JP4110435B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、充放電効率及び放電時の電位が改良されたリチウムイオン二次電池用正極活物質及び該正極活物質からなる正極を有する非水電解液リチウムイオン二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、携帯化に伴い、ニッケル/カドミ電池、ニッケル水素電池に代わり、軽量で高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池の需要が高まっている。このリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、リチウムイオンをインターカレート、デインターカレートすることができる層状化合物であるLiNiO2、LiCoO2が知られている。その中でもLiNiO2はLiCoO2より高電気容量であり、低コストであるため期待されている。
しかしながら、LiNiO2は高容量ではあるが、充放電時におけるサイクル特性、高温時の安定性等に問題があり、各種改良が検討されている。
LiNiO2は、特に、充電時に多量のリチウムイオンが結晶中から脱離するため結晶構造が不安定となり、イオンの再配列が起こり層状構造の乱れが生じるためサイクル特性に好ましくない結果を与える。このような結晶構造の乱れを改善するためにニッケルの一部を他元素で置換する方法があり、Electrochimica. Acta 38(9),1159(1993)に記載されているようにニッケルの一部をコバルト等の他元素で置換することによりサイクル特性の改善をはかった研究例が報告されている。さらに、LiNiO2は充電時の安定性、特に高温時の安定性がLiCoO2と比較して好ましくない。これは、充電状態のリチウムイオン二次電池が高温下(60℃以上)にさらされると、電池正極と電解液が反応するためであり、LiNiO2はLiCoO2と比較して反応性が高いと言われている。その改良としてJ.Electrochem.Soc.,144(9) 3117(1997)ではニッケルの一部をコバルト、マンガン及びチタンで置換、あるいはJ.Electrochem.Soc.,142(12) 4033(1995)ではニッケルの一部をアルミニウムで置換した例が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなLiNiO2のサイクル特性、高温での安定性改良のため、本発明者等もニッケルの一部をコバルト、アルミニウム、マンガン、鉄、ホウ素からなる群から選ばれる一種類以上の元素で置換することができることを見出し既に開示している(国際公開公報番号WO98/06670号)。この発明の大きな特徴は、このような多種類の他元素を同時に且つ容易にニッケル上に固溶置換させることが出来、LiNiO2の持っている各種課題に対応したことにある。
しかしながら、これら多種類の他元素をニッケル上に固溶置換させることにより上記課題は改善されるが、以下の問題が生じてきた。
特に、ニッケルへの置換元素のうちアルミニウムを加えると、アルミニウム置換量の増加に伴い充放電効率(初期充電容量/初期放電容量)が低下することである。さらに、置換元素のうちコバルトを加えると、コバルト置換量の増加に伴い放電時の電位が低下してしまうことである。
【0004】
充放電効率の低下は電池作成の際に負極量が増え、結果として単位体積で比較すると電池容量が少なくなり、また放電時の電位低下は容量が高くてもエネルギー当たりでは低い結果となり、リチウムイオン二次電池の高容量化の面で大きな問題となる。このため、電池全体からみるとこれらの性質も改良する必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らも正極活物質の研究を進める中でニッケル、コバルト、アルミニウム及びホウ素の組み合わせを最適化することにより、従来LiNiO2の課題であったサイクル特性、高温時の安定性を改善できることが分かったが、逆に充放電効率の低下、放電時の電位の低下の問題が生じてきた。そこで、本発明者らはさらに鋭意検討を重ねた結果、ニッケルへの置換元素としてコバルト、アルミニウム及びホウ素にさらに最適量のマンガンを加えることにより、サイクル特性、高温時の安定性を維持しながら、充放電効率の改善そして放電時の電位低下を改善することを見い出した。
【0006】
すなわち、本発明は一般式(1)、
Liy(Ni1-(a+b+c)CoaAlbMnc)1-dBdO2 (1)
