JP2007103429A - 洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被洗浄材(半導体基板30)を収容して、加熱された硫酸溶液4で前記被洗浄材の洗浄を行う洗浄装置(洗浄槽10)を備える。好適には前記洗浄槽1で被洗浄材から剥離した汚染物を含む硫酸溶液4をそのまま又は分解槽20に送液して過酸化水素水供給装置(過酸化水素水供給管3または22)によって過酸化水素水を添加する。加熱硫酸溶液で被洗浄材を洗浄することで被洗浄材に付着した主には有機物を確実に剥離除去でき、被洗浄材から剥離して硫酸溶液に移行した汚染物は過酸化水素水の添加によって確実に分解できる。
【選択図】 図2
Description
レジストなどの除去プロセスは、(1)レジストなどの剥離工程、(2)レジストなどの溶解工程、(3)レジストなどの酸化分解工程から成る。この3つの工程のうちで、(1)のレジスト剥離工程は、例えば硫酸溶液中に過硫酸イオンを含ませた場合でも過硫酸イオン濃度を高くしても効果が上がらない。硫酸濃度については、高い方が効果は良いが、イオン注入の際の加速電圧が大きいレジストについては、16Mの硫酸溶液で、通常のSPM洗浄を行う130℃では剥離が困難である。さらに硫酸濃度を16M以上にしても効果は飽和する。しかし本発明者らの研究の結果、レジスト剥離工程を高温の硫酸溶液中で行うことで効果が著しく改善されることが判明した。16M以上の濃度の硫酸溶液を135℃以上にまで高めることで、レジスト剥離速度は著しく改善される。さらに、140℃以上に加温すればレジスト剥離率は100%となるのでより好ましい。なお、常圧では200℃程度まで加熱して処理することが可能だが、硫酸溶液の温度が180℃程度より高くなると溶液が蒸散して失われるので、常圧では180℃以下とするのが望ましい。
該硫酸溶液の温度は適宜の加熱手段を用いることにより加熱調整することができる。この加熱手段の構成も特に限定されるものではなく、ヒータや加熱蒸気を用いた熱交換器などを用いることができる。なお、同一の槽内で被洗浄材からの汚染物の剥離と剥離汚染物の分解とを行う場合、剥離工程を終えた後、硫酸溶液の温度の降下を待って、または空冷、水冷などの適宜の冷却手段を用いて硫酸溶液を80〜130℃の温度に調整することができる。
また、この分解の際に槽内に被洗浄材を配置することで、被洗浄材に溶解物が再付着することなく被洗浄材および硫酸溶液を確実に清浄にすることができる。なお、剥離を行う槽と別の槽で汚染物の分解を行った際には、分解を行った硫酸溶液を剥離を行った槽に移送して再利用することができる。
以下に、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
この実施形態では、被洗浄材からの汚染物の剥離と剥離した汚染物の分解を行う洗浄槽1を備えている。該洗浄槽1は、槽内に収容した硫酸容液4を加熱するためのヒータ2が加熱手段として設けられている。また、洗浄槽1には、槽内の硫酸溶液に過酸化水素水を添加するための過酸化水素水供給管3が、過酸化水素添加装置として備えられている。
洗浄槽1内に、好適には16〜18.3Mの濃度とした硫酸溶液4を収容し、さらに該硫酸溶液4内に被洗浄材である半導体基板30を浸漬する。また、ヒータ2を動作させて、前記硫酸溶液4を好適には135℃以上に加熱する。洗浄槽1内では、高濃度、高温の硫酸溶液の作用によって半導体基板30表面のレジスト残渣などの汚染物が効果的に剥離除去され、汚染物として硫酸溶液中に移行し、大部分が溶解する。
洗浄槽1での洗浄を所定時間行った後、硫酸溶液4の温度が80〜130℃になったことを確認し、その後は、必要に応じてヒータ2を動作させて硫酸溶液の温度を上記範囲内に保持する。さらに上記過酸化水素水供給管3から硫酸溶液中に過酸化水素水を添加する。この過酸化水素水の添加によって硫酸溶液4中には過硫酸イオンが生成される。この過硫酸イオンは、上記温度範囲に保持された硫酸溶液中で適度に自己分解して酸化力を発揮する。この酸化力によって硫酸溶液中に移行したレジスト残渣などの汚染物が効果的に分解される。さらに半導体基板30上に付着している汚染物の剥離除去、分解の作用もなされて確実に清浄化される。清浄化された硫酸溶液は、さらに別ロットの被洗浄材に洗浄に用いたり、他の用途に再利用することができる。
