JP4112702B2 - 成膜装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体装置の層間絶縁膜に用いられる低比誘電性の絶縁膜を形成するための成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の層間絶縁膜としては、CVD法(化学蒸着法:Chemical Vapor Deposition)によるSiO2膜が主に用いられている。この方法によって形成された層間絶縁膜の比誘電率は一般に4.0以上となるが、最近はLSIの高集積化の進展により層間絶縁膜の低比誘電率化が大きな課題とされており、比誘電率が4以下の層間絶縁膜が要求されるようになっている。
【0003】
このような要求に対しては、近年、プラズマCVD法によって形成されたSiO2膜にフッ素を添加したSiOF膜やC4F8などのガスを原料にしたプラズマ重合によるフッ素アモルファスカーボン膜等が提案されており、特に後者のフッ素アモルファスカーボン膜によれば層間絶縁膜の比誘電率を2.5以下に抑えることができる。
【0004】
さらに、本発明者等の研究により、蒸着重合法で作成した種々の高分子膜が2.5以下の比誘電率を実現しうることも見い出されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来技術においては、次のような問題があった。
すなわち、上述のプラズマCVD法によるSiOF膜及びプラズマ重合法によるフッ素アモルファスカーボン膜は、従来のプラズマCVD用の成膜装置を用いて作成できるとともに低比誘電率化が達成できる反面、膜の形成方法や成膜条件によって膜特性が大きく異なったり、膜中のフッ素の脱離や吸湿性が大きいといった膜の不安定性により誘電率を悪化させてしまう問題が指摘されており、将来の低比誘電率材料としての応用は難しい状況にある。
【0006】
一方、従来の蒸着重合法による成膜装置においては、基板上における膜厚分布を均一にすることが困難であるとともに、各モノマーを処理室に導入する位置によって基板上におけるモノマーの組成比がばらつくという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、蒸着重合法を用いて、モノマーの組成分布が均一で、かつ、均一な膜厚分布の低比誘電率の層間絶縁膜を形成しうる成膜装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた本発明は、基体に対して成膜処理を行うための複数の処理室を有する成膜装置であって、上記複数の処理室のうちの少なくとも一つが蒸着重合用の処理室であり、この蒸着重合用の処理室に、下方に向って内部空間が広がるように形成され蒸着重合の原料モノマーの気体をその上部から導入して混合するモノマー混合部と、該モノマー混合部の下部において基体保持部に保持された基体に対して成膜処理を行う処理槽と、上記モノマー混合部において混合された原料モノマーの気体を上記基体の表面に供給するモノマー供給手段とが設けられ、上記モノマー供給手段が、上記モノマー混合部と上記基体保持部との間において複数の吹き出し口を有するモノマー吹き付け部材を備えていることを特徴とする。
本発明では、上記モノマー吹き付け部材の吹き出し口の形状を同心円状とすることもできる。
本発明では、上記モノマー吹き付け部材の吹き出し口の形状を多数の小径の孔形状とすることもできる。
本発明では、上記モノマー吹き付け部材を基体の温度より高い温度に加熱可能に構成することもできる。
【0009】
本発明の場合、蒸着重合用の処理室にモノマー混合部を設けたことによって、原料モノマーの気体が十分に混合された状態で基体に供給されるため、モノマーの組成分布が均一で、かつ、均一な膜厚分布の高分子膜を基体上に形成することができる。その結果、本発明によれば、比誘電率が均一で各部分の電気容量が均一な絶縁膜を形成することが可能になる。
また、本発明では、蒸着重合用の処理室に、モノマー混合部において混合された原料モノマーの気体を基体の表面に供給するモノマー供給手段が設けられ、モノマー混合部と上記基体保持部との間において複数の吹き出し口を有するモノマー吹き付け部材を備えているていることから、簡単な構成で原料モノマーを均一に基体の表面に供給して、基体上における膜厚分布及びモノマーの組成分布の均一性を高めることが可能になる。
