JP4114395B2 - 基体表面の有機被膜の除去装置 - Google Patents

基体表面の有機被膜の除去装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイス用基板等の加工工程で表面に形成した有機物被膜や表面に付着した有機汚染物の除去が必要な場合、有機溶剤を使ってこれらを除去する装置に関するものである。具体的には本発明は、特に半導体用ウェハーまたは液晶用基板などの加工に際して使用するフォトレジストの除去や有機膜の形成等に関連して生じる有機性の汚染の除去装置に関するものである。本発明は、また一般的な油膜や塗装膜等の除去にも利用出来る。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤の溶解力で基体表面に付着した有機性の汚染物を除去することは代表的な洗浄手段であって、溶剤中に基体を浸漬する回分式洗浄(バッチシステム)装置が工業的には広く使われている。しかし溶解で汚れた液は基体を取り出すときその面に伴われるので、特に洗浄効果を上げようとすると、溶解用の液もリンス液も清浄なものが大量に必要となる。これらの液が同一で物性上蒸留精製に適していれば、洗浄槽と蒸留塔を配管で連結して使用液を蒸留で回収して連続循環させ、洗浄性能と経済性が同時に満足できる。このような一体装置はパークロールエチレンによるドライクリーニング等で比較的小規模でも実用化されていた。
【0003】
半導体や液晶デバイスの製造工程で有機溶剤が大量に使われるのは、配線金属膜の微細加工に関連したフォトレジストの除去用である。除去能力の点からn−メチルピロリドン(NMP)やジメチルスルホキシド(DMSO)あるいはアミン類のような限られた有機溶剤しか使えず、これらは十分な量の純水リンスで基板面から確実に除かれねばならない。しかしいずれの溶剤も水と混合すると配線金属のアルミニウム,タングステン、銅等を腐蝕するので、一旦これらの溶剤はイソプロピルアルコール等で置換してから水洗が行なわれる。これらの溶剤は浸漬かシャワー方式で使われ、使用量が多くなって経済性が悪く、また環境負荷が大きい。これに対し、上述のような蒸留再生を行なうことは次の理由から難しい。この再生にはどの溶剤でも高性能の真空蒸留装置が必要で、小型の設備では所要量に見合う蒸留速度が得られず、またいずれもが吸湿性が強いので、蒸留液に水が含まれると上記の腐蝕の恐れがあり十分な脱水対策も加えねばならなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
有機溶剤のレジスト剥離能力が高い程即ち剥離速度が大きいほど液が配線金属に接する時間が短くなり腐蝕対策上好ましい。勿論生産性が高まって、経済効果も大きい。また半導体も液晶デバイスも基板面積拡大が継続的な動向で特に品質的要求から枚葉方式が望まれているが、生産性に問題があり、この点からも大きな剥離速度が必要である。しかしこの場合、有機溶剤排液の排出速度も大きくなり、上述のような除去装置に蒸留装置を連結して排液を蒸留回収し順次基板を液循環で処理するには非常に大きな蒸留速度でないと排液の排出速度に釣合わず、従って大規模の蒸留装置が必要になり実用は無理である。そこで、本発明の課題は、最適な有機溶剤を選び、有機被膜の除去機構に小規模の蒸留機構特に真空蒸留装置を連結して付属させ、高い被膜除去性能と経済性や省資源・環境負荷低減を両立出来る、該溶剤の特色を活かした別の再生機構と蒸留とを組合わせた処理液循環式の基体表面被膜除去装置の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決する為、液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレン、または炭酸エチレンと炭酸プロピレンの液状混合体からなる処理液を供給する為に備えられた第1の液供給槽と第2の液供給槽を有し、それぞれの中の処理液を化学処理区域に輸送する手段を付属させた処理液供給機構と、
その処理区域にあって処理液を基体表面の有機被膜に接触させ該被膜を溶解除去する化学処理機構と、
該化学処理区域からの排出液を直接あるいは一個もしくは複数個の一時的貯蔵槽を経由して前記第2の液供給槽に到達させる処理液回収機構とで構成され、
前記化学処理区域および/または前記処理液回収機構における少なくともいずれかの槽において処理液にオゾンを溶解させる器具が装備された処理液再生手段と、および
多数回の循環オゾン再生した処理液を分岐して貯蔵する一時的貯蔵槽と該貯蔵液を蒸留する装置と蒸留された液を第1のまたは第1及び第2の液供給槽へ輸送する蒸留液供給管とよりなる蒸留式迂回再生手段と
を具備することを特徴とする有機被膜を有する
式迂回再生手段と
