JP4114079B2 - ディスクチャッキング機構 - Google Patents

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    • G11B17/0282Positioning or locking of single discs of discs rotating during transducing operation by means provided on the turntable

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Description

本発明は、フレキシブルディスクドライブに関し、特に、そのディスクチャッキング機構に関する。
周知のように、フレキシブルディスクドライブ(以下、「FDD」とも略称する。)は、それに挿入されたフレキシブルディスク(以下、「FD」とも略称したり、「メディア」とも称する。)の円板状磁気記録媒体に対してデータの記録再生を行うための装置である。そして、このようなフレキシブルディスクドライブは、ラップトップ・パソコンやノート型パソコン、あるいはノート型ワープロ等の携帯型電子機器に搭載される。
この種のフレキシブルディスクドライブは、フレキシブルディスクの磁気記録媒体に対してデータの読出し/書込みを行う磁気ヘッドと、この磁気ヘッドをフレキシブルディスクに対して所定の半径方向に沿って移動可能に先端で支持するキャリッジアセンブリと、このキャリッジアセンブリを上記所定の半径方向に沿って移動させるステッピングモータと、フレキシブルディスクを保持しつつ磁気記録媒体を回転駆動するスピンドルモータ等のDD(ダイレクトドライブ)モータとを有している。
このようなフレキシブルディスクドライブを制御するためのFDD制御装置は、従来から種々提案されている。例えば、特許文献1には、上記データの読出し/書込みを行うためのリード/ライト系(以下、R/W系と呼ぶ)制御回路と、ステッピングモータの駆動を制御するためのステッピングモータ系(以下、STP系と呼ぶ)制御回路と、フレキシブルディスクドライブ全体の動作を制御するためのコントロール系(以下、CTL系と呼ぶ)制御回路とを1チップIC内に組み込んだものが開示されている。この1チップICは、一般に、多数のMOSFETを集積したMOS・ICで実現される。
上記FDD制御装置は、この1チップICの他に、スピンドルモータの駆動を制御するためのスピンドルモータ用ICをも備えているが、このICは多数のバイポーラトランジスタを集積したバイポーラICで実現される。
ところで、FDDは客先によって仕様が異なる。例えば、仕様として、Drive Select0又は1、スペシャルシーク機能の有無、オートチャッキング機能の有無、Density Out 信号の論理の違い、モードSelect信号の論理の違い、1Mモード250kbps又は300kbps等などがある。この仕様を満足するように、1チップICを仕様毎におのおの開発すると、多種類の1チップICを用意しておかなければならない。これを回避するために、1チップICの内部に、あらかじめ全ての仕様を満足する全ての機能を盛り込んでおき、仕様に合わせて機能を選択するようにした、機能選択回路付き1チップICも既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、周知のように、FDDによって駆動されるFDは、磁気ヘッドでアクセスされる円板状磁気記録媒体を含み、この磁気記録媒体の表面上には、半径方向に沿ってデータを記録するための通路としての複数本のトラックが同心円状に形成されている。FDのトラック本数は片面80本であり、最外周トラックTR00から最内周トラックTR79まである。ここでは、最外周トラックTR00を最端トラックと呼ぶことにする。
FDをFDDの磁気ヘッドでアクセスする場合、所望のトラック位置に磁気ヘッドを位置決めする必要がある。この為には、磁気ヘッドを先端で支持しているキャリッジアセンブリを位置決めすれば良い。キャリッジアセンブリの駆動手段としてステッピングモータを採用しているので、FDDではキャリッジアセンブリの位置決めを容易に行うことができる。それにも拘らず、FDDでは、それに挿入されたFDの磁気記録媒体の最端トラックTR00の位置だけは検出する必要がある。この最端トラックTR00の位置を検出する為に、キャリッジアセンブリにはその底部から下方に突出した遮断板が備えられ、このキャリッジアセンブリと対向するメインフレームに近接した基板にフォトインタラプタが取り付けられている(例えば、特許文献3参照)。すなわち、フォトインタラプタの光路を遮断板が遮断することにより、磁気ヘッドがFDの磁気記録媒体の最端トラックTR00の位置にあることを検出することができる。このようなトラック位置検出機構は、この技術分野では「00センサ」と呼ばれる。
フレキシブルディスクを回転駆動するためにスピンドルモータ等のDD(ダイレクトドライブ)モータが用いられるフレキシブルディスクドライブにおいては、DDモータの外周の動作に基づいてインデックス信号を生成している。詳しくは、ロータを構成する円板状のケーシングの外周側面に、単極着磁された(例えば、N極のみが外側に露出している)磁石が配置されている。このような磁石はインデックス検知用磁石と呼ばれる。更に、DDモータのステータ等が設けられるメインフレーム上には、所定の回路が形成されたプリント配線基板が配置されている。このプリント配線基板のロータの外側に当たる所定の位置には、ホール素子が設けられている。このホール素子はインデックス検知用ホール素子と呼ばれる。
周知のように、“ホール素子”とは、“ホール効果”を応用した半導体素子である。“ホール効果”とは、導体中において、x方向に電流が流れているとき、その電流の流れる方向(x方向)と直角なz方向に磁界を加えると、電流の方向(x方向)と磁界の方向(z方向)の双方に直交するy方向に起電力が発生する現象である。そのとき発生する電圧はホール電圧と呼ばれる。
尚、このホール素子は、インデックス検知用ホール素子としてばかりでなく、スピンドルモータのロータ位置検出用としても使用され、そのようなホール素子は位置検出用ホール素子と呼ばれる。このような位置検出用ホール素子を使用したスピンドルモータは“ホールモータ”とも呼ばれる。
