子を配置してなるマルチ電子源と、該マルチ電子源からの電子ビームの照射により発光する蛍光部材と、を有する画像形成装置の製造方法であって、
前記複数の電子放出素子に所定の駆動電圧より高い予備駆動電圧を印加する予備駆動工程と、
前記複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度が輝度目標値になるように電子放出素子の特性を調整する特性調整工程を有しており、
該特性調整工程は、
(1)前記複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度を測定する第1の測定工程、
(2)前記輝度を測定した結果に基づいて、前記輝度目標値を設定する工程、
(3)前記予備駆動電圧以上の第1の波高値を有するパルスを印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第1工程と、前記予備駆動電圧以上の第2の波高値を有するパルスを更に印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第2工程とを、前記第1の波高値と前記第2の波高値の複数の組み合わせの各々について、前記複数の電子放出素子の一部の内で対象とする電子放出素子を変えて行う第2の測定工程、
(4)前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるように電子放出素子の特性をシフトさせるための波高値の組み合わせを、前記第2の測定工程の測定結果に基づいて決定し、該波高値の組み合わせをルックアップテーブルに格納する工程、
(5)前記第2の測定工程における測定対象以外の電子放出素子である所定の電子放出素子の特性を、前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるようにシフトさせる波高値の組み合わせを前記ルックアップテーブルから取得する工程、及び、
(6)該決定する工程で決定した波高値の組み合わせのうちの大きいほうの波高値のパルスを前記所定の電子放出素子に印加し、その後、前記波高値の組み合わせの内の小さいほうの波高値のパルスを前記所定の電子放出素子に印加して、前記所定の電子放出素子の特性をシフトさせる工程、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
基板上に複数の電子放出素子を配置してなるマルチ電子源と、該マルチ電子源からの電子ビームの照射により発光する蛍光部材と、を有する画像形成装置の製造方法であって、
製造対象の画像形成装置の複数の電子放出素子に所定の駆動電圧より高い予備駆動電圧を印加する予備駆動工程と、
前記複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度が輝度目標値になるように電子放出素子の特性を調整する特性調整工程を有しており、
該特性調整工程は、
(1)基準となる画像形成装置の複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度を測定する第1の測定工程、
(2)前記輝度を測定した結果に基づいて、前記輝度目標値を設定する工程、
(3)前記予備駆動電圧以上の第1の波高値を有するパルスを印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第1工程と、前記予備駆動電圧以上の第2の波高値を有するパルスを更に印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第2工程とを、前記第1の波高値と前記第2の波高値の複数の組み合わせの各々について、前記基準となる画像形成装置の複数の電子放出素子の一部の内で対象とする電子放出素子を変えて行う第2の測定工程、
(4)前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるように電子放出素子の特性をシフトさせるための波高値の組み合わせを、前記第2の測定工程の測定結果に基づいて決定し、該波高値の組み合わせをルックアップテーブルに格納する工程、
(5)前記製造対象の画像形成装置の複数の電子放出素子の特性を、前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるようにシフトさせる波高値の組み合わせを前記ルックアップテーブルから取得する工程、及び、
(6)該決定する工程で決定した波高値の組み合わせのうちの大きいほうの波高値のパルスを前記製造対象の画像形成装置の複数の電子放出素子に印加し、その後、前記波高値の組み合わせの内の小さいほうの波高値のパルスを当該電子放出素子に印加して、当該電子放出素子の特性をシフトさせる工程、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
(第1の実施形態)
図1〜図9を参照して、第1の実施形態について説明する。
【0016】
第1の実施形態及び後述する第2、第3の実施形態においては、SCE素子を配置した表示パネルを用いている。本発明を適用した画像形成装置の表示パネルの構成と製造法については、上記特許文献1及び特許文献2に詳述されているので省略する。
【0017】
本実施の形態の具体的な構成について詳細に説明する。
【0018】
本願発明者らは、製造工程において通常の駆動に先立ち、予備駆動処理を行うことで経時的な変化が低減することができることを見出している。
【0019】
本実施の形態においては、予備駆動と電子源の特性調整を一本化して行ったので、最初に予備駆動について簡単に説明する。
尚、予備駆動の詳細は上記特許文献2に記載されている。
【0020】
通常フォーミング処理、通電活性化処理を施した素子は、有機物分圧の低減した安定化状態に維持されている。このような真空雰囲気中の有機物の分圧を低減した雰囲気(安定化状態)で、通常の駆動に先立って施される通電処理が予備駆動である。
【0021】
予備駆動電圧Vpreなる電圧でしばらく駆動を行った後、電界強度が小さくなるような通常駆動電圧Vdrvで通常の駆動を行う。
【0022】
このようなVpre電圧印加による駆動により素子の電子放出部を予め大きな電界強度で駆動を行うことで、経時特性の不安定の原因となる構造部材の変化を短期間に集中的に発現させ、低電界となる通常駆動電圧Vdrvで長時間駆動時の変動要因を減少させることができると考えられる。
【0023】
本実施の形態においては、画像形成装置での電子放出素子の使用に先立って通常駆動電圧Vdrvで各電子放出素子の特性にバラツキがあった場合、そのバラツキを減らし均一な分布を持つように、各電子の特性調整を行った。
【0024】
まず、特性調整用の駆動回路について説明する。
【0025】
図3は、表示パネル301の各SCE素子に特性調整用の波形信号を加えてマルチ電子源の個々のSCE素子の輝度特性を変えるための駆動回路の構成を示すブロック図である。
【0026】
図3において、表示パネル301は、複数のSCE素子をマトリクス状に配設した基板と、その基板上に離れて設けられてSCE素子から放出される電子により発光する蛍光体を有するフェースプレート等を真空容器中に配設している。表示パネル301の各素子には特性調整に先立って、予備駆動電圧Vpreが印加されている。
【0027】
端子302は、表示パネル301の蛍光体に高圧電源313から高電圧を印加するための端子である。
【0028】
スイッチマトリクス303,304は、それぞれ行方向配線及び列方向配線を選択してパルス電圧を印加するための電子放出素子を選択する。
【0029】
パルス発生回路306,307は、駆動用のパルス波形信号Px,Pyを発生させている。
【0030】
輝度測定装置305は、表示パネル301の発光を捉えて光電センシングをするものであり、光学レンズ305aとエリアセンサー305bとからなる。例えば、エリアセンサー305bとしてはCCDを用いることができる。
【0031】
この輝度測定装置305を用いて表示パネル301の発光の様子を2次元画像情報として電子化する。
【0032】
演算装置308は、エリアセンサー305bの出力である2次元画像情報Ixyとスイッチマトリクス303,304に指定した位置情報Axyをスイッチマトリクス制御回路310から入力することで駆動されたSCE素子の一つ一つに対応した発光量の情報を算出し、Lxyとして制御回路312に出力する。
【0033】
ロボットシステム309は、上記エリアセンサー305bを表示パネル301に対して相対移動させるものであり、不図示のボールネジとリニヤガイドとからなる。
【0034】
パルス波高値設定回路311は、パルス設定信号Lpx,Lpyを出力することにより、パルス発生回路306,307のそれぞれより出力されるパルス信号の波高値を決定している。
【0035】
制御回路312は、特性調整フロー全体を制御し、パルス波高値設定回路311に波高値を設定するためのデータTvを出力している。制御回路312は、CPU312a、輝度データ格納メモリ312b、メモリ312c及び特性調整ルックアップテーブル(LUT)312dを有する。
【0036】
CPU312aは、制御回路312の動作を制御している。
【0037】
輝度データ格納メモリ312bは、各素子の特性調整のための各素子の発光特性を記憶する。具体的には、輝度データ格納メモリ312bは、通常駆動電圧Vdrv印加時に各素子から放出される電子によって発光した発光輝度に比例した発光データを格納している。
【0038】
メモリ312cは、目標設定値にするために必要な特性シフト電圧を格納する。
【0039】
特性調整LUT312dは、詳細は後述するが、素子の特性調整を行うために参照するものである。
【0040】
スイッチマトリクス制御回路310は、スイッチ切換え信号Tx、Tyを出力してスイッチマトリクス303,304のスイッチの選択を制御することにより、パルス電圧を印加する電子放出素子を選択している。またどの素子を点灯させたかの位置情報Axyを演算装置308に出力している。
【0041】
次に、この駆動回路の動作について説明する。この回路の動作は、表示パネル301の各SCE素子の発光輝度を測定し調整目標値に達するために必要な輝度バラツキ情報を得る段階と、調整目標値に達するように特性シフト用のパルス波形信号を印加する段階と、を有する。
【0042】
まず、発光輝度を測定する方法について述べる。最初にロボットシステム309により輝度測定装置305を計測したい表示パネル301上の対面に位置させるように移動する。次に、制御回路312からのスイッチマトリクス制御信号Tswにより、スイッチマトリクス制御回路310がスイッチマトリクス303,304を用いて所定の行方向配線又は列方向配線を選択し、所望のアドレスのSCE素子が駆動できるように切換え接続される。
【0043】
一方、制御回路312は、パルス波高値設定回路311に電子放出特性の測定用の波高値データTvを出力する。これによりパルス波高値設定回路311から波高値データLpx,Lpyがパルス発生回路306,307のそれぞれに出力される。この波高値データLpx,Lpyに基づいて、パルス発生回路306,307のそれぞれは駆動パルスPx,Pyを出力し、この駆動パルスPx,Pyがスイッチマトリクス303,304により選択された素子に印加される。
【0044】
ここで、この駆動パルスPx,Pyは、SCE素子に、特性測定のために印加される電圧(波高値)Vdrvの1/2の振幅で、かつ互いに異なる極性のパルスとなるように設定されている。また同時に、高圧電源313により表示パネル301の蛍光体に所定の電圧を印加する。
【0045】
このアドレス選択とパルス印加の工程を複数の行配線にわたって繰り返し表示パネル301の矩形領域を走査しながら駆動する。
【0046】
そして、この繰り返しの工程の期間を示す信号Tsyncを電子シャッターのトリガーとしてエリアセンサー305bに渡す。すなわち制御回路312は図3で示すようにTx,Tyに同期して駆動信号を出力し、Tyを走査する行配線数分順次出力する。その複数個のTy信号を覆うようにTsync信号を出力する。Tsyncが論理Highの期間でエリアセンサー305bのシャッターが開かれるため、エリアセンサー305bには、光学レンズ305aを通して縮小された点灯像が結像される。
【0047】
その様子を図5に模式的に示す。1つの発光点501に対して複数のエリアセンサー305bの素子502上に結像されるように光学系の縮小倍率を設定しておく。
【0048】
この撮像された像である2次元画像情報Ixyを演算装置308に転送する。駆動した素子の像が結像されているので、その割り当てられた素子分の和を計算すればその駆動された素子の発光量に比例した輝度値となる。これで駆動した矩形エリアの素子に対応した輝度値が得られるので、制御回路312にLxyとして情報を送る。
