JP2003203856A - 有機被膜の除去方法 - Google Patents

有機被膜の除去方法

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JP2003203856A JP2002229697A JP2002229697A JP2003203856A JP 2003203856 A JP2003203856 A JP 2003203856A JP 2002229697 A JP2002229697 A JP 2002229697A JP 2002229697 A JP2002229697 A JP 2002229697A JP 2003203856 A JP2003203856 A JP 2003203856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温でも安全で、循環再生使用ができる処理液
を用いて、基体上の有機被膜、例えばレジスト膜を、短
時間で効率的かつ経済的に除去する手段を提供するこ
と。 【解決手段】有機被膜を有する基体に、50〜200℃に加
熱した液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレンまたは両者
の液状混合物からなる処理液を接触させて、基体表面の
有機被膜を除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイス用基
板等の表面清浄化のため、基体上に付着する有機物被膜
の除去方法、除去装置およびレジスト膜除去剤に関する
ものである。具体的には、特に半導体用ウェハーまたは
液晶用基板などの加工に際して使用するフォトレジスト
被膜の除去に関するものである。また、それら基体上の
有機汚染被膜・微粒子の除去にも関するものである。さ
らに、本発明は、基体上の油膜や塗膜等の一般的な有機
被膜の除去に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】酸化膜やポリシリコン膜の微細加工に使
用したフォトレジストの除去に関しては、通常硫酸(3
容または4容):過酸化水素(1容)の混合液(ピラニ
アと呼ばれている)で110〜140℃に加熱して10〜20分浸
漬する方法が採用されている。レジストマスクで高濃度
のイオン注入を行った場合には、レジストが変質してし
まうため、ピラニア処理では簡単には除去できなくなる
ので、プラズマ励起酸素によるアッシングが一般に行わ
れている。ドライエッチング後の表面が変質したレジス
トの場合においても同様である。しかし、全部のフォト
レジストをアッシングしてもレジスト由来の有機変質
物、微粒子、微量金属が残り、また加工された溝の側壁
に生じた変質膜も残る。かつ、アッシングは高エネルギ
ーのプラズマによるため、ウェハー表面に半導体デバイ
スとしては有害な損傷が生じる。そこでレジスト膜を僅
かに残してアッシングし、その後はピラニア処理によ
り、また配線金属膜加工の場合はn-メチルピロリドン
(NMP)やジメチルスルホキシド(DMSO)あるい
はアミン類のような有機溶剤処理でレジストを除去する
ことが行われている。
【0003】ピラニア処理は大量の硫酸を排出するし、
有機溶剤を使用する場合もその使用量が多いので、いず
れにしても環境面での問題が大きい。そこで、最近オゾ
ン水を用いたレジスト除去が試みられている。オゾンの
水への溶解度は低温になるほど高く、高濃度オゾン含有
ガス(以下、オゾンガスという)を用いると、0℃近い
冷水でのオゾンの溶解量は70〜100 ppmに達する。しか
し、このようなオゾン水処理では、LSI製造で広く使
われているI線用ノボラック樹脂系ポジ型レジスト膜の
場合、剥離時間が0.1μm/分以下と遅く、実用的に十分
とはいえない。最近、高濃度オゾンガスを水蒸気と併用
して処理する方法や、加圧したオゾンを用いた高濃度オ
ゾン水で処理する方法が開発されているが、その剥離速
度は1μm/分程度であり、強力な剥離能力を必要とす
る場合には使用に適さない。
【0004】ピラニア処理にしろ、有機溶剤処理にし
ろ、生産性の点から洗浄槽に入れた液中でウェハーの入
ったキャリアを多数処理している。前者では、過酸化水
素が分解して水になり、漸次希釈され過酸化水素を追加
していかねばならないが、これにも限界がある。したが
って、槽内の薬液の寿命は意外に短く、結局大量の硫酸
を排出することとなり環境対策に費用がかかるのが実情
である。後者では、繰り返し使用すると液に溶解したレ
ジストが蓄積していき、ウェハーへの逆汚染が増加する
ので、リンス液の負担が大きくなる。したがって、かな
り早い時点での槽内の液の交換が必要となる。両者とも
に経済性が良いとはいえない。
【0005】従来の湿式処理は、強いドライエッチング
や高濃度のイオン注入が施されたレジストは変質が強く
除去できず、現在これらはすべてアッシャー方式が使わ
れている。しかし、アッシングは上述のように問題が多
く、湿式処理の後続を必要としている。
【0006】一方、有機溶剤による湿式処理では、レジ
スト中の金属不純物は処理液へ移行するが、処理液を繰
り返し再使用するとレジスト由来の金属の濃度が増して
くる。この金属がシリコンより酸化物形成エンタルピー
が大きい鉄、亜鉛、アルミニウム等であると、レジスト
除去面でSi-O結合を介して置換が生じ、表面を汚染
する危険性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通常のレジ
スト膜であれば20μm/分以上という極めて速い剥離速
度が達成され、また、イオン注入等により強く変質され
たレジスト膜であっても、数μm/分以上という十分に
生産性の高い剥離速度で除去でき、かつ上記のような環
境面での問題もなく、かつ、経済性が良いだけではな
く、レジストのみならず、油膜、塗膜等の有機被膜の除
去にも有効な除去方法および除去装置、並びにレジスト
膜除去剤を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、表面
に有機被膜を有する基体に、液状の炭酸エチレン、炭酸
プロピレンまたは炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの液
状混合物からなる処理液を接触させて、前記有機被膜を
除去することを特徴とする有機被膜の除去方法被膜を有
する基体に、液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレンまた
は炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの液状混合物からな
る処理液を接触させて、基体表面の有機被膜を除去する
ことを特徴とする表面有機被膜の除去方法を提供する。
【0009】本発明は、第二に、 A.液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレンまたは炭酸エ
チレンと炭酸プロピレンとの液状混合物からなる処理液
を処理区域に輸送する処理液導入手段と、 B.前記処理区域において有機被膜を有する基体の該有
機被膜を有する表面に前記処理液を接触させる被膜接触
手段と、 C.前記処理区域から排出された処理液を、1個以上の
一時的貯蔵手段を経由して該処理区域に復帰させる処理
液循環手段と、および D.前記処理区域内または前記一時的貯蔵手段内で、処
理液にオゾン含有ガスを接触させる、オゾン含有ガス接
触手段とを有することを特徴とする有機被膜を有する基
体表面の有機被膜の除去装置を提供する。
【0010】本発明は、第三に、炭酸エチレン、炭酸プ
ロピレンまたは炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの混合
物に対して、0.01〜2重量%の脂肪族カルボン酸系錯化
剤を含有させてなるレジスト膜除去剤を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。 [処理液]本発明における最大の特徴は、例えばレジス
ト膜の剥離・除去のために、従来その使用が試みられな
かった炭酸エチレンおよび/または炭酸プロピレンを採
用した点にある。炭酸エチレン(融点36.4℃、沸点238
℃、引火点160℃)は、易水溶性で、室温では無色無臭
の比較的安定な固体であるが、加温により液状の非プロ
トン性極性溶媒として用いることができる。沸点・引火
点が高く、毒性が小さいこと、さらに消防法における危
険物には指定されていないことから、好ましいものであ
る。また、炭酸プロピレン(融点−48.8℃、沸点242
℃、引火点160℃以上)も、易水溶性で、低温でも液体
である点を除けば、前記炭酸エチレンと同様な性状を有
する非プロトン性極性溶媒である。
【0012】両者ともに、引火点が高いのでそれ以下の
温度であれば、安全に操作することができるし、不活性
ガス中であれば、200℃程度の湿式処理で何ら問題がな
い。高温状態では、蒸発量がやや多くなるが、蒸気の毒
性は非常に低いので問題とはならないし、必要に応じて
ドラフトを用いればよい。また、後述するように、必要
があれば、炭酸エチレンと炭酸プロピレンを混合した液
状処理液としてもよく、あるいは、非極性溶剤等を混合
して用いてもよい。炭酸エチレンと炭酸プロピレンを混
