JP4112148B2 - 縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せ - Google Patents

縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特開平11−47649号のように、縦型ポンプ式の液体注出用容器は、従来広く使用されており、この種容器は通常ポンプのシリンダおよび吸上げパイプを容器体内へ挿入させて、該ポンプが有する装着筒を容器体口頸部外面へ螺合させ、シリンダ内から容器体上方へ付勢されて起立する作動部材上端のノズル付き押下げヘッドを付勢に抗して押下げ又付勢により上昇させることで、容器体内液体をシリンダ内へ吸上げかつ該シリンダ内液体を上記ノズルから噴出させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記縦型ポンプ式容器は、装着筒螺脱により容器体からポンプを外すことが可能に形成しているから、容器体内液体が無くなると、上記のようにポンプを外し、容器体内へ液体を補充し、かつポンプを再装着することで使用を継続することが出来る。
【0004】
上記容器は洗浄液、シャンプー、リンス等の吐出用として、家庭用としても、又ホテル等でも使用されているが、ホテル等にあっては、上記のようにポンプを外し、容器体内液体を異種液体に入れ換えする悪戯があり、関係者はその対策に困惑している。
【0005】
本発明は、上記悪戯を防止して容器体からのポンプの取外しをホテル等の担当者だけが行えるよう設けたものであり、上記ポンプ着脱用の装着筒を、別に設けた摺動筒で囲み、該摺動筒を装着筒に対して上昇又は下降させた状態でだけその装着筒が摺動筒と噛合って該摺動筒を介して装着筒を螺脱できると共に、下降又は上昇させた位置では、装着筒に対して摺動筒が空回りして装着筒の螺脱が不能とし、又摺動筒の上下動は適宜治具を使用しない限りほぼ不能として、その治具は上記担当者が管理するようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は、容器本体1に対する縦型ポンプ11の着脱を、該ポンプに付設されて容器体口頸部外面へ螺合する装着筒12の螺合、螺脱で行うよう設けた縦型ポンプ式容器と、
該容器が有する摺動筒移動用の治具との組合せであって
上記縦型ポンプ式容器は、上記装着筒12の外面へ、一定ストロークだけ上下動可能に摺動筒31を嵌合させると共に、上記装着筒外面と摺動筒の内面との各上下方向一部にはそれぞれ第1、第2噛合突条15、34を縦設して、装着筒12に対して摺動筒31が上限又は下限に位置する状態で上記両噛合突条が噛合って摺動筒を介して装着筒12を螺動可能とすると共に、下限又は上限へ摺動させたときには上記噛合せが外れて、摺動筒が空転可能となるように形成し、
上記治具 51 は、上記摺動筒 31 下面と係合させるための突片 55 を有しており
容器本体の口頸部に連なる肩部2の上面と摺動筒 31 の下面との間に、該摺動筒が下限位置にあるときに上記突片挿入用の間隙を形成されるようにして、該突片により摺動筒 31 の下面を押し上げることが可能であり、かつこの突片付きの治具 51を用いない限り摺動筒12に対しての摺動筒31の上下動をほぼ不能とするように設け、
更に上記摺動筒空転位置にあっては、装着筒のほぼ全外周面を摺動筒31が覆合可能に形成している。
【0007】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に装着筒12下端よりも下方に位置する容器本体口頸部下方部分に、装着筒下端との間に小間隙をおいて第1係合突条4を周設し、又摺動筒31下端に内向きフランジ32を付設して、該内向きフランジを上記小間隙内に位置させ、かつ該内向きフランジ内周部下面を第1係合突条4の先端部上面へ載置させて、該位置を摺動筒31の上限となし、
又このとき摺動筒31上端は装着筒上端よりも上方に位置して、摺動筒上端部内面に周設した第2係合突条33が、摺動筒31下降により装着筒12の上端部へ係合した位置を摺動筒31の下限とした。
【0008】
第3の手段として上記第1の手段を有すると共に装着筒12の上端部外面に第3係合突条41を周設すると共に、摺動筒31の中間部内面の上下に第4係合突条42と第5係合突条43とを、これ等両突条間に上記第3係合突条41が嵌合する凹溝44を挾んで周設させ、