を具備することを特徴とする有機被膜を有する基体表面の有機被膜の除去装置を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の装置の最大の特徴は有機被膜を迅速に除去する有機溶剤処理液の長寿命化と環境への汚染低減にあり、それにはまず有機溶剤として炭酸アルキレン液即ち、液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレン、または炭酸エチレンと炭酸プロピレンの液状混合体を使うことが必要である。本発明者は、これらの溶剤の強力な有機被膜除去作用を利用する有機被膜除去方法と除去装置について、特願2001−325516を発明している。前者の除去方法では、これらの炭酸アルキレンを加熱すると液温の上昇とともにレジスト等の有機被膜に対する溶解能力が急速に高まることが活用されている。この炭酸アルキレン液を50℃以下にするとオゾンガスをバブリングさせても液がオゾンであまり分解されず、一方液に溶け込んでいるレジスト等の有機物はオゾンで分解される。これを利用して処理液を再生し、循環使用で液の寿命を延ばしたのが後者の除去装置である。本発明は後者の特色とする液の長い寿命をさらにその自乗以上に延ばす改良である。以下、本発明について詳述する。
【0007】
[処理液]
炭酸エチレンの融点36.4℃、沸点は238℃、また炭酸プロピレンは融点−48.8℃、沸点242℃で、ともにフォトレジストに対して溶解による強い剥離作用があり、その能力は液温が高い程強力である。120℃の炭酸エチレン液は、1.5μmの厚さのノボラックレジスト膜にB1×1014/cmイオン注入したものでも5秒で剥離し(剥離速度18μm/分)、100℃ならば10秒(剥離速度9μm/分)と極めて速い。また、100℃における蒸気圧が8mmHgと低く大気汚染が起こり難い。50℃以下の液にオゾンガスをバブリングさせると、液に溶解しているレジストは容易に低分子量のカルボン酸類にまで分解する。炭酸エチレンはこの種の生成不純物を含んでいてもその剥離能力が殆ど影響を受けない。従って50℃以下のオゾンガスバブリングで処理液を再生できる。
【0008】
炭酸エチレンは室温で固体なのでこの点は好ましくない。一方その為に消防法における危険物に該当しない利点もある。引火点は160℃程度で、150℃以下での加熱処理はまず問題はない。この液を使う場合は装置全体をチャンバーにいれて実施例1のように40℃の空調を行なうのが望ましい。炭酸プロピレンは室温で液体という利点がある。しかし、炭酸エチレンより僅かに剥離能力が劣り、また若干炭酸エチレンよりオゾンで分解されやすいのでオゾンガスバブリングによる処理液再生に関しても寿命が劣る。しかし炭酸エチレンと炭酸プロピレンの液状混合体は室温で液状でかつ両者の特徴を兼ねており、組成によってはオゾンとの反応性が炭酸エチレンに近いものが得られる。本発明のように液のリサイクルの能力を重視する場合は十分利用価値がある。
【0009】
これらの処理液が剥離できるレジストはノボラック型ポジレジストに限らず、ポリビニルフェノール誘導体型ポジレジストでも環化ポリイソプレン型ネガレジストでもよい。これらはオゾンでよく分解出来るので、オゾン分解による再生を活用する本発明の好ましい適用対象である。
【0010】
本発明が効果的に適用出来る有機被膜は、炭酸アルキレン液によく溶け、かつオゾンでよく低分子量物質にまで分解できるものでなければならず、後者の条件には炭素−炭素二重結合のあるオレフィン系化合物、単環多環の芳香族、複素環式化合物、カルボキシル基以外の酸素を含む基のある化合物等が該当する。高分子化合物膜ではモノマーユニットの中にこれらがあるとオゾンで分解しやすくなる。これらに関わる油膜、塗膜、フラックス等が適用対象である。
【0011】
[装置の構成]
本発明の装置は、炭酸アルキレン液を処理液とし、以下のような、オゾンで再生して処理液を繰返して使う▲1▼、▲2▼、▲3▼よりなる有機被膜除去部と、
この多数回繰返し処理後の液を迂回して精製し該被膜除去部へ復帰させる▲4▼の蒸留再生部とで構成される。即ち、
▲1▼ 基体表面の有機被膜を処理液に接触させて該被膜を溶解除去し、さらに処理液でリンスを行う化学処理機構と
▲2▼ これらの化学処理機構に新しい処理液あるいは蒸留による再生液を供給する第1の液供給槽と、オゾンガスにより有機被膜由来の有機物質が分解された再生処理液を供給する第2の液供給槽と、液の輸送手段で構成される処理液供給機構と、
▲3▼ レジスト除去処理の終った排出液に対し、1個もしくは複数個の一時的貯蔵槽を設け、必要あれば最初の1個を処理液温度を50℃以下に制御する冷却槽とし、1個は有機被膜由来の有機物質分解用のオゾンガスバブリング槽とし、さらに必要あれば排出液に溶かしたオゾンを脱気する窒素ガスや高純度空気等のバブリング槽を後続させ、オゾン再生した液を第2の液供給槽に到達させる処理液回収機構と、よりなる有機被膜除去部と、