【0049】
蛍光体の残光時間の間も電子シャッターは開放しているが、発光点同士はエリアセンサー305b上で空間的に分離されているので残光時間の影響が発光点間で生じることはなかった。
【0050】
次に、特性調整方法を図1、図2、図6を参照して説明する。
【0051】
図1は、マルチ電子源を構成するSCE素子の一つに注目し、一素子に印加した予備駆動及び特性シフト電圧の波形を示すグラフ図で、横軸に時間を、縦軸にはSCE素子に印加した電圧(以下、素子電圧Vfと記す)を示している。
【0052】
ここで駆動信号は、図1に示すように連続した矩形電圧パルスを用い、特性調整駆動期間の電圧パルスの印加期間を第1期間〜第3期間の3つに分け、各期間内においてはパルスを1〜1000パルス印加する。素子によって、印加するパルス波高値は異なる。
【0053】
ここで素子電圧Vfは、予備駆動期間ではVf=Vpreとし、特性調整期間においては第一期間及び第三期間ではVf=Vdrvとし、第二期間ではVf=Vshift(Vshiftは時間的に変動)とした。
【0054】
これら素子電圧Vpre、Vdrv、Vshiftは、共にSCE型電子放出素子の電子放出しきい値電圧よりも大きい電圧である。かつ素子電圧Vpre、Vdrv、Vshiftは、Vdrv<Vpre≦Vshiftの条件を満足するように設定した。但し、SCE素子の形状や材料により電子放出しきい値電圧も異なるので、測定対象となるSCE素子に合わせて適宜設定した。
【0055】
図1において特性調整期間の各期間の詳細を説明する。
【0056】
(第一期間…動作電圧における特性評価期間)
第一期間は、予備駆動電圧印加後、駆動電圧を通常の動作電圧である通常駆動Vdrvに下げた際の素子特性を評価する期間である。素子に通常駆動電圧(Vdrv)パルスを印加し、Vdrv電圧印加時の輝度Lcを計測している。素子特性を測定するための波形パルスは1〜10発程度印加することにより得られる。
【0057】
(第二期間…特性シフト電圧印加期間)
第二期間は、電子放出特性の特性調整方法のために、電子放出特性のメモリ機能を用いて予備駆動電圧Vpreより大きな電圧値Vshift(Vshift1→Vshift2→・・・・・→Vshiftn)を印加して、素子の電子放出特性をシフトさせる。
【0058】
したがって、特性調整を行う必要が無い素子に対しては、第二期間〜第三期間は適用されない。
【0059】
素子の電子放出特性をシフトさせるための波形パルスは特性シフト電圧Vshiftを変化させて適宜設定されたパルス数を印加する。ここで、パルス数は2〜1000発程度であるとプロセス時間が長時間とならず適当である。
【0060】
(第三期間…特性シフト電圧印加後、動作電圧における特性評価期間)
第三期間は、特性シフト電圧印加後、駆動電圧を通常の動作電圧である通常駆動電圧Vdrvに下げた際の素子特性を評価する期間である。第一期間と同様に、素子に通常駆動電圧Vdrvのパルスを印加し、Vdrv電圧印加時の輝度を計測している。なお、第三期間に関しては製造方法としては省略してもかまわない。
【0061】
一つの素子に対して、上記の駆動を行った後、全ての素子に対して同様なプロセスを施すことで、マルチ電子源に対しての特性調整プロセスが完了する。
【0062】
ここで、特性シフト電圧の印加は複数の電子放出素子に対して同時に行ってもかまわない。例えば、ある行方向配線に所望の電圧を印加し、この行方向配線に接続された各々の電子放出素子に必要な電圧が印加できるように各列方向配線に電圧を印加することにより、複数の素子に異なる電圧を同時に印加できる。
【0063】
特性調整時に印加するシフト電圧の印加時間と輝度のシフト量には相関があり、図2は電子放出しきい値電圧値以上の大きさの、特性シフト電圧Vshiftを印加したときの輝度とシフト電圧値及びシフト電圧の印加時間の相関を模式的に示すグラフである。図2のグラフのX軸にはシフト電圧印加時間を対数で表し、Y軸には輝度を表している。
【0064】
図2では、初期の輝度L1なる特性を有する電子放出素子に対して、Vshift1なる特性シフト電圧を印加したときのシフト量の時間的変化を実線で示してある。また、Vshift3なる特性シフト電圧を印加したときのシフト量の時間変化を破線で示してある。さらに、T1時間までVshift1の特性シフト電圧を印加して、その後Vshift2なる特性シフト電圧を印加したときのシフト量の時間変化を一点破線で示してある。ここで、Vshift1>Vshift2,Vshift3の関係が成り立っている。
【0065】
図2に示すように、シフト電圧値が大きいほど特性シフト量が増加し、かつ特性調整途中で特性シフト電圧を変えることによりシフト量の変化量が変わることがわかる。
【0066】
また、輝度L0なる目標値を設定した場合、Vshift1の特性シフト電圧のみで特性調整駆動を行うと、シフト電圧印加時間に対するシフト量変化が大きくなり、シフト電圧印加時間に対して厳密に制御を行わなければならない。さらに、わずかなシフト量の変化のバラツキによりシフト量が大きく異なることがわかる。
【0067】
また、Vshift3の特性シフト電圧のみで特性調整駆動を行うと、シフト電圧印加時間に対するシフト量変化が小さくなり輝度目標値L0まで特性をシフトさせるのに多くの時間を要する。
【0068】
これに対して、あるシフト電圧印加時間T1までVshift1の電圧を印加後、Vshift2に特性シフト電圧を変更することによって、輝度目標値L0近傍まで短時間でシフトし、その後L0近傍から輝度目標値L0までシフトする過程においては時間に対して緩やかなシフト量変動になり、印加時間の制御に対してマージンができ、かつシフト量の変化のバラツキに対するマージンが増える。この特性変化を用いると、素子に第二期間においてVshiftのパルスの印加電圧を増減し、第三期間における通常駆動電圧Vdrvにおいての輝度を特定の値にすることができる。
【0069】
マルチ電子源は、たくさんの素子で構成され、予備駆動印加後の特性もそれぞれ異なっている。本願発明者らは、予備駆動後の電子放出特性がそれぞれ異なっている素子に対して特性シフト電圧を印加した場合、どのように輝度が変化するかを鋭意研究した。
【0070】
この結果、本願発明者らは、特性シフト電圧を印加した際の特性変化率は、シフト電圧印加前の輝度の多い少ないに依らず概ね一定であることを見出した。この特性を用いると、初期輝度が多少異なる素子に対しても同じ放出電流特性の変化曲線を適用し、素子特性の調整を行うことができる。
【0071】
そこで、本実施の形態においては、先ずマルチ電子源の一部の素子を用いて、複数の特性シフト電圧に対する輝度の時間的変化曲線を取得し、さらに、一定時間特性シフト電圧を印加した後、異なる特性シフト電圧を印加したときの輝度の変化曲線を取得し、これらに基づいてマルチ電子源全体の特性調整を行うことができる。
【0072】
つまり、プロセスフローは、表示パネル301の全SCE素子に予備駆動電圧Vpreを印加後、通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度を測定し、特性調整を行うときの輝度目標値を設定する段階(図1の予備駆動期間と特性調整期間の第一期間に対応)と、画像を表示する上でほとんど支障をきたさない所の一部の素子を用いて素子に特性シフト電圧Vshiftと通常駆動電圧Vdrvを交互に印加したときの輝度変化量を導き出し、ルックアップテーブルを作製する段階と、特性調整のためのルックアップテーブルに応じて特性シフト電圧Vshiftのパルス波形信号を印加すること及び特性調整が終了したかを判定するために通常駆動電圧Vdrvを印加して電子放出特性を測定する段階(図1の特性調整期間の第二、第三期間に対応)と、からなる。
【0073】
まず、表示パネル301の全SCE素子に予備駆動電圧Vpreを印加後、通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度を測定し、特性調整を行うときの基準目標輝度を設定する段階(図1の予備駆動期間と特性調整期間の第一期間に対応)について説明する。
【0074】
スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0075】
次に、選択された素子に印加する予め設定されていたパルス信号のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。そして、パルス発生回路306,307によりスイッチマトリクス303,304を介して、選択されているSCE素子に予備駆動電圧値Vpreのパルス信号を印加する。
【0076】
予備駆動を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の輝度測定を行うために、選択された素子に印加する予め設定されていたパルス信号のデータTvとして通常駆動電圧値Vdrvを設定する。そして、選択されているSCE型電子放出素子に通常駆動電圧値Vdrvのパルス信号を印加する。その後、特性調整のためにVdrv電圧における輝度を輝度データ格納メモリ312bに格納する。ここで、輝度の測定は前述したエリアセンサー305bを用いて行う。
【0077】
全てのSCE素子に対する測定処理が終了したら、表示パネル301の全てのSCE素子に対し、通常駆動電圧Vdrvにおける輝度を比較し、輝度目標値L0を設定する。
【0078】
輝度目標値L0は、画像表示に用いる素子の中で、駆動電圧に対して最も小さい輝度を示す素子の輝度を輝度目標値とすることもできるが、本実施の形態においては、全素子の電子放出電流値を統計的に処理し、その平均輝度L−aveと標準偏差σ−Lを算出することにより、以下のように輝度目標値L0とした。
L0=(L-ave)-(σ-L)
【0079】
輝度目標値L0をこのように設定することで、特性調整後のマルチ電子源の平均輝度を大きく低下させることなく、個々の素子の電子放出量バラツキを低減できる。
【0080】
次に、表示パネル301で画像を表示する上でほとんど支障をきたさない所301aの中の複数のSCE素子に複数の特性シフト電圧を印加(1〜1000パルス)したときの輝度を計測する手順と、そのデータから特性調整をするためのルックアップテーブルを作製するための特性シフト電圧とシフト量の関係のデータを取得する段階について説明する。
【0081】
はじめに、特性シフト電圧のパルス幅および特性シフト電圧の波高値、並びに個々の電子放出素子に異なる幾つかの波高値を何パルス数印加するかを適宜決定する。ここでは、特性シフト電圧として、異なる2つの波高値を1パルスと9パルス印加し、合計10パルスで特性調整する場合を例にして説明する。
【0082】
ルックアップテーブルを作製するためのデータを取得する際、まず、特性シフト電圧として4段階(Vshift1〜Vshift4)の離散的な電圧値を選択してそれぞれの電圧毎の特性シフト量を観測する。
【0083】
その後、各々の特性シフト電圧とは異なる3段階(Vshift1’〜Vshift3’)の特性シフト電圧を印加して、その後の特性シフト量を観察した。
【0084】
ここで、特性シフト電圧の範囲は、前述したように、Vshift≧Vpreであり、Vshift電圧の範囲は、SCE素子の形状や材料により適宜設定するが、通常は1V程度のステップ幅で数ステップに分けて設定することで特性調整できる。
【0085】
また、特性シフト電圧として4段階のVshiftと3段階のVshift’を設定したものについて説明するが、Vshift、Vshift’共に複数の段階からなっていればかまわない。
【0086】
複数のSCE素子に4つの特性シフト電圧Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4の各々を印加して、その後、各々の特性シフト電圧とは異なる3段階の特性シフト電圧(Vshift1’〜Vshift3’)を印加したときの輝度の変化量を計測する手順を説明する。
【0087】
まず、複数のSCE素子に4つの特性シフト電圧の各々を印加する領域、素子数、各特性シフト電圧値、パルス幅値及び印加パルス数を設定する。
【0088】
複数のSCE素子に4×3通りの特性シフト電圧の各々を印加する表示パネル301内の領域は、画像を表示する上でほとんど支障をきたさない所301aを選定し、素子数も1つの特性シフト電圧に対して21素子とした。
【0089】
スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE型電子放出素子を一つ選択する。
【0090】
