JP3193690U - 車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置 - Google Patents

車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3193690U
JP3193690U JP2014004137U JP2014004137U JP3193690U JP 3193690 U JP3193690 U JP 3193690U JP 2014004137 U JP2014004137 U JP 2014004137U JP 2014004137 U JP2014004137 U JP 2014004137U JP 3193690 U JP3193690 U JP 3193690U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide member
front panel
engagement
guide
slide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014004137U
Other languages
English (en)
Inventor
俊幸 曽根
俊幸 曽根
和志 高橋
和志 高橋
Original Assignee
チューナー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by チューナー株式会社 filed Critical チューナー株式会社
Priority to JP2014004137U priority Critical patent/JP3193690U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3193690U publication Critical patent/JP3193690U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構造で、車載用電子機器のフロントパネルの前面を上側のみならず下側もスムーズに向くように傾動できる傾動機構を提供する。【解決手段】傾動機構装置1は、車載用の電子機器の機器本体に、機器本体に対して前後方向にスライド自在に連結されるスライド部材3と、機器本体の前方に配置される、フロントパネルが固定されるフロンパネル固定枠4と、前後方向に延びるアーム部材5と、アーム部材の傾動をガイドするガイド手段6と、スライド部材を前後方向にスライドさせるスライド駆動部7とよりなり、フロントパネル固定枠が、機器本体に対して、左右方向に延びる軸周りに傾動できるように、フロントパネル固定枠の下部が、スライド部材3の前部に、傾動自在に連結され、上部が、上記アーム部材5の前部に、傾動自在に連結され、アーム部材の中間部が、機器本体に、傾動自在に連結される。【選択図】図1

Description

本考案は、車両に搭載される電子機器のフロントパネルの傾動機構装置に関するものである。
車両に搭載されるカーナビゲーションなどの映像機器や音響機器などの電子機器には、CDやDVDなどの挿入口を前面に設けた電子機器の機器本体と、この機器本体の前方に、この機器本体の前面を覆うように配置した、表示部や操作部をその前面に設けたフロントパネルとからなるものがある。
このような電子機器においては、フロントパネル傾動機構により、上記フロントパネルを上記機器本体の前面に対して傾動させて、上記フロントパネルを、上記電子機器の挿入口を覆う起立状態から、上記挿入口を露出させる伏倒状態まで傾動できるようにしている。
また、一般に、運転者の目線は、フロントパネルより高い位置にあることから、運転者が見やすいように、上記フロントパネルの下端を上端よりも前方に突出させ、上記フロントパネルの前面を上側に向く方向に傾斜するように傾動させる傾動機構が用いられているが、近年の車両の室内のデザインの多様性から、フロントパネルの前面が下側に向く方向に傾斜した方が見やすい場合もあることから、上記フロントパネルの前面を上側のみならず下側も向くように逆側にも傾動させる傾動機構も用いられている。
このよう傾動機構としては、例えば、特許文献1がある。
特開2006−335260号公報
しかしながら、上記のようにフロントパネルが逆側にも傾動する傾動機構は機構が複雑で、フロントパネルがスムーズに傾動せず、また、部品点数も多く、そのため値段が高いという欠点があった。
また、上記機器本体の前面をより露出しようとするために、上記フロントパネルをかなり傾斜させる場合、上記傾動機構の各連結部のバックラッシュや動かしやすくするための遊び、製造誤差などの隙間の存在により、上記フロントパネルが落ち込んで、水平に近い位置まで伏倒してしまい、死点位置近い位置で止まってしまうことにより、上記フロントパネルが起立状態に復帰しづらくなりスムーズに動かない場合があった。
また、上記フロントパネルがガタついてしまう欠点があった。
本考案は、上記の欠点をなくすようにしたものである。
本考案の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置は、車載用の電子機器の機器本体に、この機器本体に対して前後方向にスライド自在に連結されるスライド部材と、上記機器本体の前方に配置される、フロントパネルが固定されるフロンパネル固定枠と、前後方向に延びるアーム部材と、上記アーム部材の傾動をガイドするガイド手段と、上記スライド部材を前後方向にスライドさせるスライド駆動部とよりなり、上記フロントパネル固定枠が、上記機器本体に対して、左右方向に延びる軸周りに傾動できるように、上記フロントパネル固定枠の下部が、上記スライド部材の前部に、傾動自在に連結され、上記フロントパネル固定枠の上部が、上記アーム部材の前部に、傾動自在に連結され、上記アーム部材の中間部が、上記機器本体に、傾動自在に連結されることを特徴とする。
また、上記ガイド手段は、上記アーム部材の後部に設けたガイドピンと、上記スライド部材に固定した、上記ガイドピンが係合するガイド長孔を有するガイド板とよりなり、上記スライド部材と共に上記ガイド板が前後方向にスライドすることにより、上記アーム部材のガイドピンが上記ガイド長孔にガイドされて、上記アーム部材が傾動されることを特徴とする。
また、上記ガイド長孔は、上記各連結部及びスライド機構部において隙間なく連結されたと想定した場合の上記スライド部材のスライドに伴って上記アーム部材が傾動する時に、上記アーム部材の後部が、上記スライド部材と共に前後に移動する上記ガイド板に対して描く軌跡に合致する形状であることを特徴とする。
また、上記ガイドピンは、上記アーム部材に対して回動自在なテーパーローラであって、このテーパーローラを上記ガイド長孔に対して押圧する手段を有することを特徴とする。
また、上記ガイド長孔は、所望の長さに形成され、上記アーム部材の傾動を所望の範囲内に規制することを特徴とする。