▲4▼ 多数回循環オゾン再生処理液を分岐して一時的に貯蔵する槽と、オゾン処理で生じた処理液中の過酸化物を還元する手段を含む蒸留系統と、蒸留液を第1の液供給槽に余裕あれば第2の液供給槽にも復帰させる蒸留迂回再生部
で構成される。
【0012】
有機被膜の除去は、▲1▼の化学処理機構において、通常処理液を加熱して有機被膜に対する溶解作用を高めることによって行なわれているが、処理液が50℃以下の場合は、該処理液にオゾンを添加してオゾンによる有機物質の分解作用も利用し剥離能力を高めることも出来る。加熱処理液による被膜除去の場合は、剥離排液を処理液回収機構の一時的貯蔵槽で50℃以下に冷却し、オゾンガスをバブリングして溶解しているレジストを分解し、その為に溶解したオゾンを脱気させて再生した液を第2の液供給槽に移す。処理液にオゾンを添加する手段を講じた場合は、該被膜がオゾンで分解し易ければリンス用処理液にオゾンを添加しなくてもよい。しかし、リンス用処理液は50℃以下(炭酸エチレン液の場合は融点以上)としオゾンの添加を原則とする。
【0013】
オゾンガスのバブリングは石英ガラス製かフッ素樹脂製の多孔質発泡体器具を槽の下部に装備して実施した。窒素等のバブリングはオゾンガスの場合と同じ器具でバルブを切替えて同一槽内で実施してもよく、また上述のように別の一時的貯蔵槽に発泡体器具を具備させて専用にオゾン脱気を施してもよい。オゾンの脱気はレジスト除去処理をオゾン添加せずに加熱しただけの処理液で行なう場合必要である。除去処理をオゾン溶解処理液で行う場合は必ずしもこの脱気を要しないが、オゾン脱気は第2の液供給槽から化学処理機構への処理液輸送経路に設けられた送液ポンプや微粒子除去フィルターの劣化防止に有用である。
【0014】
オゾンで分解し易い被膜の除去をオゾン添加処理液で行なう場合は、処理液回収機構でのオゾンガスによる再度の分解処理を省略することもありうる。この際はオゾンの脱気を第2の液供給槽内で行ない、処理液回収機構として一時的貯蔵槽を設けずにすますことも出来る。また、第2の液供給槽から分岐した蒸留前の一時貯蔵槽内だけで還元処理の前にオゾン脱気を実施する場合もある。
【0015】
オゾンによる有機被膜の分解は該皮膜の種類によってその程度が異なる。分解が十分に進むと、グリコール酸、グリオキシル酸、シュウ酸のようなカルボン酸類と過酸化水素、水等の低分子量物質にまで分解される。フォトレジストの場合はこのような低分子量物質にまで分解されることが多い。不純物としてのこれらの物質の存在は上述したように処理液のレジスト除去性能には殆んど影響しない。また処理液を繰り返し使用する場合、従来のレジスト剥離液は大気空気中の湿気を吸収して水分が増し、剥離性能が低下する例が多いが、意識的に5%の水を加えた炭酸エチレンでも剥離速度は極端に低下しない。従ってレジスト中の金属不純物が再生液に蓄積して基板への吸収が有害なレベルに達するまでは、繰返し多数回のオゾンによる炭酸エチレン液再生が出来る。レジストの場合は数十回まで再生は可能な場合が多い。
【0016】
この繰返しのオゾン再生処理を所定回数終える毎に即ち所定の時間経過毎に、再生液を第2の液供給槽に集め、分岐した一時的貯蔵槽に移して、この液を蒸留装置で蒸留し、蒸留液を第1の液供給槽に回収する手段を本装置に付属させる。このオゾン再生と蒸留再生との組み合わせが本発明の最大の特色である。蒸留再生はまず繰返しのオゾン再生で増加したレジスト由来の金属不純物を除くのが目的である。この繰返し再生でレジストや処理液由来のカルボン酸類を主とするオゾンによる分解物は、濃度があまり高くなると基板面へ吸着し易くなる。蒸留再生はこれらを除くことも目的としている。
【0017】
オゾンによる多数回の再生実施で本発明で蒸留する液量は、従来の回分式洗浄で全量を蒸留で回収する場合に較べて数分の1以下となる。そこで、蒸留速度の遅い減圧蒸留によっても、有機被膜除去装置に組み込める比較的小規模のもので所定時間に見合う蒸留再生が出来る。炭酸プロピレンも炭酸エチレンと炭酸プロピレンの液状混合体も炭酸エチレン同様に減圧蒸留に非常に適した物質である。炭酸エチレンでの、最適な蒸留条件は蒸留温度130−160℃、圧力0.5−2kPaであるが、特にこの範囲にこだわらず、分離する物質を限定出来る場合は常圧の蒸留でも十分な再生が出来る。
【0018】
金属不純物を主な分離対象とする場合、この蒸留では水等の分離を厳密に行う必要がないので、蒸留の収率は90%以上が容易である。従って処理液の使用量はオゾン繰返し再生で約1/5になる上、さらに蒸留再生で1/5以下即ち1/25以下となる。従ってこの装置で省資源、環境負荷低減効果は極めて大きい。
【0019】
[有機被膜を除去する化学処理機構]