選択された素子に印加する予め設定されていたパルス信号のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。特性シフト電圧用パルスの波高値は、予備駆動電圧値Vpre、特性シフト電圧値Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4のいずれか1つの波高値と、Vshift1’、Vshift2’、Vshift3’とのいずれかであり、パルス数は1以上で適宜決定される。
【0091】
パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、選択されているSCE型電子放出素子に、特性シフト電圧の初回として予備駆動電圧値Vpreパルス信号を印加する。
【0092】
次に、特性シフト電圧印加を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の輝度特性評価を行うために、選択された素子に印加する予め設定されていたパルス信号のデータTvを設定する。
【0093】
そして、選択されているSCE素子に、通常駆動電圧値Vdrvのパルス信号を印加する。特性シフト電圧印加に応じた輝度変化データとしてVdrv電圧における輝度を輝度データ格納メモリ312bに格納する。
【0094】
選択されているSCE素子に、特性シフト電圧を所定の回数印加したかどうかを調べ、そうでないときは特性シフト電圧を印加するステップに進む。一方、特性シフト電圧が所定の印加回数に達したときは、複数の所定のSCE素子に対して輝度変化測定を行ったかどうかを調べ、そうでないときは、次のSCE素子を選択するスイッチマトリクス制御信号Tswを設定する。
【0095】
一方、所定のSCE素子に対する測定処理が終了しているときは、複数の所定のSCE素子に4つの特性シフト電圧Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4の各々を印加(1パルス)したときの輝度の変化量、及びその後印加した特性シフト電圧Vshift1’、Vshift2’、Vshift3’による輝度の変化量をグラフ化する。
【0096】
図6は、複数のSCE素子に4つの特性シフト電圧Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4の各々を印加後の輝度変化量の関係と、4つの特性シフト電圧印加後にVshift1’、Vshift2’、Vshift3’を印加したときの輝度の変化量(平均値)を示したものである。なお、このときの輝度は、各特性シフト電圧を1パルス印加毎に通常駆動(Vdrv)したときに計測した値である。
【0097】
次に、マルチ電子源全体を特性調整するプロセスについて説明する。図6に示すように特性シフト電圧印加パルス数を増やす又は特性シフト電圧を大きくすることで素子特性の変化量は大きくなる、即ち調整量は多くなる。図6に示す特性変化曲線を用いてマルチ電子源全体を特性調整するのは、以下の2ステップで行われる。
【0098】
(1)…輝度計測結果から設定した輝度目標値L0より、特性シフト電圧を設定する。つまり、ここまでが、特性調整をするためのルックアップテーブルを作製する段階となる。
【0099】
(2)…(1)で決めた設定値を基に、各素子毎に特性シフト電圧を設定する。そして、特性シフト電圧印加により特性を目標値までシフトさせる。即ち、特性調整のためのルックアップテーブルに応じて特性シフト電圧Vshiftのパルス波形信号を印加する段階(図1の特性調整期間の第二に対応)となる。
【0100】
ただし、前述したように、図6に示す特性変化曲線における特性シフト電圧に対する変化率が大きく異なった電子源も少数ではあるが存在する。このような電子源についても、大多数の電子源の特性調整(1)、(2)のステップに後述する対処方法を組み込むことによって、特性調整が可能となる。
【0101】
(1)、(2)のステップを詳細に説明する。
【0102】
(1) 予備駆動後計測した輝度L1を輝度目標値L0に到達させようとすると、必要なシフト量はD=L0/L1となる。
【0103】
その後、必要なシフト量に対して若干小さな値、ここでは0.9×Dのシフト量を設定する。ここで、90%のシフト量としたのは印加パルスに対する変化率が1割程度異なっても目標値以下にしないように設定したもので、この値は変化率のバラツキにより適宜設定される。
【0104】
図6(b)のグラフを元に、0.9×Dのシフト量よりVshift電圧を決定する。
【0105】
以下のように求めたシフト量の範囲によりVshift電圧を決定することにより、SCE型電子放出素子が初期の1パルスで目標値以下になってしまうことを抑制できる。
【0106】
つまり、Vshift1は、D1≦0.9×D<D2の範囲、
Vshift2は、D2≦0.9×D<D3の範囲、
Vshift3は、D3≦0.9×D<D4の範囲、
Vshift4は、D4≦0.9×Dの範囲
で決定する。
【0107】
次に、図6(c)に示すようなVshift電圧印加後にVshift’電圧を印加したときのシフト量より目的とするシフト量DとなるVshift’を算出する。
【0108】
以上のように、初期の輝度L1によりVshift、Vshift’が決定できる。
【0109】
つまり、例えばDなるシフト量が必要なSCE素子に対して、図6(b)よりD×0.9は、D2<D×0.9<D3となり、Vshift=Vshift2となる。
【0110】
ここで、Vshiftとしては離散的な値、Vshift’としてはアナログ的な値を設定する場合について説明したが、本実施の形態はこれに限らず共に離散的な値を用いてもかまわない。
【0111】
次に、図6(c)によりDとなる電圧を求めるとVshift’となりDなるシフト量が必要なSCE素子に対しては、Vshift2(1msec−1パルス)+Vshift’(1msec−9パルス)印加すれば良いことになる。
【0112】
以上のようにして初期輝度L1を特性調整するためのルックアップテーブルを作製する。
【0113】
(2) ルックアップテーブルを参照して、各電子放出素子の特性に応じて個々に特性シフト電圧を印加することにより、駆動調整を行う。
【0114】
また、前述したように、特性シフト電圧に対する変化率が大きく異なる電子放出素子に対処する方法について説明する。
【0115】
まず、このような特性調整未完となってしまう電子源であるかどうかを推測するために、初回の特性シフト電圧を印加した後に通常駆動電圧Vdrvを印加して測定した輝度L1’から算出したシフト量と想定していたシフト量とを比べることとした。想定していたシフト量Dnとして、実際のシフト量Drは初期の輝度L1と特性シフト電圧Vshiftを1パルス印加後の輝度L1’よりDr=L1’/L1となる。
【0116】
シフト量の差ΔDを、ΔD=Dn−Drで記載する。
【0117】
シフト量が異なる電子源は、シフト電圧値に対してほぼ同様の割合でシフト量が異なっていることがわかっている。そこで、目標とするシフト量にDn/Drを掛けた値D×Dn/Drをシフト量補正値として想定して、図6(c)より特性シフト電圧Vshift’を決定する。また、ここですでに目標輝度L0以下となったものに関しては、Vshift’を印加することをしない。
【0118】
以上のようにすることにより、特性シフト電圧に対して変化率が大きく異なる電子放出素子を含めて均一化が図れる。
【0119】
また、ここで、実際のシフト量の測定を初回に行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実際のシフト量から補正する工程は特性シフト電圧印加中にいつ、何回行ってもかまわない。
【0120】
尚、本実施の形態においては、表示パネル301毎に特性調整ルックアップテーブルを作製し、その特性調整ルックアップテーブルを基に特性調整を行う手順としたが、本実施形態及び後述する第2の実施形態においては、同一ロット内の表示パネル301でSCE素子の輝度目標値L0を同じにして特性調整を行う場合は、最初の1枚目の表示パネルのみ特性調整ルックアップテーブルを作製し、2枚目以降の表示パネルにおいては、表示パネル301の全SCE素子に予備駆動電圧Vpreを印加後、通常駆動電圧Vdrv印加時の電子放出特性の測定結果がSCE素子の輝度目標値L0に設定可能な範疇であれば、図6又は図10に示す特性変化曲線を取得しなくても、最初の1枚目の表示パネルの特性調整ルックアップテーブルを用いて特性調整を行うことも可能であり、2枚目以降の表示パネルに対する特性調整プロセスの処理時間を削減することができる。
【0121】
さらに、本実施の形態においては、ルックアップテーブル作成のための評価用素子として、表示パネル301内301aの画像表示エリアの素子を用いたが、本実施形態及び後述する第2の実施形態においては、画像表示の際には駆動が行われないダミー素子を作り込んでおいて、ここでデータを取得するようにしてもよい。
【0122】
また、本実施の形態では、特性シフト電圧を2段階に設定したが、図4に示すように3段階以上の電圧を設定してもかまわない。
【0123】
【実施例1】
本実施例では、900×300個のSCE素子よりなる表示パネルに関して、本実施の形態の製造方法を用いて駆動調整を行った。ここでは、ルックアップテーブルの作製及び特性シフト電圧の印加について説明する。その他の表示パネルの作製などについては、特許文献1及び2に記載されているので説明を省略する。
【0124】
まず、第1の実施の形態で説明したように輝度目標値L0を平均輝度及び標準偏差により設定した。
【0125】
本実施例では、目標輝度はL0=9600(a.u.)となった。なお、輝度の値はCCDから得られる輝度と対応する値である。
【0126】
次に、パルス幅1msec、周期10msecとし、Vpre=16V、Vdrv=14.5V、Vshift1=16.5V、Vshift2=17V、Vshift3=17.5V、Vshift4=18V、Vshift1’=16V、Vshift2’=16.5V、Vshift3’=17Vとした。そして、第1の実施の形態で述べたようにルックアップテーブルを作製した。
【0127】
以下特性調整方法の手順に関して、図7のフロー図を用いて説明する。
【0128】
まず、ステップS1で、表示パネル301中の特性調整を実施するSCE型電子放出素子の1素子に対して特性調整時に印加する印加パルス数を設定する。印加パルス数は、10パルスとした。
【0129】
次に、ステップS2で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0130】
ステップS3で、選択された素子について予備駆動後の通常駆動電圧Vdrvを印加時の輝度値L1を読み出す。
【0131】
ステップS4で特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0132】
ステップS5では、ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1を特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0133】
ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0以下の場合は、特性調整を実施せずステップS16に進む。
【0134】
ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0よりも大きい場合は、ステップS4で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度値に対応した特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかとVshift’とをメモリ312cに設定した。
【0135】
そして、ステップS6で、選択された素子に印加するメモリ312cに設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0136】
ステップS7で、パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS2で選択されているSCE素子に特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号を印加した。
【0137】
その後、ステップS15の設定パルス数に対する累積パルス印加数チェックへ進む。
【0138】
累積パルス印加数が特性調整駆動印加パルス数設定値に達していない場合は前回のパルス印加と同様にパルス印加するためにステップS6へ進み、達した場合はステップS16へ進む。
【0139】
ステップS16では、表示パネル301の全てのSCE型電子放出素子に対して特性調整を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS17に進み、次のSCE素子を選択し、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力してステップS2に進む。
