JP6881273B2 - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6881273B2
JP6881273B2 JP2017237938A JP2017237938A JP6881273B2 JP 6881273 B2 JP6881273 B2 JP 6881273B2 JP 2017237938 A JP2017237938 A JP 2017237938A JP 2017237938 A JP2017237938 A JP 2017237938A JP 6881273 B2 JP6881273 B2 JP 6881273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
gas
forming
wafer
processing container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017237938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019104963A (ja
Inventor
藤川 誠
藤川  誠
礼二 新納
礼二 新納
山口 達也
達也 山口
秀二 野沢
秀二 野沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2017237938A priority Critical patent/JP6881273B2/ja
Publication of JP2019104963A publication Critical patent/JP2019104963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6881273B2 publication Critical patent/JP6881273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、処理容器内に成膜ガスを供給して基板に重合体を成膜する技術に関する。
半導体装置の製造工程においては装置の配線を形成するために、半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)などの基板に対して処理ガスを供給することで、成膜処理が行われる。特許文献1には第1のモノマーを含む第1の処理ガスと、第2のモノマーを含む第2の処理ガスとを基板に供給し、ウエハ表面でモノマーを重合させることで、ポリイミド膜を成膜する装置について示されている。
特許第5966618号公報
ところで、ウエハの表面の所定の被保護領域がエッチングされることを防ぐための重合体である保護膜を、CVD(Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layer Deposition)によって成膜することが検討されている。上記の保護膜の形成用の成膜ガスについては、処理容器内に供給されるまでは固化あるいは液化してガス流路を形成する壁面に付着しないように、比較的高い温度に保たれると共に圧力損失が抑制される流路を介して処理容器内に供給され、処理容器内に供給された後はウエハへの成膜が可能なように降温されることが求められる。そのような制約のために成膜ガスの供給は、一般に、比較的狭い流路を備えるシャワーヘッドによっては行えないおそれが有る。その一方で、被保護領域が確実に保護されるように、ウエハの面内が均一性高く保護膜によって被覆されるように、成膜ガスを処理容器内に供給することが求められる。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に成膜ガスを供給して重合体からなる膜を成膜するにあたり、基板の面内に均一性高い膜厚で、且つ確実性高く膜を形成することができる技術を提供することである。
本発明の成膜装置は、真空雰囲気が形成される処理容器と、
前記処理容器内に設けられた基板を載置する載置部と、
互いに重合して前記基板の表面に重合体を成膜するための第1の成膜ガスと第2の成膜ガスとを前記処理容器内に吐出する成膜ガス供給部と、
前記成膜ガス供給部から吐出される第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスの温度を、前記載置部に載置される基板の温度よりも高くするための温度調整部と、
前記成膜ガス供給部から吐出される前記第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスが、基板に供給される前に衝突するように設けられた被衝突部材と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、処理容器内の載置部に載置される基板の温度よりも高い温度に加熱された第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスが基板に供給される前に衝突する被衝突部材が設けられる。それによって、第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスが基板に供給される前に十分に拡散すると共に基板上でこれらのガスが冷却されることで当該基板への吸着、重合が促進される。結果として、当該基板に均一性高い膜厚を有すると共に確実性高く重合体からなる膜を形成することができる。