このようなホールモータでは、3個の位置検出用ホール素子を必要とする。これら位置検出用ホール素子を省くために、本出願人は、ステータを構成する三相コイルの内、ハイインピーダンス状態のコイルに誘起される起電力(逆起電力)の極性に基づいて、三相コイルに流す電流の状態を切り替えるようにしたものを提案した(例えば、特許文献4参照)。このような、位置検出用ホール素子を省いた制御方式を、本明細書中では「ホールセンサレス方式」と呼ぶことにする。
また、前述したように、従来においては、インデックス検知用磁石として単極着磁されたものを用いていたが、これでは、安定したインデックス信号の生成タイミングを得ることが困難であった。そこで、本出願人は、安定したインデックス信号の生成タイミングを得るために、インデックス検知用磁石として2極着磁されたもの(すなわち、S極とN極とが並んで配置されたもの)を使用することを既に提案している(特許文献5参照)。
従来のフレキシブルディスクドライブでは、メインフレームの他にメディアを回転駆動するスピンドルモータを搭載するためのモータフレームをも備えていた。これは、スピンドルモータの回転速度を検出するために周波数発生パターンをプリント配線基板上に形成する必要があり、このプリント配線基板をモータフレーム上に搭載する必要があったからである。そのため、従来のフレキシブルディスクドライブは部品点数が増加し、組立て工数も増加するという問題があった。この問題を解決するために、本出願人は、周波数発生パターンを使用することなく、スピンドルモータの回転速度を制御する方法を既に提案する(特許文献6参照)と共に、スピンドルモータを搭載するモータフレーム部分をメインフレームと一体に1ピースで構成したフレキシブルディスクドライブをも既に提案している(特許文献7参照)。
さらに、本出願人は、メインフレームは、高精度部品のみを搭載する寸法を持ち、フレームの前面部が削除された構造を有し、このメインフレームの下面を覆うロアカバーに、削除したフレームの前面部に相当する低精度部品を搭載するサブフレームとして機能を持たせて、メインフレームとロアカバーのサブフレームとの組み合わせによって1つのフレームとして機能を果たすようにした、フレキシブルディスクドライブも既に提案している(特許文献8参照)。
次に、図1及び図2を参照して、上記特許文献7において提案したフレーム構造を有する3.5インチ型フレキシブルディスクドライブについて説明する。図1は分解斜視図、図2は前面側からみた斜視図である。
図示のフレキシブルディスクドライブは、3.5インチ型フレキシブルディスク(後述する)を駆動するための装置である。挿入されたフレキシブルディスクは、図1及び図2の矢印Aに示す方向からフレキシブルディスクドライブ中に挿入される。挿入されたフレキシブルディスクは、ディスクテーブル11上に、その後述するスピンドルシャフトとフレキシブルディスクの中心軸とが一致した状態で保持される。後述するように、ディスクテーブル11はメインフレーム13の表面上で回転自在に支持されている。従って、ディスクテーブル11のスピンドルシャフトの軸方向Bは、メインフレーム13の厚み方向と平行に成っている。ディスクテーブル11は、後述するようにメインフレーム13の凹部に設けられたスピンドルモータ(DDモータ)300によって回転駆動され、これによってフレキシブルディスクの磁気記録媒体が回転する。また、メインフレーム13の裏面には、多数の電子部品が搭載されたプリント配線基板(図示せず)が取り付けられている。
フレキシブルディスクドライブは、フレキシブルディスクの磁気記録媒体に対してデータの読出し/書込みを行うための上下一対の磁気ヘッド14(上側磁気ヘッドのみを図示する)を備えている。磁気ヘッド14は、フレキシブルディスクドライブの背面側に設けられたキャリッジアセンブリ15にその先端で支持されている。すなわち、キャリッジアセンブリ15は、上側磁気ヘッド14を支持する上側キャリッジ15Uと下側磁気ヘッドを支持する下側キャリッジ15Lとを有する。キャリッジアセンブリ15は、メインフレーム13の表面上で後述するようにメインフレーム13から離隔して配置されており、磁気ヘッド14をその先端でフレキシブルディスクに対して所定の半径方向(図1及び図2の矢印Cで示す方向)に沿って移動可能に支持している。
また、メインフレーム13の背面側の側壁131には、ステッピングモータ16が固定されている。ステッピングモータ16はキャリッジアセンブリ15を所定の半径方向Cに沿ってリニアに駆動する。詳細に説明すると、ステッピングモータ16は所定の半径方向Cと平行に延在する回転軸(駆動軸)161を有し、この回転軸161には雄ネジが切られている。この回転軸161の先端161aは、メインフレーム13の表面から切り起こしにより立設された曲げ部132に空けられた穴132aを貫通し、スチールボール162が設けられる。この穴132aとスチールボール162とによって、回転軸161は所定の半径方向Cと平行に延在するように規制され、かつその先端161aは回転可能に保持される。
一方、キャリッジアアセンブリ15は、下側キャリッジ15Lから回転軸161まで延在したアーム151を有し、このアーム151の先端151aは回転軸161の雄ネジの谷の部分に係合する。一方、このアーム151と実質的に平行に下側キャリッジ15Lからバネ155が延在している。すなわち、アーム151とバネ155とによってステッピングモータ16の回転軸161を挟んでいる。
従って、ステッピングモータ16の回転軸161が回転すると、このアーム151の先端151aが回転軸161の雄ネジの谷の部分に沿って動かされ、これによってキャリッジアセンブリ15自体が所定の半径方向Cに沿って移動する。とにかく、ステッピングモータ16はキャリッジアセンブリ15を所定の半径方向Cに沿ってリニアに移動させるための駆動手段として働く。
