JP4110809B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯、特に蛍光灯の寿命末期などの現象を検出して回路を保護する機能を備える放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12に従来の放電灯点灯装置(例えば特表平11−503266号参照)の回路構成図を示す。図12の放電灯点灯装置は、直流電源Eの両端間に直列に接続される一対のスイッチング素子Q1,Q2より成るインバータ回路INVと、カップリング用のコンデンサC0と、このコンデンサC0を介してスイッチング素子Q2の両端に接続される負荷回路Zとを備えている。この負荷回路Zは、コンデンサC0と直列に接続される共振用のチョークコイルLと、一対のフィラメントを有し、コンデンサC0およびチョークコイルLを介してスイッチング素子Q2の両端に接続される放電灯Laと、この放電灯Laの両フィラメントの非電源側に接続される共振およびフィラメント予熱電流通電用のコンデンサC1とを含んでいる。そして、スイッチング素子Q1,Q2を交互にオン/オフする制御回路(図示せず)が設けられる。このように構成される放電灯点灯装置によれば、スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフと共振とにより、直流電源Eの電力が高周波電力に変換されて放電灯Laに供給され、放電灯Laの両フィラメントが予熱された後、放電灯Laが始動して点灯に至る。
【0003】
ところで、上記構成の放電灯点灯装置では、放電灯Laとして蛍光灯が使用されるが、一般に蛍光灯の場合、寿命末期などでフィラメントの電子放出物質(エミッタという)が消耗して、片側のフィラメントだけの電子放出物質が消耗したいわゆる片側エミレスに起因して半波放電の現象が発生することがあり、また、両側のフィラメントの電子放出物質が消耗したいわゆる両側エミレスに起因して管電圧が上昇する現象が発生することがある。
【0004】
このため、上記放電灯点灯装置では、抵抗R1,R2およびコンデンサC2で構成されたランプ電圧直流成分検出回路が設けられ、この回路により放電灯Laの寿命末期における片側エミレス状態で発生する半波放電の現象を検出する。また、コンデンサC3、ダイオードD1,D2、抵抗R3,R4で構成された管電圧ピーク検出回路が設けられ、この回路によりランプ寿命末期における両側エミレス状態で発生する管電圧の上昇を検出する。そして、これら両回路の出力は、ダイオードD3,D4を介して合成され、抵抗R5とコンデンサC4の並列回路に得られる電圧が基準電圧以上か否かを判断することにより、放電灯Laの寿命末期などで発生する現象が起きたか否かの判別が行われる。前記基準電圧は、放電灯Laの正常時に発生する電圧を超え、その寿命末期に発生する電圧未満の所定値に設定される。これにより、放電灯の寿命末期などで発生する現象を検出して放電灯点灯装置を保護することができ、その信頼性をより一層向上させることができる。
【0005】
しかしながら、上記従来の放電灯点灯装置では、昨今の多種多様な放電灯に対応できない問題があった。すなわち、定格ランプ電流がほぼ同じでワット数の異なる複数種の放電灯を、同一の放電灯点灯装置で点灯可能とするような提案がなされており、その種の放電灯群として、例えばFHT(JIS C 7601)24W,32W,42Wがあるが、管電圧を検出して保護する上記従来技術では、寿命末期に不都合が生じ、それら放電灯のいずれをも使用可能にすることができない。なぜなら、FHT24Wの片側または両側エミレス時の管電圧が、FHT42Wの正常時の管電圧とあまり変わらないレベルにあり、FHT24Wで寿命末期の現象を検出して(放電灯を含む)回路を保護しようとすれば、FHT42Wを使用することができなくなるからである。
【0006】
