JP2004295655A - メディア認識方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定のセクタにエラーがあるメディアに対しても、問題なくメディアのフォーマット形式を認識すること。
【解決手段】フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディア(40)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法は、挿入されたメディアの特定のセクタにエラーがあって当該特定のセクタから情報を読み込めずに挿入されたメディアのフォーマット形式を認識できない場合(S20のNG、S23のNG)に、ブート・セクタの内容を読み出し(S31,S36,S41)と、このブート・セクタから正しく情報を読み込めた場合に、挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する(S32,S37,S42)。
【選択図】 図9
【解決手段】フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディア(40)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法は、挿入されたメディアの特定のセクタにエラーがあって当該特定のセクタから情報を読み込めずに挿入されたメディアのフォーマット形式を認識できない場合(S20のNG、S23のNG)に、ブート・セクタの内容を読み出し(S31,S36,S41)と、このブート・セクタから正しく情報を読み込めた場合に、挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する(S32,S37,S42)。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブル・ディスク・ドライブ(以下、「FDD」とも略称する)でアクセスされるフレキシブル・ディスク(以下、「FD」とも略称する)であるメディアを認識する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、フレキシブル・ディスク・ドライブはその中に挿入されたフレキシブル・ディスクの磁気ディスク媒体に対してデータの記録再生を行うための装置である。そして、このようなフレキシブル・ディスク・ドライブは、ラップトップ・パーソナル・コンピュータやノート型パーソナル・コンピュータ、あるいはノート型ワード・プロセッサ等の電子機器に搭載される。電子機器は、ホスト・システムや上位装置とも呼ばれる。
【0003】
この種のフレキシブル・ディスク・ドライブは、フレキシブル・ディスクの磁気記録媒体に対してデータの読出し/書込みを行う磁気ヘッドと、この磁気ヘッドをフレキシブル・ディスクに対して所定の半径方向に沿って移動可能に先端で支持するキャリッジ・アセンブリと、このキャリッジ・アセンブリを上記所定の半径方向に沿って移動させるステッピング・モータと、フレキシブル・ディスクを保持しつつ磁気記録媒体を回転駆動するスピンドル・モータと、を有している。ここで、磁気ヘッドを目的(目標)のトラックに移動することを「シーク」と呼ぶ。このシーク動作は、ステッピング・モータを回転駆動することによってなされる。
【0004】
このようなフレキシブル・ディスク・ドライブを制御するためのFDD制御装置は、従来から種々提案されている。例えば、特許文献1には、上記データの読出し/書込みを行うためのリード/ライト系(以下、「R/W系」と呼ぶ。)制御回路と、ステッピング・モータの駆動を制御するためのステッピング・モータ系(以下、「STP系」と呼ぶ。)制御回路と、フレキシブル・ディスク・ドライブ全体の動作を制御するためのコントロール系(以下、「CTL系」と呼ぶ。)制御回路とを1チップICに組み込んだものが開示されている。この1チップICは、一般に、多数のMOSFETを集積したMOS・ICで実現される。
【0005】
上記FDD制御装置は、この1チップICの他に、スピンドル・モータの駆動を制御するためのスピンドル・モータ用ICをも備えている。このスピンドル・モータ用ICは多数のバイポーラ・トランジスタを集積したバイポーラICで実現される。
【0006】
ところで、フレキシブル・ディスク・ドライブは客先によって仕様が異なる。例えば、Drive Select 0又はDrive Select 1、スペシャルシーク機能の有無、オートチャッキング機能の有無、Density Out信号の論理の違い、モードSelect信号の論理の違い、1Mモード250kbps又は300kbps等。この仕様を満足するように、1チップを仕様毎におのおの開発すると、多種類の1チップICを用意しておかなければならない。これを回避するために、1チップICの内部に、予め全ての仕様を満足する全ての機能を盛り込んでおき、仕様に合わせて機能を選択するようにした、機能選択回路付き1チップICも既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、周知のように、フレキシブル・ディスク・ドライブによって駆動されるフレキシブル・ディスクは、磁気ヘッドでアクセスされる円盤状の磁気ディスク媒体を含み、この磁気ディスク媒体の表面上には、半径方向に沿ってデータを記録するための通路としての複数のトラックが同心円状に形成されている。フレキシブル・ディスクのトラック本数は片面80本であり、最外周トラックTR00から最内周トラックTR79まである。ここでは、最外周トラックTR00は最端トラックと呼ぶことにする。また、磁気ディスク媒体の両面のうち、一方の面はサイド0と呼ばれ、他方の面はサイド1と呼ばれる。
【0008】
フレキシブル・ディスクをフレキシブル・ディスク・ドライブの磁気ヘッドでアクセスする場合、所望のトラック位置に磁気ヘッドを位置決めする必要がある。この為には、磁気ヘッドを先端で支持しているキャリッジ・アセンブリを位置決めすれば良い。キャリッジ・アセンブリの駆動手段としてステッピング・モータを採用しているので、フレキシブル・ディスク・ドライブではキャリッジ・アセンブリの位置決めを容易に行うことができる。それにも拘らず、フレキシブル・ディスク・ドライブでは、それに挿入されたフレキシブル・ディスクの磁気記録媒体の最端トラックTR00の位置だけは検出する必要がある。この最端トラックTR00の位置を検出する為に、キャリッジ・アセンブリにはその底部から下方に突出した遮断板が備えられ、このキャリッジ・アセンブリと対向するメイン・フレームに近接した基板にフォト・インタラプタが取り付けられている。(例えば、特許文献3参照)。すなわち、フォト・インタラプタの光路を遮断板が遮断することにより、磁気ヘッドがフレキシブル・ディスクの磁気記録媒体における最端トラックTR00の位置にあることを検出することができる。このようなトラック位置検出機構は、この技術分野では「00センサ」と呼ばれている。
【0009】
フレキシブル・ディスクは磁性体を塗った円盤を四角いジャケットに納めたものである。フレキシブル・ディスクの外形サイズには、3.5インチ型、5.25インチ型などがあるが、最近では3.5インチ型が主流である。単位面積当たりに記録できる記録密度によって、両面倍密度倍トラック(2DD)、両面高密度倍トラック(2HD)などに分けられる。
【0010】
また、製造したばかりのフレキシブル・ディスク(以下、「生のFD」とも略称する)は単なる磁性体を塗布した円盤に過ぎない。この生のFDをパーソナル・コンピュータやワード・プロセッサ等で利用できるようにするためには、生のFDの磁気ディスク媒体を複数の領域に区分けして番号を付け、各領域にどんな情報を書き込むかを記録・管理する必要がある。これら一連の処理をフォーマット、或いは初期化と呼ぶ。
【0011】
前述したように、フレキシブル・ディスクは、円盤状の磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数本のトラックを有し、各トラックは円周方向に所定数の互いに等しい長さのセクタに分割される。
【0012】
フォーマットには物理フォーマットと論理フォーマットとがある。物理フォーマットは円盤状の磁気ディスク媒体にどのようにデータを並べるかを決めることであり、具体的には、トラック総数、使用トラック総数、各トラックのセクタ数、媒体記憶容量、フォーマット記憶容量などがある。一方、論理フォーマットとは、物理フォーマットが終った後に磁気ディスク媒体上で“目次”にあたる情報を書き込む場所を決め、さらに情報に書き込むひとつひとつの単位に“番地”を割り振ることである。論理フォーマットはセクタ・フォーマットとも呼ばれる。
【0013】
同じ3.5インチ型のフレキシブル・ディスクでも、フォーマットが異なると読み書きはできない。そのため、フレキシブル・ディスク・ドライブは、それに挿入されたフレキシブル・ディスク(メディア)をアクセス(読み書き)するためには、そのフレキシブル・ディスク(メディア)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされているかを認識する必要がある。
【0014】
ここで、フォーマット形式の種類としては、下記の表1に示されるものがある。
【0015】
【表1】
【0016】
図1を参照して、従来のメディア認識方法について説明する。
【0017】
先ず、メディアが有るか否かを確認する(ステップS1)。この確認はDisk Out信号(DKO)に基づいて判断される。DKO信号が論理“H”レベルのとき、メディアが無しと判断する(ステップS2)。メディアが有る場合、モータをオンする(ステップS3)。すなわち、MTI信号を論理“H”レベルから論理“L”レベルに遷移し、HDI2信号は論理“H”レベルに固定される。このときのスピンドル・モータの回転数は、300rpmである。
【0018】
次に、レディ信号(SRO)を確認し、待ち時間として最大800msを設定する(ステップS4)。SRO信号が論理“H”レベルのとき、フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来てないと判断する(ステップS5)。
【0019】
SRO信号が論理“L”レベルであることを、DSI信号を論理“H”レベルから論理“L”レベルにしてから確信する。
【0020】
レディ信号(SRO)が確認できたら、6msの再較正をする(ステップS6)。この再較正は、磁気ヘッドが2トラックでストップしている可能性が有るからである。このとき最端トラックTr.00を監視して磁気ヘッドをそこで停止する。次に、4msで磁気ヘッドを12ステップ内周へ移動する(ステップS7)。これはトラックずれを修復するためである。
【0021】
次に、Density out信号(HDO)を確信する(ステップS8)。この時点で、挿入されたメディアが2HDのメディアであるか2DDのメディアであるか確認し、転送レートを決定する。Density out信号を確認できたら、4msの再較正をする(ステップS9)。この再較正でエラーがあったら、エラーと判断する(ステップS10)。エラーがない場合、最端トラックTr.00を監視して磁気ヘッドをそこで停止する。なお、フレキシブル・ディスク・ドライブは、磁気ヘッドを最端トラックTr.00より外周に移動させることはできない。
【0022】
挿入されたメディアが2HDのメディアであって、HDI信号が論理“H”であったとする。この場合、先ず、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ21から情報を読み込む(ステップS11)。情報を読み込めた場合(ステップS11のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS12)。
【0023】
論理フォーマットチェックでは、先ず、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0から情報を読み込む(ステップA1)。なお、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0は、この技術分野においてブート・セクタ(boot sector)と呼ばれる。このブート・セクタには、当該メディアのフォーマット形式に関する情報が格納されている。情報を正しく読み込めた場合(ステップA1のOK)、論理フォーマットと物理フォーマットとが異なるか否かを判断する(ステップA2)。論理フォーマットと物理フォーマットとが異なる場合(ステップA2のYES)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータは論理フォーマット時の値を使用する(ステップA3)。一方、ステップA1において情報を正しく読み込めなかったとき(ステップA1のNG)やステップA2において論理フォーマットと物理フォーマットとが同じと判断された場合(ステップA2のNO)には、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータは物理フォーマット時の値を使用する(ステップA4)。
【0024】
ステップS11において情報を読み込めなったとする(ステップS11のNG)。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18から情報を読み込む(ステップS13)。情報を読み込めた場合(ステップS13のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS14)。
【0025】
ステップS13において情報を読み込めなったとする(ステップS13のNG)。この場合、スピンドル・モータの回転数を300rpmから360rpmに設定する(ステップS15)。このとき、HDI2信号を論理“H”レベルから論理“L”レベルにする。
【0026】
次に、レディ信号(SRO)を確認し、待ち時間として最大800msを設定する(ステップS16)。SRO信号が論理“H”レベルのとき、フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来てないと判断する(ステップS17)。
【0027】
ステップS16においてレディ信号(SRO)が確認できたら(すなわち、SRO信号が論理“L”レベルであるなら)、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ15から情報を読み込む(ステップS18)。情報を読み込めた場合(ステップS18のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS19)。
【0028】
ステップS18において情報を読み込めなった場合(ステップS18のNG)、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ8から情報を読み込む(ステップS20)。情報を読み込めた場合(ステップS20のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS21)。
