JP4115140B2 - 建物の解体方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビル等の建物を解体する建物の解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビル等の建物を解体する場合、バックホーの駆動アームの先端部にブレーカや挟着破砕機を取付け、建物の外側より建物を解体している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバックホーを用いる建物の解体方法では、バックホーの駆動アームの先端部が届く範囲の建物しか解体することができず、解体できる建物が限られるという欠点があった。
また、建物の外側より建物を解体するために、建物の外側にバックホーの設置や作業空間の確保が必要となり、その作業に手数がかかるとともに、周囲に迷惑をかけるという欠点があった。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、どんな高さの建物であっても、建物の解体機を用いて解体することができるとともに、この解体作業を建物の上部の内側から解体物が内側に位置するように解体して、建物の周囲に機械の設置空間や作業空間を確保しなくても解体することができ、かつ内装材と躯体のコンクリートとを効率よく選別することができる建物の解体方法を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明はビル等の解体する建物の内装材を解体除去する内装材の解体除去工程と、この内装材の解体除去工程後に建物の解体機を解体する建物の出入口より内部へ入れ、上部階の床躯体に建物の解体機を上部階へ移動できる移動孔を順次形成して屋上部へ移動させる建物の解体機の移動工程と、この建物の解体機の移動工程で屋上部へ移動された建物の解体機で、該建物の解体機が位置する床面を除く上部を解体物が建物の内側に位置するように解体する上部解体工程と、この上部解体工程で生じた解体物を、前記移動孔より下部へ排出する解体物排出工程と、前記上部解体工程後に建物の解体機を下部階へ移動させ、上部解体工程、解体物排出工程とを順次行ない、下部階まで解体する解体作業工程とで建物の解体方法を構成している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0008】
図1ないし図10に示す本発明の第1の実施の形態において、1はビル等の解体する建物2のコンクリート躯体を除く壁材や天井材等の内装材3を解体除去する内装材の解体除去工程で、この内装材の解体除去工程1は手動工具や電動工具等を用いた手作業の内装材の解体工程4と、この手作業の内装材の解体工程4で解体した内装材をエレベーター孔5や階段より外部へ排出除去する内装材の除去工程6とで行なう。
【0009】
7は前記内装材の解体除去工程1後に建物の解体機8を出入口9より内部へ入れ、上部階の床躯体10に該建物の解体機8を上部階へ移動できる移動孔11を順次形成して屋上部へ移動させる建物の解体機の移動工程で、この建物の解体機の移動工程7で使用する建物の解体機8は、ミニバックホーなみの大きさに形成されたもので、図3ないし図6に示すように車体15と、この車体15の両側面に取付けられた該車体15を走行させることができる無限軌道16、16、この無限軌道16、16を駆動させる油圧式バックホー等で使用される油圧駆動装置17とからなる走行装置18と、前記車体15に水平方向に回動可能に取付けられた駆動アーム20の先端部にブレーカ21や挟着破砕機22を取付けることができるミニバックホーとほぼ同じ機構の解体機本体23と、前記車体15のベース板19の前後左右部位に前後左右方向にそれぞれ2個の油圧シリンダー24、25を用いて取付けられた、該ベース板19を建物2の上部階へ移動させることができる少なくとも4本の油圧シリンダー等を用いた伸縮脚26、26、26、26とで構成され、このように構成された建物の解体機8は、従来のミニバックホーと同様に油圧駆動装置17を駆動させて走行することができるとともに、駆動アーム20や該駆動アーム20の先端部に取付けられたブレーカ21や挟着破砕機22を解体機本体23の運転席27より駆動できるように操作することができる。
また上部階へ移動したり、高い所の作業を行なう場合には伸縮脚26、26、26、26を伸縮させたり、前後左右方向の油圧シリンダー24、24、24、24、25、25、25、25を伸縮させて行なうことができる。
【0010】
前記建物の解体機の移動工程7は建物の解体機8によって上部階の床躯体10に、該建物の解体機8を上部階へ移動させるための移動孔11を形成する移動孔形成工程12と、この移動孔形成工程12後に建物の解体機8を前記移動孔11より上部階へ移動させる上部階への移動工程13とを順次行ない、屋上部へ移動させる。
【0011】
前記移動孔形成工程12は図7に示すように、建物の解体機8の駆動アーム20の先端部にブレーカ21を取付け、上部階の床躯体10に挟着破砕機22で作業できる孔11aを形成した後、駆動アーム20の先端部に挟着破砕機22を取付け、前記孔11aの周囲の床躯体10を挟着破砕して移動孔11を形成する。
【0012】
前記上部階への移動工程13は、建物の解体機8を4個のウインチを用いて上部階へ移動させてもよいが、図8に示すように建物の解体機8の伸縮脚26、26、26、26を伸張させ、移動孔11を通過させて無限軌道16、16の下端部が上部階の床面より上部に位置させるとともに、駆動アーム20の先端部を上部階の床面に押し当てる。
