JP2005169287A - 有機被膜洗浄液の再生装置及び再生方法並びに有機被膜の洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents

有機被膜洗浄液の再生装置及び再生方法並びに有機被膜の洗浄装置及び洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液の有機被膜を溶解する能力を再生し、これを洗浄液として循環使用するものであって、オゾンを用いることなく再生することができる有機被膜洗浄液の再生方法及び有機被膜洗浄液の再生装置を提供する。
【解決手段】炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を収容する洗浄槽と、洗浄槽から移送された有機被膜を溶解した洗浄液を精留して炭酸アルキレンを分離する精留手段と、精留手段で分離した炭酸アルキレンを凝縮して液状にする凝縮手段と、洗浄槽から精留手段及び凝縮手段を経由して凝縮手段により液化した炭酸アルキレンを洗浄槽へ移送して循環させる循環手段とを有し、炭酸アルキレンを洗浄液として再生利用することができる有機被膜洗浄液の再生装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を用いた洗浄において、有機被膜が溶解することで汚染された洗浄液を浄化することができる有機被膜洗浄液の再生装置及び有機被膜洗浄液の再生方法に関する。さらに、それらを用いた有機被膜の洗浄装置及び洗浄方法に関する。
半導体ウェハの製造工程は、半導体ウェハ全面へのレジストの塗布等の様々な塗布工程を経て行われるものである。このとき、レジストの塗布は、スピンコーターによりウェハを回転しながらウェハ中央部に滴下されたレジストを遠心力により振り切って、所定の膜厚のレジスト膜をウェハ表面に形成することにより行われる。
スピンコート方式はレジスト塗布に限らず、SOG(Spin On Grass)膜を形成するSOG塗布等にも使用されている。すなわち、回転台に固定されたウェハを回転制御してウェハ中央部に滴下されたSOG液を振り切ることにより、レジスト塗布と同様に所定の膜厚のSOGを形成することができる。
このようなスピンコート方式においては、振り切った塗布材は、ドレーン用のカップ(スピンコーターカップ)に落ちて回収され、ドレーンから排出され他の処理槽へと導かれる。
しかし、上記いずれの塗布処理においても、これが繰り返されることによって、スピンコーターカップにはドレーンから排出されずに残留したレジストの堆積物が徐々に蓄積されていく。この堆積物が多くなると、ウェハ工程におけるパーティクルの影響が懸念される。そこで、メンテナンス時において、スピンコーターカップを洗浄し、残留した堆積物を除去する必要が生じ、エチレングリコールやシンナー系等の有機溶剤やオゾン水の供給による洗浄が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
また、スピンコーターカップではなくウェハの洗浄に用いるものではあるが、同様にレジスト塗膜の剥離、除去を行うものとして、4−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール又は4−メトキシ−1−ブタノールと3−メトキシ−1−ブタノールとの混合物からなる溶剤と、炭酸プロピレンとから構成されるフォトレジスト用剥離液組成物(例えば、特許文献2参照。)、40〜50容量%の炭酸エチレン等の非プロトン性・環状炭酸エステル、並びにエチレンジアセテート、エチレンジブチレート等のプロトン性極性化合物、さらにN−メチル−2−ピロリドン及びトリエタノールアミンを含む溶剤の超音波撹拌浴中でフォトレジストを除去する方法(例えば、特許文献3参照。)及びオゾンガスを溶解した処理液を用いて有機被膜を除去する方法として、炭酸アルキレンと気体中のオゾンとの分配係数が室温で0.6以上であり、かつ、オゾンによって分解され難い1種または複数種混合の有機溶剤とを含む溶液を用いる方法(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
これに対して、出願人は、炭酸エチレン又は炭酸プロピレン単独でも十分にレジストの剥離、除去を行うことができることを見出し、炭酸アルキレンにより有機被膜を除去した後、溶解した有機被膜をオゾンによって低分子量物質に分解して、処理液として再生し循環使用する有機被膜の除去方法の特許出願を既に行っている(特願2002−229394)。
特開2002−205021号公報 特許第2679618号公報 米国特許第5690747号明細書 特開2003−282518号公報
そこで、本発明は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液をレジスト剥離の溶剤として用いる際に、有機被膜を溶解することで汚染された洗浄液の有機被膜を溶解する能力を再生し、これを洗浄液として循環使用するものであって、オゾンを用いることなく行うことができる有機被膜洗浄液の再生方法及び有機被膜洗浄液の再生装置を提供することを目的とする。
本発明の有機被膜洗浄液の再生装置は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を収容する洗浄槽と、洗浄槽から移送された有機被膜を溶解した洗浄液を精留して炭酸アルキレンを分離する精留手段と、精留手段で分離した炭酸アルキレンを凝縮して液状にする凝縮手段と、洗浄槽から精留手段及び凝縮手段を経由して凝縮手段により液化した炭酸アルキレンを洗浄槽へ移送して循環させる循環手段とを有することを特徴とする。