有機被膜の除去は処理液の接触によって行う。この接触は実施例1の浸漬槽に基体を浸漬する手段が多数の基体の同時処理が出来て生産性の点で優れている。基体が半導体ウェハーや液晶用ガラス基板のように平板上の場合は、枚葉のスピン方式剥離除去装置で回転基板表面の被膜に処理液を接触させると、除去処理並びにリンスでの均一性が優れ、乾燥まで一貫して実施出来る利点がある。欠点は生産性の悪いことであるが、オゾン添加あるいは加熱した炭酸アルキレンの有機被膜除去性能は極めて高いので、処理液の接触は20秒以下で済む場合も多く、本発明の装置では生産性の問題は解決出来る。処理液リンスは数秒でよいが高純度の液を使う必要がある。化学処理機構における処理液接触手段はこの他スプレー方式やシャワー方式等があるが、いずれの場合も本発明の装置を適用出来る。
【0020】
[オゾンによる処理液再生]
本発明において有機物分解に使用するオゾンガスのオゾン濃度は200mg/L〜300mg/Lが望ましいが、150mg/L〜200mg/Lでも十分に実施が可能である。処理液にオゾンガスをバブリングする場合、液中のオゾン濃度が最高に達するのに10分近い時間を要するが、通常5分の通気で十分である。処理液に溶けたオゾンを除くには、チッ素、酸素あるいは高純度空気のバブリングが有効で、処理液1Lあたり1〜2L/分の流量でほぼ1分以内に十分脱気する。
【0021】
[蒸留再生機構]
オゾンで有機物を分解するとかならずといえる程過酸化物が発生する。この物質を含んだまま蒸留すると、これら過酸化物が蒸留装置の一部に濃縮して爆発する危険がある。従って蒸留の前の一時的貯蔵槽には還元剤供給器を連結させ、槽内を攪拌すると共に亜硫酸、アルデヒド等の還元剤を添加して過酸化物を分解しておく。
【0022】
蒸留装置は実施例1では回分式とした。剥離処理後の基板表面の金属汚染レベルの要求が特に厳しくなければ、通常液中の金属不純物の量は10ppb以下に制御すればよく、回分式の単蒸留でもっとも簡単な単缶式でも概ね目的が達せられる。半導体用の枚葉スピン除去装置ではリンス用に毎回小量の高清浄度の炭酸エチレン液が要求される。除去処理液はリンス後の液をオゾン再生して利用することにより十分な量が得られるので、リンスに必要な量だけを蒸留で回収できればよい。8”シリコンウェハーの場合、リンス液は20mL程度でよく、1枚を1分で処理するとすると、リンス液所要量は1.2L/時である。蒸留液は高純度といっても水分やカルボン酸等の規格は特に厳しくはなく金属不純物だけが厳しくなる。従って理論段数は少なくても蒸留塔での分留が必要となる。金属不純物を主な分離対象とする場合、蒸留の際水等の分離を厳密に行う必要がないので、蒸留の収率は90%以上が容易である。従って処理液の使用量は循環オゾン再生の低減効果の他にさらに1/5以下となる。従ってこの装置で省資源、環境負荷低減効果は極めて大きい。
【0023】
【実施例】
以下の実施例で使用したオゾンガスは、放電方式のオゾン発生装置に0.4%の窒素を含む酸素を約2〜10L/分流して得たオゾン濃度が250mg/L前後のものである。炭酸エチレンと炭酸プロピレンはいずれも蒸留精製された金属不純物が10ppb以下の高純度のものを使用した。
【0024】
高度化した超LSIの製造プロセスでは、ウェハー上の有機物量が極めて少ないこと(有機炭素濃度で2×1013原子/cm以下)が望まれているので、本実施例でのレジスト剥離後のシリコン酸化膜上の残存有機物質は、特願平10−253346号に示された試料作成法により、14C(d,n)13Nの核反応を利用した高感度な荷電粒子放射化分析法で、表面有機炭素の絶対量を求めた。
【0025】
[実施例1]
図1は、湿式レジスト剥離法では最も除去の難しい部類に入るイオン注入で硬化したレジスト膜付のSi酸化ウェハーに対し、経済性のよいバッチ式のレジスト除去が出来る装置の概念を示すものである。この膜は厚さ1.5μmの商品名IX555(JSR(株)製)を130℃で300秒ベークし、Bの1×1014/cmを30KeVで注入したものである。本実施例においてレジスト除去用処理液として融点36℃の炭酸エチレン液を使うので、図1の破線から上の部分は約40℃に空調されたチャンバー内に収納し、ウェハーを処理する槽で構成される処理区域はオゾンガスが排出するのでクリーンドラフト構造で独立させる。この処理区域内でウェハーを搬送したり処理槽に出し入れしたりするにはロボットを使用する。このロボット機構は既製品が容易に利用できるので、ウェハー搬送機構については図面での記載を省略する。
【0026】
ウェハー1の搬送にはカセットを使用せず、剥離槽2、処理液リンス槽3、超純水リンス槽4の夫々に設けられたウェハー受け台5、6、7上に順にウェハーチャック(図示せず)でウェハーだけを抱えて運ぶ、既に技術の確立したカセットレス方式を利用する。本実施例の装置では、6”ウェハー8枚が6mmの間隔で垂直に並び、各処理槽内の約3Lの液に浸漬される。1回の処理時間は液から引上げ後滴りがなくなるまで待つ時間を含めて2分とした。剥離槽2の中には炭酸エチレン液を150℃まで加熱出来る加熱器8を設け、また処理液リンス槽3には同様の加熱器(図示せず)を設けて中の炭酸エチレン液を40℃に保ち、この加熱器の上に設けられたオゾンガス発散器9にはバルブ10を介してオゾンガス導入管11(以下ガス用の配管は図において太い点線で示す)が接続している。新しい炭酸エチレン液は約40℃に加熱されたものが保温機構のある運搬容器で運ばれて、新液供給管12とバルブ13により第1の液供給槽14に約13L充填され、その約1/2が送液ポンプPで処理液分配管15(以下液用の配管は図において太い実線で示す)により第2の液供給槽16に輸送される。
