JP4114986B2 - 防食用金具 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海水や土壌等の電解質媒体と接触することにより腐食し易い金属製のボルト又はナットの腐食を防止する防食用金具に関し、詳しくは、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体を備えた防食用金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の防食用金具としては、従来、六角ボルトの頭部に対してボルト軸芯方向から打ち込むことにより外嵌圧入される前記防食筒体を備えたキャップ状のものが提案されている(例えば、実開昭58−12273号公報参照)。
【0003】
この従来の防食用金具は、例え、六角ボルトの頭部の表面に絶縁塗料が塗布してある場合でも、この六角ボルトの頭部に対して防食筒体を外嵌圧入する時の該防食筒体の内周面と六角ボルトの頭部との摺接により前記絶縁塗料を剥離して、六角ボルトに対する防食筒体の電気的通電状態を確保することができ、その結果、外嵌圧入された防食筒体を犠牲陽極として六角ボルトの腐食を抑制することができる。
また、前記防食筒体を前記六角ボルトの頭部に外嵌圧入するに当たっては、該頭部のボルト軸芯方向での大きさ、つまりボルト軸芯を中心とする対角間の寸法に対して防食筒体の内周面の内径に製作誤差があると、ボルト軸芯と筒軸芯との芯合わせを行っても六角ボルトの頭部に防食筒体の筒軸芯方向の圧入開口側端面が接当して、この防食筒体を頭部に上手く外嵌圧入することができなかったり、或いは、六角ボルトの頭部の外周面と防食筒体の内周面との間に隙間ができて、防食筒体が頭部から簡単に抜け落ちてしまうという問題が生じるが、このような問題は、従来より、防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成して、防食筒体の内周面の内径に、筒軸芯方向で幅を持たせることにより解決している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記六角ボルトの頭部のボルト軸芯方向での大きさにも寸法公差があり、この寸法公差をも、前記防食筒体のテーパー面により吸収することができるようにしようとすれば、前記テーパー面の筒軸芯に対する傾斜角度を更に大きくするか、或いは、前記テーパー面の筒軸芯方向での長さを長くして、防食筒体の内周面の内径に、軸芯方向で更に大きな幅を持たせることが考えられるが、テーパー面の筒軸芯に対する傾斜角度を大きくすると、それだけ、六角ボルトの頭部に対して防食筒体を打ち込む際の圧入抵抗が増大し、その結果、防食筒体を六角ボルトの頭部に取り付け難くなる問題があった。
また、前記テーパー面の筒軸芯方向への長さを長くすると、防食筒体の筒軸芯方向に沿う長さも長くなり、防食用金具の筒軸芯方向への長大化を招来し易い問題があった。
【0005】
本発明は、上記の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、防食筒体の構造を工夫することにより、防食筒体の内周面の内径の製作誤差、並びに、ボルトの頭部又はナットの寸法公差を共に吸収することができるものでありながら、ボルトの頭部又はナットに対する取り付け易さを確保できるとともに、筒軸芯方向での長大化を抑制することができる防食用金具を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具において
前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分を、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成してもよい
上記構成によれば、ボルトの頭部又はナットのボルト軸芯方向での大きさに対する防食筒体の内周面の内径の製作誤差は、防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成して、防食筒体の内周面の内径に、筒軸芯方向で幅を持たせることにより吸収することができ、かつ、ボルトの頭部又はナットのボルト軸芯方向視での大きさの寸法公差は、ボルトの頭部又はナットに対して防食筒体をボルト軸芯方向から外嵌圧入したときのスリットの隣接間に位置する周壁部分の径方向外方への弾性変形により吸収することができるから、防食筒体の内周面の内径の製作誤差、並びに、ボルトの頭部又はナットの寸法公差を共に吸収するために、テーパー面の筒軸芯に対する傾斜角度を大きくしたり、或いは、テーパー面の筒軸芯方向での長さを長くしたりする必要が殆どない。
それ故に、防食筒体の内周面の内径の製作誤差、並びに、ボルトの頭部又はナットの寸法公差を共に吸収することができるものでありながら、ボルトの頭部又はナットに対して防食筒体を外嵌圧入する際の圧入抵抗の増大と、防食筒体の筒軸芯方向への長大化とを抑制でき、その結果、ボルトの頭部又はナットに対する取り付け易さを確保できるとともに、筒軸芯方向での長大化を抑制することができる。
更に、前記防食筒体の径方向外方に弾性変形された周壁部分の弾性復元力は、ボルトの頭部又はナットからの防食筒体の抜止め抵抗力として、ボルトの頭部又はナットに対して作用するから、防食筒体をボルトの頭部又はナットに外嵌圧入した状態では、周壁部分の弾性復元力により防食筒体を長期間に亘って確実に保持することができる。
【0007】