【0140】
ステップS16で全ての素子に対して、フローが終了すると特性調整が完了し、全ての素子の輝度が均一化する。
【0141】
その後、均一性を評価するために、Vdrv電圧を印加して全SCE素子の輝度を測定した。その結果、標準偏差/輝度は3.2%となり、動画を表示するには問題のない均一性が得られた。また、特性調整するのに要する時間は1時間であった。
【0142】
【比較例1】
比較例1は、特性シフト電圧として、各々の輝度特性を有するSCE素子に対して10パルスで目標値に達する各々1つの電圧値を設定し、特性調整を行った。その結果、明らかに、輝度が減少した素子が発生し、動画を表示する上で、十分な均一性を確保することができなかった。このときの特性調整に要した時間は1時間であった。
【0143】
【実施例2】
前述したように、図6に示す特性変化曲線における印加パルス数に対する変化率が大きく異なった電子源も少数ではあるが存在する。本実施例では、このような電子源についても、大多数の電子源の特性調整(1)、(2)のステップに後述する対処方法を組み込むことによって、特性調整を可能にした。
【0144】
ここでは、実施例1とは異なる特性シフト電圧の設定法及び特性調整方法について説明する。他の部分については実施例1と同様の手法によって行ったので説明を省略する。また、用いたSCE素子および電圧設定は実施例1と同一にした。さらに、輝度目標値L0も9600(a.u)となった。
【0145】
実施例1の手法により特性調整を実施したにもかかわらず目標輝度近傍にならなかった電子源としては、1つはシフト量が少なく目標輝度に達しなかった電子源であり、もう1つは特性調整中に目標輝度を下回ってしまった電子源ということになる。即ち、図6に示す特性変化曲線における変化率が大きく異なった電子源であったことを意味する。
【0146】
そして、このような特性調整未完の電子源を少なくするため方法を以下に述べる。先ず、このような特性調整未完となってしまう電子源であるかどうかを推測するために、初回の特性シフト電圧を印加した後に通常駆動電圧Vdrvを印加して測定した輝度L1’から算出したシフト量と想定していたシフト量とを比べることとした。想定していたシフト量Dnとして、実際のシフト量Drは初期の輝度L1と特性シフト電圧Vshiftを1パルス印加後の輝度L1’よりDr=L1’/L1となる。
【0147】
シフト量の差ΔDをΔD=Dn−Drで記載する。
【0148】
シフト量が異なる電子源は、シフト電圧値に対してほぼ同様の割合でシフト量が異なっていることがわかっている。そこで、目標とするシフト量にDn/Drを掛けた値D×Dn/Drをシフト量補正値として想定して、図6(c)より特性シフト電圧Vshift’を決定する。また、ここですでに目標輝度L0以下となったものに関しては、Vshift’を印加することをしない。
【0149】
以下に図8のフロー図を用いて特性調整方法を説明する。
【0150】
まず、ステップS1で、表示パネル301中の特性調整を実施する各々のSCE素子に対して特性調整時に印加する印加パルス数を設定する。印加パルス数は、10パルスとした。
【0151】
次に、ステップS2で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0152】
ステップS3で、選択された素子について、予備駆動後の通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度値L1を読み出す。
【0153】
ステップS4で、特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0154】
ステップS5では、ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1を特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0155】
ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0以下の場合は、特性調整を実施せずステップS16に進む。
【0156】
ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0よりも大きい場合は、ステップS4で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度値に対応した特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかとVshift’とのパルス幅1msecをメモリ312cに設定する。
【0157】
そしてステップS6で、選択された素子に印加するメモリ312cに設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0158】
ステップS7で、パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS2で選択されているSCE素子に特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号を印加する。
【0159】
ステップS11では、パルス印加が初回であったかどうかをチェックし、初回の場合は、ステップS8に進み、パルス印加が2回目以降の場合は、ステップS15の設定パルス数に対する累積パルス印加数チェックへに進む。
【0160】
ステップS8では、特性調整を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の素子特性評価を行うために、選択された素子に印加するメモリ312cに予め設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvとして通常駆動電圧値Vdrv、パルス幅は1msecを設定する。
【0161】
そして、ステップS9で、ステップS2で選択されているSCE素子に通常駆動電圧値Vdrvのパルス電圧を印加する。この時の輝度L1’をステップS10で計測しメモリへ格納する。
【0162】
ステップS12では、ステップS10で計測された輝度L1’が特性調整における輝度目標値L0以下にならない場合はステップS13の初回シフト量チェックへ進む。ステップS10で計測された素子の輝度L1’が特性調整における輝度目標値L0と等しいかそれ以下の場合は、特性調整を実施せずステップS16に進む。
【0163】
また、ステップS13では、選択された素子が図6に示す特性シフト量が大きく異なった電子源であるかどうかの判定するために、前述したメモリ312cから選択された素子に印加されている特性シフト電圧に対応したシフト量を読み出す。そして、選択された素子について予備駆動後の通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度L1とステップS10で計測された輝度L1’と比較する。予想したシフト量と実際のシフト量を比較し、シフト量が許容範囲内かどうかを判別する。
【0164】
許容値内であればステップS6に進み、予め設定されたVshift’電圧を印加する。
【0165】
許容範囲外の場合は、ステップS14に進み、シフト量補正値を設定し、ルックアップテーブルを参照し、シフト量補正値に適合するVshift’電圧値を決定し、ステップS6へ進む。
【0166】
一方、ステップS15では、2回目以降のパルス印加に対して選択された素子への累積パルス印加数が特性調整駆動印加パルス数設定値に達したかどうかをチェックし、達していない場合は前回のパルス印加と同様にパルス印加するためにステップS6へ進み、達した場合はステップS16へ進む。
【0167】
ステップS16では、表示パネル301の全てのSCE素子に対して特性調整を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS17に進み、次のSCE素子を選択しスイッチマトリクス制御信号Tswを出力してステップS2に進む。
【0168】
ステップS16で全ての素子に対して、フローが終了すると特性調整が完了し、全ての素子の輝度が均一化する。
【0169】
その後、均一性を評価するために、Vdrv電圧を印加して全SCE型電子放出素子の輝度を測定した。その結果、標準偏差/輝度は3.0%となり、動画を表示するには問題のない均一性が得られた。また、特性調整するのに要する時間は1.3時間程度であった。
【0170】
【実施例3】
本実施例では実施例2で行った特性電圧の補正を各パルス毎に行った。ここでは、実施例1とは異なる特性シフト電圧の設定法及び特性調整方法について説明する。他の部分については実施例1と同様の手法によって行ったので説明を省略する。
【0171】
特性シフト電圧パルスを印加する前後のVdrv印加時の輝度Lp(印加前)、Lp’(印加後)から算出したシフト量と想定していたシフト量とを比べることとした。想定していたシフト量Dnとして、実際のシフト量Drは特性シフト電圧パルス印加前の輝度Lpと特性シフト電圧パルス印加後の輝度Lp’より、Dr=Lp’/Lpとなる。
【0172】
シフト量の差ΔDをΔD=Dn−Drで記載する。
【0173】
これにより、ΔD>0の場合には設定電圧を上げ、ΔD<0の場合には設定電圧を下げる必要があることがわかる。ここで、Vshift’以降の電圧設定はΔD>0の場合は0.25V電圧をあげ、ΔD<0の場合は0.25V電圧を下げた。また、Vshift印加後に対する補正は実施例2と同様な方法で特性シフト電圧を決定した。
【0174】
ここまでが、特性シフト電圧を決定する手法であり、以下に図9のフロー図を用いて特性調整方法を説明する。
【0175】
まず、ステップS1で、表示パネル301中の特性調整を実施するSCE素子の1素子に対して特性調整時に印加する印加パルス数を設定する。印加パルス数は、10パルスとした。
【0176】
次に、ステップS2で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0177】
ステップS3で、選択された素子について予備駆動後の通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度値Lpを読み出す。
【0178】
ステップS4で、特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0179】
ステップS5では、ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値Lpを特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0180】
ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値Lpが特性調整における輝度目標値L0以下の場合は、特性調整を実施せずステップS16に進む。
【0181】
ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値Lpが特性調整における輝度目標値L0よりも大きい場合は、ステップS4で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度値に対応した特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかとVshift’とをパルス幅1msecでメモリ312cに設定する。
【0182】
そして、ステップS6で、選択された素子に印加するメモリ312cに設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0183】
ステップS7で、パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS2で選択されているSCE素子に特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号を印加する。
【0184】
次に、ステップS15ではパルス印加に対して選択された素子への累積パルス印加数が特性調整駆動印加パルス数設定値に達したかどうかをチェックし、達していない場合はステップS8へ進み、達した場合はステップS16へ進む。
【0185】
ステップS8では、特性調整を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の素子特性評価を行うために、選択された素子に印加するメモリ312cに予め設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvとして通常駆動電圧値Vdrv、パルス幅は1msecを設定する。