【0029】
ステップS20において情報を読み込めなった場合(ステップS20のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS22)。
【0030】
一方、挿入されたメディアが2DDのメディアであって、HDI信号が論理“L”であったとする。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ9から情報を読み込む(ステップS23)。情報を読み込めた場合(ステップS23のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS24)。
【0031】
ステップS23において情報を読み込めなった場合(ステップS23のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS25)。
【0032】
上述したように、従来のメディア認識方法では、ステップS20又はステップS23において情報を読み込めなかった場合、直ちに、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断している。
【0033】
【特許文献1】
特開平9−97493号公報
【0034】
【特許文献2】
特開平9−97839号公報
【0035】
【特許文献3】
特開平9−91859号公報
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のメディア認識方法では、ある特定のセクタにエラー(誤り)がある場合、そのメディアを正しく認識することはできない。
【0037】
それについて具体例を挙げて説明する。例えば、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディアが記憶容量が1.44MBにフォーマットされた2HDのメディア(以下、「1.44MBフォーマットメディア」と呼ぶ。)であったとする。このメディアはセクタ数が18である。そして、特定のセクタとして、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18に不良があったとする。この場合、挿入されたメディアが1.44MBフォーマットメディアであるにも拘らず、ステップS13において情報を正しく読み込むことができない(ステップS13のNG)。1.44MBフォーマットメディアはその回転数が300rpmに設定されているので、ステップS15,S16,S18、S20,S22の経路によって、当該メディアはフォーマットされていないメディアであると判断されてしまう。すなわち、特定のセクタが壊れてしまうと、そのメディア全体が読み書き不可であると判断されてしまう。
【0038】
尚、この特定セクタ(最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18)に不良がある1.44MBフォーマットされたメディアは、あくまで不良メディアであるため、現在のような仕様でも問題はない。しかしながら、その壊れている特定のセクタ以外のセクタは正常であるので、それら正常なセクタに対してデータを読み書きすることが可能であるにも拘らず、そのメディア全体が読み書き不可と判断されてしまう。
【0039】
このような事情は、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディアが2DDのメディアであって、特定のセクタとして最端トラックTr.00のサイド0のセクタ9に不良があった場合にも起こり得る。
【0040】
したがって、本発明の課題は、特定のセクタにエラーがあるメディアに対しても、問題なくメディアのフォーマット形式を正しく認識することができる、メディア認識方法を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディア(40)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法であって、前記メディアは、磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数のトラックを有し、各トラックは所定数の互いに等しい長さのセクタに分割されている、メディア認識方法において、前記挿入されたメディアの特定のセクタにエラーがあって当該特定のセクタから情報を読み込めずに前記挿入されたメディアのフォーマット形式を認識できない場合(S20のNG、S23のNG)に、ブート・セクタの内容を読み出すステップ(S31,S36,S41)と、該ブート・セクタから正しく情報を読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断するステップ(S32,S37,S42)とを含むメディア認識方法が得られる。
【0042】
上記メディア認識方法において、例えば、挿入されたメディアが2HDのメディアで、特定のセクタが最端トラックのサイド0のセクタ18であって良い。または、挿入されたメディアが2DDのメディアで、特定のセクタが最端トラックのサイド0のセクタ9であって良い。
【0043】
本発明の具体的な態様によれば、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディア(40)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法であって、前記メディアは、磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数のトラックを有し、各トラックは所定数の互いに等しい長さのセクタに分割されている、メディア認識方法において、前記挿入されたメディアを回転数300rpmで回転する第1のステップ(S3)と、前記挿入されたメディアが2HDのメディアか2DDのメディアかを判定する第2のステップ(S8)と、該第2のステップにおいて前記挿入されたメディアが2HDのメディアと判定された場合に、最端トラックのサイド0のセクタ21から情報を読み込む第3のステップ(S11)と、該第3のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第4のステップ(S12)と、前記第3のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、最端トラックのサイド0のセクタ18から情報を読み込む第5のステップ(S13)と、該第5のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第6のステップ(S14)と、前記第5のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、回転数を300rpmから360rpmに切り替える第7のステップ(S15)と、該第7のステップ後にレディ信号を確認する第8のステップ(S16)と、該第8のステップにおいて前記レディ信号を確認できなかった場合に、前記フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来ていないと判断する第9のステップ(S17)と、前記第8のステップにおいて前記レディ信号を確認できた場合に、最端トラックのサイド0のセクタ15から情報を読み込む第10のステップ(S18)と、該第10のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第11のステップ(S19)と、前記第10のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、最端トラックのサイド0のセクタ8から情報を読み込む第12のステップ(S20)と、該第12のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第13のステップ(S21)と、前記第12のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第14のステップ(S31)と、該第14のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第15のステップ(S32)とを含むメディア認識方法が得られる。
【0044】
上記具体的な態様によるメディア認識方法において、前記第14のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、回転数を360rpmから300rpmに切り替える第16のステップ(S33)と、該第16のステップ後にレディ信号を確認する第17のステップ(S34)と、該第17のステップにおいて前記レディ信号を確認できなかった場合に、前記フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来ていないと判断する第18のステップ(S35)と、前記第17のステップにおいて前記レディ信号を確認できた場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第19のステップ(S36)と、該第19のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第20のステップ(S37)と、前記第19のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、前記挿入されたメディアをフォーマットされていないメディアと判断する第21のステップ(S39)とを更に含んで良い。また、前記第2のステップにおいて前記挿入されたメディアが2DDのメディアと判定された場合に、最端トラックのサイド0のセクタ9から情報を読み込む第22のステップ(S23)と、該第22のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第23のステップ(S24)と、前記第22のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第24のステップ(S41)と、該第24のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第25のステップ(S42)と、前記第24のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、前記挿入されたメディアをフォーマットされていないメディアと判断する第26のステップ(S43)とを更に含んで良い。
【0045】
上記括弧内の符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されない。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
最初に、図2及び図3を参照して、本発明に係るメディア認識方法が適用される、携帯型電子機器に搭載可能な3.5インチ型フレキシブル・ディスク・ドライブについて説明する。図2は分解斜視図、図3は前面側からみた斜視図である。
【0048】
図示のフレキシブル・ディスク・ドライブは、3.5インチ型フレキシブル・ディスク(後述する)を駆動するための装置である。挿入されたフレキシブル・ディスクは、図2及び図3の矢印Aに示す方向からフレキシブル・ディスク・ドライブ中に挿入される。挿入されたフレキシブル・ディスクは、ディスク・テーブル11上に、その回転軸11aとフレキシブル・ディスクの中心軸とが一致した状態で保持される。ディスク・テーブル11の回転軸11aは、スプリング12を介してメイン・フレーム13に設けられた軸受13aに挿入され、これによってディスク・テーブル11はメイン・フレーム13の表面上で回転自在に支持されている。従って、ディスク・テーブル11の回転軸11aの軸方向Bは、メイン・フレーム13の厚み方向と平行に成っている。ディスク・テーブル11は、メイン・フレーム13の裏面に設けられたスピンドル・モータ(図示せず)によって回転駆動され、これによってフレキシブル・ディスクの磁気ディスク媒体が回転する。また、メイン・フレーム13の裏面には、多数の電子部品が搭載された基板(図示せず)が取り付けられている。
【0049】
フレキシブル・ディスク・ドライブは、フレキシブル・ディスクの磁気ディスク媒体に対してデータの読出し/書込みを行うための上下一対の磁気ヘッド14(上側磁気ヘッドのみを図示する)を備えている。磁気ヘッド14は、フレキシブル・ディスク・ドライブの背面側に設けられたキャリッジ・アセンブリ15にその先端側で支持されている。すなわち、キャリッジ・アセンブリ15は、上側磁気ヘッド14を支持する上側キャリッジ15Uと、下側磁気ヘッドを支持する下側キャリッジ15Lとを有する。キャリッジ・アセンブリ15は、メイン・フレーム13の表面上で後述するようにメイン・フレーム13から離隔して配置されており、磁気ヘッド14をその先端側でフレキシブル・ディスクに対して所定の半径方向(図2及び図3の矢印Cで示す方向)に沿って移動可能に支持している。
【0050】
また、メイン・フレーム13の背面側の側壁131には、ステッピング・モータ16が固定されている。ステッピング・モータ16はキャリッジ・アセンブリ15を所定の半径方向Cに沿ってリニアに駆動する。詳細に説明すると、ステッピング・モータ16は所定の半径方向Cと平行に延在する回転軸(駆動軸)161を有し、この回転軸161には雄ネジが切られている。この回転軸161の先端161aは、メイン・フレーム13の表面から切り起こしにより立設された曲げ部132に空けられた穴132aを貫通し、スチール・ボール162が設けられる。この穴132aとスチール・ボール162とによって、回転軸161は所定の半径方向Cと平行に延在するように規制され、かつその先端161aは回転可能に支持されている。
【0051】
一方、キャリッジ・アセンブリ15は、下側キャリッジ15Lから回転軸161まで延在したアーム151を有し、このアーム151の先端151aは回転軸161の雄ネジの谷の部分に係合する。従って、ステッピング・モータ16の回転軸161が回転すると、このアーム151の先端151aが回転軸161の雄ネジの谷の部分に沿って動かされ、これによってキャリッジ・アセンブリ15自体が所定の半径方向Cに沿って移動する。とにかく、ステッピング・モータ16はキャリッジ・アセンブリ15を所定の半径方向Cに沿ってリニアに移動させるための駆動手段として働く。
【0052】
ステッピング・モータ16の回転軸161がキャリッジ・アセンブリ15の一方の側に設けられているので、キャリッジ・アセンブリ15の一方の側はこの回転軸161によってメイン・フレーム13から離隔した状態で、移動可能に支持される。しかしながら、この回転軸161による支持だけでは、キャリッジ・アセンブリ15全体をメイン・フレーム13の表面から離隔した状態で配置することはできない。そのため、ガイド・バー17によって、キャリッジ・アセンブリ15の他方の側でキャリッジ・アセンブリ15を支持しながら案内する。ガイド・バー17はキャリッジ・アセンブリ15を間に挟んで、ステッピング・モータ16の回転軸161とは逆側に設けられている。ガイド・バー17は所定の半径方向Cに対して平行に延在し、メイン・フレーム13の表面上で一端171および他端172が後述するように固定され、キャリッジ・アセンブリ15を所定の半径方向Cに沿って案内する。これによって、キャリッジ・アセンブリ15全体がメイン・フレーム13の表面から離隔して配置される。
