JP2000040882A - 車載用機器の前面パネル装置 - Google Patents

車載用機器の前面パネル装置

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JP2000040882A
JP2000040882A JP11109514A JP10951499A JP2000040882A JP 2000040882 A JP2000040882 A JP 2000040882A JP 11109514 A JP11109514 A JP 11109514A JP 10951499 A JP10951499 A JP 10951499A JP 2000040882 A JP2000040882 A JP 2000040882A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動ノーズが回動する時に本体装置と干渉し
ないようにすること。 【解決手段】 本体装置1側のシャーシ7にカム孔9を
設けると共に、モータによって前後方向に駆動されるス
ライドレバー10にガイド孔11を設け、アーム13の
ピン15をこれらカム孔9とガイド孔11に係合する。
スライドレバー10の先端を可動ノーズ3の下部側面に
設けた第1の支軸5に回動自在に連結し、アーム13の
先端を可動ノーズ3の上部側面に設けた第2の支軸6に
回動自在に連結する。このように構成することにより、
スライドレバー10が後退位置から前進する初期段階
で、アーム13とスライドレバー10を一体的に移動し
て可動ノーズ3を起立させたまま平行に前進させ、その
後に、アーム13とスライドレバー10を相対的に移動
させて可動ノーズ3を回転させれば、可動ノーズ3と本
体装置1との当接が確実に回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーオーディオ等
の車載用機器の本体装置の前面に配設される前面パネル
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、カセットテーププレーヤやC
Dプレーヤ等の車載用機器には、本体装置の前面に取り
付けられた前面パネルに各種操作キーや表示部あるいは
テープカセット等の媒体を挿入するための挿入口が配設
されているが、近年の多機能化に伴って表示部が大型化
したり操作キーの数が増加してくると、これら表示部と
操作キーおよび挿入口等の全てを前面パネルの限られた
スペース内に配設することが困難になる。
【0003】これに対して、実開平6−4612号公報
等に開示された前面パネル装置は、本体装置の開口内に
取り付けられた前面パネル側に挿入口を配設すると共
に、前面パネルを覆う可動ノーズ側に表示部と各種操作
キーを配設し、この可動ノーズをスライド部材によって
回動操作することにより、挿入口を選択的に開閉するよ
うに構成されている。前記スライド部材はモータを駆動
源として本体装置の前後方向に移動可能であり、可動ノ
ーズの下部側面に設けられた支軸はスライド部材の先端
に回動自在に連結されている。また、本体装置の開口の
内部側壁には上下方向へ延びるガイド溝が設けられてお
り、可動ノーズの上部側面に設けられたガイドピンはガ
イド溝に沿って移動可能に係合している。
【0004】このように構成された前面パネル装置にお
いて、スライド部材が後退位置に引き込まれている場
合、可動ノーズは起立した状態にあり、挿入口は可動ノ
ーズによって覆い隠されている。この状態でモータを一
方向へ回転駆動し、スライド部材を後退位置から前進位
置へ移動させると、可動ノーズの下部側面に設けられた
支軸はスライド部材と共に前進するが、可動ノーズの上
部側面に設けられたガイドピンはガイド溝に沿って上端
から下端方向へ移動するため、可動ノーズはガイドピン
を回動支点として回転しながらその下端側が手前側にせ
り出した状態となり、この可動ノーズの回動に伴って挿
入口が露出される。また、この状態でモータを他方向へ
回転駆動し、スライド部材を前進位置から後退位置へ移
動させると、上記とは逆に、可動ノーズはガイドピンを
回動支点として回動しながらその下端側が引き込まれて
起立状態となり、挿入口は再び可動ノーズによって覆い
隠される。
【0005】したがって、このような可動ノーズ式の前