本発明の有機被膜の洗浄装置は、本発明の有機被膜洗浄液の再生装置と、有機被膜洗浄液の再生装置で有機被膜を除去した後に洗浄液をすすぐための純水洗浄槽と、純水洗浄槽で洗浄した後に、付着した純水を乾燥させるための乾燥手段とを有することを特徴とする。
本発明の有機被膜洗浄液の再生方法は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液で有機被膜を除去する洗浄工程と、洗浄工程により有機被膜を溶解した洗浄液を精留することで炭酸アルキレンを分離する精留工程と、精留工程で分離した炭酸アルキレンを凝縮して液状にする凝縮工程と、洗浄工程で用いられ、精留工程及び凝縮工程を経て、凝縮工程により液化した炭酸アルキレンを洗浄工程へと循環させる循環工程とを含有することを特徴とする。
本発明の有機被膜の洗浄方法は、本発明の有機被膜洗浄液の再生方法における洗浄工程により有機被膜が除去された洗浄対象物を純水ですすぐことによって、付着した洗浄液を洗い流す純水洗浄工程と、純水洗浄工程で付着した水を蒸発、乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする。
本発明の有機被膜洗浄液の再生装置及び洗浄方法によれば、洗浄対象物に付着している有機被膜を効率良く剥離、溶解することができ、かつ、この有機被膜の溶解することで汚染された炭酸アルキレンを精留することで、炭酸アルキレンの有機被膜を溶解する能力を再生することができる。そのため、洗浄作業も洗浄液の交換をせずに長時間連続的に行うことができる。
本発明の有機被膜の洗浄装置及び洗浄方法によれば、本発明の有機被膜洗浄液の再生装置及び再生方法と同様の効果が得られると共に、洗浄液のすすぎ、乾燥までを一連の作業で行うことができる。
以下、本発明に係る有機被膜洗浄液の再生装置、有機被膜の洗浄装置、有機被膜洗浄液の再生方法及び有機被膜の洗浄方法について図面を参照しながら説明する。
[有機被膜洗浄液の再生装置及び再生方法]
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る有機被膜洗浄液の再生装置における第1の実施形態を示した概略図である。
本発明の有機被膜洗浄液の再生装置1は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液2を収容する洗浄槽3と、洗浄槽3から移送された有機被膜を溶解した洗浄液2を精留する精留手段4と、精留手段4から蒸気として取り出された炭酸アルキレンを凝縮して液状にする凝縮手段5と、洗浄槽3から精留手段4及び凝縮手段5を経由し凝縮手段5により液化した炭酸アルキレンを洗浄槽3へ移送して循環させる循環手段6とから構成されるものである。
この有機被膜洗浄液の再生装置1に用いる洗浄槽3は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液2を収容するものであり、この洗浄槽3に収容された洗浄液中に洗浄対象物を浸漬することによって洗浄対象物に付着している有機被膜の剥離・除去を行うものである。
また、このとき有機被膜の除去をより効率的に行うためには、洗浄対象物を洗浄液に浸漬しながら揺動したり、超音波を洗浄対象物に照射したりすることが好ましい。
図2は、洗浄対象物を入れる洗浄カゴを揺動する揺動装置の概念図を示したものである。揺動装置21は、図2に記載したように、洗浄液中に洗浄対象物を浸漬するための洗浄用カゴ22を保持する保持部23と、この保持部23と接続しており回転させることで洗浄用カゴ22を揺動することができるカム24とで構成されている。
また、超音波を照射する場合には、洗浄槽3の底面及び/又は側面に超音波振動子を配置し、洗浄槽3中の洗浄対象物に超音波を照射することが可能な構成とすればよい。
この有機被膜洗浄液の再生装置1に用いる精留手段4は、混合物から目的物を分離するために還流しながら蒸留を行うことができる精留手段であれば特に限定されるものではなく、精留を効率良く十分に行うために精留塔等のトレイを多数有する多段式の精留手段であることが好ましい。
この精留塔に用いるトレイとしては、精留塔の典型的なトレイである多孔板型、包鐘型が挙げられ、また精留塔としては充填物を用いた充填塔であっても良い。このときの精留は、連続式でもバッチ式でもどちらで行っても良く、連続式で行う場合には、連続精留塔、バッチ式で行う場合には、回分精留塔を用いて行えばよい。
この精留手段4は、内部を加熱して洗浄液中の炭酸アルキレンを蒸気とする加熱部41、加熱された炭酸アルキレンが精留される精留部42、炭酸アルキレンの含有量が減少して有機被膜を構成している有機物が残留し、これを回収する回収部43とから構成されるものである。
この精留手段4の回収部43における残留物は、本発明では有機被膜を構成する有機物であるため、この有機物の性質によって、炭酸アルキレンの含有量が多い場合は粘性の高い液体であり、炭酸アルキレンの含有量が少なくなると固化した硬化物となる。そのため、この有機物の溜まる回収部43をカートリッジ式とすることで、廃棄を容易にすることができる。
