JP4983499B2 - 折り畳みコンテナ、icタグ通信保護部材 - Google Patents

折り畳みコンテナ、icタグ通信保護部材 Download PDF

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本発明は、ICタグを備えた折り畳みコンテナ及びICタグ通信保護部材に関するものである。
昨今、物流の高速化にともない、搬送物の搬送に使用されるコンテナは、非接触通信が可能なICタグがコンテナの外側の側面などに取り付けられ、搬送物の搬送管理を効率よく実施している。しかし、このようなICタグを備えたコンテナは、搬送物の内容物が金属や、水分を有するものである場合、搬送物をコンテナに収納したときに、その内容物である金属や水分がICタグに接近し、ICタグの通信機能に不具合を生じさせることがあった。そのため、ICタグとコンテナとの間に樹脂などのスペーサを介在させて、ICタグと搬送物との間に特定の距離を設ける対策などが、提案、実現されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような対策では、コンテナの外側にスペーサを介してICタグが取り付けられた状態になるので、ICタグがコンテナの外形から突き出る状態となり、搬送時に他のコンテナと接触するなどしてICタグを破損する恐れがあった。また、コンテナが折り畳み式である場合、コンテナから突き出たICタグによって、コンテナが適正に畳めなくなり、畳んだコンテナを複数積み上げて保管し辛くなるなどの問題があった。
特開2002−298106号公報
本発明の課題は、折り畳み機能を適正に維持して、ICタグの非接触通信が収納物によって阻害されるのを防止することができる折り畳みコンテナ及びICタグ通信保護部材を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を括弧内に付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、底板(13)と、前記底板(13)の周縁に沿って設けられた側板(11,12)とを有し、前記底板(13)及び前記側板(11,12)を互いに折り畳み可能な折り畳みコンテナ(10)であって、当該折り畳みコンテナ(10)の外側の面に固定され、外部機器と非接触で通信可能なICタグ(20)と、前記ICタグ(20)を固定した位置に対応する当該折り畳みコンテナ(10)の内側の面に設けられた突起部(12A)と、当該折り畳みコンテナ(10)の内側の面に設けられ、当該折り畳みコンテナ(10)を折り畳んだときに前記突起部(12A)を収容する突起収容部(13A)と、を備える折り畳みコンテナ(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の折り畳みコンテナ(10)において、前記突起収容部(13A)は、穴(13A)であること、を特徴とする折り畳みコンテナ(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の折り畳みコンテナ(10)において、前記底板(13)及び/又は前記側板(11,12)は、合成樹脂によって形成されること、を特徴とする折り畳みコンテナ(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の折り畳みコンテナ(10)において、前記突起部(12A)は、前記底板(13)又は前記側板(11,12)と一体であること、を特徴とする折り畳みコンテナ(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の折り畳みコンテナ(10−2)において、前記突起部(31)は、前記底板(13)又は前記側板(11,12)とは別体であること、を特徴とする折り畳みコンテナ(10−2)である。
請求項6の発明は、底板(13)と、前記底板(13)の周縁に沿って設けられた側板(11,12)とを有し、前記底板(13)及び/又は前記側板(11,12)は穴(13A)を有し、外部機器と非接触で通信可能なICタグ(20)を外側の面に備え、前記側板(11,12)及び前記底板(13)を互いに折り畳み可能な折り畳みコンテナ(10−2)に装着されるICタグ通信保護部材(30)であって、前記折り畳みコンテナ(10−2)を折り畳んだときに、前記穴(13A)に収容される突起部(31)と、前記折り畳みコンテナ(10−2)の内側の面に前記突起部(31)を固定する固定手段(32)と、を備えるICタグ通信保護部材(30)である。