また、スライド部材停止機構部を更に有し、このスライド部材停止機構部は、上記機器本体に設けた第1の係合部と、上記スライド部材に設けた、上記第1の係合部に係合する第2の係合部と、上記スライド駆動部により上記スライド部材がスライドして、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時に、上記第1の係合部と第2の係合部とが係合して、上記スライド部材を停止させる停止手段と、上記停止手段により停止した後は、上記スライド駆動部により上記スライド部材がスライドして、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時でも、上記第1の係合部と第2の係合部とが係合せず、上記スライド部材を更にスライド可能とする停止部迂回手段とよりなることを特徴とする。
また、上記停止手段は、上記スライド駆動部により上記スライド部材が前後いずれか一方側にスライドし、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時に、上記第1の係合部及び第2の係合部のいずれか一方の係合部を当接させて、上記スライド部材のスライドを停止させる、上記第1の係合部及び第2の係合部のいずれか他方の係合部に設けたスライド部材停止部と、上記第1の係合部を上記スライド部材停止部に案内する第1の案内手段とよりなり、上記停止部迂回手段は、上記停止したスライド部材を、上記スライド駆動部により、前後いずれか他方側に所望の距離だけスライドさせて、上記一方の係合部と上記スライド部材停止部との当接を解除し、次に、上記スライド部材を一方側にスライドさせて、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時でも、上記一方の係合部が上記スライド部材停止部に当接しないように上記スライド部材停止部を迂回させて、上記スライド部材を一方側に更にスライド可能とするように、上記一方の係合部を案内する第2の案内手段とよりなることを特徴とする。
また、上記一方の係合部は、上記第機器本体又はスライド部材に、左右方向に延びる軸回りに傾動自在に枢支されると共に、付勢手段により一方の傾動方向に付勢される係合片であり、上記他方の係合部は、上記第機器本体又はスライド部材に設けた係合ピンであり、上記係合片は、上記係合ピンにより、上記付勢手段に抗して他方の傾動方向に押圧される、前後方向に延びる傾斜辺部と、上記傾斜辺部の後端部に連ねて設けた、他方の傾動方向に延びる、上記係合ピンが移動自在な第1の案内溝と、上記第1の案内溝の先端部に連ねて設けた、前後いずれか他方側に延びる、上記係合ピンが移動自在な第2の案内溝と、上記第2の案内溝の先端部に連ねて設けられた、他方の傾動方向に延びる、上記係合ピンが移動自在な第3の案内溝と、上記第3の案内溝の先端部の前後いずれか一方の壁に形成した、上記第3の案内溝から上記係合ピンの係合を解除できる係合解除部とよりなり、上記スライド部材停止部は、上記第1の案内溝の前後いずれか一方の側壁より形成され、上記第1の案内手段は、上記傾斜辺部と、上記第1の案内溝とより形成され、上記第2の案内手段は、上記第2の案内溝と、上記第3の案内溝と、係合解除部とより形成され、上記スライド駆動部により、上記スライド部材が前後いずれか一方側の方向にスライドする時は、上記係合ピンが上記傾斜辺部を押圧しながら一方側の方向にスライドし、そして、上記第1の案内溝に案内され、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時に、上記係合ピンは、上記第1の案内溝の一方の側壁に当接して、上記スライド部材のスライドを停止し、また、上記係合ピンの傾斜辺部の押圧の解除により、付勢された上記係合片が傾動し、上記係合ピンは、上記第1の案内溝の先端壁に当接するまで、相対的に移動して停止し、次に、上記スライド駆動部により、上記スライド部材を前後いずれか他方の方向に移動させることにより、上記係合ピンは、上記第2の案内溝に沿って、上記第3の案内溝まで移動させ、上記係合ピンが上記スライド部材停止部との当接が解除されると共に、上記係合ピンの上記第2の案内溝の押圧が解除されて、付勢された上記係合片が傾動することにより、上記係合ピンは、上記第3の案内溝の先端壁に当接するまで、相対的に移動して停止し、次に、上記スライド部材を前後いずれか一方側にスライドさせることにより、上記係合ピンは、上記係合解除部により、上記係合片との係合が解除され、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時でも、上記一方の係合部が上記スライド部材停止部に当接しないように、上記スライド部材停止部を迂回させて、上記スライド部材を更に一方側にスライド可能となることを特徴とする。
本考案によれば、簡単な構造で、上記フロントパネルの前面を上側のみならず下側もスムーズに向くように傾動できる傾動機構を提供することができる。
また、上記ガイド長孔が、上記アーム部材が理想的に傾動するような形状に形成されているので、上記フロントパネル固定部がスムーズに傾動すると共に、スライド部材に対する上記フロントパネルのガタツキを防ぐことができるようになる。
また、上記記アーム部材のガイド長孔が所望の長さに形成されているので、上記フロントパネルをかなり傾斜させても、それ以上、傾斜しなくなり、フロントパネルの落ち込み等を防止することができるようになる。
また、スライド部材停止機構部を別途設けることにより、機械的に、上記フロントパネルを垂直状態で固定できるようにしたので、上記フロントパネルに、手で押してしまうなど、力が加わっても、その垂直状態を維持できるようになる。
本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が垂直の状態を示す斜視図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が垂直の状態を示す平面図である。 図2のA−A線断面図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のガイドピンの拡大断面図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が傾斜した状態を示す斜視図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が傾斜した状態を示す平面図である。 図5のB−B線断面図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が伏倒した状態を示す斜視図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が伏倒した状態を示す平面図である。 図9のC−C線断面図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が逆傾斜した状態を示す斜視図である。 本考案のフロントパネルの傾動機構装置のフロントパネル固定枠が逆傾斜した状態を示す平面図である。 図12のD−D線断面図である。 本考案の第2の実施例のスライド部材停止機構部の説明用斜視図である。 