本発明において、モノマー混合部が、基体の温度より高い温度に加熱可能に構成されている場合には、原料モノマーがモノマー混合部の内面に付着した場合に再び蒸発して第1の処理室内に放出されるため、基体上において効率良く原料モノマーを堆積させて成膜を行うことが可能になる。
本発明において、モノマー供給手段が、基体の温度より高い温度に加熱可能に構成されている場合には、原料モノマーがモノマー供給手段に付着した場合に再び蒸発して第1の処理室内に放出されるため、基体上において効率良く原料モノマーを堆積させて成膜を行うことが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る成膜装置の一例の概略構成を示すものである。
図1(a)に示すように、この成膜装置1は、マルチチャンバー方式の枚葉式の装置であり、図示しない搬送ロボットが組み込まれているコア室2の周囲に、Siウェハー等の基板(基体)8の出し入れを行うためのL/UL(ロード/アンロード)室3と、蒸着重合を行うための第1の処理室4と、加熱処理を行うための第2の処理室5と、アルミニウム等のスパッタリングを行うための第3の処理室6とが配置され、これらはすべて図示しないゲートバルブを介して連結されている。また、これらコア室2、L/UL室3、第1〜第3の処理室4〜6は、図示しない真空ポンプ等の真空排気系に連結されている。
ここで、コア室2内に配置されるロボットによって、L/UL室3から第1〜第3の処理室4〜6へ基板8を自由に搬送できるようになっている。
【0011】
図1(b)は、第1の処理室4の概略構成を示すものである。
図1(b)に示すように、第1の処理室4は、その上部に取り付けられた導入管41A、41Bを介して2種類の蒸発源40A、40Bに接続されている。ここで、各蒸発源40A、40Bは、ハウジング42A、42Bと、各ハウジング42A、42B内に収容された蒸発用容器43A、43Bとから構成される。そして、各蒸発用容器43A、43Bの内部には、ポリイミドを形成するための原料モノマーA、B(例えば、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)と、ピロメリト酸二無水物(PMDA))がそれぞれ注入されている。
また、各蒸発用容器43A、43Bの近傍には、各原料モノマーA、Bを加熱するためのヒーター44A、44Bが設けられている。
【0012】
一方、各導入管41A、41Bの周囲にはヒーター46が巻き付けられ、これによって原料モノマーA、Bの温度を所定の温度に制御できるように構成されている。また、各導入管41A、41Bの途中には、各原料モノマーA、Bの供給量を調整するためのバルブ45A、45Bが設けられている。
【0013】
図1(b)に示すように、第1の処理室4は、導入管41A、41Bを介して導入される各原料モノマーA、Bの蒸気(気体)10A、10Bを混合するための混合槽(モノマー混合部)4aと、基板8に対して成膜処理を行うための処理槽4bとから構成されている。
【0014】
ここで、混合槽4aの上部には、上述した導入管41A、41Bが接続されている。また、混合槽4aは下方に向って内部空間が広がるように形成され、その内壁には、導入された原料モノマーA、Bの蒸気を加熱及び拡散するためのヒーター48が設けられている。このヒーター48は、例えば直流電源等を含む温度制御手段7に接続され、少なくとも基板8の温度より50℃以上高い温度に加熱されるようになっている。
【0015】
一方、処理槽4bは混合槽4aの下部に気密一体的に形成され、その下部には、基板8を支持するためのサセプタ(基体保持部)47が設けられている。このサセプタ47の内部には図示しないヒーター及び冷媒循環路が設けられ、これにより基板8を所定の温度(50℃以下)に加熱又は冷却できるようになっている。
【0016】
図1(b)に示すように、第1の処理室4の混合槽4aと処理槽4bとの間には、混合槽4aにおいて混合された原料モノマーA、Bの蒸気(以下「モノマー混合蒸気」という。)10ABを基板8に対して均一に吹き付けて供給するためのモノマー吹き付け部材(モノマー供給手段)49が配設されている。
【0017】
このモノマー吹き付け部材49は、例えばAl、Cu、SUS等熱伝導のよい金属製の板状の部材からなり、このモノマー吹き付け部材49には、モノマー混合蒸気10ABが通過可能な複数の吹き出し口が形成されている。
【0018】
また、このモノマー吹き付け部材49の内部には図示しないヒーターが設けられ、このヒーターは上述した温度制御手段に接続されている。そして、これによりモノマー吹き付け部材49は、ヒーター48と同様に、少なくとも基板8の温度より50℃以上高い温度に加熱されるようになっている。
