JP4112990B2 - 車載用音響装置のパネル部動作機構 - Google Patents

車載用音響装置のパネル部動作機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用音響装置のパネル部動作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MD/CDの挿入口を筐体前面に備え、この挿入口を塞ぐ形でその前方に移動可能なパネル部を配した車載用音響装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この音響装置では、パネル部の下方に配置されたスイッチ部をモータの駆動力によって筐体内部へ収納し、かつパネル部の下方に形成されたスペースにパネル部をモータの駆動力によって移動させることにより、パネル部に隠されていた挿入口を露出させ、当該挿入口内にMD/CDを挿入することができるものとなっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−285663号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1では、スイッチ部とパネル部とがセパレートになっている。そのため、スイッチ部を筐体内部側へスライド移動させる駆動源と、パネル部を下方へ移動させる駆動源とは、別体で構成されている。したがって、特許文献1の音響装置では、別個に構成された駆動源の駆動力をそれぞれスイッチ部およびパネル部に伝達するための駆動機構を備えることとなり、動作を制御するための位置検出器も複数必要となる。
【0005】
なお、パネル部のみを回動させ、筐体前面で傾倒させることにより、筐体の前面のMD/CDの挿入口を露出させることも考えられる。しかし、単に、筐体の前面でパネル部を回動させて傾倒させようとすると、筐体の前方に大きなスペースが必要となる。車載用音響装置の場合、筐体の前面にシフトレバーなどが配置されることも多く、設計上、制約がある。すなわち、パネル部を小さく構成したり、あるいはシフトレバーを筐体前面から遠く離さなければならないという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑みて、単純な動作にて、パネル部をそれ程前方へ突出させずに回動動作させることにより、パネル部背後に隠されたMD/CD装填口を露出させることが可能な車載用音響装置のパネル部動作機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筐体前面に沿って略垂直に配置された可倒式のパネル部を有する車載用音響装置のパネル部動作機構において、パネル部の下端が回動自在に取り付けられた支点部を有し、駆動源の駆動力を受けて前後方向にスライド動作するラック部材と、駆動源の駆動力を間欠的にラック部材に伝達する間欠歯車と、駆動源の駆動力を受けて回転する、一側面にカム溝が設けられたカム車と、パネル部とカム車とを連結すると共に、カム溝内を移動可能なカムピンを備え、カム車の回転に伴ってカム溝内をカムピンが移動することにより回動するリンク部材と、を備え、駆動源の駆動により、ラック部材の前方向へのスライド動作と、パネル部の上端の下方向へのスライド動作とが行われた後、ラック部材のスライド動作が停止して、パネル部の上端が支点部を支点として傾倒することを特徴としている。
【0008】
また、他の発明は、上述の車載用音響装置のパネル部動作機構において、間欠歯車は、その一部のみに歯を有する歯車であり、間欠歯車の歯とラック部材もしくはラック部材に連結する歯車との噛み合いが行われている状態で、パネル部の下端が前方向にスライド移動し、噛み合いが行われなくなった状態で、パネル部の下端の前方向へのスライド移動が停止し、パネル部が支点部を支点として傾倒することを特徴としている。
【0009】
また、他の発明は、上述の各車載用音響装置のパネル部動作機構において、間欠歯車の一側面に、カム溝を形成することにより、間欠歯車とカム車とを一体的に形成したことを特徴としている。
【0010】
また、他の発明は、上述の各車載用音響装置のパネル部動作機構において、パネル部の側面にピンを立設すると共に、筐体の側面にピンが摺動移動可能なガイド溝を設けたことを特徴としている。
【0011】
また、他の発明は、上述の車載用音響装置のパネル部動作機構において、ガイド溝は、垂直に上下方向に延出され、ピンを摺動移動させる直線区間と、直線区間の下端から筐体内部方向に湾曲する円弧形状に形成され、ピンを摺動移動させる円弧区間とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、他の発明は、上述の車載用音響装置のパネル部動作機構において、ガイド溝は、直線区間と円弧区間との境界に、ピンがその境界を通過する際に、当該通過をスムーズに行わせるための斜面部を有することを特徴としている。
【0013】