ステッピングモータ16の回転軸161がキャリッジアセンブリ15の一方の側に設けられているので、キャリッジアセンブリ15の一方の側はこの回転軸161によってメインフレーム13から離隔した状態で、移動可能に支持される。しかしながら、この回転軸161による支持だけでは、キャリッジアセンブリ15全体をメインフレ−ム13の表面から離隔した配置することはできない。そのため、ガイドバー17によって、キャリッジアセンブリ15の他方の側でキャリッジアセンブリ15を支持しながら案内する。ガイドバー17はキャリッジアセンブリ15を間に挟んで、ステッピングモータ16の回転軸161とは逆側に設けられている。ガイドバー17は所定の半径方向Cに対して平行に延在し、メインフレーム13の表面上で一端171および他端172が後述するように固定され、キャリッジアセンブリ15を所定の半径方向Cに沿って案内する。これによって、キャリッジアセンブリ15全体がメインフレーム13の表面から離隔して配置される。
尚、キャリッジアセンブリ15からこのガイドバー17側へフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)152が延在しており、このFPC152はメインフレーム13の裏面に取り付けられたメインプリント配線基板(後述する)に電気的に接続される。
ガイドバー17はメインフレーム13の表面でガイドバークランプ18によって挟持されている。ガイドバークランプ18はその中央部でメインフレーム13の表面にバインド子ネジ19によって固定されている。詳細に説明すると、ガイドバークランプ18はガイドバー17より少しだけ長い矩形固定部材180を有し、矩形固定部材180のほぼ中央にはバインド子ネジ19のネジ軸190が通過できる程度の穴180aが穿設されている。矩形固定部材180の一端180bおよび他端180cからは、それぞれ、ガイドバー17の一端171および他端172を挟持するための一対のアーム181および182が延在している。
ガイドバークランプ18は単にガイドバー17を挟持しているだけなので、これだけではガイドバー17をメインフレーム13の表面に固定することはできない。このために、ガイドバー17の両端171および172の位置を規制するための一対の位置決め部材が必要である。この一対の位置決め部材としては、メインフレーム13の一部をメインフレーム13の表面側に切り起こして形成した一対の曲げ部201および202を使用している。
キャリッジアセンブリ15の下側キャリッジ15Lは、キャリッジアセンブリ15をガイドバー17に沿って摺動可能に支持する支持枠としても働く。下側キャリッジ15Lはガイドバー17側へ突出した突出部(図示せず)を有し、この突出部中にガイドバー17が摺動可能に嵌入されている。
フレキシブルディスクドライブは、イジェクトプレート21とディスクホルダ22とを更に有する。メインフレーム13、イジェクトプレート21、及びディスクホルダ22は、金属板に打抜き加工、プレス加工、曲げ加工等を施すことにより形成される。
イジェクトプレート21は、フレキシブルディスクの挿入方向Aおよびその逆方向に沿ってスライド自在なように、メインフレーム13上に備えられている。イジェクトプレート21は、後述するように、フレキシブルディスクドライブの作動時に、ディスクホルダ22と協働してフレキシブルディスクを保持する。また、イジェクトプレート21は、フレキシブルディスクを挿入方向Aに沿ってフレキシブルディスクドライブ内に挿入することを可能とし、或いはフレキシブルディスクを挿入方向Aと逆方向に沿ってフレキシブルディスクドライブ内からの取り出すことを可能とするために、挿入方向Aに沿ってフレキシブルディスクが摺動自在なようにフレキシブルディスクを保持する。イジェクトプレート21には、互いに対向する一対の側壁210が形成されている。この両側壁210の各々には、一対のカム部211が形成されている。また、イジェクトプレート21の底面には、両側壁210に沿って切抜き部212が形成され、イジェクトプレート21の底面中央部には、ディスクテーブル11を取り囲むように略U字状の切欠き部213が形成されている。更に、イジェクトプレート21の下面には、ピン(後述する)が設けられており、このピンは、後述するイジェクトレバーの係止部と係合する。
ディスクホルダ22は、イジェクトプレート21上に配置されている。ディスクホルダ22には、主表面220と、この主表面220の両側端で互いに対向した一対の側壁221が形成されている。この両側壁221には、それぞれ突片222(一方のみ図示)が形成されている。これらの突片222は、イジェクトプレート21の切抜き部212を通じてメインフレーム13の穴133内に挿通される。この突片222がメインフレーム13の穴133内に挿通されることにより、ディスクホルダ22は、メインフレーム13に対する挿入方向Aの位置が決められるのと同時に、ディスクホルダ22は、ディスクテーブル11のスピンドルシャフトの軸方向Bに沿って往復動自在となる。また、両側壁221の各々には、一対のピン223が設けられている。このピン223は、イジェクトプレート21の側壁210に形成されたカム部211内に挿通される。ディスクホルダ22とイジェクトプレート21との間には、イジェクトバネ23が架設されている。
尚、本例の場合、ディスクホルダ22に突片222を設け、メインフレーム13に穴133を設けてあるが、これに限らず、メインフレームに突片を設け、ディスクホルダに穴を設けて構わない。
また、ディスクホルダ22は、その挿入方向Aの奥側中央部に、キャリッジアンセンブリ15の上側キャリッッジ15Uと対応する位置に、所定の半径方向Cに延在した略矩形状の開口部224が設けられている。この開口部224を囲むように、その周囲にディスクホルダ22の主表面220から上方に盛り上がった、略U字形状の盛り上がり縁225が形成されている。一方、キャリッジアンセンブリ15は、側方に延びる一対の側方アーム153を備え、この側方アーム153は盛り上がり縁225の上に位置する。後述するように、フレキシブルディスクがディスクホルダ22からイジェクトされた状態では、この側方アーム153が盛り上がり縁225と係合し、これによって上下一対の磁気ヘッド14同士が互いに離される。さらに、ディスクホルダ22は、その挿入方向Aの奥側で開口部224から右よりに、後述するイジェクトレバーのレバー部の回動を許すような形状の開口部226も有している。