(但し、y、a、b、c及びdは、Li、Ni、Co、Al、Mn及びBの組成比を示し、yは0.9≦y≦1.3、a、b及びcは0.1<(a+b+c)≦0.3であり、aは0.01<a≦0.2、bは0.01<b≦0.1、cは0.01<c≦0.1であり、dは0<d≦0.03)で示されるリチウムニッケル複合酸化物からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質である。
【0007】
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、上記一般式(1)で示される関係式(組成)を満足するコバルト、アルミニウム、マンガン及びホウ素をニッケル上に固溶置換することにより製造することができる。該リチウムニッケル複合酸化物は、良好なサイクル特性、高温時の安定性を維持しながら、充放電効率の改善そして放電時の電位低下を抑制することができ、リチウムイオン二次電池の高エネルギー化を図る正極活物質として有用なものである。
【0008】
上記一般式(1)で示されるリチウムニッケル複合酸化物において、ニッケルの含量は少なくとも0.68以上が好ましく、これ以下ではニッケル系正極活物質としては電池容量が低すぎる。
【0009】
コバルト置換量は0.01<a≦0.2、アルミニウム置換量は0.01<b≦0.1であり、コバルト置換量が増え、その分アルミニウム置換量が少なくなればサイクル特性、充放電効率は向上するが、高温時の安定性が保証できなく、また放電時の電位の低下が見られる。逆に、アルミニウム置換量を増やしその分コバルト置換量が少なくなれば高温時の安定性は改善されるが、サイクル特性、充放電効率に問題が生じてくる。そこで、コバルト、アルミニウム及びホウ素の三元素置換系を、マンガンを加えた四元素置換系とし、中でも特に添加範囲の広いコバルトの一部をマンガンで置き換えると、アルミニウム置換量に応じた高温時の安定性を維持しつつ、また高価なコバルトの使用量が少なくなったうえにサイクル特性、充放電効率及び放電時の電位も改善できる。
【0010】
本発明のマンガンの置換範囲は、ニッケルを置換するコバルト、アルミニウム、及びホウ素の使用量により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは0.01<c≦0.1であり、充放電効率の改善ではより好ましくは0.025≦c≦0.06であり、それ以下では効果が見られなく、それ以上では逆にやや効率が低下する。充放電時の電位の改善では、マンガンの置換範囲が好ましくは0.05≦c≦0.1の範囲である。この場合、少なくとも0.05以上あれば0.1まで置換量を増やしてもあまり差はない。
【0011】
ホウ素の使用量は、ニッケルを置換するコバルト、アルミニウム及びマンガンの使用量により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは0<d≦0.03であり、これらの範囲においてサイクル特性、高温時の安定性を維持しながら電池特性の向上(開回路電圧の低下、分極の低下)が可能であり、0.03を越えると逆に電池特性が悪くなる。
【0012】
従って、コバルト、アルミニウム、マンガン及びホウ素でのニッケル置換範囲は、以下の範囲であることが好ましい。
(1)a,b及びcは、0.1<(a+b+c)≦0.3、(2)aは0.01<a≦0.2、(3)bは0.01<b≦0.1、(4)cは0.01<c≦0.1及び(5)dは0<d≦0.03であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるリチウムイオン二次電池用正極活物質について具体的に説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質は所定の組成範囲のコバルト、アルミニウム及びホウ素の三元素系でニッケルの一部を固溶置換することによりサイクル特性、高温時の安定性を改善するが、さらにコバルトの一部をマンガンで置き換え四元素系でニッケルの一部を固溶置換することにより、上記三元素系で問題となった充放電効率の低下、放電時の電位低下を改善(抑制する)材料である。この改善された理由については明らかではないが、以下のように考えられる。
LiNiO2のニッケルの一部をコバルトで置換するとサイクル特性、充放電効率が改善されるが、放電時の電位がコバルトの置換量の増加とともに低下する。そこで、コバルト置換量の一部をマンガンで置き換えることにより、コバルト置換量が少なくなりその分放電時の電位低下が抑制され、さらにマンガンはニッケル、コバルトより導電性が低い材料であるため、電位が高くなると考えられる。