【0027】
槽2の処理液は、処理液供給管17とそれに付属した送液ポンプPにより微粒子除去用精密フィルターF経由で第2の液供給槽16から輸送される。槽2内のウェハー8枚毎の2分間剥離処理が6回終ったら、処理液をバルブ18により水冷管19を具備した処理液に排出する。排出終了後第2の液供給槽16から送液ポンプPにより処理液3Lを槽2に補充し、次のウェハー8枚×6回の処理に移る。この処理の間に、冷却槽20では排出液を5分で40℃近くまで冷却し、バルブ21により該液をレジスト分解槽22に移す。
【0028】
槽2の処理で炭酸エチレン液はレジスト膜の大部分を溶解するが、レジスト表面の特に硬化変質の強い部分は液中に未分解の微細片となって浮遊する。この微細片を含めて液中のレジストを十分に分解する為に、バルブ23、24とガス配管25によりガス発散器26から5L/分の流速でオゾンガスを槽22の液にバブリングさせる。5分経過後高純度窒素ガス配管27のバルブ28とバルブ24により発散器26からのバブリングを1分間窒素に換え、槽内の液から溶解しているオゾンを脱気して、バルブ29により第2の液供給槽に液を復帰させる。炭酸エチレン液に移行していたレジストは剥離性能に関して無害な低分子量のカルボン酸類にまで分解しているので、処理液は十分に再生されており多数回の回収使用ができる。
【0029】
処理液リンス槽3のリンス液は、最初はリンス液供給管30とそれに付属した送液ポンプPにより微粒子除去用精密フィルターF経由で第1の液供給槽14から3Lが輸送される。液が満たされたらバルブ10によりオゾンガス発散器9から流速5L/分でオゾンガスをバブリングさせる。槽2を出たウェハー8枚組を槽3の処理液に浸漬してリンスし、この槽の液にウェハーとともに持ち込まれたレジストをオゾンで十分に分解する。処理液リンスが終った8枚組は超純水リンス槽4に送って、純水でリンスする。8枚×6回の処理液リンスが終る毎に、200mLの処理液を排出管31とバルブ32とでレジスト分解槽22に排出する。排出が終ったら第1の液供給槽14から送液ポンプPにより処理液200mLを槽3に補充する。
【0030】
超純水リンス槽4は、配管が図示されていないが超純水のオーバーフロー構造であって、ウェハー受け台7には、純水リンスとその後の乾燥が一般的な24〜25枚1バッチの処理方式と整合するように、3回の処理分即ち24枚を並べられるウェハー溝が設けられている。図示されていない同構造の他の2個の超純水リンス槽を経てウェハーは乾燥され、レジスト処理が終る。
【0031】
この実施例では、剥離槽2の液を100℃とした。最初に剥離槽に入った8枚について乾燥直後肉眼観察を行ない直ちに荷電粒子放射化分析の試料を作成した。肉眼でレジストの剥離残りはまったく見られず、放射化分析結果の表面残存有機炭素量は(1.2〜2.6)×1013原子/cmであった。8枚×6回の処理を15回行い、720枚の除去処理が終って、処理液リンス槽3からレジスト分解槽経由で第2の液供給槽へ排出した液が3Lとなったところで、一旦装置の稼動を停止し、最後に剥離を行った8枚のウェハーに対し、肉眼観察並びに荷電粒子放射化分析試料作成を行なった。肉眼では問題なく除去が確認され、表面残存炭素量は(1.8〜3.4)×1013原子/cmであった。米国半導体工業会が示したロードマップでは有機汚染での炭素量が2003年で5×1013原子/cm、また2007年で2.5×1013原子/cmであるから、オゾンでレジストを分解して炭酸エチレンを再生する手段でこの程度多数回循環回収を行なっても、剥離能力に関する限り、炭酸エチレンの分解とレジスト分解物の増加の影響は無視できる。この実施例では,この一連の処理で炭酸エチレン液1Lあたり720枚÷9.5=76枚の剥離が出来たことになる。一方従来の回分式有機溶剤処理では、3Lの液で8枚×6回=48枚が剥離出来る。即ち液1Lあたり16枚の剥離能力である。従って本実施例では、剥離液所要量が約1/5となった。
【0032】