面パネル装置によれば、閉状態の可動ノーズの全面を表
示領域やキー操作領域として活用することができ、媒体
の挿入または排出時のみ可動ノーズを回動して挿入口を
露出させれば良いため、限られたスペース内に比較的大
型の表示部や多くの操作キーを配設できるという利点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の可動ノーズ式前面パネル装置では、可動ノーズの上
部側面に設けたガイドピンを本体装置の開口内側壁に設
けたガイド溝と係合させ、可動ノーズの下部側面に設け
た支軸をスライド部材と共に前後進させることにより、
ガイドピンを中心として可動ノーズが回動するように構
成されているため、可動ノーズの回動操作時に、可動ノ
ーズの上端背面が本体装置の開口の内方へ入り込む軌跡
を描くことになる。このため、可動ノーズと本体装置の
開口内に設けられた前面パネル等との当接を避けるべ
く、可動ノーズの上端背面を切欠いたりアール形状にす
る必要があり、可動ノーズの内部に収納される回路基板
や回路素子が大きく制約を受けるという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、起立状態にあ
る可動ノーズを回動させる際に、初期段階で可動ノーズ
を起立させたまま所定量前進させた後に回転させたり、
可動ノーズの下部支点に連結されたスライド部材を斜め
下方へ前進させることとする。このような前面パネル装
置は、起立状態にある可動ノーズを本体装置側から十分
に離間させた後、あるいは速やかに離間させながら、回
転させることができるので、可動ノーズの上端背面部と
本体装置側との当接が回避しやすく、よって可動ノーズ
の形状を含む設計上の自由度を高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による車載用機器の前面パ
ネル装置では、本体装置の前面に配置された可動ノーズ
と、この可動ノーズの下部支点に回動自在に連結された
スライド部材と、このスライド部材を前記本体装置の前
後方向に移動する駆動手段と、前記可動ノーズの上部支
点に回動自在に連結されたアームと、このアームと前記
スライド部材との間に介設された動力伝達機構とを備
え、前記動力伝達機構は、前記スライド部材が後退位置
から前進位置へ移動する過程で、前記アームを前記スラ
イド部材とほぼ一体的に前進させた後、前記アームに対
して前記スライド部材を相対的に前進させるように構成
した。
【0009】このように構成すると、起立状態にある可
動ノーズはまず、ほぼ一体的に前進するアームとスライ
ド部材とによって起立状態を保ったまま本体装置側から
離間することとなり、その後、アームの前進を規制して
スライド部材を前進させれば、可動ノーズを本体装置側
に当接する虞のない位置で回転させることができる。
【0010】前記動力伝達機構が、例えば、前記スライ
ド部材に設けられた水平孔および係止孔を有するガイド
部と、前記アームに設けられたピンと、このピンを前記
ガイド部の水平孔と係止孔に選択的に係合させるカム部
とを具備している場合、ピンがガイド部の係止孔と係合
している時に、アームとスライド部材を一体的に前後進
させて可動ノーズを平行移動させ、ピンがガイド部の水
平孔と係合している時に、アームとスライド部材とを相
対的に移動させて可動ノーズを回動させることができ
る。
【0011】また、前記動力伝達機構が、前記スライド
部材に設けられたラックと、このラックに噛合するギア
とを具備し、このギアの回転軸から離れた位置に前記ア
ームを回動自在に連結すると、可動ノーズの上部支点と
ギアとを連結するアームによってリンク機構が構成さ
れ、可動ノーズの上部支点と下部支点の両方がアームと
スライド部材によってそれぞれ駆動されるため、可動ノ
ーズの前後進および回動動作をスムーズに行うことがで
きる。
【0012】また、前記駆動手段は前記スライド部材を
定速で前後進させても良いが、この駆動手段が、前記ス
ライド部材に設けられた左右方向に延びる長孔と、駆動
モータに連動して定速回転する回転板と、この回転板に
設けられて前記長孔に係合する駆動ピンとを具備する
と、スライド部材の移動速度が後退位置と前進位置との
間で適宜変化するため、可動ノーズの回動速度が変化す
る新規な前面パネル装置を実現することができる。