又上記第1、第2噛合突条15、34は上記第5係合突条43よりも下方の装着筒部分外面および摺動筒部分内面に縦設させ、
凹溝44内に第3係合突条41が嵌合する位置を摺動筒の上限とすると共に、摺動筒上端部内面に付設した第2係合突条33が装着筒12の上端部へ係合した位置を摺動筒31の下限とした。
【0009】
第4の手段として、上記第1、第2、又は第3の手段を有すると共に、上記治具 51 は、上記摺動筒31とほぼ同一の内外径を有する周壁52を頂壁53外周から垂下すると共に、該周壁の一部には周壁下端に開口させて割溝54を縦設し、又周壁下端の他の一部からは側外方へ突片55を突出して形成し、上記周壁52は、該周壁内へ作動部材上端の押下げヘッド18を、又割溝54内へ上記押下げヘッドから外方突出するノズル17の基部をそれぞれ挿入させて、摺動筒上端面上へ周壁52下端面を載置させた状態からの頂壁53押下げにより摺動筒31を上限から下限まで押下げ可能に形成し、又上記突片55は、摺動筒31の下端面へ該突片上面を係合させての周壁引上げにより、下限に位置する摺動筒31を上限まで引上げ可能な強度に形成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1から図3は、本発明に係る縦形ポンプ式容器と該容器が有する摺動移動用治具との組合せに係る縦形ポンプ式容器の第1例を示している。1は胴部上端から肩部2を介して口頸部3を起立する容器体である。口頸部外面には後述の装着筒を螺合するための雄ねじを付設し、かつ口頸部の下部外面には第1係合突条4を周設している。
【0011】
上記容器体には、縦型ポンプ11を、該ポンプが有する装着筒12を容器体口頸部3外面へ螺合させることで着脱自在に装着している。該ポンプは公知のものであるから図に示すその一例について簡単に説明すると、13は上部外面に外向きフランジ14を付設したシリンダで、その外向きフランジをパッキングを介して容器体口頸部上端面上へ載置させて容器体内へ垂下する。該シリンダは通常その下端から吸上げパイプを容器体内底部まで垂下する。上記シリンダの外向きフランジ14は、装着筒上端に付設した内向きフランジ12a の下面へその外周部上面を当て、又外周面を内向きフランジ下方の装着筒上端部内面へ嵌合させている。該装着筒は上部外周面に第1噛合突条15を多数縦設している。該突条については後述する。 上記シリンダ内からは、上方付勢させてステム16上端にノズル17付きの押下げヘッド18を嵌着させた作動部材19を上方へ起立しており、ステム下端には筒状ピストンを付設し、その作動部材を下方へ押下げすると、シリンダ底部内に設けた吸込み弁が閉じ、又ステム上端部内等に設けた吐出弁が開いてシリンダ内液体がステムおよびノズルを通って吐出され、又作動部材を離すと付勢されていることで該作動部材は上昇し、このとき吸込み弁は開き、又吐出弁は閉塞することでシリンダ内へ容器体内液体を吸込むものである。
【0012】
20は筒状ピストン抜出し防止用筒体で、シリンダ13の上端部内面へ内筒を嵌着させると共に該内筒上端に付設した外向きフランジ状頂壁外周から既述押下げヘッドの周壁螺合用の雄ねじ筒21を垂下し、又該筒下端から外向きフランジ状張出し板を介して短外筒22を垂下し、該短外筒下端を装着筒12の内向きフランジ12a 上面へ当接させている。
【0013】
本発明にあっては、既述装着筒12外面へ一定ストロークだけ上下動可能に摺動筒31を嵌合させている。該摺動筒はその下端に内向きフランジ32を付設し、又上端内面に第2係合突条33を周設して、図1が示すように第1係合突条4の上面に内向きフランジ32内周部下面が係合するときは装着筒12上端よりも上方に第2係合突条33が位置し、又強制押下げにより摺動筒31が下降すると、上記第2係合突条33が装着筒12の上端部外面へ係合し、このとき内向きフランジ32は第1係合突条4を乗越えて下方に移動するよう設けている。図示例では装着筒上端部を小外径として該小外径部分の下面へ第2係合突条33が係合するよう設けているが、必ずしもこのようにする必要はなく、内向きフランジ外周部上面へ係合させてもよい。
【0014】