合して液状処理液とする場合、その混合割合は、室温で
混合物が液状となることが必要であることから、また、
オゾンとの反応を抑制するために、炭酸エチレン/炭酸
プロピレンの重量比が、4〜2/3、好ましくは3〜1
となる範囲である。
【0013】[処理液の有機被膜除去性能]上記のとお
り、使用温度範囲が広く、安定かつ安全な炭酸エチレン
ないし炭酸プロピレンが、極めてすぐれた有機膜除去性
能を有するものであることを、本発明者らは見出した。
特に、加熱条件下でのフォトレジスト剥離・除去に有効
であり、有効な温度範囲は20〜200℃(炭酸エチレン単
独使用の場合は、40〜200℃)で、好ましくは引火点以
下の60〜150℃である。
【0014】そのフォトレジスト剥離能力は液の処理温
度が高い程強力で、従来湿式の剥離法では非常に難しか
った1×1015/cm2以上のイオン注入された変質レジス
ト膜すら短時間で剥離する。例えば、1.5μmの厚さの
膜が、どちらの液でも120℃,70秒間の処理で剥離され
る。ドライエッチングで変質層を生じたレジストの場合
も同様である。シリコン酸化膜上に特に剥離の困難な有
機膜が生じた場合でも、沸点に近い200℃(不活性ガス
中)程度の高温における湿式処理により剥離できる。ま
た、処理温度が高い程、表面張力や粘度が下がり、超微
細パターンデバイスでのレジスト剥離に適している。こ
のような安全で強力な処理効果は従来の有機溶媒系のレ
ジスト剥離剤ではみられなかったものである。
【0015】1×1014/cm2イオン注入の場合ならば、
炭酸エチレン液で1.5μmの厚さの膜の剥離が、120℃で
5秒(剥離速度18μm/分)、100℃で10秒(剥離速度9
μm/分)と極めて速い。炭酸プロピレンの場合は、多
少時間がかかるが、ともに枚葉スピン処理での剥離が可
能である。
【0016】上記剥離機構は、主としてはレジスト主成
分の溶解によるものであって、溶解できない成分につい
ては液内への分散状態で存在するものと考えられる。高
温での溶解力は極めて大きく、厚さ10〜100μm程度の
処理液の液膜を接触させると溶解が直ちに始まる。溶解
は一種の拡散現象で濃度差が大きい程速くなることか
ら、処理体表面に液膜を形成させ、連続あるいは間欠的
にその液膜に対して新たな該処理液膜を供給して移動さ
せると、溶解効果をさらに向上させることができる。
【0017】また、ウェハー表面の有機汚染膜であるジ
オクチルフタレート(DOP)等の油膜は簡単に除去す
ることができ、同時にこれらの油膜で表面に固着してい
る汚染微粒子も除去できる。その他、機械加工後の物品
表面の加工油の油膜、或いは、金属表面の塗膜等の除去
にも適している。
【0018】なお、通常は処理液を加熱して除去処理を
行うが、基体の性質上、室温か僅かな加温条件下で処理
を行う必要がある場合は、溶解能力を高めるために非極
性溶媒、例えば酢酸等を混合して用いてもよい。また、
炭酸エチレンの方が炭酸プロピレンより溶解性のよい場
合があるので、この場合は両者を混合して液状処理液に
すると有効な場合がある。
【0019】[被膜除去処理後の処理液の循環再利用]
上述のとおり、液状炭酸エチレンおよび炭酸プロピレン
を用いると、フォトレジスト膜等の有機被膜を有効に剥
離・除去することができ、該処理後の処理液には、有機
被膜由来の成分が溶解(および分散)して含有されてい
る。
【0020】上記処理液中の例えば溶解したレジスト
は、50℃以下のオゾンガスを通気することにより短時間
に低分子量物質にまで分解される。そして、炭酸エチレ
ンおよび炭酸プロピレン自体は、このオゾンガス通気に
よって、実質上、化学的に変化しないこと、および、レ
ジスト等の剥離・除去性能が低下しないことがわかっ
た。したがって、有機膜除去処理後の処理液にオゾンガ
スを通気してやれば、そのまま(あるいは、必要に応
じ、濾過して)レジスト等除去用処理液として循環再利
用することができる。すなわち、オゾン処理を施せば、
処理液の再生ができるという大きな利点がある。このこ
とは、通常用いられる高価な有機溶剤の場合と比較し
て、経済的に極めて有利である。本発明の場合、レジス
ト剥離後の処理液をオゾン処理してレジスト成分を分解
し精密濾過すると、処理液を交換することなく数十回繰
り返して使用することができる。
【0021】オゾン含有ガスを液中に通気して溶解させ
るとき、ガス中のオゾン濃度をCG[mg/L],飽和
した液中のオゾン濃度をCL[mg/L]とすると、分
配係数Dは、式:D=CL/CG で表される。文献に
よれば、溶剤のオゾンに対する溶解度は酢酸やジクロロ
メタンのような非極性溶媒の方が大きく、室温における
D値は1.5〜2程度である。一方、極性溶媒の室温のD
値は大きくとも0.4程度で、純水の場合は約0.2である。
ここで、オゾンが無色の溶媒に溶解すると、その溶液は
オゾン濃度に応じた青色を示す。オゾン水の青色を標準
として、これとの対比において40℃の炭酸エチレン液と
炭酸プロピレンのD値を求めたところ、いずれも約0.25
であった。一方、溶媒の種類の如何に関わらず、液温の
上昇とともにD値は減少し、オゾンが溶解しにくくなる
傾向がある。多数の文献や過去の実験結果をまとめた結
果、D値の常用対数は液の絶対温度の逆数の一次式で示
され、この絶対温度逆数の係数は溶媒の如何に関わらず
ほぼ同じ値を示すことが明らかになった。これにより概
算すると、室温から100℃程度の範囲においては、液の
温度が10℃高くなる毎にD値が約8/10づつ減少する。
これに従うと、20℃の炭酸プロピレンのD値は約0.4弱
であるところ、50℃におけるD値は0.2となるが、これ
でも室温における純水の場合とほぼ同等のオゾン可溶性
を有しており、濃度が250mg/Lのオゾンガスを通気す
ると、炭酸プロピレン液中の溶解オゾン濃度は50mg/
L程度となり、処理後に溶解・分散したレジスト由来の
成分は、十分な速さで分解されることとなる。また、炭
酸エチレンおよび炭酸プロピレンはどちらの場合でも、
80℃におけるD値は約0.1、また、100℃におけるD値は
約0.05と推測され、高温におけるオゾン溶解性は低下す
るが、それでも、より高濃度のオゾンガスを通気使用す
ることにより、上述したオゾンガス処理による実用的効
果を期待することができるので、100℃までの温度にお
いてオゾンガス処理が活用できる。
【0022】[オゾン溶解処理液の活用]上述した有機
被膜除去処理後の処理液中の有機被膜由来の成分のオゾ
ンガス処理による処理液の再生・循環再利用にとどまら
ず、有機被膜の除去工程においてもオゾンを溶解させた
処理液を使用すると、剥離・除去自体において性能が著
しく向上することが明らかとなった。
【0023】ヨードメトリーによって酸化性物質の分析
を行うと、オゾンを溶解させた処理液中には液温が高く
なるほど過酸化物と推定される反応生成物が比較的多く
存在することがわかったが、その量自体は僅かなもので
あり、また、この生成物の剥離・除去に寄与する程度は
少ない。したがって、オゾン溶解による効果は、処理液
である炭酸エチレンないし炭酸プロピレンとの相乗的な
ものであり、レジスト等の溶解と溶解成分の分解による
ものと考えられる。
【0024】例えば、イオン注入等を行っていない(変
質していない)ノボラック樹脂系ポジ型レジストに対し
ては、オゾンを溶解させない炭酸プロピレン処理液の場
合と比較して、オゾンを溶解させた処理液を用いると、
20℃では5倍、30〜40℃では2倍の剥離速度が得られ、
オゾン溶解効果は顕著であり、その結果、処理時間を短
縮することが可能となる。したがって、処理液の温度を
上げる場合と同様に、オゾンを溶解した処理液を用いる
ことも有効であり、枚葉スピン処理において十分な効果
が得られる。
【0025】予め別途オゾン溶解処理液を調製する場
合、高温ではオゾンの溶解度が低下しやすいため、液温
は50℃以下であることが望ましい。また、レジスト剥離
工程で基体表面に液膜を形成するに至る過程(供給配管
等)で処理液中のオゾン濃度が低下しやすいことから、
その処理液の供給装置が多少複雑となるが、50℃以下で
強力な剥離処理が望ましい場合、例えば金属配線膜加工
でドライエッチングしたレジスト剥離には有用である。
【0026】装置的に簡便な方法は、処理液とオゾンガ
スを同時に基板面に投射して液膜処理する方法である。
この場合は、処理液へはオゾンはあまり溶解しないと考
えられるが、室温条件における炭酸プロピレンの場合で
比較すると、オゾンガスを予め通気した炭酸プロピレン
への浸漬処理に対し剥離速度には実質上の差異がなく、
少なくとも変質をあまり受けていないレジスト膜に対し
てはこの簡便な方法でも十分な剥離効果を得ることがで
きる。例えば、液晶用の大型ガラス基板をその面を含む
平面で移動して行う連続工程において、レジスト剥離を
処理液のスプレーで行う場合、基板面上で液膜が移動す
るような傾斜を設けることにより、この処理液とオゾン
ガスを同時に基板面に投射する方式が簡便に利用でき
る。
【0027】80℃以下の液膜処理で剥離能力を効果的に
高めるには、液膜の温度はできるだけ高く、かつ液膜面
に接するオゾンガスの濃度を最高に保てばよい。液膜で
は液のオゾン濃度がガスのオゾン濃度と瞬時に平衡に達
し、液膜のオゾン濃度は十分な効力が得られるまでにな