この回収部43としては、最下部のトレイのみを回収部とすることもできるし、原料供給点よりも下部にある全てのトレイを回収部とすることもできる。この回収部となるトレイはカートリッジ式となっており、精留手段4の本体から取り外しが可能であり、予め用意しておいた交換用のカートリッジ式トレイと入れ替えることで、迅速に精留操作を行うことができ、有機被膜洗浄液の再生装置1を稼動することができる。なお、回収部となるトレイが複数ある場合には、それらが一体となって交換できる構成でも、トレイ毎に交換できる構成でもどちらでも良い。
ここで、回収部43の最下段のトレイにおいても洗浄液が流動性を有している場合には、底部にリボイラを設けて、再沸させて炭酸アルキレンの蒸気を精留塔の下部から戻して循環させる構成としても良く、このときはカートリッジ式トレイをリボイラにおいて残留物を収容するトレイとしても良い。
また、精留塔における精留の精度をより高めるために、頭頂から得られた炭酸アルキレンの蒸気が凝縮手段5により液化された炭酸アルキレン液を精留塔の頭頂部に戻して循環させることができるような構成としても良い。
精留手段4は、減圧又は真空条件下で精留が可能であることが好ましく、この場合には、炭酸アルキレンを蒸気とするのに高温にする必要がなく、低温で安定して操作を行うことができ、減圧又は真空条件とするためには、真空ポンプ等の減圧手段を設けることにより達成することができる。
次に、この有機被膜洗浄液の再生装置1に用いる凝縮手段5は、精留手段4で蒸気として得られた炭酸アルキレンを凝縮して液化するものであり、通常、精留方法としては、常圧法又は減圧法があり、精留後の凝縮手段としては精留手段と同一の圧力下で行うことが好ましく、いずれの場合でも冷却することで行うことができる。但し、対象洗浄液の凝固を防止するため凝縮温度を凝固点以下には冷却しない。
例えば、冷却器は、精留手段4で得られた炭酸アルキレンの蒸気を冷却することにより凝縮し、液状の炭酸アルキレンとするものであり、この凝縮は、冷却水又はブライン等の冷媒により固体壁を通して間接的に熱交換を行うことにより達成することができる。
精留手段及び凝縮手段において、洗浄液の有効成分が炭酸エチレンであった場合の炭酸エチレンの圧力と沸点の関係を表1に示した。
Figure 2005169287
従って、上表に示す如く、精留手段としては蒸発温度を沸点以上に設定して、凝縮手段のための冷却温度は沸点以下に設定すれば良い。経済的には、圧力は10〜40Torrで、加熱温度は各設定圧力に相当する沸点温度である115〜147℃以上に設定して、凝縮温度は各圧力に相当する沸点温度より低ければよいことになる。但し、各圧力に相当する凝固点温度より低くならないように設定しなければならない。従って、凝縮手段をより効率よく経済的に行うには装置内温度である40℃に設定するのが好ましい。
本発明に用いる循環手段6は、洗浄槽3から精留手段4及び凝縮手段5を経由して、凝縮手段5により液化した炭酸アルキレンを洗浄槽3へ移送して循環させるものであり、これにより洗浄槽3の洗浄液中に存在する炭酸アルキレンは清浄されて洗浄槽3へ循環されることとなる。
この循環手段6は、洗浄槽3、精留手段4、凝縮手段5、洗浄槽3の順番に炭酸アルキレンが循環することができるように流れを作ることができるものであれば、循環経路のどの位置に配置されていてもよく、この循環を円滑に行うために複数設けても良い。
この液状の炭酸アルキレンの流れを作る循環手段6としては、例えば、ポンプ等を挙げることができ、この循環手段6の作用により、凝縮手段5により液化、再生された炭酸アルキレンは、洗浄槽3に送り込まれて再び有機被膜の洗浄に用いられることとなる。
次に、この有機被膜洗浄液の再生装置を使用した有機被膜洗浄液の再生方法について説明する。
本発明の有機被膜洗浄液の再生方法においては、まず、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液2を収容した洗浄槽3に、洗浄対象物を浸漬し、該洗浄対象物に付着している有機被膜を除去する洗浄工程を行うものである。
本発明に用いる洗浄液2は、炭酸アルキレンを有効成分とするものであり、炭酸アルキレン単独で用いることが好ましく、レジストが溶解することにより炭酸アルキレンの溶解能力が落ちていくため、炭酸アルキレンを80質量%以上、レジスト成分を20質量%以下含有まで洗浄液として使用可能である。この炭酸アルキレンとしては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの混合物が挙げられる。
炭酸エチレンは、融点 36.4℃、沸点 238℃、引火点 160℃であり、易水溶性で、室温では無色無臭の比較的安定な固体であるが、加温により液状の非プロトン性極性溶媒として用いることができる物質である。沸点・引火点が高く、毒性が小さいこと、さらに消防法における危険物には指定されていないことから好ましいものである。
炭酸プロピレンは、融点 −48.8℃、沸点 242℃、引火点 130℃以上であり、低温で液体であり第4類危険物になっている点を除けば、炭酸エチレンと同様な性質をもつ物質である。
ここで用いる炭酸アルキレン液は、芳香族炭化水素に対する溶解力が強いが、分子凝集エネルギー密度に関わる溶解パラメーター(SP値)が約14と大きく、理論上はSP値が揃うほど溶解しやすいとされているため、レジスト材料の高分子のSP値は10前後のものが多く、剥離用溶剤も似た値のもの、例えば、SP値11のNMPが使用されてきた。