この課題を解決したものが特願2000−270457に開示されている。本例では、エミレス状態になったフィラメントの電圧が上昇することを利用して、管電圧検出部と直列にフィラメントを接続した合成部の電圧、もしくはランプ電圧直流電圧成分検出部の検出電圧が基準電圧以上になるとインバータ回路の出力を低減もしくは停止させる例(図13)が開示されている。また、ランプ電圧直流電圧成分検出部に直列にフィラメントを接続した合成部の電圧、もしくは管電圧検出部の検出電圧が基準値以上になるとインバータ回路の出力を低減もしくは停止させる例も開示されている。つまり、エミレス状態になるとランプの一特性だけでなく、複数の特性が変化することを利用して、フィラメント電圧に他の検出部電圧を重畳させて正常時と異常時の差を大きくすることにより検出精度を向上させたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本例のようにフィラメント電圧と他の検出電圧値を重畳させる場合にフィラメント電圧のバラツキ及び他の検出部との位相の関係等を考慮すると、逆に検出のバラツキが大きくなる場合があり、正常点灯時における誤検出あるいは異常点灯時における不検出の危険性が大きくなってしまうといった課題が発生する。
【0008】
図13の回路でランプの状態が変化した時の基本的なランプ特性波形を図14に示す。実線は42Wランプ、破線は24Wランプの場合であり、(a)は正常状態、(b),(c)は片側エミレス状態、(d)は両側エミレス状態のランプ電圧、フィラメント電圧、ランプ電圧直流電圧成分をそれぞれ示す。図14(b)に示す片側エミレス状態▲1▼は、図13のランプフィラメント▲1▼側がエミレスになった状態、図14(c)に示す片側エミレス状態▲2▼は、図13のランプフィラメント▲2▼側がエミレスになった状態である。ここで、フィラメント電圧は後述のようにスポット位置で変動するものであり、また、両側エミレス時のランプ電圧直流電圧成分は不安定な点灯のため、通常直流電圧成分の発生を伴っている。ただし、片側エミレス時のように大きな値をとることは少ない。
【0009】
図15に実線で正常点灯時、破線で寿命末期等の異常点灯時の各部波形の関係を示す。(a)はランプ電圧、(b)は図13のチョークコイルLの二次巻線L11の電圧波形である。(c),(d)はフィラメントのスポット位置によるフィラメント電圧の違いを示したものである。(c)はスポットが非電源側にできる場合であり、フィラメントには共振電流が流れるため、電圧降下が大きくなる。(d)はスポットが電源側にできる場合であり、フィラメントには予熱電流のみしか流れないため、電圧降下が小さくなる。また、位相もずれてくる。
【0010】
ここで、管電圧検出部と直列にフィラメントを接続した合成部の電圧について考察する。管電圧検出部には、管電圧検出部の電圧源とフィラメント電圧の差電圧に応じた電圧が検出部の平滑用コンデンサ両端(図13ではコンデンサC11の両端)に発生する。つまり、お互いの位相関係がどうなっているかによって電圧値が決定され、電圧源である(a)あるいは(b)の正方向電圧発生時である半周期の状態において、フィラメント電圧の正方向面積が多ければ発生する電圧値はフィラメント非接続時と比較して小さくなり、フィラメント電圧の負方向面積が多ければ発生する電圧値は大きくなる。例えば、ランプ電圧(a)を電圧源とする場合、フィラメント電圧が(c)の場合の管電圧検出部の直流電圧値が小さくなり(正方向電圧面積が大きいため)、フィラメント電圧が(d)の場合の管電圧検出部の直流電圧値は変わらない(正負面積が同じのため)。このことは、フィラメント電圧が(c)の場合は、管電圧検出部電圧が小さくフィラメント電圧が大きく、フィラメント電圧が(d)の場合は、管電圧検出部電圧が変わらずフィラメント電圧が小さくなるため、合成電圧がフィラメントのスポット位置の違いに対して補正される方向となることを示している。さらに、寿命末期になると破線のように位相がずれるため、(d)では変わらないが、(c)では負方向面積が増加する方向となり、正常状態との差が大きくなる状態が増加することになる。
【0011】
ところが、実際のフィラメントのスポット位置はさまざまな状態をとることがあり、上記の他に例えば図16に示す状態をとることもある。図中の矢印はランプ電流の向きを示す。つまり、一周期の中でスポット位置が変化し、正方向電圧と負方向電圧が図17のように非対称となる場合がある。この状態は、正常点灯時でも発生することがあり、このようなことを全て考慮しながら正常点灯時の電圧及び異常点灯時の電圧を設定することは非常に困難であり、言い換えれば正常点灯時の検出電圧のバラツキ幅及び異常点灯時の検出電圧のバラツキ幅が大きくなってしまうといった課題が発生する。
【0012】