本発明の防食用金具では、前記スリットが、ボルトの頭部の角数又はナットの角数に相当する数を一組として、該各スリットにボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能に筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記スリットの形成数が前記一組のスリットの数の整数倍に構成されていてもよい
上記構成によれば、前記ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部を、一組のスリットの各々に入り込ませることができ、これにより、ボルトの頭部又はナットのボルト軸芯方向視での大きさの寸法公差を、前記スリットの隣接間に位置する周壁部分の径方向外方への弾性変形のみならず、各スリットへのボルトの頭部の各角部又はナットの各角部の入り込みでも吸収することができるから、更に大きな寸法公差にも対応することができる。
【0008】
本発明では、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具において
前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されていてもよい
上記構成によれば、ボルトの頭部又はナットのボルト軸芯方向での大きさに対する防食筒体の内周面の内径の製作誤差は、防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成して、防食筒体の内周面の内径に、筒軸芯方向で幅を持たせることにより吸収することができ、かつ、ボルトの頭部又はナットのボルト軸芯方向視での大きさの寸法公差は、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部を選択的に防食筒体のテーパー面又は溝に対応させることにより吸収することができるから、防食筒体の内周面の内径の製作誤差、並びに、ボルトの頭部又はナットの寸法公差を共に吸収するために、テーパー面の筒軸芯に対する傾斜角度を大きくしたり、或いは、テーパー面の筒軸芯方向での長さを長くしたりする必要が殆どない。
それ故に、防食筒体の内周面の内径の製作誤差、並びに、ボルトの頭部又はナットの寸法公差を共に吸収することができるものでありながら、ボルトの頭部又はナットに対して防食筒体を外嵌圧入する際の圧入抵抗の増大と、防食筒体の筒軸芯方向への長大化とを抑制でき、その結果、ボルトの頭部又はナットに対する取り付け易さを確保できるとともに、筒軸芯方向での長大化を抑制することができる。
【0009】
本発明の防食用金具では、前記溝の形成数が、ボルトの頭部の角数又はナットの角数に相当する溝の数を一組として複数組を構成する数に構成されているとともに、前記溝の径方向での深さを各組毎に異ならせて構成されていてもよい。
上記構成によれば、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部を溝に係入する場合、ボルトの頭部又はナットのボルト軸芯方向視での大きさに応じて、複数組の溝のうち、最適な深さの溝の組を選択することにより、寸法公差によるボルトの頭部又はナットに対する防食筒体の取り付け易さのバラツキを抑制することができる。
【0010】
本発明の防食用金具では、前記防食筒体の周壁のうち、筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側が、他の防食用金具の防食筒体を筒軸芯方向から外嵌圧入可能な嵌合部に構成されていてもよい
上記構成によれば、ボルトの頭部又はナットに対する取付けスペースに余裕がある場合、前記嵌合部に対して他の防食用金具の防食筒体を筒軸芯方向から外嵌圧入して連結し、これら連結された複数の防食用金具を一つの犠牲陽極とすることにより、海水や土壌等の電解質媒体に対する犠牲陽極の接触面積を増大して、犠牲陽極としての寿命の長期化を図ることができる。
【0011】
本発明の防食用金具では、前記防食筒体内、該防食筒体を外嵌圧入したナットから突出するボルトのネジ軸部が入り込み可能な空間が形成されていてもよい
上記構成によれば、前記防食筒体をナットに外嵌圧入することにより、前記ナットから突出するボルトのネジ軸部のうち、少なくとも、前記空間内に位置する部分のネジ山が、他物との衝突により圧壊されることを防食筒体にて抑制することができる。
また、本発明の防食用金具では、前記防食筒体の筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側に底壁が一体形成されているとともに、この底壁の内面には、ナットから突出するネジ軸部の前記防食筒体外への突出を許容する貫通孔を現出するための環状の破断誘導用溝が形成されていてもよい。
上記構成によれば、前記防食筒体の筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側に底壁を一体形成することにより、例えば、筒軸芯方向の両端が開口する防食筒体に比して、保管時における他物との衝突による防食筒体の変形を抑制することができるとともに、前記底壁を破断誘導用溝に沿って切断除去することにより、前記ナットから突出するネジ軸部の長さに拘らず、前記防食筒体をナットに対して外嵌圧入することができる。
【0012】
そして、本発明の請求項1による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記スリットが、ボルトの頭部の角数又はナットの角数に相当する数を一組として、該各スリットにボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能に筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記スリットの形成数が前記一組のスリットの数の整数倍に構成されている点にある。
