JP4113510B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents

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Description

本発明は、底部と、該底部にヒンジ連結され、且つ、底部に折り畳むことが可能な側壁とから構成された折り畳み可能な折り畳みコンテナー、特に、収納されている物品の行き先、物品名、種類、数量等の情報が蓄積可能なIDタグ取付手段を有する折り畳みコンテナーに関するものである。
従来、IDタグの取り付け可能な折り畳みコンテナーは知られていないが、折り畳みが不可能なコンテナー、即ち、底部に、側壁が、固定的に取着されたコンテナーに、IDタグ取付手段を配設したものが、一例として、特許文献1に開示されている。
実開平5−94133号公報
近年、折り畳みコンテナーの側壁の肉厚は、軽量化や折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの高さを可能な限り低くするために、薄く形成されているが、従来、薄肉化された側壁へのIDタグ取付手段について考慮された折り畳みコンテナーは知られていない。
上述したように、薄肉化された側壁に、IDタグを取り付けた場合には、変形し易い側壁の変形に伴い、IDタグが損傷する頻度が、底部と側壁とが、一体的に成形されたコンテナーに比べて、高く、また、側壁は、底部に重なるように倒されたり、底部に対して略垂直に立てられたり、頻繁に倒立運動が繰り返されるために、IDタグが損傷する頻度は、底部と側壁とが、一体的に成形されたコンテナーに比べて、高いという問題がある。
本発明の目的は、折り畳みコンテナーに、IDタグを取り付けた場合に惹起される種々の課題を解決することにある。
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と、該底部の一方の相対する辺部にヒンジ連結された一方の相対する側壁と、前記底部のもう一方の相対する辺部にヒンジ連結されたもう一方の相対する側壁とを有するとともに、前記側壁を、前記底部に重なるように倒すことにより、折り畳み可能な折り畳みコンテナーにおいて、第1には、所定の側壁に形成された、IDタグの高さと略同じ間隔を有する相対する一対の水平リブとIDタグの幅の略2倍の間隔を有する相対する一対の垂直リブとにより、IDタグ用空間が形成されているとともに、前記IDタグ用空間内に位置する前記側壁の中央領域には、自由端部側に係止突部を有する弾性舌片が形成されており、更に、前記弾性舌片と該弾性舌片の自由端部側に位置する前記一方の垂直リブとの間に、前記相対する一対の水平リブを架橋するとともに、前記側壁との間に、IDタグ挿入用スリットが形成された架橋垂直リブが形成されており、前記IDタグ用空間にIDタグを収容する際には、前記弾性舌片の係止突部に一番近い前記架橋垂直リブと前記弾性舌片の根元部側に位置する前記垂直リブとの間に位置する前記空間部に、IDタグを挿入するとともに、IDタグを、前記弾性舌片の係止突部に押し付けて、前記弾性舌片を弾性変形させ、その後、IDタグを、前記弾性舌片の自由端部側に位置する前記垂直リブ方向に移動させることにより、IDタグTを、前記架橋垂直リブと前記側壁との間に形成されたIDタグ挿入用スリットに挿通し、IDタグの先端が、前記弾性舌片の自由端部側に位置する前記垂直リブに当接或いは近接した時点で、IDタグの後端が、前記弾性舌片に突設された係止突部から外れて、前記弾性舌片が、その弾性力により復元されることにより、前記弾性舌片に突設された係止突部が、IDタグの後端に、当接或いは近接するように構成したものであり、第2には、前記IDタグ用空間と弾性舌片と架橋垂直リブとIDタグ挿入用スリットとを有するIDタグ取付手段を、箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁に配設し、前記IDタグ取付手段に取り付けられたIDタグを、後から倒される側壁により覆うようにしたものである。

本発明は、上述した構成を有するので、以下に記載する効果を奏することができるものである。
所定の側壁の弾性変形可能な薄肉の板状部の外面に形成された相対する一対の水平リブと相対する一対の垂直リブとにより、IDタグ用空間を形成し、且つ、該IDタグ用空間内に位置する前記板状部に、弾性舌片を形成するとともに、該弾性舌片と該弾性舌片の自由端部側に位置する前記一方の垂直リブとの間に、前記相対する一対の水平リブを架橋するように、適当数の架橋垂直リブを形成し、更に、該架橋垂直リブと前記板状部との間に、IDタグ挿入用スリットを形成したので、IDタグを、IDタグ挿入用スリットに挿通させつつ、弾性舌片の自由端部側に位置する一方の垂直リブ方向に移動させるだけで、IDタグを、側壁に取り付けることができ、従って、IDタグの側壁への取り付け作業の作業性が向上する。