【0186】
そして、ステップS9で、ステップS2で選択されているSCE素子に通常駆動電圧値Vdrvのパルス電圧を印加する。この時の輝度Lp’をステップS10で計測し、メモリ312cへ格納する。
【0187】
ステップS12では、ステップS10で計測された輝度Lp’が特性調整における輝度目標値L0以下にならない場合はステップS13のシフト量チェックへ進む。ステップS10で計測された素子の輝度Lp’が特性調整における輝度目標値L0と等しいかそれ以下の場合は、特性調整を実施せずステップS16に進む。
【0188】
また、ステップS13では、選択された素子が図6に示す特性シフト量が大きく異なった電子源であるかどうかの判定するために、前述したメモリ312cから選択された素子に印加されている特性シフト電圧に対応したシフト量を読み出す。そして、選択された素子について1回前の通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度LpとステップS10で計測された輝度Lp’とを比較する。予想したシフト量と実際のシフト量を比較し、許容範囲内かどうかを判別する。
【0189】
許容値内であればステップS6に進み、予め設定された特性シフト電圧を印加する。
【0190】
許容範囲外の場合は、ステップS14に進み、シフト量補正値を設定し、ルックアップテーブルを参照し、シフト量補正値に適合する特性シフト電圧値を決定し、ステップS6へ進む。
【0191】
一方、ステップS16では、表示パネル301の全てのSCE型電子放出素子に対して特性調整を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS17に進み、次のSCE型電子放出素子を選択し、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力してステップS2に進む。
【0192】
ステップS16で全ての素子に対して、フローが終了すると特性調整が完了し、全ての素子の輝度が均一化する。
【0193】
その後、均一性を評価するために、Vdrv電圧を印加して全SCE型電子放出素子の輝度を測定した。その結果、標準偏差/輝度は3.0%となり、動画を表示するには問題のない均一性が得られた。また、特性調整するのに要する時間は2.5時間程度であった。
【0194】
(第2の実施の形態)
図10〜図12には、第2の実施の形態が示されている。上記第1の実施の形態では、特性調整期間の第二期間においてVshiftのパルスの印加電圧を増減していた。しかし、本実施の形態では、特性調整期間の第二期間においてVshiftのパルスの印加時間を増減するものである。
【0195】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0196】
特性シフト電圧Vshiftのパルス幅をTshiftとした時、同一のVshiftでパルス幅を短くすると印加パルスが多くなり長時間のパルス印加時間となり、パルス幅を長くすると第1のパルスによる特性変化率が大きくなり、発光特性値が所望の発光特性目標値以下になってしまう電子放出素子が存在してしまうことになる。
【0197】
したがって、特性シフト電圧パルスにおける第1のパルス幅Tshift1と、第2パルス以降のパルス幅Tshift2〜Tshiftmを変更することにより、目標値L0近傍まで短時間でシフトし、その後L0までシフトする過程においては、時間に対してマージンができ、かつシフト量の変化のバラツキに対するマージンが増える。この特性変化を用いると、素子に第二期間においてVshiftのパルスの印加時間を増減し、第三期間における通常駆動電圧Vdrvにおいての輝度を特定の値にすることができる。
【0198】
輝度目標値の設定方法については、第1の実施形態と等しいので説明は省略する。
【0199】
表示パネル301で画像を表示する上でほとんど支障をきたさない所301aの中の複数のSCE型電子放出素子に複数の特性シフト電圧を印加(1〜1000パルス)したときの輝度を計測する手順と、そのデータから特性調整をするためのルックアップテーブルを作製するための特性シフト電圧とシフト量の関係のデータを取得する段階について説明する。
【0200】
はじめに、特性シフト電圧のパルス幅および特性シフト電圧の波高値、並びに個々の電子放出素子に異なる幾つかの波高値を何パルス数印加するかを適宜決定する。ここでは、特性シフト電圧として、異なる2つの波高値を1パルスと9パルス印加し、合計10パルスで特性調整する場合を例にして説明する。
【0201】
ルックアップテーブルを作製するためのデータを取得する際、まず、特性シフト電圧として4段階(Vshift1〜Vshift4)の離散的な電圧値を選択してそれぞれの電圧毎の特性シフト量を観測する。
【0202】
その後、各々の特性シフト電圧とは異なる特性シフト電圧Vshift’を印加して、その後の特性シフト量を観察した。
【0203】
ここで、特性シフト電圧の範囲は、前述したように、Vshift≧Vpreであり、Vshift電圧の範囲は、SCE型電子放出素子の形状や材料により適宜設定するが、通常は1V程度の範囲で数ステップに分けて設定することで特性調整できる。
【0204】
また、パルス幅が小さく、4段階の特性シフト電圧Vshiftと、Vshiftに比べてパルス幅の長い特性シフト電圧Vshift’を設定したものについて説明するが、Vshift、Vshift’共に複数の段階からなっていればよい。
【0205】
複数のSCE型電子放出素子にパルス幅の短い4つの特性シフト電圧Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4の各々を印加して、その後、各々の特性シフト電圧とはパルス幅の異なる特性シフト電圧Vshift’を印加したときの輝度の変化量を計測する手順を説明する。
【0206】
まず、複数のSCE型電子放出素子に4つの特性シフト電圧の各々を印加する領域、素子数、各特性シフト電圧値、パルス幅値及び印加パルス数を設定する。
【0207】
複数のSCE型電子放出素子に4×1通りの特性シフト電圧の各々を印加する表示パネル301内の領域は、画像を表示する上でほとんど支障をきたさない所301aを選定し、素子数も1つの特性シフト電圧に対して21素子とした。
【0208】
スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE型電子放出素子を一つ選択する。
【0209】
選択された素子に印加する予め設定されていたパルス信号のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。特性シフト電圧用パルスの波高値は、予備駆動電圧値Vpre、特性シフト電圧値Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4のいずれか1つの波高値と、Vshiftよりパルス幅の長いVshift’であり、パルス数は1以上で適宜決定される。
【0210】
パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、選択されているSCE型電子放出素子に、特性シフト電圧の初回として予備駆動電圧値Vpreパルス信号を印加する。
【0211】
次に、特性シフト電圧印加を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の輝度特性評価を行うために、選択された素子に印加する予め設定されていたパルス信号のデータTvを設定する。
【0212】
そして、選択されているSCE型電子放出素子に、通常駆動電圧値Vdrvのパルス信号を印加する。特性シフト電圧印加に応じた輝度変化データとしてVdrv電圧における輝度を輝度データ格納メモリ312bに格納する。
【0213】
選択されているSCE型電子放出素子に、特性シフト電圧を所定の回数印加したかどうかを調べ、そうでないときは特性シフト電圧を印加するステップに進む。一方、特性シフト電圧が所定の印加回数に達したときは、複数の所定のSCE型電子放出素子に対して輝度変化測定を行ったかどうかを調べ、そうでないときは、次のSCE型電子放出素子を選択するスイッチマトリクス制御信号Tswを設定する。
【0214】
一方、所定のSCE型電子放出素子に対する測定処理が終了しているときは、複数の所定のSCE型電子放出素子に4つの特性シフト電圧Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4の各々を印加(1パルス)したときの輝度の変化量、及びその後印加した特性シフト電圧Vshift’による輝度の変化量をグラフ化する。
【0215】
図10は、複数のSCE型電子放出素子に4つの特性シフト電圧Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4の各々を印加後の輝度変化量の関係と、4つの特性シフト電圧(Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4)印加後にVshift1’を印加したときの輝度の変化量(平均値)を示したものである。なお、このときの輝度は、各特性シフト電圧を1パルス印加毎に通常駆動(Vdrv)したときに計測した値である。
【0216】
次に、マルチ電子源全体を特性調整するプロセスについて説明する。図10に示すように特性シフト電圧印加パルス数を増やす又は特性シフト電圧を大きくすることで素子特性の変化量は大きくなる、即ち調整量は多くなる。図10に示す特性変化曲線を用いてマルチ電子源全体を特性調整するのは、以下の2ステップで行われる。
【0217】
(3)…輝度計測結果から設定した目標輝度L0より、特性シフト電圧を設定する。つまり、ここまでが、特性調整をするためのルックアップテーブルを作製する段階となる。
【0218】
(4)…(3)で決めた設定値を基に、各素子毎に特性シフト電圧を設定する。そして、特性シフト電圧印加により特性を目標値までシフトさせる。即ち、特性調整のためのルックアップテーブルに応じて特性シフト電圧を印加することとなる。
【0219】
(3)、(4)のステップを詳細に説明する。
【0220】
(3) 予備駆動後計測した輝度L1を目標値L0に到達させようとすると、必要なシフト量はD=L0/L1となる。
【0221】
その後、必要なシフト量に対して若干小さな値、ここでは0.9×Dのシフト量を設定する。ここで、90%のシフト量としたのは印加パルスに対する変化率が1割程度異なっても目標値以下にしないように設定したもので、この値は変化率のバラツキにより適宜設定される。
【0222】
図10(b)のグラフを基に、0.9×Dのシフト量よりVshift電圧を決定する。
【0223】
以下のように求めたシフト量の範囲によりVshift電圧を決定することにより、SCE型電子放出素子の輝度が初期の1パルスで目標値以下になってしまうことを抑制できる。
【0224】
つまり、Vshift1は、D1≦0.9×D<D2の範囲、
Vshift2は、D2≦0.9×D<D3の範囲、
Vshift3は、D3≦0.9×D<D4の範囲、
Vshift4は、D4≦0.9×Dの範囲
で決定する。
【0225】
次に、図10(b)のグラフを基に、0.9×Dのシフト量により決定されたVshift電圧のパルス幅よりも長いパルス幅を有する特性シフト電圧Vshift’を印加し、シフト量を測定することで、電子放出素子に対してパルス幅の短いTshift(1パルス)+パルス幅の長いTshift’(9パルス)が印加されることとなる。
【0226】
以上のようにして初期輝度L1を特性調整するためのルックアップテーブルを作製する。
【0227】
(4) ルックアップテーブルを参照して、各電子放出素子の特性に応じて個々に特性シフト電圧を印加することにより、駆動調整を行う。
【0228】
以上のようにすることにより、特性シフト電圧に対して特性シフト量が大きい電子放出素子において初期印加パルス(1パルス)による、過度の特性シフトを防ぐことができる。
【0229】
したがって、マルチ電子源内における複数の電子放出素子に対して過度の特性シフトをさせることなく、より均一化な特性シフトを図ることができる。
【0230】
また、ここで、実際のシフト量の測定を初回に行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実際のシフト量から補正する工程は特性シフト電圧印加中にいつ、何回行ってもかまわない。
【0231】
【実施例4】
本実施例では、900×300個のSCE素子よりなる表示パネルに関して、本実施の形態の製造方法を用いて駆動調整を行った。ここでは、ルックアップテーブルの作製及び特性シフト電圧の印加について説明する。その他の表示パネルの作製などについては、特許文献1及び2に記載されている。