【0013】また、本発明による車載用機器の前面パネ
ル装置では、本体装置の前面に配置された可動ノーズ
と、この可動ノーズの下部支点に回動自在に連結された
スライド部材と、このスライド部材を前記本体装置の前
後方向に移動させる駆動手段と、前記本体装置に設けら
れ前記スライド部材が搭載される受け部材と、前記可動
ノーズの上部支点を所定の軌跡に沿ってガイドするガイ
ド手段とを備え、前記受け部材は、前記スライド部材の
後端側の底面が前端側の底面よりも上方に位置するよう
に、該スライド部材を傾斜させて支持するように構成し
た。
【0014】このように構成すると、可動ノーズの下部
支点を駆動するスライド部材が斜め下方へ向かって前進
するため、起立状態にある可動ノーズを本体装置側から
速やかに離間させながら回転させることができ、よって
可動ノーズの上端背面部と本体装置側との当接が確実に
回避できる。
【0015】なお、可動ノーズの上部支点を本体装置の
内側壁に設けたガイド溝でガイドしても良いが、前記ア
ームと前記動力伝達機構とを備えた構成にしておけば、
起立状態の可動ノーズを所定量前進させた後、本体装置
側から速やかに離間させつつ回転させることができるた
め、可動ノーズと本体装置側との当接を一層確実に回避
することができる。
【0016】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は本発明の第1実施例に係る前面パネル装置の要部
を示す側面図、図2は図1の前面パネル装置に備えられ
る動力伝達機構の分解斜視図、図3は図2の動力伝達機
構に備えられるピンの動作説明図、図4と図5は図1の
前面パネル装置に備えられる可動ノーズの動作説明図で
ある。
【0017】図1と図2に示すように、カーオーディオ
等の本体装置1に前面パネル2が取り付けられており、
この前面パネル2には可動ノーズ3の背面を収納する凹
所2aが設けられている。前面パネル2の凹所2aには
MDやCD等の媒体を本体装置1内に挿入するための挿
入口4が設けられており、この挿入口4は可動ノーズ3
の回動操作によって開閉される。可動ノーズ3の表面に
は図示せぬ表示部や複数の操作キーが配設されており、
可動ノーズ3の側面には下部支点である第1の支軸5と
上部支点である第2の支軸6とが所定間隔をおいて突設
されている。なお、第1の支軸5と第2の支軸6は可動
ノーズ3の両側面にそれぞれ設けられている。
【0018】本体装置1の一部をなすシャーシ7にブラ
ケット8が折り曲げ形成されており、このブラケット8
にカム孔9が穿設されている。カム孔9は「く」の字状
に形成され、水平方向に延びる長孔9aと、長孔9aの
先端から斜め下方へ延びる傾斜孔9bとで構成されてい
る。シャーシ7上にスライドレバー10が載置されてお
り、このスライドレバー10は図示せぬモータを駆動源
として前後方向に移動できるようになっている。スライ
ドレバー10にはガイド孔11が穿設されており、この
ガイド孔11は水平孔11aと係止孔11bとで構成さ
れ、係止孔11bは水平孔11aの先端から斜め上方に
延びている。また、スライドレバー10の先端に孔12
が穿設されており、この孔12に可動ノーズ3の第1の
支軸5が回転自在に挿入されている。一方、可動ノーズ
3の第2の支軸6はアーム13の一端に穿設された孔1
4に回転自在に挿入されており、このアーム13の他端
に植設されたピン15はスライドレバー10のガイド孔
11を貫通してブラケット8のカム孔9に達している。
なお、上記ブラケット8、スライドレバー10、アーム
13も可動ノーズ3の左右両側に一対設けられており、
左右のスライドレバー10は図示しない連結機構により
同期して移動するようになっている。
【0019】このように概略構成された前面パネル装置
では、可動ノーズ3が図1に示すような起立状態にある
時、可動ノーズ3の背面は前面パネル2の凹所2a内に
入り込んでおり、挿入口4は可動ノーズ3によって覆い
隠されている。この時、スライドレバー10は後退位置
にあり、図3の実線で示すように、アーム13に植設さ
れたピン15はガイド孔11の係止孔11bに係止さ
れ、カム孔9の長孔9aの端部に位置している。以下、
この起立状態から可動ノーズ3を回動させる動作を主と
して図4と図5に基づいて説明する。
