JP4112141B2 - 可動通路構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の躯体間を通行可能に接続するための通路構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、一対の躯体を通行可能に接続するために、種々の伸縮継手装置が提案され実用に供されている。このような伸縮継手装置においては、一対の躯体間に設けられた床体およびこの床体の両側部から上方に立上がる側壁体を備え、床体および側壁体が相対的に変位自在に連結されて構成されている。したがって、一対の躯体が相対的に近接または離反する方向に変位すると、床体および側壁体が相対的に変位し、これによって一対の躯体の相対的変位が許容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような伸縮継手装置では、床体および側壁体を相対的に変位自在に構成しなければならず、その構成が複雑で部品点数も多くなり、またその設置作業が煩雑となる問題がある。そのため、一対の躯体間を通行可能に接続するための、比較的簡単な構成の通路構造の実現が望まれている。
【0004】
上記の先行技術では、各建物と渡り廊下とが急激な地震または地盤の不等沈下によって相互に近接/離反する方向に相対的な変位を生じても、これらの各方向への変位を許容できるのは目地プレートの幅方向両端部を各支持レールによって把持した状態に維持することができる変位量以下という限界があり、しかもこれに相反して渡り廊下の両端部と各建物との間の隙間は、相互の干渉を避け得る範囲で通行者の安全のためにできるだけ小さくしなければならない。したがって上記の先行技術では、各建物および渡り廊下間の大きな変位を許容することができないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、比較的簡単な構成でもって一対の躯体間を接続し、一対の躯体の大きな相対的変位を許容することができる可動通路構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対の躯体間を通行可能に設けられた通路体を備えた可動通路構造であって、
一方の躯体には第1の案内レールが設けられ、他方の躯体には第2の案内レールが設けられており、
前記第1の案内レールは、前記他方の躯体に近接および離反する第1の方向に延びており、
前記通路体には、前記第1の案内レールに移動自在に支持された第1の支持コロ体と、前記第2の案内レールに移動自在に支持された第2の支持コロ体とが設けられており、
前記一対の躯体が前記第1の方向に相対的に変位すると、前記第1の支持コロ体が前記第1の案内レールに沿って相対的に移動され、また前記一対の躯体が前記第2の方向に相対的に変位すると、前記第2の支持コロ体が前記第2の案内レールに沿って移動され、
前記通路体は、前記他方の躯体に接続される接続位置と、前記一方の躯体に収納される収納位置との間を移動自在であり、前記通路体と前記一方の躯体との間には耐火帯が折畳み可能に装着され、前記通路体には前記耐火帯を押圧収容するための押さえ部材が設けられ、また前記一方の躯体には前記耐火帯を収容するための収容凹部が設けられており、前記通路体を前記接続位置に位置付けると、前記耐火帯は前記収容凹部から引出されて前記通路体の外側にて前記一対の躯体間を覆い、前記通路体を前記収納位置に位置付けるとともに前記押さえ部材を作用させることによって、前記耐火帯は折畳まれて前記収容凹部に収容されることを特徴とする可動通路構造である。
【0007】
本発明に従えば、一方の躯体に第1の方向に延びる第1の案内レールが設けられ、他方の躯体には、上記第1の方向に対して垂直に延びる第2の案内レールが設けられ、一対の躯体間を接続する通路体には、第1の案内レールに支持される第1の支持コロ体と、第2の案内レールには支持される第2の支持コロ体とが設けられている。したがって、一対の躯体が第1の方向に変位すると、第1の支持コロ体が第1の案内レールに沿って相対的に移動し、また一対の躯体が第2の方向に相対的に変位すると、第2の支持コロ体が第2の案内レールに沿って移動し、このようにして一対の躯体の大きな相対的変位を許容することができる。また、一対の躯体に第1および第2の案内レールを設けるとともに、通路体に第1および第2の支持コロ体を設けるという比較的簡単な構成によって通路体を一対の躯体間に設けることができ、その設置も容易に行うことができる。