ランプ電圧直流電圧成分検出部に直列にフィラメントを接続した合成部の電圧についても上記と同様に電圧位相が関係してくるとともに、両側エミレス時に負電圧が生じた場合は合成電圧のピーク値が下がることになり、合成することにより更にバラツキ幅が大きくなるといった課題もある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、定格ランプ電流がほぼ同じで点灯時の管電圧が大きく異なる複数種の放電灯のいずれをも使用可能とし、放電灯の寿命末期の現象を簡単な構成で確実に検出して回路を保護する放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、上記の課題を解決するために、図1及び図2に示すように、放電灯Laを点灯させる放電灯点灯手段と、前記放電灯の寿命末期に正常状態に比べて変化する電圧あるいは電流を前記放電灯点灯手段から検出した複数の検出値Vi(i=1,2,3)を、それぞれ放電灯の寿命末期の検出値と正常状態の検出値の間に設定された複数の第1の基準値Vref1−i比較し、少なくとも1つの検出値が第1の基準値に達すると放電灯状態を検出した検出信号を出力する第1の検出回路1と、前記第1の検出回路1の検出信号出力を受けて前記放電灯点灯手段の出力を所定の状態に変化させる制御回路5と、前記複数の検出値Viを、それぞれ放電灯の寿命末期の検出値と正常状態の検出値の間に設定された複数の第2の基準値Vref2−i比較し、前記複数の検出値Viの全てが前記第2の基準値Vref2−iに達した場合に前記複数の第1の基準値Vref1−iの少なくとも1つを前記第2の基準値Vref2−iの方向に変化させる第2の検出回路2とを備え、前記第2の基準値Vref2−iは前記変化させる前の第1の基準値Vref1−iに比べて正常状態の検出値に近いことを特徴とするものである。
【0015】
前記第2の検出回路2は、前記第1の基準値Vref1−iを低下させる方向に変化させるものであっても良いし、上昇させる方向に変化させるものであっても良い(請求項2,3)。また、前記第1の基準値Vref1−iの少なくとも1つを低下させる方向に変化させ、他の少なくとも1つを上昇させる方向に変化させるものであっても良い(請求項4)。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に第1の実施形態を示す。図1において主回路部及び制御回路は図示していないが、従来例と同様に主回路部はインバータ回路INV、コンデンサC0、負荷回路Zを備え、制御回路5によってインバータ回路INVの動作を制御している。また、検出信号が制御回路5に入力されると、インバータ回路INVの出力を低減または停止させるようにしている。図2に主回路部の構成例を示す。図1は図2の比較手段6の構成を示したものである。
【0017】
図1の検出信号を出力する構成について説明する。ここでは、ランプLaの状態を検出する3つの検出値が入力される。3つの検出値は、ランプ電圧を検出するランプ電圧検出部11の検出値V1、フィラメント電圧を検出するフィラメント電圧検出部12の検出値V2及びランプ電圧直流電圧成分を検出する非対称成分検出部13の検出値V3である。ランプ電圧検出部11は、ランプ電圧の正方向ピーク値に応じた電圧を検出値V1として出力する。フィラメント電圧検出部12は、フィラメント電圧の正方向ピーク値に応じた電圧を検出値V2として出力する。非対称成分検出部13は、ランプ電圧直流電圧成分の絶対値に応じた電圧を検出値V3として出力する。
【0018】
それぞれの検出値は第1の検出回路1の比較器1−1、1−2、1−3、第2の検出回路2の比較器2−1、2−2、2−3に入力される。比較器1−1、1−2、1−3はそれぞれ第1の基準値Vref1−1、Vref1−2、Vref1−3を持ち、比較器1−1、1−2、1−3の出力がOR回路3に入力され、OR回路3の出力が検出信号となる。つまり、検出値V1,V2,V3のいずれかが対応する第1の基準値Vref1−1、Vref1−2、Vref1−3以上になると検出信号を発生する。
【0019】
第2の検出回路2の比較器2−1、2−2、2−3は、それぞれ第2の基準値Vref2−1、2−2、2−3を持ち、比較器2−1、2−2、2−3の出力がAND回路4に入力され、AND回路4の出力が第1の基準値Vref1−1、Vref1−2、Vref1−3を低下させる信号となる。つまり、すべての検出値V1、V2、V3が対応する第2の基準値Vref2−1、Vref2−2、Vref2−3以上になると、比較器1−1、1−2、1−3の基準値Vref1−1、Vref1−2、Vref1−3を低下させる。