しかる後、伸縮脚26、26、26、26の1本を収縮させるとともに、前後左右方向の油圧シリンダー24、24、24、24、25、25、25、25を作動させて、前後左右方向に移動させて上部階の床面に支持させる。
【0013】
このような作業を順次行なって伸縮脚26、26、26、26を上部階の床面に支持させた後、前後左右方向の油圧シリンダー24、24、24、24、25、25、25、25を作動させて、上部階の床面上に無限軌道16、16を位置させ、上部階の床面上を走行させる。
なお、下部階の移動孔11と上部階の移動孔11は異なる部位に形成するが、スペースの関係で難しい場合には同一部位に形成してもよい。
この場合、下部階の移動孔11上に建物の解体機8を位置できるように支持バーや支持板を用いて行なう。
【0014】
28は前記建物の解体機の移動工程7で屋上部へ移動された建物の解体機8で該建物の解体機8が位置する床躯体10を除く上部の躯体を解体物29が建物2の内側に位置するように解体する上部解体工程で、この上部解体工程28は駆動アーム20の先端部にブレーカ21や挟着破砕機22を取付けて行なう。
【0015】
30は前記上部解体工程28で生じた解体物29を前記移動孔11あるいはエレベーター孔5より下部へ排出する解体物排出工程で、この解体物排出工程30は建物の解体機8で行なったり、手作業で行なう。
【0016】
31は前記上部解体工程28後に建物の解体機8を下部階へ移動させ、上部解体工程28、解体物排出工程30とを順次行ない、下部階まで解体する解体作業工程で、この解体作業工程31で建物の解体機8の下部階への移動は移動孔11より下部階へ排出した解体物29上に乗りながら移動したり、前述の上部階への移動の逆操作で、下部階へ移動してもよい。
【0017】
【発明の異なる実施の形態】
次に、図11ないし図13に示す本発明の異なる実施の形態につき説明する。なお、これらの本発明の異なる実施の形態の説明に当って、前記本発明の第1の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
図11ないし図13に示す本発明の第2の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、建物の解体機8を解体する建物2のエレベーター孔5より最上階へ移動させる建物の解体機の移動工程7Aを用いた点で、このような建物の解体機の移動工程7Aを用いた建物の解体方法を行なっても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、建物の解体機8をエレベーター孔5で最上階への移動は、クレーンや4個のウインチ32、32、32、32を用いて吊り上げるため、あらかじめエレベーター除去やエレベーター孔5の出入口部の解体を行なった上で行なう。
【0019】
図14ないし図16に示す本発明者が考えた建物の解体方法において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、ウインチ33を設置した建物の解体機8Aを用い、該建物の解体機8Aのウインチ33のワイヤー34を解体する建物の上部に設けたアーム35の先端部を介して躯体に固定し、ウインチ33を駆動させてワイヤー34を巻き取るとともに、解体する建物2の外壁面2aを走行させながら建物の解体機8Aを屋上部に移動させる建物の解体機の移動工程7Bを用いた点で、このような建物の解体機8Aを使用した建物の解体機の移動工程7Bを用いた建物の解体方法を行なってもよい。
なお、本実施の形態ではウインチ33を解体する建物2の上部に設けてもよいが、この場合にはウインチ33のワイヤー34をアーム35の先端部に設けた滑車を介してワイヤー34がスライド移動できるようにする。
【0020】
なお、建物の解体機は建物の躯体を解体できるものであれば、前記本発明の実施の形態以外の構造のものを使用してもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0022】
(1)ビル等の解体する建物の内装材を解体除去する内装材の解体除去工程と、この内装材の解体除去工程後に建物の解体機を解体する建物の出入口より内部へ入れ、上部階の床躯体に建物の解体機を上部階へ移動できる移動孔を順次形成して屋上部へ移動させる建物の解体機の移動工程と、この建物の解体機の移動工程で屋上部へ移動された建物の解体機で、該建物の解体機が位置する床面を除く上部を解体物が建物の内側に位置するように解体する上部解体工程と、この上部解体工程で生じた解体物を、前記移動孔より下部へ排出する解体物排出工程と、前記上部解体工程後に建物の解体機を下部階へ移動させ、上部解体工程、解体物排出工程とを順次行ない、下部階まで解体する解体作業工程とからなるので、解体する建物の内装材とコンクリートの躯体とを分別した状態で解体することができる。
したがって、解体物を再利用可能に解体することができる。
【0023】
(2)前記(1)によって、どんな高さの建物であっても、建物の高さ寸法の駆動アームを使用しない建物の解体機を用いて解体することができる。
したがって、どんな建物でも建物の解体機で効率よく解体することができる。
【0024】
(3)前記(1)によって、建物の内側より解体物が内側に位置するように解体することができる。
したがって、建物の外周部に大きな設置や作業空間を必要とせず、楽に作業が開始できるとともに、周囲に迷惑をかけるのを最小限にすることができる。
【0025】
(4)前記(2)によって、建物の内側で行なうので解体時に発生する粉塵が外部へ流出するのを効率よく阻止することができる。