次に、他の実施形態を図2に基づいて説明する。
この実施形態2では、被洗浄材からの汚染物の剥離を行う洗浄槽10と、剥離した汚染物の分解を行う分解槽20とを備えている。該洗浄槽10は、槽内に収容した硫酸容液4を加熱するためのヒータ11が加熱手段として設けられている。
上記洗浄槽10の底面に近い下方部には、送液管5の一端が接続されている。該送液管5は、開閉弁6および送液ポンプ7が介してその他端が分解槽20に接続されている。
分解槽20は、槽内に収容した硫酸溶液を加熱するためのヒータ21が備えられており、さらに、槽内に過酸化水素水を添加するための過酸化水素水供給管22が過酸化水素添加装置として付設されている。
洗浄槽10内に、好適には16〜18.3Mの濃度とした硫酸溶液4を収容し、さらに該硫酸溶液4に被洗浄材である半導体基板30を浸漬する。この際には開閉弁6を閉じておく。また、ヒータ2を動作させて、前記硫酸溶液4を好適には135℃以上に加熱する。洗浄槽1内では、高濃度、高温の硫酸溶液の作用によって半導体基板30表面のレジスト残渣などが剥離除去され、汚染物として硫酸溶液4中に移行し、溶解する。
上記のようにこの実施形態では、被洗浄材に付着した汚染物を剥離する槽と、硫酸溶液中に移行した剥離汚染物を分解する槽とを別にしてそれぞれ処理を行うようにしたので、各行程での処理効率を大幅に向上させることが可能になる。
さらに、他の実施形態を図3に基づいて説明する。
この実施形態3では、被洗浄材からの汚染物の剥離を行う洗浄槽として枚葉式洗浄槽を用いたものについて説明する。
枚葉式の洗浄装置15では、液滴噴流形成装置として液体スプレーノズル17を備えており、該液体スプレーノズル17の先端側噴出部が洗浄槽15内に位置している。該液体スプレーノズル17には、後述する貯液槽23との間で送液ポンプ27bを介して硫酸溶液が供給される硫酸供給管26bと、N2ガスの供給管18とが接続されている。液体スプレーノズル17は、硫酸供給管26bから供給される硫酸溶液と、N2ガスの供給管18から供給される高圧のN2ガスとを混合して、硫酸溶液の液滴を下方に向けて噴出するように構成されている。なお、硫酸供給管26bには、液体スプレーノズル17の接続部の直前に、加熱装置19が設けられており、液体スプレーノズル17に供給される硫酸溶液を好適には135℃以上に加熱する。
上記貯液槽23内に、硫酸濃度が16〜18.3Mの硫酸溶液を収容する。これを送液ポンプ27bによって供給管26bを通して洗浄槽15側に送液する。送液される硫酸溶液は、加熱装置19によって135℃以上に加熱されて液体スプレーノズル2に供給される。なお、貯液槽23内の硫酸溶液は、ヒータ24によって適宜加熱することも可能である。
貯液槽23では、順次硫酸溶液の洗浄槽15への供給と返送とが繰り返されて硫酸溶液が循環する。洗浄槽15での洗浄が終了すると、硫酸溶液は、貯液槽23に収容された状態になり、ヒータ24の適宜の動作によってその温度を80〜130℃に維持する。この硫酸溶液に過酸化水素水供給管25から過酸化水素水を添加して混合溶液4aを得る。該混合溶液4aには、前記洗浄槽15で洗浄を行った半導体基板30を搬送して浸漬し、さらに洗浄を行うこともできる。貯液槽23では、過硫酸イオンの自己分解による酸化力によって混合溶液4a中にある汚染物を酸化分解して清浄化するとともに、半導体基板30上に付着している汚染物を剥離除去、分解して清浄化する。
なお、上記動作では、洗浄槽15における洗浄を終了した後に、貯液槽23で過酸化水素水を添加して剥離物の分解を行うようにしたが、洗浄槽15の洗浄中に貯液槽23で過酸化水素水を添加して剥離物の分解を同時に行うことも可能である。この際に貯液槽23での硫酸溶液の温度は80〜130℃に保持する。この際に、硫酸供給管26bと戻り管26aとの間に熱交換器を設けて硫酸溶液間での熱の授受を行うようにしてもよい。
なお、上記実施形態3では、貯液槽で剥離物の分解を行うことを可能にしたが、分解槽を別に備えたものであっても良い。以下に、その実施形態を図4に基づいて説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