【0020】
図3に図14の各モードに対応した検出値及び検出動作を示す。ランプとして24Wランプ、42Wランプに対応でき、正常状態の各検出値は42Wランプ点灯時のものであり、エミレス状態の各検出値は24W点灯時のものである。正常点灯時における検出値は、外来ノイズ等による誤動作も考慮する必要がある。つまり基準値からある程度余裕をとった設定を行う必要があるが、本発明の構成を採ると、少なくとも1つの検出値が第2の基準値Vref2から余裕のある設定をしておけば、他の検出値はVref1から余裕のある設定をすればよいことになる。本例では、検出値V3を第2の基準値Vref2−3に対して余裕のある設定としてあるので、検出値V1は第1の基準値Vref1−1に対して余裕があるが、第2の基準値Vref2−1に対してほとんど余裕の無い設定としてもよいことになる。
【0021】
片側エミレス状態では、非対称成分検出部13の検出値V3がVref1−3以上になり、検出信号がHighになる。両側エミレス状態では、前述の通り検出値V3の上昇も発生し、全ての検出値V1、V2、V3が第2の基準値Vref2以上となり、第1の基準値Vref1が低下する。Vref1が低下すると、低下前のVref1−2にわずかに届かなかった検出値V2がVref1−2以上となり、検出信号がHighになる。検出信号のHigh信号が制御回路5に入力されると、インバータ回路INVの出力を低減または停止させる。このようにして、点灯時のランプ電圧が大きく異なる複数種の放電灯の最も大きいワット数の放電灯の正常点灯時でも誤動作せず、最も小さいワット数の放電灯がエミレス状態になったことを確実に検出して回路を保護することができる。
【0022】
さらに、従来例との比較のため、3つの検出部11,12,13を用いたが、フィラメント電圧検出部12と非対称成分検出部13の組み合わせだけで効果を発揮することが可能であり、より簡単な構成となる。また、本例においてはVref1が低下するレベルをVref2と同じ値としてもよく、その場合はAND回路4の出力自体も検出信号となるとともに、ランプ電圧検出部11と非対称成分検出部13の組み合わせだけでも効果を発揮することが可能である。
【0023】
(実施形態2)
図4に第2の実施形態を示す。本実施形態においては、実施形態1と同様の比較手段6に入力される検出値として、非対称成分検出部13の出力V1とスイッチング電流検出部14の出力V2を入力している。比較手段6は各検出値V1,V2を第1の基準値Vref1−1,1−2と比較する比較器で構成された第1の検出手段と、各検出値V1,V2を第2の基準値Vref2−1,2−2と比較する比較器で構成された第2の検出手段を備えている。非対称成分検出部13は実施形態1と同様であり、検出値V1が入力される比較器は検出値V1が基準値Vref1−1,Vref2−1以上になると出力がHighになる。スイッチング電流検出部14の検出値V2が入力される比較器は検出値が基準値Vref1−2,Vref2−2以下になると出力がHighになる。なお、本実施形態では検出値が2個であるから、第1の検出手段の比較器の出力を論理和するOR回路、第2の検出手段の比較器の出力を論理積するAND回路はいずれも2入力のものを用いることになる。
【0024】
図5は、ランプLaのインピーダンスが変化したときの共振カーブ(コンデンサC1の電圧)を示したものであり、ランプLaのインピーダンスが大きくなるにつれて共振カーブがa→b→cと変化し、動作ポイントが遅相から同相に近づく方向に変化する。図中、fsはインバータ回路の動作周波数、dは無負荷時の共振カーブである。
【0025】
図6はスイッチング素子Q2の両端電圧VDSと、このスイッチング素子Q2に流れるスイッチング電流ID の波形を示したものである。スイッチング電流ID が負方向に流れている期間Tfは、共振回路によるフライホイル電流がMOSFETよりなるスイッチング素子Q2の寄生ダイオード(逆並列ダイオード)を介して流れている。図6の(a),(b),(c)は図5の共振カーブa,b,cにそれぞれ対応しており、スイッチング電流ID は、ランプLaのインピーダンスが大きくなるにつれて、フライホイル電流が少なくなるとともにスイッチング電流ID のピーク値が高くなる。
【0026】