しかし、本発明者らは、炭酸アルキレン液が単独でも従来の剥離用溶剤と同程度又はそれ以上の剥離ができることを見出した。炭酸アルキレン液の有機被膜に対する溶解作用は高温になるほど強くなり、引火点以下の温度であれば、安全に操作することができるし、不活性ガス中であれば、200℃程度の湿式処理でも何ら問題はなく、他の有機溶剤系レジスト除去剤に比し、70℃程度での蒸気圧は約1/10で、加熱処理での蒸発による液損失が少ないという利点がある。高温状態では、蒸発量がやや多くなるが、蒸気の毒性は非常に低いので特に問題とはならない。
この洗浄液は室温で液体である方が使いやすく、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとを混合すれば後者が多いほど融点が低下する。一方、後者が多いと上述のようにオゾンを溶解させたときオゾンとの反応により生じる酸化性物質の量が多くなり、液の消費量に影響を及ぼす。室温で液状という条件と酸化性物質低減の条件を満たす混合割合は、炭酸エチレン/炭酸プロピレンの重量比が、4〜2/3、好ましくは3〜1となる範囲である。
例えば、代表的なポジ型フォトレジストであるノボラック系レジストは、クレゾールの重合体と多環芳香族で構成されているため、本発明の洗浄液を適用すれば、加熱によって溶解性を高めることができる。
加熱による有効な温度範囲は30〜200℃(炭酸エチレン単独使用の場合は、40〜200℃)で、好ましくは引火点以下の60〜150℃である。処理条件が適当であれば20μm/分以上の剥離速度を容易に得ることができる。
湿式の剥離法では、従来その剥離処理が非常に難しかったBの1×1015/cmイオン注入で変質したノボラックレジスト膜すら、高温の炭酸アルキレン液の浸漬処理によればかなり短時間で剥離することができる。例えば、1.5μmの厚さの膜が、120℃で70秒の炭酸アルキレンの浸漬処理で剥離され、ドライエッチングで変質層を生じたレジストの場合も同様である。
また、処理温度が高い程、表面張力や粘度が下がり、超微細パターンデバイスでのレジスト剥離に適している。
の1×1014/cmイオン注入の膜では、厚さ15μmの剥離が、120℃の炭酸エチレン液への浸漬で5秒(剥離速度:18μm/分)、100℃浸漬で10秒(剥離速度:9μm/分)と極めて速い。炭酸プロピレンの場合は、これよりも多少時間がかかる。強く変質したレジストの高温処理では、特に変質の激しい表層部以外の成分が容易に洗浄液に溶解し、溶解し難い変質成分は微小粒となって液に分散するという剥離機構が働く。分散した微小粒は炭酸アルキレン液をオゾンガス通気処理することで完全に溶解できる。
この高温での溶解力は極めて大きいので、有機被膜を有する洗浄対象物を洗浄液に接触させるだけで溶解が直ちに始まる。溶解は一種の拡散現象で濃度差が大きいほどに速くなることから、洗浄槽における洗浄液の対流によって、有機被膜を連続的に溶解し、溶解効果を高い状態で維持することができる。
上述の通り、液状炭酸アルキレン液を用いると、レジスト膜等の有機被膜を有効に剥離・除去することができ、該処理後の洗浄液には、有機被膜由来の成分が溶解(及び分散)して含有されることとなる。
本洗浄工程においては、このように炭酸アルキレン液の有機被膜を溶解する力が大きいため、洗浄対象物を浸漬したのみでも有機被膜を剥離・除去することが容易である。また、より効率的に有機被膜の剥離・除去を行うためには洗浄対象物を揺動したり、超音波を照射したりすればよい。
図2の揺動装置21の構成は既に説明したが、その動作は、カム24が回転することによって、保持手段23も円運動をはじめ、この保持手段23に接続している洗浄カゴ22もそれに伴い上下左右へと円を描きながら運動を行い、洗浄液2の中で洗浄カゴ22は揺動されて、洗浄カゴ22を浸漬するのみよりも効率的に有機被膜の剥離を行うことができるものである。
また、超音波を照射する場合には、超音波振動子、例えば、28kHz、300Wの超音波振動子を洗浄槽3の底面及び/又は側面に設けて、これにより超音波を洗浄対象物に照射することによって、洗浄対象物に付着している有機被膜に振動が与えられ、有機被膜の剥離を促進することができる。この有機被膜由来の成分が溶解した洗浄液2は、洗浄槽3から精留手段4へ移送され精留工程へ付される。
精留工程では、まず、洗浄液が精留手段4の精留部42へ導入される。この精留部42の内部は、加熱部41により加熱されているため、導入された洗浄液中の炭酸アルキレンは、トレイで滞留する還流液から、還流液組成より高い炭酸アルキレン濃度の蒸気を発生させて、上段のトレイで滞留する還流液に底面から上方に通過させながら気液接触を行うことで溶解させる。これにより、上段のトレイほど高い炭酸アルキレン濃度の還流液組成にして、塔頂部より高純度の炭酸アルキレン蒸気を留出させることができる。還流液と上昇蒸気との間でこのような物質移動と熱移動を繰り返しながら、汚染された洗浄液から炭酸アルキレンは精留される。
この精留工程を常圧下で行う場合には、用いた炭酸アルキレンの沸点以上の温度に加熱して行えばよいが、精留を効率良く行うためには、真空又は減圧条件により行うことが好ましい。減圧して精留を行う場合の圧力と温度は、前述した如く、圧力は10〜40Torrで、加熱温度は各設定圧力に相当する沸点温度である115〜147℃以上に設定して、凝縮温度は各圧力に相当する沸点温度より低ければよいことになる。従って、凝縮手段をより効率よく経済的に行うには洗浄液が凝固しない程度の装置内温度である40℃に設定するのが好ましい。