る。そのためには、処理面上のオゾンガス空間の厚みが
十分薄くできるような装置上の設計が必要となる。この
ような手法によれば、1×1014/cm2のイオン注入を行
って変質した厚さが1.5μmのレジストの場合であって
も、温度80℃の処理で、リンスを含めて30秒以内に剥離
でき、十分の生産性で枚葉スピン処理が実施できる。
【0028】なお、炭酸エチレンないし炭酸プロピレン
はいずれも沸点が高いので、新しい処理液でリンスして
スピン乾燥してもこれらの分子の膜がウェハー表面に吸
着残存する可能性が高い。したがって、超純水によるリ
ンスを引き続き実施することが望ましい。しかし、一旦
ウェハー面が乾燥すると、基体や膜の下地がシリコンの
場合、空気により自然酸化膜が直ちに形成して残存した
微粒子がこの膜に捕捉され純水洗浄で除きにくくなる。
炭酸エチレン液リンスの場合であれば、ごく薄い液膜が
残った状態で室温に冷却すると、炭酸エチレン液膜は固
化するので、基盤表面は固化膜により環境雰囲気から隔
離され保護できるという利点がある。その後、別の純水
リンス系へ搬送しリンスを行えばよい。
【0029】[レジスト膜除去剤]上述したように、液
状の炭酸エチレン、炭酸プロピレンまたは炭酸エチレン
と炭酸プロピレンとの液状混合物は、基体表面の有機被
膜、特にレジスト膜を剥離・除去するための処理液とし
て有用である。そして、レジスト膜の剥離・除去に際し
て、前記処理液に脂肪族カルボン酸系の錯化剤(キレー
ト剤)を添加・配合すると、鉄、ニッケル、アルミニウ
ム、クロム、銅、亜鉛等およびその他の重金属不純物が
基体のシリコン面、酸化膜面等に吸着して再汚染し難く
なることが明らかとなった。
【0030】上記作用を有する本発明に係るレジスト膜
除去剤は、炭酸エチレン、炭酸プロピレンまたは炭酸エ
チレンと炭酸プロピレンとの混合物に対して、0.01〜2
重量%の脂肪族カルボン酸系錯化剤を含有させてなるも
のである。炭酸エチレンは常温で固体であるが、使用に
際して加温して液状とする。炭酸エチレンと炭酸プロピ
レンとの混合物の混合割合は、室温で混合物が液状とな
ることが必要であることから、また、オゾンとの反応を
抑制するために、炭酸エチレン/炭酸プロピレンの重量
比が、4〜2/3、好ましくは3〜1となる範囲であ
る。
【0031】脂肪族カルボン酸系錯化剤としては、酒石
酸、クエン酸、シュウ酸等を挙げることができるが、中
でも酒石酸およびクエン酸が毒性が少なく、錯化できる
金属の種類が多いので好ましい。その添加配合量は上記
のとおりであるが、より好ましくは0.03〜1.5重量%で
ある。酸としての添加量が多すぎると炭酸エチレンおよ
び/または炭酸ピロピレン自体が分解しやすくなるので
好ましくなく、逆に少なすぎると金属捕捉性能を発揮で
きない。また、上記脂肪族カルボン酸系錯化剤は、使用
時の液を中性に維持するために、水酸化テトラメチルア
ンモニウム、コリン等との塩として添加したほうが望ま
しい場合もある。
【0032】
【実施例】本発明に係る有機被膜除去方法および装置に
ついて、下記実施例により詳細に説明するが、本発明が
下記実施例に限定されるものではない。なお、下記実施
例で使用したオゾンガスは、放電方式のオゾン発生装置
に0.4%の窒素を含む酸素を2〜10L/分程度流して得た
オゾン濃度が約250mg/Lのものである。炭酸エチレン
と炭酸プロピレンとしては、いずれも試薬特級の純度の
ものを使用した。
【0033】また、高度化した超LSIの製造プロセス
では、ウェハー上の有機物量が極めて少ないこと(有機
炭素濃度で2×1013原子/cm2以下)が望まれていると
ころ、下記実施例でのレジスト剥離後のシリコン酸化膜
上の残存有機炭素の絶対量は、特開2000-39410号公報に
記載された試料作成法に従い、12C(d,n)13Nの核反
応により生成した13Nを化学分離し、その放出するβ+
の消滅放射線を同時係数法で計測するという、高感度な
荷電粒子放射化分析法により求めた。
【0034】[実施例1]図1に、カセットに入れた複
数枚のレジスト膜付ウェハーを、オゾンガスを通気した
炭酸エチレン融解液に浸漬して、該レジスト膜を除去す
る装置の概念図を示す。実験用に作られたドラフトは前
室1、清浄化された空気が導入されている処理室2およ
び後室3に仕切られており、全面には開閉可能なガラス
戸があるが、操作時にはドラフト内と外部とは隔離され
るようになっている。下記のバルブ類は全て電磁弁であ
り、これらと送液ポンプおよび(カセット移送のため
の)ロボットは、全外部における操作によって作動す
る。
【0035】6″ウェハー4が7枚入る石英ガラス製カ
セット5を前室1から背部に排気口(図示せず)を有す
る処理室2に入れ、また処理後後室を経てドラフトから
取り出せるように、前室1と後室3には、処理室内のオ
ゾンガスを含む雰囲気をドラフト外に漏らさないための
空気置換機構(図示せず)と開閉できる戸口6が設けら
れてある。処理室2には、石英ガラス槽7、8および9
があり、槽7はカセットの処理行う約3Lの炭酸エチレ
ン液の槽であり、槽8は未使用の炭酸エチレン液でスプ
レーリンスを行う槽である。また、槽9は超純水による
オーバーフローリンス槽である。
【0036】槽7では、供給管10で炭酸エチレン液が
槽内に供給される。該槽内の下方には、オゾンガス発散
器11と浸漬処理液を所定の温度に保持する加熱器12
が具備されており、前者はオゾン発生装置(図示せず)
からバルブ13を介してオゾンガスを導入するガス導入
管14に接続している。ウェーハの入ったカセット5は
ロボットアーム15(ロボットは図示せず)で処理室に
導入され、槽7の処理液中に移送されて、所定時間浸漬
される。次いで、槽8に移送される。槽8には炭酸エチ
レン液スプレー用ノズル16が、カセットが槽内にセッ
トされている時のみ、その上に位置するよう水平回転ア
ーム17の先端に取り付けられている。このアームの回
転軸18は、回転機構19で作動する。なお、このアー
ムと回転軸はリンス液輸送管を兼ねており、バルブ20
を介して圧送機能をもつ原液タンク(図示せず)と結ぶ
リンス液供給管21と回転機構19内で接続している。
【0037】炭酸エチレン液によるスプレーリンスを終
えたカセットは、ロボットで槽9内に運ばれ、バルブ2
2を介した導入管23で供給される超純水でオーバーフ
ローリンスされる。24はステンレス鋼製の外槽で25
は排水管である。槽7および8には、それぞれ、処理室
下方の液供給系室28の中に装備されているフッ素樹脂
製薬液供給槽26および27が付設されている。槽27
の上方には、リンス排液導入管29がバルブ30を介し
てリンス槽8の絞り込まれた下端と接続している。ま
た、槽27の下方には炭酸エチレン液を導入する処理液
供給管31があり、バルブ32を介して圧送機構のある
原液タンク(図示せず)と連結している。槽27内の液
は、まず槽26へ移送されるが、この移送のために送液
ポンプPと三方バルブ33を備えた連結管34が用いら
れる。なお、35は排気管である。
【0038】槽7の底に設けた液排出管36は、バルブ
37を介して槽26の天井部に連結している。また、槽
26内の下方には不活性ガス(窒素あるいは高純度空
気)を通気させる発散器38がバルブ39を介し不活性
ガス導入管40に連結して具備されている。なお、槽2
6の底部にはバルブ41で液の排出ができる排出管42
が設けられている。槽26内で不活性ガスによりオゾン
が脱気された液は、送液ポンプPにより微粒子除去用精
密フィルターF(フッ素樹脂製)を通って液供給管10
で槽7に運ばれる。
【0039】炭酸エチレンの融点は36℃のため、処理液
が40℃以上に保持できるよう、槽26および27には、
その内部の底部近くに加熱器12が設けられている。ま
た、炭酸エチレン原液タンクも加熱器を設け、さらに液
の配管の大部分はフッ素樹脂管を用い、かつ保温材を巻
き付けて処理系全体で炭酸エチレンの固化を防止してい
る。すなわち、図1で図示された太線部分は、内部が40
℃以上に保てるような保温対策が講じられている。
【0040】上記の装置を稼動させて、液温40℃の炭酸
エチレン液のレジスト剥離効果を調べた。使用した試料
は、酸化した6″シリコンウェハーの表面に、HMDS
処理を行い、ノボラック樹脂系I線用ポジ型レジスト
(商品名:IX555、JSR(株)製)を1.5μm塗
布し、140℃で60秒間ベークしたものである。まず、この
1枚をカセットにセットし、槽7中の炭酸エチレン融解
液に250mg/Lの高濃度オゾンガスを2L/分で5分間
バブリングさせ、42℃の液がオゾンを溶解した結果、僅
かに青色になったのを確かめた後に、前記カセットを液
に浸して、レジストの剥離状況を肉眼で観察した結果、
4秒間で剥離がで完了したことを確認した(剥離速度:
22.5μm/分)。その後、直ちにカセットを引上げ、槽
8で炭酸エチレン液スプレーリンスを2秒間施し、次に
槽9で超純水のオーバーフローリンスを3分行い、スピ
ン乾燥して顕微鏡で表面の観察を行ったところ、剥離さ
れていない部分は認められなかった。なお、カセットを
引上げた直後の槽7中の液温は40℃であった。
【0041】一方、槽7においてオゾンを通気せずに同
様に試料1枚のカセットを浸漬したところ、肉眼的には
5秒間で剥離が終了した(剥離速度:18μm/分)。40
℃における炭酸エチレン液自体の溶解能力は高く、オゾ