【0008】
このような可動通路構造にはさらに、通路体に関連して耐火帯および押さえ部材が設けられ、また一方の躯体には耐火帯を収容するための収容凹部が設けられている。したがって、通路体を収納位置に位置付けるとともに押さえ部材を作用させることによって耐火帯が折畳まれて収容凹部に収容され、耐火帯が他方の躯体から外側に実質上突出することなく収納することができる。また、通路体を接続位置に位置付けると、耐火帯が通路体の外側にて一対の躯体間を覆うので、外側から炎が侵入してきても耐火帯によって通路体を保護することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は、本発明の実施の一形態の可動通路構造202を示している。図1は、本発明に従う可動通路構造202を一対の躯体204,206間に設置した状態を上方から見た簡略化した断面図であり、図2は図1における切断面線II−IIから見た断面図であり、図3は図1の可動通路構造202における通路体214の支持構造を示す部分断面図であり、図4は第2の支持コロ体282およびその近傍を示す部分断面図であり、図5は第2の案内レール220の一部を示す斜視図であり、図6は通路体214と第2の案内レール220とのロック構造を示す断面図であり、図7は耐火帯318の取付部位を拡大して示す部分拡大断面図であり、図8は通路体214を収納位置に収納したときの状態を示す部分断面図である。
【0010】
図1および図2を参照して、可動通路構造202は、隣接して設けられた一対の躯体204,206の間を通行可能に設けられる。この実施形態における一対の躯体204,206は、大型建造物の内部に通路を形成するために設けられるたとえば通路体であり、一方の躯体204には通路208が形成され、他方の躯体206には通路210が形成され、これら通路208,210が可動通路構造202を介して接続される。躯体204,206は、躯体206に対して躯体204が変位した場合、たとえば矢印212で示す横方向に移動した場合、一方の躯体204を所定位置に位置付けると、図1および図2に示すとおり、躯体204の通路208と他方の躯体206の通路210とが相互に対向する位置関係に保持される。
【0011】
この実施形態の可動通路構造202は、通路体214と、通路体214を支持するための第1の案内レール216,218および第2の案内レール220とを備えている。一方の躯体204には略矩形状の大きな貫通開口が形成され、このような貫通開口の底面の両側部に一対の第1の案内レール216,218が設けられている。第1の案内レール216,218は、他方の躯体206に近接および離反する第1の方向(図1において上下方向、図2において左右方向)に延びており、それらの一端部は、躯体204の前面から他方の躯体206に向けて突出している。また、他方の躯体206には、一方の躯体204の貫通開口に接続される略矩形状の大きな貫通開口が設けられ、このような貫通開口の開口部の下側に支持突部222が設けられ、このような支持突部222の上面に第2の案内レール220が設けられている。第2の案内レール220は上記第1の方向に対して水平面内で垂直な第2の方向(図1において左右方向、図2において紙面に垂直な方向)に延びている。
【0012】
次に、通路体214およびこの通路体214を支持する支持構造について説明する。図3をも参照して、図示の通路体214は、一対の躯体204,206の通路208,210を接続するための床体224を有し、床体224は第1の方向に間隔を置いて配設された複数のフレーム226と、これらフレーム226間に設けられたプレート228とを備え、プレート228の上面には床部材230(図5をも参照)が設けられている。この床体224の両側端部には側壁232,234が設けられ、側壁232,234の上端部には天井236が設けられている。本実施形態では、側壁234(232)(側壁234については図5に具体的に図示しているが、側壁232については具体的に図示してない)の下端部は、フレーム226に固定された取付ブラケット238に取付ねじ240によって取付けられ、その上端部は天井236の垂下部に取付ねじ242によって取付けられている。このように構成されているので、この通路体214は内部に略矩形状の大きな貫通開口を形成し、通路体214の貫通開口を介して、一方の躯体204の通路208と、他方の躯体206の通路210とを後述するように接続する。