洗浄液は、有機被膜を構成する有機物を最大で20質量%程度含有するまで溶解に用いることができ、この洗浄液の精留に、例えば、3段のトレイを有する精留塔を用いた場合には、純度90%以上、回収率75%以上で炭酸アルキレンを得ることができる。
精留手段4のトレイにおいては、下段に行くほど炭酸アルキレンの含有割合は少なくなり、逆に有機被膜を構成する有機物の含有割合は多くなるため、トレイ中の洗浄液の粘度は徐々に高くなっている。
本実施形態における凝縮工程は、精留工程で精留塔の塔頂から蒸気として分離された炭酸アルキレンを凝縮するものであり、この炭酸アルキレンの蒸気を液状にすることにより、純度の高い炭酸アルキレン液を得るものである。
この凝縮工程において、炭酸アルキレンの蒸気を液状にするには、通常、炭酸アルキレン蒸気を冷却することで行うことができる。
また、循環工程は、洗浄工程で用いられ、精留工程及び凝縮工程を経て、凝縮工程により液化した炭酸アルキレンを洗浄工程へと循環させるものであり、これにより洗浄槽3の洗浄液中に存在する炭酸アルキレンは清浄されて洗浄槽3へ循環されることとなる。
この循環工程は、洗浄槽3、精留手段4、凝縮手段5、洗浄槽3の順番に炭酸アルキレンが循環することができるように流れを作る工程であり、特に凝縮手段5により液化した炭酸アルキレンを洗浄槽3へ移送する循環の最終工程を含むものである。
この液状の炭酸アルキレンの流れは、例えば、ポンプを用いることにより作ることができ、この循環工程により、凝縮手段5により液化、再生された炭酸アルキレンは、洗浄槽3に送り込まれて再び有機被膜の洗浄に用いられることとなる。
なお、以上説明した洗浄操作を繰返し行うと、精留手段4のトレイには有機被膜を構成する有機物を多く含んだ廃棄物が溜まることとなり、精留の精度を保つために定期的にトレイを清掃又は交換を行う必要がある。
このとき、前述したように有機物を廃棄するにはトレイがカートリッジ式であることが作業を容易に行うことができる点で好ましく、カートリッジ式である場合の交換作業について、精留の条件として圧力20Torr、温度130℃で精留操作を行っている場合を例として、以下に説明する。
まず、精留操作を停止するために、循環手段6を停止し、有機被膜洗浄液の再生装置1内の洗浄液、炭酸アルキレンの循環を停止する。このとき、精留手段4の圧力、温度は20Torr、130℃に保持したまま精留手段4の回収部43内で炭酸アルキレンが精留されていることを確認する。炭酸アルキレンの大部分が精留手段4から蒸気として出て行くように、このままの条件で30〜60分間精留を行った後、カートリッジとなっている回収部43を冷却して30℃以下の温度にする。
冷却されたカートリッジを取り外し、予め用意しておいた予備のカートリッジを装着して再び精留手段4を密閉状態にして、有機被膜洗浄液の再生装置1の運転を再開する。取り外したカートリッジは、そのトレイの中のレジスト及び炭酸アルキレンの回収、廃棄のいずれかの操作が行われることで、トレイは清浄化され、次の交換時に用いるカートリッジとされる。
この有機被膜洗浄液の再生方法において、洗浄工程、凝縮工程、循環工程及び貯留工程を洗浄液が凝固しない温度に保持して行うことが好ましく、この温度を保持する保温手段としてヒーターを用いることにより達成することができる。このときの温度は、40℃であることが好ましい。
(第2の実施形態)
本発明の有機被膜洗浄液の再生装置は、凝縮手段の後に、貯留手段を有する点が異なるだけで、その他は第1の実施形態と同一の構成である。
図3に示すように、この有機被膜洗浄液の再生装置11を用いる場合には、貯留手段17は、精留手段4、凝縮手段5を経由して得られた液状の炭酸アルキレンを洗浄槽3へ移送するのに適した量まで溜めることができるため、洗浄槽3の洗浄液を一度に供給することができる。
また、精留には時間がかかるため、一旦貯留をしておいた方が洗浄液を循環させる点からは好ましく、この場合、最初に使った洗浄液は精留手段4へ移送し、洗浄槽には新たに洗浄液を加え、この新たに加えた洗浄液により洗浄を行っている間に、最初の洗浄液の精留を終了させることが好ましい。よって、本実施の形態においては、精留をバッチ式で行うことが好ましい。
このように、2度目に加えた洗浄液により洗浄が終わり、この洗浄液を洗浄槽から精留手段4へ移送させた後に、貯留手段17に貯留している炭酸アルキレン液を洗浄槽3へと移送して3度目の洗浄を行うことで、洗浄液の再生利用を円滑に行うことができる。
また、この貯留手段17から洗浄槽3に移送する前に、洗浄液を添加することができ、このようにすれば洗浄槽には溶解能力の高い洗浄液が供給されることとなり、安定した洗浄を行うことができる。
[有機被膜の洗浄装置及び洗浄方法]
次に、本発明の有機被膜の洗浄装置及び洗浄方法について図面を参照しながら説明する。
図4は本発明の有機被膜の洗浄装置を示したものであるが、第2の実施形態における再生装置に純水洗浄槽及び乾燥手段を設け、より具体的な態様としたものであるが、このような構成とした場合には、有機被膜の除去から乾燥までを一台の装置で連続的に行うことができ、さらに、洗浄液を再生して循環しながら有機被膜の洗浄を行うことができる。
この有機被膜の洗浄装置71は、有機被膜洗浄液の再生装置11と、有機被膜を除去した洗浄対象物に付着した洗浄液をすすぐための純水洗浄槽72と、純水洗浄槽で付着した純水を乾燥させる乾燥手段74と、洗浄カゴ昇降機73と、炭酸アルキレン排気口75とから構成されるものである。