ンガスを通気しなくても十分に短時間でレジスト剥離が
行われることが示された。なお、レジスト剥離後の液は
淡黄色に変化した。
【0042】次に、カセットの溝の全部に7枚の試料ウ
ェハーを入れて、上記のように槽7にオゾンを通気した
のち、6秒間浸漬し、槽8で炭酸エチレン液で4秒間ス
プレーリンスした。スプレーノズル16はセラミック充
円錐ノズルを使い、噴量はほぼ500mL/分とした。槽9
における5分間の超純水リンスとスピン乾燥を行ったと
ころ、肉眼的にはすべてレジストは剥離されていた。そ
れぞれのウェーハから2cm×2cmのチップを切り出
し、荷電粒子放射化分析で残存有機炭素量(原子/c
2)を求めたところ、平均で1.8×1013、最大でも2.1
×1013であり、HMDS層を含めてレジストは十分に除
去されていることが分った。またカセットを取り出した
後の炭酸エチレン液は、淡黄色でなく淡い青色であっ
て、明らかに液中でオゾンによる剥離レジスト成分の分
解が進んでいることも分かった。
【0043】[実施例2]上記実施例1で確認されたよ
うに、剥離レジスト成分がオゾンにより分解しているこ
とから、レジスト剥離に用いた処理液は多数回使用でき
る筈である。同じく図1記載の装置を用い、その処理液
の再生機構の活用について説明する。
【0044】実施例1と同仕様の試料7枚入りのカセッ
トを用いて、実施例1と同様に剥離、リンスおよび乾燥
処理を行った。槽7において、カセットを引上げた後も
液に1分間オゾンガスを通気して溶けたレジストを分解
し、バルブ37を作動させて槽7の液の全部を槽26に
移した。ついで、バルブ39を作動させて窒素ガスで液
をバブリングした。1分間で液に溶解しているオゾンが
脱気するので、その後、送液ポンプPで精密フィルター
Fを通じて濾過した炭酸エチレン液を槽7に戻した。バ
ルブ11を作動させて実施例1と同様にオゾンガスのバ
ブリングを5分間行い、次のカセット処理を実施した。
【0045】こうして、レジスト剥離・分解−液中オゾ
ンの脱気−フィルタリングを30回繰り返して、すなわ
ち、オゾンを通気した40℃炭酸エチレン液を用いて、同
仕様のレジスト膜付ウェーハの210枚についてレジスト
剥離した後の最後のカセット処理の試料においてもレジ
スト剥離は十分に行われていた。したがって、同一液で
の30回程度の繰り返し使用、すなわち5時間程度の装置
連続稼動によっても、オゾンによる炭酸エチレン液のレ
ジスト剥離能力の低下はなかったことから、炭酸エチレ
ン自体の実質上の分解・劣化は生じていない。このこと
は、一般の溶剤処理では溶剤の剥離能力が溶解レジスト
量の増加により低下することと比較して、本発明が極め
て顕著な利点を有することを示すものである。このよう
な連続稼動では、レジスト剥離時間が3分を要する場合
であっても、従来の多槽浸漬洗浄装置と同程度の十数分
のタクトタイムで繰り返し剥離処理が可能である。
【0046】これらの繰り返し稼動において、槽8内の
リンス液は開放されたバルブ29を経て槽27に溜ま
る。槽7の液は所定処理回数使用した後、槽26に移し
てバルブ41により排液槽(図示せず)に排出する。次
いで、バルブ33を作動させて槽27の炭酸エチレン液
を補充し、この液を槽26を経て槽7に移す。以後は上
述のような稼動を繰返すことができる。
【0047】[実施例3]炭酸プロピレンは室温で液体
であり、その化学的性質は炭酸エチレン液と同様である
ので、図1記載の装置を用いて炭酸プロピレンによるレ
ジスト剥離・除去について説明する。カセットに実施例
1と同仕様のウェハー試料を1枚セットし、実施例1の
1枚処理と同様の処理条件で炭酸エチレン液を炭酸プロ
ピレンに変更する以外は実施例1記載のオゾンガス通気
の場合と同様にして、剥離性能の液温度依存性を調べ
た。結果を表1に示す。表1中、剥離所要時間は肉眼観
察により、剥離速度はこれから求めた値である。
【0048】液中のオゾン濃度は、通常はヨードメトリ
ー、すなわちヨウ化カリウムの酸化量(生じたヨウ素の
量)で求めている。液に対するオゾンの溶解度は液温の
上昇と共に低下することが知られており、したがって、
通常、オゾン溶解液の温度上昇とともにヨードメトリー
で生じるヨウ素量は低下するはずである。しかし、炭酸
プロピレン中では炭酸プロピレン分子自体がオゾンと反
応して別の酸化性物質が生じ、その量は液温の上昇とと
もに増えると考えられる。すなわち、結果としてヨード
メトリーによるヨウ素生成量が増加する。そこで20℃の
場合のヨウ素生成量を1として、各温度についてのヨウ
素生成量を比率的に示した。
【0049】
【表1】 次に、炭酸プロピレン槽にオゾンガスを通気しない場合
の結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示されているとおり、オゾンガスを
通気しなくても、浸漬温度が高くなると剥離速度が顕著
に大きくなる。液の高温化でレジストの溶解度が高まっ
たためである。炭酸プロピレンにオゾンを通気すると、
液は淡青色を呈し、その色の濃さは液温の上昇により淡
色化するが、40℃でもごく淡い青色が観察される。表1
および表2の比較により、液中オゾン濃度が比較的高い
液温20℃では、オゾン通気の場合、通気しない場合に比
し剥離速度が約5倍上がっており、オゾン効果が大きい
ことが分る。一方、30℃、40℃共に剥離速度が約2倍し
か上がらない。しかし剥離処理後の液であっても、オゾ
ン通気とともに僅かに淡い青色を示すことから、液温の
上昇により可溶オゾン濃度が低下しても、溶解オゾンの
分解効果があると考えられる。なお、炭酸プロピレンか
ら生じる酸化性物質は、剥離速度の向上に寄与している
可能性もあるが、その効果は顕著とはいえない。
【0052】同様の試料ウェハー2枚に対し、浸漬温度
を40℃として、オゾンガス通気の場合は浸漬時間を6
秒、オゾンガスを通気しない場合は10秒とし、いずれの
場合も炭酸プロピレンスプレーリンスを4秒、純水リン
スを5分行った。それぞれで2cm×2cmのチップを
切り出し、荷電粒子放射化分析で残存有機炭素量を求め
たところ、それぞれ、1.7×1013原子/cm2、2.0×1013
原子/cm2であり、炭酸プロピレンの場合も、炭酸エチ
レン液と同様の早い剥離速度で、十分にレジストが剥離
できていることが分る。
【0053】[実施例4]前記実施例1〜3から、炭酸
エチレン液も炭酸プロピレンも加熱により剥離速度の著
しい向上が期待される。そして、両者ともに沸点および
引火点が高く150℃程度までの処理は危険性がないこと
がわかっている。そこで、図1記載の装置を用い、従来
はアッシャーを使わないと十分な除去のできない高濃度
イオン注入後のレジスト膜に対し、40℃以上に加熱した
場合について剥離効果を調べた。
【0054】試料として、酸化した6″シリコンウェハ
ーに対し、ノボラック樹脂系ポジ型レジスト(商品名:
IX500(JSR(株)製))を1.5μm塗布したも
のに、130℃,4分間のベーキングを行い、さらに、全
面に11+による30keVのイオン注入を1×1014/cm
2および1×1015/cm2施したものを用いた。
【0055】図1の槽7のオゾンの通気は行わず、槽7
内の液温を40℃に高め、1×1014/cm2注入の試料を1
枚カセットに入れて浸漬し、レジストの剥離状況を肉眼
で観察した。炭酸エチレン液でも炭酸プロピレンでも5
分の浸漬ではレジスト面がギザギザ状となり一部が溶解
しているだけの状態であったが、別の1×1014/cm2
入試料で、浸漬温度を60℃に上昇すると、レジスト膜
は、炭酸エチレン液の場合は1分40秒、また炭酸プロピ
レンの場合は2分20秒で完全に剥離した。剥離速度は、
それぞれ0.9μm/分、0.6μm/分で、バッチ式の浸漬処
理ならば十分に実用化できる剥離速度である。前実施例
と同様にリンス・乾燥を行い、荷電粒子放射化分析で表
面残存炭素量を調べたところ、それぞれ3.1×1013/cm
2,3.4×1013/cm2であり、レジスト剥離はほぼ満足で
きるものである。
【0056】この1×1014/cm2注入の試料について、
炭酸エチレン液あるいは炭酸プロピレンを加熱して浸漬
したときの、剥離速度の温度依存性を調べた。結果は表
3に示す。
【0057】
【表3】 いずれも浸漬温度が高温になる程剥離速度は著しく大き
くなる。120℃でも蒸気圧がそれほど大きくなく、簡単
に排気できる。また蒸気の毒性は低いとされているの
で、このように高温処理でも人体への影響は少ない。炭
酸エチレン液の方が炭酸プロピレンより若干剥離能力が
よい。100℃以上での剥離能力からみて、単に液を加熱
するだけでも枚葉処理が可能となる。
【0058】一方、イオン注入が1×1015/cm2以上に
なると、レジスト変質部の硬化が著しく、このため、炭
酸エチレン液でも完全な溶解は難しく、ウェーハ上のレ
ジスト膜全体にイオン注入した試料では、細線状の微細
な未溶解物が分散した状態でレジストが剥離される。実
際のレジスト剥離の対象は微細パターン状であり、準備
したイオン注入ウェハーに対し、そのまま剥離テストを
行なうと実際のものとは処理条件が違い過ぎるので、イ
オン注入レジスト膜にダイヤモンドダイサーで1mm角
碁盤の目状の傷を軽く入れて剥離を行なった。結果を表
4に示す。
【0059】
【表4】 通常高濃度のイオン注入は酸化膜やチッ化膜上のレジス