本発明の第1の実施形態に係る成膜装置の縦断側面図である。 前記成膜装置によって行われるガス供給のタイミングを示すチャート図である。 ポリ尿素が形成される重合反応の説明図である。 前記成膜装置が用いられる処理を受けるウエハの縦断側面図である。 前記ウエハの縦断側面図である。 前記ウエハの縦断側面図である。 ガス供給の他のタイミングを示すチャート図である。 前記成膜装置の変形例を示す縦断側面図である。 第2の実施形態に係る成膜装置の縦断側面図である。 前記成膜装置の縦断側面図である。 前記成膜装置の変形例を示す縦断側面図である。 前記成膜装置の変形例を示す縦断側面図である。 前記基板処理装置における処理に用いられる化合物を示す説明図である。 前記基板処理装置における処理に用いられる化合物を示す説明図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施の形態に係る成膜装置1について、図1の縦断側面図を参照しながら説明する。この成膜装置1は、処理容器11内に成膜ガスを供給して、尿素結合を含む重合体(ポリ尿素)を成膜する。この重合体は、例えば後述するように、ウエハWの特定の部位がエッチングされることを防ぐための保護膜をなす。
この例では上記の重合体である保護膜を形成するための第1のモノマーとして、ジアミンである1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(H6XDA)を含む第1の成膜ガスと、当該保護膜を形成するための第2のモノマーとして、イソシアネートである1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)を含む第2の成膜ガスとが供給される。これら第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスが交互に繰り返しウエハWに供給され、ウエハWの表面で蒸着重合されることで当該保護膜が成膜される。なお、詳しくは後述するように、第1のモノマー、第2のモノマーとしては夫々H6XDA、H6XDIには限られない。
上記の処理容器11は、円形の気密な真空容器として構成されている。図中12は処理容器11の側壁に設けられる側壁ヒーターであり、図中13は、処理容器11の天井壁(天板)に設けられる天井ヒーターである。図中14は処理容器11の天井面であり、水平な平坦面として形成されており、天井ヒーター13によりその温度が制御される。処理容器11の下部側には、水平に形成された表面(上面)にウエハWを載置する円形の載置台21が設けられている。載置部である載置台21にはステージヒーター20が埋設されている。このステージヒーター20は、載置台21上のウエハWに保護膜の形成が行えるように、当該ウエハWを加熱する。ただし、比較的低い温度で成膜を行うことができる成膜ガスを用いる場合には、このステージヒーター20による加熱を行わなくてもよい。つまり成膜ガスの種類によってはステージヒーター20を用いなくてもよい。このステージヒーター20は、後述の配管ヒーター60と共に温度調整部をなす。
図中22は、載置台21を処理容器11の底面に支持する支柱である。図中23は垂直な昇降ピンであり、載置台21の周方向に間隔を空けて設けられた貫通孔に各々挿通されている。なお、図1では3つ設けられる昇降ピン23のうち2つのみ表示している。図中24は昇降機構であり、この昇降機構24により、昇降ピン23が載置台21の表面において突没し、図示しないウエハWの搬送機構と載置台21との間で、当該ウエハWの受け渡しが行われる。
図中31は処理容器11の側壁に開口した排気口であり、排気管を介して真空ポンプ及びバルブなどにより構成される排気機構32に接続されている。排気機構32による排気口31からの排気流量が調整されることにより、処理容器11内の圧力が調整される。なお図示は省略しているが、処理容器11の側壁においては、排気口31が開口する位置とは異なる位置に、開閉自在なウエハWの搬送口が形成されている。
また、処理容器11の側壁には、上記の保護膜を形成するための成膜ガス(第1の成膜ガス及び第2の成膜ガス)を供給する成膜ガス供給部であるガスノズル41が設けられている。このガスノズル41は、上記の側壁において載置台21の中心部から見て、上記の排気口31の反対側に設けられている。そして、当該ガスノズル41は処理容器11の側壁から処理容器11の中心側に向けて突出する棒状に形成され、当該ガスノズル41の先端部は斜め上方に向けて屈曲されている。そして、ガスノズル41の先端に開口する吐出口から、斜め上方に向けてガスが吐出される。
図1においては、鎖線の矢印で処理容器11内における成膜ガスの流れを示している。上記のようにガスノズル41が形成されているため、吐出される成膜ガスは、ウエハWに供給されるより前に被衝突部材である処理容器11の天井面14に衝突する。つまり、成膜ガス供給部に設けられたガス吐出口から当該ガス吐出口の開口方向、即ちガスの吐出方向に向かって見たときに、ウエハWではなく被衝突部材が位置している。なお、天井面14においてガスが衝突する領域は、例えば載置台21の中心よりもガスノズル41の吐出口寄りの位置であり、平面で見たときにはウエハWの端部付近である。