本発明の請求項2による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記防食筒体の周壁のうち、筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側が、他の防食用金具の防食筒体を筒軸芯方向から外嵌圧入可能な嵌合部に構成されている点にある。
本発明の請求項3による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記防食筒体内には、該防食筒体を外嵌圧入したナットから突出するボルトのネジ軸部が入り込み可能な空間が形成されている点にある。
本発明の請求項4による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記防食筒体の筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側に底壁が一体形成され、この底壁の内面には、ナットから突出するボルトのネジ軸部の前記防食筒体外への突出を許容する貫通孔を現出するための環状の破断誘導用溝が形成されている点にある。
本発明の請求項5による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記溝の形成数が、ボルトの頭部の角数又はナットの角数に相当する溝の数を一組として複数組を構成する数に構成され、前記溝の径方向での深さを各組毎に異ならせて構成されている点にある。
本発明の請求項6による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボ ルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記防食筒体の周壁のうち、筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側が、他の防食用金具の防食筒体を筒軸芯方向から外嵌圧入可能な嵌合部に構成されている点にある。
本発明の請求項7による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記防食筒体内には、該防食筒体を外嵌圧入したナットから突出するボルトのネジ軸部が入り込み可能な空間が形成されている点にある。
本発明の請求項8による防食用金具の特徴構成は、ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記防食筒体の筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側に底壁が一体形成され、この底壁の内面には、ナットから突出するボルトのネジ軸部の前記防食筒体外への突出を許容する貫通孔を現出するための環状の破断誘導用溝が形成されている点にある。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2〜図5は、例えば、図1に示すように、地中に埋設される一対の水道管1のフランジ2同士を接続した状態で、電解質媒体としての土壌に接触することにより腐食し易い金属製のボルト及びナットの一例である六角ボルト3及び六角ナット4を各別に防食する本発明の防食用金具Aの第1実施形態を示し、前記六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、六角ボルト3又は六角ナット4を構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体5の内周面5aを、筒軸芯X方向の一端側である圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してあるとともに、前記防食筒体5の周壁5Aの周方向複数箇所の各々に、筒軸芯X方向の圧入開口側に開口するスリット6を形成してある。
前記防食筒体5の周壁5Aのうち、前記スリット6の隣接間に位置する周壁部分5Bは、防食筒体5を筒軸芯X方向の圧入開口側から六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に外嵌圧入するに連れて、弾性復元力に抗して径方向外方に弾性変形するように構成してある。
当該第1実施形態では、前記六角ボルト3及び六角ナット4は共に鋳鉄製であり、前記防食筒体5は、六角ボルト3及び六角ナット4を構成する鉄よりもイオン化傾向の大きい低電位な亜鉛又は亜鉛合金から製作してあるとともに、前記テーパー面の筒軸芯Xに対する傾斜角度は約2度に構成してある。
【0014】
前記防食筒体5は、図3に示すように、該防食筒体5の筒軸芯X方向の圧入開口側を六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に沿わせた状態で、ボルト軸芯方向外方から打ち込むことにより、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対して外嵌圧入される。
詳しくは、前記六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4は、前記防食筒体5内のうち、筒軸芯X方向でスリット6形成範囲内に外嵌圧入される。
【0015】