【0020】図4(A)は可動ノーズ3の起立状態を示
し、この状態から例えば可動ノーズ3の表面に配設した
オープン釦(図示省略)を押圧操作すると、図示せぬモ
ータが正転し、その回転力を駆動源として左右のスライ
ドレバー10が後退位置から前進位置への移動を開始す
る。スライドレバー10が前進すると、図3の矢印Aで
示すように、ピン15はガイド孔11の係止孔11bに
係止したままカム孔9の長孔9a内を移動した後、カム
孔9の傾斜孔9bへ移動する過程でガイド孔11の係止
孔11bから水平孔11aへ移動する。すなわち、ピン
15がカム孔9の長孔9a内を移動する間、スライドレ
バー10とアーム13は図4(A)に示す所定角度を保
ったまま一体的に移動するため、これらスライドレバー
10とアーム13の先端に軸支された可動ノーズ3は起
立したまま平行に前進し、図4(B)に示すように前面
パネル2の凹所2aから突出する。なお、ピン15がカ
ム孔9の長孔9aから傾斜孔9bへ移動する過程で、ス
ライドレバー10とアーム13間の角度が若干変化する
ため、図4(B)に示す状態で可動ノーズ3は僅かに傾
倒することになる。
【0021】図4(B)に示す状態からスライドレバー
10がさらに前進すると、図3の矢印Bで示すように、
ピン15はカム孔9の傾斜孔9bに係止したままガイド
孔11の水平孔11a内を相対的に移動し、この間、ア
ーム13はピン15が傾斜孔9bに係止されているので
前進せず、スライドレバー10のみが前進することにな
る。したがって、図4(C)に示すように、可動ノーズ
3は第2の支軸6を回動支点として下端側が手前にせり
出すように回転し始め、図5(A)に示すように次第に
その傾倒角度を大きくし、ピン15がガイド孔11の水
平孔11aの端部に達した時点で、図5(B)に示すよ
うに、可動ノーズ3は最大の傾倒角度となる。かかる可
動ノーズ3の回動動作は、可動ノーズ3が前面パネル2
の凹所2aから一旦突出した後に行われるため、可動ノ
ーズ3の上端背面が凹所2aの内壁面等に当接する虞は
ない。そして、可動ノーズ3の傾倒角度が最大になる
と、それまで隠されていた挿入口4が露出するため、図
5(B)に示すように、この挿入口4からMDやCD等
の媒体を本体装置1内に挿入することができる。なお、
図5(B)に示す可動ノーズ3の最大傾倒時に、例えば
可動ノーズ3の表面に配設したクローズ釦(図示省略)
を押圧操作すると、図示せぬモータが逆転してスライド
レバー10を前進位置から後退位置へ移動するため、可
動ノーズ3は上記と逆に動作して再び図4(A)に示す
起立状態に戻る。
【0022】図6は本発明の第2実施例に係る前面パネ
ル装置の要部を示す側面図であり、本実施例では、スラ
イドレバー10にラック16が刻設されており、本体装
置1の側部シャーシ等の適宜部材にラック16と常時噛
合するギア17が軸支されている。このギア17の回転
軸17aから離れた位置にはアーム18の一端が回動自
在に連結されており、アーム18の他端は可動ノーズ3
の第2の支軸6に回動自在に連結されている。
【0023】このように概略構成された前面パネル装置
においても、スライドレバー10の前後進に伴って可動
ノーズ3は前述した第1実施例と同様に動作される。す
なわち、可動ノーズ3が起立状態にある時、アーム18
の一端は図6の符号18a1で示す位置にあり、スライ
ドレバー10が後退位置から前進位置への移動を開始す
ると、ギア17が反時計回りに回転するため、ギア17
に連結されたアーム18の一端は回転軸17aの周りを
反時計方向へ移動する軌跡を描く。その際、アーム18
の一端が符号18a1から符号18a2まで移動する
間、スライドレバー10の先端に連結された第1の支軸
5とアーム18の他端に連結された第2の支軸6とはほ
ぼ同量だけ前進するため、可動ノーズ3は起立したまま
の状態で平行に前進する。その後、アーム18の一端が
符号18a2から符号18a3まで移動する間、第1の
支軸5の前進量に対して第2の支軸6は少ない量だけ前
進し、以後、アーム18の一端はスライドレバー10と
逆方向へ移動するため、可動ノーズ3は第1の支軸5を
回動支点として下端側が手前にせり出すように回動し始
め、最終的には挿入口(図示省略)を露出させる角度ま
で傾倒する。
【0024】図7はスライドレバー10の駆動機構を示