【0232】
まず、上記で説明したように目標輝度L0を平均輝度及び標準偏差により設定した。
【0233】
本実施例では、輝度目標値はL0=9600(a.u.)となった。なお、輝度の値はCCDから得られる輝度と対応する値である。
【0234】
次に、Vshift1〜Vshift4における第1の特性シフト電圧パルスのパルス幅Tshiftを500μsec、周期10msecとし、各特性シフト電圧Vshift1〜Vshift4の電圧波高値をVshift1=16.5V、Vshift2=17V、Vshift3=17.5V、Vshift4=18Vとし、Vpre=16V、Vdrv=14.5V、第2以降の特性シフト電圧パルスVshift’のパルス幅Tshift’=1msecとした。なお、各電子放出素子に印加されるVshift’の電圧波高値は、各々の電子放出素子に対して定められた特性シフト電圧Vshift1〜Vshift4の各電圧波高値と同じ値とし、パルス幅のみを変えることとする。そして、第2の実施の形態で述べたようにルックアップテーブルを作製した。
【0235】
以下特性調整方法の手順に関して、図11のフロー図を用いて説明する。
【0236】
まず、ステップS21で、表示パネル301中の特性調整を実施するSCE型電子放出素子の1素子に対して特性調整時に印加する印加パルス数を設定する。Vshiftの印加パルス数を1パルス、Vshift’の印加パルス数を9パルスとし、印加パルス数の合計は、10パルスとした。
【0237】
次に、ステップS22で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0238】
ステップS23で、選択された素子について予備駆動後の通常駆動電圧Vdrvを印加時の輝度値L1を読み出す。
【0239】
ステップS24で特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0240】
ステップS25では、ステップS3で読み出した選択された素子の輝度値L1を特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0241】
ステップS23で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0以下の場合は、特性調整を実施せずステップS36に進む。
【0242】
ステップS23で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0よりも大きい場合は、ステップS24で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度値に対応した特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかとVshift1〜Vshift4の各シフト電圧と同電圧のVshift’とをメモリ312cに設定した。
【0243】
そして、ステップS26で、選択された素子に印加するメモリ312cに設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0244】
ステップS27で、パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS22で選択されているSCE素子に特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号を印加した。さらに、パルス幅のみを変えたVshift1〜Vshift4の各シフト電圧と同電圧のVshift’のパルス信号を印加した。
【0245】
その後、ステップS35の設定パルス数に対する累積パルス印加数チェックに進む。
【0246】
累積パルス印加数が特性調整駆動印加パルス数設定値に達していない場合は前回のパルス印加と同様にパルス印加するためにステップS26へ進み、達した場合はステップS36へ進む。
【0247】
ステップS36では、表示パネル301の全てのSCE素子に対して特性調整を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS37に進み、次のSCE素子を選択し、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力してステップS22に進む。
【0248】
ステップS36で全ての素子に対して、フローが終了すると特性調整が完了し、全ての素子の輝度が均一化する。
【0249】
その後、均一性を評価するために、Vdrv電圧を印加して全SCE素子の輝度を測定した。その結果、標準偏差/輝度は3.2%となり、動画を表示するには問題のない均一性が得られた。また、特性調整するのに要する時間は1時間であった。
【0250】
【比較例2】
比較例2は、特性シフト電圧として、各々の輝度特性を有するSCE素子に対して10パルスで目標値に達するパルス幅を1msecに固定した各々1つの特性シフト電圧を設定し、特性調整を行った。その結果、特性シフト電圧における第1のパルス印加で輝度が目標値以下となる電子放出素子の割合が全体に対して23%発生し、マルチ電子源全体の輝度バラツキが増加したために、動画を表示する上で十分な均一性を確保することができなかった。このときの特性調整に要した時間は1時間であった。
【0251】
【実施例5】
次に実施例5について説明する。本実施例では、実施例4で行った特性シフト電圧の各パルス印加毎にVdrv電圧を印加して特性シフトを行ったSCE素子の輝度を測定する。それにより求められた輝度目標値との差に応じて残りの印加パルス数を印加するかどうかを決定する。
【0252】
ここでは、実施例4とは異なる特性シフト電圧の設定法及び特性調整方法について説明する。他の部分については実施例4と同様の手法によって行ったので説明を省略する。
【0253】
以下特性調整方法の手順に関して、図12のフロー図を用いて説明する。
【0254】
まず、ステップS21で、表示パネル301中の特性調整を実施するSCE素子の1素子に対して特性調整時に印加する印加パルス数を設定する。Vshiftの印加パルス数を1パルス、Vshift’の印加パルス数を9パルスとし、印加パルス数の合計は、10パルスとした。
【0255】
次に、ステップS22で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0256】
ステップS23で、選択された素子について予備駆動後の通常駆動電圧Vdrvを印加時の輝度値L1を読み出す。
【0257】
ステップS24で特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0258】
ステップS25では、ステップS23で読み出した選択された素子の輝度値L1を特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0259】
ステップS23で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0以下の場合は、特性調整を実施せずステップS36に進む。
【0260】
ステップS23で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整におけるk度目標値L0よりも大きい場合は、ステップS24で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度値に対応した特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号をメモリ312cに設定した。
【0261】
そして、ステップS26で、選択された素子に印加するメモリ312cに設定されていたパルス信号の波高値及びパルス幅値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0262】
ステップS27で、パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS22で選択されているSCE素子に特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号を印加した。さらに、パルス幅のみを変えたVshift1〜Vshift4の各シフト電圧と同電圧のVshift’のパルス信号を1パルスのみ印加した。
【0263】
ステップS28で、選択された素子について予備駆動後の通常駆動電圧Vdrvを印加する。
【0264】
ステップS29で、選択された素子についてステップS28において通常駆動電圧Vdrvを印加した時の輝度値L1を読み出す。
【0265】
ステップS30で特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0266】
その後、ステップS35では、ステップS29で読み出した選択された素子の輝度値L1を特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0267】
ステップS29で読み出した選択された素子の輝度値L1が特性調整における輝度目標値L0以下の場合は、残りのVshift’のパルス信号におけるパルスを印加せずステップS36に進む。
【0268】
ステップS29で読み出した選択された素子の輝度値が特性調整における輝度目標値L0よりも大きい場合は、ステップS30で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度値に対応した特性シフト電圧値Vshift1〜Vshift4のいずれかのパルス信号をメモリ312cに設定した。さらに、ステップS26に進む。そして、ステップS26からステップS27に行き、残りのVshift’のパルス信号におけるパルスを1パルスだけ印加し、ステップS28からステップS30を経てまたステップS35での輝度値L1と輝度目標値L0との比較を行う。
【0269】
このように、Vshift’のパルス信号におけるパルスを1パルスだけ印加する毎に、ステップS35の輝度値L1と輝度目標値L0との比較を行い、各特性シフト電圧を印加した電子放出素子の輝度値L1を輝度目標値L0と比較することで、残りのVshift’のパルス信号におけるパルス幅Tshift’を変更するか否かを決定する。
【0270】
そして、ステップS36では、表示パネル301の全てのSCE素子に対して特性調整を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS37に進み、次のSCE素子を選択し、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力してステップS22に進む。
【0271】
ステップS36で全ての素子に対して、フローが終了すると特性調整が完了し、全ての素子の輝度が均一化する。
【0272】
その後、均一性を評価するために、Vdrv電圧を印加して全SCE素子の輝度を測定した。その結果、標準偏差/輝度は3.0%となり、動画を表示するには問題のない均一性が得られた。また、特性調整するのに要する時間は1時間であった。
【0273】
(第3の実施の形態)
図13〜図20には、第3の実施の形態が示されている。上記第1、第2の実施の形態では、特性調整期間の第二期間においてVshiftのパルスの印加電圧を増減したり、Vshiftのパルスの印加時間を増減したりしていた。しかし、本実施の形態では、電子放出素子の調整のために最大の調整シフト電圧を決定し、印加する調整シフト電圧値も離散的に何段階か選んで印加することによって特性調整を行うものである。
【0274】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0275】
図13は、マルチ電子源を構成するSCE素子の一つに注目し、一素子に印加した予備駆動及び特性調整駆動信号の電圧波形を示す図で、横軸に時間を、縦軸には表面伝導型放出素子に印加した電圧(以下、素子電圧Vfと記す)を示している。
【0276】
ここで駆動信号は、同図(a)に示すように連続した矩形電圧パルスを用い、特性調整駆動期間の電圧パルスの印加期間を第1期間〜第3期間の3つに分け、各期間内においてパルスを1〜10パルス印加した。素子によって、印加するパルス波高値は異なる。
【0277】
図13(a)の電圧パルスの波形の一部を、同図(b)に拡大して示す。
【0278】
具体的な駆動条件としては、駆動信号のパルス幅をT1=1msec、パルス周期をT2=10msecとした。
【0279】
なお、SCE型電子放出素子に実効的に印加される電圧パルスの立ち上がり時間Trおよび立ち下がり時間Tfが100ns以下となるように、駆動信号源からSCE素子までの配線路のインピーダンスを十分に低減して駆動した。
