JP3928765B2 - 縦型ポンプ式容器と該容器の縦型ポンプ着脱用治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型ポンプ式容器と、該容器の縦型ポンプ着脱用の治具とに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特開平11-47649号のように、縦型ポンプ式の液体注出用容器は、従来広く使用されており、この種容器は通常ポンプのシリンダおよび吸上げパイプを容器体内へ挿入させて、該ポンプが有する装着筒を容器体口頸部外面へ螺合させ、シリンダ内から容器体上方へ付勢されて起立する作動部材上端のノズル付き押下げヘッドを付勢に抗して押下げ又付勢により上昇させることで、容器体内液体をシリンダ内へ吸上げかつ該シリンダ内液体を上記ノズルから噴出させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記縦型ポンプ式容器は、装着筒螺脱により容器体からポンプを外すことが可能に形成しているから、容器体内液体が無くなると、上記のようにポンプを外し、容器体内へ液体を補充しかつポンプを再装着することで使用を継続することが出来る。
【0004】
上記容器は洗浄液、シャンプー、リンス等の吐出用として、家庭用としても、又ホテル等でも使用されているが、ホテル等にあっては、上記のようにポンプを外し、容器体内液体を異種液体に入れ替えする悪戯があり、関係者はその対策に困惑している。
【0005】
本発明は、上記悪戯を防止して容器体からのポンプの取外しをホテル等の担当者だけが治具を使用して行えるよう設けたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として縦型ポンプ11の上下方向中間部外面に付設した装着筒12を、上記縦型ポンプ下半を形成するシリンダ13を容器体内へ垂下させて、容器体口頸部外面へ着脱自在に螺合させた縦型ポンプ式容器において、
上記装着筒12外径を、上記シリンダ内から上方付勢されて起立する作動部材19上端のノズル付き押下げヘッド18の外径よりも大径に形成すると共に装着筒外面に第1滑止め突条61を縦設しておき、
又容器体1は胴部上端から肩部2を介して口頸部3を起立させておき、
更に容器体胴部の外面に下方筒部分41a を固着させて囲成筒41を起立させ、該囲成筒上端を装着筒上端とほぼ等高ないし装着筒上端よりも上方に位置させ、かつ装着筒12と囲成筒41との間隙を小間隙として装着筒12の握持が不能に形成した。
【0007】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記囲成筒41に、フランジ状頂板52下面から垂下させた嵌合筒53を着脱自在に嵌合させた目隠し部材51を設けて、上記フランジ状頂板52のフランジ孔54を、装着筒12の外径とほぼ同内径に形成した。
【0008】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段における縦型ポンプ着脱用の治具を上記装着筒12外径とほぼ同内径の周壁72を頂壁73外周から垂下させると共に、該周壁一部にはノズル17の基部を挿入可能な下面開口の割溝74を縦設し、割溝内へノズル基部を、かつ周壁72内に押下げヘッド18をそれぞれ挿入させた状態で周壁72下部を装着筒12外面へ嵌合可能とし、かつ周壁72の内面には第1滑止め突条61と噛合い可能な第2滑止め突条75を縦設するように形成した。
【0009】
第4の手段として、上記第3の手段を有すると共に上記周壁72下部を装着筒外面へ第1、第2滑止め突条61,75を噛合せて嵌合させたとき、囲成筒41上端面へ下面を接する滑止め板76を、囲成筒41上端よりも上方の周壁72部分外面へ縦設した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面について説明する。まず公知の部分について簡単に説明すると、
1は胴部上端から肩部2を介して口頸部3を起立する容器体である。口頸部外面には後述の装着筒を螺合するための雄ねじを付設し、かつ口頸部の下部外面には突条4を周設している。