本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)折り畳みコンテナは、その内側の面に突起部と突起収容部とを備えているので、折り畳みコンテナを折り畳むときに、突起収容部によって突起部を収容して、適正に折り畳みコンテナを折り畳むことができる。また、ICタグが、非接触通信を阻害されるのを防ぐために、折り畳みコンテナの外側の面から突出するような状態で固定されるのを防止することができ、折り畳みコンテナの搬送時などにおいて、ICタグが他のコンテナなどと接触して破損してしまうのを防止することができる。
(2)突起収容部は穴であるので、簡易な構成で突起収容部を実現することができる。
(3)底板及び/又は側板は、合成樹脂によって形成されているので、折り畳みコンテナ自身がICタグの非接触通信を阻害するのを防止することができる。
(4)突起部は、底板又は側板と一体であるので、側板や底板とともに突起部を一体成型で簡易に形成することができ、折り畳みコンテナの製造工程や、製造コストを減らすことができる。
(5)突起部は、底板又は側板と別体であるので、既存の折り畳みコンテナに突起部を後付けで取り付けることができ、ICタグの通信不良を防止することができる。
(6)ICタグ通信保護部材は、突起部と固定手段とを有しているので、穴を有した既存の折り畳みコンテナの適切な位置に、突起部を容易に設けることができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による折り畳みコンテナの第1実施形態であるコンテナの模式図である。ここで、図1(a)は、折り畳みコンテナの斜視図を示し、図1(b)は、図1(a)のA部断面図を示し、図1(c)は、図1(b)の側板を折り畳んだときの図を示し、図1(d)は、図1(c)の斜視図を示し、図1(e)は、折り畳みコンテナが折り畳まれた状態を示す斜視図である。また、図2は、突起部の斜視図であり、図3は、収納物をコンテナに収納したときの断面図である。ここで、説明を明確にするために、各図中に記載の+X方向をコンテナの前方向とし、+Y方向を左方向、+Z方向を上方向とする。
コンテナ10は、図1(a)に示すように、底板13の周囲に沿って設けられた側板11及び側板12によって略直方体状に形成された搬送用の容器である。また、コンテナ10は、後述の側板11及び側板12に設けられた回転部材Rによって、図1(e)に示すように、折り畳むことができる。さらに、コンテナ10は、側板12に固定されたICタグ20と不図示のリーダライタ(外部機器)とが非接触通信することによって、コンテナ10に収納された収納物の在庫管理などが行われる。ここで、説明を明確にするために、コンテナ10の内側を形成する面を、それぞれ、側板11の内側の面、側板12の内側の面、底板13の内側の面と呼び、また、コンテナ10の外形を形成する面を、それぞれ、側板11の外側の面、側板12の外側の面、底板13の外側の面と呼ぶものとする。
側板11は、底板13の2箇所の長辺部にそれぞれ沿うようにして設けられた合成樹脂製の板材であり、上部側板11Aと下部側板11bとを有している。
上部側板11Aは、下部側板11Bと回転部材R−1Aを介して回転自在に接続されており、図1(d)の矢印Cに示すように、下部側板11Bに対してコンテナ10の外側へ倒すことができる。
下部側板11Bは、底板13の2箇所の長辺部にそれぞれ沿うようにして回転部材R−1Bを介して回転自在に接続されており、図1(d)の矢印Dに示すように、底板13に対してコンテナ10の内側へ倒すことができる。
側板12は、底板13の2箇所の短辺部にそれぞれ沿うようにして設けられた合成樹脂製の板材である。側板12は、底板13と回転部材R−2を介して回転自在に接続されており、図1(b)に示すように、底板13に重なるようにコンテナ10の内側に倒すことができる。2枚ある側板12の一方(本実施形態では左側の側板12)には、外側の面の上端近傍にICタグ20が固定されており、また、ICタグ20の固定位置に対応する内側の面に突起部12Aが側板12と一体成型(例えば、射出成型)によって形成されている。
突起部12Aは、側板12に固定されたICタグ20の非接触通信を保護するために設けられた部分であり、図2に示すように、複数(本実施形態では2行×2列)の凸部材で形成されている。具体的には、突起部12Aは、図3に示すように、コンテナ10の内側に金属製の箱が収納物100として収納されたときに、その収納物100がICタグ20に接近しすぎないように、収納物100とICタグ20との間に特定の距離を設けている。そして、突起部12Aで設けた距離によって、ICタグ20と不図示のリーダライタとの非接触通信が収納物100の金属によって阻害されるのを防止している。ここで、収納物100とICタグ20との距離は、1mm〜20mmの範囲が効果的であり、特に10mmが最適となる。