また、他の発明は、筐体前面に沿って略垂直に配置された可倒式のパネル部を有する車載用音響装置のパネル部動作機構において、パネル部の下端が回動自在に取り付けられた支点部を有し、駆動源の駆動力を受けて前後方向にスライド動作するラック部材と、駆動源の駆動力によって回転し、支点部を支点としてパネル部を回動させるリンク部材と、駆動源の駆動力をラック部材へ伝達可能な第1の所定区間と、駆動源の駆動力をリンク部材へ伝達可能な第2の所定区間とを回転円周上に持つ回転部材と、を備え、駆動源の駆動により、ラック部材の前方向へのスライド動作と、パネル部の上端の下方向へのスライド動作とが行われた後、ラック部材のスライド動作が停止して、パネル部の上端が支点部を支点として傾倒することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の第1の実施の形態を、図1から図4に基づいて詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の概略を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の車載用音響装置のパネル部動作機構を示す図で、パネル部が筐体前面に沿って垂直に配置された状態から下端を少し前方へスライド移動させ、上端を少し下方へスライド移動させた状態を示した図である。
【0016】
筐体1の前面Fには、この前面Fを覆うようにパネル部2が垂直に配置されている。図1は、パネル部2の傾倒動作の初期で、上述したように、パネル部2の下端がやや前方へスライド移動し、かつ上端がやや下方へスライド移動することによって、パネル部2が若干傾斜した状態を示している。
【0017】
パネル部2の上端近傍で後端近傍(図1における上方かつ右方)には、ピン4が設けられている。ピン4は、パネル部2の両側面(図1における紙面前後方向にそれぞれ配置された面)から、さらに幅方向(図1における前後方向)に突出するように取り付けられている。これらのピン4は、対向する筐体1の側面に形成されたガイド溝3内に摺動移動可能にはまり込んでいる。
【0018】
また、パネル部2の側面のピン4から所定距離離れた位置には、ピン5が設けられている。ピン5は、パネル部2の側面から、さらに幅方向に突出するように取り付けられている。このピン5は、対向する筐体1の側面とパネル部2の間に入り込んだ、後述するリンク部材12の長穴15内に摺動移動可能に挿入されている。
【0019】
ピン5は、後述する直線移動区間において、長穴15内を図1中の幅方向略中央から左端方向へ摺動移動し、後述する円弧移動区間において、長穴15内を左端から幅方向略中央へ摺動移動する。
【0020】
リンク部材12は、パネル部2の上端部分が下方へ直線的に移動する直線区間の前半には回動せず、この直線区間の後半にはラック部材9と協働してパネル部2を回動させ、直線区間終了後の円弧区間には単独でパネル部2を回動させる。パネル部2は、長穴15内においてリンク部材12からピン5が力を受けると、その力によって回動する。パネル部2の下端近傍で後端近傍は、後述するラック部材9の前端部分に設けられた支点部17に回動可能に保持されている。
【0021】
図示しない駆動源の駆動力は、減速歯車列(図示省略)を介して間欠歯車6に伝達される。間欠歯車6は、駆動源からの駆動力を受けて常時回転する。間欠歯車6は、間欠受け歯車7に係脱自在となっている。そして、間欠歯車6は、その一部のみに歯が形成されており、その歯が間欠受け歯車7と係合する間において、間欠受け歯車7にその回転力を伝達する。
【0022】
間欠歯車6は、間欠受け歯車7の歯部7aと噛み合う歯部6aと、間欠受け歯車7の歯部7aと噛み合わない部分となる円弧部6bとを有している。歯部6aが間欠受け歯車7の歯部7aと噛み合いながら回転しているとき、間欠歯車6の回転は間欠受け歯車7に伝達され、間欠受け歯車7が回転する。
【0023】
一方、歯部6aと間欠受け歯車7の歯部7aとの噛み合いが外れ、円弧部6b,7b同士が対向している状態のとき、間欠歯車6の回転は間欠受け歯車7に伝達されず、間欠受け歯車7は回転しない。
【0024】
間欠歯車6の一側面には、カム溝16が形成されている。本実施の形態では、間欠歯車6は、カム溝16を備えたカム車を兼ねている。しかし、カム車と間欠歯車とは、別体で設けられていても良い。カム溝16内には、間欠歯車6と筐体1の側面との間に配置されたリンク部材12の一端に設けられたカムピン13が入り込んでいる。
【0025】
リンク部材12は、カム車を兼ねた間欠歯車6と筐体1の側面との間に配置された薄板状の部材で構成されている。リンク部材12は、筐体1の側面に固定された支点部14を回動中心として揺動する。リンク部材12の一端近傍には、カムピン13が立設されている。間欠歯車6が回転すると、カムピン13は、間欠歯車6のカム溝16内を摺動移動する。また、リンク部材12の他端近傍には、長穴15が設けられている。長穴15内には、上述したように、パネル部2の側面に取り付けられたピン5が入り込んでいる。
【0026】
カム溝16は、図1中のP点からP’点までの区間において、間欠歯車6の回転中心から外周端部までの距離が同じとなるように形成されている。そして、カム溝16の図1中のP’点からP”点までの区間においては、間欠歯車6の回転中心から外周端部までの距離が、P”点に向かうにしたがって徐々に短くなるように、らせん状に形成されている。
【0027】
そのため、カム溝16内のP点−P’点間をカムピン13が移動中のとき、リンク部材12は、カム溝16の外周端部に摺動するカムピン13と、回転中心となる支点部14との位置関係が変化しない。したがって、リンク部材12は、揺動しない。
【0028】
一方、カム溝16内のP’点−P”点間をカムピン13が移動中のとき、リンク部材12は、支点部14とカムピン13との位置関係が変化していく。より具体的に述べると、カムピン13の位置が徐々に上昇したり下降したりする。したがって、リンク部材12は、支点部14を回動中心として揺動し、長穴15側がカムピン13側の動作と反対に下降したり上昇したりする。
【0029】
間欠受け歯車7は、アイドラー8を介して、ラック部材9のラック歯10と噛み合っている。なお、本実施の形態では、回転方向の関係から間欠受け歯車7とラック部材9のラック歯10との間にアイドラー8を配置したが、アイドラー8を介さず、直接間欠受け歯車7とラック部材9とを係合させるようにしても良い。
【0030】
間欠受け歯車7は、間欠歯車6およびアイドラー8に係合する歯部7aと、間欠歯車6およびアイドラー8に係合しない円弧部7bを有している。円弧部7bが間欠歯車6との噛み合い位置にあり、かつ間欠歯車6の円弧部6bがこの円弧部7bとの噛み合い位置にきているとき、間欠受け歯車7は、間欠歯車6からの回転力を受けず回転しない。そのため、このときは、アイドラー8も回転せず、ラック部材9が駆動されない。
【0031】
一方、間欠受け歯車7が、間欠歯車6の回転力を受けて回転すると、その回転力を、アイドラー8を介してラック歯10で受けたラック部材9が、前後方向(図1における左右方向)にスライド移動する。すなわち、間欠歯車6は、駆動源の駆動力を間欠的にラック部材9へ伝達するものとなっている。
【0032】
ラック部材9は、アイドラー8に噛み合うラック歯10を有し、かつ前端部分にパネル部2の下端部分を回動自在に支持する支点部17を有している。ラック部9は、駆動源の駆動力を間欠歯車6およびアイドラー8を介して受けると、前後方向(図1における左右方向)にスライド動作する。
【0033】
図2は、本発明の車載用音響機器のガイド溝を示すための模式図である。図2に示すように、ガイド溝3は、上下方向に垂直に延出された直線区間3aと、円弧形状の円弧区間3bから構成されている。直線区間3aは、パネル部2の下端がラック部材9によって前方へ移動される際に、パネル部2の上端側の下方への移動をガイドするための区間である。すなわち、直線区間3aは、パネル部2の下端側が前方へスライド移動する間、ピン4の下方へのスライド移動をガイドするために形成された区間である。
【0034】
円弧区間3bは、上述の直線区間終了後において、ピン4の動作をガイドするものである。すなわち、パネル部2の下端の前方へのスライド移動(直線区間)が終了し、その後、ラック部材9の前端部分に回動自在に保持されたパネル部2の下端近傍を回動中心として、パネル部2が回動する際、このパネル部2の回動をガイドするための区間である。
【0035】
すなわち、円弧区間3bは、ラック部材9の支点部17が前方へ限界まで到達した状態時に、その支点部17を回動支点としてパネル部2が回動する際のピン4の移動軌跡となるように形成されている。ピン4は、直線区間終了後において、円弧区間3b内を摺動移動する。
【0036】
本実施の形態では、ラック部材9をある程度前方へスライド移動させた後、それ以上はラック部材9を前方へ移動させず、その場所でラック部材9の前端部分の支点部17を回動支点としてパネル部2を回動させている。そのため、ラック部材9が前方へ飛び出す距離がそれ程大きくない。
【0037】
すなわち、ラック部材9の前方へのスライド移動のみによりパネル部2を傾倒させるように構成すると、パネル部2の上下方向の高さ分以上にラック部材9を前方へスライド移動させる必要が生じる。加えて、単に、ラック部材9のみによる駆動において、ピン4を直線的に下降させてパネル部2の傾倒動作を行わせようとすると、圧力角の関係から逆方向に駆動する場合に、パネル部2が戻り動作を行うことができない。したがって、ラック部材9のスライド移動のみでパネル部2を傾倒させる動作および倒れた状態から垂直な状態へ戻す動作を行う場合、圧力角の関係から、ガイド溝の下端近傍を、この動作をスムーズにするためにさらに前方側へ湾曲させる必要がある。
【0038】
このように構成すると、ラック部材9およびパネル部2の下端は、さらに前方まで移動しなければならず、パネル部2の前面に移動のための大きなスペースが必要となる。すなわち、パネル部2の下端が大きく前方へ突出されるため、車内のシフトレバー等が、パネル部2の傾倒動作の際に邪魔となる恐れがある。
【0039】
本実施の形態では、その点を考慮し、ラック部材9の前方へのスライド動作の距離を少なくしている。すなわち、本実施の形態では、パネル部2の下端をある程度、前方へスライド移動させると共に上端を下方へスライド移動させた後、その位置を回動支点としてパネル部2の上端側を回動させることにより、パネル部2の上端側が筐体1の内部側に食い込むように回動する。したがって、本実施の形態では、パネル部2の前方にそれ程大きなスペースがなくても、パネル部2の傾倒動作を行える。この結果、シフトレバー等、パネル部2の前方に配置される部材が、パネル部2の傾倒動作の邪魔にならない。
【0040】
ガイド溝3の直線区間3aと円弧区間3bとの境界部分には、傾斜面3cが形成されている。この傾斜面3cは、ピン5が直線区間3aから円弧区間3bへ、あるいは円弧区間3bから直線区間3aへ移動する際、その切り替わり動作において、スムーズに移動するためのものである。
【0041】
上述のように構成された車載用音響装置のパネル部動作機構の動作を、図1、図3および図4を用いて説明する。
【0042】
以下、筐体1の前面Fに略垂直に配置されたパネル部2の下端側を前方へスライド移動させると共に、上端側を下方へスライド移動させて、パネル部2を傾倒させる動作について説明する。
【0043】
まず、駆動源を起動し、駆動源の駆動力が間欠歯車6に入力されると、間欠歯車6が図1中のR1方向に回転する。パネル部2が略垂直な状態時においては、間欠歯車6の歯部6aは、間欠受け歯車7の歯部7aと噛み合っている。したがって、間欠歯車6の回転力が間欠受け歯車7に伝達され、間欠受け歯車7が図1中のR2方向に回転する。
【0044】
間欠受け歯車7がR2方向へ回転すると、その回転力は、アイドラー8に伝達され、アイドラー8が図1中のR3方向に回転する。このアイドラー8のR3方向への回転を受けて、ラック部材9が図1中の矢印X方向へスライド移動する。このため、パネル部2は、下端側が前方へスライド移動し、かつ上端側が下方へスライド移動することによって傾倒する。
【0045】
この動作は、パネル部2が略30度くらい傾斜するまで継続される。このとき、パネル部2の上端近傍に設けられたピン4は、筐体1の側面に形成されたガイド溝3の直線区間3aを下方へ垂直に移動する。図3は、直線区間3a内の移動が終了し、円弧区間3bの開始位置へピン4が通過した状態を示している。
【0046】
一方、上述の直線区間通過中、リンク部材12のカムピン13は、間欠歯車6のカム溝16内を移動する。直線区間通過の初期となる、カムピン13がカム溝16内のP点−P’点間を移動している間は、リンク部材12の支点部14とカムピン13との位置関係に変化がなく、リンク部材12は揺動しない。カムピン13が、カム溝16内のP’点に到達し、さらにP‘点を超えてP“点に向かうと、カムピン13がカム溝16に沿って徐々に上昇し、リンク部材12が支点部14を回動支点として揺動する。
【0047】
直線区間通過の初期において、パネル部2のピン5は、リンク部材12の長穴15内を略中央付近から図1における左端方向へ移動する。この間、ピン5は、長穴15から力を受けない。そして、カムピン13が、カム溝16内のP’点に到達した後、リンク部材12の揺動が始まるため、ピン5は長穴15から力を受ける。これによって、リンク部材12は、ラック部材9と協働して、パネル部2を回動させる。
【0048】
図3は、直線区間3aから円弧区間3bへピン4が移動した直後の状態を示した図である。図3において、間欠歯車6の歯部6aは、間欠受け歯車7の歯部7aとの係合が外れる。これによって、間欠歯車6と間欠受け歯車7との噛み合いが外れ、間欠受け歯車7の回転が停止する。よって、アイドラー8およびラック部材9の動作が停止する。ラック部材9は、前方の位置で、図示しないストッパーにより位置保持される。
【0049】
このように、ラック部材9の前方へのスライド移動が停止すると、パネル部2の下端側の前方へのスライド移動が停止し、かつ上端側の下方へのスライド移動も停止する。ラック部材9はこの状態で位置保持されるため、支点部17は、これ以上前方へは移動せず、その位置にてパネル部2の回動支点として働くこととなる。
【0050】
なお、間欠歯車6の回転は継続しているため、カム溝16によるリンク部材12の駆動は継続する。カム溝16内では、すでにP‘点を通過したカムピン13が、さらにカム溝16内をP“点に向かって移動する。これにより、リンク部材12は、さらに揺動する。この結果、パネル部2は、ラック部材9の前端近傍に設けられた支点部17を回動支点として、上端側はさらにフラットになるように(下方に旋回するように)回動する。
【0051】
このとき、パネル部2の上端部分に設けられたピン4は、筐体1の側面に形成されたガイド溝3内を、直線区間3aからの切り替わり部分となる斜面部3cから、円弧区間3bへ移動していく。直線的にピン4が移動する直線区間3aと、円弧状にピン4が移動する円弧区間3bとの切り替わり時、斜面部3cを通過することにより、ピン4がスムーズに直線区間3aから円弧区間3bへと移動することができる。そして、斜面部3cを通過後、ピン4は、パネル部2の傾倒動作に合わせて、円弧区間3b内を円弧状に下方に向かって移動していく。
【0052】
図4は、パネル部2が最終的にフラットな状態まで動作された状態を示した図である。この位置までパネル部2が駆動されると、位置検出センサが間欠歯車6の回転位置を検出し、この検出結果に基づいて駆動源への電源供給を断つ。これによって、駆動源が停止し、パネル部2の傾倒動作が終了する。
【0053】
このようにパネル部2が傾倒されると、筐体1の前面部であってパネル部2の上方の部分は、その表面を晒すこととなる。この部位には、MD/CDの挿入口が設けられている。
【0054】
次に、傾倒されフラットになっているパネル部2を駆動し、筐体1の前面Fを覆うように移動させる動作について説明する。
【0055】
駆動源を起動し、駆動源の逆方向への駆動力が間欠歯車6に入力されると、間欠歯車6が図4中のR1’方向に回転する。パネル部2がフラットな状態時においては、間欠歯車6の歯部6aは、間欠受け歯車7の歯部7aと噛み合っていない。したがって、間欠歯車6の回転は、間欠受け歯車7に伝達されず、間欠受け歯車7、アイドラー8およびラック部材9は動作しない。
【0056】
この間、リンク部材12は、カム溝16から力を受けて揺動する。すなわち、リンク部材12のカムピン13がカム溝16内を摺動移動する。このため、リンク部材12のカムピン13側は下降し、リンク部材12は、支点部14を回動中心として揺動する。この結果、リンク部材12の長穴15側が上方へと移動する。
【0057】
この間、パネル部2の上端に設けられたピン4は、ガイド溝3の円弧区間3bを下端から上方に向かって移動する。これにより、パネル部2は、前方位置で停止しているラック部材9の支点部17を回動支点として、フラットな状態から上端側が起きるように回動動作する。
【0058】
間欠歯車6がR1’方向に回転し、カム溝16に沿ってカムピン13が移動することにより、リンク部材12が所定角度揺動すると、図4に示した状態から図3に示した状態となる。この状態は、パネル部2の上端側が起き、約30度の傾斜面を形成している状態である。
【0059】
さらに、間欠歯車6が回転すると、リンク部材12の揺動は継続される。一方、間欠歯車6の歯部6aが、間欠受け歯車7の歯部7aと係合する。間欠歯車6の回転力が間欠受け歯車7に伝達されると、間欠受け歯車7が図3中のR2方向と反対の方向に回転する。
【0060】
間欠受け歯車7がR2方向の反対の方向へ回転すると、その回転力は、アイドラー8に伝達され、アイドラー8が図3中のR3方向の反対の方向に回転する。このアイドラー8の回転を受けて、ラック部材9が図1中の矢印X方向の反対の方向へスライド移動する。この動作は、パネル部2の下端側を後方へスライド移動させ、かつ上端側を上方へスライド移動させることにより、パネル部2を徐々に垂直に起こす動作である。
【0061】
このとき、パネル部2の上端近傍に設けられたピン4は、筐体1の側面に形成されたガイド溝3の直線区間3aを上方へ移動する。これにより、パネル部2は、図3に示した状態よりさらに垂直方向に起きた状態となる。図1は、その状態を示した図である。図1の状態より、さらに間欠歯車6がR1’方向へ回転し、パネル部2が略垂直に起きると、間欠歯車6の回転位置を検出部が検出し、駆動源への電源供給が断たれる。これにより、パネル部2の回動動作が終了する。
【0062】
一方、図3の状態から図1の状態へ駆動する間、間欠歯車6のカム溝16内を、リンク部材12のカムピン13が移動する。この動作の初期において、リンク部材12は、カムピン13がカム溝16内を摺動移動することにより揺動している。しかし、カムピン13がP’点を過ぎてP点に向かう間、リンク部材12の支点部14とカムピン13との位置関係に変化がなく、リンク部材12は揺動しない。このリンク部材12が揺動しない間において、パネル部2は、ラック部材9によってのみ駆動される。
【0063】
次に、本発明に係る車載用音響装置のパネル動作機構の第2の実施の形態について説明する。
【0064】
まず、本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の第2の実施の形態の概略を、図5および図6を用いて説明する。図5は、本発明の車載用音響装置のパネル部動作機構を示す図で、パネル部が筐体前面に沿って垂直に配置された状態から下端を少し前方へスライド移動させ、上端を少し下方へスライド移動させた状態を示した図である。図6は、駆動切り替え部分となる遊星歯車機構を横から見た側面図である。
【0065】
なお、以下の第2の実施の形態の説明において、上述した第1の実施の形態と同じ構成部分については説明を省略または簡略化し、共通する部分については同一の符号を付すものとする。
【0066】
第2の実施の形態は、駆動源の駆動力によって回転する回転部材の回転を利用して、ラック部材9によるパネル部2の下端の前方向へのスライド移動を行わせる直線区間と、ラック部材9の動作が終了した状態からパネル部2を傾倒させる円弧区間とをずらして設定している点において、上述した第1の実施の形態と共通する。しかし、第2の実施の形態は、動作区間の切り替え手段として、遊星歯車60を利用する点で、上述した第1の実施の形態と異なる。
【0067】
パネル部2の上端近傍で後端近傍(図5における上方かつ右方)には、ピン4が設けられている。ピン4は、対向する筐体1の側面に形成されたガイド溝33内に摺動移動可能にはまり込んでいる。
【0068】
ガイド溝33は、直線的に形成され、かつ下端部分が開放されている。この下端部分の開放された位置の下部には、リンク部材22およびロックプレート23のピン受け部22a,23aがそれぞれ臨んでいる。ピン4は、ガイド溝33内を下降した後、ガイド溝33から落下して離れ、ピン受け部22a,23a内にはまり込む。これにより、ガイド溝33とピン受け部22a,23aとの、ピン4の受け渡しが行われる。
【0069】
リンク部材22は、上述のピン受け部22aと、遊星歯車60のカムピン61が挿入されるカム窓22bと、支点部となるスリット22cと、ロックプレート23のロックピン23dをスライド移動させるためのスライド横穴22dと、スライドピン22eと、を有している。
【0070】
リンク部材22は、遊星歯車機構60のカムピン61が立設された円盤62が駆動源の駆動力を受けて回転すると、カムピン61から力を受けて、スリット22cに入り込んだ軸22fを回動中心として、ロックプレート23と共に回動しようとする。このとき、ロックプレート23によって回動にロックが掛けられた状態であれば、リンク部材22は回転せず、遊星歯車機構60の回転力は、受け歯車27およびアイドラー8を介してラック部材9へ伝達され、ラック部材9が前方へスライド移動する。
【0071】
一方、カムピン61からリンク部材22が力を受けた際、ロックプレート23によるロックが外れている状態であれば、リンク部材22は、ロックプレート23と共に回動する。このとき、ロックプレート23に設けられたロックピン23dおよびリンク部材22に設けられたスライドピン22eは、それぞれガイド溝26a,26b内をスライド移動する。
【0072】
リンク部材22の一側面には、ロックプレート23が前後方向(図5における左右方向)にスライド移動可能に保持されている。ロックプレート23は、遊星歯車機構60からリンク部材22が回転力を受けて回動しようとする動作に、所定区間ロックを掛け、リンク部材22を回動させないようにするためのものである。
【0073】
このロックプレート23は、ピン受け部23aと、ロックピン23dを有している。ロックプレート23は、図示しない付勢部材により後方(図5における矢印X2方向)へ付勢されている。
【0074】
ピン受け部23aの底部は、図5の状態において、リンク部材22のピン受け部22aの底部よりやや上方へ配置されている。ロックピン23dは、リンク部材22のスライド横穴22d内をスライド移動可能であると共に、上端部が約90度折り曲げられたガイド溝26内をスライド移動可能である。
【0075】
パネル部2が下降してくると、パネル部2のピン4が、まずリンク部材22のピン受け部22aの斜面部に沿って下降し、ロックプレート23のピン受け部23aに接触する。さらに、ピン4が下降すると、ピン4がロックプレート23を上記付勢力に抗して押し下げる。これにより、ロックプレート23は、前方(図5における左方向)へ移動する。これにより、ロックプレート23のロックピン23dが、リンク部材22のスライド横穴22d内を前方へスライド移動する。
【0076】
これにより、ガイド溝26aの上端部分において、ロックピン23dが左方向へ移動し、ロックピン23dは、ガイド溝26aを直線的に下降可能となる。これにより、リンク部材22のロックが外れ、リンク部材22は、遊星歯車機構60の回転力を受けてスリット22cを回動支点として回動する。
【0077】
図5および図6に示すように、遊星歯車機構60は、駆動源の駆動力を入力する入力歯車63と、太陽歯車64と、遊星歯車65と、基板歯車66と、一側面にカムピン61が立設された円盤62とを有している。
【0078】
太陽歯車64は、入力歯車63と同軸上に配置された歯車で、入力歯車63と一体的に回転する。入力歯車63と太陽歯車64との間には、入力歯車63および太陽歯車64が圧入固定された軸68にゆるくはめ込まれた基板歯車66が配置されている。
【0079】
基板歯車66の面上には、軸が立設され、この軸に遊星歯車65が回転自在に支持されている。遊星歯車65は、太陽歯車64に係合しており、太陽歯車64から回転力を受ける。また、遊星歯車65は、基板歯車66が回転することにより、太陽歯車64の周囲を回転移動する。また、遊星歯車65は、最上段に配置された円盤62の内歯と係合している。
【0080】
円盤62の上面には、リンク部材22のカム窓22b内に挿入されるカムピン61が立設されている。円盤62が回転すると、カムピン61が周方向に移動し、これによってリンク部材22がカム窓22bの内面から円盤62の回転力を受けて回動する。
【0081】
上述のように構成された車載用音響装置のパネル部動作機構の第2の実施の形態における動作を、図5および図6を用いて説明する。
【0082】
以下、筐体1の前面に略垂直に配置されたパネル部2の下端側を前方へスライド移動させると共に、上端側を下方へスライド移動させて、パネル部2を傾倒させる動作について説明する。
【0083】
まず、駆動源を起動し、駆動源の駆動力により、入力歯車63と太陽歯車64が回転すると、この太陽歯車64の回転力が遊星歯車65に伝達される。遊星歯車65は、太陽歯車64の周囲を公転し、かつ自転しようとする。
【0084】
すなわち、太陽歯車64の回転により、遊星歯車65を介して内歯で係合している円盤62を回転させようとする力、および遊星歯車64を回転支持している基板歯車66を回転させようとする力の両方が発生する。このとき、円盤62を回転させようとする力がリンク部材22に伝達されるが、リンク部材22がロックプレート23によってロックされている。そのため、遊星歯車64は、自転しながら公転し、基板歯車66が回転する。
【0085】
基板歯車66の回転は、受け歯車27およびアイドラー8を介してラック部材9に伝達され、ラック部材9が図5中の矢印X1方向へスライド移動する。このため、パネル部2は、下端側が前方へスライド移動し、かつ上端側が下方へスライド移動することによって傾倒する。このとき、パネル部2のピン4は、ガイド溝33内を下降する。
【0086】
パネル部2が所定角度まで傾倒すると、ピン4がガイド溝33から落下する。そして、ピン4は、ロックプレート23のピン受け部23aに入り込み、ロックプレート23のピン受け部23a側を下方に押し下げる。すると、ロックプレート23は、付勢部材の付勢力に抗して前方へスライド移動する。この動作により、ロックプレート23のロックピン23dが、リンク部材22のスライド横穴22d内を前方へ移動し、リンク部材22のロックが解除される。
【0087】
この状態となると、負荷のバランス上の関係から、遊星歯車機構60の駆動力はリンク部材22を回動させるように働く。すなわち、ラック部材9を前方へスライドさせるための負荷(トルク)と、リンク部材22を回動させるための負荷(トルク)との力の大小関係から、太陽歯車64を支持する基板歯車66の回転は停止し、ラック部材9の前方へのスライド移動が停止し、リンク部材22が回動し始める。
【0088】
これにより、パネル部2は、ラック部材9の前端に設けられた支点部17を支点として、上端側が下方へ円弧状に回動する。パネル部2がフラットな状態まで傾倒されると、位置検出センサが入力歯車63の回転位置を検出し、この検出結果に基づいて駆動源への電源供給を断つ。これによって、駆動源が停止し、パネル部2の傾倒動作が終了する。
【0089】
このようにパネル部2が傾倒されると、筐体1の前面部であってパネル部2の上方の部分は、その表面を晒すこととなる。この部位には、MD/CDの挿入口が設けられている。
【0090】
なお、この第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様、駆動源を反対方向に駆動すると、傾倒されフラットになっているパネル部2が逆方向に回動し、図5に示された状態へと戻っていく。
【0091】
なお、上述の各実施の形態は、それぞれ本発明の好適な実施の形態の各例であるが、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。たとえば、上述の第1の実施の形態では、間欠歯車6と間欠受け歯車7との係脱、およびカム溝16内のリンク部材12のカムピン13の摺動移動を利用して直線区間と円弧区間を切り替えている。
【0092】
しかし、第2の実施の形態で示した遊星歯車機構等、他の手段によって、パネル部2の上端を下方へ直線的にスライド移動させ、かつパネル部2の下端を前方へ直線的にスライド移動させることによりパネル部2を回動させる直線区間と、ラック部材9を前方位置にて保持し、この状態においてラック部材9の前端の支点部17を回動支点としてパネル部2を回動させる円弧区間とを切り替えるように構成しても良い。
【0093】
また、上述の各実施の形態では、円弧区間において、パネル部2の上端が筐体1の内部側に食い込むように回動させている。しかし、パネル部2の上端は、筐体1の内部側に食い込まないようにしても良い。また、上述の第1の実施の形態では、カム車と間欠歯車とを一体的に形成したが、カム車と間欠歯車とは別体で構成しても良い。
【0094】
また、上述の各実施の形態では、筐体1の側面にガイド溝3,33を設けたが、ガイド溝3はなくてもよい。また、第1の実施の形態のガイド溝3を、第2の実施の形態のガイド溝33のように、直線区間のみとしても良い。
【0095】
また、上述の第1の実施の形態では、ガイド溝3の直線区間3aと円弧区間3bとの切り替え部分に、斜面部3cを形成し、直線区間と円弧区間の切り替えがスムーズになるように構成したが、斜面部3cはなくても良い。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車載用音響装置のパネル部動作機構によれば、単純な動作にて、パネル部をそれ程前方へ突出させずに回動動作させることにより、パネル部背後に隠されたMD/CD装填口を露出させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の第1の実施の形態を示す図で、パネル部が筐体前面に沿って垂直に配置された状態から下端を少し前方へスライド移動させ、上端を少し下方へスライド移動させた状態を示した図である。
【図2】本発明に係る車載用音響機器のパネル部動作機構の第1の実施の形態におけるガイド溝を示すための模式図である。
【図3】本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の第1の実施の形態を示す図で、直線区間と円弧区間とが切り替わる状態を示した図である。
【図4】本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の第1の実施の形態を示す図で、パネル部がフラットな状態まで動作された状態を示した図である。
【図5】本発明に係る車載用音響装置のパネル部動作機構の第2の実施の形態を示す透視平面図である。
【図6】図5の車載用音響装置のパネル部動作機構における遊星歯車機構を側面から見た側面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 パネル部
3 ガイド溝
3a 直線区間
3b 円弧区間
3c 斜面部
4 ピン
6 間欠歯車(カム車を兼用する)
7 間欠受け歯車
9 ラック部材
12 リンク部材
13 カムピン
16 カム溝
17 支点部
60 遊星歯車機構(回転部材)
F 前面

Claims (7)

  1. 筐体前面に沿って略垂直に配置された可倒式のパネル部を有する車載用音響装置のパネル部動作機構において、
    上記パネル部の下端が回動自在に取り付けられた支点部を有し、駆動源の駆動力を受けて前後方向にスライド動作するラック部材と、
    上記駆動源の駆動力を間欠的に上記ラック部材に伝達する間欠歯車と、
    上記駆動源の駆動力を受けて回転する、一側面にカム溝が設けられたカム車と、
    上記パネル部と上記カム車とを連結すると共に、上記カム溝内を移動可能なカムピンを備え、上記カム車の回転に伴って上記カム溝内を上記カムピンが移動することにより回動するリンク部材と、
    を備え、
    上記駆動源の駆動により、上記ラック部材の前方向へのスライド動作と、上記パネル部の上端の下方向へのスライド動作とが行われた後、上記ラック部材のスライド動作が停止して、上記パネル部の上端が上記支点部を支点として傾倒することを特徴とする車載用音響装置のパネル部動作機構。
  2. 前記間欠歯車は、その一部のみに歯を有する歯車であり、前記間欠歯車の上記歯と前記ラック部材もしくは前記ラック部材に連結する歯車との噛み合いが行われている状態で、前記パネル部の下端が前方向にスライド移動し、上記噛み合いが行われなくなった状態で、前記パネル部の下端の前方向へのスライド移動が停止し、前記パネル部が前記支点部を支点として傾倒することを特徴とする請求項1記載の車載用音響装置のパネル部動作機構。
  3. 前記間欠歯車の一側面に、前記カム溝を形成することにより、前記間欠歯車と前記カム車とを一体的に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の車載用音響装置のパネル部動作機構。
  4. 前記パネル部の側面にピンを立設すると共に、前記筐体の側面に上記ピンが摺動移動可能なガイド溝を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の車載用音響装置のパネル部動作機構。
  5. 前記ガイド溝は、垂直に上下方向に延出され、前記ピンを摺動移動させる直線区間と、直線区間の下端から筐体内部方向に湾曲する円弧形状に形成され、前記ピンを摺動移動させる円弧区間とを備えていることを特徴とする請求項4記載の車載用音響装置のパネル部動作機構。
  6. 前記ガイド溝は、前記直線区間と前記円弧区間との境界に、前記ピンがその境界を通過する際に、当該通過をスムーズに行わせるための斜面部を有することを特徴とする請求項5記載の車載用音響装置のパネル部動作機構。
  7. 筐体前面に沿って略垂直に配置された可倒式のパネル部を有する車載用音響装置のパネル部動作機構において、
    上記パネル部の下端が回動自在に取り付けられた支点部を有し、駆動源の駆動力を受けて前後方向にスライド動作するラック部材と、
    上記駆動源の駆動力によって回転し、上記支点部を支点として上記パネル部を回動させるリンク部材と、
    上記駆動源の駆動力を上記ラック部材へ伝達可能な第1の所定区間と、上記駆動源の駆動力を上記リンク部材へ伝達可能な第2の所定区間とを回転円周上に持つ回転部材と、
    を備え、
    上記駆動源の駆動により、上記ラック部材の前方向へのスライド動作と、上記パネル部の上端の下方向へのスライド動作とが行われた後、上記ラック部材のスライド動作が停止して、上記パネル部の上端が上記支点部を支点として傾倒することを特徴とする車載用音響装置のパネル部動作機構。
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