また、弾性舌片を内側方向に湾曲させて、IDタグから、弾性舌片に突設された係止突部を外し、その後、IDタグを、弾性舌片の根元部側に位置する垂直リブ方向に移動させるだけで、IDタグを、側壁から取り外すことができるので、IDタグの側壁からの取り外し作業の作業性が向上する。
IDタグ用空間と弾性舌片と架橋垂直リブとIDタグ挿入用スリットとを有するIDタグ取付手段を、箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁に配設し、IDタグ取付手段に取り付けられたIDタグを、後から倒される側壁により覆うようにしたので、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした際に、IDタグの損傷を防止することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
先ず最初に、図1〜図3を用いて、本発明の折り畳みコンテナーの全体構成について説明する。
1は、平面形状が略長方形の底部で有り、底部1は、相対する長辺側に形成された土手部(以下、長辺側土手部という。)1aと、相対する短辺側に形成された土手部(以下、短辺側土手部という。)1bとを有しており、本実施例においては、長辺側土手部1aの高さは、短辺側土手部1bの高さより、高く形成されている。
2は、長側壁であり、長側壁2は、適当なヒンジ部材を介して、底部1の長辺側土手部1aにヒンジ連結されている。3は、短側壁であり、短側壁3も、適当なヒンジ部材を介して、底部1の短辺側土手部1bにヒンジ連結されている。
長側壁2は、横長の長方形状の弾性変形可能な薄肉な板状部2aを有しており、板状部2aの両端部には、板状部2aの内面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、内側に位置する面)2a1側に、且つ、内面2a1に対して、略直角方向に延在する縦長の係合枠4が形成されており、係合枠4には、適当数の透孔4aが穿設されている。また、係合枠4付近に位置する板状部2aに、コの字状のスリット5を形成することにより、係合枠4側が自由端に形成された弾性舌片6が形成されている。弾性舌片6の先端部には、係合枠4と対向するように、係止凸部6aが形成されている。
短側壁3も、横長の長方形状の弾性変形可能な薄肉な板状部3aを有しており、短側壁3の両端部には、板状部3aを延長することにより、縦長の係合枠7が形成されており、係合枠7には、長側壁2の係合枠4に穿設されている透孔4aに嵌合する嵌合突起7aが形成されている。
図3に示されているように、折り畳まれた状態から、図1に示されているように、箱型に組み立てるには、先ず最初に、図2に示されているように、略水平状態の長側壁2を、略垂直に立て、次いで、短側壁3を、略垂直に立てられた長側壁2方向に回動させると、短側壁3の係合枠7に形成された嵌合突起7aの長側壁2の係合枠4に穿設された透孔4aへの嵌合に前後して、短側壁3の係合枠7が、長側壁2に形成された弾性舌片6の係止凸部6aに当接し、弾性舌片6を外側に変形させる。そして、短側壁3の係合枠7が、長側壁2に形成された弾性舌片6の係止凸部6aを通過した時点で、短側壁3の係合枠7により外側に押された弾性舌片6が、その復元力により戻り、弾性舌片6の係止凸部6aが、略垂直に立てられた短側壁3の係合枠7に当接して、短側壁3の底部1方向への回動を阻止するように構成されている。
また、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、折り畳むには、先ず最初に、長側壁2の弾性舌片6を、その係止凸部6aが、短側壁3の係合枠7から外れるように、外側に押し、その後、短側壁3を底部1方向に回動させることにより、短側壁3の係合枠7に形成された嵌合突起7aを、長側壁2の係合枠4に穿設された透孔4aから排出させて、短側壁3を底部1の上に倒す。その後、略垂直な長側壁2を、底部1方向に倒すことにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むように構成されている。
長側壁2の弾性変形可能な薄肉な板状部2aの上下端には、板状部2aの外面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、外側に位置する面)2a2側に、且つ、外面2a2に対して、略垂直方向に延在する上端リブ2bと下端リブ2cが形成されており、また、板状部2aの左右端には、板状部2aの外面2a2側に、且つ、外面2a2に対して、略垂直方向に延在する一対の側端リブ2dが形成されている。また、板状部2aの外面2a2には、略垂直方向に延在する適当数の水平リブ2eが形成されており、更に、板状部2aの外面2a2には、略垂直方向に延在する適当数の垂直リブ2fが形成されている。