す平面図である。同図に示すように、スライドレバー1
0は略E字状の平面形状となっており、その中央部には
前後方向に延びるガイド孔19と左右方向に延びる長孔
20とが穿設され、シャーシ7上に植設された2本のガ
イドピン21,22がガイド孔19と係合している。一
方のガイドピン21には扇形の回転板23が回動自在に
軸支されており、この回転板23に植設された駆動ピン
24は長孔20と係合している。回転板23の周面には
歯部25が刻設されており、この歯部25とモータ26
の回転軸との間に減速歯車列27が介設されている。ま
た、回転板23の側部にはU字状の切欠部23aが形成
されており、図7に示す状態(可動ノーズ3の起立状
態)では、この切欠部23aがガイドピン22と嵌合し
ている。よって、車両の振動等が加わった際に、スライ
ドレバー10が前進して不用意に可動ノーズ3が前方へ
突出してしまうことが防止される。
【0025】図7はスライドレバー10が後退位置にあ
る状態を示し、この後退位置でモータ26を正転する
と、その回転が減速歯車列27を介して歯部25に伝達
されるため、回転板23はガイドピン21を中心に時計
方向へ定速回転する。このように回転板23が時計方向
へ回転すると、この回転運動が長孔20内を移動する駆
動ピン24によって直線運動に変換されるため、スライ
ドレバー10はガイド孔19に係合する両ガイドピン2
1,22に案内されて図8から図10に示すように前進
する。ここで、図8は回転板23が図7の位置から所定
角度だけ回転した初期状態を示し、この区間では回転板
23の回転角に対してスライドレバー10の前進量L1
は少なくなっている。回転板23が図8の位置からさら
に所定角度だけ回転すると、図9に示すように、回転板
23の回転角に対してスライドレバー10の前進量L2
は多くなり、回転板23が図9の位置からさらに所定角
度だけ回転した終期状態では、図10に示すように、回
転板23の回転角に対してスライドレバー10の前進量
L3は再び少なくなる。
【0026】したがって、このような駆動機構を前述し
た各実施例に係る前面パネル装置に適用すると、可動ノ
ーズ3の動作スピードが始めに遅く徐々に速くなって再
び遅くなるというように変化し、従来にない新規な前面
パネル装置の回動動作を実現することができる。ただ
し、このような駆動機構を用いず、モータの駆動力によ
ってスライドレバー10を定速で前後進させても良く、
この場合、可動ノーズ3の動作スピードは始めから終わ
りまで一定となる。
【0027】次に、本発明の第3実施例を図11〜図1
4に基づいて説明する。ここで、図11は本実施例に係
る前面パネル装置の要部を示す側面図、図12は図11
の可動ノーズを所定量回転させた状態を示す側面図、図
13は図12のA−A線に沿う要部断面図、図14は図
11のスライドレバーやその駆動機構を示す平面図であ
り、図1〜図10と対応する部分には同一符号が付して
ある。
【0028】本実施例が前述した実施例と大きく異なる
点は、スライドレバー10を僅かに傾けてシャーシ7上
に搭載することにより、このスライドレバー10が斜め
下方へ向かって前進するように設定したことにある。す
なわち、シャーシ7の左右両側(図14の上部と下部)
にはそれぞれ、平面視略コ字形のスライドレバー10を
載せるため前後2か所にスタッド28,29が植設され
ているが、図11と図12に示すように、前寄りのスタ
ッド28に比べて後ろのスタッド29は高さ寸法が若干
大きくなっている。したがって、これらスタッド28,
29を介してシャーシ7上に搭載されるスライドレバー
10は、その後端側の底面が前端側の底面よりも上方に
位置する傾斜した姿勢で支持されることとなり、モータ
26を正転駆動させてスライドレバー10を後退位置か
ら前進位置へ移動させると、このスライドレバー10は
斜め下方へ向かって前進する。それゆえ、起立状態の可
動ノーズ3は、まず斜め下方へ所定量前進した後、第1
の支軸5を斜め下方へ前進させながら第2の支軸6を回
動支点として回転することになり、かかる一連の動作時
に可動ノーズ3の上端背面部と前面パネル2の凹所2a
の内壁面との間には十分なクリアランスCを確保するこ
とができる。
【0029】このようにスライドレバー10を僅かに前
下がりの姿勢でシャーシ7上に搭載しておくと、スライ