更に炭酸エチレンを装置内で効果的に利用する為に、蒸留方式の回収機構をこのレジスト除去装置に付与した。ノボラック型レジストの場合は殆んどがグリコール酸、グリオキシル酸、シュウ酸等にまで分解しており、また炭酸エチレンとオゾンの反応で生じた過酸化性物質は還元剤の添加で分解出来るので、これらに由来する低分子量の有機不純物が蒸留炭酸エチレン中に僅かに残存していたとしても、レジスト除去性能への影響が少ない。この蒸留の主な除去対象としたのは蓄積されたレジスト由来の金属不純物である。そこで真空蒸留装置33として、3L/時の蒸留能力のある回分式の単蒸留の装置を用いた。最終処理した槽2の処理液を手順通り槽20と槽22で処理して第2の液供給槽に集め、約9Lとなった液を蒸留用分岐管34とバルブ35と送液ポンプPで攪拌器36を具備した蒸留準備槽37に移す。該槽に対し還元剤供給器38から少量の亜硫酸を添加し、不純物の過酸化物質を分解する。
【0033】
第2の液供給槽が空になったら、第1の液供給槽へ新しい炭酸エチレン液10Lが運ばれ充填される。約6.5Lを第2の液供給槽に移し、第2回目の720枚処理が実施される。同時にバイパスで形成した蒸留回収機構は還元処理の終った蒸留原液をバルブ39と配管40で受け入れ、蒸留装置33を160℃、2kPaで稼動して装置内の再生品受槽に蒸留液を一時貯蔵する。蒸留装置は720枚処理の間に、即ち3時間以内に蒸留出来る性能が必要であるが、金属不純物除去が主目的なので小型の簡単なもので十分である。蒸留が終った液は、蒸留液供給管41とバルブ42で第3回目の720枚処理液として第1の液供給槽に輸送して充填する。液量がほぼ10Lになるように新炭酸エチレン液もバルブ13で補充する。
【0034】
蒸留での収量を90%として、第3回、第4回、第5回の720枚処理を新液の若干の補充で行い、3回の蒸留を終えた第5回処理の最後の8枚について、表面の残存有機炭素量を荷電粒子放射化分析で求めた。平均値で2.1×1013原子/cmで、剥離性能についてはまったく問題はなかった。槽内の処理液の金属不純物については、Na,K,Fe,Al,Cu,Ni,Cr,Zn,Ca,Mg等半導体プロセスで有害な元素がICP質量分析により総て10ppb以下で、蒸留の目的は十分に達成されている。従って炭酸エチレン1Lあたりのウェハー処理量は従来の数十分の一にまで減らせる見通しを得た。
【0035】
[実施例2]
オゾンを飽和させた40℃の炭酸エチレン液によりレジスト剥離を枚葉スピン処理で行う本実施例の概念図を図2で示す。枚葉スピン処理ではリンス用炭酸エチレン液として高純度品を必要とする。オゾンによる再生液では低分子量分解物が生じておりこの目的に適しない。そこで新しい液を使用しているが、その小量化に努力しても全体になるとかなりの量となり、それが枚葉方式における省資源上の隘路となる。しかし本発明では、蒸留再生との組合わせでこの問題が解決できる。本実施例も処理液が炭酸エチレンなので、装置内で常に液状であるよう、図2の破線から上の部分は約40℃に空調されたチャンバー内に収納し、ウェハー43を処理するスピンナチャンバー44が設置される処理区域はオゾンガスが排出すのでクリーンドラフト構造で独立させた。この処理区域内でウェハーを搬送したりスピンナのウェハー支持具45にセットしたり取出したりするにはロボットを使用する。このロボット機構は既製品が容易に利用できるので、図面での記載を省略する。
【0036】
枚葉スピン処理機構はウェハー支持具45とその回転軸46と駆動部47とからなり、支持具45上のウェハーが低速から高速までスピン回転するように作られていて、上方が開放しているスピンナチャンバー44に収納されている。オゾン溶解容器48(この実施例では液量600mLとした)の中のオゾン発散器49によりオゾンを飽和させた約40℃の炭酸エチレン液はノズル50から約4mL/秒の流量で100〜200rpmのウェハー上に供給される。この供給は高純度の空気による圧送によったが、オゾンガスの排気とは3方弁で切り替えた。しかしこのような配管の接続関係は本発明の本質とは無関係なので図示は省略した。同様の理由で後述する各種の槽に必要な排気管の図示も省略した。剥離用の液の供給時間即ち、処理液と被膜との接触所要時間は当然剥離の難易の程度で異なる。1.2μmの厚さの一般的なノボラック型のレジスト膜で、通常条件のポストベークのものは数秒から十数秒で剥離でき、アルミニウム配線におけるドライエッチングのマスクに使われた硬化したものは数十秒要した。処理時間の比較的長い25秒を標準と仮定するとウェハー1枚当りの剥離用処理液の所要量は100mLとなる。
【0037】
リンス用の新しい約40℃の炭酸エチレン液はリンス用新液供給管12とバルブ13により第1の液供給槽14に約4L充填されて、ウェハーへの剥離用処理液供給が終る毎に、送液ポンプPにより微粒子除去用フィルターF、配管51を経て、その先端にあるノズル52から500〜1000rpmのウェハー面へ供給される。流速は約4mL/秒、リンス時間は5秒で十分であった。ウェハー1枚あたりのリンス液の所要量は20mLとなる。仮の乾燥は、リンスの後2000〜3000rpmで約15秒スピン処理し、脱液する。最終乾燥は該ウェハーをロボットで別のリンサードライヤーに移し、仕上げの純水リンスとそれに連続するスピン乾燥による。この実施例では、処理用スピンナーでのウェハーの脱着にロボットが15秒要すると仮定し、剥離処理のスループットをウェハー1枚/分とし、液1Lあたりの処理枚数を計算した。