【0019】
図2(a)は、本発明におけるモノマー吹き付け部材49の一例を示すものであり、図2(b)は、同モノマー吹き付け部材49の他の例を示すものである。
本発明の場合、基板8に対して均一にモノマー混合蒸気を供給する観点からは、モノマー吹き付け部材49の吹き出し口490の形状として、例えば、図2(a)に示すように、同心円状の吹き出し口490aや、図2(b)に示すように、例えばシャワーヘッドのように多数の小径の孔を設けた吹き出し口490bが最も適当である。
【0020】
図3(a)は、図1(a)の成膜装置1の第2の処理室5の概略構成を示すものである。
図3(a)に示すように、第2の処理室5内には、基板8を加熱するためのホットプレート(図示せず)を有するサセプタ50が設けられている。このサセプタ50は、基板8の温度を半導体装置の製造時の温度より広い範囲(20〜500℃)に制御可能で、かつ、加熱の際の昇温速度を調整可能できるように構成されている。
【0021】
図3(b)は、第3の処理室6の概略構成を示すものである。
図3(b)に示すように、第3の処理室6には、直流二極式のスパッタリング装置が設けられる。すなわち、第3の処理室6の上部に、直流電源60に接続された電極61が配設され、この電極61に例えばアルミニウムターゲット62が保持されている。そして、処理すべき基板8は、第3の処理室6の下部においてサセプタ63によって支持されている。また、この第3の処理室6内には、導入管64を介して例えばアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスが導入されるようになっている。
【0022】
本実施の形態において絶縁膜を形成するには、まず、上記成膜装置1において、基板8をL/UL室3から第1の処理室4内に搬送し、各バルブ45A、45Bを開いて原料モノマーA、Bを第1の処理室4内に導入し、蒸着重合によって基板8上にポリアミド(ポリアミック)酸膜を形成する。
【0023】
この場合、まず、各バルブ45A、45Bを閉じた状態で第1の処理室4内の圧力を3×10-3Pa程度の高真空に設定し、ヒーター44A、44Bによって各原料モノマーA、Bを所定の温度に加熱する。なお、導入管41A、41Bは、ヒーター46によって200℃程度に加熱しておく。
【0024】
そして、各原料モノマーA、Bが所定の温度に達して所要の蒸発量が得られた後に、各バルブ45A、45Bを開き、各原料モノマーA、Bの蒸気を第1の処理室4の混合槽4a内に導入する。これらの原料モノマーA、Bの蒸気は混合槽4a内で混合され、このモノマー混合蒸気10ABは、モノマー吹き付け部材49の吹き出し口490を介して上方から基板8に吹き付けられる。
【0025】
なお、原料モノマーA、Bの蒸発速度は、化学量論比で1:1となるように制御する。また、混合槽4a内の温度は100℃程度となるように制御し、基板8の温度は20℃程度となるように制御する。
【0026】
そして、基板8上に所定の厚さのポリアミド酸膜が堆積した後に各バルブ45A、45Bを閉じる。
【0027】
その後、第2の処理室5に基板8を搬送してサセプタ47上に載置し、基板8上のポイアミド酸膜に対して所定の加熱処理(イミド化処理)を行い、ポリイミド膜を形成する。
【0028】
この場合、加熱条件は、昇温速度10℃/minで400℃程度まで加熱し、その状態を60分間程度保持するようにする。また、この加熱処理は例えば真空中で行う。
【0029】
なお、必要に応じ、第3の処理室6に基板8を搬送し、スパッタリングによって基板8上にアルミニウム電極を形成する。
【0030】
以上述べたように本実施の形態によれば、安定した特性を有する低比誘電率のポリイミド膜を簡易な工程で得ることができる。
【0031】
特に、本実施の形態の場合は、蒸着重合用の第1の処理室4に混合槽4aを設けるとともに混合槽4aと処理槽4bとの間に設けたモノマー吹き付け部材49の吹き出し口490からモノマー混合蒸気10ABを吹き出すようにしたことから、モノマー混合蒸気10ABが十分に混合された状態で基板8に供給され、これにより、モノマーの組成分布が均一で、かつ、均一な膜厚分布のポリイミド膜を基板8上に形成することができる。その結果、本実施の形態によれば、比誘電率が均一で各部分の電気容量が均一なポリイミド膜が得られる。
【0032】