【0013】
この実施形態では、床体224の3本のフレーム226(図1において3本示し、図3において1本のみ示す)の両端部に第1の支持コロ体244が取付けられている。3本のフレーム226の各々の一端部(または他端部)は、側壁234(または232)を越えて外側に幾分突出しており、これら突出端部に第1の支持コロ体244がそれぞれ装着されている(図3においてそれらの一つを示す)。各第1の支持コロ体244は、フレーム226に取付けられた取付部材246と、この取付部材246に任意の方向に回転自在に支持された複数個のコロ248とから構成されている。
【0014】
第1の案内レール216,218は実質上同一の構成であり、支持底壁250と、支持底壁250から上方に延びる一対の案内側壁252,254と、一対の案内側壁252,254の上端部を接続する天壁256を有し、内側の案内側壁252の上下方向中間部にこれに沿って直線状に延びるスリット258が形成されている。フレーム226の一端部(または他端部)は、第1の案内レール218(または216)の案内側壁252に形成されたスリット258を通して案内レール218(または216)内に受入れられ、その一端部(または他端部)に取付けられた第1の支持コロ体248の複数個のコロ248が第1の案内レール218(または216)の支持底壁250に支持されている。このように構成されているので、通路体214は一対の第1の案内レール216,218の一対の案内側壁252,254に沿って第1の方向に他方の躯体206に近接および離反する方向に移動自在に支持されている。
【0015】
本実施形態では、通路体214の天壁230にも第1の方向に間隔を置いて3本の補助フレーム260(図3において1本のみ示す)が固定されている。3本の補助フレーム260は、天壁230の両端部および中間部に設けられ、それらの各々の一端部(または他端部)は、床体240のフレーム226と同様に、側壁234(または232)を越えて外側に幾分突出しており、これら突出端部に補助コロ体262がそれぞれ装着されている(図2において3個示し、図3においてそれらの一つを示す)。各補助コロ体262は、第1の支持コロ体244と実質上同一の構成である。これら補助コロ体262に関連して、一対の補助案内レール264,266が設けられ、補助案内レール264,266が一方の躯体204の貫通開口の上端部に取付けられている。補助案内レール264,266は実質上同一の構成であり、第1の案内レール216,218と同様に、支持底壁268と、一対の案内側壁270,272と、天壁274とを有し、内側の案内側壁270にスリット276が形成されている。
【0016】
補助フレーム260の一端部(または他端部)は、補助案内レール266(または264)の案内側壁270に形成されたスリット276を通して補助案内レール266(または264)内に受入れられ、その一端部(または他端部)に取付けられた補助コロ体262の複数個のコロ278が補助案内レール266(または264)の支持底壁268に支持されている。このように構成されているので、通路体214の上端部は一対の補助案内レール264,266の一対の案内側壁270,272に沿って第1の方向に他方の躯体206に近接および離反する方向に移動自在である。なお、第1の案内レール216,218によって通路体214を第1の方向に移動自在に確実に支持することができる場合、このような補助案内レール264,266およびこれに関連する構成を省略することができる。
【0017】
この通路体214は、第1の案内レール216,218および補助案内レール264,266に案内されて、図1および図2に実線で示す接続位置と、図1および図2に二点鎖線で示す収納位置との間を移動自在に支持されている。収納位置においては、通路体214が一方の躯体204の貫通開口内にほぼ収納され、このように収納することによって躯体204の移動が容易となる。一方、接続位置においては、通路体214が躯体204から他方の躯体206に向けて突出し、躯体204の通路208と他方の躯体206の通路210とが通路体214を介して接続され、通路体214を通って両通路208,210間を通行することができる。この接続位置においては、通路体214の一端部は第2の案内レール220に移動自在に受入れられる。なお、この形態では、接続位置にある通路体214と他方の躯体206との間隙を覆うために、通路210の両側部に化粧パネル281(図1参照)が設けられている。