【0280】
ここで素子電圧Vfは、予備駆動期間ではVf=Vpreとし、特性調整期間においては第1期間と第3期間ではVf=Vdrvとし、第2期間ではVf=Vshiftとした。
【0281】
これら素子電圧Vpre、Vdrv、Vshiftは共に、SCE素子の電子放出しきい値電圧よりも大きい電圧であって、かつ、Vdrv<Vpre≦Vshiftの条件を満足するように設定した。
【0282】
図13(a)において特性調整期間の各期間の詳細を説明する。
第一期間及び第三期間については、前述した第一の実施形態と同じなので、説明を省略する。
【0283】
(第二期間…特性シフト電圧印加期間)
第二期間は、輝度特性の特性調整方法のために、電子放出特性のメモリ機能を用いて予備駆動電圧Vpreより大きな電圧値Vsを印加して、電子ビームの照射により蛍光体が発光する輝度をシフトさせる。
【0284】
したがって、特性調整を行う必要が無い素子に対しては、第二期間〜第三期間は適用されない。
【0285】
第二期間において、所定の時間内で調整できるように、全ての素子において10発印加し、輝度特性をシフトさせるための波高値は最大調整率を必要とする素子において最大調整シフト電圧Vsmaxを印加し、それ以下の素子に対しては、適宜調整シフト電圧(Vs1〜Vsmax−1)が設定される。
【0286】
一つの素子に対して、上記の各駆動を行った後、全ての素子に対して同様なプロセスを施すことで、マルチ電子源に対しての特性調整プロセスが完了する。
【0287】
同一のパルスで特性調整をする場合、特性調整時に印加するシフト電圧値の差によって特性のシフト量には相関がある。図14はVdrv以上の大きさのある特性シフト電圧Vshiftを印加したときの特性シフト量Shiftとシフト電圧値の相関を模式的に示すグラフである。グラフのX軸にはシフト電圧値を示し、Y軸には輝度特性シフト量Shiftを示している。図14に示すようにシフト電圧値に対して輝度特性のシフト量は増加する。
【0288】
図15は、図14の関係を別の面からみたもので、第二期間において、Vf=Vshiftの電圧値が高くなるに従って、発光輝度特性が右方向にシフトしていくことを示したものである。
【0289】
図15に示すように、シフトパルス印加前Lc(1)の特性を示した素子は、Vshift1を印加した状態Lc(2)に変化する。Vshift2を印加したとき発光輝度特性カーブはLc(3)となり、Vshift3を印加したとき発光輝度特性カーブはLc(5)となる。
【0290】
また、特性シフトパルス印加時の発光輝度カーブLc(2)は通常駆動電圧Vdrvにおいて発光輝度L2となり、Lc(3)は通常駆動電圧Vdrvにおいて発光輝度L3となる。
【0291】
この特性変化を用いると、第二期間における素子へのVshift電圧を増減し所望の放出電流特性カーブに変化させることによって、第三期間における通常駆動電圧Vdrvにおける発光輝度を特定の値にすることができる。
【0292】
そこで、本実施の形態においては、特性調整前に、輝度測定装置305及び演算装置308により、通常駆動電圧Vdrv印加時における、各電子放出素子の輝度を測定し、該輝度から輝度目標値L0を設定する工程と、最大輝度信号Lmaxを読み取る工程と、調整のために電子放出素子に印加する最大調整シフト電圧を、該輝度信号の最大調整率Dmax=L0/Lmaxから、予め別の電子放出素子において取得した、特性シフト電圧群における輝度の調整率テーブルより決定し、印加する調整シフト電圧値も離散的に何段階か選んで印加する工程によってマルチ電子源全体の特性調整を行うことができる。
【0293】
マルチ電子源を構成する個々のSCE素子の輝度特性を調整するプロセスフローを図16、図17及び図20のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態においては、予備駆動と輝度特性調整駆動を一体化して行ったので、両方の駆動プロセスを含めて説明する。
【0294】
プロセスフローとしては、画像表示エリアの一部の素子または画像表示に用いられない画像表示エリア外の素子さらには別の画像形成装置の素子を用いて、それらの素子に駆動電圧より大きい電圧値の異なる複数の特性シフト電圧Vshiftと通常駆動電圧Vdrvを交互に印加したときの発光輝度変化量からルックアップテーブルを作成する第1段階(図17のフロー図、図13(a)の特性調整期間の第二、第三期間に対応)と、表示パネル301の全SCE素子に予備駆動電圧Vpreを印加後、通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度特性を測定し、特性調整を行うときの輝度目標値L0を設定する第2段階(図16のフロー図、図13(a)の予備駆動期間と特性調整期間の第一期間に対応)と、特性調整のためのルックアップテーブルに応じて最大調整シフト電圧Vsmax及び輝度目標値からの許容輝度範囲ΔLにより、n≧(Lmax−L0)/ΔLを算出し、各調整率Ds=1−((Dmax−1)m/n)〔m=1…n−1〕から求めた、n個のVsmax以下の離散的な調整シフト電圧を印加する工程及び特性調整が終了したかを判定するために通常駆動電圧Vdrvを印加して発光輝度特性を測定する第3段階(図20のフロー図、図13(a)の特性調整期間の第二、第三期間に対応)とからなる。
【0295】
まず、第1段階について説明する。
【0296】
ルックアップテーブルを作成する際、特性シフト電圧群として10段階(Vshift1〜Vshift10)の離散的な電圧値を選択してそれぞれの電圧毎に特性シフト量を観測した。特性シフト電圧の範囲は、前述したように、Vshift≧Vpreであり、Vshift電圧の範囲は、SCE素子の形状や材料により適宜設定するが、通常は1V程度の範囲で数ステップに分けて設定することで特性調整できる。
【0297】
まず、図17のフロー図で、複数のSCE素子に11種類の特性シフト電圧Vshift0、Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4…Vshift10の各々を印加(10パルス)したときの輝度Lの変化量を計測する手順を説明する。
【0298】
ステップS51で、複数のSCE素子に11種類の特性シフト電圧の各々を印加する領域、素子数、各特性シフト電圧値及び印加パルス数を設定する。素子数も1つの特性シフト電圧に対して100素子とした。
【0299】
ステップS52で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0300】
ステップS53で、選択された素子に印加するパルス信号の波高値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0301】
特性シフト電圧用パルスの波高値は、予備駆動電圧値Vpre=16V、特性シフト電圧値Vshift1=16.25V、Vshift2=16.5V、Vshift3=16.75V、Vshift4=17V…Vshift10=18.5Vのいずれかである。
【0302】
そしてステップS54で、パルス発生回路306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS51で選択されているSCE型電子放出素子に、特性シフト電圧の初回として予備駆動電圧値Vpreパルス信号を印加する。
【0303】
ステップS55では、特性シフト電圧印加を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の輝度の特性評価を行うために、選択された素子に印加するパルス信号の波高値のデータTvとして通常駆動電圧値Vdrv=14.5Vを設定する。
【0304】
そしてステップS56で、ステップS52で選択されているSCE素子に、通常駆動電圧値Vdrvパルス信号を印加する。
【0305】
ステップS57で特性シフトに応じた輝度の変化データとしてVdrv電圧における輝度を輝度データ格納メモリ312bに格納する。
【0306】
ステップS58では、複数の所定のSCE素子に対して輝度の変化測定を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS59に進み、次のSCE素子を選択するスイッチマトリクス制御信号Tswを設定してステップS52に進む。
【0307】
一方、ステップS58で所定のSCE素子に対する測定処理が終了しているときは、複数の所定のSCE素子に11種類の特性シフト電圧Vshift0(=Vpre)、Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4…Vshift10の各々を印加(10パルス)したときの輝度の変化量をグラフ化する。
【0308】
図18は、複数のSCE素子に11種類の特性シフト電圧Vshift0(=Vpre)、Vshift1、Vshift2、Vshift3、Vshift4…Vshift10を印加(10パルス)したときの輝度の変化量(平均値)を示したものである。
【0309】
11種類の特性シフト電圧の関係は、Vshift10>…Vshift4>Vshift3>Vshift2>Vshift1>Vpreである。
【0310】
図18に示すように特性シフト電圧を大きくすることで輝度の変化量は大きく、すなわち調整量は多くなる。
【0311】
第2段階については、第1の実施形態と同じなので、省略する。
【0312】
ここでは、第1の実施形態と同様に輝度目標値L0は、L0=(L-ave)-(σ-L)とした。
【0313】
次に、図18に示す特性変化曲線から輝度の調整量と特性シフト電圧の関係を図22のようにグラフ化し、調整用ルックアップテーブルとして用いる。調整は、以下の3ステップで行われる。
【0314】
(1)…図16の輝度計測結果から設定した目標輝度L0及び最大輝度Lmaxょり、最大調整率Dmax=L0/Lmaxを求め、図19の調整用ルックアップテーブルを用いて所望の最大調整シフト電圧を設定する。
【0315】
(2)…調整シフト電圧群の数=nは輝度目標値からの許容輝度範囲ΔLにより、n≧(Lmax−L0)/ΔLの式から算出し、最大調整率からn等分に必要な各調整率DsをDs=1−((Dmax−1)m/n)〔m=1…n−1〕から求め、各調整率に必要なシフト電圧をn個選択する。
【0316】
(3)…(1),(2)で決めた設定値を基に、各素子毎に調整シフト電圧印加と輝度特性計測を繰り返し、特性を目標値までシフトさせる。すなわち、特性調整のためのルックアップテーブルに応じて調整シフト電圧値を印加すること、及び特性調整が終了したかを判定するために通常駆動電圧Vdrvを印加して輝度Lを測定する段階(図20のフロー図、図13(a)の特性調整期間の第二、第三期間に対応)である。
【0317】
さらに上記工程について詳細に説明する。
【0318】
(1) 図16で計測した輝度Lの一番大きいものをLmax値とし、図19で設定した目標Ltから最大調整率Dmaxを、Dmax=L0/Lmaxから求める。
【0319】
輝度目標値L0=1.0(arb.u.)、Lmax=2.0(arb.u.)とすると、Dmax=0.5が必要になる。このとき図18より最大シフト電圧としてVshift5を印加しても10パルスでは、全てを調整できないことがわかる。そこで、本実施の形態においては、各電子放出素子に対して各々10パルスの印加によって特性シフトを行うようにすることを目標に最大シフト電圧を図19から設定した。
【0320】
前述したように最大調整率Dmaxが0.5の場合、図19から最大シフト電圧は18.2Vとすることができる。
【0321】
この設定により調整幅が大きい素子でも確実に調整することができ、このプロセスに要する時間は10パルス印加時間と輝度目標値L0以上を有する素子数の積で見積もることができる。
【0322】
(2) 調整シフト電圧群の数=nは輝度目標値からの許容輝度範囲ΔLにより、n≧(Lmax−L0)/ΔLの式から算出し、最大調整率からn等分に必要な各調整率DsをDs=1−((Dmax−1)m/n)〔m=1…n−1〕から求め、各調整率に必要なシフト電圧をn個選択する。
【0323】
ΔLが0.2の許容値に設定すると、(Lmax−L0)/ΔLからnは5となり、必要な最大調整率がDmax=0.5のとき、以下調整率Dsは0.6、0.7、0.8、0.9の合わせて5段階になる。
【0324】
それぞれの調整シフト電圧は図19より、
Ds1=0.9のとき、Vs1=16.0V、
Ds2=0.8のとき、Vs2=16.7V、
Ds3=0.7のとき、Vs3=17.3V、
Ds4=0.6のとき、Vs4=17.8V、
Dmax=0.5のとき、Vsmax=18.2Vと決定した。