【0038】
剥離処理を終えたオゾン飽和液とリンス液はスピンナチャンバーの底から排液管53によりレジスト分解槽54に排出される。この槽では中に具備されたガス発散器55から1L/分の流速でオゾンガスを液にバブリングさせる。有機被膜由来の排液中の未分解有機物は5分以内に十分に分解する。ここではウェハー5枚分即ち600mLでこの分解処理が行なわれ、排液の落下毎にオーバーフローで液がオゾン脱気槽56に移動する。該槽の中にはガス発散器57が具備され高純度空気がオゾンガスと同流量でバブリングされる。この処理では約1分で槽内の液に溶解しているオゾンが脱気される。そこで該槽内の液が所定量に達したら直ちに送液ポンプPで第2の液供給槽16に移動させる。
【0039】
第2の液供給槽16には、当初新しい約40℃の炭酸エチレン液を新処理液供給管58とバルブ59により約2.5L充填し、オゾン溶解容器48が空になる毎に、液送ポンプPにより微粒子除去用フィルターF、配管60を経て供給槽16の液で該容器を満杯にする。オゾン溶解容器とフィルターとポンプよりなるオゾン飽和液供給系は並列に別の一組を具備させ、交互に使用し、それぞれ5分で飽和させれば処理は連続する。それぞれの溶解容器で新液を2回使うと、後はオゾンによる再生液が循環して利用できる。
【0040】
別の実験で、100mLの炭酸エチレン液に8”ウェハー1枚分のレジストを溶解させ、オゾンにより液中のレジストを分解し、その後液のオゾンを脱気し、この操作を20回繰返した液でこの実施例の枚葉スピンレジスト剥離を行なったが剥離速度は低下しなかった。この剥離後のウェハーの表面残存有機炭素量を荷電粒子放射化分析で求めたところ、3.1×1013原子/cmで、剥離性能についてはまったく問題はない。この実施例では、最初に投入した炭酸エチレン液が6.5Lであるから、その液で繰返し1300枚以上処理しても、即ち1300分処理しても剥離速度は低下しないことになる。しかし、リンスでは高純度の炭酸エチレン液が4mL/分即ち1.2L/時必要となる。従ってこの速度以上で実施例1のように蒸留回収を行なえばこの問題は解決され、同時にレジスト不純物由来の液の蓄積される金属不純物も低減出来る。
【0041】
そこで実施例1と同様に、第2の液供給槽から蒸留用分岐管34とバルブ35と送液ポンプPで多数回循環オゾン再生した処理液を還元剤供給器付蒸留準備槽61に移す。還元処理の終った蒸留原液を、バルブ39と配管40により一旦リサイクル品槽62に受け入れる。この槽から蒸留原液は蒸留塔63に連続的に供給される。蒸留塔は、真空ポンプ64を使って160℃、0.5kPaで運転され、コンデンサー65で凝縮された留分の一部は再生品受槽66に留出し、貯蔵される。留分の一部は釜67に移り、循環ポンプ68で蒸留塔に循環される。再生品受槽中の再生炭酸エチレン液は、蒸留液供給管41とバルブ42で第1の液供給槽に輸送して充填される。一方、ノボラック型レジストの分解生成物であるグリコール酸、グリオキシル酸、シュウ酸等が濃縮された釜残は、抜き出され、燃焼等の廃棄物処理工程に送られる。
【0042】
上記蒸留操作により高純度な炭酸エチレンを高収率で回収循環使用することが出来る。蒸留速度を2L/時で出来る小型の蒸留装置をこの実施例では使用した。蒸留での収量を90%として再生品受槽中の炭酸エチレン液の金属不純物につきICP質量分析を行なったところ、Na,K,Fe,Al,Cu,Ni,Cr,Zn,Ca,Mg等半導体プロセスで有害な元素がすべて1ppb以下で、蒸留の目的は十分に達成されている。釜残廃棄は200mL/時の計算になる。また、炭酸エチレン液の40℃の蒸気圧は0.1mmHgと極めて低いので、処理における1枚当り炭酸エチレン損失を1mLと仮定すると、釜残廃棄とを合わせて、1300分稼動の即ちウェハー1300枚処理での炭酸エチレン損失は約5.6Lとなる。従って炭酸エチレン1L当りのウェハー処理枚数は約240枚となり、実施例1のバッチ処理にかなり近い省資源効果と経済性が得られている。
【0043】
【発明の効果】
有機被膜に対して除去性能が極めて優れている炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンを処理液として除去を行うと、レジスト等の有機物の被膜が数秒から数分の短時間で剥離出来る。これらの有機溶剤は従来から使われている剥離用有機溶剤に比し、減圧下での分留が比較的に容易で、真空蒸留装置での回収に適している。しかし速い剥離速度を生かした炭酸エチレン処理液による有機被膜除去装置では、排液の排出も速い。一方、真空蒸留は常圧の蒸留と同じ蒸留速度を得るのにはるかに大型の装置が必要となる。蒸留装置を被膜除去装置に付属させて排液を回収し、循環で被膜を除去して理想的な省資源を行うには蒸留装置が大きくなり過ぎて実現が不可能である。