【0026】
(5)前記(1)によって、上部より順次下部方向に解体できるので、安全に解体することができる。
【0027】
(6)請求項2、3も前記(1)〜(5)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の工程図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の建物の解体機の移動工程の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の建物の解体機の側面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の建物の解体機の正面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の建物の解体機の平面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の挟着破砕機を取付けた状態の側面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態の移動孔形成工程の説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態の上部階への移動工程の説明図。
【図9】本発明の第1の実施の形態の最上階への移動工程の説明図。
【図10】本発明の第1の実施の形態の上部解体工程の説明図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の工程図。
【図12】本発明の第2の実施の形態の建物の解体機の移動工程の説明図。
【図13】本発明の第2の実施の形態の解体物排出工程の説明図。
【図14】本発明者が考えたの建物の解体方法の工程図。
【図15】本発明者が考えたの建物の解体方法の解体機の移動工程の説明図。
【図16】本発明者が考えたの建物の解体方法解体機の平面図。
【符号の説明】
1:内装材の解体除去工程、
2:解体する建物、 3:内装材、
4:内装材の解体工程、 5:エレベーター孔、
6:内装材の除去工程、
7、7A、7B:建物の解体機の移動工程、
8、8A:建物の解体機、9:出入口、
10:床躯体、 11:移動孔、
12:移動孔形成工程、 13:上部階への移動工程、
15:車体、 16:無限軌道、
17:油圧駆動装置、 18:走行装置、
19:ベース板、 20:駆動アーム、
21:ブレーカ、 22:挟着破砕機、
23:解体機本体、 24、25:油圧シリンダー、
26:伸縮脚、 27:運転席、
28:上部解体工程、 29:解体物、
30:解体物排出工程、 31:解体作業工程、
32:ウインチ、 33:ウインチ、
34:ワイヤー、 35:アーム。
Claims (3)
- ビル等の解体する建物の内装材を解体除去する内装材の解体除去工程と、この内装材の解体除去工程後に建物の解体機を解体する建物の出入口より内部へ入れ、上部階の床躯体に建物の解体機を上部階へ移動できる移動孔を順次形成して屋上部へ移動させる建物の解体機の移動工程と、この建物の解体機の移動工程で屋上部へ移動された建物の解体機で、該建物の解体機が位置する床面を除く上部を解体物が建物の内側に位置するように解体する上部解体工程と、この上部解体工程で生じた解体物を、前記移動孔より下部へ排出する解体物排出工程と、前記上部解体工程後に建物の解体機を下部階へ移動させ、上部解体工程、解体物排出工程とを順次行ない、下部階まで解体する解体作業工程とを含むことを特徴とする建物の解体方法。
- ビル等の解体する建物の内装材を解体してエレベター孔より排出除去する内装材の解体除去工程と、この内装材の解体除去工程後に建物の解体機を解体する建物の出入口より内部へ入れ、上部階の床躯体に建物の解体機を上部階へ移動できる移動孔を順次形成して屋上部へ移動させる建物の解体機の移動工程と、この建物の解体機の移動工程で屋上部へ移動された建物の解体機で、該建物の解体機が位置する床面を除く上部を解体物が建物の内側に位置するように解体する上部解体工程と、この上部解体工程で生じた解体物を、前記移動孔より下部へ排出する解体物排出工程と、前記上部解体工程後に建物の解体機を下部階へ移動させ、上部解体工程、解体物排出工程とを順次行ない、下部階まで解体する解体作業工程とを含むことを特徴とする建物の解体方法。
- ビル等の解体する建物の内装材を解体してエレベター孔より排出除去する内装材の解体除去工程と、この内装材の解体除去工程後に建物の解体機を出入口より内部へ入れ、エレベーター孔よりウインチやクレーンを用いて屋上部へ移動させる建物の解体機の移動工程と、この建物の解体機の移動工程で屋上部へ移動された建物の解体機で、該建物の解体機が位置する床面を除く上部を解体物が建物の内側に位置するように解体する上部解体工程と、この上部解体工程で生じた解体物を、前記移動孔より下部へ排出する解体物排出工程と、前記上部解体工程後に建物の解体機を下部階へ移動させ、上部解体工程、解体物排出工程とを順次行ない、下部階まで解体する解体作業工程とを含むことを特徴とする建物の解体方法。
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- 2002-02-28 JP JP2002053269A patent/JP4115140B2/ja not_active Expired - Lifetime
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