図3と図5に示すように、前記防食筒体5の周壁5Aのうち、筒軸芯X方向の他端側である圧入開口部とは反対側は、他の防食用金具Aの防食筒体5を筒軸芯X方向から外嵌圧入可能な嵌合部7に形成してあるとともに、この防食筒体5の筒軸芯X方向の他端側に底壁5Cを一体形成してある。
詳しくは、図2の(ロ)に示すように、前記嵌合部7の筒軸芯X方向視での外形は、ボルト軸芯方向視における六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4の外形と同一形状、つまり六角形状に形成してあり、かつ、他の防食用金具Aの防食筒体5を筒軸芯X方向から外嵌圧入可能な寸法に構成してある。
【0016】
図3に示すように、前記嵌合部7の内径は、スリット6の形成部分の内径よりも小さく、かつ、六角ボルト3のネジ軸部3Bの呼び径Lよりも大に構成してあり、図3の(ロ)に示すように、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入したとき、前記防食筒体5内のうち、当該防食筒体5の周壁5Aと底壁5Cと六角ナット4とで囲まれた空間を、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bが入り込み可能な空間Sに形成してある。
【0017】
更に、図3に示すように、前記底壁5Cの内面には、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入したとき、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bの防食筒体5外への突出を許容する貫通孔8を現出するための環状の破断誘導用溝9を形成してある。
つまり、図3の(ハ)に示すように、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入したとき、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bの長さが、防食筒体5内に収まらない長さである場合、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入する前に、前記底壁5Cのうちの破断誘導用溝9に囲まれた部分5cを該破断誘導用溝9に沿って打ち破り、前記貫通孔8を現出させた状態で、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入することにより、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bを、防食筒体5の外に突出させることができる。
【0018】
次に、前記防食筒体5に形成されたスリット群について説明すると、図2の(ハ)と、図4とに示すように、前記防食筒体5に対してスリット6は、六角ボルト3の頭部3Aの角数又は六角ナット4の角数に相当する数を一組として、ボルト軸芯に筒軸芯Xを合致させた状態で各スリット6に六角ボルト3の頭部3Aの各角部3a又は六角ナット4の各角部4aが係入可能に筒軸芯X方向に沿って形成してあるとともに、前記スリット6の形成数を前記一組のスリット6の数の整数倍(当該実施形態では1倍)に構成してある。尚、六角ボルト3の頭部3Aの角数又は六角ナット4の角数とは、ボルト軸芯方向視での六角ボルト3の頭部3Aの形状又はボルト軸芯方向視での六角ナット4の形状において現れる角部の数である。
詳しくは、当該第1実施形態では、六角ボルト3の頭部3Aの各角部3a又は六角ナット4の各角部4aが係入するスリット6を、防食筒体5の周壁部の周方向6箇所に等間隔を隔てて形成してある。
【0019】
このように構成された防食用金具Aは、図4に示すように、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対して防食筒体5を、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4のボルト軸芯方向視での大きさ、つまりボルト軸芯を中心とする対角間の寸法に応じて、六角ボルト3の頭部3Aの各角部又は六角ナット4の各角部が、前記スリット6の隣接間に位置する周壁部分5Bの内周面に沿う状態(六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4を実線で示す状態)と、六角ボルト3の頭部3Aの各角部又は六角ナット4の各角部が、一組のスリット6の各々に入り込む状態(六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4を二点鎖線で示す状態)とのいずれかの状態で外嵌圧入することができ、この外嵌圧入に連れてスリット6の隣接間に位置する周壁部分5Bが径方向外方に弾性変形する。
【0020】
尚、前記六角ボルト3の頭部3Aの表面又は六角ナット4の表面に絶縁塗料が塗布してある場合、この六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対して防食筒体5をボルト軸芯方向から外嵌圧入する時の該防食筒体5と六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4との摺接により前記絶縁塗料が剥離され、これにより六角ボルト3又は六角ナット4に対する防食筒体5の電気的通電状態を確保することができる。
【0021】
〔第2実施形態〕
図6は、前記第1実施形態の防食用金具Aの別実施形態を示し、前記スリット6を、筒軸芯X方向の圧入開口側ほど防食筒体5の周壁5Aの周方向に沿う開口幅が大となるように形成してある。