メインフレーム13上には、キャリッジアセンブリ15の近傍に、イジェクトレバー24が回動自在に設けられている。詳細に述べると、メインフレーム13には、その表面から上方に延びるロッド状ピン134が立設している。イジェクトレバー24は、ロッド状ピン134が嵌め込まれる筒状部240と、この筒状部240から径方向に延在するアーム部(レバー部)241と、このアーム部241の自由端に設けた上方に延在する突起部242と、アーム部241の自由端側から周方向に延びる円弧状の係止部243とを有している。イジェクトレバー24には、筒状部240の周りにイジェクトレバーバネ25が装着され、このイジェクトレバーバネ25は、イジェクトレバー24を図面上、反時計回りに付勢している。イジェクトレバー24の突起部242は上記ディスクホルダ22の開口部226に遊嵌されている。また、この突起部242は、後述するフレキシブルディスクのシャッタの右側上端縁と係合して、シャッタの開閉を制御する。尚、図2に示されるように、ロッド状ピン134の先端にはネジ26が捩じ込まれており、これによってイジェクトレバー24がロッド状ピン134から抜けるのを防止している。
また、メインフレーム13の前端部には、フロントパネル27が取り付けられている。フロントパネル27は、フレキシブルディスクを出し入れする開口271と、この開口271を開閉する扉272とを備えている。このフロントパネル27には、イジェクトボタン28が前後方向移動可能に突設されている。イジェクトボタン28は、イジェクトプレート21の前端で前方に突き出ている突起部214に嵌め込まれている。
図3および図4を参照して、図1および図2に示されたフレキシブルディスクドライブ(FDD)によって駆動されるフレキシブルディスク(FD)40について説明する。図3はフレキシブルディスク40を、表面側からみた平面図であり、図4はフレキシブルディスク40を裏面から見た底面図である。
図示のフレキシブルディスク40は、円板状の磁気記録媒体41と、この磁気記録媒体41を覆うシェル42と、矢印D方向に摺動可能なシャッタ43とを有する。シェル42はプラスチック製で、四角い形状をしている。シャッタ43には窓43aが空けられている。シャッタ43は矢印D方向とは逆方向に図示しないバネ部材によって付勢されている。シェル42は、上記フレキシブルディスクドライブの磁気ヘッド14での磁気記録媒体41のアクセスを可能とする開口部42aを有する。この開口部42aは、フレキシブルディスク40がフレキシブルディスクドライブ内に挿入されていない状態では、図3に示すように、シャッタ43で覆われている。フレキシブルディスク40がフレキシブルディスクドライブ内に挿入されるとき、シャッタ43の右側縁上端43bにイジェクトレバー24の突起部242が係合して、シャッタ43を矢印D方向へ摺動する。
図3に示されるように、シェル42は、右上角部に、逆挿入(表裏及び挿入方向を逆にして挿入)防止用の面取り部42bが形成されている。また、シェル42には、その挿入方向A後端の左側角部に書込み保護用穴44が穿設されている。
図4では、書込み保護用穴44が書込み保護用タブ45で閉じられている状態を示している。この書込み保護用タブ45は挿入方向Aに沿って摺動可能であり、これを手動操作することによって書込み保護用穴の開閉を行うことができる。書込み保護用タブ45によって書込み保護用穴を閉じると、記録可の状態となり、書込み保護用穴を開けると、記録不可の状態となる。
図4に示されるように、シェル42の裏面側にはその中心部に円形開口42cが開けられている。この円形開口42c内に、磁気記録媒体41を保持するディスクハブ46が遊貫されている。ディスクハブ46は強磁性金属製の円板状金具である。このディスクハブ46は、その中心部に設けられたディスク中心孔46aと、このディスク中心孔46aから偏心した位置に設けられた駆動用長孔46bとを持つ。ディスク中心孔46aはチャッキング孔とも呼ばれ、駆動用長孔46bは位置決め孔とも呼ばれる。ディスク中心孔46aは略正方形をしており、ディスク中心孔46bには後述するスピンドルシャフトの先端部301aが嵌入される。駆動用長孔46bは略長方形をしており、駆動用長孔46bには後述する駆動ピンが遊貫される。
後で明らかになるように、フレキシブルディスク40のチャッキング時、ディスクチャッキング機構の駆動ピンは、ディスクハブ46の駆動用長孔46bの半径方向外側の角部46b−1へ押し付けられる。
上述したように、フレキシブルディスクドライブによって駆動されるフレキシブルディスク40において、磁気ヘッド14でアクセスされる磁気記録媒体41の表面上には、データを記録するための通路としての複数本のトラック(図示せず)が半径方向に沿って同心円状に形成されている。フレキシブルディスク40のトラック本数は片面80本であり、最外周トラック(最端トラック)TR00から最内周トラックTR79まである。
図1に加えて図5をも参照して、磁気記録媒体41の最端トラックTR00の位置を検出するためのトラック位置検出機構(00センサ)について説明する。
キャリッジアセンブリ15において、下側キャリッジ15Lにはその底部から下方に突出した遮断板154が備えられている。一方、このキャリッジアセンブリ15と対向するメインフレーム13の下面側にはメインプリント配線基板30が配設されており、このメインプリント配線基板30上にトラック位置検出機構(00センサ)として使用されるフォトインタラプタ31が実装されている。このため、メインフレーム13にはこのフォトインタラプタ31を通すための穴13bが穿設されている。
周知のように、フォトインタラプタ31は、発光素子(図示せず)が内蔵された第1の突出部31−1と、受光素子(図示せず)が内蔵された第2の突出部31−2とを有する。第1の突出部31−1と第2の突出部31−2とは、図示の如く、対面するように配置されており、各々の対面する壁面には開口部(図示せず)が設けられている。これら2つの開口部を通して、発光素子から受光素子へ向かう光路が形成される。そして、上記遮断板154は、図示の如く、第1の突出部31−1と第2の突出部31−2との間の通路を通過する。
このような構成の00センサにおいて、フォトインタラプタ31の光路を遮断板154が遮断することにより、磁気ヘッド14がフレキシブルディスク40の磁気記録媒体41の最端トラックTR00の位置にあることを検出することができる。
次に、図6および図7を参照して、上記フレキシブルディスクドライブに使用されるDDモータ(スピンドルモータ)について説明する。図6はスピンドルモータの断面図であり、図7は従来のディスクチャッキング機構を含むスピンドルモータのロータを示す斜視図である。