【0044】
本発明は、炭酸アルキレンがオゾンで分解されにくく、しかもオゾンが有機被膜をよく分解する化学作用を活かした循環オゾン再生と組合わせて、真空蒸留装置を被膜除去装置に連結して付属させ、省資源効果と環境負荷低減効果を達成した。即ち、オゾン再生では同一処理液での処理枚数が通常の回分方式の1/5に向上したのに対し、本発明ではさらに1/5以上即ち1/25以上と飛躍的な向上が得られる。従って経済的効果も極めて大きい。また、枚葉剥離処理に適用する場合、蒸留で高純度化した処理液をリンス液として使用できるので、レジスト剥離後常に十分な清浄度の表面を得ることが出来る。
【0045】
このような多数回の再処理を可能にしたのは、炭酸アルキレンの蒸気圧が極めて低く、例えば炭酸エチレンでは40℃で0.1mmHg、100℃でも8mmHgで、装置稼動に際し揮散して失われる量が極めて少ない点である。当然これも環境負荷低減に貢献する。本発明の装置で失われる処理液はリンスの純水が運び出すものと蒸留の釜残が主なもので、前者は排水の生化学処理で分解出来、釜残は確実に回収されるので、これに基づく環境上の対策も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】基体表面の有機被膜に対し、基体を処理液に浸漬することにより本発明を実施する装置の概念図。
【図2】基体表面の有機被膜に対し、枚葉スピン方式による処理液接触で本発明を実施する装置の概念図
【符号の説明】
1,Si酸化ウェハー 26.ガス発散器
2.剥離槽 27.高純度チッ素ガス配管
3.処理液リンス槽 28.チッ素ガス用バルブ
4.超純水リンス槽 27.高純度チッ素ガス配管
5.6.7.ウェハー受台 28.チッ素ガス用バルブ
8.加熱器 29,レジスト分解液排出バルブ
9.オゾンガス発散器 30.リンス液供給管
10.オゾンガス用バルブ 31.リンス液排出管
11.オゾンガス導入管 32.リンス液排出用バルブ
12.新液供給管 33.真空蒸留装置
13.新液用バルブ 34.蒸留用分岐管
14.第1の液供給槽 35.蒸留準備槽用バルブ
15.処理液分配管 36.攪拌器
16.第2の液供給槽 37.蒸留準備槽
17.処理液供給管 38.還元剤供給管
18.処理液排出用バルブ 39.蒸留装置受入用バルブ
19.水冷管 40.蒸留装置受入用配管
20.冷却槽 41.蒸留液供給管
21.冷却液移動用バルブ 42.蒸留液供給用バルブ
22.レジスト分解槽 43.ウェハー
23.オゾンガス用バルブ 44.スピンナチャンバー
24.ガス発散器用バルブ 45.ウェハー支持具
25.ガス配管 46.スピンナ回転軸
47.スピンナ駆動部
48.オゾン溶解容器
49.オゾン発散器
50.処理液ノズル
51.リンス液配管
52.リンスノズル
53.排液管
54.レジスト分解槽
55.ガス発散器
56.オゾン脱気槽
57.ガス発散器
58.新処理液供給管
59.新液用バルブ
60.処理液用バルブ
61.蒸留準備槽
62.リサイクル品槽
63.蒸留塔
64.真空ポンプ
65.コンデンサー
66.再生品受槽
67.蒸留釜
68.循環ポンプ

Claims (2)

  1. 液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレン、または炭酸エチレンと炭酸プロピレンの液状混合体からなる処理液を供給する為に備えられた第1の液供給槽と第2の液供給槽を有し、それぞれの中の処理液を化学処理区域に輸送する手段を付属させた処理液供給機構と、その処理区域にあって処理液を基体表面のポストベークおよび/またはイオン注入によって硬化した有機被膜に接触させ該被膜を溶解除去する化学処理機構と、該化学処理区域からの排出液を直接あるいは一個もしくは複数個の一時的貯蔵槽を経由して前記第2の液供給槽に到達させる処理液回収機構とで構成され、前記化学処理区域および/または前記処理液回収機構における少なくともいずれかの槽において処理液にオゾンを溶解させる器具が装備され、液中に溶け込んだ有機物を36.4℃以上50℃以下の温度でオゾン分解する処理液再生手段と、および多数回の循環オゾン再生した処理液を分岐して貯蔵する一時的貯蔵槽と該貯蔵液を蒸留する装置と蒸留された液を第1のまたは第1及び第2の液供給槽へ輸送する蒸留液供給管とよりなる蒸留式迂回再生手段とを具備することを特徴とする有機被膜を有する基体表面の有機被膜の除去装置。
  2. 多数回循環再生した処理液を分岐して蒸留の前に貯蔵する一時的貯蔵槽に、亜硫酸および/またはアルデヒド還元剤の供給器を連結することを特徴とする請求項1に記載の有機被膜を有する基体表面の有機被膜の除去装置。
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