【0018】
図1、図2および図4を参照して、通路体214の床体224の一端部には、第2の方向に間隔を置いて一対の第2の支持コロ体282が装着されている。本実施形態では、通路体214のプレート228の一端部には一対の取付部材284が固定され、第2の支持コロ体282にはボルト286が設けられ、このボルト284にナット288を螺着することによって、第2の支持コロ体282が取付部材284に取付けられている。第2の支持コロ体282の構成は、上記第1の支持コロ体244と実質上同一の構成でよい。
【0019】
一方、他方の躯体206に設けられた第2の案内レール220は、図4に示すとおり、第1の案内レール216,218と略同様に、支持底壁290、一対の案内側壁292,294および上壁296を有し、上壁296にはこれに沿って直線状に延びるスリット298が形成されている。また、一方の案内側壁294および上壁296の一部には、通路体214に取付けられた第2の支持コロ体282に対応して、図5の斜視図に示されるように、上記スリット298に延びる切欠き300が形成されている。このように構成されているので、通路体214を接続位置まで移動させると、各第2の支持コロ体282は第2の案内レール220に設けられた対応する切欠き300を通して一対の案内側壁292,294間に位置し、支持底壁290に移動自在に支持される。このような支持状態においては、第2の支持コロ体282は第2の案内レール220の一対の案内側壁292,294に沿って第2の方向に移動自在である。
【0020】
本実施形態では、通路体214と他方の躯体206との連結状態をロックするために、図6に示すとおり、第2の案内レール220に関連してロック機構302が設けられている。図示のロック機構302は、通路体214のプレート228にブラケット304を介して取付けられたばね受け306を有し、このばね受け306を通して軸部材308が装着され、軸部材308の一端部に、当接フランジ311を有する係合部材310が設けられ、その他端部に係止軸312が設けられている。また、係合部材310の当接フランジ311とばね受け306との間には、係合部材310を第2の案内レール220に向けて下方に弾性的に付勢するコイルばね314が介在されている。
【0021】
このように構成されているので、通路体を接続位置に位置付けてロック機構302をロック状態に保持すると、コイル係合部材310が第2の案内レール220の上壁296のスリット298内に挿入され、コイルばね314の作用によって、当接フランジ311が上壁296に当接するロック状態(図6に示す状態)に保持される。このようなロック状態においては、係合部材310が第2の案内レール220のスリット298内に挿入されているので、係合部材310はこのスリット298内を第2の方向に相対的に移動することができるが、第1の方向においては、係合部材310の移動が上壁296によって確実に阻止され、このようにして通路体214と躯体206との連結状態が維持され、通路体214に設けられた第2の支持コロ体282が第2の案内レール220から離脱することが防止される。
【0022】
ロック機構302によるロック状態を解除するには、コイルばね314の付勢に抗して係合部材310をプレート228に近接する方向に上方に移動させ、係合部材310と第2の案内レール220のスリット298との係合状態を解除すればよい。このように解除すると、コイルばね314の作用によって係合部材310が上方に移動し、係止軸312がばね受け306に当接状態に保持される。再び図1および図2を参照して、この実施形態では、さらに、一方の躯体204と通路体214の一端側との間には、通路体214の両側部を覆うように耐火帯316,318が設けられている。一方の耐火帯316は、図1において通路体214の左外側に配置され、他方の耐火帯318は、図1において通路体214の右外側に配置され、これら耐火帯316,318に関連する構成は実質上同一であり、以下耐火帯318に関連する構成について説明する。
【0023】