摺動筒31の上下方向中間部内面には既述第1噛合突条15と噛合う第2噛合突条34を多数縦設している。該第2噛合突条34は図3のように摺動筒31を下限まで移動させたとき、第1噛合突条15との噛合せが外れ、従って該位置では装着筒12に対して摺動筒31は空転し、図1のように上記両突条を噛合せたときにだけ、摺動筒31を介して装着筒12を回動させ螺脱することが可能とする。
【0015】
上記実施形態にあっては、図3が示すように装着筒12に対して摺動筒31を下降させたとき、摺動筒が空転するよう設けたが、既述第1、第2噛合突条15、34の位置を変えることもできる。図4は本発明の縦形ポンプ式容器と治具との組合せのうちの縦形ポンプ式容器の第2例を示している。この例では、摺動筒31下降時に第1、第2噛合突条15、34が噛み合い、又図5が示すように摺動筒31上昇時に摺動筒が空転するよう設けることが出来る。
【0016】
図6は本発明の縦形ポンプ式容器と治具との組合せのうちの縦形ポンプ式容器の第3例を示す。
【0017】
該実施形態にあっては、容器体口頸部の下部外面に周設した第1係合突条を有しない。又装着筒12は上端部外面に第3係合突条41を有し、又装着筒下半外面に第1噛合突条15を多数縦設し、又摺動筒31はその上部内面の上下に第4、第5係合突条42、43を、それ等両突条間に凹溝44を介在させて周設し、又摺動筒の上端内面に第2係合突条33を有する。該第2係合突条33と第3係合突条41との間には適当の間隙が形成され、既述凹溝44内へ第3係合突条41が嵌合した位置を摺動筒31の上限とし、又第3係合突条41上面へ第2係合突条33が係合する位置が摺動筒31の下限としている。装着筒12の第3係合突条41下方外面に第1噛合突条15を、又摺動筒31の第5係合突条43下方内面に第2噛合突条34をそれぞれ縦設する。図示例では摺動筒31が上限にある状態で空転し、又下限に位置したとき第1、第2噛合突条15、34が噛み合うよう第1噛合突条15上方に第2噛合突条34を位置させているが、該上限位置において第1、第2噛合突条15、34を噛合せて摺動筒が下限へ移動したとき、その噛合せが外れるよう設けることも出来る。
【0018】
既述各実施形態において、少なくとも摺動筒31が空転する位置にあっては、装着筒12の全外周面を摺動筒31が覆合して、直接摺動筒を持って回動させることは不能とする。又摺動筒の上下動は適宜治具を使用しない限りほぼ不能に形成する。
【0019】
図7は上記摺動筒31を上下動させるに便利な治具51を示す。
【0020】
該治具は、既述摺動筒31とほぼ同一の内外径を有する周壁52を頂壁53外周から垂下し、該周壁一部にはノズル17の基部外径とほぼ同一巾を有する割溝54を周壁52下端面に開口させて縦設している。該割溝の高さは図2が示すように作動部材19を下限まで下降させた状態で摺動筒31の上面からノズル17の基部上面までの高さと同一ないしその高さよりも高くし、図2が示すようにノズル17を割溝54内へ、又押下げヘッド18を周壁52内へ入れた状態で頂壁53を下方へ押下げることで摺動筒31の押下げが可能としている。又周壁52の他の一部下端からは突片55を突出しており、該突片は、図3が示すようにその先端を摺動筒31の下面へ係合させることでの引上げにより摺動筒31を引上げ可能としている。
【0021】
【発明の効果】
本発明は既述構成としたから、通常の使用時にあっては摺動筒31が装着筒12に対して空転するようにしておくことで、作動部材19の上下動で容器体内液体の吐出は可能であってもポンプ取外しは不能となり、よって容器体液体の入れ替え等の悪戯をされるおそれはなく、又ホテル等の担当者は治具51使用により容器体内への液体補充を行った後、再び摺動筒を移動させて空転するようにしておくことが出来る。
【0022】
請求項2の場合は、容器体口頸部の下方部分外面に第1係合突条4を周設するから、該突条該当の突条を装着筒12および摺動筒31に設けなくてもよく、それ等装着筒および摺動筒の形成が容易となる。
【0023】
請求項4の治具51を設けることで摺動筒31の上下動が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る容器及び治具の組合せのうち容器の一部を断面とした側面図である。
【図2】 図1の摺動筒の噛合せを外して示す側面図である。
【図3】 治具を用いて摺動筒を押上げする状態を示す側面図である。
【図4】 別実施形態で示す、容器の側面図である。