トに対して行われるものであり、3分程度で100℃以上
の浸漬によっても、これらの処理液は中性有機物である
ことから酸化膜等への悪影響は考えられない。したがっ
て、1×1015/cm2以上の高濃度イオン注入試料でも、
100℃以上で可能な限り高温(例えば、200℃)で浸漬処
理すれば十分に除去できる可能性が高いと考えられる。
【0060】[実施例5]図2に、枚葉スピン処理で炭
酸エチレン液よる剥離を行う場合の装置を示す。枚葉ス
ピン処理のできる機構は、6″ウェハー4'の支持具4
3とその回転軸44と駆動部45とからなり、支持具4
3上のウェハー4'が低速から高速までスピン回転する
ように作られていて、底46のあるチャンバー47に収
納されている。炭酸エチレン液は液温を所定温度、例え
ば100℃に加熱できる加熱器48を具備した容器49の
中に加熱して液状で準備される。三方バルブ50の操作
で、送液ポンプPにより微粒子除去フィルターF、配管
51を経てその先端にあるノズル52より1〜2mL/
分の流量でウェハー4'上に供給される。
【0061】高温に加熱した炭酸エチレン液は、極めて
短時間にレジストを溶解しその遠心移動する液膜が溶解
物を効率よく放出する。剥離の難易と処理温度に応じ
て、剥離処理時間は数十秒から数秒とする。回転数は10
0〜200rpmが好ましい。リンスを行なう場合は、約1,
000rpmで数秒でよい。レジストを溶解してチャンバ
ーの底に到達した処理済みの液は、まず配管53により
排液冷却器54に移行し、約40℃に冷却されてから40℃
保温用加熱器55のある容器56にバルブ57により配
管58経由で落下させる。容器56内の液が所定量に達
したら、発散器用配管59によりバルブ60,61を介
してオゾンガス発生装置(図示せず)から供給されるオ
ゾンガスが発散器62で液に通気される。これにより、
炭酸エチレン液に溶解もしくは分散していたレジスト成
分はオゾニドを経由して急速に分解し、レジスト剥離後
の黄色であった容器内の液は、たちまち無色乃至淡青色
の透明状態となる。
【0062】この際、炭酸エチレン液はオゾンに対して
化学的にかなり安定であるが、オゾンにより反応生成物
(おそらく過酸化物)を生じる。この生成物はレジスト
剥離能力にはほとんど影響を与えないが、処理時間とと
もに徐々に増え、この発生は液の変質を伴うので、でき
るだけ抑制する必要がある。したがって、オゾン通気に
より、レジストが分解し液が無色かもしくは淡青色化し
たらバルブ61を閉めてオゾンガスの通気を中止する。
次いでチッ素ガス供給管に接続したバルブ63により、
チッ素ガスを容器56内の液に通気し、溶解しているオ
ゾンを脱気する。こうして炭酸エチレン液は再生され
る。再生液はバルブ64と送液ポンプPで連結配管65
により加熱器66を備えた容器67に送られる。容器6
7内に溜まった液が所定量に達したら、液を所定温度ま
で加熱して再生液供給管68から三方バルブ50と送液
ポンプPとでスプレーノズル52へ液を供給する。容器
49からの新液供給と交替するもので、この後該容器の
液はスプレーリンスのみに使用する。なお、バルブ69
は原液タンク(図示せず)からの配管70に設けた原液
供給用である。また71は排液用のバルブで、72は排
気孔である。
【0063】チャンバー内の第2のノズル73は冷却器
(図示せず)により冷却された空気を送る冷風供給管7
4に接続し、バルブ75で送風する。高温炭酸エチレン
液リンスの終わったウェーハは2,000〜3,000rpmで約
5秒面上からの脱液を行ない、続いてノズル73から冷
風を送り、ウェーハ面に残った炭酸エチレンの薄層を固
化させる。
【0064】装置へのウェーハの供給と脱離は、ロボッ
ト(図示せず)によりカセットからウェハーを取り出
し、チャンバー47の蓋76を開けて支持具43にセッ
トする。蓋76を閉め上記剥離処理を行ない、処理終了
後ロボットでウェハー面に炭酸エチレン固化膜の形成さ
れたものを水洗用カセットに順次セットする。水洗用カ
セットが満たされたら通常の洗浄・乾燥装置で超純水に
よる水洗と乾燥を行ない、剥離が完成する。
【0065】液温80℃以上の処理では、かなり強いポス
トベークを行なった試料、すなわち140℃,3分程度の
処理をしたものでも、ノボラック樹脂系ポジ型レジス
ト、化学増幅型のポリビニルフェノール誘導体系ポジ型
レジスト、あるいは環化ポリイソプレン系ネガ型レジス
トのいずれを問わず、厚さ1μmのものは10秒以内に剥
離される。剥離速度は6μm/分以上である。この剥離
においては、リンス時間を含めて処理時間が極めて短い
ことと炭酸エチレン液自体が中性のため、配線用のA
l,Mo,W,Ti,ITO等の金属膜は実質的に侵さ
れない。
【0066】試料として、酸化膜をCF系の反応ガスで
ドライエッチングした場合の、通常は酸素プラズマによ
るアッシングで剥離している表面に変質層のあるレジス
トを対象とした。実際のデバイスパターンに近いパター
ンが形成されたTEGウェハーで、レジストはノボラッ
ク樹脂系のTFR−910PM(商品名、東京応化工業
(株)製)で、膜の厚さは1.2μmである。100℃の炭酸
エチレン液で200rpm,15秒の処理を行ない、更にリ
ンス洗浄は同じ処理液で1,000rpm,5秒を施し、2,5
00rpmで5秒間遠心脱液処理した。冷風でウェハー面
を固化した後、別の枚葉のリンサードライヤーで超純水
洗浄と乾燥を行った。表面の電子顕微鏡観察より、レジ
ストが確実に除去されていることが分った。また、レジ
スト剥離速度は5μm/分であった。
【0067】[実施例6]枚葉スピン剥離で、室温の炭
酸ポリプロピレン液とオゾンガスを同時にレジスト面に
吹付けて効率よく処理を行なう例を示す。図2に記載し
た装置を用いるが、当初槽49に炭酸ポリプロピレンを
供給し、各槽の加熱器を使用しないことと、冷風供給管
74をオゾンガス供給管に変更し、流速5〜10L/分で2
50mg/Lの濃度のオゾンガスを炭酸ポリプロピレン液
と同時に供給できるように改造した。さらに、乾燥段階
で高圧チッ素ガス吹付けがウェーハ中心に向けてできる
ように別のノズルと配管系を設けた。以上の変更点以外
は、実施例5と同様に操作を行う。
【0068】剥離試験に使用したウェハーは実施例1と
同仕様のものである。室温,200rpmの処理条件で、
肉眼的には10秒で剥離できた。剥離速度は9μm/分で
ある。さらに5秒処理を続けた後、リンス相当の処理を
1,000rpm,5秒施し、続けてウェハー中心に向けて
高圧チッ素吹き付けを行いつつ2,500rpmでスピン乾
燥を行なった。乾燥後は、前実施例と同様に改めてリン
サードライヤーで超純水リンスとスピン乾燥を再度実施
した。このウェハー表面の残留炭素量を荷電粒子放射化
分析で実施したところ、1.9×1013原子/cm2であり、
十分にレジストは剥離されていることがわかった。
【0069】[実施例7]上述のとおり処理液温度を高
くするとオゾンの溶解度が低下するので、実施例6記載
の方式では、ウェハー表面の炭酸プロピレン液膜中のオ
ゾン濃度が十分に上がらないため、剥離効果の大幅な向
上が期待できない。そこで、装置を図3記載のとおりに
改造し、限られた比較的薄い層状間隙においてウェハー
面にオゾンガスを供給する例を示す。
【0070】図3において、チャンバー47には、ウェ
ハー4'が支持具43に装填されている間だけ、その先
端の炭酸プロピレン液吐出口77でウェハー4'中央に
液を吐出できる回転可能な炭酸プロピレン液供給管78
の軸受け79と、同様にその先端の放出口80で、ウェ
ハー中央に高濃度オゾンガスを放出する回転可能なガス
供給管81の軸受82が付属している。
【0071】さらに、オゾンガスをウェハー面に放出す
る間、ウェハー全面を覆い、液供給管およびオゾンガス
供給管の受け入れ箇所以外はウェーハ面と層の間が約5
mmとなるように、屋根状の石英ガラス製フード体83
が配置されている。なおウェハー脱着の際はこのフード
体は蓋部と共に上方に移動して待機する。炭酸プロピレ
ン供給管78は上記図2の微粒子除去用フィルターFに
接続している。一方、ガス供給管81はオゾン濃度250
mg/Lでガス流量4L/分のオゾンガスを発生する高濃
度オゾンガス発生装置(図示せず)に接続している。そ
の配管にはバルブ84に近く、三方バルブ85により発
生装置からのオゾンガスを一旦貯蔵し自動ピストン86
で約2Lのオゾンガスを約10秒間でガス放出口80から
放出できるシリンダー87が結合されている。このシリ
ンダーは内部のオゾンガスが加熱できるよう加熱体88
で覆われている。なお、上記実施例6でチャンバー47
に設けた、乾燥段階で高圧チッ素ガス吹付けがウェハー
中心に向けてできるようにしたノズルと配管系はこの改
造でも具備されている。
【0072】レジスト剥離・除去処理は以下のように行
う。試料として上記実施例4の1×1014/cm2イオン注
入ウェハーを用いた。まず、約80℃に加温された(加熱
器図示せず)高濃度オゾンガスを、予めフッ素樹脂製三
方バルブ85から約30秒間、ピストン86をもつシリン
ダー87に送って、シリンダーの約2Lの貯蔵容積分を
充填しておく。88はガス保温用の加熱体である。フー
ド体83を付属させた蓋76を上方に上げて、ウェハー
4'を支持具43に装填した後、液吐出口77とガス放