そのように処理容器11の天井面14に衝突した成膜ガスは跳ね返って下方のウエハWに向かうように供給された後、排気口31へ向かって流れて排気される。このように成膜ガスを天井面14に衝突させてからウエハWに供給されるようにすることで、ガスノズル41からウエハWに向けて成膜ガスが直接供給される場合に比べて、ガスノズル41から吐出された成膜ガスがウエハWに至るまでに移動する距離が長くなる。そのように移動距離が長くなることで、成膜ガスは横方向に十分に拡散してウエハWに供給され、ウエハWの面内に均一性高く供給される。
後述するようにガスノズル41から吐出される成膜ガスの温度は、ガスノズル41に供給されるまでの流路において液化することを防ぐために比較的高く、天井面14における温度よりも高い。従って、天井面14に衝突した成膜ガスは降温されて、ウエハWに供給される。そのように降温されることで成膜ガスのウエハWの吸着性が高くなり、効率良く成膜が進行する。つまり、天井面14はガスの拡散部材としての役割の他に降温部材としての役割を有している。また、天井面14の温度としては、当該天井面14における成膜を抑制するためにウエハWの温度よりも高い。
成膜ガス及び成膜装置1の各部についての温度の関係を、より具体的に説明する。上記のガスノズル41に供給されるまでの流路における成膜ガスの液化を防止し、ウエハWにおいては成膜ガスが吸着して成膜がなされるようにするために、ウエハWの表面における成膜ガスの飽和蒸気圧に比べてガスノズル41から吐出される際の成膜ガスの飽和蒸気圧を2桁以上高くすることが好ましく、そのためにガスノズル41から吐出されるガスの温度は、ウエハWの表面におけるガスの温度よりも好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上高くすることが好ましい。そして、天井面14における成膜量(膜厚)をウエハWにおける成膜量に比べて2桁以上低減させる、つまり当該天井面14に成膜されることを抑制するために、天井面14における成膜ガスの温度ついてはウエハWの表面におけるガスの温度よりも例えば20℃以上高い温度とすることが好ましい。この処理例においては、ウエハWの温度を80℃、天井面14の温度を100℃に設定し、これらウエハWの表面における成膜ガスの温度、天井面14に衝突したガスの温度が夫々80℃、100℃となるようにする。そして、ガスノズル41から吐出される成膜ガスの温度を160℃とする。
成膜装置1の構成の説明に戻る。図中52はガス供給管であり、処理容器11の外側からガスノズル41に接続されている。ガス供給管52の上流側は分岐し、ガス導入管53、54を形成している。ガス導入管53の上流側は、流量調整部61、バルブV1をこの順に介して気化部62に接続されている。気化部62内においては、上記のH6XDAが液体の状態で貯留されており、気化部62はこのH6XDAを加熱する図示しないヒーターを備えている。また、気化部62にはガス供給管63Aの一端が接続されており、ガス供給管63Aの他端はバルブV2、ガス加熱部64をこの順に介してN(窒素)ガス供給源65に接続されている。このような構成により、加熱されたNガスが気化部62に供給されて当該気化部62内のH6XDAを気化させ、当該気化に用いられたNガスとH6XDAガスとの混合ガスを第1の成膜ガスとして、ガスノズル41に導入することができる。
また、ガス供給管63Aにおけるガス加熱部64の下流側且つバルブV2の上流側は分岐してガス供給管63Bを形成し、このガス供給管63Bの下流端は、バルブV3を介してガス導入管53のバルブV1の下流側且つ流量調整部61の上流側に接続されている。このような構成によって、上記の第1の成膜ガスをガスノズル41に供給しないときには、ガス加熱部64で加熱されたN2ガスを、気化部62を迂回させてガスノズル41に導入することができる。流量調整部61、気化部62、ガス加熱部64、N2ガス供給源65、バルブV1〜V3、ガス供給管63A、63B、ガス導入管53における流量調整部61の上流側の部位を、第1の成膜ガス供給機構5Aとする。
またガス導入管54の他端は、流量調整部71、バルブV4をこの順に介して気化部72に接続されている。気化部72内においては、上記のH6XDIが液体の状態で貯留されており、気化部72はこのH6XDIを加熱する図示しないヒーターを備えている。また、当該気化部62にはガス供給管73Aの一端が接続されており、ガス供給管73Aの他端はバルブV5、ガス加熱部74を介してNガス供給源75に接続されている。このような構成により、加熱されたNガスが気化部72に供給されて当該気化部72内のH6XDIを気化させ、当該気化に用いられたNガスとH6XDIガスとの混合ガスを第2の成膜ガスとして、ガスノズル41に導入することができる。
また、ガス供給管73Aにおけるガス加熱部74の下流側且つバルブV5の上流側は分岐してガス供給管73Bを形成し、このガス供給管73Bの下流端は、バルブV6を介してガス導入管54のバルブV4の下流側且つ流量調整部71の上流側に接続されている。このような構成によって、上記の第2の成膜ガスをガスノズル41に供給しないときには、ガス加熱部74で加熱されたNガスを、気化部72を迂回させてガスノズル41に導入することができる。流量調整部71、気化部72、ガス加熱部74、N2ガス供給源75、バルブV4〜V6、ガス供給管73A、73B、ガス導入管54における流量調整部61の上流側の部位を、第2の成膜ガス供給機構5Bとする。
ガス供給管52及びガス導入管53、54には、流通中の成膜ガス中のH6XDA及びH6XDIが液化することを防ぐために、例えば管内を加熱するための配管ヒーター60が各々管の周囲に設けられる。この配管ヒーター60によって、ガスノズル41から吐出される成膜ガスの温度が調整される。なお、図示の便宜上、配管ヒーター60は配管の一部のみに示しているが、液化を防ぐことができるように例えば配管全体に設けられている。また、ガスノズル41から処理容器11内に供給されるガスについて、以降は単にN2ガスと記載した場合には、上記のように気化部62、72を迂回して供給された単独のN2ガスを指すものとし、成膜ガスに含まれるN2ガスと区別する。
成膜装置1はコンピュータである制御部10を備えており、この制御部10は、プログラム、メモリ、CPUを備えている。プログラムには、後述するウエハWに対する処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれており、このプログラムは、コンピュータ記憶媒体、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、DVD等に格納され、制御部10にインストールされる。制御部10は当該プログラムにより成膜装置1の各部に制御信号を出力し、各部の動作を制御する。具体的には、排気機構32による排気流量、流量調整部61、71による処理容器11内へ供給する各ガスの流量、N2ガス供給源65、75からのN2ガスの供給、各ヒーターへの供給電力、昇降機構24による昇降ピン23の昇降などの各動作が制御信号により制御される。
続いて、上記の成膜装置1を用いてウエハWに行われる処理について、各ガスが供給される期間を示すタイミングチャートである図2を参照しながら説明する。ウエハWが、図示しない搬送機構により処理容器11内に搬入され、昇降ピン23を介して載置台21に受け渡される。側壁ヒーター12、天井ヒーター13、ステージヒーター20、配管ヒーター60が各々所定の温度になるように昇温する。そのように各ヒーターの出力が調整される一方で、処理容器11内が、所定の圧力の真空雰囲気となるように調整される。
そして、第1の成膜ガス供給機構5Aからは第1の成膜ガスが、第2の成膜ガス供給機構5BからはN2ガスが、各々ガスノズル41に供給され、これらのガスが混合されて140℃となった状態でガスノズル41から吐出される(チャート中、時刻t1)。当該混合ガスは、図1で説明したように天井面14に衝突し、100℃に冷却されると共に拡散されてウエハWに供給される。混合ガスは、ウエハWでさらに冷却されて80℃となり、混合ガス中の第1の成膜ガスが当該ウエハWに吸着される。
その後、第1の成膜ガス供給機構5Aからは第1の成膜ガスの代わりにN2ガスが供給され、ガスノズル41からはN2ガスのみが吐出される状態となる(時刻t2)。このN2ガスがパージガスとなり、処理容器11内でウエハWに吸着されていない第1の成膜ガスがパージされる。
然る後、第2の成膜ガス供給機構5Bから、H6XDIを含む第2の成膜ガスがガスノズル41に供給され、これらのガスが混合されて140℃となった状態でガスノズル41から吐出される(時刻t3)。この混合ガスについても時刻t1〜t2で処理容器11内に供給される第1の成膜ガスを含む混合ガスと同様に、天井面14に衝突して冷却されると共に拡散されてウエハWに供給され、ウエハW表面でさらに冷却される。そして、混合ガス中に含まれる第2の成膜ガスがウエハWに吸着される。そして、吸着された第2の成膜ガスは、既にウエハWに吸着されている第1の成膜ガスと重合反応し、ウエハWの表面にポリ尿素膜が形成される。図3は、この第1の成膜ガスと第2の成膜ガスとの反応によるポリ尿素の生成を示す反応式である。
その後、第2の成膜ガス供給機構5Bからは第2の成膜ガスの代わりにN2ガスが供給され、ガスノズル41からはN2ガスのみが吐出される状態となる(時刻t4)。このN2ガスがパージガスとなり、処理容器11内でウエハWに吸着されていない第2の成膜ガスがパージされる。既述した一連の処理である、ガスノズル41から第1の成膜ガスを含む混合ガスの吐出、ガスノズル41からN2ガスのみの吐出、ガスノズル41から第2の成膜ガスを含む混合ガスの吐出、ガスノズル41からN2ガスのみの吐出を1つのサイクルとすると、時刻t4以降はこのサイクルが繰り返し行われ、ポリ尿素膜の膜厚が上昇する。そして、所定の回数のサイクルが実行されると、ガスノズル41からのガスの吐出が停止する。
この成膜装置1によれば、載置台21に載置されるウエハWの温度よりも第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスの温度が高くなるように各ヒーターの出力が調整される。そして、ガスノズル41から吐出された第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスはウエハWに供給される前に処理容器11の天井面14に衝突した後にウエハWに供給される。従って、第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスはウエハWに至るまでに十分に拡散されて、ウエハWの面内に均一性高くポリ尿素膜が成膜される。また、第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスは、ウエハW表面で冷却されるので当該ウエハWへの吸着が促進されて確実性高く成膜を行うことができる。
そして、天井面14の温度がガスノズル41から吐出される第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスの温度よりも低いので、ガスノズル41から吐出される第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスの温度を、ウエハWに至るまでに、より確実に十分に低下させることができる。従ってウエハWに対して、より確実且つ効率良い成膜を行うことができ、スループットを高くすることができる。
成膜装置1と、エッチング装置とを用いて行われるプロセスの一例について説明する。図4(a)では、下層膜81、層間絶縁膜82、ハードマスク膜83が下方から上方に向けてこの順で積層されて構成されたウエハWの表面部を示しており、ハードマスク膜83には開口部であるパターン84が形成されている。パターン84を介して当該層間絶縁膜82をエッチングして配線の埋め込み用の凹部を形成するにあたり、凹部の側壁がダメージを受けないように上記のポリ尿素膜を保護膜として形成する。先ず、エッチング装置により、層間絶縁膜82に凹部85を形成した後(図4(b))、上記の成膜装置1により、ウエハWの表面にポリ尿素膜86を形成する。つまり凹部85の側壁及び底部が、ポリ尿素膜86により被覆される(図4(c))。その後、ウエハWはエッチング装置に搬送されて、異方性エッチングにより凹部85の深さが大きくなる。このエッチング時においては、凹部85の側壁にポリ尿素膜86が成膜されて保護された状態で、当該凹部85の底部がエッチングされる(図5(a))。
その後、ウエハWは成膜装置1に搬送されてその表面に新たにポリ尿素膜86が成膜される(図5(c))。その後、再びポリ尿素膜86によって凹部85の側壁が保護された状態で当該凹部85の底部がエッチングされ、下層膜81が露出するとエッチングが終了する。その後、ウエハWは加熱され、ポリ尿素膜86は解重合されて気化し、ウエハWから除去される(図6)。
ところで、第1の成膜ガスの温度及び第2の成膜ガスの温度が比較的高いと、各部への吸着及び成膜が起こり難い。そこで、図7のタイミングチャートに示すように、第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスを同時にガスノズル41に供給し、当該ガスノズル41から処理容器11内に吐出するようにしてもよい。つまり、図2に示すALDによる成膜を行うことには限られず、この図7に示すようにCVDによって成膜を行うようにしてもよい。
図8には、成膜装置1の変形例である成膜装置9を示している。成膜装置1との差異点を説明すると、成膜装置9においては、ガスノズル41と同様に構成されたガスノズル91、92が処理容器11の側壁に設けられている。つまり、ガスノズル91、92から吐出されたガスは処理容器11の天井面14に衝突する。図8では、図1と同様にガスノズルから吐出されたガスの流れを示している。
ガスノズル91はガス導入管53に、ガスノズル92はガス導入管54に接続されている。従ってガスノズル91は、第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスのうちの第1の成膜ガス吐出専用のガスノズルであり、ガスノズル92は第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスのうちの第2の成膜ガス吐出専用のガスノズルである。このように構成することで、処理容器11内に供給されるまでに第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスが反応して流路内で成膜されることを、より確実に防ぐことができる。なお、図8では、ガスノズル91、92が処理容器11の側壁の上側、下側に夫々設けられているが、このような配置には限られず、例えば同じ高さに配置してもよい。
(第2の実施形態)
続いて第2の実施形態である成膜装置100について、図9、図10を参照しながら、成膜装置1との差異点を中心に説明する。この成膜装置100は、処理容器11の側壁にガスノズル41の代わりにガスノズル101が設けられており、このガスノズル101は水平方向にガスを吐出するように構成されている。そして、処理容器11の天井面14から衝突板102が下方に突出するように、垂直に設けられている。衝突板102は、比較的伝熱性が高い材料により構成されており、処理容器11の天井面14を含む天板と同じ温度となるように構成されている。衝突板102の一方の主面はガスノズル101の吐出口に対向し、他方の主面は排気口31に対向している。なお、図9は衝突板102の側面を、図10は衝突板102の一方の主面を夫々示す成膜装置100の縦断側面図である。図9に示すように処理容器11内を横方向に見て、例えば衝突板102は、ウエハWよりもガスノズル101寄りの位置に設けられている。
図9の鎖線の矢印は図1の鎖線の矢印と同じく、ガスノズルから吐出されるガスの流れを示している。上記のように衝突板102が設けられていることにより、ガスノズル41から吐出されたガスは被衝突部材である衝突板102に衝突し、衝突板102の下方及び側方を通過してウエハWの一端へ向かい、ウエハWの面方向に沿ってウエハWの他端へ向かい、排気口31から排気される。
衝突板102の温度は、ガスノズル101から吐出されるガスの温度よりも低く、ウエハWの温度より高い。そのため、ガスノズル101から吐出されて衝突板102に衝突したガスは降温される。従って、この成膜装置100においては衝突板102が第1の実施形態の処理容器11の天井面14と同様に、拡散部材及び降温部材の役割を果たす。このように構成されるため、成膜装置100においても成膜装置1と同様の効果を奏する。なお、衝突板102は上記のように比較的高い伝熱性を有し、且つ天井面14に設けられていることで、成膜処理中に当該衝突板102の温度よりも高い温度のガスが衝突しても、そのガスから受ける熱は衝突板102から処理容器11の天板へと伝導され、この天板から処理容器11の外側の大気雰囲気に放熱される。従って、成膜処理中における衝突板102の温度上昇が抑制され、成膜処理中に衝突板102は降温部材として機能し続けることができる。
図11、図12の縦断側面図は、成膜装置100の変形例である成膜装置110を示している。成膜装置100との差異点を説明すると、この成膜装置110は、ガスノズル101の代わりにガスノズル111、112を備えている。図11はこのガスノズル111、112を側方から見たときの成膜装置110の縦断側面図であり、図12は、ガスノズル111、112からガスの吐出方向に見た成膜装置110の縦断側面図である。これらのガスノズル111、112には、ガスノズル91、92と同様にガス導入管54、55が夫々接続されている。従って、ガスノズル111はガスノズル91と同様に第1の成膜ガスを吐出する専用のガスノズルであり、ガスノズル112はガスノズル92と同様に第2の成膜ガスを吐出する専用のガスノズルである。これらガスノズル111、112は、ガスノズル101と同様に水平方向に向けてガスを吐出し、吐出されたガスは衝突板102の主面に衝突した後、ウエハWに供給される。
ところで、第1のモノマー及び第2のモノマーを各々気化させ、蒸着重合させて重合体である保護膜を形成するにあたり、第1のモノマー、第2のモノマーとしては夫々上記のH6XDA、H6XDIに限られないし、保護膜としてもポリ尿素であることには限られない。しかし、これらの第1のモノマー及び第2のモノマーとしては容易に気化させて処理容器11内に導入することができるように蒸気圧が比較的高く、例えば200℃で1Torr(133.3Pa)以上であるのものを用いることが好ましい。また、ウエハW表面で確実に第1のモノマーと第2のモノマーとを反応させて保護膜を成膜するために、反応のための活性化エネルギー(反応エネルギー)が低い化合物を第1のモノマー及び第2のモノマーとすることが好ましい。つまり、比較的低い温度においても成膜が可能なモノマーの組み合わせとすることが好ましい。
アミンである第1のモノマーとイソシアネートである第2のモノマーとから上記のポリ尿素を保護膜として生成するための上記の活性化エネルギーは5〜15kJ/molである。また、アミンである第1のモノマーと、酸無水物である第2のモノマーとを反応させることで形成されるイミド結合を有する重合体(ポリイミド)を保護膜として形成する場合も、活性化エネルギーは5〜15kJ/molである。また、アルコールである第1のモノマーとイソシアネートである第2のモノマーとを反応させて得られるウレタン結合を有する重合体(ポリウレタン)を保護膜としてもよいし、アミンである第1のモノマーとカルボン酸である第2のモノマーとを反応させて得られるアミド結合を有する重合体(ポリアミド)を保護膜としてもよい。ただし、上記のようにポリウレタンを生成するための活性化エネルギーは50〜60kJ/mol、ポリアミドを生成するための活性化エネルギーは80〜100kJ/molであるため、ポリ尿素及びポリイミドを保護膜とすることが好ましい。特に、ポリ尿素を保護膜とする場合は、200℃程度以上の比較的低い加熱温度で解重合させることができるため、ウエハWからの除去が比較的容易であるため好ましい。
図13では上記の保護膜として、ポリ尿素を形成するための第1のモノマーと、第2のモノマーとの組み合わせの一例を示しており、この図13に示した例では第1のモノマーをジアミン、第2のモノマーをイソシアネートとしている。図中で横方向の位置が互いに同じで、上下方向に各々示した第1のモノマーと、第2のモノマーとが、互いに保護膜の成膜に使用されるものとする。また、これら互いに使用される第1のモノマーと第2のモノマーとの下方には、反応に必要な温度を記載している。従って、成膜装置1に設けられる各ヒーターは、第1のモノマーと第2のモノマーとを反応させるために、この図に示した温度以上の温度となるようにウエハWを加熱する。
具体的に図13に示した例を説明すると、1,12-ジアミノドデカン(DAD)と4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)とを用いて140℃で成膜することができる。DADとH6XDIとを用いて100℃で成膜することができる。既述したようにH6XDAとH6XDIとを用いて70℃で成膜することができる。ヘキサメチレンジアミンとH6XDIとを用いて40℃で成膜することができる。
図14では、保護膜としてポリイミドを形成するための第1のモノマー及び第2のモノマーの組み合わせの一例と成膜温度とを図13と同様に示す。この図14に示した例では第1のモノマーはジアミン、第2のモノマーは酸無水物である。具体的に、図に示すように4,4'-oxydianiline(44ODA)と1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)とを用いて200℃で成膜することができる。また、HMDAとPMDAとを用いて150℃で成膜することができる。なお、この図13、図14の化合物の組み合わせは一例であり、記載されていない化合物の組み合わせを用いて保護膜を成膜してもよい。
ところで上記の各成膜装置において、ガスノズルについては、上記の構成例には限られず、例えば横方向に幅広の吐出口を備えるものを用いてもよい。またガスノズル41、91、92について、天井面14に向けて斜め方向にガスを吐出するように構成することには限られず、天井面14に向けて垂直方向にガスを吐出するように構成してもよい。また、成膜装置100、110において、天井面14から突出する突起については上記のようにガスの拡散部材及び降温部材の役割を果たすものであればよく、上記の板として構成されることには限られず、棒状に形成されてもよい。また排気口31については、上記のように処理容器11の側壁に設けることには限られず、処理容器11の底面に設けてもよい。ただし、ウエハWの表面の一端側から他端側へと流れるように成膜ガスの気流を形成して、ウエハWに均一性高く成膜を行うためには、既述のように処理容器11の側壁に排気口31を設けることが好ましい。
さらに、衝突板102は天井面14に接しておらず、熱伝導性が比較的高い支持部材を介して処理容器11の側壁に支持されるように設けてもよい。つまり、衝突板102の温度が当該側壁と同じ温度になるように構成し、衝突されたガスから受けた熱が処理容器11の側壁に伝熱され、当該側壁から放熱されるようにしてもよい。基板についてはウエハWであることには限られず、フラットパネルディスプレイ製造用のガラス基板などに処理を行うようにしてもよい。なお、本発明は、上記した実施形態に限られず、適宜変形したり組み合わせることができる。
W ウエハ
1 成膜装置
10 制御部
11 処理容器
14 天井面
21 載置台
20 ステージヒーター
31 排気口
41、91、92 ガスノズル
60 配管ヒーター

Claims (5)

  1. 真空雰囲気が形成される処理容器と、
    前記処理容器内に設けられた基板を載置する載置部と、
    互いに重合して前記基板の表面に重合体を成膜するための第1の成膜ガスと第2の成膜ガスとを前記処理容器内に吐出する成膜ガス供給部と、
    前記成膜ガス供給部から吐出される第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスの温度を、前記載置部に載置される基板の温度よりも高くするための温度調整部と、
    前記成膜ガス供給部から吐出される前記第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスが、基板に供給される前に衝突するように設けられた被衝突部材と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記被衝突部材の温度は、前記成膜ガス供給部から吐出される前記第1の成膜ガス及び第2の成膜ガスの温度よりも低く、且つ前記基板の温度よりも高いことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記被衝突部材は前記処理容器の天井面であり、
    前記成膜ガス供給部は前記処理容器の側壁に設けられ、当該処理容器の天井面へ向けてガスを吐出することを特徴とする請求項1または2記載の成膜装置。
  4. 前記被衝突部材は前記処理容器の天井に設けられる突起であり、
    前記成膜ガス供給部は前記処理容器の側壁に設けられ、当該突起へ向けてガスを吐出することを特徴とする請求項1または2記載の成膜装置。
  5. 前記重合体は、尿素結合を含む重合体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の成膜装置。