【0011】
上記容器体には、縦型ポンプ11を、該ポンプが有する装着筒12を容器体口頸部3外面へ螺合させることで着脱自在に装着している。該ポンプ主要部材としてのシリンダ13は、上部外面に外向きフランジ14を付設し、その外向きフランジをパッキングを介して容器体口頸部上端面上へ載置させて容器体内へ垂下する。該シリンダは通常その下端から吸上げパイプを容器体内底部まで垂下している。上記シリンダの外向きフランジ14は、装着筒上端に付設した内向きフランジ12a の下面へその外周部上面を当て、又外周面を内向きフランジ下方の装着筒上端部内面へ嵌合させている。
【0012】
上記シリンダ内からは、上方付勢させてステム16上端にノズル17付きの押下げヘッド18を嵌着させた作動部材19を上方へ起立しており、ステム下端には筒状ピストンを付設し、その作動部材を下方へ押下げすると、シリンダ底部内に設けた吸込み弁が閉じ、又ステム上端部内等に設けた吐出弁が開いてシリンダ内液体がステムおよびノズルを通って吐出され、又作動部材を離すと上方付勢されている該作動部材は上昇し、このとき吸込み弁は開き、又吐出弁は閉塞することでシリンダ内へ容器体内液体を吸込むものである。
【0013】
20は筒状ピストン抜出し防止用筒体で、シリンダ13の上端部内面へ内筒を嵌着させると共に該内筒上端に付設した外向きフランジ状頂壁21外周から既述押下げヘッドの周壁螺合用の雄ねじ筒22を垂下し、又該筒下端から外向きフランジ状張出し板を介して短外筒23を垂下し、該短外筒下端を装着筒12の内向きフランジ12a 上面へ当接させている。
【0014】
本発明にあっては、容器体胴部の上端部を上向き段部31を介して小外径部32とすると共に、該小外径部の上端部外面に第1係合突条33を周設している。
【0015】
又その小外径部32外面に下方筒部分41a を嵌合固着させて既述装着筒12上端よりも高く囲成筒41を起立させている。但し装着筒と囲成筒との各上端面をほぼ等高としてもよい。
【0016】
該囲成筒は、図示例にあっては上半筒部41b 下端から外向きフランジ状の外方張出し壁部42を介して外筒43を垂下して該外筒下端を上記上向き段部31の外周部上面へ載置し、かつ上記外方張出し壁部42の内周部下面から下方筒部分41a を垂下して該筒部分下端内面に周設した第2係合突条44を既述第1係合突条33下面へ係合させて固着している。囲成筒41の上部内面と装着筒12との間には、小間隙を形成する。
【0017】
又図示例では囲成筒41上部内面にフランジ状頂板52下面から垂下させた嵌合筒53を着脱自在に嵌合させている。これ等フランジ状頂板52と嵌合筒53とは目隠し部材51を形成し、フランジ状頂板が形成するフランジ孔54は装着筒12外径とほぼ等しくして装着筒と囲成筒との間およびその下方を見えないようにしている。尚該目隠し部材は取外しの際にフランジ孔54に押下げヘッドを通過させて行うため、押下げヘッド外径よりもフランジ孔は大径である。
【0018】
既述装着筒12には、その外面に複数の第1滑止め突条61を縦設する。又その装着筒外径は、押下げヘッド18の外径よりも大径とする。その理由については後述する。
【0019】
上記装着筒12を介しての縦型ポンプ11の着脱は、図2が示す治具71を用いて行う。該治具は、装着筒外径とほぼ同内径の周壁72を頂壁73外周から垂下し、かつその周壁一部にノズル17の基部を挿入可能な下面開口の割溝74を有する。又その周壁は下部内面に既述第1滑止め突条61と噛合う第2滑止め突条75を多数縦設している。
【0020】
該治具は、図2が示すように割溝74内へノズル基部を、又周壁72内へ押下げヘッド18をそれぞれ挿入させてその周壁下部を装着筒12外面へ嵌合させることで第1、第2滑止め突条61,75 を噛合せ、該状態から装着筒螺脱方向へ治具71を回せばよい。又ポンプ再装着の際は、装着筒12を周壁72下部内へ嵌合させたままの状態で装着筒12を容器体口頸部外面へ螺合させ、螺合締付け後、治具71を取外す。
【0021】