該スライド部材停止機構部の説明用側面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用平面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用背面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用斜視図である。 該スライド部材停止機構部の説明用側面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用平面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用側面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用平面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用側面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用側面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用平面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用側面図である。 該スライド部材停止機構部の説明用平面図である。
以下図面によって本考案の実施例を説明する。
(1.1)傾動機構装置の全体説明
本考案の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置1は、車載用の電子機器の機器本体の筐体(図示せず)内に設けられ、上記筐体から前方に突出した上記傾動機構装置1の前部がフロントパネル(図示せず)に固定される。
この傾動機構装置1は、図1〜図3に示すように、上記機器本体の筐体内の底部に固定される矩形板状の底板部2と、上記筐体内の下部に配置された、上記底板部2に対して前後方向(図においてX方向)にスライド自在なスライド部材3と、上記機器本体の筐体の前方に配置される、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)で傾動自在な、上記フロントパネルを固定するフロントパネル固定枠4と、上記スライド部材3よりも上方で、上記筐体内の左右に配置した、前後方向に弧状に延びる板状のアーム部材5、5と、上記各アーム部材5の傾動をガイドするガイド手段6と、上記スライド部材3を前後方向にスライドさせるための、上記底板部2上に固定したスライド駆動部7とよりなる。
そして、上記スライド部材3の前部と、上記フロントパネル固定枠4との下部とが、第1枢支部8において、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)に傾動自在に連結される。また、上記アーム部材5の中間部と上記底板部2とが、第2枢支部9において、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)に傾動自在に連結される。また、上記アーム部材5の前部と上記フロントパネル固定枠4の上部(なお、この上部とは、上記第1枢支部8よりも上の部分を意味する)とが、第3枢支部10において、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)に傾動自在に連結される。
また、上記ガイド手段6は、上記アーム部材5の後部に固定したガイドピン11と、上記スライド部材3に固定した、上記ガイドピン11が係合するガイド長孔12aを有するガイド板12とよりなり、上記スライド部材3と共に上記ガイド板12が前後方向にスライドすることにより、上記アーム部材5のガイドピン11が上記ガイド長孔12aにガイドされて、上記アーム部材5が上記第2枢支部9を中心に、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)に傾動するようになる。
以下、具体的に説明する。
(1.2)底板部の説明
上記矩形板状の底板部2は、左右の側部に、それぞれ垂直に立ち上がると共に前後方向(図においてX方向)に延びる短冊状の第1立ち上がり板部2a、2aを有する。また、上記左右の各第1立ち上がり板部2a、2aの内側面には、それぞれ、上記スライド部材3の後述するガイド長孔14に挿入されるガイドピン13、13が前後方向に離間して所望の同じ高さで2つ突設される。
また、上記底板部2の上記第1立ち上がり板部2aの前部上縁に上方に延びる突出板部2bを設け、この突出板部2bに、上記アーム部材5に設けた後述する枢支ピン15が回転自在に挿入される孔2cを設ける。
なお、上記枢支ピン15と上記孔2cにより上記第2枢支部9が構成される。
(1.3)スライド部材の説明
上記スライド部材3は、上記左右の第1立ち上がり板部2a、2a間の上記底板部2上に左右に離間して平行に配置した前後方向に延びる短冊状の腕部3a、3aと、この2つの腕部3a、3aの前部を連結する連結部3bとからなり、上記スライド部材3は、コ次状の板状に形成される。
また、上記スライド部材3の上記各左右の腕部3a、3aの外側部分をそれぞれ、垂直に立ち上がらせると共に前後方向(図においてX方向)に延びる短冊状の第2立ち上がり板部3c、3cを形成し、この各第2立ち上がり板部3cに前後方向に水平に延びるガイド長孔14を形成する。
そして、上記各第1立ち上がり部2aの前後のガイドピン13、13がそれぞれ上記スライド部材3のガイド長孔14に挿入されることにより、上記スライド部材3が、上記底板部2に対して前後方向(図においてX方向)にスライド自在に連結される。
また、上記ガイド長孔14の前後縁部14a、14bにより上記前後のガイドピン13、13の移動が規制され、上記スライド部材3の前後方向の移動量が規制されるようになる。
また、上記スライド部材3の第2立ち上がり部材3cの前部に、上記フロントパネル固体枠の下部に設けた、後述する枢支ピン16が回動自在に挿入される孔3dを設ける。
なお、上記枢支ピン16と上記孔3dにより上記第1枢支部8が構成される。
(1.4)アーム部材の説明
前後方向に凹状に弧状に延びる板状のアーム部材5は、中間部の外側面に、上記第1立ち上がり部材2aの突出板部2bの孔2cに回動自在に挿入される枢支ピン15を突設する。そして、上記孔2cと上記枢支ピン15とにより第2枢支部9が構成され、上記アーム部材5が上記立ち上がり板部2aに対して、上記第2枢支部9回り(図においてY軸回り)で傾動自在に連結されるようになる。
また、上記アーム部材5の前部に、上記フロントパネル固定枠4に設けた後述する枢支ピン17が回動自在に挿入される孔5aを設ける。
なお、上記枢支ピン17と上記孔5aにより上記第3枢支部10が構成される。
また、上記アーム部材5の後部の内側面に、上記ガイド板12のガイド長孔12aに係合するガイドピン11を設ける。
(1.5)フロントパネル固定枠の説明
上記フロントパネル固定枠4は、上記機器本体の前面を覆う矩形状の板本体4aと、この板本体4aの左右縁部にそれぞれ直角方向に設けた側板部4b、4bと、上記板本体4aの下縁に直角方向に設けた底板部4cとよりなり、上記板本体4aと側板部4b、4bと底板部4cとにより、上方及び正面が開放した箱状に形成され、このフロントパネル固定枠4にフロントパネルが固定される。