【0325】
これらの各々の発光輝度上限値から特性調整するため5段階に分けて調整を実施した。それぞれに必要な各調整率がDs1=0.9、Ds2=0.8、Ds3=0.7、Ds4=0.6、Dmax=0.5なので、輝度信号最大値=2.0(arb.u.)のとき、各々の調整シフト電圧を印加する素子の輝度Lの範囲は、Lt<L1≦1.2(arb.u.)(@Vs1)、1.2<L2≦1.4(arb.u.)(@Vs2)、1.4<L3≦1.6(arb.u.)(@Vs3)、1.6<L4≦1.8(arb.u.)(@Vs4)、1.8(arb.u.)<Lmax(@Vsmax)となる。
【0326】
次に、図20のフロー図を用いて全体の流れを説明する。
【0327】
まずステップS61で、表示パネル301中の特性調整を実施するSCE素子の1素子に対して特性調整時に印加する所定パルス数を設定する。所定印加パル数は10パルスとした。
【0328】
次にステップS62で、スイッチマトリクス制御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路310によりスイッチマトリクス303,304を切換えて表示パネル301からSCE素子を一つ選択する。
【0329】
ステップS63で、選択された素子について、予備駆動後の通常駆動電圧Vdrv印加時の輝度Lを読み出す。
【0330】
ステップS64で特性調整ルックアップテーブルを読み出す。
【0331】
ステップS65ではステップS63で読み出した選択された素子の輝度を特性調整における輝度目標値L0と比較し、特性調整を実施するか否かを判断する。
【0332】
ステップS63で読み出した選択された素子の輝度Lが特性調整における輝度目標値L0と等しいかそれ以下の場合は、特性調整を実施せずステップS71に進む。
【0333】
ステップS63で読み出した選択された素子の輝度が特性調整における目標値L0よりも大きい場合は、ステップS64で読み出した特性調整ルックアップテーブルを参照して選択された素子の輝度に対応した調整シフト電圧値Vs1〜Vsmaxのいずれかを設定する。
【0334】
そしてステップS66で、選択された素子に印加するパルス信号の波高値のデータTvをパルス波高値設定回路311に出力する。
【0335】
ステップS67で、パルス発生回賂306,307よりスイッチマトリクス303,304を介して、ステップS62で選択されているSCE素子に、調整シフト電圧値Vs1〜Vsmaxのいずれかのパルス信号を10パルス印加した。
【0336】
ステップS68では、特性調整を行った素子を通常駆動電圧Vdrvに下げて駆動した時の輝度の評価を行うために、選択された素子に印加するパルス信号の波高値のデータTvとして通常駆動電圧値Vdrvを設定する。
【0337】
そしてステップS69で、ステップS62で選択されているSCE素子に、通常駆動電圧値Vdrvパルス電圧を印加する。この時の輝度をステップS70で計測し輝度格納メモリ312bヘ格納する。
【0338】
ステップS71では、表示パネル301の全てのSCE素子に対して特性調整を行ったかどうかを調べ、そうでないときはステップS72に進み、次のSCE素子を選択しスイッチマトリクス制御信号Tswを出力してステップS62に進む。
【0339】
ステップS72で全ての素子に対して、フローが終了すると特性調整が完了し、全ての素子に対応する輝度が均一化する。これにて輝度特性の調整が終了する。このときプロセスに要する時間は、概ね初期輝度が輝度目標値L0よりも大きな素子の数と10パルスのシフト電圧印加時間の積が時間となる。
【0340】
このようにして調整した、画像形成装置の各画素の輝度バラツキは、輝度L−σ/輝度L−ave=2.5%であり、バラツキ感の少ない高品位な画像を表示することができた。
【0341】
なお、本実施の形態においては輝度特性のデータの取得を実際に調整する画像形成装置と同じ製造工程で作成された画像形成装置で行っており、繰り返し同じ調整ルックアップテーブルを使用することも可能であり、さらに調整時間を短縮することができる。
【0342】
また、これまでの実施の形態ではSCE素子を備えた画像形成装置の調整方法について述べたが、メモリ性を有するFE型、MIM型の電子放出素子を備えた画像形成装置においても個別の画素輝度を同様に特性調整することができる。
【0343】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、複数の電子放出素子が配設されたマルチ電子源を有する画像形成装置において、ほぼ一定の調整時間で各電子放出素子の特性を均一化することが可能となり、従って、画像形成装置の製造工程時間が均一化されることにより、製造工程の管理が容易となる。
【0344】
また、長時間プロセスにならずに、過剰に劣化する素子を抑制でき、表示画像の均一性を向上でき、また特性調整による輝度の低下も抑制できる。
【0345】
さらに、電子放出素子の特性シフト電圧に対する変化率のバラツキがあっても特性シフト電圧値に補正を行うことで、均一性をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るSCE素子の特性調整信号の一例を示す図である。
【図2】輝度とシフト電圧の印加時間の相関を模式的に示すグラフである。
【図3】第1の実施の形態に係る特性調整信号をマルチ電子源を用いた画像形成装置に印加する装置の概略構成図である。
【図4】第1の実施の形態に係るSCE素子の特性調整信号の一例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る画像形成装置上の輝点がエリアセンサー上に投影された様子を示す模式図である。
【図6】数種類の駆動電圧毎に素子に連続印加したときの輝度の変化量を説明する特性曲線図である。
【図7】実施例1の電子源の各SCE素子の特性調整フローチャートである。
【図8】実施例2の電子源の各SCE素子の特性調整フローチャートである。
【図9】実施例3の電子源の各SCE素子の特性調整フローチャートである。
【図10】数種類の駆動電圧毎に素子に連続印加したときの輝度の変化量を説明する特性曲線図である。
【図11】実施例4の電子源の各SCE素子の特性調整フローチャートである。
【図12】実施例5の電子源の各SCE素子の特性調整フローチャートである。
【図13】第3の実施の形態に係るSCE素子の特性調整信号の一例を示す図である。
【図14】シフト電圧値と輝度シフト量との関係を示すグラフである。
【図15】SCE素子の駆動電圧に対する輝度特性を説明する図である。
【図16】電子源の各SCE素子の特性調整フローチャートである。
【図17】電子源の各SCE素子の図16に続く特性調整フローチャートである。
【図18】数種類の特性シフト電圧毎に素子に連続印加したときの輝度値の変化量を説明する特性曲線図である。
【図19】特性調整するために印加する離散的なシフト電圧に対する各々のSCE型電子放出素子に対応した輝度範囲を示した図である。
【図20】電子源の各SCE素子の図17に続く特性調整フローチャートである。
【符号の説明】
301 表示パネル
302 端子
303,304 スイッチマトリクス
305 輝度測定装置
305a 光学レンズ
305b エリアセンサー
306,307 パルス発生回路
308 演算装置
309 ロボットシステム
310 スイッチマトリクス制御回路
311 パルス波高値設定回路
312 制御回路
312a CPU
312b 輝度データ格納メモリ
312c メモリ
313 高圧電源
501 発光点
502 素子

Claims (2)

  1. 基板上に複数の電子放出素子を配置してなるマルチ電子源と、該マルチ電子源からの電子ビームの照射により発光する蛍光部材と、を有する画像形成装置の製造方法であって、
    前記複数の電子放出素子に所定の駆動電圧より高い予備駆動電圧を印加する予備駆動工程と、
    前記複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度が輝度目標値になるように電子放出素子の特性を調整する特性調整工程を有しており、
    該特性調整工程は、
    (1)前記複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度を測定する第1の測定工程、
    (2)前記輝度を測定した結果に基づいて、前記輝度目標値を設定する工程、
    (3)前記予備駆動電圧以上の第1の波高値を有するパルスを印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第1工程と、前記予備駆動電圧以上の第2の波高値を有するパルスを更に印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第2工程とを、前記第1の波高値と前記第2の波高値の複数の組み合わせの各々について、前記複数の電子放出素子の一部の内で対象とする電子放出素子を変えて行う第2の測定工程、
    (4)前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるように電子放出素子の特性をシフトさせるための波高値の組み合わせを、前記第2の測定工程の測定結果に基づいて決定し、該波高値の組み合わせをルックアップテーブルに格納する工程、
    (5)前記第2の測定工程における測定対象以外の電子放出素子である所定の電子放出素子の特性を、前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるようにシフトさせる波高値の組み合わせを前記ルックアップテーブルから取得する工程、及び、
    (6)該決定する工程で決定した波高値の組み合わせのうちの大きいほうの波高値のパルスを前記所定の電子放出素子に印加し、その後、前記波高値の組み合わせの内の小さいほうの波高値のパルスを前記所定の電子放出素子に印加して、前記所定の電子放出素子の特性をシフトさせる工程、
    を含むことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  2. 基板上に複数の電子放出素子を配置してなるマルチ電子源と、該マルチ電子源からの電子ビームの照射により発光する蛍光部材と、を有する画像形成装置の製造方法であって、
    製造対象の画像形成装置の複数の電子放出素子に所定の駆動電圧より高い予備駆動電圧を印加する予備駆動工程と、
    前記複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度が輝度目標値になるように電子放出素子の特性を調整する特性調整工程を有しており、
    該特性調整工程は、
    (1)基準となる画像形成装置の複数の電子放出素子に前記所定の駆動電圧を印加した時の蛍光部材の輝度を測定する第1の測定工程、
    (2)前記輝度を測定した結果に基づいて、前記輝度目標値を設定する工程、
    (3)前記予備駆動電圧以上の第1の波高値を有するパルスを印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第1工程と、前記予備駆動電圧以上の第2の波高値を有するパルスを更に印加して素子特性をシフトさせた後に前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度を測定する第2工程とを、前記第1の波高値と前記第2の波高値の複数の組み合わせの各々について、前記基準となる画像形成装置の複数の電子放出素子の一部の内で対象とする電子放出素子を変えて行う第2の測定工程、
    (4)前記所定の駆動電圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるように電子放出素子の特性をシフトさせるための波高値の組み合わせを、前記第2の測定工程の測定結果に基づいて決定し、該波高値の組み合わせをルックアップテーブルに格納する工程、
    (5)前記製造対象の画像形成装置の複数の電子放出素子の特性を、前記所定の駆動電 圧を印加した時の輝度が前記輝度目標値になるようにシフトさせる波高値の組み合わせを前記ルックアップテーブルから取得する工程、及び、
    (6)該決定する工程で決定した波高値の組み合わせのうちの大きいほうの波高値のパルスを前記製造対象の画像形成装置の複数の電子放出素子に印加し、その後、前記波高値の組み合わせの内の小さいほうの波高値のパルスを当該電子放出素子に印加して、当該電子放出素子の特性をシフトさせる工程、
    を含むことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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