同様に、短側壁3の弾性変形可能な薄肉な板状部3aの上下端にも、板状部3aの外面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、外側に位置する面)3a1側に、且つ、外面3a1に対して、略垂直方向に延在する上端リブ3bと下端リブ3cが形成されており、また、板状部3aの左右端には、板状部3aの外面3a1側に、且つ、外面3a1に対して、略垂直方向に延在する一対の側端リブ3dが形成されている。また、板状部3aの外面3a1には、略垂直方向に延在する適当数の水平リブ3eが形成されており、更に、板状部3aの外面3a1には、略垂直方向に延在する適当数の垂直リブ3fが形成されている。
次に、主として、図4〜図8を用いて、一例として、略長方形状の板状のIDタグが収容される空間等について説明する。
短側壁3の弾性変形可能な薄肉な板状部3aの外面3a1には、適当な相対する一対の水平リブ3e1と適当な相対する一対の垂直リブ3f1とにより囲まれたIDタグ用空間A1が形成されている。IDタグ用空間A1の幅W1、換言すれば、一対の垂直リブ3f1間の間隔は、IDタグ用空間A1に収容されるIDタグTの幅t1の略2倍であり、また、IDタグ用空間A1の高さH1、換言すれば、一対の水平リブ3e1間の間隔は、IDタグ用空間A1に収容されるIDタグTの高さt2と略同じに形成されている。
上述したIDタグ用空間A1内に位置する弾性変形可能な薄肉な板状部3aの中央領域には、一対の水平スリット部s1と一対の水平スリット部s1の一端を連結する垂直スリット部s2とからなる略コの字状のスリットS1が形成されており、このように、略コの字状のスリットS1を形成することにより、IDタグ用空間A1内に位置する弾性変形可能な薄肉な板状部3aの中央領域には、弾性舌片E1が形成されている。弾性舌片E1の自由端部e1には、板状部3aの外面3a1から突出した係止突部e2が突設されている。
上述したIDタグ用空間A1のうち、弾性舌片E1に突設された係止突部e2と、該弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1との間に位置する空間部(以下、単に、IDタグ収容空間部と称する。)A1aに、IDタグTが収容されることになる。
また、弾性舌片E1に突設された係止突部e2と、該弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1との間、換言すれば、IDタグ収容空間部A1a内に位置する相対する一対の水平リブ3e1には、適当数の架橋垂直リブ3gが形成されており、架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間には、IDタグTが挿入可能なIDタグ挿入用スリットS2が形成されている。本実施例には、架橋垂直リブ3gが、2本形成されている例が示されているが、IDタグ収容空間部A1aに収容されるIDタグTの大きさ等を考慮して、架橋垂直リブ3gを、1本或いは3本以上形成することができる。
上述した短側壁3に形成されたIDタグ用空間A1のうち、IDタグ収容空間部A1aに、IDタグTを収容するには、先ず最初に、弾性舌片E1の係止突部e2に一番近い架橋垂直リブ3gと弾性舌片E1の根元部e3側に位置する垂直リブ3f1との間に位置する空間部に、IDタグTを挿入するとともに、図7に示されているように、IDタグTを、弾性舌片E1の係止突部e2に押し付けて、弾性舌片E1を、内側方向に弾性変形させ、IDタグTを、板状部3aの外面3a1に当接させる。この状態で、IDタグTを、弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1方向に移動させて、IDタグTの先端(弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1側の垂直端、換言すれば、IDタグTの移動方向の垂直端)T’を、上述した架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間に形成されたIDタグ挿入用スリットS2に挿通する。そして、IDタグTの先端T’が、弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1に当接或いは近接した時点で、IDタグTの後端(弾性舌片E1の根元部e3側に位置する垂直リブ3f1側の垂直端、換言すれば、IDタグTの移動方向と反対側の垂直端)T”が、弾性舌片E1に突設された係止突部e2から外れることになり、従って、弾性舌片E1が、その弾性力により、元の位置、換言すれば、弾性舌片E1と板状部3aとが面一となる位置に復元し、図8に示されているように、弾性舌片E1に突設された係止突部e2が、IDタグTの後端T”に、当接或いは近接して位置するとになる。このようにして、IDタグ用空間A1のうち、IDタグ収容空間部A1aに、IDタグTが収容されることになる。