また、上記フロントパネル固体枠4の上記各側板部4bの下部の外側面には、上記スライド部材3の第2立ち上がり部材3cの前部に形成した孔3dに回動自在に挿入される枢支ピン16が突設される。そして、上記孔3dと上記枢支ピン16とにより第1枢支部8が構成され、上記フロントパネル固定枠4との下部が、上記スライド部材3に対して、第1枢支部8回り(図においてY軸回り)で傾動自在に連結されるようになる。
また、上記フロントパネル固定枠4の上記各側板部4bの上部の外側面には、上記アーム部材5の前部に形成した孔5aに回動自在に挿入される枢支ピン17が突設される。そして、上記孔5aと上記枢支ピン17とにより、上記第3枢支部10が構成され、上記フロントパネル固体枠体4の上部が、上記アーム部材5に対して、第3枢支部10回り(図においてY軸回り)で傾動自在に連結されるようになる。
なお、上記フロントパネル固定枠4には、上記フロントパネルの筐体も含まれ、上記フロントパネルの筐体の側板部の下部に直接上記スライド部材3が連結され、また、上記フロントパネルの筐体の側板部の上部に直接上記アーム部材が連結される場合も含まれる。
(1.6)ガイド板の説明
上記スライド部材3の左右の腕部3a、3a上の、上記第2立ち上がり板部3cの内側に、それぞれ垂直に立ち上がらせると共に前後方向(図においてX方向)に延びる台形状のガイド板12を固定する。また、このガイド板12に、上記ガイドピン11が移動自在に挿入される、後方に向かうに従って徐々に上方に向かう前後方向に弧状に延びるガイド長孔12aを設ける。
そして、上記スライド部材3と共に上記ガイド板12が前後方向にスライドすることにより、上記アーム部材5のガイドピン11が上記ガイド長孔12aにガイドされて、上記アーム部材5が上記第2枢支部9を中心に、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)に傾動するようになる。
これにより、上記フロントパネル固定枠4が、上記アーム部材5及びスライド部材3の2つにより傾動させられるので、上記フロントパネルが水平に近い位置まで伏倒し、死点位置近い位置で止めたとしても、フロントパネルを容易に起立状態に復帰させて、スムーズに傾動させることができるようになる。
なお、上記ガイド長孔12の形状は、上記各連結部及びスライド機構部が隙間なく連結されたと想定される、理想的な傾動機構装置を用いた場合において、このスライド部材のスライドに伴ってアーム部材を傾動させた時に、アーム部材の後部が、上記スライド部材と共に前後に移動するガイド板に対して描く軌跡に合致する形状に形成される。
また、上記ガイド長孔12aは、所望の長さに形成され、上記ガイドピン11が上記ガイド長孔12aの前後の縁部12b、12cに当接することにより、上記アーム部材5の傾動が所望の範囲内に規制される。
これにより、上記フロントパネル固定枠4を傾動させた時、上記アーム部材5のガイドピン11が上記ガイド長孔12の縁部12cに当接したところで、上記フロントパネル固定枠4の傾動が阻止されるが、上記各連結部及びスライド機構部などの隙間の存在により、上記スライド部材3が、上記底板部2に対して前方にスライドする余地がある。しかしながら、もはや上記アーム部材5は傾動できないので、上記スライド部材3は前方にスライドすることができず、従って、上記フロントパネル固定枠4が下方に落ち込んで、起立状態に復帰しずらくなる伏倒状態となることを防ぐことができる。
(1.7)ガイドピンの説明
上記ガイドピン11は、図4に示すように、上記アーム部材5に固定された突出ピン部11aと、この突出ピン11aに設けた鍔部11bと、この突出ビン部11aの先端部に回動自在に設けたテーパーローラ11cと、上記鍔部11bと上記テーパーローラ11cとの間に圧縮した状態で介挿した板バネなどの付勢手段11dと、上記テーパーローラ11cの基部に設けた鍔部11eとよりなり、該テーパーローラ11cは、外方に向かって、径が小さくなるように形成されている。これにより、上記テーパーローラ11cは、上記付勢手段11dにより、常に上記ガイド長孔12側に押しつけられ、上記ガイド長孔12に製造誤差などによる幅の違いがあっても、上記ガイド長孔12に常時がたつきなく係合されているようになる。
これにより、上記アーム部材5の後部が理想的な軌跡で傾動するようになり、上記フロントパネル固定枠4がスムーズに傾動すると共に、スライド部材に対する上記フロントパネルのガタツキを防ぐことができるようになる。
(1.8)スライド機構部7の説明
上記スライド駆動部7は、上記底板部2上に固定されたモータ18と、上記スライド部材3の一方の腕部3aの内側辺に沿って前後に形成したラック部19と、入力側で上記モータ14の回転軸に固定したギア(図示せず)に噛み合い、出力側で上記ラック部19に噛み合うギア機構部20とよりなり、上記モータ18を正逆回転させることにより、上記ギア機構部20を介して、上記一方の腕部3aが、上記底板部2に対して前後方向に移動でき、これにより上記スライド部材3が上記底板部2に対して前後方向に移動するようなる。
(2.1)次に、本考案の傾動機構の動作説明を行う。
(2.2)垂直状態の説明
図1〜図3は、フロントパネル固定枠4が垂直となる状態を示す(なお、フロントパネル固定枠に固定されるフロントパネルも同様に垂直となる)。
なお、この垂直状態においては、上記第1立ち上がり部2aの前方側のガイドピン13は、上記第2立ち上がり部3cの長孔14の前方側の縁部14aから所望の距離離間して位置し、上記スライド部材3が所望の距離だけ後方に移動できる。また、上記第1立ち上がり部2aの後方側の枢支ピン13は、上記第2立ち上がり部3cの長孔の後方側の縁部14bから所望の距離離間し、上記スライド部材3が所望の距離だけ前方に移動できる。
(2.3)前方傾斜の説明
上記フロントパネル固定枠4が垂直状態から、電子機器の機器本体の挿入口を露出させるためには、例えば、操作パネル(図示せず)などを操作して、上記スライド機構部7のモータ18を正回転させ、上記ギア機構部20、ラック部19を介して、上記スライド部材3を、上記底板部2に対して前方に移動させるようにする。
そして、上記スライド部材3が前方に移動することにより、上記フロントパネル固定枠4の下部が前方に突出するが、上記フロントパネル固定枠4の上部は、上記底板部2の第1立ち上がり板部2aの第2枢支部9を中心としてしか傾動しない上記アーム部材5により、前方への突出が阻止され、図5〜図7に示すように、上記フロントパネル固定枠4が上側を向く方向で傾斜(前方傾斜)するようになる。
そして、上記スライド部材3が更に前方に移動し、上記第1立ち上がり部2aの後方のガイドピン13が、スライド部材3の上記第2立ち上がり部3cのガイド長孔14の後方部の縁部14bに当接することにより、上記スライド部材3の前方への移動が阻止されて、図8〜図10に示すように、上記フロントパネル固体枠4が、水平に近い位置まで伏倒したところで停止し、これにより、上記機器本体の前面が露出するようになる。