上記洗浄槽15による洗浄が終了した後、開閉弁6を開いて送液ポンプ7の動作により貯液槽28内の硫酸溶液を送液管5を通して分解槽20に送液する。分解槽20内の硫酸溶液は、ヒータ21の適宜の使用などによって80〜130℃に保持する。さらに過酸化水素水供給管22を通して過酸化水素水を分解槽20内に添加して混合溶液4aを得る。該混合溶液4aには、前記洗浄槽10で洗浄を行った半導体基板30を搬送して浸漬し、さらに洗浄を行うことも可能である。分解槽20では、過硫酸イオンの自己分解による酸化力によって混合溶液4a中にある汚染物を酸化分解して清浄化するとともに、半導体基板30上に付着している汚染物を剥離除去、分解して清浄化する。
洗浄槽に、97%濃硫酸40リットルの高濃度硫酸溶液を収容して130℃に加熱保持した。洗浄槽には、160kVの加速電圧でリンを1×1016/cm2イオン注入したレジスト付きの8インチのシリコンウエハ50枚を浸漬させた。過酸化水素水8リットルを添加してレジスト剥離を行ったが、レジストを完全に剥離することができなかった。
実施例1と同様に、洗浄槽に、97%濃硫酸40リットルの高濃度硫酸溶液を収容して表1に示す各温度に加熱保持した。洗浄槽には、160kVの加速電圧でリンを1×1016/cm2イオン注入したレジスト付きの8インチのシリコンウエハ50枚を浸漬させて、実施例1と同時間でレジスト剥離を行った。
レジスト剥離を行ったシリコンウェハについて、画像処理によりレジスト剥離率を測定した。その結果を表1および図5に示す。表および図から明らかなように、硫酸温度140℃以上で100%のレジスト剥離率が得られており、硫酸温度135℃では剥離率100%に達しないものの、若干処理時間を長くすることで良好な剥離結果が得られる。一方、硫酸温度が135℃未満では良好なレジスト剥離が困難であることが明らかになった。
2 ヒータ
3 過酸化水素水供給管
4 硫酸溶液
5 送液管
6 開閉弁
7 送液ポンプ
10 洗浄槽
11 ヒータ
20 分解槽
21 ヒータ
22 過酸化水素水供給管
Claims (11)
- 135℃以上の硫酸溶液を用いて被洗浄材の洗浄を行う洗浄装置を備えることを特徴とする洗浄装置。
- 洗浄に用いられた前記硫酸溶液に過酸化水素を添加する過酸化水素添加装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
- 前記過酸化水素添加装置によって過酸化水素が添加される前記硫酸溶液を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする請求項2記載の洗浄装置。
- 洗浄に用いられた前記硫酸溶液を収容する分解槽を有し、該分解槽に前記過酸化水素添加装置が備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載の洗浄装置。
- 135℃以上に加熱した硫酸溶液で被洗浄材を洗浄して被洗浄材から汚染物の剥離を行うことを特徴とする洗浄方法。
- 前記硫酸溶液の硫酸濃度が16〜18.3Mの範囲内であることを特徴とする請求項5記載の洗浄方法。
- 前記剥離汚染物が移行した前記硫酸溶液に過酸化水素を添加して前記汚染物の分解を行うことを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の洗浄方法。
- 前記汚染物の分解を行う前記硫酸溶液の温度を80〜130℃の範囲内にすることを特徴とする請求項7記載の洗浄方法。
- 前記汚染物の剥離と、剥離汚染物の分解とを同一の槽内で行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の洗浄方法。
- 前記汚染物の剥離と、剥離汚染物の分解とをそれぞれ異なる槽内で行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の洗浄方法。
- 前記被洗浄材が半導体基板であることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の洗浄方法。
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JP2009054717A (ja) * | 2007-08-24 | 2009-03-12 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理装置 |
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