【図5】 図4の摺動筒の噛合せを外して示す側面図である。
【図6】 更に別実施形態で示す容器要部の断面図である。
【図7】 治具の斜視図である。
【符号の説明】
4…第1係合突条 11…縦型ポンプ
12…装着筒 15…第1噛合突条
19…作動部材 31…摺動筒
34…第2噛合突条 51…治具

Claims (4)

  1. 容器本体1に対する縦型ポンプ11の着脱を、該ポンプに付設されて容器体口頸部外面へ螺合する装着筒12の螺合、螺脱で行うよう設けた縦型ポンプ式容器と、
    該容器が有する摺動筒移動用の治具との組合せであって
    上記縦型ポンプ式容器は、上記装着筒12の外面へ、一定ストロークだけ上下動可能に摺動筒31を嵌合させると共に、上記装着筒外面と摺動筒の内面との各上下方向一部にはそれぞれ第1、第2噛合突条15、34を縦設して、装着筒12に対して摺動筒31が上限又は下限に位置する状態で上記両噛合突条が噛合って摺動筒を介して装着筒12を螺動可能とすると共に、下限又は上限へ摺動させたときには上記噛合せが外れて、摺動筒が空転可能となるように形成し、
    上記治具 51 は、上記摺動筒 31 下面と係合させるための突片 55 を有しており
    容器本体の口頸部に連なる肩部2の上面と摺動筒 31 の下面との間に、該摺動筒が下限位置にあるときに上記突片挿入用の間隙を形成されるようにして、該突片により摺動筒 31 の下面を押し上げることが可能であり、かつこの突片付きの治具 51を用いない限り摺動筒12に対しての摺動筒31の上下動をほぼ不能とするように設け、
    更に上記摺動筒空転位置にあっては、装着筒のほぼ全外周面を摺動筒31が覆合可能に形成したことを特徴とする、縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せ
  2. 装着筒12下端よりも下方に位置する容器本体口頸部下方部分に、装着筒下端との間に小間隙をおいて第1係合突条4を周設し、又摺動筒31下端に内向きフランジ32を付設して、該内向きフランジを上記小間隙内に位置させ、かつ該内向きフランジ内周部下面を第1係合突条4の先端部上面へ載置させて、該位置を摺動筒31の上限となし、又このとき摺動筒31上端は装着筒上端よりも上方に位置して、摺動筒上端部内面に周設した第2係合突条33が、摺動筒31下降により装着筒12の上端部へ係合した位置を摺動筒31の下限とした、ことを特徴とする請求項1記載の縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せ
  3. 装着筒12の上端部外面に第3係合突条41を周設すると共に、摺動筒31の中間部内面の上下に第4係合突条42と第5係合突条43とを、これ等両突条間に上記第3係合突条41が嵌合する凹溝44を挾んで周設させ、又上記第1、第2噛合突条15、34は上記第5係合突条43よりも下方の装着筒部分外面および摺動筒部分内面に縦設させ、凹溝44内に第3係合突条41が嵌合する位置を摺動筒の上限とすると共に、摺動筒上端部内面に付設した第2係合突条33が装着筒12の上端部へ係合した位置を摺動筒31の下限としたことを特徴とする請求項1記載の縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せ
  4. 上記治具 51 は、摺動筒31とほぼ同一の内外径を有する周壁52を頂壁53外周から垂下すると共に、該周壁の一部には周壁下端に開口させて割溝54を縦設し、又周壁下端の他の一部からは側外方へ突片55を突出して形成し、上記周壁52は、該周壁内へ作動部材上端の押下げヘッド18を、又割溝54内へ上記押下げヘッドから外方突出するノズル17の基部をそれぞれ挿入させて、摺動筒上端面上へ周壁52下端面を載置させた状態からの頂壁53押下げにより摺動筒31を上限から下限まで押下げ可能に形成し、又上記突片55は、摺動筒31の下端面へ該突片上面を係合させての周壁引上げにより、下限に位置する摺動筒31を上限まで引上げ可能な強度に形成したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の縦型ポンプ式容器と該容器が有する摺動筒移動用治具との組合せ
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