なお、同時に、上記ガイドピン11が上記ガイド長孔12aの縁部12cに当接し、上述したように、上記アーム部材5は傾動できないので、上記スライド部材3の前方への移動の余地があっても、上記スライド部材3の前方へのスライドが阻止され、上記フロントパネル固定枠4が下方に落ち込んで、起立状態に復帰しずらくなる伏倒状態となることを防ぐことができる。
また、上記アーム部材5が上記スライド部材3に対して理想的に傾動するようになり、上記フロントパネル固定枠4がスムーズに傾動すると共に、スライド部材3に対する上記フロントパネル固定枠4のガタツキを防ぐことができるようになる。
なお、上記フロントパネル固定枠4の傾斜角度を角位置センサー等で検知し、上記後方のガイドピン13が上記ガイド長孔14の縁部に当接する前に、上記フロントパネル固定枠4が所望の伏倒状態となった時に、制御手段(図示せず)により、上記モータの回転を止めるようにしてもよい。
また、上記センサー及び制御手段等により、フロントパネル固定枠4を任意の傾斜角度で、止めるようにしてもよい。
(2.4)傾斜からの復帰の説明
次に、上記フロントパネル固体枠4が水平に近い位置まで傾斜した状態から、図1〜図3に示すように、機器本体の前面を覆うために、フロントパネル固定枠4が垂直状態とするためには、例えば、操作パネルを操作して、上記スライド機構部7のモータを逆回転させて、上記スライド部材3を、上記底板部2に対して後方に移動し、上記フロントパネル固定枠4が垂直状態なった時に、上記制御手段等により、上記モータを停止するようにする。
この際、上記フロントパネル固定枠4が、水平に近い位置まで伏倒して、死点位置近い位置で停止させても、上記フロントパネル固定枠4を、上記スライド部材3及びアーム部材5の2つにより傾動させるので、起立状態への傾動がスムーズになる。
(2.5)後方傾斜の説明
以上の動作が、上記電子機器の機器本体の挿入口を露出する場合又は覆う場合、又は、上記フロントパネルを上側を向いた状態で所望量傾斜させて停止する場合の説明であるが、例えば、フロントパネル固定枠を下側に向いた状態に傾斜(後方傾斜)させる場合には、例えば、図1〜図3に示す、フロントパネル固定枠4が垂直となる状態から、上記スライド機構部7のモータ18を逆回転させ、上記ギア機構部20、ラック部19を介して、上記スライド部材3を、上記底板部2に対して後方に移動させる。そして、上記第1立ち上がり部2aの前側のガイドピン13が、スライド部材3の上記第2立ち上がり部3cのガイド長孔14の前方の縁部14aに当接し、上記スライド部材3の後方への移動が阻止されて、図11〜図13に示すように、上記フロントパネル固体枠4が、下側を向いた状態で傾斜して停止するようになる。
なお、上記前側のガイドピン13が上記ガイド長孔14の縁部14aに当接する前に、制御手段(図示せず)により、上記モータ18の回転を止めるようにして、上記フロントパネル固定枠4の傾動を止めるようにしてもよい。
また、上記フロントパネル固定枠4が下側を向いた状態から、再度、垂直の状態に戻すには、上記モータを正回転させるようにする。
以上より、上記フロントパネル固定枠4を、垂直状態から伏倒状態に、そして、伏倒状態から垂直状態に、また、垂直状態から逆傾斜、そして、逆傾斜から垂直状態に、傾動させる場合において、いずれの場合も、上記アーム部材5のガイドピン11を上記ガイド長孔12aに係合させてガイドさせるので、スムーズかつガタツキのない傾動を達成することができる。
上記第1の実施例の傾動機構装置においては、例えば、角位置センサーなどを用いて、フロントパネル固定枠の垂直状態を検知し、モータを制御して、電気的に、フロントパネル固定枠を垂直状態で固定するが、本考案の第2の実施例においては、上記傾動機構装置に、スライド部材停止機構部を更に設けて、機械的に、フロントパネル固定枠を垂直状態で固定できるようにする。
なお、電気的に、フロントパネル固定枠を垂直状態で固定することなしに、上記スライド部材停止機構部のみで、フロントパネル固定枠を垂直状態に固定できるようにしてもよい。
図14〜図27は、本考案の第2の実施例の上記スライド部材停止機構部21を示し、このスライド部材停止機構部21は、本考案の第1実施例の機器本体に設けた第1の係合部と、上記スライド部材3に設けた、上記第1の係合部に係合する第2の係合部と、上記スライド駆動部7により上記スライド部材3がスライドして、上記フロントパネル固定枠4が垂直となった時に、上記第1の係合部と第2の係合部とが係合して、上記スライド部材3を停止させる停止手段と、上記停止手段により停止した後は、上記スライド駆動部7により上記スライド部材3がスライドして、上記フロントパネル固定枠4が垂直となった時でも、上記第1の係合部と第2の係合部とが係合せず、上記スライド部材3を更にスライド可能とする停止部迂回手段とよりなり、上記停止手段は、後述するように、スライド部材停止部と第1の案内手段とよりなり、上記停止部迂回手段は、第2の案内手段とよりなる。
以下、具体的に説明する。
上記第1の係合部は、例えば、図14〜図18に示すように、本考案の第1実施例の傾動機構装置1の底板部2に設けた第3立ち上がり板部22の枢支ピン22aに、その基部を、左右方向に延びる軸回り(図においてY軸回り)において傾動自在に枢支した、矩形平板状の係合片23よりなる。
上記第2の係合部は、上記スライド部材3(図示せず)の第2立ち上がり板部3c(図16にのみ、点線で表示し、他の図面では図示せず)の後部の外側面に、外方(Y方向)に突出して設けた、上記係合片23に係合する係合ピン24よりなる。
なお、上記第3立ち上がり板部22は、上記底板部2に対して垂直に立ち上がると共に前後方向(図14においてX方向)に延びる短冊状に形成されて、上記底板部2の一方の側部の後部に設けられ、また、上記枢支ピン22aは、上記第3立ち上がり板部22の内側面に外方(Y軸方向)に突出して設けられる。
また、上記係合片23に、この係合片23の遊端側が、上記枢支ピン22a回りで、常時上方に傾動(Y軸周りに上側に傾動)するよう付勢する付勢部材25と、上記係合片23が所望の角度以上傾動しないように規制する傾動規制手段26とを設ける。
また、上記係合片23には、上記係合片23の遊端部を、左右方向(Y軸方向)において傾動自在とする傾動手段27を設ける。
上記付勢手段25は、例えば、上記係合片23と上記第3の立ち上がり板部22との間の上記枢支ピン22aに介挿したコイルバネなどよりなる。
上記傾動規制手段26は、上記係合片23の下部に外方(Y軸方向)に突出して設けた一方の規制片23aと、上記第3の立ち上がり板部22の中間部に内方(Y軸方向)に突出して設けた他方の規制片22bとよりなり、上記係合片23が、上記付勢手段25により、その遊端部が上側に移動する方向に傾動し、上記一方の規制片23aが上記他方の規制片22bに当接したところで、その傾動が阻止されて、上記係合片23がその位置で、固定されるようになる。