尚図示例にあっては既述第1、第2滑止め突条噛合せ状態において、囲成筒41上端面へ下面を接する滑止め板76を、囲成筒41よりも上方の周壁部分外面に縦設している。
【0022】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので、容器体口頸部に対する縦型ポンプの着脱を、該ポンプに付設した装着筒12を容器体口頸部に対して螺合し、又螺脱することで行うよう設けた縦型ポンプ式の容器において、容器体の胴部外面に下方筒部分を固着させて囲成筒41を起立し、該囲成筒上端を装着筒上端とほぼ等高ないし装着筒よりも高くし、かつ装着筒と囲成筒との間隙を狭くして装着筒の握持が不能としたから、治具71を有しない者がポンプを着脱するおそれは全くなく、よって容器体内液体の入れ替え等の悪戯を防止できる。
【0023】
また、本発明は、目隠し部材51を設けることで容器の外見を向上でき、又そのフランジ孔54は押下げヘッド外径よりも大径の装着筒12外径とほぼ同内径としたから、それ等装着筒と囲成筒との間内部の目隠しが出来、かつ治具71使用の際は、そのフランジ孔内に押下げヘッド18を通すことで囲成筒41から目隠し部材を外すことが出来る。
【0024】
さらに、本発明は、治具71を形成することで、第1、第2滑止め突条61、75を介して治具の回転を装着筒12に伝達でき、よって縦型ポンプを容器体口頸部に対して着脱出来る。
【0025】
さらに、本発明は、滑止め板76を周壁に付設することで、第1、第2滑止め突条61,75を治具押下げにより充分噛合せたとき滑止め板76下端が囲成筒41上端に接して停止することとなり、よって装着筒に対する治具周壁の嵌合を適度に行うことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明容器の半断面図である。
【図2】 図1容器が有する装着筒外面へ、治具を嵌合させた状態で示す半断面図である。
【符号の説明】
11…縦型ポンプ 12…装着筒
41…囲成筒 51…目隠し部材
71…治具

Claims (3)

  1. 縦型ポンプ11の上下方向中間部外面に付設した装着筒12を、上記縦型ポンプ下半を形成するシリンダ13を容器体内へ垂下させて、容器体口頸部外面へ着脱自在に螺合させた縦型ポンプ式容器において、
    上記装着筒12外径を、上記シリンダ内から上方付勢されて起立する作動部材19上端のノズル付き押下げヘッド18の外径よりも大径に形成すると共に装着筒外面に第1滑止め突条61を縦設しておき、
    又容器体1は胴部上端から肩部2を介して口頸部3を起立させておき、
    更に容器体胴部の外面に下方筒部分41aを固着させて囲成筒41を起立させ、該囲成筒上端を装着筒上端とほぼ等高ないし装着筒上端よりも上方に位置させ、かつ装着筒12と囲成筒41との間隙を小間隙として装着筒12の握持が不能に形成し、
    上記囲成筒 41 に、フランジ状頂板 52 下面から垂下させた嵌合筒 53 を着脱自在に嵌合させた目隠し部材 51 を設けて、上記フランジ状頂板 52 のフランジ孔 54 を、装着筒 12 の外径とほぼ同内径に形成したことを特徴とする縦型ポンプ式容器。
  2. 上記装着筒12外径とほぼ同内径の周壁72を頂壁73外周から垂下させると共に、該周壁一部にはノズル17の基部を挿入可能な下面開口の割溝74を縦設し、割溝内へノズル基部を、かつ周壁72内に押下げヘッド18をそれぞれ挿入させた状態で周壁72下部を装着筒12外面へ嵌合可能とし、かつ周壁72の内面には第1滑止め突条61と噛合い可能な第2滑止め突条75を縦設したことを特徴とする請求項1記載の縦型ポンプ式容器に使用する縦型ポンプ着脱用の治具。
  3. 記周壁72下部を装着筒外面へ第1、第2滑止め突条61,75を噛合せて嵌合させたとき、囲成筒41上端面へ下面を接する滑止め板76を、囲成筒41上端よりも上方の周壁72部分外面へ縦設したことを特徴とする請求項記載の縦型ポンプ着脱用の治具。
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