純水洗浄槽72は、純水を収容するものであり、有機被膜洗浄液の再生装置11で有機被膜が除去された洗浄対象物を、この純水洗浄槽72に浸漬することで洗浄対象物に付着している洗浄液を純水で洗い流すものである。ここで、純水洗浄槽においても、純水でのすすぎを効率良く行うために、有機被膜洗浄液の再生装置と同様に揺動手段や超音波手段を用いることができる。
乾燥手段74は、純水洗浄槽72で洗浄した洗浄対象物に対して送風することにより純水を乾燥させるものであり、送風口から乾燥空気を洗浄カゴに向けて吹き付ける方式で洗浄対象物に付着している純水を吹き飛ばし、同時に、純水の蒸発、乾燥を行うことで洗浄対象物を乾燥することができる。
洗浄カゴ昇降機73は、洗浄対象物が純水で洗浄された後、純水洗浄槽の上部に配置された乾燥手段74の送風口まで洗浄対象物が入った洗浄カゴの昇降を行うことができるものである。これは純水洗浄の際に、洗浄を効率的に行うために昇降させてもよい。
炭酸アルキレン排気口75は、装置内に拡散する炭酸アルキレンの蒸気を排気するものであり、排気ダクトから外部環境へガスが排出される。
この工程において、洗浄カゴを有機被膜洗浄液の再生装置11から純水洗浄槽72への移動を搬送手段を用いて自動で行うこととすれば、人の手を煩わさず、効率的に洗浄作業を行うことができる。
また、有機被膜洗浄液の再生装置11、純水洗浄槽72及び洗浄カゴを移動する搬送手段には、保温手段を有することが好ましい。これは、洗浄液として炭酸エチレンを用いた場合には、36.4℃以下で凝固してしまうため、室温での洗浄作業では洗浄対象物に炭酸エチレンの膜ができてしまうためである。この保温手段を用いることにより炭酸エチレンの固化を防ぎ、洗浄対象物を清浄に保つことができる。
次に、この装置を用いた有機被膜洗浄液の再生方法について説明する。
まず、有機被膜洗浄工程では、洗浄対象物を洗浄カゴ22に入れ、この洗浄カゴを再生装置11の洗浄槽3の洗浄液中に浸漬して、有機被膜を溶解・除去するのに十分な時間、浸漬して洗浄対象物の有機被膜を除去する。このとき、有機被膜の除去を効率的に行うために、洗浄カゴ22を洗浄槽中で揺動することが好ましい。
この浸漬する時間は、除去する有機被膜の厚さ、量、有機被膜の洗浄液への溶解度等を考慮して適宜決定すればよく、例えば、ノボラック型レジストの1mm厚程度の被膜であれば、20分間の浸漬で有機被膜を完全に除去することができる。
有機被膜の除去が終わったら洗浄カゴ22を洗浄槽3から引き上げ、次に、これを純水洗浄槽72まで移動し、今度は純水洗浄槽の純水中に浸漬して、有機被膜洗浄工程で付着した洗浄液を洗い流す。
このとき、有機被膜洗浄液の再生装置11での洗浄と同様に揺動、超音波振動により洗浄を行ってもよく、洗浄カゴ昇降機73を用いて洗浄カゴを昇降させることにより行ってもよい。
洗浄対象物の純水での洗浄が終わったら、次に洗浄カゴ昇降機73により洗浄カゴ22を純水洗浄槽72から引き上げ、乾燥手段74の送風口まで移動して保持する。次に、乾燥手段74の送風口からエアーを洗浄対象物に吹き付けて、純水洗浄槽で付着した純水を蒸発・乾燥させる。
また、純水洗浄槽72への純水の供給は、純水供給管76から純水洗浄槽が満水となるまで行えばよく、洗浄対象物のすすぎに用いられた純水は、このすすぎの操作により溢れて、純水洗浄槽の外側に設けられた槽から純水排水管77を通して排水される。このすすぎに用いられた純水は一度使用されると少なからず汚染されるため、次のすすぎを行う前に、純水排水管を通して全て排水され、空になった純水洗浄槽72には純水供給管76を通して再度純水が満たされる。このとき、純水洗浄槽自体を清浄に保つために純水の供給、排水を行ってすすいでもよい。
本実施の形態において、有機被膜の除去、純水洗浄、洗浄槽から純水洗浄槽への搬送を行う際には、保温手段を用いることが好ましい。洗浄液が炭酸エチレンであった場合には、36.4℃以下になると凝固してしまうため、加温手段を用いることにより洗浄対象物に炭酸エチレンの固体が付着するのを防止し、洗浄対象物を清浄に保つことができる。このときの加温温度は、40℃であることが特に好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
この実施例では、有機被膜洗浄液の再生装置として図4の110として示した構成を有する装置を用いて洗浄液の再生操作を行った。
有機被膜洗浄液の再生装置110としては、外形寸法が、奥行600mm×幅600mm×高さ1000mm寸法でキャスター上に配置された有機被膜洗浄液の再生装置を用い、この再生装置は、内容積が80Lの洗浄槽(450mm×450mm×420mm寸法)を有し、その精留塔140は加熱ヒーター(1kW)を内蔵する加熱部141、3段式の多孔板型トレイを有する精留部142、回収部143の内部に配置されたSUS316材で製作された内容積20Lの回収用カートリッジトレイ145とこのトレイを交換する開閉式の扉を有し、精留塔内を完全に密閉することができるカートリッジ交換扉144からなるSUS316材で製作された回収部143と、精留塔内を減圧することが可能な真空ポンプ146とから構成されている。また、水冷式の凝縮器150は、供給口151から供給された冷却水が、凝縮器内部を通る際に、凝縮器内部の蒸気を間接的に冷却して液化させるものであり、凝縮に使用された冷却水は排水口152から排水される。なお、洗浄液の再生操作は、バッチ処理により行った。