上記傾動手段27は、例えば、上記係合片23と上記第3の立ち上がり板部22との間の上記係合ピン22aに圧縮コイルバネを介挿すると共に、上記係合片23を、上記係合ピン22aの平板状の頭部22cと上記第3立ち上がり板部22との間で若干移動自在とすることにより形成され、通常時においては、上記圧縮コイルバネにより、上記係合片23が上記平板状の頭部22c側に押圧されて、上記第3の立ち上がり板部22と平行となるように固定され、上記係合片23の遊端部が外方(Y軸方向)に押圧されることにより、上記圧縮コイルバネの一部が圧縮されて、上記係合片23は、図25に示すように、上記第3の立ち上がり板部22に対して、外方に傾動するようになる。なお、上記傾動手段27は、図27に示すように、上記係合片23が上記第3立ち上がり板部22に対して平行に接近方向に移動することもできる。
なお、本実施例においては、上記付勢手段25と上記傾動手段27とは同じコイルバネを利用しているが、異なる手段を用いて、それぞれ付勢、傾動させるようにしてもよい。
また、上記傾動手段27として、圧縮コイルバネを用いる代わりに、上記係合片23を弾性部材により形成し、弾性変形より、上記係合片23の遊端部が外方に傾動自在となるようにしてもよい。
また、上記係合片23は、後方にスライドする上記係合ピン24が当接し、下側に押圧することにより、上記係合片23を、上記枢支ピン22a回りで、その遊端側を下側に傾動させる、前後方向(X軸方向)に延びる傾斜辺部28と、この傾斜辺部28の後端部に連ねて設けた、上記枢支ピン22a回りの傾動方向に対して下側に延びる、上記係合ピン24が溝に沿って移動自在な第1の案内溝29と、この第1の案内溝29の先端部となる下端29aに連ねて設けた、前方(X軸方向)に延びる、上記係合ピン24が溝に沿って移動自在な第2の案内溝30と、この第2の案内溝30の先端部となる左端30aに連ねて設けた、上記枢支ピン22a回りの傾動方向に対して下側に延びる、上記係合ピン24が溝に沿って移動自在な第3の案内溝31と、この第3の案内溝31の先端部の下端31aの前後方向(X軸方向)の両側壁にそれぞれ形成した、上記第3の案内溝31から上記係合ピン24の係合を解除できる係合解除部32、33とよりなる。
なお、上記傾斜辺部28は、例えば、上記係合片23の上側辺により形成される。
また、上記係合ピン24の外方への突出高さは、上記係合片24に係合できると共に、上記第1〜第3の案内溝29、30、31の各溝底を押圧しない長さに形成されている。
また、上記係合解除部32、33は、各側壁に形成した、上記第3の案内溝31の底部から上記係合片23の内側面まで傾斜する傾斜面からなる。
なお、上記第1〜第3の案内溝29、30、31は、溝以外に長孔により構成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の案内溝29、30、31を長孔により形成した場合には、例えば、上記係合ピン24の突出長さを上記係合片24の厚さよりも、長くしてもよく、また、上記係合解除部32、33として、上記各側壁を傾斜させる他に、各側壁部分を折り曲げて形成した傾斜辺部を設けて、上記係合ピン24の先端部が、後方に移動する際に、上記傾斜辺部に乗り上げやすくするようにしてもよい。
そして、上記第1の溝部29の後方側の側壁29bが上記スライド部材停止部を形成する。また、上記傾斜辺部28と第1の案内溝29とより第1の案内手段を形成する。そして、上記スライド部材停止部と上記第1の案内手段により、上記スライド部材停止機構部21の停止手段が構成されるようになる。
また、上記第2の案内溝30と上記第3の案内溝31と係合解除部32とにより、上記第2の案内手段を形成し、この第2の案内手段により、上記スライド部材停止機構部21の停止部迂回手段が構成されるようになる。
次に、スライド部材停止機構部の動作説明を行う。
(3.1)前方傾斜から垂直状態まで
例えば、図7に示すように、フロントパネル固定枠4が前方に傾斜した状態から、図3に示すように、フロントパネル固定枠4を垂直状態方向に傾動させるために、上記スライド駆動部7を駆動して、上記スライド部材3を後方にスライドさせる。
上記フロントパネル固定枠4が、図7に示すように前方に傾斜した状態では、図15〜図17に示すように、上記係合片23と上記係合ピン24とは係合していない。
上記スライド部材3が後方にスライドしていき、上記フロントパネル固定枠4が垂直状態に近くなると、図19及び図20に示すように、上記スライド部材3の係合ピン24は、上記係合片23の傾斜辺部28を下方に押圧して、上記係合片23を、上記枢支ピン22a回りで、下側に傾動させながら、上記係合片23の傾斜辺部28の後方に移動し、そして、上記第1の案内溝29に案内される。
そして、上記フロントパネル固定枠4が垂直状態となった時に、上記係合ピン24が、上記第1の案内溝29の側壁29bに当接して、上記スライド部材3のスライドが停止されるようになる。
また、この際、図21及び図22に示すように、上記係合ピン24が上記第1の案内溝29に案内されることにより、上記係合ピン24の傾斜辺部28の押圧が解除され、付勢されている上記係合片23の遊端部が、上記枢支ピン22a回りで上側に傾動する。そして、上記係合ピン23は、上記係合片23に対して相対的に、上記第1の案内溝29に沿って、その下端29aに当接するまで移動して、停止する。
以上により、上記フロントパネル固定枠4が垂直状態となった時に、図21及び図22に示す状態で、上記スライド部材3を停止させることができ、上記フロントパネル固体枠4を垂直状態で固定できるようになる。
(3.2)垂直状態から後方傾斜まで
次に、垂直で固定されたフロントパネル固定枠4を、後方傾斜(フロントパネルの前面が下側を向く方向に傾斜)させるためには、図21及び図22に示す状態から、一旦、上記スライド駆動部7により、上記スライド部材3を前方にスライドさせて、上記係合ピン24を、上記係合片23の第2の案内溝30に沿って、その左端30aまで移動させる。
そして、上記係合ピン24が上記左端30aまで移動することにより、図23に示すように、上記係合ピン24の上記第2の案内溝30の下壁30bへの押圧が解除され、付勢されている上記係合片23の遊端部が、上記枢支ピン22a回りで上側に傾動する。そして、上記係合ピン24は、上記係合片23に対して相対的に、上記第3の案内溝31に沿って、その下端31aに当接するまで移動して、停止する。
次に、上記スライド駆動部7により、上記スライド部材3を後方にスライドさせれば、上記係合ピン24の頭部が、後方の上記係合解除部32の傾斜面に乗り上げて、上記係合片23の内面側23bに移動して、上記係合ピン24が上記第3の案内溝31との係合が解除され、図24及び図25に示すように、上記係合ピン24が上記スライド部材停止部に当接せず迂回して、後方に移動可能となり、上記スライド部材3が後方にスライドして、上記フロントパネル固定枠4が垂直状態から、後方に傾斜していくようになる。
なお、上記係合ピン24の頭部が、上記係合解除部32を経由して、上記係合片23の内面側に移動するときは、上記係合片23は、上記頭部に押圧されて、上記傾斜手段27により、傾動するようになる。
(3.3)後方傾斜から前方傾斜まで