出口80をウェハー中央部に位置せしめ、 蓋を閉めてフ
ード体83を下げウェハー全面を覆う。ウェハーを約60
rpmで低速回転させ、80℃に加熱した炭酸プロピレン
液を、送液ポンプPで約5mL吐出させると、瞬時に全
面に炭酸プロピレン液膜が形成される。ここで一旦回転
を停止する。三方バルブ85とバルブ84を操作してシ
リンダー87内に貯えてある約80℃の高濃度オゾンガス
約1Lを5秒でウェハー面に放出すると、ほとんどのレ
ジストが剥離される。放出終了と同時にウェハーを500
rpmの中速回転とし、炭酸プロピレンを200mL/分の
流速で約5秒放出し一次リンスとする。リンス後、再び
回転と液の放出を停止してシリンダー内の残り約1Lの
高濃度オゾンガスを5秒間でウェハー上に放出して剥離
を完了した後、1次リンスと同様に2次スピンリンスを
行う。リンス終了後、フード体を上方に移動して蓋76
の開いた状態で、ウェハー中心に向けて高圧チッ素ガス
を吹付けつつ約2,500rpmでスピン乾燥を行った。ウ
ェハー面が一応乾燥した段階でチャンバーからウェハー
を取り出して、 前実施例と同様にリンサードライヤー
で仕上げ純水リンス・乾燥を行った。その結果、80℃で
の浸漬処理の場合に比し,枚葉処理ではるかに速い剥離
ができた。ウェハー面に残存した有機炭素量は、2.2×1
013原子/cm2であった。
【0073】[実施例8]アルミニウム膜のドライエッ
チングにはCl系やBr系のガスが使われる。この場合
レジスト面や加工部側壁の変質膜にこれらの腐食性ガス
が残留し、アッシングでも除けないので、後続して湿式
処理が必要となっている。このような処理対象に本発明
を適用するには、残存ハロゲンによるアルミニウム腐食
の危険を防ぐため、なるべく低温で処理することが望ま
しい。そこで、オゾンを添加した室温の炭酸プロピレン
でレジストを剥離する実施例を示す。上記実施例3で示
したように、ポストベークされただけのノボラック型レ
ジストの剥離速度は室温で約10μm/分と極めて速い。
したがって、ドライエッチング後のものでも短時間剥離
が可能と考え、上記実施例6で行った改造に対し、オゾ
ン添加処理液が使えるようにさらに改造を加えた装置で
枚葉スピン方式の剥離を行った。図4はこの改造の部分
を示す。
【0074】処理液ノズル52は導入管89で石英ガラ
ス製の内容積約1.5Lのオゾン飽和容器90に直結され
ている。この容器には、改造前の処理液供給用配管5
1、内部のオゾンガス発散器62のためのガス導入管9
1並びに排気と圧送用ガス導入管を兼ねた内圧調整管9
2が付属している。オゾンガスは、発生装置からの配管
93によりバルブ94で供給される。液に通気されたガ
スは三方バルブ95で排気される。剥離処理は配管96
で供給される高圧チッ素ガスにより、減圧用バルブ97
と三方バルブ95の操作で、オゾン飽和炭酸ポリプロピ
レンを所定時間ノズル52に送液することで行われる。
【0075】上記実施例6のオゾンガスノズルに換え
て、炭酸プロピレンの新液によるリンス用ノズル98を
ノズル52に並列させる。リンス液は槽49に付加した
リンス液供給管99により、送液ポンプPで微粒子用フ
ィルターFを経由してノズル98に供給される。
【0076】この実施例では、アルミニウム膜をCl系
の反応ガスでドライエッチングをした場合の、通常はア
ッシングでレジスト剥離をしているノボラック樹脂系ポ
ジ型レジストを対象とし、実際のデバイスパターンに近
いパターンが形成されたTEGウェハーを作成して試料
とした。レジストの膜厚は1.2μmである。
【0077】室温の炭酸プロピレン1Lを容器90に満
たし、250mg/Lの濃度のオゾンガスを2L/分で5分
通気した。三方バルブ95を操作してチッ素のガス圧に
よりノズル52から120mL/分の流速でオゾン飽和炭酸
プロピレンを30秒ウェハーに投射した後、槽49の炭酸
プロピレンを送液ポンプPによりノズル98に供給し、
同様の流速で5秒リンスを行った。以降は、実施例6と
同様に処理し、超純水洗浄・乾燥後の表面を電子顕微鏡
で観察した。残存レジストは、加工部側面の変質膜を含
めて見出されなかった。
【0078】[実施例9]アクリル系合成樹脂塗料で塗
装された板状の鉄製部品の塗膜剥離および切削油の油膜
で覆われた機械加工部品の油膜除去に本発明を適用する
例を示す。(9-1)底にメガソニック振動板を備え、かつ
側面に加熱体を具備したステンレス槽内に80℃の炭酸エ
チレン液を満たし、液中にアクリル系合成樹脂塗料で塗
装された板状の鉄製部品を沈めて、1MHzの超音波照
射を行った。10分で塗膜の大部分が剥離され、かつ仕上
の洗浄は水のシャワーで十分であった。顔料のために処
理後の炭酸エチレン液は着色したが、この液に250mg/
Lの濃度のオゾンガスを2L/分で5分バブリングさせ
たところ、液は著しく退色した。(9-2)加熱できるステ
ンレス槽に炭酸エチレン液を満たし、100℃に加熱し
て、切削油の油膜で覆われた機械加工部品を2分浸漬し
た。切削油は液に溶解し、油膜を除去することができ
た。処理液は淡黄色に着色したが、この液に対し、上記
と同様のオゾンガスバブリングを行ったところ、着色は
約5分で消失した。
【0079】[実施例10]実施例4では、1×1014/
cm2イオン注入硬化レジストが、加熱した炭酸エチレ
ンで剥離できることを示したが、剥離後の液にはごく微
細な硬化部の細片の僅かな量が分散している。同一の液
で繰り返し剥離処理を行うと、この分散量が漸次増大し
て剥離面に付着し、リンスによる除去を強化しなければ
ならなくなる。そこで、この炭酸エチレン液の温度を約
40℃に下げ、250mg/Lの濃度のオゾンガスをバブリン
グさせると、この細片は1〜2分で分解して液に溶け込
み均一な液相が得られる。こうなると微粒子用フィルタ
ーに苛酷な負荷を与えることなくこの処理液を循環再使
用に供し得る。
【0080】図5は、このような目的に適したバッチ式
の処理システムの概念を示すものである。このシステム
には図1と同様のドラフトやウェハー4を移送するため
のロボットが必要であるが、まったく類型的なのでこれ
らについては記載を省略する。ただし、ウェハーの移送
にはカセットを使用せず、剥離槽100、処理液リンス
槽101、超純水リンス槽102の各々に設けられたウ
ェハー受け台103、104、105上に順にウェハー
だけを抱えて運ぶウェハーチャック(図示せず)を使
う。このシステムでは6゛ウェハー8枚が6mmの間隔
で垂直に並び、約3Lの液内で処理される。剥離槽10
0の中には炭酸エチレン液を150℃まで加熱できる加熱
器12を設け、また処理液リンス槽101には同様の加
熱器12’を設けて中の約3Lの炭酸エチレン液を約40
℃に保つ。新しい炭酸エチレン液は、原液槽で約40℃に
加熱されてバルブ20を介してリンス用処理液供給管2
1(以下、液用の配管は太線で示す)から槽101に供
給され(原液槽は図示せず)、小容積の脱オゾン槽10
6にも連結管107を通して移動する。この槽を満した
液が連結管108でオーバーフローして剥離槽に移り、
槽内で約3Lに達したところでバルブ20を閉止し、処
理液の準備が終了する。なお、槽106の底には保温用
の加熱器12と高純度チッ素をバブリングして溶解オゾ
ンを脱気する発散器109がバルブ110を介して該チ
ッ素の導入管111に連結して設けられている(以下、
ガス配管は太い破線で示す)。槽101の加熱器12’
の上に設けられたオゾンガス発散器11にはバルブ13
を介してオゾンガス導入管14が接続している。なお、
超純水リンス槽102は、配管が図示されていないがオ
ーバーフロー構造であって、ウェハー受け台105に
は、純水リンス後の乾燥が一般的な24〜25枚1バッチの
処理方式と整合するように、3回の処理分、即ち24枚を
並べられるウェハー溝が設けられている。槽102は細
長で、ウェハー受け台105'、105"を並列させ、ウ
ェハーは水面上に出ることなく6分毎に次の受け台に移
動してリンスされ、最後にバッチ式のスピン乾燥器に供
される。なお、この槽には受け台間にウェハー移動時だ
け引上げられる堰112が設けられている。
【0081】この実施例では、実施例4で用いたB+
×1014/cm2イオン注入硬化レジストウェハーをテスト
の対象とした。槽100の液を80℃、槽101の液を40
℃に調整した後、250mg/Lの濃度のオゾンガスを槽1
01の液に2L/分の流量で通気する。同時に槽106
のチッ素通気も開始する。オゾンガスを5分通気した
後、ウェハー8枚を槽100にセットして1分浸漬し、
液から引上げて液の滴りが終ったウェハーを槽101内
にセットしてオゾン添加炭酸エチレン液で1分間リンス
(この間にウェハーと共に持ち込まれた溶解レジストと
硬化レジスト細片は分解する)し、槽100と同様に引
上げてオーバーフローしている槽102の純水内に転送
する。同様にウェハー8枚を剥離ロットとして剥離・リ
ンス処理を繰り返し、受け台105が24枚で満たされた
らリンス・乾燥を上述のように実施する。この24枚のす
べての肉眼観察においてレジストは完全に剥離されてい
た。更に抜取りで顕微鏡観察も行ったが、レジストは剥
離されており、硬化レジストの細片もまったく観察され
なかった。また2枚を抜取り荷電粒子放射化分析で表面
残存有機炭素量を求めたところ、各々(1.8,2.9)×1014
原子/cm2であった。このイオン注入硬化レジストは1
分以内の短時間で十分に剥離できている。したがって、
ドライエッチング後の硬化レジストも同様に短時間剥離
ができる。
【0082】[実施例11]実施例10の装置と処理方
法により、実施例4におけるB+1×1015/cm2注入硬
化レジストウェハーをそのまま(ダイヤモンドダイサー
処理を行うことなく)剥離テストを行った。ただし、槽
100の炭酸エチレン液の温度は150℃とし、浸漬時間
は2分とした。テストは2枚だけで行われ、乾燥後は前
実施例と同様の観察を行ったが、十分に剥離され、硬化
レジストの細片も見られなかった。荷電粒子放射化分析
による残存有機炭素の定量は、各々(2.5,3.6)×1013
原子/cm2で若干多目ではあるが、一応満足な清浄度が
得られている。
【0083】[実施例12]実施例10の剥離装置に対
して、上記実施例5の図2に示されたオゾン処理による
炭酸エチレン再生システムと同様の機構を設けた実施例
を、図5に示す。この再生システムは図2のガス処理容
器56並びに再生液容器67とほぼ同構造で、液の容積
は前者が槽100と同量以上、後者はその2倍量以上が
必要である。槽67には予め原液タンクから炭酸エチレ
ン液約4Lをバルブ113と原液供給管114で供給
し、液を80℃に加熱しておく。
【0084】実施例10のように、ウェハー8枚のロッ
トで6回の処理を終えた液は、バルブ37を開いて排液
冷却器54経由で、液温を約40℃に低下させて容器56
に移す。空になった槽100には槽67の加熱液を送液
ポンプPによりフッ素樹脂製精密フィルターF経由で供
給し、同時にバルブ20を開いて約200mLの新炭酸エ
チレン液を槽101に補充して、脱オゾンされた槽10
6からの液の移動で増量した槽100の液温を加熱器1
2で80℃に調整する。以降、実施例10と同仕様のウェ
ハー8枚ロットを同様に6回処理する。容器56内の炭
酸エチレン液に対しては約40℃に保持し、濃度250mg/
L、流量2L/分のオゾンガスバブリングを5分実施す
る。この処理で溶解していたレジストは分解し、液は濃
い褐色から微青色透明となり、また硬化レジスト細片も
分解して消失する。この後1分間同様の流速で高純度チ
ッ素をバブリングしてオゾンを脱気し、送液ポンプで液
を槽67へ移動させる。槽内で80℃まで5分間で加熱し
ておく。槽100内でウェハー8枚×6回の処理が終っ
たら上記のようにして液を槽56に移動し、次いで80℃
の液3Lを槽67から槽100へ移す。以降はこの一連
の処理を繰返す。8枚×6回の処理を16回行い、768枚
処理したところで約7Lになった槽67内の液と槽56
内の約3Lの液を排出させた。この排出液に対しては減
圧蒸留することにより精製炭酸エチレン液の効率のよい
回収が可能である。
【0085】最後に剥離を行った8枚のウェハーに対
し、肉眼観察並びに荷電粒子放射化分析による表面残留
炭素の分析を行ったが、実施例10の結果と有意な差は
なく、満足な剥離がなされていた。したがって、この一
連の処理で炭酸エチレン液1Lあたり77枚の剥離ができ
たことになる。一方従来の有機溶剤処理では、3Lの液
で8枚×6回=48枚が剥離できる。即ち、液1Lあたり
16枚の剥離能力である。したがって本実施例では、剥離
液所要量が約1/5となった。
【0086】[実施例13]半導体用のレジストは高純
度化しているが、洗浄用の超高純度薬品と較べると不純
物量は多い。したがって、前実施例のように剥離液の使
用回数が従来処理に比し5倍に増すと、最後の剥離処理
では従来の場合の5倍の不純物濃度となり、剥離された
面への該不純物汚染の危険が増す。炭酸エチレン液中の
不純物が剥離された面にどのように吸着するかを調べる
ために、Siデバイスでもっとも有害な重金属の1つで
あるFeについて放射性同位元素59Feで標識して放射
化学によるトレーサ法でその関係を求めた。その結果、
液中のFe濃度が50 ppbの場合、シリコン表面には(2.
7〜6.6)×1010原子/cm2、酸化膜には(8〜21)×10
10原子/cm2のFe汚染がみられた。この汚染量を109
原子/cm2以下のレベルにするには、炭酸エチレン液の
Fe濃度は各々1 ppbあるいは0.5 ppb以下が必要とな
る。もし、レジスト膜中に1ppmのFeが不純物として
あったとすると、前実施例の768枚では20μgとなり、
これが10Lの液に存在するとすると、レジスト由来のF
eの濃度は2 ppbとなり、したがってレジストに許され
るFeの量は250 ppbの計算となる。
【0087】しかし、剥離後の超純水リンスを10 ppmの
フッ酸を含む略称HFウォータでリンスすると、吸着汚
染したFe,Na,Cr,Ni等は上述のような放射性
同位元素標識によるトレーサ法で1桁以上低減できるこ
とが分った。この場合は、レジスト中の不純物量は数pp
mまで問題がなくなる。
【0088】一方、炭酸エチレン液や炭酸プロピレンに
カルボン酸系のキレート剤を1%添加して剥離処理を実
施したところ、どちらの液でも重金属不純物がシリコン
面や酸化膜面に吸着汚染し難くなることが分った。59
eで標識したFeを50 ppb炭酸エチレン液に添加し、こ
の液に酒石酸を1重量%添加した液で剥離処理を行った
ところ、添加のない場合と同様の剥離速度が得られた。
この場合、剥離された酸化膜面へのFeの吸着汚染は前
記同様のトレーサ手法で、8×10原子/cm2であるこ
とが分った。また炭酸プロピレンに57Niで標識したN
iを50 ppb添加し、この液にクエン酸を1重量%加えた
液で剥離を行ったところ、剥離速度に影響はなく、剥離
された酸化膜面へのNiの吸着汚染は2×108原子/cm
2であった。このようなキレート添加手法で剥離液の汚
染の影響を低減することも可能である。ここで使用した
カルボン酸系キレート剤は、炭酸アルキレン液中ではオ
ゾンとの反応が比較的弱く、剥離液繰り返し使用の著し
い妨げとはならない。
【0089】[実施例14]広く使われているバッチ処
理の多槽浸漬方式は複数の薬液処理槽と純水槽で構成さ
れていて、薬液第1槽は通常加熱される。この実施例で
は既存のこの方式をあまり変更せずに利用することを試
みた。アッシング後に残ったレジスト膜を有機溶剤で剥
離するプロセスに本発明の炭酸エチレンおよび炭酸プロ
ピレン混合液処理を適用する。硬化変質部が除かれたレ
ジストが対象なので、この混合処理液を50〜60℃に加熱
すれば簡単に剥離でき、リンスも直接水で行っても問題
はない。そこで実施例10の搬送系を利用して、剥離処
理のタクトを2分とし、図5の構成と類似した、即ち剥
離のための加熱処理槽100と純水リンス槽102で構
成される図6の剥離システムが使われた。バッチ処理は
6″ウェハー25枚を1ロットとして行われ、槽100
内の液量は8Lで十分であった。
【0090】この実施例でも槽100内では6ロット処
理する毎に、即ち12分毎に剥離液を交換するが、排出さ
せた該液のオゾンガスによる分解再生処理は、その機構
を付属させる余地が剥離装置のまわりに無い場合を考慮
して、該装置から離れた位置で行えるように、図6にそ
の概念を付け加えた。
【0091】剥離液として炭酸エチレンと炭酸プロピレ
ンを等量で混合した液を用いたが、0℃以下でも液体で
ある炭酸プロピレンは実施例3の表1から推測できるよ
うに室温以下に冷却しないとオゾンとの反応が明確には
減らない。等量混合物は室温で液体であって使いやす
く、室温でオゾンガスを通気したとき比較的オゾンとの
反応が弱い。オゾンを通気する温度が下がれば、レジス
トに対する分解作用も弱まるが、この場合は硬化レジス
トを対象にしていないので、十分な分解ができ、繰り返
し再生は十分に可能である。
【0092】液供給タンク115、115’と排液スト
ックタンク116、116’は各々容積100L、キャス
タ117付で同形状である。当初タンク115、11
5’には各々新処理液を満タンに充填しておき、まずタ
ンク115のバルブ118の付いた液取出し管119を
剥離装置の処理液供給用配管51に連結する。そこで送
液ポンプPにより、精密フィルターF経由で湯沸し器1
20を経て、液8Lを槽100に供給できる。
【0093】その液温を加熱器12で50〜60℃に保持し
て6ロットの処理をする。タンク116は当初空であっ
て、バルブ121付の液取入管122を槽100の液排
出管36に連結しておく。処理を終えた液はバルブ3
7、121を開けてタンク116に排出される。この際
冷却器54により液は室温まで冷却される。6ロット処
理を10回、2時間で実施したところでタンク115は1
15’に、またタンク116は116’に交換してロッ
ト処理を継続する。タンク115、タンク116はオゾ
ン処理装置のある場所に移動させる。オゾン処理装置
は、オゾンガス発生装置(図示せず)にバルブ61経由
で、高濃度チッ素の配管にバルブ63経由で連結するガ
ス発散器62を備えたガス処理容器56(処理液量5
L)が主体となっている。処理を終えたガスは排気孔1
23経由で排ガス処理施設(図示せず)に送られる。タ
ンク116の液取出し管119を容器56の液取入管1
24に接続、また容器56の液取出し管125をタンク
115の液取入管121に接続して、バルブ118、1
23並びに送液ポンプPによりタンク116から容器5
6に送液する。バルブ60、62、63の開閉でまず濃