底板13は、コンテナ10の底に位置する矩形状の合成樹脂製の板部材であり、図1(c)に示すように、側板12が折り畳まれたときに、側板12の内側に設けられた突起部12Aに対応する位置に収容穴(突起収容部)13Aが設けられている。
収容穴13Aは、複数の凸部材からなる突起部12Aをまとめて収容することができる穴であり、コンテナ10を折り畳んだときに、突起部12Aと底板13の内側の面とが互いに接触しないように設けられている。なお、収容穴13Aは、底板13の下面に貫通するように形成することも可能である。
ICタグ20は、その内部に不図示のICチップ及びアンテナなどを備えたタグであり、本実施形態では、ICチップ内に収納物100の情報を記録して、収納物100の在庫管理に使用される。
収納物100は、図3に示すように、コンテナ10内に収納される物品であり、本実施形態では、金属製の箱である。なお、ICタグ20の非接触通信に不具合を発生させる収納物は、金属製の箱のような金属製の物品だけでなく、水分を有するもの、例えば、水分を充填した容器なども含まれる。
次に、コンテナ10の折り畳み方法について説明する。
コンテナ10を収納するとき、まず、作業者は、図1(b)に示すように、側板12を底板13に対して回転部材R−2を介してコンテナ10の内側へ倒して(矢印B)、底板13の上面に重ねる。このとき、左側の側板12の内側の面に設けられた突起部12Aは、底板13に設けられた収容穴13Aに収容されるので、左側の側板12は、図1(c)に示すように、突起部12Aを設けていない右側の側板12と同様な形態で底板13上に折り畳まれる。
次に、作業者は、図1(d)に示すように、側板11の上部側板11Aを下部側板11Bに対して回転部材R−1Aを介してコンテナ10の外側へ倒して(矢印C)、上部側板11Aと下部側板11Bとを重ねる。続いて、作業者は、上部側板11Aを重ねた下部側板11Bを底板13に対して回転部材R−1Bを介してコンテナ10の内側へ倒し(矢印D)、図1(e)に示すような折り畳み状態にして、折り畳み作業が完了となる。
以上より、本実施形態のコンテナ10には以下のような効果がある。
(1)コンテナ10は、内側の面に突起部12Aを備えているので、コンテナ10に収納物100が収納されたときに、突起部12AによりICタグ20と収納物100との間に特定の距離を設け、ICタグ20と不図示のリーダライタとの非接触通信が収納物100によって阻害されるのを防止することができる。また、ICタグ20が、非接触通信を阻害されるのを防ぐために、コンテナ10の外側の面から突出するような状態で固定されるのを防止することができ、コンテナ10の搬送時などにおいて、ICタグ20が他のコンテナなどと接触して破損してしまうのを防止することができる。
(2)コンテナ10は、コンテナ10の内側の面に突起部12Aと、収容穴13Aとを備えているので、コンテナ10を折り畳むときに、収容穴13Aによって突起部12Aを収容して、適正に側板12を底板13上に折り畳むことができる。
(3)側板11、側板12及び底板13は、合成樹脂によって形成されているので、コンテナ10を形成する部材がICタグ20の非接触通信を阻害するのを防止することができる。
(4)突起部12Aは、コンテナ10を形成する側板12と一体であるので、突起部12Aを有した側板12を射出成型などの一体成型によって簡易に形成することができ、コンテナ10の製造工程や、製造コストを減らすことができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明による折り畳みコンテナの第2実施形態を示す断面図である。なお、以下の実施形態の説明では、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
第2実施形態のコンテナ10−2と第1実施形態のコンテナ10との相違点は、第1実施形態の突起部12Aの代わりに、通信保護部材(ICタグ通信保護部材)30が側板12の内側の面に取り付けられている点と、収容穴13Aの代わりに肉抜き穴13A−2が底板13に設けられている点とである。
肉抜き穴13A−2は、底板13を軽量化するために、底板13の上面の略全面に形成された既存の多数の穴である。
通信保護部材30は、突起部31と接着層(固定手段)32とを備えている。突起部31は、第1実施形態の突起部12Aと同様に複数の凸部材を有した部分であり、その複数の凸部材の付け根部に接着剤で形成された接着層32が設けられている。通信保護部材30は、ICタグ20の固定位置に対応する側板12の内側の面に接着層32によって固定される。
また、突起部31の各凸部材は、肉抜き穴13A−2に収容されるように肉抜き穴13A−2の穴寸法よりも小さい形状に形成されており、突起部31は、側板12を折り畳んだときに、底板13の肉抜き穴13A−2に凸部材が収容されるように側板12に対して固定される。