尚、当該実施形態では、前記スリット6の開口縁のうち、周方向で対向する開口縁の一方を筒軸芯X方向に沿う姿勢に形成するとともに、他方を筒軸芯Xに対して傾斜する姿勢に形成してある。
その他の構成は前記第1実施形態と同一であり、第1実施形態で記載した構成部分と同一構成又は同一機能を有する構成部分には同一番号を付記してそれの説明を省略する。
【0022】
〔第3実施形態〕
図7は、前記第1実施形態の防食用金具Aの別実施形態を示し、前記嵌合部7及び底壁5Cが形成されていない防食筒体5に、前記スリット6のみを形成して実施してもよい。
その他の構成は前記第1実施形態と同一であり、第1実施形態で記載した構成部分と同一構成又は同一機能を有する構成部分には同一番号を付記してそれの説明を省略する。
【0023】
〔第4実施形態〕
図8は、前記第3実施形態の防食用金具Aの別実施形態を示し、前記防食筒体5の外周面のうち、防食筒体5の周壁5Aのうち、スリット6よりも筒軸芯X方向の他端側である圧入開口部とは反対側に位置する外周面部分を径方向外方に膨出形成してもよい。
その他の構成は前記第1実施形態と同一であり、第3実施形態で記載した構成部分と同一構成又は同一機能を有する構成部分には同一番号を付記してそれの説明を省略する。
【0024】
〔第5実施形態〕
図9〜図10は、本発明の防食用金具Aの第5実施形態を示し、前記六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、六角ボルト3又は六角ナット4を構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体5の内周面5aを、筒軸芯X方向の一端側である圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してあるとともに、前記防食筒体5の内周面に、ボルト軸芯に筒軸芯Xを合致させた状態で六角ボルト3の頭部3Aの各角部又は六角ナット4の各角部が係入可能な径方向での深さが同じ溝10が、筒軸芯X方向の圧入開口側から筒軸芯X方向に沿って形成してある。
【0025】
前記防食筒体5は、図10に示すように、該防食筒体5の筒軸芯X方向の圧入開口側を六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に沿わせた状態で、ボルト軸芯方向外方から打ち込むことにより、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対して外嵌圧入される。
【0026】
図9に示すように、前記防食筒体5の周壁5Aのうち、筒軸芯X方向の他端側である圧入開口部とは反対側は、他の防食用金具Aの防食筒体5を筒軸芯X方向から外嵌圧入可能な嵌合部7に形成してあるとともに、この防食筒体5の筒軸芯X方向の他端側に底壁5Cを一体形成してある。
詳しくは、図9の(ロ)に示すように、前記嵌合部7の筒軸芯X方向視での外形は、ボルト軸芯方向視における六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4の外形と同一形状、つまり六角形状に形成してあり、かつ、他の防食用金具Aの防食筒体5を筒軸芯X方向から外嵌圧入可能な寸法に構成してある。
【0027】
図10に示すように、前記嵌合部7の内径は、溝10の形成部分の内径よりも小さく、かつ、六角ボルト3のネジ軸部3Bの呼び径Lよりも大に構成してあり、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入したとき、前記防食筒体5内のうち、当該防食筒体5の周壁5Aと底壁5Cと六角ナット4とで囲まれた空間を、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bが入り込み可能な空間Sに形成してある。
【0028】
更に、図9の(ハ)に示すように、前記底壁5Cの内面には、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入したとき、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bの防食筒体5外への突出を許容する貫通孔8を現出するための環状の破断誘導用溝9を形成してある。
つまり、図示しないが、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入したとき、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bの長さが、防食筒体5内に収まらない長さである場合、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入する前に、前記底壁5Cのうちの破断誘導用溝9に囲まれた部分5cを該破断誘導用溝9に沿って打ち破り、前記貫通孔8を現出させた状態で、六角ナット4に防食筒体5を外嵌圧入することにより、六角ナット4から突出する六角ボルト3のネジ軸部3Bを、防食筒体5の外に突出させることができる。
【0029】
次に、前記防食筒体5に形成された溝群について説明すると、図9の(ニ)に示すように、前記防食筒体5に対して溝10は、六角ボルト3の頭部3Aの角数又は六角ナット4の角数に相当する数を一組として、ボルト軸芯に筒軸芯Xを合致させた状態で各溝10に六角ボルト3の頭部3Aの各角部3a又は六角ナット4の各角部4aが係入可能に筒軸芯X方向に沿って形成してあるとともに、前記溝10の形成数を前記一組のスリット6の数の整数倍(当該第5実施形態では2倍)に構成してある。尚、六角ボルト3の頭部3Aの角数又は六角ナット4の角数とは、ボルト軸芯方向視での六角ボルト3の頭部3Aの形状又はボルト軸芯方向視での六角ナット4の形状において現れる角部の数である。