図示のDDモータ300は、ロータ310と、このロータ310に組み合わされるステータ320とから成る。ロータ310は、円板状の金属製ケーシング311の中央部に断面略台形部312を上方に突出させて有する。断面略台形状部312の上面には、ディスクテーブル11が固着されている。
ロータ310は、その中心に、ケーシング311とディスクテーブル11とを貫通するように、金属製の回転軸(スピンドルシャフト)301が一体的に固着されている。すなわち、ケーシング311とスピンドルシャフト301は、ディスクテーブル11をプラスチックマグネットにより射出成形で成形する時に一体的に組み付けられる。ケーシング311は、その周縁に下方に延びる筒状体314を有し、筒状体314の内側にリング状の永久磁石315が取り付けられている。
この永久磁石315は、周方向にメイン着磁されている。メイン着磁は駆動用磁化部とも呼ばれる。
また、図6および図7に示されるように、筒状体314の外周壁の所定位置にインデックス検知用磁石340が張り付けられている。
断面略台形状部312の下面側にはアーム316が組み付けられ、このアーム316の自由端にはドライブローラ(駆動ピン)317が設けられている。そして、断面略台形状部312及びディスクテーブル11には略四角形の開孔312aおよび開孔11aが設けられ、これらの開孔312aおよび11aを通してドライブローラ(駆動ピン)317がディスクテーブル11の上方に突出するように配置される。フレキシブルディスクドライブ内に収容されたフレキシブルディスク40(図3、図4)は、ディスクテーブル11上に載り、フレキシブルディスク40のディスクハブ46(図4)に形成された駆動用長孔46bにドライブローラ(駆動ピン)317が嵌入することで、その磁気記録媒体41(図3、図4)は回転駆動される。
一方、ステータ320は、後述するようにメインフレーム13のモータフレーム部分13−2に取り付けられる。ステータ320は、放射状に延びる複数の固定子コア321を有するコアアセンブリと、複数の固定子コア321のそれぞれに巻回した固定子コイル322と、回転軸11aを受けるためのセンターメタル(軸受け部)323とを有する。
次に、図8を参照して、図1および図2に示されたフレキシブルディスクドライブに使用されるフレーム構造(メインフレーム)13について説明する。図8はメインフレーム(フレーム構造)13を斜め側方下方から見た斜視図である。
図8から明らかなように、図示のメインフレーム(フレーム構造)13は、フレキシブルディスク40(図3)が挿入されるメインフレーム部分13−1と、この挿入されたフレキシブルディスク40を回転駆動するためのスピンドルモータ300を搭載するモータフレーム部分13−2とを一体に1ピースで構成されている。つまり、メインフレーム13はモータフレームを兼ねている。
ここで、モータフレーム部分13−2は、絞り加工による絞り込みの形状を有している。これは、裏面(底面)側から見ると、モータフレーム部分13−2が裏面(底面)側に突出した構造である。モータフレーム部分13−2には、裏面(底面)側から見た場合に頂上面となる部分に、スピンドルモータ300のリード線を引き出すための開口部13−2aが形成されている。
尚、図8に示されたモータフレーム部分13−2の絞り込み形状は、円形をしているが、これに限定されず、深さや材質により多角形、楕円形であっても良い。また、モータフレーム部分13−2の絞り込み形状における絞り逃げ形状も、図示のものに限定されず、種々の形状であっても良い。さらに、モータフレーム部分13−2とメインフレーム13−1との繋ぎ方も図示のものに限定されないのは勿論である。
図示のフレキシブルディスクドライブは、スピンドルモータ300の駆動を制御するために必要な周波数発生パターンを削除すること、すなわち、それを形成するためのプリント配線基板を削除することにより、上述のような形状のメインフレーム13の採用を可能にしている。また、周波数発生パターンを削除することにより、スピンドルモータ300のロータ310の永久磁石315の底面部に施されているモータサーボ用着磁も不要となっている。その代わりに、図示のフレキシブルディスクドライブは、周波数発生パターンを用いた場合と等価な機能を発揮する電子的処理手段を備えている。なお、このような電子的処理手段の詳しい動作については、前述した特許文献6に開示されているので、ここではその説明を省略する。
図示のフレキシブルディスクドライブのメインプリント配線基板30は、メインフレーム13のメインフレーム部分13−1の裏面側に取り付けられる。図8に示されるように、このメインプリント基板30は、モータフレーム部分13−2に重ならない形状を有している。そして、メインプリント配線基板30は、その表面30aがメインフレーム部分13−1の裏面から所定の距離だけ離れた状態で、その裏面30bがモータフレーム部分13−2の頂上面よりもメインフレーム部分13−1の裏面に近く(低く)なるように、メインフレーム部分13−1から切り起こされ、その先端部にネジ穴が形成された支持片(図示せず)にネジ33で固定される。
図8に加えて図9をも参照して、メインフレーム13の主表面側で、モータフレーム部分13−2に搭載されたスピンドルモータ300のステータ320に巻回されたコイルの先端部(リード線)は、モータフレーム部分13−2に形成された開口部13−2aより背面側に引き出され、メインプリント配線基板30の所定の端子に接続固定される。通常、リード線は、U相コイル、V相コイル、W相コイルの一端である3本のリード線と、これらコイルの他端を一つに束ねたリード線の、合計4本のリード線を含む。図示のフレキシブルディスクドライブは、これらのリード線60をガイドすると共にインデックス検知用ホール素子55が搭載された、サブプリント配線基板50を備えている。
ここで、メインプリント配線基板30は、スピンドルモータ300の回転軸11aと直交する方向に延在している。これに対して、サブプリント配線基板50は、スピンドルモータ300のロータ310の外周側面と近接する位置で、スピンドルモータ300のスピンドルシャフト301の軸方向と平行な方向へ延在するように、メインプリント配線基板30に取り付けられている。