上述したように、IDタグTを、弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1方向に移動させて、IDタグTの先端T’を、弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1に当接或いは近接させるとともに、IDタグTの後端T”を、弾性舌片E1に突設された係止突部e2に当接或いは近接させるように構成したので、IDタグTの移動だけで、IDタグTを、短側壁3に取り付けることができ、従って、IDタグTの短側壁3への取り付け作業の作業性が向上する。
上述したようにして、IDタグ用空間A1のうち、IDタグ収容空間部A1aに収容されたIDタグTは、その上下方向の移動が、IDタグ収容空間部A1aを規定する一対の水平リブ3e1により制限され、また、水平方向の移動が、弾性舌片E1の自由端部e1側に位置するとともに、IDタグ収容空間部A1aを規定する垂直リブ3f1と弾性舌片E1に突設された係止突部e2とにより制限されるように構成されており、従って、IDタグ収容空間部A1aに収容されたIDタグTが、大きく移動するようなことがない。また、上述したように、架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間に形成されたIDタグ挿入用スリットS2に、IDタグTが挿入されているので、IDタグTの短側壁3からの脱落を、確実に防止することができる。
IDタグ収容空間部A1aに収容されたIDタグTの大きさが一定の場合には、IDタグTの大きさに応じて、IDタグ収容空間部A1aを規定する弾性舌片E1に突設された係止突部e2と該弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1と相対する一対の水平リブ3e1の配置を、適宜、設定することができるが、本実施例においては、相対する一対の水平リブ3e1を架橋する適当数の架橋垂直リブ3gが形成されているとともに、架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間には、IDタグTが挿入可能なIDタグ挿入用スリットS2が形成されているので、IDタグTの大きさが、IDタグ収容空間部A1aの大きさと多少異なっていても、IDタグ収容空間部A1aに、IDタグTを収容することができるとともに、IDタグ挿入用スリットS2に挿入されたIDタグTが、IDタグ収容空間部A1aから抜け落ちるようなことを防止することができる。
また、IDタグ収容空間部A1aに収容されたIDタグTを取り外すには、先ず最初に、弾性舌片E1の自由端部e1付近や係止突部e2を押して、弾性舌片E1の弾性に抗して、弾性舌片E1を内側方向に湾曲させることにより、IDタグTの後端T”から、弾性舌片E1に突設された係止突部e2を外す。次いで、弾性舌片E1に突設された係止突部e2が、IDタグTの後端T”から外れた後に、IDタグTを、弾性舌片E1の根元部e3側に位置する垂直リブ3f1方向に、板状部3aの外面3a1に沿って移動させて、IDタグTを、弾性舌片E1の係止突部e2に一番近い架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間に形成されているIDタグ挿入用スリットS2から排出させる。IDタグTが、弾性舌片E1の係止突部e2に一番近い架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間に形成されているIDタグ挿入用スリットS2から排出された後、IDタグTを、IDタグ用空間A1から取り出す。
上述したように、短側壁3に取り付けられた状態から、弾性舌片E1を内側方向に湾曲させて、IDタグTの後端T”から、弾性舌片E1に突設された係止突部e2を外し、その後、IDタグTを、弾性舌片E1の根元部e3側に位置する垂直リブ3f1方向に移動させることにより、簡単に、IDタグTを、短側壁3から取り外すことができるので、IDタグTの短側壁3からの取り外し作業の作業性が向上する。