以上より、本実施形態の通信保護部材30は、コンテナ10−2の内側に固定されることによって、既存のコンテナ10−2に容易に突起部31を設けることができる。また、コンテナ10−2の底板13に設けられた既存の肉抜き穴13A−2を利用して突起部31を収納することによって、通信保護部材30を外すことなくコンテナ10−2を適正に折り畳むことができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態では、ICタグ20は、側板12に固定した例で説明したが、側板11や底板13などの部材の外側の面に固定してもよい。ただし、その場合、突起部12Aや通信保護部材30は、ICタグ20の固定位置に対応する部分の内側の面に設ける必要があり、また、収容穴13Aも、コンテナ10を折り畳んだときに、突起部12Aや通信保護部材30と重なる位置に設ける必要がある。
(2)各実施形態では、ICタグ20は、コンテナ10に1個設けた例で説明したが、複数個設けてもよい。例えば、側板11及び側板12の両方に対してICタグ20を設けることによって、多数のコンテナ10が縦横に積まれたような場合に、側板11に固定したICタグ20が隣り合うコンテナに隠れてしまい通信不可能であったとしても、側板12に固定したICタグ20からコンテナ10の情報を読み取ることが可能になる。
(3)各実施形態では、コンテナ10は、直方体の形状の例で説明したが、それ以外の形状、例えば、六角柱など多角柱の形状であってもよい。
(4)第1実施形態では、収容穴13Aは、突起部12Aの凸部材をまとめて収容するように設けたが、突起部12Aの各凸部材に対応するように複数(2行×2列)の穴を設けてもよい。
(5)第1実施形態では、底板13に収容穴13Aを設け突起部12Aを収容したが、第2実施形態のように既存の肉抜き穴に突起部12Aを収容させてもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した実施形態によって限定されることはない。
本発明による折り畳みコンテナの実施形態であるコンテナの模式図である。 突起部の斜視図である。 収納物をコンテナに収納したときの断面図である。 本発明による折り畳みコンテナの第2実施形態を示す断面図である。
符号の説明
10 コンテナ
11 側板
11A 上部側板
11B 下部側版
12 側板
12A 突起部
13 底板
13A 収容穴
20 ICタグ
100 収納物

Claims (6)

  1. 底板と、前記底板の周縁に沿って設けられた側板とを有し、前記底板及び前記側板を互いに折り畳み可能な折り畳みコンテナであって、
    当該折り畳みコンテナの外側の面に固定され、外部機器と非接触で通信可能なICタグと、
    前記ICタグを固定した位置に対応する当該折り畳みコンテナの内側の面に設けられた突起部と、
    当該折り畳みコンテナの内側の面に設けられ、当該折り畳みコンテナを折り畳んだときに前記突起部を収容する突起収容部と、
    を備える折り畳みコンテナ。
  2. 請求項1に記載の折り畳みコンテナにおいて、
    前記突起収容部は、穴であること、
    を特徴とする折り畳みコンテナ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の折り畳みコンテナにおいて、
    前記底板及び/又は前記側板は、合成樹脂によって形成されること、
    を特徴とする折り畳みコンテナ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の折り畳みコンテナにおいて、
    前記突起部は、前記底板又は前記側板と一体であること、
    を特徴とする折り畳みコンテナ。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の折り畳みコンテナにおいて、
    前記突起部は、前記底板又は前記側板とは別体であること、
    を特徴とする折り畳みコンテナ。
  6. 底板と、前記底板の周縁に沿って設けられた側板とを有し、外部機器と非接触で通信可能なICタグを外側の面に備え、前記底板及び/又は前記側板は穴を有し、前記側板及び前記底板を互いに折り畳み可能な折り畳みコンテナに装着されるICタグ通信保護部材であって、
    前記折り畳みコンテナを折り畳んだときに、前記穴に収容される突起部と、
    前記折り畳みコンテナの内側の面に前記突起部を固定する固定手段と、
    を備えるICタグ通信保護部材。
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