【0053】
尚、キャリッジ・アセンブリ15からこのガイド・バー17側へフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)152が延在しており、このFPC152はメイン・フレーム13の裏面に取り付けられた基板(図示せず)に電気的に接続される。
【0054】
ガイド・バー17はメイン・フレーム13の表面でガイド・バー・クランプ18によって挟持されている。ガイド・バー・クランプ18はその中央部でメイン・フレーム13の表面にバインド子ネジ19によって固定されている。詳細に説明すると、ガイド・バー・クランプ18はガイド・バー17より少しだけ長い矩形固定部材180を有し、矩形固定部材180のほぼ中央にはバインド子ネジ19のネジ軸190が通過できる程度の穴180aが穿設されている。矩形固定部材180は、その一端180bおよび他端180cで、ガイド・バー17の一端171および他端172をそれぞれ挟持するための一対のアーム181および182が延在している。
【0055】
ガイド・バー・クランプ18は単にガイド・バー17を挟持しているだけなので、これだけではガイド・バー17をメイン・フレーム13の表面に固定することは出来ない。このために、ガイド・バー17の両端171および172の位置を規制するための一対の位置決め部材が必要である。この一対の位置決め部材としては、メイン・フレーム13の一部をメイン・フレーム13の表面側に切り起こして形成した一対の曲げ部201および202を使用している。
【0056】
キャリッジ・アセンブリ15の下側キャリッジ15Lは、キャリッジ・アセンブリ15をガイド・バー17に沿って摺動可能に支持する支持枠としても働く。下側キャリッジ15Lはガイド・バー17側へ突出した突出部(図示せず)を有し、この突出部中にガイド・バー17が摺動可能に嵌入されている。
【0057】
フレキシブル・ディスク・ドライブは、イジェクト・プレート21とディスク・ホルダ22とを更に有する。メイン・フレーム13、イジェクト・プレート21、及びディスク・ホルダ22は、金属板に打抜き加工、プレス加工、曲げ加工等を施すことにより形成される。
【0058】
イジェクト・プレート21は、フレキシブル・ディスクの挿入方向Aおよびその逆方向に沿ってスライド自在なように、メイン・フレーム13上に備えられている。イジェクト・プレート21は、後述するように、フレキシブル・ディスク・ドライブの作動時に、ディスク・ホルダ22と協動してフレキシブル・ディスクを保持する。また、イジェクト・プレート21は、フレキシブル・ディスクを挿入方向Aに沿ってフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入することを可能とし、或いはフレキシブル・ディスクを挿入方向Aと逆方向に沿ってフレキシブル・ディスク・ドライブ内から取り出すことを可能とするために、挿入方向Aにそってフレキシブル・ディスクが摺動自在なようにフレキシブル・ディスクを保持する。イジェクト・プレート21には、互いに対向する一対の側壁210が形成されている。この両側壁210の各々には、一対のカム部211が形成されている。また、イジェクト・プレート21の底面には、両側壁210に沿って切抜き部212が形成され、イジェクト・プレート21の底面中央部には、ディスク・テーブル11を取り囲むように略U字状の切欠き部213が形成されている。更に、イジェクト・プレート21の下面には、ピン(後述する)が設けられており、このピンは、後述するイジェクト・レバーの係止部と係合する。
【0059】
ディスク・ホルダ22は、イジェクト・プレート21上に配置されている。ディスク・ホルダ22には、主表面220と、この主表面220の両側端で互いに対向した一対の側壁221が形成されている。この両側壁221には、それぞれ突片222(一方のみ図示)が形成されている。これらの突片222は、イジェクト・プレート21の切抜き部212を通じてメイン・フレーム13の穴133内に挿通される。この突片222がメイン・フレーム13の穴133内に挿通されることにより、ディスク・ホルダ22は、メイン・フレーム13に対する挿入方向Aの位置が決められるのと同時に、ディスク・ホルダ22は、ディスク・テーブル11の回転軸11aの軸方向Bに沿って往復動自在となる。また、両側壁221の各々には、一対のピン223が設けられている。このピン223は、イジェクト・プレート21の側壁210に形成されてカム部211内に挿通される。ディスク・ホルダ22とイジェクト・プレート21との間には、イジェクト・バネ23が架設されている。
【0060】
尚、本例の場合、ディスク・ホルダ22に突片222を設け、メイン・フレーム13に穴133を設けてあるが、これに限らず、メイン・フレームに突片を設け、ディスク・ホルダに穴を設けても構わない。
【0061】
また、ディスク・ホルダ22は、その挿入方向Aの奥側中央部に、キャリッジ・アセンブリ15の上側キャリッジ15Uと対応する位置に、所定の半径方向Cに延在した略矩形状の開口部224が設けられている。この開口部224を囲むように、その周囲にディスク・ホルダ22の主表面220から上方に盛り上がった、略U字形状の盛り上がり縁225が形成されている。一方、キャリッジ・アセンブリ15は、側方に延びる一対の側方アーム153を備え、この側方アーム153は盛り上がり縁225の上に位置する。後述するように、フレキシブル・ディスクがディスク・ホルダ22からイジェクトされた状態では、この側方アーム153が盛り上がり縁225と係合し、これによって上下一対の磁気ヘッド14同士が互いに離される。さらに、ディスク・ホルダ22は、その挿入方向Aの奥側で開口部224から右寄りに、後述するイジェクト・レバーのレバー部の回動を許すような形状の開口部226も有している。
【0062】
メイン・フレーム13上には、キャリッジ・アセンブリ15の近傍に、イジェクト・レバー24が回動自在に設けられている。詳細に述べると、メイン・フレーム13には、その表面から上方に延びるロッド状ピン134が立設している。イジェクト・レバー24は、ロッド状ピン134が嵌め込まれる筒状部240と、この筒状部240から径方向に延在するアーム部(レバー部)241と、このアーム部241の自由端に設けた上方に延在する突起部242と、アーム部241の自由端側から周方向に延びる円弧状の係止部243とを有している。イジェクト・レバー24には、筒状部240の周りにイジェクト・レバー・バネ25が装着され、このイジェクト・レバー・バネ25は、イジェクト・レバー24を図面上、反時計回りに付勢している。イジェクト・レバー24の突起部242は上記開口部226に遊嵌されている。また、この突起部242は、後述するフレキシブル・ディスクのシャッタの右側上端縁と係合して、シャッタの開閉を制御する。尚、図3に示されるように、ロッド状ピン134の先端にはネジ26が捩じ込まれており、これによってイジェクト・レバー24がロッド状ピン134から抜けるのを防止している。
【0063】
また、メイン・フレーム13の前端部には、フロント・パネル27が取り付けられている。フロント・パネル27は、フレキシブル・ディスクを出し入れする開口271と、この開口271を開閉する扉272とを備えている。このフロント・パネル27には、イジェクト・ボタン28が前後方向移動可能に突設されている。イジェクト・ボタン28は、イジェクト・プレート21の前端で前方に突き出ている突起部214に嵌め込まれている。
【0064】
図4を参照して、図2および図3に示されたフレキシブル・ディスク・ドライブ(FDD)によって駆動されるフレキシブル・ディスク(FD)40について説明する。図示のフレキシブル・ディスク40は、円盤状の磁気ディスク媒体41と、この磁気ディスク媒体41を覆うシェル42と、矢印D方向に摺動可能なシャッタ43とを有する。シャッタ43には窓43aが空けられている。シャッタ43は矢印D方向とは逆方向に図示しないバネ部材によって付勢されている。シェル42は、上記フレキシブル・ディスク・ドライブの磁気ヘッド14による磁気ディスク媒体41へのアクセスを可能とする開口部42aを有する。この開口部42aは、フレキシブル・ディスク40がフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されていない状態では、図に示すように、シャッタ43で覆われている。フレキシブル・ディスク40がフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されるとき、シャッタ43の右側縁上端43bにイジェクト・レバー24の突起部242が係合し、シャッタ43を矢印D方向へ摺動する。
【0065】
シェル42は、右上角部に、逆方向挿入(表裏及び前後の挿入方向を逆にして挿入)防止用の面取り部42bが形成されている。また、シェル42には、その挿入方向A後端の左側角部に書込み保護用穴44が穿設されている。
【0066】
上述したように、フレキシブル・ディスク・ドライブによって駆動されるフレキシブル・ディスク40において、磁気ヘッド14によってアクセスされる磁気ディスク媒体41の表面上には、データを記録するための通路としての複数本のトラック(図示せず)が半径方向に沿って同心円状に形成されている。フレキシブル・ディスク40のトラック本数は片面80本であり、最外周トラック(最端トラック)TR00から最内周トラックTR79まである。
【0067】
図2に加えて図5をも参照して、磁気ディスク媒体41の最端トラックTR00の位置を検出するためのトラック位置検出機構(00センサ)について説明する。
【0068】
キャリッジ・アセンブリ15において、下側キャリッジ15Lにはその底部から下方に突出した遮断板154が備えらている。一方、このキャリッジ・センブリ15と対向するメイン・フレーム13の下面側にはメイン・プリント基板30が配設されている。このメイン・プリント基板30上にトラック位置検出機構(00センサ)として使用されるフォト・インタラプタ31が実装されている。このため、メイン・フレーム13にはこのフォト・インタラプタ31を通すための穴13bが穿設されている。
【0069】
周知のように、フォト・インタラプタ31は、発光素子(後述する)が内蔵された第1の突出部311と、受光素子(後述する)が内蔵された第2の突出部312とを有する。第1の突出部311と第2の突出部312とは、図示の如く、対面するように配置されており、各々の対面する壁面には開口部(図示せず)が設けられている。これら2つの開口部を通して、発光素子から受光素子へ向かう光路が形成される。そして、上記遮蔽板154は、図示の如く、第1の突出部311と第2の突出部312との間の通路を通過する。
【0070】
このような構成の00センサにおいて、フォト・インタラプタ31の光路を遮蔽板154が遮断することにより、磁気ヘッド14がフレキシブル・ディスク40の磁気ディスク媒体41における最端トラックTR00の位置にあることを検出することができる。
【0071】
図6および図7を参照して、図2および図3に図示したフレキシブル・ディスク・ドライブ(FDD)を制御するためのFDD制御装置について説明する。
【0072】
図示のFDD制御装置は、1チップIC50(図6)と、スピンドル・モータ用IC60(図7)と、電源供給回路80とを有する。これら1チップIC50、スピンドル・モータ用IC60、および電源供給回路80は、メイン・プリント基板30(図5)上に実装される。スピンドル・モータ用IC60は、スピンドル・モータの駆動を制御するためのICであって、多数のバイポーラ・トランジスタを集積したバイポーラICで実現される。これに対して、1チップIC50は、多数のMOSFETを集積したMOS・ICで実現される。電源供給回路80は、電源スイッチ(図示せず)がオンしたとき、5Vの電圧を供給するための回路であって、第1の電源端子VAと第2の電源端子VBとを持つ。
【0073】
図6に加えて図8をも参照して、1チップIC50は、R/W系制御回路51と、STP系制御回路52と、CTL系制御回路53とを内部に組み込んでいる。R/W系制御回路51はデータの読出し/書込みを行うための制御回路である。STP系制御回路52はステッピング・モータ16(図2)の駆動を制御するための制御回路である。CTL系制御回路53はフレキシブル・ディスク・ドライブ全体の動作を制御するための制御回路である。1チップIC50は上述した機能選択回路54と、ホスト用I/F回路55と、スピンドル・モータ制御用I/F回路56とをさらに含んでいる。CTL系制御回路53は、R/W系制御回路51とSTP系制御回路52と機能選択回路54とホスト用I/F回路55とスピンドルモータ用I/F回路56とに接続されている。
【0074】
R/W系制御回路51は、HEAD1ライン71およびHEAD0ライン72を介して、それぞれ、上側磁気ヘッド14(図2)および下側磁気ヘッドに接続されている。STP系制御回路52はS−MOTORライン73を介してステッピング・モータ16(図2)と接続されている。ホスト用I/F回路55はI/Fライン74を介してホスト・システム(上位装置)(図示せず)と接続されている。スピンドル・モータ制御用I/F回路56はFCCライン75を介してスピンドル・モータ用IC60に接続されている。
【0075】
次に、1チップIC50の入出力端子について説明する。尚、この明細書では、入出力端子名と信号名とを区別せずに、同じ参照符号を付して説明する。
【0076】
1チップIC50は、HEAD1ライン71およびHEAD0ライン72に接続されるR/W系出力端子(ER1、RW1A、RB1B、ER0、EW0A、RW0B、VCC(R))を持つ。また、1チップIC50は、S−MOTORライン73に接続されるSTP系出力端子(ST1、ST1B、ST4、ST4B)を持つ。さらに、1チップIC50は、I/Fライン74に接続されるホスト用入出力端子(DCO、S1I、RDO、WPO、TKO、WGI、WDI、STP、DIR、MTI、DSI、IDO、HDOO、HDIS)を持つ。1チップIC50は、FFCライン75に接続されるスピンドル・モータ制御用入出力端子(IDI、MTO、360、HDI3、HDI、DSO、DKI、WPI、1MCLK)を持つ。これら入出力端子以外にも、1チップIC50は、2つの機能選択入力端子(1M36/HDOS/WPOS、ACHS/DSS/DRS)や、00センサ用の3つの入力端子(AMP/FIL、TKI、TKS)等を持つ。
【0077】