ドレバー10の前進に伴って起立状態の可動ノーズ3の
下端側が斜め下方へ前進するので、可動ノーズ3の上端
背面部を凹所2aの内壁面から速やかに離間させること
ができる。このため、例えば可動ノーズ3の上部支点を
本体装置1の内側壁に設けたガイド溝でガイドするとい
うガイド手段を採用した前面パネル装置であっても、ス
ライドレバー10を適宜傾けてシャーシ7上に搭載して
おけば、可動ノーズ3と前面パネル2との当接を容易に
回避することができる。
【0030】また、図11と図12に示すように、本実
施例では、アーム13の中間部に設けた係止孔13aに
引っ張りばね30の一端を係止させてあり、この引っ張
りばね30の他端を本体装置1の側部シャーシ等の適宜
部材に係止させてあるため、アーム13は引っ張りばね
30によって常時後方へ付勢されている。ただし、この
引っ張りばね30がアーム13に付与する弾発力は、可
動ノーズ3の開閉動作に支障をきたす虞のない大きさに
設定されている。また、引っ張りばね30は本体装置1
の左右両側に配設されており、可動ノーズ3の左右両側
に位置する両アーム13を後方へ引っ張っている。
【0031】このような引っ張りばね30が付設されて
いると、図11に示す起立状態の可動ノーズ3はアーム
13を介して本体装置1側へ弾性付勢されるため、可動
ノーズ3をガタのない状態に保つことができる。特に、
モータ26等の駆動機構から遠い方に位置する可動ノー
ズ3の一側部にはガタを生じやすいが、当該部位に連結
されたアーム13を含み、左右両アーム13を引っ張り
ばね30によって後方へ付勢しているため、可動ノーズ
3の両側部を確実に前面パネル2の凹所2aへ引き込む
ことができる。したがって、車両の振動等の影響で可動
ノーズ3がラットルノイズを発生する虞がなくなる。
【0032】なお、各スタッド28,29には、スライ
ドレバー10を円滑に前後進させるためのローラ31が
回動自在に環装されていると共に、このローラ31の脱
落を防止するための抜け止めねじ32が螺着されてい
る。また、本実施例では、モータ26が定速でスライド
レバー10を前後進させるようになっているが、図7〜
図10に示した駆動機構を採用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0034】起立状態にある可動ノーズを回動させる際
に、初期段階で可動ノーズを起立させたまま所定量前進
させ、その後に可動ノーズを回動させるように構成する
ことにより、可動ノーズを本体装置側に当接する虞のな
い位置で回転させることができ、また、可動ノーズの下
部支点に連結されたスライド部材を斜め下方へ前進させ
るように構成することにより、起立状態にある可動ノー
ズを本体装置側から速やかに離間させながら回転させる
ことができる。したがって、可動ノーズの回動操作時に
懸念される可動ノーズの上端背面と本体装置側との当接
が解消され、可動ノーズの形状を含む設計上の自由度を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る前面パネル装置の要
部を示す側面図である。
【図2】図1の前面パネル装置に備えられる動力伝達機
構の分解斜視図である。
【図3】図2の動力伝達機構に備えられるピンの動作説
明図である。
【図4】図1の前面パネル装置に備えられる可動ノーズ
の動作説明図である。
【図5】図1の前面パネル装置に備えられる可動ノーズ
の動作説明図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る前面パネル装置の要
部を示す側面図である。
【図7】スライドレバーの駆動機構を示す平面図であ
る。
【図8】該駆動機構の動作説明を示す平面図である。
【図9】該駆動機構の動作説明を示す平面図である。
【図10】該駆動機構の動作説明を示す平面図である。
【図11】本発明の第3実施例に係る前面パネル装置の
要部を示す側面図である。
【図12】図11の可動ノーズを所定量回転させた状態
を示す側面図である。
【図13】図12のA−A線に沿う要部断面図である。
【図14】図11のスライドレバーやその駆動機構を示
す平面図である。
【符号の説明】