次に、後方に傾斜した上記フロントパネル固定枠4を、前方に傾斜(フロントパネルの前面が上側を向く方向に傾斜)させるためには、図24及び図25に示す状態から、上記スライド駆動部7により、上記スライド部材3を前方にスライドさせれば、上記係合ピン24は、上記係合片23の内側面から、上記係合解除部32の傾斜面、第3の案内溝31を経由し、そして、上記係合解除部33の傾斜面を乗り上げて、図26及び図27に示すように、上記係合片23の内側面に移動して、更に上記スライド部材3が前方にスライドすれば、図15〜図17に示すように、上記係合ピン24と上記係合片23との係合が外れ、上記フロントパネル固定枠4が前方に傾斜していくようになる。
(3.4)垂直状態から前方傾斜まで
なお、上記(3.1)により、垂直で固定された上記フロントパネル固定枠4を、前方に移動させるためには、図21及び図22に示す状態から、上記スライド駆動部7により、上記スライド部材3を前方にスライドさせれば、図23に示すように、上記係合ピン24は、上述したように、第2の案内溝30及び第3の案内溝31に沿って移動し、更に、上記スライド部材3が前方に移動すれば、上記係合解除部33の傾斜面を乗り上げて、図26及び図27に示すように、上記係合片23の内側面に移動して、更に上記スライド部材3が前方にスライドすれば、図15〜図17に示すように、上記係合ピン24と上記係合片23との係合が外れ、上記フロントパネル固定枠4が前方に傾斜していくようになる。
本考案の第2の実施例によれば、機械的に、上記フロントパネル固定枠4を垂直状態に固定することができるので、電気的のみで固定した場合に比べて、フロントパネル固定枠4を手などにより、押圧してしまっても、動くようなことがない。
1 傾動機構装置
2 底板部
2a 第1立ち上がり板部
2b 突出板部
2c 孔
3 スライド部材
3a 腕部
3b 連結部
3c 第2立ち上がり板部
3d 孔
4 フロントパネル固定枠
4a 板本体
4b 側板部
4c 底板部
5 アーム部材
5a 孔
6 ガイド手段
7 スライド駆動部
8 第1枢支部
9 第2枢支部
10 第3枢支部
11 ガイドピン
11a 突出ピン
11b 鍔部
11c テーパーローラ
11d 付勢手段
11e 鍔部
12 ガイド板
12a ガイド長孔
12b 縁部
12c 縁部
13 ガイドピン
14 ガイド長孔
14a 縁部
14b 縁部
15 枢支ピン
16 枢支ピン
17 枢支ピン
18 モータ
19 ラック部
20 ギア機構部
21 スライド部材停止機構部
22 第3立ち上がり板部
22a 枢支ピン
22b 規制片
22c 頭部
23 係合片
23a 規制片
23b 内側面
24 係合ピン
25 付勢手段
26 傾動規制手段
27 傾動手段
28 傾斜辺部
29 第1の案内溝
29a 下端
29b 側壁
30 第2の案内溝
30a 左端
30b 下壁
31 第3の案内溝
31a 下端
32 係合解除部
33 係合解除部

Claims (8)

  1. 車載用の電子機器の機器本体に、この機器本体に対して前後方向にスライド自在に連結されるスライド部材と、
    上記機器本体の前方に配置される、フロントパネルが固定されるフロンパネル固定枠と、
    前後方向に延びるアーム部材と、
    上記アーム部材の傾動をガイドするガイド手段と、
    上記スライド部材を前後方向にスライドさせるスライド駆動部とよりなり、
    上記フロントパネル固定枠が、上記機器本体に対して、左右方向に延びる軸周りに傾動できるように、
    上記フロントパネル固定枠の下部が、上記スライド部材の前部に、傾動自在に連結され、
    上記フロントパネル固定枠の上部が、上記アーム部材の前部に、傾動自在に連結され、
    上記アーム部材の中間部が、上記機器本体に、傾動自在に連結されることを特徴とする車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
  2. 上記ガイド手段は、上記アーム部材の後部に設けたガイドピンと、上記スライド部材に固定した、上記ガイドピンが係合するガイド長孔を有するガイド板とよりなり、上記スライド部材と共に上記ガイド板が前後方向にスライドすることにより、上記アーム部材のガイドピンが上記ガイド長孔にガイドされて、上記アーム部材が傾動されることを特徴とする請求1記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
  3. 上記ガイド長孔は、上記各連結部及びスライド機構部において隙間なく連結されたと想定した場合の上記スライド部材のスライドに伴って上記アーム部材が傾動する時に、上記アーム部材の後部が、上記スライド部材と共に前後に移動する上記ガイド板に対して描く軌跡に合致する形状であることを特徴とする請求項2記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
  4. 上記ガイドピンは、上記アーム部材に対して回動自在なテーパーローラであって、このテーパーローラを上記ガイド長孔に対して押圧する手段を有することを特徴とする請求項2又は3記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
  5. 上記ガイド長孔は、所望の長さに形成され、上記アーム部材の傾動を所望の範囲内に規制することを特徴とする請求項2、3又は4記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
  6. スライド部材停止機構部を更に有し、
    このスライド部材停止機構部は、上記機器本体に設けた第1の係合部と、上記スライド部材に設けた、上記第1の係合部に係合する第2の係合部と、
    上記スライド駆動部により上記スライド部材がスライドして、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時に、上記第1の係合部と第2の係合部とが係合して、上記スライド部材を停止させる停止手段と、
    上記停止手段により停止した後は、上記スライド駆動部により上記スライド部材がスライドして、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時でも、上記第1の係合部と第2の係合部とが係合せず、上記スライド部材を更にスライド可能とする停止部迂回手段とよりなることを特徴とする請求項2、3、4又は5記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
  7. 上記停止手段は、上記スライド駆動部により上記スライド部材が前後いずれか一方側にスライドし、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時に、上記第1の係合部及び第2の係合部のいずれか一方の係合部を当接させて、上記スライド部材のスライドを停止させる、上記第1の係合部及び第2の係合部のいずれか他方の係合部に設けたスライド部材停止部と、上記第1の係合部を上記スライド部材停止部に案内する第1の案内手段とよりなり、