詳しくは、当該第5実施形態では、六角ボルト3の頭部3Aの各角部3a又は六角ナット4の各角部4aが係入する溝10を、防食筒体5の周壁5Aの周方向12箇所に等間隔を隔てて形成してある。
【0030】
このように構成された防食用金具Aは、図9の(ニ)に示すように、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対して防食筒体5を、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4のボルト軸芯方向視での大きさ、つまりボルト軸芯を中心とする対角間の寸法に応じて、六角ボルト3の頭部3Aの各角部又は六角ナット4の各角部が、前記溝10の隣接間に位置する周壁部分5Bの内周面に沿う状態(六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4を実線で示す状態)と、六角ボルト3の頭部3Aの各角部又は六角ナット4の各角部が、一組の溝10の各々に入り込む状態(六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4を二点鎖線で示す状態)とのいずれかの状態で外嵌圧入することができる。
【0031】
尚、前記六角ボルト3の頭部3Aの表面又は六角ナット4の表面に絶縁塗料が塗布してある場合、この六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4に対して防食筒体5をボルト軸芯方向から外嵌圧入する時の該防食筒体5と六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4との摺接により前記絶縁塗料が剥離され、これにより六角ボルト3又は六角ナット4に対する防食筒体5の電気的通電状態を確保することができる。
【0032】
〔第6実施形態〕
図11は、前記第5実施形態の防食用金具の別実施形態を示し、前記溝10の形成数を、六角ボルト3の頭部3Aの角数又は六角ナット4の角数に相当する溝10の数を一組として複数組を構成する数に構成するとともに、前記溝10の径方向での深さを各組毎に異ならせてある。
詳しくは、当該第6実施形態では、前記溝10の形成数を、6つを一組として二組構成して12とし、一方の組の溝10の径方向での深さを、他方の溝の10よりも大に構成してある。
その他の構成は前記第5実施形態と同一であり、第5実施形態で記載した構成部分と同一構成又は同一機能を有する構成部分には同一番号を付記してそれの説明を省略する。
【0033】
〔第7実施形態〕
図12は、前記第5実施形態の防食用金具の別実施形態を示し、前記溝10の形成数を、六角ボルト3の頭部3Aの角数又は六角ナット4の角数に相当する溝10の数を一組として複数組を構成する数に構成するとともに、前記溝10の周方向での幅と径方向での深さとを各組毎に異ならせてある。
つまり、前記溝10の各組毎に、溝10の周方向での幅と径方向での深さとを、六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4の各角部が係入したとき、この六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4の周面に溝10の周方向で対向する出角部が押圧接当する寸法に構成してあり、大きい六角ボルト3の頭部3A又は六角ナット4の各角部が係入する溝10の組ほど、その溝10の径方向での深さを大に構成してある。
詳しくは、当該第7実施形態では、前記溝10の形成数を、6つを一組として二組構成して12とし、一方の組の溝10の周方向での幅と径方向での深さとを、他方の組の溝10よりも大に構成してある。
その他の構成は前記第5実施形態と同一であり、第5実施形態で記載した構成部分と同一構成又は同一機能を有する構成部分には同一番号を付記してそれの説明を省略する。
【0034】
〔その他の実施形態〕
▲1▼ 前記各実施形態では、ボルト3として六角ボルトを例示し、また、ナット4として六角ナットを例示したが、これに限定されるものでなく、例えば、ボルト3としては四角ボルトであってもよく、また、ナット4としては四角ナットであってもよい。この場合、前記一組のスリット群におけるスリット6の数、又は、一組の溝群における溝10の数は共に4つとなる。
▲2▼ 前記各実施形態では、前記ボルト3及びナット4を鋳鉄から構成し、前記防食筒体5を、鉄よりもイオン化傾向の大きい低電位な亜鉛又は亜鉛合金から製作したが、防食筒体5の材質としては、外嵌圧入するボルト3又はナット4を構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属であるならば適宜変更してもよい。
▲3▼ 前記各実施形態では、前記防食筒体5の周壁5Aのうち、筒軸芯X方向の前記圧入開口側とは反対側を、他の防食用金具Aの防食筒体5を筒軸芯X方向から外嵌圧入可能な嵌合部7に構成したが、防食筒体5の筒軸芯X方向の前記圧入開口側とは反対側端部に、他の防食用金具Aの防食筒体5を筒軸芯X方向から外嵌圧入可能で、かつ、防食筒体5と同じ金属からなる嵌合部7を一体的に設けて実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の防食用金具の装着方法を示す側面図