また、本実施の形態においては、第1の処理室4の混合槽4aにヒーター48を設けて加熱するようにしたことから、原料モノマーA、Bの蒸気10A、10Bが混合槽4aの内面に付着した場合に再び蒸発して混合槽4a内に放出され、その結果、基板8上において効率良くモノマー混合蒸気10ABを堆積させて成膜を行うことができる。
【0033】
図4(a)〜(f)は、本発明を用いて半導体装置の層間絶縁膜を形成する工程の一例を示すものである。
まず、図4(a)に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板21と、この半導体基板21の表面に形成され所定の位置に窓開けがされたシリコン熱酸化膜22と、その上に成膜されパターニングが施された第1層目の配線(金属配線層)23とを有する基板31を用意する。
【0034】
この基板31を所定の温度に加熱しつつ、上述した蒸着重合法により、基板31の表面にポリアミド酸膜24aを所望の厚みに全面成膜する(図4(b))。
【0035】
さらに、上述の条件で加熱処理(イミド化処理)を行い、耐熱性の高いポリイミドからなる層間絶縁膜24を形成する(図4(c))。
【0036】
次いで、この層間絶縁膜24の表面に対し、レジストプロセスによって所定のパターニングが施されたレジスト膜25を形成し(図4(d))、その後、ドライエッチングを行うことにより、レジスト膜25の窓開け部分に露出した層間絶縁膜24を除去する(図4(e))。そして、上述のレジスト膜25を除去した後、配線薄膜を全面成膜し、この膜に対してパターニングを施すことにより第2層目の配線(金属配線層)26を形成する。
【0037】
これにより、層間絶縁膜24が除去された窓開け部分27において第1層目の配線23と第2層目の配線26とが電気的に接続され、その結果、多層配線を有する半導体装置35を得ることができる(図4(f))。
【0038】
本実施の形態によれば、安定した特性を有する半導体装置35を真空中のプロセスのみによる簡易な工程で得ることができる。
【0039】
特に、本実施の形態の場合は、層間絶縁膜24を形成する際に基板31を裏返す必要がないことから、製造プロセスを簡素化することができる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、モノマーの組成分布が均一で、かつ、膜厚分布の均一な層間絶縁膜24を形成することができる。その結果、本実施の形態によれば、層間絶縁膜24の比誘電率の分布が均一で、各部分の電気容量が均一となるため、半導体装置35において信号遅延等の時間が均一になり、これにより安定した駆動が可能になる。
【0041】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、モノマー吹き付け部材の吹き出し口の形状については、上述の実施の形態のものに限られず、種々の形状とすることができる。ただし、基板に対して均一にモノマー混合蒸気を供給するためには、上述した実施の形態のように吹き出し口を形成することが好ましい。
【0042】
また、上述の実施の形態においては、蒸着重合によってポリイミド膜を形成する場合に適用したが、本発明はこれに限られず、例えば蒸着重合によってポリ尿素膜等を形成する場合にも適用しうるものである。
【0043】
さらに、本発明は半導体装置の層間絶縁膜のみならず、種々の絶縁膜に適用しうるものである。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明する。
<実施例>
図1に示す成膜装置1を用いてSiウェハー上にポリイミド膜を形成した。
まず、6インチサイズで導電率が0.02(Ω・cm)のシリコン(Si)からなる基板8を第1の処理室4内に搬入してサセプタ47上に載置し、蒸着重合によって基板8上にポリアミド酸膜を形成する。
【0045】
この場合、ポリイミド膜を形成するための原料モノマーA、Bとしては、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)と、ピロメリト酸二無水物(PMDA)を用い、高真空中(3×10-3Pa)においてODAは158.0+0.1℃、PMDAについては182+0.1℃の温度で同時に蒸発させ、各原料モノマーA、Bの供給量を制御した。
【0046】
また、ODAとPMDAの組成比は、化学量論比で1:1となるように制御した。さらに、導入管41A、41Bの温度を200℃、混合槽4a及びモノマー吹き付け部材49の温度を100℃程度となるように制御した。
【0047】
このようにしてポリイミド膜を作成した後、基板8を第2の処理室5に搬送し、ポリイミド膜に対して所定の加熱処理を行った。