度210mg/Lのオゾンガスを4L/分の流速で5分通気
し、続いて同流速でチッ素ガスを1分通気する。レジス
トはすべて分解し、液は微青色透明となる。ここでバル
ブ127、122と送液ポンプPで容器56内の液をタ
ンク115に移す。タンク116が空になるまでこの操
作を自動で繰返す。一方、剥離槽100で6ロット処理
10回が終ったら、満タンに近いタンク115と空のタン
ク116を移動して、剥離装置に連結しているタンク1
15’、116’と交換する。これらのタンクはオゾン
処理装置へ移動して連結を行い、以下上記の操作を繰返
す。14回のタンクの処理を終えた段階で両タンクの処理
液を排出させ、新液に交換するとすると、液1Lあたり
105枚の処理を行ったことになる。従来の6ロット処理
1回で処理液排出の場合1Lあたり19枚弱であるのに比
すると、処理液の使用量は1/5.5となり、実施例12と
同程度の再生処理効果が得られたことになる。
【0094】[実施例15]炭酸エチレンは消防法の危
険物でない利点があるが、室温で固体であり、使い難い
場合も多いので、室温でレジスト剥離ができるよう副剤
の添加を検討した。前実施例の炭酸プロピレンとの混合
処理がもっとも効果的である。しかし、混合液にすると
薬液のコストが高くなり、また排出液の回収のための蒸
留が厄介になる。剥離速度が2〜3μm/分程度に低下
しても室温の処理を望む場合は、水の混合が考えられ
る。25℃で液状にするには水の比率が20重量%以上であ
ることを要する。実施例1と同じ仕様のレジスト塗布試
料を使い、実施例1と同様のオゾン添加処理を20重量%
の水を含む25℃の炭酸エチレン液により実施した。剥離
は十分なされており、剥離速度は4μm/分であった。
水を25重量%とし、20℃で剥離を行ったところ、2μm
/分の剥離速度は得られたが、荷電粒子放射化分析では
表面の有機炭素量が5×1013原子/cm2程度に増加して
いた。
【0095】炭酸エチレンに酢酸を20重量%添加する
と、25℃では液体であり、20℃では固化する。また、引
火点も十分に高くなり、したがって消防法危険物に該当
いないものと推定できる。この組成で25℃において上記
と同様のオゾン添加による剥離試験を行ったところ、満
足な剥離がなされ、剥離側度は10μm/分で、オゾン酢
酸による一般的な浸漬処理よりも良好な結果が得られ
た。
【0096】
【発明の効果】本発明では、液状炭酸エチレンおよび/
または炭酸プロピレンからなる処理液を、場合によりオ
ゾンガスを溶解させて用いることにより、基体表面の有
機被膜、例えば、従来アッシングが必要であったイオン
注入レジスト膜等を極めて短時間かつ効率的に除去する
ことができる。本発明に係る処理液は、沸点、引火点と
もに高いことから、高温条件下の処理においても適用で
き、また安全性も高く環境面での問題も少ない。しか
も、処理後の液はオゾンガスを通気することによって容
易に再生され、再循環使用することができることから経
済的にも有利である、という優れた効果を奏するもので
ある。また、カルボン酸錯化剤を添加した処理液を用い
ると、シリコン面等への金属不純物の吸着汚染を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を被処理ウェハーの浸漬で行う装置の縦
断面概念図。
【図2】本発明を枚葉スピン方式で行う装置の縦断面概
念図。
【図3】図2の装置の改良されたチャンバー並びにオゾ
ンガス供給系の縦断面概念図。
【図4】図2の装置の改良された処理液供給系の縦断面
概念図。
【図5】本発明を被処理ウェハーの浸漬で行うバッチ式
処理装置の概念図。
【図6】本発明を炭酸エチレン/炭酸プロピレン混合液
を用い、バッチ式浸漬方式で行う処理装置の概念図。
【符号の説明】
1.ドラフト前室 2.ドラフト処理
室 3.ドラフト後室 4,4'.被処理
ウェハー 5.ウェハー用カセット 6.開閉戸口 7,8,9.石英ガラス槽 10.処理液供給
管 11.オゾンガス発散器 12,12’.加
熱器 13.オゾンガス用バルブ 14.ガス導入管 15.ロボットアーム 16.スプレー液
ノズル 17.水平回転アーム 18.アーム回転
軸 19.回転機構 20.リンス液供
給バルブ 21.リンス用処理液供給管 22.純水用バル
ブ 23.純水導入管 24.ステンレス
外槽 25.排水管 26,27.薬液
供給槽 28.液供給系室 29.リンス排液
導入管 30.リンス排液用バルブ 31.処理液供給
管 32.処理液供給バルブ 33.連結管用三
方バルブ 34.連結管 35.排気管 36.液排出管 37.液排出バル
ブ 38.不活性ガス発散器 39.不活性ガス
用バルブ 40.不活性ガス導入管 41.排液排出用
バルブ 42.排液排出管 43.ウェハー支
持具 44.スピン回転軸 45.スピン回転
駆動部 46.チャンバー底 47.チャンバー 48,55,66.液加熱器 49.原液容器 50.三方バルブ 51.処理液供給
用配管 52.処理液供給ノズル 53.排液用配管 54.排液冷却器 56.ガス処理容
器 57.排液用バルブ 58.排液導入用
配管 59.ガス発散器用配管 60.ガス供給用
バルブ 61.オゾンガス供給バルブ 62.ガス発散器 63.チッ素ガス供給用バルブ 64.連結管用バ
ルブ 65.連結配管 67.再生液容器 68.再生液供給管 69.原液供給用
バルブ 70.原液供給用配管 71.排液用バル
ブ 72.排気孔 73.冷風用ノズ
ル 74.冷風供給管 75.冷風用バル
ブ 76.チャンバー蓋 77.処理液吐出
口 78.処理液供給管 79.液供給管用
軸受 80.オゾンガス放出口 81.ガス供給管 82.ガス供給管軸受 83.フード体 84.ガス供給用バルブ 85.三方バルブ 86.ピストン 87.シリンダー 88.シリンダー加熱体 89.処理液導入
管 90.オゾン飽和容器 91.オゾンガス
導入管 92.内圧調整管 93.オゾンガス
供給管 94.オゾンガス供給バルブ 95.三方バルブ 96.高圧チッ素供給管 97.チッ素ガス
用バルブ 98.リンス用ノズル 99.リンス液供
給管 100.剥離槽 101.処理液リ
ンス槽 102.超純水リンス槽 103,104,105,105’,105''.ウェハ
ー受け台 106.脱オゾン槽 107,108.
連結管 109.発散器 110.バルブ 111.チッ素導入管 112.堰 113.バルブ 114.原液供給
管 115、115’.液供給タンク 116、11
6’.排液ストックタンク 117.キャスタ 118.バルブ 119.液取出し管 120.湯沸し器 121.バルブ 122.液取入管 123.排気孔 124.液取入管 125.液取出し管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村岡 里江子 神奈川県横浜市青葉区美しが丘3−15−2 有限会社ユーエムエス内 (72)発明者 佐藤 あすか 神奈川県横浜市港北区新羽町735番地 株 式会社ピュアレックス内 (72)発明者 遠藤 満 神奈川県横浜市港北区新羽町735番地 株 式会社ピュアレックス内 Fターム(参考) 2H088 FA23 HA01 HA02 HA08 MA16 MA20 2H096 AA25 AA27 LA02 LA03 5F046 MA02 MA03 MA05 MA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に有機被膜を有する基体に、50〜200
    ℃に加熱した液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレンまた
    は炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの液状混合物からな
    る処理液を接触させて、前記有機被膜を除去することを
    特徴とする有機被膜の除去方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、前記有機
    被膜を有する基体を前記処理液中に浸漬させることによ
    り、基体表面と前記処理液を接触させることを特徴とす
    る方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の方法であって、前記基体
    表面に処理液を接触させる際に、1MHzの超音波を照
    射することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法であって、前記有機
    被膜の表面に前記処理液の液膜を形成させ、連続的また
    は間欠的にその液膜に対し新たな処理液を供給して液膜
    を移動させることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の方法であって、高濃度オ
    ゾン含有ガスの雰囲気中で、前記気体表面に前記処理膜
    の液膜を移動させることを特徴とする方法。
JP2002229697A 2001-10-23 2002-08-07 有機被膜の除去方法 Pending JP2003203856A (ja)

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