まず、有機被膜洗浄液の再生装置の洗浄槽内に60Lの炭酸エチレン溶液を注入し、この洗浄槽にスピンコーターカップ(200mmφシリコンウエハー用レジスト付着カップ、厚さ1mm程度のレジスト膜が付着)を入れた洗浄カゴ(320mm×320mm×320mm寸法)を浸漬した。この洗浄カゴを揺動手段により揺動しながら20分間洗浄した。
この洗浄により、レジストを約20質量%含有することとなった洗浄液を精留塔内へ移送し、洗浄液は精留塔内が加熱ヒーター141により120℃に保持されて、真空ポンプ146で真空度11Torrに保持されているため、精留塔内へ供給された洗浄液は、蒸発し、上段のトレイで液化し、再蒸発して、さらに上段のトレイで液化し、これを繰り返しながら上部に行くほど精製された炭酸エチレン蒸気となる。精製された炭酸エチレン蒸気は、精留塔上部の配管を通って、凝縮部150へ移動する。凝縮部150で、炭酸エチレンの蒸気は40℃の冷却水と間接的に接触することにより冷却され、液状の炭酸エチレンへと凝縮された。
この凝縮された炭酸エチレンを貯留手段170に一旦貯留し、精留で得られた炭酸エチレンからなる洗浄液をポンプにより洗浄槽へ移送して循環させた。この後で、回収部143のカートリッジ式トレイ145を交換した。
このバッチ式の再生操作にかかった時間は、2時間/1回で、精留時間は約1時間、冷却・カートリッジ交換は約1時間であった。
このとき、再生に用いた洗浄液20Lに対して、11.8Lが回収され、この回収された炭酸エチレンの純度は、96%であった。
炭酸アルキレンとして、炭酸プロピレンと、炭酸エチレンとの混合液を用いた場合も同程度の結果が得られた。
(実施例2)
この実施例では、有機被膜の洗浄装置として図4に示した構成を有する装置を用いて洗浄操作を行った。
有機被膜の洗浄装置71は、外形寸法が、奥行1000mm×幅1640mm×高さ1800mm寸法でキャスター上に配置されたものであり、この洗浄装置71内に実施例1の有機被膜洗浄液の再生装置を組み込んだものである。また、ここで用いた有機被膜洗浄液の再生装置110は、内容積が80Lの洗浄槽(450mm×450mm×420mm寸法)を有するものであり、洗浄操作は、バッチ処理により行うものである。
有機被膜の除去を行う際の揺動手段は、洗浄対象物を入れる洗浄カゴ(320mm×320mm×320mm寸法)を保持することができる保持部と、この保持部と接続されたカムとから構成され、カムを回転させることにより洗浄カゴを揺動(揺動幅6cm、上下運動、15回/分)させることができる。
また、純水洗浄槽(450mm×450mm×550mm寸法)は内容積80Lで、揺動条件(揺動幅6cm、上下運動)が前記揺動手段と同様な洗浄カゴ昇降機73で構成されている。
まず、有機被膜洗浄液の再生装置110の洗浄槽130内に60Lの炭酸エチレン溶液を注入し、純水洗浄槽72には純水供給管76より純水を満杯状態にして、洗浄槽130にスピンコーターカップ(200mmφシリコンウエハー用レジスト付着カップ、厚さ1mm程度のレジスト膜が付着)を入れた洗浄カゴ(320mm×320mm×320mm寸法)を浸漬した。この洗浄カゴを揺動手段により揺動しながら20分間洗浄した。
炭酸エチレン洗浄液による洗浄後、直ちに純水が満水状態となっている純水洗浄槽72に浸漬し、洗浄カゴ昇降機73により洗浄カゴを揺動しながら3分間洗浄した。このとき、純水洗浄槽72から溢れたすすぎに用いられた純水はその外側に配置された槽の底から純水排水管77を通って排水される。
純水によるすすぎが終了した洗浄カゴは、洗浄カゴ昇降機73で所定位置まで持ち上げられ、左右にある乾燥手段74から噴出される乾燥空気でスピンコーターカップに付着している純水を吹き飛ばし、同時に純水を蒸発させて乾燥した。この乾燥空気による乾燥を15分間行って取り出し、目視で洗浄状態を確認したところ、スピンコーターカップに付着していたレジスト膜は全て除去され、充分に洗浄が行われていることが確認できた。なお、以上の操作は、有機被膜の洗浄装置内の温度を40℃近傍に保持して行った。
この洗浄操作の終了後、純水洗浄槽72は直ちに洗浄水全量をドレインして、新しい純水を流量160L/分、30秒で注入満水状態として待機する。
レジスト付着物を洗浄槽で繰り返し洗浄すると、最初は無色透明の炭酸エチレン洗浄液は、剥離洗浄されたレジストを含む洗浄液となり透明茶褐色を呈するようになる。次に、このレジスト汚染された洗浄液を有機被膜洗浄液の再生装置の精留手段へ移送して、圧力11Torr、温度120℃で60分間精留処理を行い、得られた炭酸エチレンの蒸気を25℃の冷却水による凝縮手段を通過させることで液状の炭酸エチレンとした。この液状の炭酸エチレンを貯留手段170へ、一旦貯留し、精留で得られた炭酸エチレンからなる洗浄液をポンプにより洗浄槽へ移送して循環させた。なお、不足となる洗浄液は炭酸エチレン原液を本貯留手段170に補給すればよい。
この洗浄回数を重ねると、炭酸エチレンは完全に無色透明とならず、透明茶褐色の色調が濃くなり、有機被膜の溶解能力が低下するため、洗浄液の交換又は炭酸エチレン原液での調合を行う。洗浄液の交換時期及び原液調合などの管理は洗浄操作状況と透明茶褐色への色調の変化度合いとを色度計で測定することで判断すればよい。
なお、洗浄液として炭酸プロピレンのみ又は炭酸エチレンと炭酸プロピレンの50:50混合液を用いて洗浄を行ったところ、同等の洗浄効果が得られることも確認できた。これら洗浄液の選定は洗浄対象物により適宜決めればよい。
