JPH0229600Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、磁気デイスクを挾持する回転体をロ
ータに連結して、回転体を直接に回転駆動する無
整流子電動機に関する。

〔考案の技術的背景〕

この種の電動機はフロツピーデイスク装置のデ
イスク駆動用等に用いられている。そして近年の
磁気デイスク装置の薄形化に伴つて無整流子電動
機も薄形化され、このことにより電動機のステー
タヨークも薄く形成されていることは勿論のこ
と、無整流子電動機は磁気デイスクに対して情報
の々書込み・読出しをする磁気ヘツドに接近して
配設されている。ところで、磁気デイスクは高い
インピーダンスを有するので、無整流子電動機の
接近に伴つて、この電動機からの漏れ磁束の影響
を受け易くなつている。

〔背景技術の問題点〕

しかして、従来の無整流子電動機は、その薄い
ステータのヨークが電動機の磁路を形成するのに
最少限必要な形、つまり、円板形に形成されてお
り、このヨークに取付けたコイルとロータに取付
けた永久磁石とにわたつて磁束を作用させて動作
される構造であるから、電動機の外周囲に永久磁
石からの漏れ磁束が生じることは否めない。この
ため、従来の無整流子電動機を磁気デイスク駆動
用に使かう場合には、磁気ヘツドによる書込み・
読出しの誤動作の原因となる欠点があつた。

〔考案の目的〕

したがつて本考案の目的は、磁気デイスク装置
への実施に当つて磁気ヘツドによる書込み・読出
しの誤動作の原因となることを防止できるように
した安価な無整流子電動機を提供することにあ
る。

〔考案の概要〕

すなわち本考案に係る無整流子電動機は、磁気
デイスクを挾持する回転体に連結されるロータに
対して設けられたステータのヨークに、磁気デイ
スクに対する書込み・読出しをなす磁気ヘツドの
移動範囲に対向する延出部を一体に設けたことを
特徴とする。

この特徴と有する無整流子電動機によれば、永
久磁石からの磁束の漏れを、ヨークに設けた延出
部を通してヨークに戻すことができ、これにより
磁気ヘツドに影響する漏れ磁束を減少できる。し
たがつて、磁気ヘツドによる書込み・読出しの誤
動作を防止して、正確な動作を磁気ヘツドに行わ
せることを期待できるものである。そして、延出
部はヨークと一体であるから、部品点数および組
立ての手間を増やすことなく上記磁気シールドを
安価に実現できる。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図中１は磁気デイスク装置のフレーム等の
固定部材で、これには軸受２を介して回転体３が
回転自在に支持されている。回転体３の一端側に
はクランプ４が設けられていて、このクランプ４
には第１図中矢印Ａ，Ｂ方向に移動自在なクラン
プ体５が係脱されるようになつている。このクラ
ンプ４とクランプ体５との間には磁気デイスク６
が挾持されるようになつている。磁気デイスク６
はデイスク本体６ａを保護袋６ｂで被つたもの
で、保護袋６ｂの一部には半径方向に沿う長孔６
ｃが形成されている。また、第１図中７は長孔６
ｃ内を第１図中矢印Ｃ，Ｄ方向に移動自在な磁気
ヘツドで、これにより磁気デイスク６に対する情
報の書込み・読出しを行うものである。そして、
上記回転体３の他端部にはロータ８が連結されて
いるとともに、このロータ８と対向して上記固定
部材１にはステータ９が取付けられている。これ
らロータ８およびステータ９は無整流子電動機を
構成している。ロータ８は、円形状の基板１０に
複数個の永久磁石１１を装着して形成されてい
る。ステータ９は、ヨーク１２と、回路基板１３
と、これら両者にわたつて挾着された複数のコイ
ル１４とを備えて形成されている。回路基板１３
は、ロータ８とヨーク１２との間に配置されてい
るとともに、ロータ８の回転位置を検出して電流
を制御するため等の必要な回路部品１５が取付け
られている。そして、第２図に示すようにヨーク
１２は上記基板１０と略同じ大きさの円形状の主
部１６の一部に延出部１７を一体に設けて形成さ
れている。延出部１７は上記磁気ヘツド７の移動
範囲に対向して設けられている。なお、第１図中
ｌは上記長孔６ｃの長さを示し、この範囲を磁気
ヘツド７が移動するものである。また、ヨーク１
２は鉄板を焼きなまして形成してある。

上記構造の無整流子電動機は、そのコイル１４
に流す電流の制御により生じる磁力と永久磁石１
１の磁力との作用に基づく、引力と斥力とによつ
てロータ８を回転させるものである。そして、ロ
ータ８の回転により直接に磁気デイスク６を挾持
した回転体３を回転駆動して、磁気デイスク６の
所定のセクターが磁気ヘツド７に対して位置決め
される。。ところで、磁気ヘツド７の移動範囲に
対向する延出部１７をヨーク１２は有しているか
ら、この延出部１７により磁気ヘツド７に影響す
る永久磁石からの漏れ磁束を減少でき、したがつ
て磁気ヘツド７の正確な動作を期待できる。そし
て、延出部はヨーク１２と一体であるから、部品
点数およゅ組立ての手間を増やすことなく上記磁
気シールドを安価に実現できる。また、本実施例
の場合はヨーク１２を焼きなまし処理してあるか
ら、その金属粒子が揃つていることにより、電動
機の効率を向上できるとともに、コイル１４に流
れる電流を減少でき、したがつてコイル１４から
の漏れ磁石も改善される結果、磁気ヘツド７にお
よぼす磁束の悪影響をより少なくできる。

なお、本考案はその要旨に反しない限り、回転
体、ロータ、ステータ、ヨーク、延出部等の具体
的な構造、形状、位置等は、上記一実施例に制約
されず、種々の態様に構成して実施できることは
勿論である。

〔考案の効果〕

以上説明した本考案は上記実用新案登録請求の
範囲に記載の構成を要旨とするから、ステータの
ヨークに一体に設けた延出部により、磁気ヘツド
に影響する永久磁石からの漏れ磁石を減少させ、
磁気ヘツドの書込み・読出しの誤動作の原因とな
ることを防止できるとともに、このような磁気シ
ールドを部品点数および組立ての手間を増やすこ
となく安価に実現できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は断面
図、第２図はヨークの平面図である。 ３……回転体、６……磁気デイスク、７……磁
気ヘツド、８……ロータ、９……ステータ、１１
……永久磁石、１２……ヨーク、１７……延出
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気デイスクを挾持する回転体をロータに連結
   して、回転体を直接に回転駆動する無整流子電動
   機において、上記ロータに対向して設けられたス
   テータのヨークに、上記磁気デイスクに対する書
   込み・読出しをなす磁気ヘツドの移動範囲に対向
   する延出部を一体に設けたことを特徴とする無整
   流子電動機。