ここで、FFCライン75に接続されるスピンドル・モータ制御用入出力端子中の、DKI端子(信号)は、フレキシブル・ディスク40が本フレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されているか否かを示す信号である。そのため、図6に示されるように、FDD制御装置は、フレキシブル・ディスクがフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されているか未挿入であるかを検出ためのスイッチMSを備えている。また、I/Fライン74に接続されるホスト用入出力端子中の、DIR端子(信号)は、ホスト・システム(上位装置)から供給される磁気ヘッドのシーク(移動)方向を決める信号であって、論理“L”レベルは内周方向を、論理“H”レベルは外周方向をそれぞれ示す。さらに、S−MOTORライン73に接続されるSTP系出力端子中の、ST1端子(信号)およびST4端子(信号)は相励磁を示す信号である。ST1信号とST4信号が両方とも論理“H”レベルのときは、磁気ヘッドが偶数番号のトラック位置にあることを示し、両方とも論理“L”レベルのときは、磁気ヘッドが奇数番号のトラック位置にあることを示している。
【0078】
00センサとして動作するフォト・インタラプタ31は、発光素子である発光ダイオード(LED)31aと、受光素子であるフォト・トランジスタ31bとを有する。LED31aのアノードは第1の電源端子VAに接続され、カソードは1チップIC50のTKS端子に接続されている。フォト・トランジスタ31bのコレクタは第1の電源端子VAに接続されている。また、フォト・トランジスタ31bのエミッタは抵抗器R4を介して接地されるとともに、1チップIC50のTKI端子とAMP/FIL端子と接続されている。
【0079】
TKI端子(信号)は、フォト・インタラプタ31の光路が遮断板154で遮断されたときに、論理“L”レベルとなる信号である。
【0080】
CTL系制御回路53は、上記DKI信号をスピンドルモータ制御用I/F回路56を介して入力する。また、CTL系制御回路53は上記TKI信号を入力する。さらに、CTL系制御回路53はSTP系制御回路52から上記ST1信号及びST4信号を入力する。CTL系制御回路53は、上記DIR信号をホスト用I/F回路55を介して入力する。
【0081】
通常、TKI信号が論理“L”レベルで、DIR信号が論理“L”レベルで、かつST1信号及びST4信号が両方とも論理“H”レベルのとき、CTL系制御回路53は、磁気ヘッド14がフレキシブル・ディスク40中の磁気ディスク媒体41における最端トラックTR00の位置にあると判断して、ホスト用I/F回路55を介してホスト・システム(上位装置)へトラック00信号(TKO信号)を出力する。
【0082】
図7を参照して、スピンドル・モータ用IC60によって制御されるスピンドル・モータは、その詳細な構成については図示しないが、U相、V相、およびW相の3つのコイル(固定子巻線)601、602、603を持つブラシレス三相直流モータである。そして、スピンドル・モータは、永久磁石形回転子(図示せず)と、回転子位置検出器(後述する)とを備えている。一方、スピンドル・モータ用IC60は、複数個のバイポーラ・トランジスタから成る駆動トランジスタ(トランジスタ整流子)を内蔵している。すなわち、スピンドル・モータは、このモータの回転子位置に応じて、駆動トランジスタのバイポーラ・トランジスタをオン、オフさせて、該当する固定子巻線に電流を流し、回転子磁極との間にトルクを発生し、回転子を回転させる。回転子の回転にともない、回転子位置検出器から出力される回転子位置検出信号も順次切換えられ、電流を流す回転子巻線を切換え、回転を持続する。
【0083】
また、スピンドル・モータは、回転子の回転数(回転速度)を検出するための周波数発生パターンFGPTを有する。スピンドル・モータ用IC60は、周波数発生パターンFGPTで検出された回転子の回転速度に基づいて、回転子位置検出器からの回転子位置検出信号を参照しながら、電流を流す固定子巻線を切換える。
【0084】
上記回転子位置検出器としては、例えば、図6に示すように、3つのホール素子606、607、608が使用される。これら3つのホール素子606〜608における詳細な配置関係については、例えば、米国特許第4,882,511号明細書(対応する公開公報は特開昭61−164454号公報)を参照されたい。尚、もう1つのホール素子609は、インデックス検出用である。
【0085】
図9を参照して、本発明の一実施の形態に係るメディア認識方法について説明する。図示のメディア認識方法は、ステップS22の代わりにステップS31〜S38を、ステップS25の代わりにステップS41〜S43を有している点を除いて、図1に図示した従来のメディア認識方法と同様の動作をする。したがって、図1に示したステップと同一のステップには同一の参照符号を付し、説明の簡略化の為にそれらの説明は省略する。
【0086】
ステップS20において情報を読み込めなったとする(ステップS20のNG)。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0(すなわち、ブート・セクタ)から情報を読み込む(ステップS31)。ブート・セクタから情報を正しく読み込めた場合(ステップS31のOK)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータはブート・セクタから読み込んだ時の値を使用する(ステップS32)。すなわち、挿入されたメディアは、そのブート・セクタから読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断される。
【0087】
一方、ステップS31においてブート・セクタから情報を正しく読み込めなかったとする(ステップS31のNG)。この場合、スピンドル・モータの回転数を360rpmから300rpmに設定する(ステップS33)。このとき、HDI2信号を論理“L”レベルから論理“H”レベルにする。次に、レディ信号(SRO)を確認し、待ち時間として最大800msを設定する(ステップS34)。SRO信号が論理“H”レベルのとき、フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来てないと判断する(ステップS35)。
【0088】
ステップS34においてレディ信号(SRO)が確認できたら(すなわち、SRO信号が論理“L”レベルであるなら)、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0(すなわち、ブート・セクタ)から情報を読み込む(ステップS36)。ブート・セクタから情報を正しく読み込めた場合(ステップS36のOK)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータはブート・セクタから読み込んだ時の値を使用する(ステップS37)。すなわち、挿入されたメディアは、そのブート・セクタから読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断される。
【0089】
ステップS36において情報を正しく読み込めなった場合(ステップS36のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS38)。
【0090】
また、ステップS23において情報を読み込めなったとする(ステップS23のNG)。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0(すなわち、ブート・セクタ)から情報を読み込む(ステップS41)。ブート・セクタから情報を正しく読み込めた場合(ステップS41のOK)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータはブート・セクタから読み込んだ時の値を使用する(ステップS42)。すなわち、挿入されたメディアは、そのブート・セクタから読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断される。
【0091】
一方、ステップS41においてブート・セクタから情報を正しく読み込めなかった場合(ステップS36のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS38)。
【0092】
このように、本発明によるメディア認識方法では、ある特定のセクタにエラー(誤り)があっても、そのメディアをフォーマットされているメディアとして認識することができる。
【0093】
それについて具体例を挙げて説明する。例えば、挿入されたメディアが記憶容量が1.44MBにフォーマットされた2HDのメディア(以下、「1.44MBフォーマットメディア」と呼ぶ)であったとする。このメディアはセクタ数が18である。そして、特定のセクタとして、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18に不良があったとする。この場合、挿入されたメディアが1.44MBフォーマットメディアであるにも拘らず、ステップS13において情報を正しく読み込むことができない(ステップS13のNG)。1.44MBフォーマットメディアはその回転数が300rpmに設定されているので、ステップS15,S16,S18、S20の経路を通り、ステップS20でNGと判定され、ステップS31に移行する。
【0094】
ステップS31でもNGと判定されるので、ステップS33において回転数が300rpmに切り替えられ、ステップS34においてSRO信号を確認でき、ステップS36においてブート・セクタから情報を正しく読み込むことができる。そして、ステップS37において挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断され、パラメータとしてブート・セクタから読み込んだ時の値が使用される。本例の場合、このブート・セクタには、当該メディアが1.44MBフォーマットメディアであるとの情報(フォーマット形式)が格納されているので、挿入されたメディアを正しく認識することが可能となる。
【0095】
次に、挿入されたメディアが2DDにフォーマットされたメディア(以下、「2DDフォーマットメディア」と呼ぶ)であって、特定のセクタとして最端トラックTr.00のサイド0のセクタ9に不良があったとする。このメディアはセクタ数が9である。この場合、挿入されたメディアが2DDフォーマットメディアであるにも拘らず、ステップS23において情報を正しく読み込むことができない(ステップS23のNG)。ステップS41においてブート・セクタから情報を正しく読み込むことができる。そして、ステップS42において挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断され、パラメータとしてブート・セクタから読み込んだ時の値が使用される。本例の場合、このブート・セクタには、当該メディアが2DDフォーマットメディアであるとの情報(フォーマット形式)が格納されているので、挿入されたメディアを正しく認識することが可能となる。
【0096】
本発明は上述した実施の形態に限定せず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能なのは勿論である。
【0097】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、たとえ何らかの要因で特定のセクタが壊れてしまって当該特定のセクタにエラーがあった場合でも、ブート・セクタを確認し、そこから情報を正しく読み込むことができた場合には、挿入されたメディアがその読み出した情報(フォーマット形式)でフォーマットされているメディアと判断する。そのため、そのメディア全体が読み書き不可となるのではなく、壊れていない部分に対してデータを読み書きすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のメディア認識方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明に係るメディア認識方法が適用されるフレキシブル・ディスク・ドライブの要部を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示したフレキシブル・ディスク・ドライブを斜め前方から見た概略斜視図である。
【図4】フレキシブル・ディスク・ドライブで駆動されるフレキシブル・ディスク(メディア)を示す平面図である。
【図5】フレキシブル・ディスク・ドライブに使用されるトラック位置検出機構(00センサ)の設置構造を説明するための断面図である。
【図6】本発明に係るメディア認識方法を実現するFDD制御装置の1チップICの外観を示す平面図である。
【図7】図6に図示した1チップICと共に使用される、FDD制御装置のスピンドル・モータ用ICの外観を示す平面図である。
【図8】図6に図示した1チップICの内部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるメディア認識方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
40 フレキシブル・ディスク(メディア)
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブル・ディスク・ドライブ(以下、「FDD」とも略称する)でアクセスされるフレキシブル・ディスク(以下、「FD」とも略称する)であるメディアを認識する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、フレキシブル・ディスク・ドライブはその中に挿入されたフレキシブル・ディスクの磁気ディスク媒体に対してデータの記録再生を行うための装置である。そして、このようなフレキシブル・ディスク・ドライブは、ラップトップ・パーソナル・コンピュータやノート型パーソナル・コンピュータ、あるいはノート型ワード・プロセッサ等の電子機器に搭載される。電子機器は、ホスト・システムや上位装置とも呼ばれる。
【0003】
この種のフレキシブル・ディスク・ドライブは、フレキシブル・ディスクの磁気記録媒体に対してデータの読出し/書込みを行う磁気ヘッドと、この磁気ヘッドをフレキシブル・ディスクに対して所定の半径方向に沿って移動可能に先端で支持するキャリッジ・アセンブリと、このキャリッジ・アセンブリを上記所定の半径方向に沿って移動させるステッピング・モータと、フレキシブル・ディスクを保持しつつ磁気記録媒体を回転駆動するスピンドル・モータと、を有している。ここで、磁気ヘッドを目的(目標)のトラックに移動することを「シーク」と呼ぶ。このシーク動作は、ステッピング・モータを回転駆動することによってなされる。
【0004】
このようなフレキシブル・ディスク・ドライブを制御するためのFDD制御装置は、従来から種々提案されている。例えば、特許文献1には、上記データの読出し/書込みを行うためのリード/ライト系(以下、「R/W系」と呼ぶ。)制御回路と、ステッピング・モータの駆動を制御するためのステッピング・モータ系(以下、「STP系」と呼ぶ。)制御回路と、フレキシブル・ディスク・ドライブ全体の動作を制御するためのコントロール系(以下、「CTL系」と呼ぶ。)制御回路とを1チップICに組み込んだものが開示されている。この1チップICは、一般に、多数のMOSFETを集積したMOS・ICで実現される。
【0005】
上記FDD制御装置は、この1チップICの他に、スピンドル・モータの駆動を制御するためのスピンドル・モータ用ICをも備えている。このスピンドル・モータ用ICは多数のバイポーラ・トランジスタを集積したバイポーラICで実現される。
【0006】
ところで、フレキシブル・ディスク・ドライブは客先によって仕様が異なる。例えば、Drive Select 0又はDrive Select 1、スペシャルシーク機能の有無、オートチャッキング機能の有無、Density Out信号の論理の違い、モードSelect信号の論理の違い、1Mモード250kbps又は300kbps等。この仕様を満足するように、1チップを仕様毎におのおの開発すると、多種類の1チップICを用意しておかなければならない。これを回避するために、1チップICの内部に、予め全ての仕様を満足する全ての機能を盛り込んでおき、仕様に合わせて機能を選択するようにした、機能選択回路付き1チップICも既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、周知のように、フレキシブル・ディスク・ドライブによって駆動されるフレキシブル・ディスクは、磁気ヘッドでアクセスされる円盤状の磁気ディスク媒体を含み、この磁気ディスク媒体の表面上には、半径方向に沿ってデータを記録するための通路としての複数のトラックが同心円状に形成されている。フレキシブル・ディスクのトラック本数は片面80本であり、最外周トラックTR00から最内周トラックTR79まである。ここでは、最外周トラックTR00は最端トラックと呼ぶことにする。また、磁気ディスク媒体の両面のうち、一方の面はサイド0と呼ばれ、他方の面はサイド1と呼ばれる。
【0008】
フレキシブル・ディスクをフレキシブル・ディスク・ドライブの磁気ヘッドでアクセスする場合、所望のトラック位置に磁気ヘッドを位置決めする必要がある。この為には、磁気ヘッドを先端で支持しているキャリッジ・アセンブリを位置決めすれば良い。キャリッジ・アセンブリの駆動手段としてステッピング・モータを採用しているので、フレキシブル・ディスク・ドライブではキャリッジ・アセンブリの位置決めを容易に行うことができる。それにも拘らず、フレキシブル・ディスク・ドライブでは、それに挿入されたフレキシブル・ディスクの磁気記録媒体の最端トラックTR00の位置だけは検出する必要がある。この最端トラックTR00の位置を検出する為に、キャリッジ・アセンブリにはその底部から下方に突出した遮断板が備えられ、このキャリッジ・アセンブリと対向するメイン・フレームに近接した基板にフォト・インタラプタが取り付けられている。(例えば、特許文献3参照)。すなわち、フォト・インタラプタの光路を遮断板が遮断することにより、磁気ヘッドがフレキシブル・ディスクの磁気記録媒体における最端トラックTR00の位置にあることを検出することができる。このようなトラック位置検出機構は、この技術分野では「00センサ」と呼ばれている。
【0009】
フレキシブル・ディスクは磁性体を塗った円盤を四角いジャケットに納めたものである。フレキシブル・ディスクの外形サイズには、3.5インチ型、5.25インチ型などがあるが、最近では3.5インチ型が主流である。単位面積当たりに記録できる記録密度によって、両面倍密度倍トラック(2DD)、両面高密度倍トラック(2HD)などに分けられる。
【0010】
また、製造したばかりのフレキシブル・ディスク(以下、「生のFD」とも略称する)は単なる磁性体を塗布した円盤に過ぎない。この生のFDをパーソナル・コンピュータやワード・プロセッサ等で利用できるようにするためには、生のFDの磁気ディスク媒体を複数の領域に区分けして番号を付け、各領域にどんな情報を書き込むかを記録・管理する必要がある。これら一連の処理をフォーマット、或いは初期化と呼ぶ。
【0011】
前述したように、フレキシブル・ディスクは、円盤状の磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数本のトラックを有し、各トラックは円周方向に所定数の互いに等しい長さのセクタに分割される。
【0012】
フォーマットには物理フォーマットと論理フォーマットとがある。物理フォーマットは円盤状の磁気ディスク媒体にどのようにデータを並べるかを決めることであり、具体的には、トラック総数、使用トラック総数、各トラックのセクタ数、媒体記憶容量、フォーマット記憶容量などがある。一方、論理フォーマットとは、物理フォーマットが終った後に磁気ディスク媒体上で“目次”にあたる情報を書き込む場所を決め、さらに情報に書き込むひとつひとつの単位に“番地”を割り振ることである。論理フォーマットはセクタ・フォーマットとも呼ばれる。
【0013】
同じ3.5インチ型のフレキシブル・ディスクでも、フォーマットが異なると読み書きはできない。そのため、フレキシブル・ディスク・ドライブは、それに挿入されたフレキシブル・ディスク(メディア)をアクセス(読み書き)するためには、そのフレキシブル・ディスク(メディア)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされているかを認識する必要がある。
【0014】
ここで、フォーマット形式の種類としては、下記の表1に示されるものがある。
【0015】
【表1】
【0016】
図1を参照して、従来のメディア認識方法について説明する。
【0017】
先ず、メディアが有るか否かを確認する(ステップS1)。この確認はDisk Out信号(DKO)に基づいて判断される。DKO信号が論理“H”レベルのとき、メディアが無しと判断する(ステップS2)。メディアが有る場合、モータをオンする(ステップS3)。すなわち、MTI信号を論理“H”レベルから論理“L”レベルに遷移し、HDI2信号は論理“H”レベルに固定される。このときのスピンドル・モータの回転数は、300rpmである。
【0018】
次に、レディ信号(SRO)を確認し、待ち時間として最大800msを設定する(ステップS4)。SRO信号が論理“H”レベルのとき、フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来てないと判断する(ステップS5)。
【0019】
SRO信号が論理“L”レベルであることを、DSI信号を論理“H”レベルから論理“L”レベルにしてから確信する。
【0020】
レディ信号(SRO)が確認できたら、6msの再較正をする(ステップS6)。この再較正は、磁気ヘッドが2トラックでストップしている可能性が有るからである。このとき最端トラックTr.00を監視して磁気ヘッドをそこで停止する。次に、4msで磁気ヘッドを12ステップ内周へ移動する(ステップS7)。これはトラックずれを修復するためである。
【0021】
次に、Density out信号(HDO)を確信する(ステップS8)。この時点で、挿入されたメディアが2HDのメディアであるか2DDのメディアであるか確認し、転送レートを決定する。Density out信号を確認できたら、4msの再較正をする(ステップS9)。この再較正でエラーがあったら、エラーと判断する(ステップS10)。エラーがない場合、最端トラックTr.00を監視して磁気ヘッドをそこで停止する。なお、フレキシブル・ディスク・ドライブは、磁気ヘッドを最端トラックTr.00より外周に移動させることはできない。
【0022】
挿入されたメディアが2HDのメディアであって、HDI信号が論理“H”であったとする。この場合、先ず、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ21から情報を読み込む(ステップS11)。情報を読み込めた場合(ステップS11のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS12)。
【0023】
論理フォーマットチェックでは、先ず、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0から情報を読み込む(ステップA1)。なお、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0は、この技術分野においてブート・セクタ(boot sector)と呼ばれる。このブート・セクタには、当該メディアのフォーマット形式に関する情報が格納されている。情報を正しく読み込めた場合(ステップA1のOK)、論理フォーマットと物理フォーマットとが異なるか否かを判断する(ステップA2)。論理フォーマットと物理フォーマットとが異なる場合(ステップA2のYES)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータは論理フォーマット時の値を使用する(ステップA3)。一方、ステップA1において情報を正しく読み込めなかったとき(ステップA1のNG)やステップA2において論理フォーマットと物理フォーマットとが同じと判断された場合(ステップA2のNO)には、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータは物理フォーマット時の値を使用する(ステップA4)。
【0024】
ステップS11において情報を読み込めなったとする(ステップS11のNG)。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18から情報を読み込む(ステップS13)。情報を読み込めた場合(ステップS13のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS14)。
【0025】
ステップS13において情報を読み込めなったとする(ステップS13のNG)。この場合、スピンドル・モータの回転数を300rpmから360rpmに設定する(ステップS15)。このとき、HDI2信号を論理“H”レベルから論理“L”レベルにする。
【0026】
次に、レディ信号(SRO)を確認し、待ち時間として最大800msを設定する(ステップS16)。SRO信号が論理“H”レベルのとき、フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来てないと判断する(ステップS17)。
【0027】
ステップS16においてレディ信号(SRO)が確認できたら(すなわち、SRO信号が論理“L”レベルであるなら)、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ15から情報を読み込む(ステップS18)。情報を読み込めた場合(ステップS18のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS19)。
【0028】
ステップS18において情報を読み込めなった場合(ステップS18のNG)、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ8から情報を読み込む(ステップS20)。情報を読み込めた場合(ステップS20のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS21)。
【0029】
ステップS20において情報を読み込めなった場合(ステップS20のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS22)。
【0030】
一方、挿入されたメディアが2DDのメディアであって、HDI信号が論理“L”であったとする。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ9から情報を読み込む(ステップS23)。情報を読み込めた場合(ステップS23のOK)、論理フォーマットチェックを行う(ステップS24)。
【0031】
ステップS23において情報を読み込めなった場合(ステップS23のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS25)。
【0032】
上述したように、従来のメディア認識方法では、ステップS20又はステップS23において情報を読み込めなかった場合、直ちに、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断している。
【0033】
【特許文献1】
特開平9−97493号公報
【0034】
【特許文献2】
特開平9−97839号公報
【0035】
【特許文献3】
特開平9−91859号公報
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のメディア認識方法では、ある特定のセクタにエラー(誤り)がある場合、そのメディアを正しく認識することはできない。
【0037】
それについて具体例を挙げて説明する。例えば、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディアが記憶容量が1.44MBにフォーマットされた2HDのメディア(以下、「1.44MBフォーマットメディア」と呼ぶ。)であったとする。このメディアはセクタ数が18である。そして、特定のセクタとして、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18に不良があったとする。この場合、挿入されたメディアが1.44MBフォーマットメディアであるにも拘らず、ステップS13において情報を正しく読み込むことができない(ステップS13のNG)。1.44MBフォーマットメディアはその回転数が300rpmに設定されているので、ステップS15,S16,S18、S20,S22の経路によって、当該メディアはフォーマットされていないメディアであると判断されてしまう。すなわち、特定のセクタが壊れてしまうと、そのメディア全体が読み書き不可であると判断されてしまう。
【0038】
尚、この特定セクタ(最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18)に不良がある1.44MBフォーマットされたメディアは、あくまで不良メディアであるため、現在のような仕様でも問題はない。しかしながら、その壊れている特定のセクタ以外のセクタは正常であるので、それら正常なセクタに対してデータを読み書きすることが可能であるにも拘らず、そのメディア全体が読み書き不可と判断されてしまう。
【0039】
このような事情は、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディアが2DDのメディアであって、特定のセクタとして最端トラックTr.00のサイド0のセクタ9に不良があった場合にも起こり得る。
【0040】
したがって、本発明の課題は、特定のセクタにエラーがあるメディアに対しても、問題なくメディアのフォーマット形式を正しく認識することができる、メディア認識方法を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディア(40)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法であって、前記メディアは、磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数のトラックを有し、各トラックは所定数の互いに等しい長さのセクタに分割されている、メディア認識方法において、前記挿入されたメディアの特定のセクタにエラーがあって当該特定のセクタから情報を読み込めずに前記挿入されたメディアのフォーマット形式を認識できない場合(S20のNG、S23のNG)に、ブート・セクタの内容を読み出すステップ(S31,S36,S41)と、該ブート・セクタから正しく情報を読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断するステップ(S32,S37,S42)とを含むメディア認識方法が得られる。
【0042】
上記メディア認識方法において、例えば、挿入されたメディアが2HDのメディアで、特定のセクタが最端トラックのサイド0のセクタ18であって良い。または、挿入されたメディアが2DDのメディアで、特定のセクタが最端トラックのサイド0のセクタ9であって良い。
【0043】
本発明の具体的な態様によれば、フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディア(40)がどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法であって、前記メディアは、磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数のトラックを有し、各トラックは所定数の互いに等しい長さのセクタに分割されている、メディア認識方法において、前記挿入されたメディアを回転数300rpmで回転する第1のステップ(S3)と、前記挿入されたメディアが2HDのメディアか2DDのメディアかを判定する第2のステップ(S8)と、該第2のステップにおいて前記挿入されたメディアが2HDのメディアと判定された場合に、最端トラックのサイド0のセクタ21から情報を読み込む第3のステップ(S11)と、該第3のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第4のステップ(S12)と、前記第3のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、最端トラックのサイド0のセクタ18から情報を読み込む第5のステップ(S13)と、該第5のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第6のステップ(S14)と、前記第5のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、回転数を300rpmから360rpmに切り替える第7のステップ(S15)と、該第7のステップ後にレディ信号を確認する第8のステップ(S16)と、該第8のステップにおいて前記レディ信号を確認できなかった場合に、前記フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来ていないと判断する第9のステップ(S17)と、前記第8のステップにおいて前記レディ信号を確認できた場合に、最端トラックのサイド0のセクタ15から情報を読み込む第10のステップ(S18)と、該第10のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第11のステップ(S19)と、前記第10のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、最端トラックのサイド0のセクタ8から情報を読み込む第12のステップ(S20)と、該第12のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第13のステップ(S21)と、前記第12のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第14のステップ(S31)と、該第14のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第15のステップ(S32)とを含むメディア認識方法が得られる。
【0044】
上記具体的な態様によるメディア認識方法において、前記第14のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、回転数を360rpmから300rpmに切り替える第16のステップ(S33)と、該第16のステップ後にレディ信号を確認する第17のステップ(S34)と、該第17のステップにおいて前記レディ信号を確認できなかった場合に、前記フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来ていないと判断する第18のステップ(S35)と、前記第17のステップにおいて前記レディ信号を確認できた場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第19のステップ(S36)と、該第19のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第20のステップ(S37)と、前記第19のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、前記挿入されたメディアをフォーマットされていないメディアと判断する第21のステップ(S39)とを更に含んで良い。また、前記第2のステップにおいて前記挿入されたメディアが2DDのメディアと判定された場合に、最端トラックのサイド0のセクタ9から情報を読み込む第22のステップ(S23)と、該第22のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第23のステップ(S24)と、前記第22のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第24のステップ(S41)と、該第24のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第25のステップ(S42)と、前記第24のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、前記挿入されたメディアをフォーマットされていないメディアと判断する第26のステップ(S43)とを更に含んで良い。
【0045】
上記括弧内の符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されない。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
最初に、図2及び図3を参照して、本発明に係るメディア認識方法が適用される、携帯型電子機器に搭載可能な3.5インチ型フレキシブル・ディスク・ドライブについて説明する。図2は分解斜視図、図3は前面側からみた斜視図である。
【0048】
図示のフレキシブル・ディスク・ドライブは、3.5インチ型フレキシブル・ディスク(後述する)を駆動するための装置である。挿入されたフレキシブル・ディスクは、図2及び図3の矢印Aに示す方向からフレキシブル・ディスク・ドライブ中に挿入される。挿入されたフレキシブル・ディスクは、ディスク・テーブル11上に、その回転軸11aとフレキシブル・ディスクの中心軸とが一致した状態で保持される。ディスク・テーブル11の回転軸11aは、スプリング12を介してメイン・フレーム13に設けられた軸受13aに挿入され、これによってディスク・テーブル11はメイン・フレーム13の表面上で回転自在に支持されている。従って、ディスク・テーブル11の回転軸11aの軸方向Bは、メイン・フレーム13の厚み方向と平行に成っている。ディスク・テーブル11は、メイン・フレーム13の裏面に設けられたスピンドル・モータ(図示せず)によって回転駆動され、これによってフレキシブル・ディスクの磁気ディスク媒体が回転する。また、メイン・フレーム13の裏面には、多数の電子部品が搭載された基板(図示せず)が取り付けられている。
【0049】
フレキシブル・ディスク・ドライブは、フレキシブル・ディスクの磁気ディスク媒体に対してデータの読出し/書込みを行うための上下一対の磁気ヘッド14(上側磁気ヘッドのみを図示する)を備えている。磁気ヘッド14は、フレキシブル・ディスク・ドライブの背面側に設けられたキャリッジ・アセンブリ15にその先端側で支持されている。すなわち、キャリッジ・アセンブリ15は、上側磁気ヘッド14を支持する上側キャリッジ15Uと、下側磁気ヘッドを支持する下側キャリッジ15Lとを有する。キャリッジ・アセンブリ15は、メイン・フレーム13の表面上で後述するようにメイン・フレーム13から離隔して配置されており、磁気ヘッド14をその先端側でフレキシブル・ディスクに対して所定の半径方向(図2及び図3の矢印Cで示す方向)に沿って移動可能に支持している。
【0050】
また、メイン・フレーム13の背面側の側壁131には、ステッピング・モータ16が固定されている。ステッピング・モータ16はキャリッジ・アセンブリ15を所定の半径方向Cに沿ってリニアに駆動する。詳細に説明すると、ステッピング・モータ16は所定の半径方向Cと平行に延在する回転軸(駆動軸)161を有し、この回転軸161には雄ネジが切られている。この回転軸161の先端161aは、メイン・フレーム13の表面から切り起こしにより立設された曲げ部132に空けられた穴132aを貫通し、スチール・ボール162が設けられる。この穴132aとスチール・ボール162とによって、回転軸161は所定の半径方向Cと平行に延在するように規制され、かつその先端161aは回転可能に支持されている。
【0051】
一方、キャリッジ・アセンブリ15は、下側キャリッジ15Lから回転軸161まで延在したアーム151を有し、このアーム151の先端151aは回転軸161の雄ネジの谷の部分に係合する。従って、ステッピング・モータ16の回転軸161が回転すると、このアーム151の先端151aが回転軸161の雄ネジの谷の部分に沿って動かされ、これによってキャリッジ・アセンブリ15自体が所定の半径方向Cに沿って移動する。とにかく、ステッピング・モータ16はキャリッジ・アセンブリ15を所定の半径方向Cに沿ってリニアに移動させるための駆動手段として働く。
【0052】
ステッピング・モータ16の回転軸161がキャリッジ・アセンブリ15の一方の側に設けられているので、キャリッジ・アセンブリ15の一方の側はこの回転軸161によってメイン・フレーム13から離隔した状態で、移動可能に支持される。しかしながら、この回転軸161による支持だけでは、キャリッジ・アセンブリ15全体をメイン・フレーム13の表面から離隔した状態で配置することはできない。そのため、ガイド・バー17によって、キャリッジ・アセンブリ15の他方の側でキャリッジ・アセンブリ15を支持しながら案内する。ガイド・バー17はキャリッジ・アセンブリ15を間に挟んで、ステッピング・モータ16の回転軸161とは逆側に設けられている。ガイド・バー17は所定の半径方向Cに対して平行に延在し、メイン・フレーム13の表面上で一端171および他端172が後述するように固定され、キャリッジ・アセンブリ15を所定の半径方向Cに沿って案内する。これによって、キャリッジ・アセンブリ15全体がメイン・フレーム13の表面から離隔して配置される。
【0053】
尚、キャリッジ・アセンブリ15からこのガイド・バー17側へフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)152が延在しており、このFPC152はメイン・フレーム13の裏面に取り付けられた基板(図示せず)に電気的に接続される。
【0054】
ガイド・バー17はメイン・フレーム13の表面でガイド・バー・クランプ18によって挟持されている。ガイド・バー・クランプ18はその中央部でメイン・フレーム13の表面にバインド子ネジ19によって固定されている。詳細に説明すると、ガイド・バー・クランプ18はガイド・バー17より少しだけ長い矩形固定部材180を有し、矩形固定部材180のほぼ中央にはバインド子ネジ19のネジ軸190が通過できる程度の穴180aが穿設されている。矩形固定部材180は、その一端180bおよび他端180cで、ガイド・バー17の一端171および他端172をそれぞれ挟持するための一対のアーム181および182が延在している。
【0055】
ガイド・バー・クランプ18は単にガイド・バー17を挟持しているだけなので、これだけではガイド・バー17をメイン・フレーム13の表面に固定することは出来ない。このために、ガイド・バー17の両端171および172の位置を規制するための一対の位置決め部材が必要である。この一対の位置決め部材としては、メイン・フレーム13の一部をメイン・フレーム13の表面側に切り起こして形成した一対の曲げ部201および202を使用している。
【0056】
キャリッジ・アセンブリ15の下側キャリッジ15Lは、キャリッジ・アセンブリ15をガイド・バー17に沿って摺動可能に支持する支持枠としても働く。下側キャリッジ15Lはガイド・バー17側へ突出した突出部(図示せず)を有し、この突出部中にガイド・バー17が摺動可能に嵌入されている。
【0057】
フレキシブル・ディスク・ドライブは、イジェクト・プレート21とディスク・ホルダ22とを更に有する。メイン・フレーム13、イジェクト・プレート21、及びディスク・ホルダ22は、金属板に打抜き加工、プレス加工、曲げ加工等を施すことにより形成される。
【0058】
イジェクト・プレート21は、フレキシブル・ディスクの挿入方向Aおよびその逆方向に沿ってスライド自在なように、メイン・フレーム13上に備えられている。イジェクト・プレート21は、後述するように、フレキシブル・ディスク・ドライブの作動時に、ディスク・ホルダ22と協動してフレキシブル・ディスクを保持する。また、イジェクト・プレート21は、フレキシブル・ディスクを挿入方向Aに沿ってフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入することを可能とし、或いはフレキシブル・ディスクを挿入方向Aと逆方向に沿ってフレキシブル・ディスク・ドライブ内から取り出すことを可能とするために、挿入方向Aにそってフレキシブル・ディスクが摺動自在なようにフレキシブル・ディスクを保持する。イジェクト・プレート21には、互いに対向する一対の側壁210が形成されている。この両側壁210の各々には、一対のカム部211が形成されている。また、イジェクト・プレート21の底面には、両側壁210に沿って切抜き部212が形成され、イジェクト・プレート21の底面中央部には、ディスク・テーブル11を取り囲むように略U字状の切欠き部213が形成されている。更に、イジェクト・プレート21の下面には、ピン(後述する)が設けられており、このピンは、後述するイジェクト・レバーの係止部と係合する。
【0059】