ここで、図6の(b),(c)に示すように、スイッチング電流ID が正方向に流れ始めるときに発生する急峻な電流は、図4におけるコンデンサC10の充電電流である。このコンデンサC10はスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング損失低減、雑音低減等の目的で通常スイッチング素子Q1もしくはQ2と並列に接続される。本例の場合はスイッチング素子Q1に並列に接続しているため、スイッチング素子Q1のオンからオフへの変化時には共振電流の一部としての充電電流が流れてVDSの立ち下がりの傾きを滑らかにし、スイッチング素子Q2のオンからオフへの変化時には共振電流の一部としての放電電流が流れてVDSの立ち上がりの傾きを滑らかにしている。この充放電電流は、フライホイル電流が流れる期間Tfに充放電が完了しなければ、スイッチング素子Q2がオンした時にスイッチング素子Q2を介して急峻な充放電電流として流れる。つまり、フライホイル電流が減少するにつれてコンデンサC10に充電できる量が減少し、残りをスイッチング素子Q2への順方向電流により満充電することになるので、フライホイル電流が減少するにつれてスイッチング素子Q2へ流れる急峻な電流はピークが大きく、幅が広くなっていく。
【0027】
ここで、図4のスイッチング電流検出部14について説明する。上記放電灯点灯装置では、スイッチング素子Q2と直列に抵抗R6を接続し、この抵抗R6でスイッチング素子Q2に流れる電流ID を検出して、コンデンサC5と抵抗R7で構成される微分回路に入力している。コンデンサC5と抵抗R7よりなる微分回路の出力はトランジスタQ3のベースに入力されており、微分回路の出力がトランジスタQ3のオン電圧以上になれば、トランジスタQ3がオンする。一方、電圧源E’から抵抗R8を介してコンデンサC6に充電された平滑電圧が検出値V2として出力されている。微分回路の出力がトランジスタQ3のオン電圧以上になると、トランジスタQ3がオンして抵抗R9を介してコンデンサC3の電荷を放電し、検出値V2が所定値以下となって比較手段6により異常検知される。
【0028】
図7はトランジスタQ3のべースに入力される電圧波形を示しており、(a),(b)は図6の(a),(b)に対応した波形である。トランジスタQ3のべースは、上述のように、スイッチング素子Q2に流れる電流ID を抵抗R6で検出した電圧を電圧源としたコンデンサC5と抵抗R7の微分回路の出力で駆動されている。そのため、トランジスタQ3のベース入力電圧はスイッチング素子Q2の電流ID の波形を微分した波形となり、通常の共振電流が流れる(a)の場合の電圧値は低くなるが、コンデンサC10の充放電電流のような急峻な電流が流れる(b)の場合の電圧値は高くなる。つまり、微分回路の構成とすることによりコンデンサC10の充放電電流の検出が可能になり、トランジスタQ3がオンするべース電圧Vbに達すると、トランジスタQ3がオンして抵抗R9を介してコンデンサC6の電荷を引き抜くようにしている。トランジスタQ3がオフ状態のときの検出値V2は電源E’の電圧がコンデンサC6に充電されている。
【0029】
図8に基づいて比較手段6の動作を説明する。正常状態及び24Wランプの片側エミレス状態ではコンデンサC10の充電電流波形が無いため、トランジスタQ3がオフで検出値V2の電圧は電源E’の電圧となる。片側エミレス状態は実施形態1と同様、非対称成分検出部13の検出値V1で検出信号がHighとなる。24Wランプの両側エミレス状態ではスイッチング素子Q2の電流ID にコンデンサC10からの急峻な充電電流が流れるため、トランジスタQ3のべース電圧がVb(図7)以上となる期間、抵抗R9を介してコンデンサC6の電荷を引き抜き、その他の期間は電源E’から抵抗R8を介してコンデンサC6を充電する。このとき、コンデンサC10からの急峻な充電電流の幅が短いため、コンデンサC6の電荷を十分引き抜くことができず、検出値V2はVref1とVref2の間の電圧(Vref2以下)となる。このとき検出値V1の電圧は、前述の通りVref2以上となっているため、第2の基準値についてのAND条件が成立し、図8の矢印に示すように、Vref1(破線)がVref2(一点鎖線)の方向に変化する。Vref1が変化すると、変化前のVref1に届かなかった検出値V2がVref1以下となり、検出信号がHighになる。検出信号のHigh信号が制御回路5に入力されると、インバータ回路INVの出力を低減または停止させる。
【0030】
このようにして、点灯時のランプ電圧が大きく異なる複数種の放電灯の最も大きいワット数の放電灯の正常点灯時でも誤動作せず、最も小さいワット数の放電灯がエミレス状態になったことを確実に検出して回路を保護することができる。
【0031】
(実施形態3)
第3の実施形態を図9〜図11に示す。回路構成は図9に示すように、2入力コンパレータの構成となり、1つの基準値Vrefに対する比較で検出値V1あるいは検出値V2のいずれかが基準値Vref以上となると検出信号を出力する。つまり、Vref1とVref2を兼用し、図1の検出回路1と検出回路2を兼用した例である。但し、便宜上、第1の基準値Vref1と第2の基準値Vref2の概念を用いて動作を説明する。
【0032】
図10は検出値V1と検出値V2が入力された時の基準値Vrefの変化を示した図であり、検出値V1(あるいは検出値V2)の電圧を上昇させていった時に、検出信号が出力される検出値V2(あるいは検出値V1)を示したもの、つまり基準値Vrefの変化を示したものである。前述までの実施形態では、Vref1が電圧AでVref2が電圧Bであるとすると、図中、電圧Aよりも外側の領域(V1>A)OR(V2>A)と図中Cの領域(V1>B)AND(V1>B)で検出信号の出力が可能であった。これに対して、本実施形態では、一方の検出値V1(あるいは検出値V2)が電圧Bに達すると他方の検出値V2(あるいは検出値V1)に対するVref2を低下するように変化させているとともに、このように変化するVref2に検出値V1、検出値V2の両方が達すると、Vref1をVref2と同値まで変化させて検出信号を出力する動作をしていることと同じであり、前述までの実施形態における検出信号出力が可能な領域が増加している。
【0033】
ここで、検出値V1がランプ電圧検出部11の出力、検出値V2が非対称成分検出部13の出力である場合の動作を図11をもとに説明する。非対称成分検出部13の出力の検出値V2は図3と同様であるが、ランプ電圧検出部11の出力の検出値V1は耐ノイズ性能を考慮して正常ランプ点灯時の電圧値(基準値Vref1)を図3より低いレベルに設定する。
【0034】
動作としては両側エミレス時が異なるため、両側エミレス時の動作について説明する。検出値V1は変化前のVref2よりやや低い値となる。一方、検出値V2はVref2以上となり(Vref1より低い)、Vref2を超えるレベルに応じてVref2が低下する。低下したVref2の値を検出値V1が超えているので、検出値V1と検出値V2の両方がVref2を超えることになり、Vref1をVref2まで低下させる。Vref1がVref2まで低下するということは検出値がVref1を超えることになるので、検出信号がHighとなり、制御回路5に入力されて、インバータ回路INVの出力を低減または停止させる。以上説明したように、本実施形態では検出信号出力が可能な領域を更に広げることが可能となるため、更に確実な検出が可能となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、放電灯の寿命末期に正常状態に比べて変化する電圧あるいは電流を放電灯点灯手段から検出した複数の検出値を、それぞれ放電灯の寿命末期の検出値と正常状態の検出値の間に設定された複数の第1の基準値と比較し、少なくとも1つの検出値が第1の基準値に達すると放電灯状態を検出した検出信号を出力する第1の検出手段の検出信号出力を受けて放電灯点灯手段の出力を所定の状態に変化させる制御手段を備える放電灯点灯装置において、前記複数の検出値を、それぞれ放電灯の寿命末期の検出値と正常状態の検出値の間に設定された複数の第2の基準値比較し、前記複数の検出値の全てが前記第2の基準値に達した場合に前記複数の第1の基準値の少なくとも1つを前記第2の基準値の方向に変化させる第2の検出手段を備え、前記第2の基準値は前記変化させる前の第1の基準値に比べて正常状態の検出値に近いので、放電灯の寿命末期の現象を簡単な構成で確実に検出して回路を保護できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の検出回路部の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の主回路部の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態1の検出動作を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態2の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施形態2の共振特性を示す特性図である。