一方の躯体204の所定部位には、他方の躯体206に対向して収容凹部322が設けられ、耐火帯318の一端部は取付用ボルト320によって収容凹部322の底部に取付けられている。また、通路体214の側壁234の一端部には外側に延びる支持部材326が取付けられ、この支持部材326の先端部には、相互に旋回自在に伸縮可能に装着された旋回部材328,330が旋回自在に連結され、この旋回部材330の先端部に耐火帯318の他端部が取付けられている。この旋回部材330の先端部には、図7に示すとおり、さらに、耐火帯318を介して押さえ部材332が旋回自在に取付けられ、押さえ部材332は、耐火帯318の前面を覆うように外側に延びている。このように構成されているので、図1に示すように、通路体214を接続位置に位置付け、さらに一対の旋回部材328,330を躯体206に向けて延びるように伸張すると、耐火帯318の他端部が躯体206の表面に接触し、耐火帯318は、通路体214の外側にて一対の躯体204,206間の間隙の実質上全域を塞ぎ、外部からの炎の侵入を防止することができる。
【0024】
一方、通路体214を収納位置に位置付け、さらに一対の旋回部材328,330を折って収縮しながら押さえ部材332を耐火帯318に向けて旋回すると、図8に示すように、押さえ部材332が耐火帯318に作用してこれを大きく折曲げ、耐火帯318は躯体204の収容凹部322に収納される。このような収納状態においては、押さえ部材332は躯体204の表面とほぼ同一面を規定し、耐火帯318が躯体204の表面からはみ出るのを防止することができる。それ故に、一方の躯体204が移動可能な場合、躯体204の移動を容易に行うことができる。
【0025】
本実施形態では、さらに、図7に示すように、旋回部材330の先端部に取付部334が設けられ、この取付部334にシリコン製の耐火防煙用シール336が取付られている。通路体214を接続位置に位置付けるとともに、旋回部材328,330を伸張状態にすると、耐火防煙用シール336の先端部が他方の躯体206の表面に接触し、これによって耐火帯318の他端部と躯体206との間隙が確実にシールされ、このようにして間隙を通しての外部からの煙などの侵入を確実に防止することができる。防煙が特に問題とならない場合、このシール336は省略することができる。
【0026】
通路体214の上側には、不燃シート338が設けられている。図2を参照して、不燃シート338の一端部は一方の躯体204の前面に取付けられている。通路体214の天壁236の先端部には支持部材340が設けられ、この支持部材340に相互に旋回自在に連結された一対の旋回部材342,344が連結され、旋回部材344の先端部に不燃シート338の他端部が取付けられている。このように構成されているので、通路体214を接続位置に位置付けるとともに、旋回部材340,342を躯体206に向けて伸張すると、不燃シート338が通路体214の上方を覆い、外部の炎から通路体214を守ることができる。なお、通路体214を収納位置に位置付けるとともに、旋回部材342,344を旋回させて収縮すると、不燃シート338が折畳まれ、躯体204の前面側に収納することができる。
【0027】
このような可動通路構造202においても上述したと同様の効果が達成される。通路体214を接続位置に位置付けて一対の躯体204,206を通路体214を介して接続した状態においては、通路体214の第1の支持コロ体244は一対の第1の案内レール216,218に第1の方向に移動自在に支持され、また通路体214の第2の支持コロ体282は第2の案内レール220に第2の方向に移動自在に支持されている。このような支持状態において、たとえば、一対の躯体204,206が相互に近接(または離反)する方向に変位すると、図1および図2から理解されるとおり、通路体214に装着された第1の支持コロ体224が第1の案内レール216,218に沿って移動し、このような第1の支持コロ体244の相対的移動によって一対の躯体204,206間の変位が吸収される。なお、このとき、通路体214に装着されたロック機構302の係合部材310が第2の案内レール220に係合しているので、他方の躯体206に対して通路体214が相対的に移動することはない。
【0028】
また、一対の躯体204,206が第2の方向に相対的に変位すると、図1から理解されるとおり、通路体214に装着された第2の支持コロ体282が第2の案内レール220に沿って第2の方向に相対的に移動し、このような第2の支持コロ体282の相対的移動によって一対の躯体204,206間の相対的変位が吸収される。なお、このとき、通路体214は一方の躯体204の一対の案内レール216,218間に位置しているので、躯体204に対する通路体214の第2の方向への移動が確実に阻止される。