1 本体装置 2 前面パネル 3 可動ノーズ 4 挿入口 5 第1の支軸(下部支点) 6 第2の支軸(上部支点) 7 シャーシ 8 ブラケット 9 カム孔 9a 長孔 9b 傾斜孔 10 スライドレバー(スライド部材) 11 ガイド孔 11a 水平孔 11b 係止孔 13 アーム 15 ピン 16 ラック 17 ギア 17a 回転軸 18 アーム 19 ガイド孔 20 長孔 21,22 ガイドピン 23 回転板 24 駆動ピン 25 歯部 26 モータ 28,29 スタッド(受け部材) 30 引っ張りバネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体装置の前面に配置された可動ノーズ
    と、この可動ノーズの下部支点に回動自在に連結された
    スライド部材と、このスライド部材を前記本体装置の前
    後方向に移動する駆動手段と、前記可動ノーズの上部支
    点に回動自在に連結されたアームと、このアームと前記
    スライド部材との間に介設された動力伝達機構とを備
    え、 前記動力伝達機構は、前記スライド部材が後退位置から
    前進位置へ移動する過程で、前記アームを前記スライド
    部材とほぼ一体的に前進させた後、前記アームに対して
    前記スライド部材を相対的に前進させることを特徴とす
    る車載用機器の前面パネル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記動力伝達
    機構が、前記スライド部材に設けられた水平孔および係
    止孔を有するガイド部と、前記アームに設けられたピン
    と、このピンを前記ガイド部の水平孔と係止孔に選択的
    に係合させるカム部とを具備することを特徴とする車載
    用機器の前面パネル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の記載において、前記動力伝達
    機構が、前記スライド部材に設けられたラックと、この
    ラックに噛合するギアとを具備し、このギアの回転軸か
    ら離れた位置に前記アームが回動自在に連結されている
    ことを特徴とする車載用機器の前面パネル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかの記載におい
    て、前記駆動手段が、前記スライド部材に設けられた左
    右方向に延びる長孔と、駆動モータに連動して定速回転
    する回転板と、この回転板に設けられて前記長孔に係合
    する駆動ピンとを具備することを特徴とする車載用機器
    の前面パネル装置。
  5. 【請求項5】 本体装置の前面に配置された可動ノーズ
    と、この可動ノーズの下部支点に回動自在に連結された
    スライド部材と、このスライド部材を前記本体装置の前
    後方向に移動させる駆動手段と、前記本体装置に設けら
    れ前記スライド部材が搭載される受け部材と、前記可動
    ノーズの上部支点を所定の軌跡に沿ってガイドするガイ
    ド手段とを備え、 前記受け部材は、前記スライド部材の後端側の底面が前
    端側の底面よりも上方に位置するように、該スライド部
    材を傾斜させて支持していることを特徴とする車載用機
    器の前面パネル装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の記載において、前記ガイド手
    段として前記可動ノーズの上部支点に回動自在に連結さ
    れたアームと、前記スライド部材に連動する所定の動作
    を前記アームに行わせる動力伝達機構とを備え、 前記動力伝達機構は、前記スライド部材が後退位置から
    前進位置へ移動する過程で、前記アームを前記スライド
    部材とほぼ一体的に前進させた後、前記アームに対して
    前記スライド部材を相対的に前進させることを特徴とす
    る車載用機器の前面パネル装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から4および請求項6のいずれ
    かの記載において、前記アームに、このアームを常時後
    方へ付勢する引っ張りばねを取り付けたことを特徴とす
    る車載用機器の前面パネル装置。
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