    上記停止部迂回手段は、上記停止したスライド部材を、上記スライド駆動部により、前後いずれか他方側に所望の距離だけスライドさせて、上記一方の係合部と上記スライド部材停止部との当接を解除し、次に、上記スライド部材を一方側にスライドさせて、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時でも、上記一方の係合部が上記スライド部材停止部に当接しないように上記スライド部材停止部を迂回させて、上記スライド部材を一方側に更にスライド可能とするように、上記一方の係合部を案内する第2の案内手段とよりなることを特徴とする請求項6記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。。
  8. 上記一方の係合部は、上記第機器本体又はスライド部材に、左右方向に延びる軸回りに傾動自在に枢支されると共に、付勢手段により一方の傾動方向に付勢される係合片であり、
    上記他方の係合部は、上記第機器本体又はスライド部材に設けた係合ピンであり、
    上記係合片は、上記係合ピンにより、上記付勢手段に抗して他方の傾動方向に押圧される、前後方向に延びる傾斜辺部と、
    上記傾斜辺部の後端部に連ねて設けた、他方の傾動方向に延びる、上記係合ピンが移動自在な第1の案内溝と、
    上記第1の案内溝の先端部に連ねて設けた、前後いずれか他方側に延びる、上記係合ピンが移動自在な第2の案内溝と、
    上記第2の案内溝の先端部に連ねて設けられた、他方の傾動方向に延びる、上記係合ピンが移動自在な第3の案内溝と、
    上記第3の案内溝の先端部の前後いずれか一方の壁に形成した、上記第3の案内溝から上記係合ピンの係合を解除できる係合解除部とよりなり、
    上記スライド部材停止部は、上記第1の案内溝の前後いずれか一方の側壁より形成され、
    上記第1の案内手段は、上記傾斜辺部と、上記第1の案内溝とより形成され、
    上記第2の案内手段は、上記第2の案内溝と、上記第3の案内溝と、係合解除部とより形成され、
    上記スライド駆動部により、上記スライド部材が前後いずれか一方側の方向にスライドする時は、上記係合ピンが上記傾斜辺部を押圧しながら一方側の方向にスライドし、そして、上記第1の案内溝に案内され、
    上記フロントパネル固定枠が垂直となった時に、上記係合ピンは、上記第1の案内溝の一方の側壁に当接して、上記スライド部材のスライドを停止し、
    また、上記係合ピンの傾斜辺部の押圧の解除により、付勢された上記係合片が傾動し、上記係合ピンは、上記第1の案内溝の先端壁に当接するまで、相対的に移動して停止し、
    次に、上記スライド駆動部により、上記スライド部材を前後いずれか他方の方向に移動させることにより、上記係合ピンは、上記第2の案内溝に沿って、上記第3の案内溝まで移動させ、上記係合ピンが上記スライド部材停止部との当接が解除されると共に、
    上記係合ピンの上記第2の案内溝の押圧が解除されて、付勢された上記係合片が傾動することにより、上記係合ピンは、上記第3の案内溝の先端壁に当接するまで、相対的に移動して停止し、
    次に、上記スライド部材を前後いずれか一方側にスライドさせることにより、上記係合ピンは、上記係合解除部により、上記係合片との係合が解除され、上記フロントパネル固定枠が垂直となった時でも、上記一方の係合部が上記スライド部材停止部に当接しないように、上記スライド部材停止部を迂回させて、上記スライド部材を更に一方側にスライド可能となることを特徴とする請求項7記載の車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置。
JP2014004137U 2014-08-04 2014-08-04 車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置 Expired - Fee Related JP3193690U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014004137U JP3193690U (ja) 2014-08-04 2014-08-04 車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014004137U JP3193690U (ja) 2014-08-04 2014-08-04 車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3193690U true JP3193690U (ja) 2014-10-16

Family

ID=78225946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014004137U Expired - Fee Related JP3193690U (ja) 2014-08-04 2014-08-04 車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3193690U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019177706A (ja) サンルーフ装置
JP2024109974A (ja) 保持装置
JPH11342798A (ja) 車載用ディスプレイ装置
KR20210065824A (ko) 팜레스트가 구비된 콘솔박스
JP4858892B2 (ja) 機器のパネル開閉装置
JP7023580B2 (ja) 案内駆動装置
JP3193690U (ja) 車載用の電子機器のフロントパネルの傾動機構装置
JP2009214724A (ja) 電子機器の収容装置
JP2003069920A (ja) パネル装置
JP4334457B2 (ja) 電子機器の表示パネル駆動機構
JP2014099232A (ja) 表示装置
JP2007261393A (ja) 表示パネル装置
JP6294369B2 (ja) 蓋移動機構、及びそれを備える収納装置
JP3105718U (ja) 機械式開閉液晶ディスプレイ
JP7095475B2 (ja) 表示パネル駆動機構、表示ユニット、および、電子機器
JP2013203278A (ja) パネル装置及びカーナビゲーション装置
JP6840439B2 (ja) 車載用表示装置
JP6037309B2 (ja) モニタ左右チルト機構
JP4931513B2 (ja) 車載用表示装置
JP4899562B2 (ja) 位置調整機構
JP4112990B2 (ja) 車載用音響装置のパネル部動作機構
JP6135839B2 (ja) 車載モニタ支持装置
JP7035896B2 (ja) 表示パネル駆動機構、表示ユニット、および、電子機器
JP5052224B2 (ja) 車載用ディスプレイ装置
JP2016210230A (ja) 車載用電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3193690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees