JP2019212777A5 - 半導体装置の製造方法、成膜用組成物および成膜装置 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、パターンが形成されたハードマスク膜、層間絶縁膜、および下層膜がこの順で積層されたウエハを供給する工程と、前記パターンを介して前記層間絶縁膜に凹部を形成する工程と、前記層間絶縁膜の凹部の側壁と底部に保護膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜の凹部の底部をエッチングする工程と、前記保護膜を形成する工程および前記エッチングする工程を前記下層膜が露出するまで繰り返す工程と、を有し、前記保護膜は、互いに重合して含窒素カルボニル化合物を生成する第1成分と第2成分とを有する組成物で形成され、前記第1成分の分子構造と前記第2成分の分子構造とが非対称である、半導体装置の製造方法を提供する。
<含窒素カルボニル化合物>
本実施形態の成膜用組成物において、第1成分と第2成分とが重合して生成される含窒素カルボニル化合物は、炭素−酸素の二重結合と窒素を含有する重合体である。含窒素カルボニル化合物は、第1成分と第2成分とが重合により成膜された膜の成分を構成する。含窒素カルボニル化合物は、このような重合体の膜として、例えば、ウエハの特定の部位がエッチングされることを防ぐための保護膜となり得る。
本実施形態の成膜用組成物において、第1成分と第2成分とが重合して生成される含窒素カルボニル化合物は、炭素−酸素の二重結合と窒素を含有する重合体である。含窒素カルボニル化合物は、第1成分と第2成分とが重合により成膜された膜の成分を構成する。含窒素カルボニル化合物は、このような重合体の膜として、例えば、ウエハの特定の部位がエッチングされることを防ぐための保護膜となり得る。
イソシアネートの構造は、特に制限されず、例えば、芳香族化合物、キシレン系化合物、脂環族化合物、脂肪族化合物等の基本骨格を採用することができる。これらの基本骨格を含むイソシアネートは、1種単独でもよく、または、2種以上の組み合わせでもよい。
第1成分のその他の物性としては、特に限定されないが、第1成分の吸着性を維持する観点から、第1成分の沸点が100〜500℃の範囲であることが好ましい。具体的には第1成分の沸点は、アミンの場合は100〜450℃、イソシアネートの場合は100〜450℃、カルボン酸の場合は120〜500℃、酸無水物の場合は150〜500℃、アルコールの場合は150〜400℃である。
第2成分のその他の物性としては、特に限定されないが、第2成分の吸着性を維持する観点から、第2成分の沸点が100〜500℃の範囲であることが好ましい。具体的には第2成分の沸点は、アミンの場合は100〜450℃、イソシアネートの場合は100〜450℃、カルボン酸の場合は120〜500℃、酸無水物の場合は150〜500℃、アルコールの場合は150〜400℃である。
本実施形態では、第1成分の分子構造と前記第2成分の分子構造とが非対称である。ここで、分子構造が非対称であるとは、2つの分子において、置換基または官能基を除いた分子の基本骨格が、点対称、線対称、面対称、回転対称のいずれでもないことを意味する。例えば、2つの分子が、環式化合物と鎖式化合物の場合、配向性が異なる芳香族化合物の場合、シス−トランス異性体(幾何異性体ともいう)を有する脂環族化合物等である場合、該2つの分子の分子構造は非対称となる。
ガスノズル41は、上記の保護膜を形成するための成膜ガス(第1成膜ガス及び第2成膜ガス)を供給する供給部(成膜ガス供給部)を構成する。ガスノズル41は、処理容器11の側壁において、載置台21の中心部から見て、排気口31の反対側に設けられている。
ガスノズル41は、処理容器11の側壁から処理容器11の中心側に向けて突出する棒状に形成されている。ガスノズル41の先端部は、処理容器11の側壁から水平に延びている。成膜ガスは、ガスノズル41の先端部に開口する吐出口から処理容器11内に吐出され、図1に示す鎖線の矢印の方向に流れて、排気口31から排気される。なお、ガスノズル41の先端部は、この形状に限定されず、成膜の効率を高める観点から、載置されたウエハWに向けて斜め下方に延びる形状にしてもよく、処理容器11の天井面14に向けて斜め上方に延びる形状にしてもよい。
気化部62内には、上記の第1成分M1(H6XDI)が液体の状態で貯留されている。気化部62は、このH6XDIを加熱する図示しないヒーターを備えている。また、気化部62には、ガス供給管63Aの一端が接続されており、ガス供給管63Aの他端はバルブV2、ガス加熱部64をこの順に介してN2(窒素)ガス供給源65に接続されている。このような構成により、加熱されたN2ガスが気化部62に供給されて気化部62内のH6XDIを気化させ、該気化に用いられたN2ガスとH6XDIガスとの混合ガスを第1成膜ガスとして、ガスノズル41に導入することができる。
また、ガス供給管73Aにおけるガス加熱部74の下流側且つバルブV5の上流側は分岐してガス供給管73Bを形成し、このガス供給管73Bの下流端は、バルブV6を介してガス導入管54のバルブV4の下流側且つ流量調整部71の上流側に接続されている。このような構成により、上記の第2成膜ガスをガスノズル41に供給しないときには、ガス加熱部74で加熱されたN2ガスが、気化部72を介さずにガスノズル41に導入される。なお、図1において、第2成膜ガス供給機構5Bは、上述の流量調整部71、気化部72、ガス加熱部74、N2ガス供給源75、バルブV4〜V6、ガス供給管73A、73B、ガス導入管54における流量調整部71の上流側の部位を含んで構成されている。