この場合、加熱処理は、昇温速度10℃/minで400℃まで加熱することにより行った。
【0048】
この時点におけるポリイミド膜の厚さは平均500nm、膜厚分布は、±4%であった。なお、ここでは、表面粗さ計又はエリプソメータで面内分布を測定した。
【0049】
また、このポリイミド膜における原料モノマーA、Bの組成分布を赤外分光測定装置(日本分光社製 FT−IR)で測定したところ、ポリイミド膜の全領域にわたって均一な赤外吸収スペクトルが得られた。
【0050】
<比較例>
混合槽4aのヒーター48がなく、かつ、モノマー吹き付け部材49のない成膜装置を用い、実施例と同様の基板8上に、実施例と同じ条件で厚さ500nmのポリイミド膜を形成した。
【0051】
このポリイミド膜について膜厚分布を測定したところ、±8%であった。
また、このポリイミド膜における原料モノマーA、Bの組成分布を実施例と同様の装置を用いて測定したところ、導入管の位置によって組成分布に偏りが生じた。すなわち、比較例の場合は、基板8上に形成されたポリイミド膜のうち、PMDAの吹き出し口の近傍においてPMDAの組成比がやや過剰になり、ODAの吹き出し口の近傍においてODAの組成比がやや過剰になることが判明した。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、蒸着重合を用いて、モノマーの組成分布が均一で、かつ、均一な膜厚分布の絶縁膜を形成することができる。
そして、本発明によって多層配線の半導体装置の層間絶縁膜を形成すれば、比誘電率が均一で各部分の電気容量が均一な層間絶縁膜を作成することができ、その結果、安定して動作する半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明に係る成膜装置の一例の概略構成図
(b):図1(a)の成膜装置の第1の処理室の概略構成図
【図2】(a):本発明におけるモノマー吹き付け部材の一例を示す平面図
(b):同モノマー吹き付け部材の他の例を示す平面図
【図3】(a):図1(a)の成膜装置の第2の処理室の概略構成図
(b):図1(a)の成膜装置の第3の処理室の概略構成図
【図4】(a)〜(f):本発明を用いて半導体装置の層間絶縁膜を形成する工程の一例を示す工程図
【符号の説明】
1……成膜装置 2……コア室 3……L/UL室 4……第1の処理室 4a……混合槽(モノマー混合部) 4b……処理槽 5……第2の処理室 6……第3の処理室 7……温度制御手段 8……基板 21……半導体基板 22……シリコン熱酸化膜 23……第1層目の配線 24……層間絶縁膜 24a……ポリアミド酸膜 25……レジスト膜 26……第2層目の配線 31……基板 35……半導体装置 A、B……原料モノマー 40A、40B……蒸発源 41A、41B……導入管 45A、45B……バルブ 46……ヒーター 47……サセプタ(基体保持部) 48……ヒーター 49……モノマー吹き付け部材(モノマー供給手段) 490……吹き出し口
Claims (4)
- 基体に対して成膜処理を行うための複数の処理室を有する成膜装置であって、
上記複数の処理室のうちの少なくとも一つが蒸着重合用の処理室であり、
該蒸着重合用の処理室に、下方に向って内部空間が広がるように形成され蒸着重合の原料モノマーの気体をその上部から導入して混合するモノマー混合部と、該モノマー混合部の下部において基体保持部に保持された基体に対して成膜処理を行う処理槽と、上記モノマー混合部において混合された原料モノマーの気体を上記基体の表面に供給するモノマー供給手段とが設けられ、
上記モノマー供給手段が、上記モノマー混合部と上記基体保持部との間において複数の吹き出し口を有するモノマー吹き付け部材を備えていることを特徴とする成膜装置。 - 上記モノマー吹き付け部材の吹き出し口の形状が、同心円状であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
- 上記モノマー吹き付け部材の吹き出し口の形状が、多数の小径の孔形状であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
- 上記モノマー吹き付け部材が、基体の温度より高い温度に加熱可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の成膜装置。
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