ディスク・ホルダ22は、イジェクト・プレート21上に配置されている。ディスク・ホルダ22には、主表面220と、この主表面220の両側端で互いに対向した一対の側壁221が形成されている。この両側壁221には、それぞれ突片222(一方のみ図示)が形成されている。これらの突片222は、イジェクト・プレート21の切抜き部212を通じてメイン・フレーム13の穴133内に挿通される。この突片222がメイン・フレーム13の穴133内に挿通されることにより、ディスク・ホルダ22は、メイン・フレーム13に対する挿入方向Aの位置が決められるのと同時に、ディスク・ホルダ22は、ディスク・テーブル11の回転軸11aの軸方向Bに沿って往復動自在となる。また、両側壁221の各々には、一対のピン223が設けられている。このピン223は、イジェクト・プレート21の側壁210に形成されてカム部211内に挿通される。ディスク・ホルダ22とイジェクト・プレート21との間には、イジェクト・バネ23が架設されている。
【0060】
尚、本例の場合、ディスク・ホルダ22に突片222を設け、メイン・フレーム13に穴133を設けてあるが、これに限らず、メイン・フレームに突片を設け、ディスク・ホルダに穴を設けても構わない。
【0061】
また、ディスク・ホルダ22は、その挿入方向Aの奥側中央部に、キャリッジ・アセンブリ15の上側キャリッジ15Uと対応する位置に、所定の半径方向Cに延在した略矩形状の開口部224が設けられている。この開口部224を囲むように、その周囲にディスク・ホルダ22の主表面220から上方に盛り上がった、略U字形状の盛り上がり縁225が形成されている。一方、キャリッジ・アセンブリ15は、側方に延びる一対の側方アーム153を備え、この側方アーム153は盛り上がり縁225の上に位置する。後述するように、フレキシブル・ディスクがディスク・ホルダ22からイジェクトされた状態では、この側方アーム153が盛り上がり縁225と係合し、これによって上下一対の磁気ヘッド14同士が互いに離される。さらに、ディスク・ホルダ22は、その挿入方向Aの奥側で開口部224から右寄りに、後述するイジェクト・レバーのレバー部の回動を許すような形状の開口部226も有している。
【0062】
メイン・フレーム13上には、キャリッジ・アセンブリ15の近傍に、イジェクト・レバー24が回動自在に設けられている。詳細に述べると、メイン・フレーム13には、その表面から上方に延びるロッド状ピン134が立設している。イジェクト・レバー24は、ロッド状ピン134が嵌め込まれる筒状部240と、この筒状部240から径方向に延在するアーム部(レバー部)241と、このアーム部241の自由端に設けた上方に延在する突起部242と、アーム部241の自由端側から周方向に延びる円弧状の係止部243とを有している。イジェクト・レバー24には、筒状部240の周りにイジェクト・レバー・バネ25が装着され、このイジェクト・レバー・バネ25は、イジェクト・レバー24を図面上、反時計回りに付勢している。イジェクト・レバー24の突起部242は上記開口部226に遊嵌されている。また、この突起部242は、後述するフレキシブル・ディスクのシャッタの右側上端縁と係合して、シャッタの開閉を制御する。尚、図3に示されるように、ロッド状ピン134の先端にはネジ26が捩じ込まれており、これによってイジェクト・レバー24がロッド状ピン134から抜けるのを防止している。
【0063】
また、メイン・フレーム13の前端部には、フロント・パネル27が取り付けられている。フロント・パネル27は、フレキシブル・ディスクを出し入れする開口271と、この開口271を開閉する扉272とを備えている。このフロント・パネル27には、イジェクト・ボタン28が前後方向移動可能に突設されている。イジェクト・ボタン28は、イジェクト・プレート21の前端で前方に突き出ている突起部214に嵌め込まれている。
【0064】
図4を参照して、図2および図3に示されたフレキシブル・ディスク・ドライブ(FDD)によって駆動されるフレキシブル・ディスク(FD)40について説明する。図示のフレキシブル・ディスク40は、円盤状の磁気ディスク媒体41と、この磁気ディスク媒体41を覆うシェル42と、矢印D方向に摺動可能なシャッタ43とを有する。シャッタ43には窓43aが空けられている。シャッタ43は矢印D方向とは逆方向に図示しないバネ部材によって付勢されている。シェル42は、上記フレキシブル・ディスク・ドライブの磁気ヘッド14による磁気ディスク媒体41へのアクセスを可能とする開口部42aを有する。この開口部42aは、フレキシブル・ディスク40がフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されていない状態では、図に示すように、シャッタ43で覆われている。フレキシブル・ディスク40がフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されるとき、シャッタ43の右側縁上端43bにイジェクト・レバー24の突起部242が係合し、シャッタ43を矢印D方向へ摺動する。
【0065】
シェル42は、右上角部に、逆方向挿入(表裏及び前後の挿入方向を逆にして挿入)防止用の面取り部42bが形成されている。また、シェル42には、その挿入方向A後端の左側角部に書込み保護用穴44が穿設されている。
【0066】
上述したように、フレキシブル・ディスク・ドライブによって駆動されるフレキシブル・ディスク40において、磁気ヘッド14によってアクセスされる磁気ディスク媒体41の表面上には、データを記録するための通路としての複数本のトラック(図示せず)が半径方向に沿って同心円状に形成されている。フレキシブル・ディスク40のトラック本数は片面80本であり、最外周トラック(最端トラック)TR00から最内周トラックTR79まである。
【0067】
図2に加えて図5をも参照して、磁気ディスク媒体41の最端トラックTR00の位置を検出するためのトラック位置検出機構(00センサ)について説明する。
【0068】
キャリッジ・アセンブリ15において、下側キャリッジ15Lにはその底部から下方に突出した遮断板154が備えらている。一方、このキャリッジ・センブリ15と対向するメイン・フレーム13の下面側にはメイン・プリント基板30が配設されている。このメイン・プリント基板30上にトラック位置検出機構(00センサ)として使用されるフォト・インタラプタ31が実装されている。このため、メイン・フレーム13にはこのフォト・インタラプタ31を通すための穴13bが穿設されている。
【0069】
周知のように、フォト・インタラプタ31は、発光素子(後述する)が内蔵された第1の突出部311と、受光素子(後述する)が内蔵された第2の突出部312とを有する。第1の突出部311と第2の突出部312とは、図示の如く、対面するように配置されており、各々の対面する壁面には開口部(図示せず)が設けられている。これら2つの開口部を通して、発光素子から受光素子へ向かう光路が形成される。そして、上記遮蔽板154は、図示の如く、第1の突出部311と第2の突出部312との間の通路を通過する。
【0070】
このような構成の00センサにおいて、フォト・インタラプタ31の光路を遮蔽板154が遮断することにより、磁気ヘッド14がフレキシブル・ディスク40の磁気ディスク媒体41における最端トラックTR00の位置にあることを検出することができる。
【0071】
図6および図7を参照して、図2および図3に図示したフレキシブル・ディスク・ドライブ(FDD)を制御するためのFDD制御装置について説明する。
【0072】
図示のFDD制御装置は、1チップIC50(図6)と、スピンドル・モータ用IC60(図7)と、電源供給回路80とを有する。これら1チップIC50、スピンドル・モータ用IC60、および電源供給回路80は、メイン・プリント基板30(図5)上に実装される。スピンドル・モータ用IC60は、スピンドル・モータの駆動を制御するためのICであって、多数のバイポーラ・トランジスタを集積したバイポーラICで実現される。これに対して、1チップIC50は、多数のMOSFETを集積したMOS・ICで実現される。電源供給回路80は、電源スイッチ(図示せず)がオンしたとき、5Vの電圧を供給するための回路であって、第1の電源端子VAと第2の電源端子VBとを持つ。
【0073】
図6に加えて図8をも参照して、1チップIC50は、R/W系制御回路51と、STP系制御回路52と、CTL系制御回路53とを内部に組み込んでいる。R/W系制御回路51はデータの読出し/書込みを行うための制御回路である。STP系制御回路52はステッピング・モータ16(図2)の駆動を制御するための制御回路である。CTL系制御回路53はフレキシブル・ディスク・ドライブ全体の動作を制御するための制御回路である。1チップIC50は上述した機能選択回路54と、ホスト用I/F回路55と、スピンドル・モータ制御用I/F回路56とをさらに含んでいる。CTL系制御回路53は、R/W系制御回路51とSTP系制御回路52と機能選択回路54とホスト用I/F回路55とスピンドルモータ用I/F回路56とに接続されている。
【0074】
R/W系制御回路51は、HEAD1ライン71およびHEAD0ライン72を介して、それぞれ、上側磁気ヘッド14(図2)および下側磁気ヘッドに接続されている。STP系制御回路52はS−MOTORライン73を介してステッピング・モータ16(図2)と接続されている。ホスト用I/F回路55はI/Fライン74を介してホスト・システム(上位装置)(図示せず)と接続されている。スピンドル・モータ制御用I/F回路56はFCCライン75を介してスピンドル・モータ用IC60に接続されている。
【0075】
次に、1チップIC50の入出力端子について説明する。尚、この明細書では、入出力端子名と信号名とを区別せずに、同じ参照符号を付して説明する。
【0076】
1チップIC50は、HEAD1ライン71およびHEAD0ライン72に接続されるR/W系出力端子(ER1、RW1A、RB1B、ER0、EW0A、RW0B、VCC(R))を持つ。また、1チップIC50は、S−MOTORライン73に接続されるSTP系出力端子(ST1、ST1B、ST4、ST4B)を持つ。さらに、1チップIC50は、I/Fライン74に接続されるホスト用入出力端子(DCO、S1I、RDO、WPO、TKO、WGI、WDI、STP、DIR、MTI、DSI、IDO、HDOO、HDIS)を持つ。1チップIC50は、FFCライン75に接続されるスピンドル・モータ制御用入出力端子(IDI、MTO、360、HDI3、HDI、DSO、DKI、WPI、1MCLK)を持つ。これら入出力端子以外にも、1チップIC50は、2つの機能選択入力端子(1M36/HDOS/WPOS、ACHS/DSS/DRS)や、00センサ用の3つの入力端子(AMP/FIL、TKI、TKS)等を持つ。
【0077】
ここで、FFCライン75に接続されるスピンドル・モータ制御用入出力端子中の、DKI端子(信号)は、フレキシブル・ディスク40が本フレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されているか否かを示す信号である。そのため、図6に示されるように、FDD制御装置は、フレキシブル・ディスクがフレキシブル・ディスク・ドライブ内に挿入されているか未挿入であるかを検出ためのスイッチMSを備えている。また、I/Fライン74に接続されるホスト用入出力端子中の、DIR端子(信号)は、ホスト・システム(上位装置)から供給される磁気ヘッドのシーク(移動)方向を決める信号であって、論理“L”レベルは内周方向を、論理“H”レベルは外周方向をそれぞれ示す。さらに、S−MOTORライン73に接続されるSTP系出力端子中の、ST1端子(信号)およびST4端子(信号)は相励磁を示す信号である。ST1信号とST4信号が両方とも論理“H”レベルのときは、磁気ヘッドが偶数番号のトラック位置にあることを示し、両方とも論理“L”レベルのときは、磁気ヘッドが奇数番号のトラック位置にあることを示している。
【0078】
00センサとして動作するフォト・インタラプタ31は、発光素子である発光ダイオード(LED)31aと、受光素子であるフォト・トランジスタ31bとを有する。LED31aのアノードは第1の電源端子VAに接続され、カソードは1チップIC50のTKS端子に接続されている。フォト・トランジスタ31bのコレクタは第1の電源端子VAに接続されている。また、フォト・トランジスタ31bのエミッタは抵抗器R4を介して接地されるとともに、1チップIC50のTKI端子とAMP/FIL端子と接続されている。
【0079】
TKI端子(信号)は、フォト・インタラプタ31の光路が遮断板154で遮断されたときに、論理“L”レベルとなる信号である。
【0080】
CTL系制御回路53は、上記DKI信号をスピンドルモータ制御用I/F回路56を介して入力する。また、CTL系制御回路53は上記TKI信号を入力する。さらに、CTL系制御回路53はSTP系制御回路52から上記ST1信号及びST4信号を入力する。CTL系制御回路53は、上記DIR信号をホスト用I/F回路55を介して入力する。
【0081】
通常、TKI信号が論理“L”レベルで、DIR信号が論理“L”レベルで、かつST1信号及びST4信号が両方とも論理“H”レベルのとき、CTL系制御回路53は、磁気ヘッド14がフレキシブル・ディスク40中の磁気ディスク媒体41における最端トラックTR00の位置にあると判断して、ホスト用I/F回路55を介してホスト・システム(上位装置)へトラック00信号(TKO信号)を出力する。
【0082】
図7を参照して、スピンドル・モータ用IC60によって制御されるスピンドル・モータは、その詳細な構成については図示しないが、U相、V相、およびW相の3つのコイル(固定子巻線)601、602、603を持つブラシレス三相直流モータである。そして、スピンドル・モータは、永久磁石形回転子(図示せず)と、回転子位置検出器(後述する)とを備えている。一方、スピンドル・モータ用IC60は、複数個のバイポーラ・トランジスタから成る駆動トランジスタ(トランジスタ整流子)を内蔵している。すなわち、スピンドル・モータは、このモータの回転子位置に応じて、駆動トランジスタのバイポーラ・トランジスタをオン、オフさせて、該当する固定子巻線に電流を流し、回転子磁極との間にトルクを発生し、回転子を回転させる。回転子の回転にともない、回転子位置検出器から出力される回転子位置検出信号も順次切換えられ、電流を流す回転子巻線を切換え、回転を持続する。
【0083】
また、スピンドル・モータは、回転子の回転数(回転速度)を検出するための周波数発生パターンFGPTを有する。スピンドル・モータ用IC60は、周波数発生パターンFGPTで検出された回転子の回転速度に基づいて、回転子位置検出器からの回転子位置検出信号を参照しながら、電流を流す固定子巻線を切換える。
【0084】
上記回転子位置検出器としては、例えば、図6に示すように、3つのホール素子606、607、608が使用される。これら3つのホール素子606〜608における詳細な配置関係については、例えば、米国特許第4,882,511号明細書(対応する公開公報は特開昭61−164454号公報)を参照されたい。尚、もう1つのホール素子609は、インデックス検出用である。
【0085】
図9を参照して、本発明の一実施の形態に係るメディア認識方法について説明する。図示のメディア認識方法は、ステップS22の代わりにステップS31〜S38を、ステップS25の代わりにステップS41〜S43を有している点を除いて、図1に図示した従来のメディア認識方法と同様の動作をする。したがって、図1に示したステップと同一のステップには同一の参照符号を付し、説明の簡略化の為にそれらの説明は省略する。
【0086】
ステップS20において情報を読み込めなったとする(ステップS20のNG)。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0(すなわち、ブート・セクタ)から情報を読み込む(ステップS31)。ブート・セクタから情報を正しく読み込めた場合(ステップS31のOK)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータはブート・セクタから読み込んだ時の値を使用する(ステップS32)。すなわち、挿入されたメディアは、そのブート・セクタから読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断される。
【0087】
一方、ステップS31においてブート・セクタから情報を正しく読み込めなかったとする(ステップS31のNG)。この場合、スピンドル・モータの回転数を360rpmから300rpmに設定する(ステップS33)。このとき、HDI2信号を論理“L”レベルから論理“H”レベルにする。次に、レディ信号(SRO)を確認し、待ち時間として最大800msを設定する(ステップS34)。SRO信号が論理“H”レベルのとき、フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来てないと判断する(ステップS35)。
【0088】
ステップS34においてレディ信号(SRO)が確認できたら(すなわち、SRO信号が論理“L”レベルであるなら)、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0(すなわち、ブート・セクタ)から情報を読み込む(ステップS36)。ブート・セクタから情報を正しく読み込めた場合(ステップS36のOK)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータはブート・セクタから読み込んだ時の値を使用する(ステップS37)。すなわち、挿入されたメディアは、そのブート・セクタから読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断される。
【0089】
ステップS36において情報を正しく読み込めなった場合(ステップS36のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS38)。
【0090】
また、ステップS23において情報を読み込めなったとする(ステップS23のNG)。この場合、磁気ヘッドによって、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ0(すなわち、ブート・セクタ)から情報を読み込む(ステップS41)。ブート・セクタから情報を正しく読み込めた場合(ステップS41のOK)、挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断し、パラメータはブート・セクタから読み込んだ時の値を使用する(ステップS42)。すなわち、挿入されたメディアは、そのブート・セクタから読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断される。
【0091】
一方、ステップS41においてブート・セクタから情報を正しく読み込めなかった場合(ステップS36のNG)、挿入されたメディアはフォーマットされていないメディアであると判断する(ステップS38)。
【0092】
このように、本発明によるメディア認識方法では、ある特定のセクタにエラー(誤り)があっても、そのメディアをフォーマットされているメディアとして認識することができる。
【0093】
それについて具体例を挙げて説明する。例えば、挿入されたメディアが記憶容量が1.44MBにフォーマットされた2HDのメディア(以下、「1.44MBフォーマットメディア」と呼ぶ)であったとする。このメディアはセクタ数が18である。そして、特定のセクタとして、最端トラックTr.00のサイド0のセクタ18に不良があったとする。この場合、挿入されたメディアが1.44MBフォーマットメディアであるにも拘らず、ステップS13において情報を正しく読み込むことができない(ステップS13のNG)。1.44MBフォーマットメディアはその回転数が300rpmに設定されているので、ステップS15,S16,S18、S20の経路を通り、ステップS20でNGと判定され、ステップS31に移行する。
【0094】
ステップS31でもNGと判定されるので、ステップS33において回転数が300rpmに切り替えられ、ステップS34においてSRO信号を確認でき、ステップS36においてブート・セクタから情報を正しく読み込むことができる。そして、ステップS37において挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断され、パラメータとしてブート・セクタから読み込んだ時の値が使用される。本例の場合、このブート・セクタには、当該メディアが1.44MBフォーマットメディアであるとの情報(フォーマット形式)が格納されているので、挿入されたメディアを正しく認識することが可能となる。
【0095】
次に、挿入されたメディアが2DDにフォーマットされたメディア(以下、「2DDフォーマットメディア」と呼ぶ)であって、特定のセクタとして最端トラックTr.00のサイド0のセクタ9に不良があったとする。このメディアはセクタ数が9である。この場合、挿入されたメディアが2DDフォーマットメディアであるにも拘らず、ステップS23において情報を正しく読み込むことができない(ステップS23のNG)。ステップS41においてブート・セクタから情報を正しく読み込むことができる。そして、ステップS42において挿入されたメディアはフォーマットされたメディアであると判断され、パラメータとしてブート・セクタから読み込んだ時の値が使用される。本例の場合、このブート・セクタには、当該メディアが2DDフォーマットメディアであるとの情報(フォーマット形式)が格納されているので、挿入されたメディアを正しく認識することが可能となる。
【0096】
本発明は上述した実施の形態に限定せず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能なのは勿論である。
【0097】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、たとえ何らかの要因で特定のセクタが壊れてしまって当該特定のセクタにエラーがあった場合でも、ブート・セクタを確認し、そこから情報を正しく読み込むことができた場合には、挿入されたメディアがその読み出した情報(フォーマット形式)でフォーマットされているメディアと判断する。そのため、そのメディア全体が読み書き不可となるのではなく、壊れていない部分に対してデータを読み書きすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のメディア認識方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明に係るメディア認識方法が適用されるフレキシブル・ディスク・ドライブの要部を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示したフレキシブル・ディスク・ドライブを斜め前方から見た概略斜視図である。
【図4】フレキシブル・ディスク・ドライブで駆動されるフレキシブル・ディスク(メディア)を示す平面図である。
【図5】フレキシブル・ディスク・ドライブに使用されるトラック位置検出機構(00センサ)の設置構造を説明するための断面図である。
【図6】本発明に係るメディア認識方法を実現するFDD制御装置の1チップICの外観を示す平面図である。
【図7】図6に図示した1チップICと共に使用される、FDD制御装置のスピンドル・モータ用ICの外観を示す平面図である。
【図8】図6に図示した1チップICの内部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるメディア認識方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
40 フレキシブル・ディスク(メディア)
Claims (6)
- フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディアがどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法であって、前記メディアは、磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数のトラックを有し、各トラックは所定数の互いに等しい長さのセクタに分割されている、メディア認識方法において、
前記挿入されたメディアの特定のセクタにエラーがあって当該特定のセクタから情報を読み込めずに前記挿入されたメディアのフォーマット形式を認識できない場合に、ブート・セクタの内容を読み出すステップと、
該ブート・セクタから正しく情報を読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断するステップと
を含むメディア認識方法。 - 前記挿入されたメディアが2HDのメディアで、前記特定のセクタが最端トラックのサイド0のセクタ18である、請求項1に記載のメディア認識方法。
- 前記挿入されたメディアが2DDのメディアで、前記特定のセクタが最端トラックのサイド0のセクタ9である、請求項1に記載のメディア認識方法。
- フレキシブル・ディスク・ドライブに挿入されたメディアがどのようなフォーマット形式でフォーマットされたメディアであるかを認識する方法であって、前記メディアは、磁気ディスク媒体上に同心円状に配置された複数のトラックを有し、各トラックは所定数の互いに等しい長さのセクタに分割されている、メディア認識方法において、
前記挿入されたメディアを回転数300rpmで回転する第1のステップと、
前記挿入されたメディアが2HDのメディアか2DDのメディアかを判定する第2のステップと、
該第2のステップにおいて前記挿入されたメディアが2HDのメディアと判定された場合に、最端トラックのサイド0のセクタ21から情報を読み込む第3のステップと、
該第3のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第4のステップと、
前記第3のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、最端トラックのサイド0のセクタ18から情報を読み込む第5のステップと、
該第5のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第6のステップと、
前記第5のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、回転数を300rpmから360rpmに切り替える第7のステップと、
該第7のステップ後にレディ信号を確認する第8のステップと、
該第8のステップにおいて前記レディ信号を確認できなかった場合に、前記フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来ていないと判断する第9のステップと、
前記第8のステップにおいて前記レディ信号を確認できた場合に、最端トラックのサイド0のセクタ15から情報を読み込む第10のステップと、
該第10のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第11のステップと、
前記第10のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、最端トラックのサイド0のセクタ8から情報を読み込む第12のステップと、
該第12のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第13のステップと、
前記第12のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第14のステップと、
該第14のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第15のステップと
を含むメディア認識方法。 - 前記第14のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、回転数を360rpmから300rpmに切り替える第16のステップと、
該第16のステップ後にレディ信号を確認する第17のステップと、
該第17のステップにおいて前記レディ信号を確認できなかった場合に、前記フレキシブル・ディスク・ドライブの準備が出来ていないと判断する第18のステップと、
前記第17のステップにおいて前記レディ信号を確認できた場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第19のステップと、
該第19のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第20のステップと、
前記第19のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、前記挿入されたメディアをフォーマットされていないメディアと判断する第21のステップと
を更に含む請求項4に記載のメディア認識方法。 - 前記第2のステップにおいて前記挿入されたメディアが2DDのメディアと判定された場合に、最端トラックのサイド0のセクタ9から情報を読み込む第22のステップと、
該第22のステップにおいて情報を読み込めた場合に、論理フォーマットチェックを行う第23のステップと、
前記第22のステップにおいて情報を読み込めなかった場合に、ブート・トラックから情報を読み込む第24のステップと、
該第24のステップにおいて情報を正しく読み込めた場合に、前記挿入されたメディアを当該読み出したフォーマット形式でフォーマットされているメディアと判断する第25のステップと、
前記第24のステップにおいて情報を正しく読み込めなかった場合に、前記挿入されたメディアをフォーマットされていないメディアと判断する第26のステップと
を更に含む請求項5に記載のメディア認識方法。
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