成膜装置1は、コンピュータである制御部10を備えており、この制御部10は、プログラム、メモリ、CPUを備えている。プログラムには、後述するウエハWに対する処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれており、このプログラムは、コンピュータ記憶媒体、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、DVD等に格納され、制御部10にインストールされる。制御部10は、該プログラムにより成膜装置1の各部に制御信号を出力し、各部の動作を制御する。具体的には、排気機構32による排気流量、流量調整部61、71による処理容器11内へ供給する各ガスの流量、N2ガス供給源65、75からのN2ガスの供給、各ヒーターへの電力供給、昇降機構24による昇降ピン23の昇降などの各動作が制御信号により制御される。
[成膜]
図7に示す成膜装置101を用いて、重合体の膜を成膜した。具体的には、処理容器111内にウエハWを載置し、室温で成膜ガス(第1成分M1と第2成分M2を有する成膜用組成物)を供給して、ウエハWに重合体の膜を成膜した。成膜は4枚のウエハWに対して同時に行った。ウエハWには、直径300mmのシリコンウエハを用いた。
図7に示す成膜装置101を用いて、重合体の膜を成膜した。具体的には、処理容器111内にウエハWを載置し、室温で成膜ガス(第1成分M1と第2成分M2を有する成膜用組成物)を供給して、ウエハWに重合体の膜を成膜した。成膜は4枚のウエハWに対して同時に行った。ウエハWには、直径300mmのシリコンウエハを用いた。
[比較例1]
第1成分M1としてH6XDIに替えて1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)を供給し、第2成分M2としてH6XDAに替えて1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(XDA)を供給した以外は、実施例1と同様に成膜し、評価した。XDIおよびXDAは、いずれもメタ配向性の芳香族化合物である。結果を表1および図9に示す。
第1成分M1としてH6XDIに替えて1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)を供給し、第2成分M2としてH6XDAに替えて1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(XDA)を供給した以外は、実施例1と同様に成膜し、評価した。XDIおよびXDAは、いずれもメタ配向性の芳香族化合物である。結果を表1および図9に示す。
Claims (12)
- パターンが形成されたハードマスク膜、層間絶縁膜、および下層膜がこの順で積層されたウエハを供給する工程と、
前記パターンを介して前記層間絶縁膜に凹部を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の凹部の側壁と底部に保護膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の凹部の底部をエッチングする工程と、
前記保護膜を形成する工程および前記エッチングする工程を前記下層膜が露出するまで繰り返す工程と、
を有し、
前記保護膜は、互いに重合して含窒素カルボニル化合物を生成する第1成分と第2成分とを有する組成物で形成され、
前記第1成分の分子構造と前記第2成分の分子構造とが非対称である、半導体装置の製造方法。 - 前記繰り返す工程の後に、前記ハードマスク膜および前記保護膜を除去する工程を有する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記凹部を形成する工程および前記エッチングする工程は、エッチング装置で行われ、
前記保護膜を形成する工程は、成膜装置で行われる、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。 - 互いに重合して含窒素カルボニル化合物を生成する第1成分と第2成分とを有し、
前記第1成分の分子構造と前記第2成分の分子構造とが非対称である、成膜用組成物。 - 前記含窒素カルボニル化合物は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の成膜用組成物。
- 前記第1成分および前記第2成分の少なくともいずれかは、イソシアネート、アミン、酸無水物、カルボン酸、およびアルコールのいずれか1種である、請求項4または5に記載の成膜用組成物。
- 前記第1成分および前記第2成分の少なくともいずれかは、芳香族化合物、キシレン系化合物、脂環族化合物、脂肪族化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の成膜用組成物。
- 前記第1成分および前記第2成分の少なくともいずれかは、1官能性化合物または2官能性化合物である、請求項6または7に記載の成膜用組成物。
- 前記第1成分および前記第2成分のいずれか一方がイソシアネートであり、
前記第1成分および前記第2成分のいずれか他方がアミンである、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の成膜用組成物。 - 前記イソシアネートは、2官能性脂環族化合物である、請求項9に記載の成膜用組成物。
- 前記アミンは、2官能性脂環族化合物である、請求項9または10に記載の成膜用組成物。
- 真空雰囲気が形成される処理容器と、
前記処理容器内に設けられた基板を載置する載置部と、
請求項4乃至11のいずれか1項に記載の成膜用組成物を前記処理容器内に供給する供給部とを有する、成膜装置。
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