上述したように、短側壁3の弾性変形可能な薄肉な板状部3aの外面3a1に形成されている、相対する一対の水平リブ3e1と相対する一対の垂直リブ3f1とにより囲まれたIDタグ用空間A1内に位置する板状部3aの中央領域に、係止突部e2が突設された弾性舌片E1を形成するとともに、弾性舌片E1に突設された係止突部e2と、該弾性舌片E1の自由端部e1側に位置する垂直リブ3f1との間に、適当数の架橋垂直リブ3gを形成し、更に、架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間に、IDタグTが挿入可能なIDタグ挿入用スリットS2を形成することにより、短側壁3に、IDタグ取付手段が配設されている。
ところで、上述したように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、折り畳むには、先に、短側壁3が底部1方向に倒され、その後、長側壁2が、短側壁3の上に重なるように倒されるので、図3に示されているように、折り畳みコンテナーが、折り畳まれた状態においては、IDタグTが取り付けられた短側壁3の上に、長側壁2が位置することになる。このように、IDタグTが取り付けられた短側壁3の上に、長側壁2が重ねられているので、短側壁3に取り付けられたIDタグTが、長側壁2により保護され、IDタグTが損傷するようなことを防止することができる。特に、折り畳みコンテナーは、図3に示されているような折り畳まれた状態で、多数、上下方向に積み重ねられる、即ち、段積みされるので、このように、短側壁3に取り付けられたIDタグTが、長側壁2により保護されることにより、確実に、IDタグTの損傷を防止することができる。なお、長側壁2と短側壁3の大きさによっては、先に倒される短側壁3が、完全に、長側壁2により覆われることがない場合もあるが、このような場合には、短側壁3の長側壁2により覆われる領域に、上述したようなIDタグ取付手段を配設することが好ましい。
なお、上述したIDタグ用空間A1を規定する相対する一対の水平リブ3e1と相対する一対の垂直リブ3f1とは、従来の折り畳みコンテナーの短側壁3に形成されている水平リブや垂直リブを利用することができるので、新たに、弾性舌片E1と架橋垂直リブ3gとを形成するだけでよいことになる。従って、金型変更を、最小限に抑えることができ、ひいては、IDタグ取付手段が配設された折り畳みコンテナーのコストアップを抑制することができる。
また、IDタグ取付手段を構成する、IDタグ用空間A1を規定する相対する一対の水平リブ3e1や相対する一対の垂直リブ3f1及び弾性舌片E1や架橋垂直リブ3gは、短側壁3を、射出成形する際に、短側壁3と同時に一体成形されており、従って、短側壁3の成形後に、短側壁3に、別部材としてのIDタグ取付手段を取り付け組み立てる必要がない。従って、折り畳みコンテナーの組み立て作業に際しては、IDタグ取付手段とともに射出成形で一体成形された短側壁3と、同じく、射出成形で一体成形された底部1と長側壁2とを組み立てるだけであるので、折り畳みコンテナーの組み立て作業の作業性が向上する。
なお、上述した実施例には、箱型に組み立てられた状態から、先に倒される短側壁3に、1個のIDタグ取付手段を配設した例が示されているが、短側壁3に、複数個のIDタグ取付手段を配設することもできる。また、短側壁3に加えて、短側壁3が倒された後に倒される長側壁2にも、IDタグ取付手段を配設することもできる。
また、上述した実施例には、箱型に組み立てられた状態から、最初に、短側壁3が、底部1方向に倒され、次いで、長側壁2が、先に倒された短側壁3の上に倒されるように構成された折り畳みコンテナーに、上述したようなIDタグ取付手段を配設した例が示されているが、箱型に組み立てられた状態から、最初に、長側壁2が、底部1方向に倒され、次いで、短側壁3が、先に倒された長側壁2の上に倒されるように構成された折り畳みコンテナーに、上述したようなIDタグ取付手段を配設することもできる。
箱型に組み立てられた状態から、最初に、長側壁2が、底部1方向に倒され、次いで、短側壁3が、先に倒された長側壁2の上に倒されるように構成された折り畳みコンテナーに、上述したようなIDタグ取付手段を配設する場合には、上述した実施例と同様に、先に倒される長側壁2に、IDタグ取付手段を配設することが好ましい。
先に倒される長側壁2に、IDタグ取付手段を配設した場合には、後から倒される短側壁3により覆われる長側壁2の所定の領域に、IDタグ取付手段を配設することが好ましい。このように構成することにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした際に、長側壁2に取り付けられたIDタグTの上には、短側壁3が位置することになるので、IDタグTの損傷を防止することができる。
箱型に組み立てられた状態から、最初に、長側壁2が、底部1方向に倒され、次いで、短側壁3が、先に倒された長側壁2の上に倒されるように構成された折り畳みコンテナーの場合にも、当然のことながら、後から倒される短側壁3に、IDタグ取付手段を配設することができる。
次に、図9〜図11を用いて、他の実施例の折り畳みコンテナーについて説明する。
この実施例においても、上述した実施例と同様に、短側壁3の弾性変形可能な薄肉な板状部3aの外面3a1には、適当な相対する一対の水平リブ3e2と適当な相対する一対の垂直リブ3f2とにより囲まれているIDタグ収容空間部A2が形成されている。本実施理例においては、IDタグ収容空間部A2の幅W2、換言すれば、一対の垂直リブ3f2間の間隔は、IDタグ収容空間部A2に収容されるIDタグTの幅t1の略同じであり、また、IDタグ収容空間部A2の高さH2、換言すれば、一対の水平リブ3e2間の間隔は、IDタグ収容空間部A2に収容されるIDタグTの高さt2と略同じに形成されている。
IDタグ収容空間部A2を規定する相対する一対の水平リブ3e2のうち、上方に位置する水平リブ3e2の下面には、所定の間隔を置いて、所定数の係止突部8が垂設されており、また、IDタグ収容空間部A2を規定する相対する一対の水平リブ3e2のうち、下方に位置する水平リブ3e2の上面には、所定の間隔を置いて、所定数の係止突部9が垂設されている。
この実施例において、IDタグ収容空間部A2に、IDタグTを取り付けるには、IDタグ収容空間部A2に挿入されたIDタグTを、短側壁3の板状部3a方向に押して、IDタグTを、相対する一対の水平リブ3e2にそれぞれ形成された係止突部8、9を越えて、板状部3aの外面に当接或いは近接させることにより、IDタグTを、IDタグ収容空間部A2内に収容することができるように構成されている。
この実施例においても、IDタグ取付手段を構成する相対する一対の水平リブ3e2や相対する一対の垂直リブ3f2や係止突部8、9は、短側壁3を、射出成形する際に、短側壁3と同時に一体成形されており、従って、短側壁3の成形後に、短側壁3に、別部材としてのIDタグ取付手段を取り付け組み立てるものではない。従って、折り畳みコンテナーの組み立て作業に際しては、IDタグ取付手段とともに射出成形で一体成形された短側壁3と、同じく、射出成形で一体成形された底部1と長側壁2とを組み立てるだけであるので、折り畳みコンテナーの組み立て作業の作業性が向上する。
上述した実施例と同様に、先に倒される短側壁3に、IDタグ収容空間部A2を規定する相対する一対の水平リブ3e2と相対する一対の垂直リブ3f2及び係止突部8、9からなるIDタグ取付手段を配設した場合には、後から倒される長側壁2により覆われる短側壁3の所定の領域に、IDタグ取付手段を配設することが好ましい。このように構成することにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした際に、短側壁3に取り付けられたIDタグTの上には、長側壁2が位置することになるので、IDタグTの損傷を防止することができる。
なお、相対する一対の水平リブ3e2にそれぞれ形成された係止突部8、9と同様の係止突部を、相対する一対の垂直リブ3f2の対向する面にも形成することもできる。また、相対する一対の水平リブ3e2に、係止突部8、9を形成する代わりに、相対する一対の垂直リブ3f2の対向する面にのみ形成することもできる。
また、IDタグ収容空間部A2を規定する相対する一対の水平リブ3e2と相対する一対の垂直リブ3f2及び係止突部8、9からなるIDタグ取付手段を、短側壁3に、1個以上、配設することもでき、更には、長側壁2にも配設することができる。
更に、上述した実施例には、箱型に組み立てられた状態から、最初に、短側壁3が、底部1方向に倒され、次いで、長側壁2が、先に倒された短側壁3の上に倒されるように構成された折り畳みコンテナーに、上述したような、IDタグ収容空間部A2を規定する相対する一対の水平リブ3e2と相対する一対の垂直リブ3f2及び係止突部8、9からなるIDタグ取付手段を配設した例が示されているが、箱型に組み立てられた状態から、最初に、長側壁2が、底部1方向に倒され、次いで、短側壁3が、先に倒された長側壁2の上に倒されるように構成された折り畳みコンテナーに、上述したようなIDタグ取付手段を配設することもできる。
先に倒される長側壁2に、上述したような、IDタグ収容空間部A2を規定する相対する一対の水平リブ3e2と相対する一対の垂直リブ3f2及び係止突部8、9からなるIDタグ取付手段を配設した場合には、後から倒される短側壁3により覆われる長側壁2の所定の領域に、IDタグ取付手段を配設することが好ましい。このように構成することにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした際に、長側壁2に取り付けられたIDタグTの上には、短側壁3が位置することになるので、IDタグTの損傷を防止することができる。
なお、図4〜図8等において、10は、架橋垂直リブ3gと板状部3aの外面3a1との間に形成されるIDタグTが挿入可能なIDタグ挿入用スリットS2を、短側壁3と一体成形するために、短側壁3の板状部3aに形成された金型の抜き孔である。また、図9〜図11において、11は、係止突部8、9を、短側壁3と一体成形するために、短側壁3の板状部3aに形成された金型の抜き孔である。
図1は、箱型に組み立てられた状態の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。 図2は、組み立て途中或いは折り畳み途中の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。 図3は、折り畳まれた状態の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。 図4は、短側壁から見た本発明の折り畳みコンテナーの正面図である。 図5は、短側壁から見た本発明の折り畳みコンテナーの部分斜視図である。 図6は、図5の更なる部分拡大斜視図である。 図7は、本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の部分拡大水平断面図である。 図8は、図7と同様の本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の部分拡大水平断面図である。 図9は、短側壁から見た本発明の別の実施例の折り畳みコンテナーの部分斜視図である。 図10は、短側壁から見た本発明の別の実施例の折り畳みコンテナーの正面図である。 図11は、本発明の別の実施例の折り畳みコンテナーの短側壁の部分拡大垂直断面図である。
符号の説明
A1a、A2・・・・・・・IDタグ収容空間部
T・・・・・・・・・・・・IDタグ
E1・・・・・・・・・・・弾性舌片
S2・・・・・・・・・・・IDタグ挿入用スリット
1・・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・・長側壁
3・・・・・・・・・・・・短側壁
3e1、3e2・・・・・・水平リブ
3f1、3f2・・・・・・垂直リブ
3g・・・・・・・・・・・架橋リブ

Claims (2)

  1. 底部と、該底部の一方の相対する辺部にヒンジ連結された一方の相対する側壁と、前記底部のもう一方の相対する辺部にヒンジ連結されたもう一方の相対する側壁とを有するとともに、前記側壁を、前記底部に重なるように倒すことにより、折り畳み可能な折り畳みコンテナーにおいて、所定の側壁に形成された、IDタグの高さと略同じ間隔を有する相対する一対の水平リブとIDタグの幅の略2倍の間隔を有する相対する一対の垂直リブとにより、IDタグ用空間が形成されているとともに、前記IDタグ用空間内に位置する前記側壁の中央領域には、自由端部側に係止突部を有する弾性舌片が形成されており、更に、前記弾性舌片と該弾性舌片の自由端部側に位置する前記一方の垂直リブとの間に、前記相対する一対の水平リブを架橋するとともに、前記側壁との間に、IDタグ挿入用スリットが形成された架橋垂直リブが形成されており、前記IDタグ用空間にIDタグを収容する際には、前記弾性舌片の係止突部に一番近い前記架橋垂直リブと前記弾性舌片の根元部側に位置する前記垂直リブとの間に位置する前記空間部に、IDタグを挿入するとともに、IDタグを、前記弾性舌片の係止突部に押し付けて、前記弾性舌片を弾性変形させ、その後、IDタグを、前記弾性舌片の自由端部側に位置する前記垂直リブ方向に移動させることにより、IDタグTを、前記架橋垂直リブと前記側壁との間に形成されたIDタグ挿入用スリットに挿通し、IDタグの先端が、前記弾性舌片の自由端部側に位置する前記垂直リブに当接或いは近接した時点で、IDタグの後端が、前記弾性舌片に突設された係止突部から外れて、前記弾性舌片が、その弾性力により復元されることにより、前記弾性舌片に突設された係止突部が、IDタグの後端に、当接或いは近接するように構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。
  2. IDタグ用空間と弾性舌片と架橋垂直リブとIDタグ挿入用スリットとを有するIDタグ取付手段を、箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁に配設し、前記IDタグ取付手段に取り付けられたIDタグ、後から倒される側壁により覆われるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳みコンテナー。
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