【0029】
上述した実施形態では、第1の方向の移動を一対の第1の案内レール216,218によって支持し、また第2の方向の移動を1個の第2の案内レール220によって支持しているが、通路体214の負荷が大きい場合、第1および第2の案内レールの設置個数を適宜増やすことができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、一対の躯体が第1の方向に相対的に変位すると、第1の支持コロ体が第1の案内レールに沿って相対的に移動し、また一対の躯体が第2の方向に相対的に変位すると、第2の支持コロ体が第2の案内レールに沿って移動し、このようにして一対の躯体の大きな相対的変位を許容することができる。また、一対の躯体に第1および第2の案内レールを設けるとともに、通路体に第1および第2の支持コロ体を設けるという簡単な構成で、通路体を一対の躯体間に設けることができ、その設置も容易に行うことができる。
【0031】
さらに通路体に関連して耐火帯および押さえ部材が設けられ、また一方の躯体には耐火帯を収容するための収容凹部が設けられている。したがって、通路体を収納位置に位置付けるとともに押さえ部材を作用させることによって耐火帯が折畳まれて収容凹部に所要のとおりに収容され、耐火帯が他方の躯体から外側に実質上突出することなく収納することができる。また、通路体を接続位置に位置付けると、耐火帯が通路体の外側にて一対の躯体間を覆うので、外側から炎が侵入してきても耐火帯によって通路体を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の可動通路構造202を一対の躯体204,206間に設置した状態を上方から見た簡略化した断面図である。
【図2】図1における切断面線II−IIから見た断面図である。
【図3】図1の可動通路構造202における通路体214の支持構造を示す部分断面図である。
【図4】第2の支持コロ体282およびその近傍を示す部分断面図である。
【図5】第2の案内レール220の一部を示す斜視図である。
【図6】通路体214と第2の案内レール220とのロック構造を示す断面図である。
【図7】耐火帯318の取付部位を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図8】通路体214を収納位置に収納したときの状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
202 可動通路構造
204,206 躯体
208,210 通路
214 通路体
216,218 第1の案内レール
220 第2の案内レール
244 第1の支持コロ体
282 第2の支持コロ体
302 ロック機構
316,318 耐火帯
322 収容凹部
332 押さえ部材
Claims (1)
- 一対の躯体間を通行可能に設けられた通路体を備えた可動通路構造であって、
一方の躯体には第1の案内レールが設けられ、他方の躯体には第2の案内レールが設けられており、
前記第1の案内レールは、前記他方の躯体に近接および離反する第1の方向に延びており、
前記通路体には、前記第1の案内レールに移動自在に支持された第1の支持コロ体と、前記第2の案内レールに移動自在に支持された第2の支持コロ体とが設けられており、
前記一対の躯体が前記第1の方向に相対的に変位すると、前記第1の支持コロ体が前記第1の案内レールに沿って相対的に移動され、また前記一対の躯体が前記第2の方向に相対的に変位すると、前記第2の支持コロ体が前記第2の案内レールに沿って移動され、
前記通路体は、前記他方の躯体に接続される接続位置と、前記一方の躯体に収納される収納位置との間を移動自在であり、前記通路体と前記一方の躯体との間には耐火帯が折畳み可能に装着され、前記通路体には前記耐火帯を押圧収容するための押さえ部材が設けられ、また前記一方の躯体には前記耐火帯を収容するための収容凹部が設けられており、前記通路体を前記接続位置に位置付けると、前記耐火帯は前記収容凹部から引出されて前記通路体の外側にて前記一対の躯体間を覆い、前記通路体を前記収納位置に位置付けるとともに前記押さえ部材を作用させることによって、折畳まれて前記収容凹部に収容されることを特徴とする可動通路構造。
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