【図6】本発明の実施形態2のスイッチング素子の電圧波形及び電流波形を示す波形図である。
【図7】本発明の実施形態2の微分回路の出力を示す波形図である。
【図8】本発明の実施形態2による検出動作を示す動作説明図である。
【図9】本発明の実施形態3の要部構成を示す回路図である。
【図10】本発明の実施形態3の動作説明図である。
【図11】本発明の実施形態3による検出動作を示す動作説明図である。
【図12】従来の放電灯点灯装置の回路図である。
【図13】従来の他の放電灯点灯装置の回路図である。
【図14】図13の放電灯点灯装置の複数の検出電圧の波形図である。
【図15】図13の放電灯点灯装置の正常時と異常時の波形図である。
【図16】フィラメントのスポット位置の変動を示す説明図である。
【図17】フィラメント電圧が正負非対称となる場合の波形図である。
【符号の説明】
1 検出回路
2 検出回路
3 OR回路
4 AND回路
11 ランプ電圧検出部
12 フィラメント電圧検出部
13 非対称成分検出部

Claims (10)

  1. 放電灯を点灯させる放電灯点灯手段と、
    前記放電灯の寿命末期に正常状態に比べて変化する電圧あるいは電流を前記放電灯点灯手段から検出した複数の検出値を、それぞれ放電灯の寿命末期の検出値と正常状態の検出値の間に設定された複数の第1の基準値比較し、少なくとも1つの検出値が第1の基準値に達すると放電灯状態を検出した検出信号を出力する第1の検出手段と、
    前記第1の検出手段の検出信号出力を受けて前記放電灯点灯手段の出力を所定の状態に変化させる制御手段と、
    前記複数の検出値を、それぞれ放電灯の寿命末期の検出値と正常状態の検出値の間に設定された複数の第2の基準値比較し、前記複数の検出値の全てが前記第2の基準値に達した場合に前記複数の第1の基準値の少なくとも1つを前記第2の基準値の方向に変化させる第2の検出手段とを備え、前記第2の基準値は前記変化させる前の第1の基準値に比べて正常状態の検出値に近いことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記第2の検出手段は、前記第1の基準値を低下させる方向に変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記第2の検出手段は、前記第1の基準値を上昇させる方向に変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記第2の検出手段は、前記第1の基準値の少なくとも1つを低下させる方向に変化させ、前記第1の基準値の他の少なくとも1つを上昇させる方向に変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  5. 前記制御手段は、前記放電灯点灯手段の出力を低減もしくは停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  6. 前記複数の第2の基準値は、それぞれの基準値が他の前記検出値に応じて変化することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  7. 前記第1の検出手段と前記第2の検出手段が兼用されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  8. 前記複数の第2の基準値は、連続的に変化することを特徴とする請求項6又は7記載の放電灯点灯装置。
  9. 前記第1の基準値を低下させる方向に変化させる検出値の少なくとも1つは、前記放電灯の正常点灯時に略0Vであることを特徴とする請求項2、4〜8のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  10. 前記複数の検出値の1つは、前記放電灯の電圧又は電流の直流成分を検出した検出値であることを特徴とする請求項9記載の放電灯点灯装置。
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