そして、インデックス検知用ホール素子55は、その磁界検知面がロータ310の外周側面と対向するように、サブプリント配線基板50に取り付けられている。また、インデックス検知用ホール素子55は、4本の端子(図示せず)を持ち、これら4本の端子は半田97を介してメインプリント配線基板30上の配線(図示せず)と電気的に接続される。尚、これらの半田57は、このような電気的接続ばかりでなく、メインプリント配線基板30とサブプリント配線基板50との間を機械的に接合する役目をも果たしている。
尚、開口部13−2aから引き出されたリード線60は、サブプリント配線基板50の溝56に掛けられて、その先端は、メインプリント配線基板30の所定の端子35に接続固定される。その様子を図8に示す。
図7に戻って、従来のディスクチャッキング機構について更に詳細に説明する。ディスクテーブル11はディスクハブ46の直径にほぼ等しい直径をもつ略リング形状をしており、ディスクハブ46を磁気的に吸引するためにプラスチックマグネットから成っている。断面略台形状部312の円形突部上にはリング状のテフロンテープ302が搭載されている。このテフロンテープ302は、図4に示したフレキシブルディスク40に組み付けられたディスクハブ46とのすべりを良くするためのものである。
アーム316の一端(支持端)は、支持ピン303により断面略台形状部312に回動可能に枢支されている。また、ディスクテーブル11の開孔11aにより露出した断面略台形状部312の上面上に駆動ピン317から水平方向に突出した舌片317aが摺接している。これにより、断面略台形状部312の開孔312aから上方へ突出した駆動ピン317は、その開孔312aのサイズで規定される範囲内で水平方向に(断面略台形状部312の上面と平行な面内で)揺動可能となっている。
次に、図7に加えて図10をも参照して、従来のディスクチャッキング機構によるフレキシブルディスク40のディスクハブ46に対するチャッキング時の動作について説明する。
図10はチャッキング時のフレキシブルディスク40をそのシェル42を省いて示した平面図である。フレキシブルディスク40がフレキシブルディスクドライブに挿入されると、フレキシブルディスク40のディスクハブ46がディスクテーブル11によって磁気的に吸引される。このとき、スピンドルシャフト301の先端部301aがディスク中心孔46aに嵌入される。
一方、駆動ピン317は、図10の実線で示されるように、駆動用長孔46b内に遊貫されるかもしれない。しかしながら、ディスクハブ46における駆動用長孔46bの占める面積の割合は狭いので、ほとんどの場合、駆動用長孔46b内に遊貫されずにディスクハブ46に当接されるだろう。
駆動ピン317がディスクハブ46に当接したとしても、ディスクテーブル11がスピンドルモータ300によって時計回りに回転することによって、駆動ピン317は駆動用長孔46b内に遊貫される。駆動用長孔46b内に遊貫された後、スピンドルモータ300のロータ310によるディスクテーブル11の時計回りの回転によって、図10の点線で示されるように、駆動ピン317は駆動用長孔46bの半径方向外側の角部46b−1へ押し付けられる。このようにして、フレキシブルディスク40のディスクハブ46はディスクテーブル11上にチャッキングされる。
図11に従来のディスクチャッキング機構によるチャッキング時の状態を拡大して示す。スピンドルモータ300が時計回りに回転してディスクテーブル11が図11の矢印Eで示されるように時計回りに回転するので、スピンドルシャフト301の先端部301aは、ディスクハブ46のディスク中心孔46aの隅部46a−1に押し付けられる。したがって、スピンドルシャフト301の先端部301aは、ディスクハブ46のディスク中心孔46aとの間で、その隅部46a−1近傍のディスク中心孔46aの両側の内縁で2点で接触する。一方、前述したように、駆動ピン317は駆動用長孔46bの半径方向外側の角部46b−1へ押し付けられるので、駆動ピン317は、ディスクハブ46の駆動用長孔46bとの間で、その角部46b−1近傍の駆動用長孔46bの両側の内縁で2点で接触する。
すなわち、スピンドルモータ300の回転時に、上記4点で接触した状態で、磁気記録媒体41の位置が保持される。
尚、図7及び図11に示した従来のディスクチャッキング機構では、駆動用長孔46bに係合する駆動ピン(突起)317の形状として、略円筒状のものを使用しているが、この突起として、駆動用長孔(位置決め孔)のディスクテーブル(ターンテーブル)の外周側の内縁に当接する第1の当接部と、ディスクテーブル(ターンテーブル)の回転方向上流側の内縁に当接する第2の当接部とを形成したものを使用するのも知られている(例えば、特許文献9参照)。
特開平9−97493号公報 特開平9−97839号公報 特開平9−91859号公報 特開2000−245125号公報 特開2001−190055号公報 特開2001−178185号公報 特開2001−184774号公報 特開2003−272370号公報 特許第2664995号公報
上述したフレキシブルディスクドライブにおいては、スピンドルモータ300としてホールセンサレス方式を採用している。その為、スピンドルモータ300の回転始動時には、内部ロジックに基づき強制的に固定子コイル322を励磁してロータ310を回転させている。同期運転のモータオン時、スピンドルモータ300のロータ310は、そのロータ310の位置関係により、図12の矢印Fで示されるように、その本来の回転方向(時計回り)に対し逆方向(反時計回り)に回転することがある。例えば、固定子コア321の数がNであるとすると、最大で(360/N)°の角度だけスピンドルモータ300のロータ310が逆回転する場合がある。尚、固定子コア321はポールとも呼ばれるので、Nはポール数と呼ばれる。ポール数Nは3の倍数である。例えば、ポール数Nが18であるとすると、最大で20°の角度だけスピンドルモータ300のロータ310は逆回転することになる。
尚、この同期運転は、固定子コイル322の逆起電力を検出した時点で、通常の回転動作に切り替わる。そのときに要する時間は、60ミリ秒以内である。