JP2017237938A 2017-12-12 2017-12-12 成膜装置 Active JP6881273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017237938A JP6881273B2 (ja) 2017-12-12 2017-12-12 成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017237938A JP6881273B2 (ja) 2017-12-12 2017-12-12 成膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019104963A JP2019104963A (ja) 2019-06-27
JP6881273B2 true JP6881273B2 (ja) 2021-06-02

Family

ID=67060983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017237938A Active JP6881273B2 (ja) 2017-12-12 2017-12-12 成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6881273B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7236953B2 (ja) * 2019-08-05 2023-03-10 東京エレクトロン株式会社 成膜装置および成膜方法
JP7433016B2 (ja) * 2019-10-28 2024-02-19 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法および基板処理システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10289902A (ja) * 1997-04-11 1998-10-27 Ulvac Japan Ltd 成膜装置
JP4112702B2 (ja) * 1998-09-11 2008-07-02 株式会社アルバック 成膜装置
JP2013030608A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置及びその処理ガス供給構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019104963A (ja) 2019-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8778815B2 (en) Film forming method
US9162252B2 (en) Film forming method
CN108630577B (zh) 成膜装置、成膜方法以及存储介质
JP7067424B2 (ja) エッチング方法及びエッチング装置
JP6881273B2 (ja) 成膜装置
US20200312672A1 (en) Composition for film deposition and film deposition apparatus
KR101692082B1 (ko) 소수화 처리 방법 및 소수화 처리 장치
JP2019212776A5 (ja) 半導体装置の製造方法、成膜用組成物および成膜装置
US20200234974A1 (en) Etching Method and Etching Apparatus
JP7419783B2 (ja) エッチング方法及びエッチング装置
JP6981356B2 (ja) 成膜装置及び成膜方法
JP7043950B2 (ja) 成膜装置、及び成膜方法
US20200203150A1 (en) Composition for film deposition and film deposition apparatus
US20200277512A1 (en) Composition for film deposition and film deposition apparatus
JP2019212777A5 (ja) 半導体装置の製造方法、成膜用組成物および成膜装置
JP2020150087A (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
US20210305056A1 (en) Etching method and etching apparatus
US11456184B2 (en) Substrate processing method and substrate processing system

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181029

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6881273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250