本発明に係る有機被膜洗浄液の再生装置における第1の実施形態を示した概念図である。 洗浄対象物を揺動するための揺動装置の概念図である。 本発明に係る有機被膜洗浄液の再生装置における第2の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る有機被膜の洗浄装置における実施形態を示した概念図である。
符号の説明
1,11…有機被膜洗浄液の再生装置、2…洗浄液、3…洗浄槽、4…精留手段、5…凝縮手段、6…循環手段、17…貯留手段、41…加熱部、42…精留部、43…回収部、71…有機被膜の洗浄装置、72…純水洗浄槽、73…洗浄カゴ昇降手段、74…乾燥手段、75…炭酸アルキレン排気口、76…純水供給管、77…純水排水管、110…有機被膜洗浄液の再生装置、130…洗浄槽、140…精留手段、141…加熱部、142…精留部、143…回収部、144…カートリッジ交換扉、145…回収用カートリッジ式トレイ、146…真空ポンプ、150…凝縮手段、151…冷却水供給口、152…冷却水排水口、170…貯留手段

Claims (16)

  1. 炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を収容する洗浄槽と、
    前記洗浄槽から移送された有機被膜を溶解した洗浄液を精留することで炭酸アルキレンの分離を行う精留手段と、
    前記精留手段で分離した炭酸アルキレンを凝縮して液状にする凝縮手段と、
    前記洗浄槽から前記精留手段及び前記凝縮手段を経由して前記凝縮手段により液化した炭酸アルキレンを前記洗浄槽へ移送して循環させる循環手段と
    を有する有機被膜洗浄液の再生装置。
  2. 前記精留手段が、精留部、回収部及び加熱部を有しており、前記回収部が本体である精留手段から脱着可能なカートリッジ式であることを特徴とする請求項1記載の有機被膜洗浄液の再生装置。
  3. 前記精留手段が、多段式であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機被膜洗浄液の再生装置。
  4. 前記精留手段が、減圧又は真空条件下での精留が可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の有機被膜洗浄液の再生装置。
  5. 前記凝縮手段により凝縮された炭酸アルキレンを貯留する貯留手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機被膜洗浄液の再生装置。
  6. 前記有機被膜洗浄液の再生装置を洗浄液が凝固しない温度に保持する保温手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の有機被膜洗浄液の再生装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の有機被膜除去装置と、
    前記有機被膜除去装置で有機被膜を除去した後に洗浄液をすすぐための純水洗浄槽と、
    前記純水洗浄槽で洗浄した後に、付着した純水を乾燥させるための乾燥手段と
    を有することを特徴とする有機被膜の洗浄装置。
  8. 前記有機被膜の洗浄装置内を洗浄液が凝固しない温度に保持する保温手段を有することを特徴とする請求項7記載の有機被膜の洗浄装置。
  9. 炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液で有機被膜を溶解・除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程により有機被膜を溶解した洗浄液を精留することで炭酸アルキレンの分離を行う精留工程と、
    前記精留工程で分離した炭酸アルキレンを凝縮して液状にする凝縮工程と、
    前記洗浄工程で用いられ、前記精留工程及び前記凝縮工程を経て、前記凝縮工程により液化した炭酸アルキレンを前記洗浄工程へと循環させる循環工程と
    を含有する有機被膜洗浄液の再生方法。
  10. 前記精留工程を、多段式の精留手段で行うことを特徴とする請求項9記載の有機被膜洗浄液の再生方法。
  11. 前記精留工程を、減圧又は真空条件で行うことを特徴とする請求項9又は10記載の有機被膜洗浄液の再生方法。
  12. 前記精留工程による精留が、圧力10〜40Torr、加熱温度 115〜147℃の条件下で行うことを特徴とする請求項11記載の有機被膜洗浄液の再生方法。
  13. 前記凝縮工程により凝縮された炭酸アルキレンを貯留する貯留工程を有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項記載の有機被膜洗浄液の再生方法。
  14. 前記有機被膜洗浄液の再生方法の各工程を洗浄液が凝固しない温度に保持して行うことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項記載の有機被膜洗浄液の再生方法。
  15. 請求項9乃至14のいずれか1項記載の有機被膜洗浄液の再生方法における洗浄工程により有機被膜が除去された洗浄対象物を純水ですすぐことによって、付着した洗浄液を洗い流す純水洗浄工程と、
    前記純水洗浄工程で付着した水を蒸発、乾燥させる乾燥工程と
    を有することを特徴とする有機被膜の洗浄方法。
  16. 前記洗浄工程及び前記純水洗浄工程を、洗浄液が凝固しない温度に保持して行うことを特徴とする請求項15記載の有機被膜の洗浄方法。
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