図12に示されるように、モータオン時に、スピンドルモータ300のロータ310が逆回転(反時計回りに回転)すると、駆動ピン317は駆動用長孔46bと、その内周側の縁46b−2で接触する。その結果、スピンドルシャフト301の先端部301aは、図11に図示した場合とは異なり、ディスク中心孔46a内においてずれた状態(すなわち、隅部46a−1から離れた状態)に置かれてしまう。このような状態において、スピンドルモータ300がたとえ通常の回転動作に切り替わったとしても、スピンドルシャフト301の先端部301aは、図11に示されるような、正規の位置に完全に戻ることができない場合がある。換言すれば、偏心が発生する可能性がある。すなわち、スピンドルモータ300のロータ310が逆回転することにより、ミスチャッキングが発生する場合がある。その結果として、フレキシブルディスクドライブの信頼性を低下させてしまう。
尚、このようなスピンドルモータのロータの逆回転時に駆動ピンが駆動用長孔の内縁に接触するという現象は、前述した特許文献8に開示されたディスクチャッキング機構においても起こり得る。何故なら、突起が、駆動用長孔内で第1の当接部よりもアーム側へ延在しかつ駆動用長孔よりも上方へ突出している部分があるので、この部分がスピンドルモータの逆回転時に駆動用長孔の内縁と接触する場合があるからである。
それ故に本発明の課題は、スピンドルモータのロータが逆回転したときに、できるだけ駆動用長孔の内縁に接触しないような形状を持つ駆動ピン(突起)を有するディスクチャッキング機構を提供することにある。
本発明の他の課題は、ミスチャッキングの可能性をできるだけ回避することができるディスクチャッキング機構を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、信頼性の向上を図ることが可能なフレキシブルディスクドライブを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、ホールセンサレス方式のスピンドルモータ(300)を採用したフレキシブルディスクドライブに挿入されるフレキシブルディスク(40)を前記スピンドルモータで回転駆動するために、前記フレキシブルディスクの中央部に設けられた強磁性金属製のディスクハブ(46)をチャッキングするためのディスクチャキング機構であって、前記ディスクハブは中心部に設けられたディスク中心孔(46a)と、該ディスク中心孔から偏心した位置に設けられた駆動用長孔(46b)とを持ち、前記ディスクチャッキング機構は、前記スピンドルモータのロータ(310A)を構成する円板状の金属製ケーシング(311)の中央部で上方へ突出された断面略台形部(312)に取り付けられており、前記ディスクチャキング機構は、前記ディスクハブを保持するために前記断面略台形部上に設けられたディスクテーブルであって、前記ディスクハブを磁気的に吸引するためにプラスチックマグネットから成り、中央部から前記ディスク中心孔に嵌入すべき前記スピンドルモータのスピンドルシャフトの先端部を立設し、前記中心部から偏心した前記駆動用長孔に対応した位置に開孔をもつ、前記ディスクテーブル(11)と、前記駆動用長孔内に遊貫される駆動ピン(317A)と、前記断面略台形部の裏面側に支点の回りに前記ディスクテーブルと平行な面内で回動自在に取り付けられて、前記駆動ピンを、前記断面略台形部に空けられた開孔(312a)および前記ディスクテーブルに空けられた開孔(11a)から突出させた状態で自由端側で支持する支持部材(316)とを有し、前記駆動ピン(317A)が、引掛り要因部分がカットされた形状をしており、前記スピンドルモータのポール数をNとしたとき、前記駆動ピン(317A)は、前記引掛り要因部分がカットされた形状として、前記駆動用長孔(46b)の半径方向外側の角部(46b−1)へ押し付けられている位置から前記ロータが(360/N)°の角度だけ逆回転しても前記駆動用長孔の内縁に接触しない形状をしていることを特徴とするディスクチャキング機構が得られる。
上記ディスクチャキング機構において、前記引掛り要因部分がカットされた形状は、例えば、扇形であって良い。
尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、駆動ピンの形状を、引掛り要因部分がカットされた形状としたので、スピンドルモータのロータが逆回転したときに、駆動ピンが駆動用長孔の内縁と接触するのをできるだけなくすことが可能となる。この結果、偏心が発生するのを防止することができ、ミスチャッキングが発生するのを防止することができる。従って、フレキシブルディスクドライブの信頼性の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図13を参照して、本発明の一実施の形態に係るディスクチャッキング機構について説明する。図13は、ディスクチャッキング機構を含むスピンドルモータのロータ310Aを示す斜視図である。
図示のディスクチャキング機構は、駆動ピン(突起)の形状が変更されている点を除いて、図7に図示したものと同様の構成を有する。したがって、駆動ピン(突起)に317Aの参照符号を付す。また、図7に図示した構成要素と同様の機能を有するものには同一の参照符号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
駆動ピン317Aは、駆動用長孔46bのディスクテーブル11の外周側の内縁に当接する当接部よりも駆動用長孔46b内でアーム316側へ延在しかつ駆動用長孔46bよりも上方へ突出している部分(以下「引掛り要因部分」という)がカットされた扇形の形状をしている。換言すれば、スピンドルモータ300のポール数をNとしたとき、駆動ピン317Aは、上記引掛り要因部分がカットされた形状として、ディスクハブ46の駆動用長孔46bの半径方向外側の角部46b−1へ押し付けられている位置からロータ310Aが(360/N)°の角度だけ逆回転しても駆動用長孔46bの内縁に接触しない形状をしている。本例では、ポール数Nが18であるので、(360/N)°は20°である。
このように、駆動ピン317Aは引掛り要因部分がカットされた形状を有するので、スピンドルモータ300のロータ310Aが逆回転(反時計回りに回転)したときに、後述するように、駆動ピン317Aが駆動用長孔46bの内縁と接触する可能性を少なくすることができる。