【図2】(イ)は防食用金具の正面図、(ロ)は防食用金具の平面図、(ハ)は防食用金具の水平断面図
【図3】(イ)はボルトの頭部に防食用金具を外嵌圧入した状態の正面部分断面図、(ロ)はナットに防食用金具を外嵌圧入した状態の正面部分断面図、(ハ)は貫通孔を現出した状態でナットに防食用金具を外嵌圧入した状態の正面部分断面図
【図4】ボルトの頭部又はナットを防食用金具を外嵌圧入した状態の水平断面図
【図5】防食用金具を連結した状態の正面部分断面図
【図6】本発明の第2実施形態の防食用金具を示し、(イ)は正面図、(ロ)は水平断面図
【図7】本発明の第3実施形態の防食用金具を示し、(イ)は一部切り欠き正面図、(ロ)は水平断面図
【図8】本発明の第4実施形態の防食用金具を示し、(イ)は一部切り欠き正面図、(ロ)は水平断面図
【図9】本発明の第5実施形態の防食用金具を示し、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は正面断面図、(ニ)は水平断面図
【図10】防食用金具を連結した状態の正面部分断面図
【図11】本発明の第6実施形態の防食用金具の水平断面図
【図12】本発明の第7実施形態の防食用金具の水平断面図
【符号の説明】
3 ボルト
3A 頭部
3B ネジ軸部
3a 角部
4 ナット
4a 角部
5 防食筒体
5A 周壁
5B 周壁部分
5C 底壁
5a 内周面
6 スリット
7 嵌合部
8 貫通孔
9 破断誘導用溝
10 溝
A 防食用金具
S 空間
X 筒軸芯

Claims (8)

  1. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記スリットが、ボルトの頭部の角数又はナットの角数に相当する数を一組として、該各スリットにボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能に筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記スリットの形成数が前記一組のスリットの数の整数倍に構成されている防食用金具。
  2. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記防食筒体の周壁のうち、筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側が、他の防食用金具の防食筒体を筒軸芯方向から外嵌圧入可能な嵌合部に構成されている防食用金具。
  3. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記防食筒体内には、該防食筒体を外嵌圧入したナットから突出するボルトのネジ軸部が入り込み可能な空間が形成されている防食用金具。
  4. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の周壁の周方向複数箇所の各々に、筒軸芯方向の圧入開口側に開口するスリットを形成して、スリットの隣接間に位置する周壁部分が、ボルトの頭部又はナットに対する外嵌圧入に連れて径方向外方に弾性変形可能に構成されているとともに、前記防食筒体の筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側に底壁が一体形成され、この底壁の内面には、ナットから突出するボルトのネジ軸部の前記防食筒体外への突出を許容する貫通孔を現出するための環状の破断誘導用溝が形成されている防食用金具。
  5. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記溝の形成数が、ボルトの頭部の角数又はナットの角数に相当する溝の数を一組として複数組を構成する数に構成され、前記溝の径方向での深さを各組毎に異ならせて構成されている防食用金具。
  6. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で 、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記防食筒体の周壁のうち、筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側が、他の防食用金具の防食筒体を筒軸芯方向から外嵌圧入可能な嵌合部に構成されている防食用金具。
  7. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記防食筒体内には、該防食筒体を外嵌圧入したナットから突出するボルトのネジ軸部が入り込み可能な空間が形成されている防食用金具。
  8. ボルトの頭部又はナットに対してボルト軸芯方向から外嵌圧入可能で、かつ、ボルト又はナットを構成する金属よりもイオン化傾向の大きい低電位な金属から製作された防食筒体の内周面を、筒軸芯方向の圧入開口側ほど大径となるテーパー面に形成してある防食用金具であって、
    前記防食筒体の内周面に、ボルトの頭部の各角部又はナットの各角部が係入可能な溝が、筒軸芯方向の圧入開口側から筒軸芯方向に沿って形成されているとともに、前記防食筒体の筒軸芯方向の前記圧入開口側とは反対側に底壁が一体形成され、この底壁の内面には、ナットから突出するボルトのネジ軸部の前記防食筒体外への突出を許容する貫通孔を現出するための環状の破断誘導用溝が形成されている防食用金具。
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