図14に本発明に係るディスクチャッキング機構においてスピンドルモータ300のロータ310Aが逆回転した場合に、駆動ピン317Aが駆動用長孔46bの内縁に接触するまでの角度θを示す。比較のために、図15に従来のディスクチャッキング機構においてスピンドルモータ300のロータ310が逆回転した場合に、駆動ピン317が駆動用長孔46bの内縁に接触するまでの角度θを示す。明らかに、本発明に係るディスクチャッキング機構における角度θの方が、従来のディスクチャッキング機構における角度θよりも広いことが分かる(θ>θ)。図示の例では、角度θは、約35°であり、角度θは約18°である。換言すれば、角度θは角度θの約2倍である。
このように、駆動ピン317Aの形状を引掛り要因部分をカットした扇形としたので、スピンドルモータ300のロータ310Aが逆回転(反時計回りに回転)したとしても、スピンドルモータ300のロータ310Aが、駆動ピン317Aが駆動用長孔46bの角部46b−1に押し付けられている角度位置から約35°の角度θまで逆回転(反時計回りに回転)しない限り、駆動ピン317Aが駆動用長孔46bの内縁と接触することがない。その結果、スピンドルモータ300のロータ310Aが逆回転(反時計回りに回転)したときに、駆動ピン317Aが駆動用長孔46bの内縁と接触するのをできるだけなくすことが可能となる。
これにより、偏心が発生するのを防止することができ、ミスチャッキングが発生するのを防止することができる。フレキシブルディスクドライブの信頼性の向上を図ることが可能となる。
本発明は上述した実施の形態に限定せず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能なのは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、駆動ピンの形状が扇形のものを採用した場合を例に挙げて説明しているが、上述した引掛り要因部分がカットされた形状であればどのような形状であっても良い。
従来のフレキシブルディスクドライブの要部を示す分解斜視図である。 図1に示したフレキシブルディスクドライブを斜め前方から見た概略斜視図である。 フレキシブルディスクドライブで駆動されるフレキシブルディスクを示す平面図である。 図3に示したフレキシブルディスクの底面図である。 フレキシブルディスクドライブに使用されるトラック位置検出機構(00センサ)の設置構造を説明するための断面図である。 図1に示されたフレキシブルディスクドライブに使用されるDDモータ(スピンドルモータ)の構成を示す断面図である。 従来のディスクチャッキング機構を含むスピンドルモータのロータを示す斜視図である。 図1に示されたフレキシブルディスクドライブに使用されるメインフレームにメインプリント配線基板とサブプリント配線基板を取り付けた状態を側方下方から見た斜視図である。 図8に示されたサブプリント配線基板の溝にリード線を掛けた状態を示す図である。 チャッキング時のフレキシブルディスクをそのシェルを省いて表面側から見た平面図である。 従来のディスクチャッキング機構によるチャッキング時の状態を拡大して示す透視図である。 従来のディスクチャッキング機構において、モータオン時に、スピンドルモータのロータが逆回転(反時計回りに回転)したときの状態を拡大して示す透視図である。 本発明の一実施の形態に係るディスクチャッキング機構を含むスピンドルモータのロータを示す斜視図である。 図13に示すディスクチャッキング機構においてスピンドルモータのロータが逆回転した場合に、駆動ピンが駆動用長孔の内縁に接触するまでの角度を示すための部分拡大図である。 図7に示す従来のディスクチャッキング機構においてスピンドルモータのロータが逆回転した場合に、駆動ピンが駆動用長孔の内縁に接触するまでの角度を示すための部分拡大図である。
符号の説明
11 ディスクテーブル
11a 開孔
40 フレキシブルディスク
46 ディスクハブ
46a ディスク中心孔
46b 駆動用長孔
46b−1 半径方向外側の角部
300 ホールセンサレス方式のスピンドルモータ
310A ロータ
311 金属製ケーシング
312 断面略台形部
312a 開孔
316 アーム(支持部材)
317A 駆動ピン

Claims (3)

  1. ホールセンサレス方式のスピンドルモータを採用したフレキシブルディスクドライブに挿入されるフレキシブルディスクを前記スピンドルモータで回転駆動するために、前記フレキシブルディスクの中央部に設けられた強磁性金属製のディスクハブをチャッキングするためのディスクチャキング機構であって、前記ディスクハブは中心部に設けられたディスク中心孔と、該ディスク中心孔から偏心した位置に設けられた駆動用長孔とを持ち、前記ディスクチャッキング機構は、前記スピンドルモータのロータを構成する円板状の金属製ケーシングの中央部で上方へ突出された断面略台形部に取り付けられており、前記ディスクチャキング機構は、
    前記ディスクハブを保持するために前記断面略台形部上に設けられたディスクテーブルであって、前記ディスクハブを磁気的に吸引するためにプラスチックマグネットから成り、中央部から前記ディスク中心孔に嵌入すべき前記スピンドルモータのスピンドルシャフトの先端部を立設し、前記中心部から偏心した前記駆動用長孔に対応した位置に開孔をもつ、前記ディスクテーブルと、
    前記駆動用長孔内に遊貫される駆動ピンと、
    前記断面略台形部の裏面側に支点の回りに前記ディスクテーブルと平行な面内で回動自在に取り付けられて、前記駆動ピンを、前記断面略台形部に空けられた開孔および前記ディスクテーブルに空けられた開孔から突出させた状態で自由端側で支持する支持部材とを有し、
    前記駆動ピンが、引掛り要因部分がカットされた形状をしており、
    前記スピンドルモータのポール数をNとしたとき、前記駆動ピンは、前記引掛り要因部分がカットされた形状として、前記駆動用長孔の半径方向外側の角部へ押し付けられている位置から前記ロータが(360/N)°の角度だけ逆回転しても前記駆動用長孔の内縁に接触しない形状をしていることを特徴とするディスクチャキング機構。
  2. 前記引掛り要因部分がカットされた形状が扇形である、請求項1に記載のディスクチャッキング機構。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のディスクチャキング機構を備えたフレキシブルディスクドライブ。
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