また、上記LiNiO2のニッケルの一部をコバルトで置換したものに、さらにコバルト置換の一部をアルミニウムで置き換えることにより、高温時の安定性は改善するが、アルミニウム置換量の増加と伴に充放電効率が低下する。そこで、アルミニウム置換量そのままで、さらにコバルトの一部を適正量のマンガンで置換することによりLiNiO2構造が安定化するため充放電効率が改善すると考えられる。
従って、Liy(Ni1-(a+b)CoaAlb)1-dBdO2で示されるニッケル、コバルト、アルミニウムの三元素置換系に対してさらにコバルトの一部をマンガンで置き換えた本発明の一般式(1)で示される四元素置換系にすることにより三元素系で改善されたサイクル特性、高温時の安定性を維持しながら、充放電効率の改善、放電時の電位の改善を達成できた。
各元素の適正組成範囲は一般式(1)で示された範囲となる。
【0014】
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は以下の製法で得ることができる。
【0016】
具体的には、一般式(1)
Li y (Ni 1-(a+b+c) Co a Al b Mn c ) 1-d B d O 2 (1)
(但し、y、a、b、c及びdはLi、Ni、Co、Al、Mn、Bの組成比を示し、yは0.9≦y≦1.3、a、b及びcは0.1<(a+b+c)≦0.3であり、aは0.01<a≦0.2、bは0.01<b≦0.1、cは0.01<c≦0.1であり、dは0<d≦0.03)で示されるリチウムニッケル複合酸化物において、一般式(2)
Ni1-(a+b+c)CoaAlbMnc(OH)(2+b-nz)(An-)z・mH2O ( 2 )
(式中、An-はn価(n=1〜3)のアニオン、z及びmはそれぞれ0.03≦z≦0.3、0≦m<2の範囲を満足する正の数を示す。)で示される塩基性金属塩にdで示すホウ素原子モル数に相当する量のホウ素化合物を水媒体中で添加し、さらにyで示すリチウム原子モル数に相当する量のリチウム化合物を水媒体中で添加し、得られたスラリーを噴霧又は凍結乾燥後、酸化雰囲気下で約600〜900℃、約4時間以上焼成することにより製造することができる。本発明の中で比べるなら噴霧乾燥法がより望ましい。水溶性リチウム化合物及び塩基性金属塩としては、焼成時に揮散する陰イオンを含むものが好適に使用される。
【0017】
リチウム化合物としては、例えば、LiOH、LiNO3、Li2CO3又はこれらの水和物等の中から1種又は2種以上を選択することができる。
【0018】
塩基性金属塩におけるAn-としては、例えば、NO3 -、Cl―、Br―、CH3COO―、CO3 2-、SO4 2-等で示されるアニオンから選択することができる。
【0019】
これらの化合物において収率、反応性、資源の有効利用及び酸化促進効果等の観点からリチウム化合物としてはLiOH、ホウ素化合物としてはホウ酸、又塩基性金属塩としては、アニオンが硝酸である組み合わせが電池特性の観点から特に好ましい。
【0020】
ここで用いる塩基性金属塩は、Ni1-(a+b+c)CoaAlbMnc塩の水溶液に対して、約0.7〜0.95当量、好ましくは約0.8〜0.95当量のアルカリを約80℃以下の反応条件下で加えて反応させることにより、製造することができる。ここで用いるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属類の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の水酸化物、アミン類等である。なお、この塩基性金属塩は合成後20〜70℃で0.1〜10時間熟成すると更に好ましい。次いで、水洗により副生成物を取り除き、リチウム化合物及びホウ素化合物を加える。
【0021】
ホウ素化合物としては、ホウ酸、四ホウ酸リチウム等が好適に使用できる。
【0022】
この様な反応によって得られたスラリーの乾燥は、好ましくは噴霧又は凍結乾燥法が望ましい。
【0023】
瞬時に乾燥でき且つ球状物を得ることができる噴霧乾燥法は、球状造粒性、組成物の均一性(乾燥時間のかかる乾燥法では、表面にリチウムが移行し、不均一な組成物となる。)の観点から好適である。
【0024】
焼成は、600〜900℃、好ましくは750〜850℃の温度範囲で行い、酸素気流下、約4時間以上で行う。好ましくは4〜72時間、より望ましくは、約4〜20時間程度が良い。焼成時間が72時間以上であればコストアップとなるばかりでなく、リチウムの揮散に伴い、(Ni+Co+Mn)の3価の割合が却って低くなり、純度の悪い物となる。
【0025】
この焼成に関する技術では、乾式法等の既知の技術では、2価から3価になりがたいニッケルに対して、少なくとも20時間以上の焼成が要求されていたことからみると、本発明の化合物は簡便な製法により極めて経済的に得ることができる。
【0026】
嵩密度を大きくする場合にはプレス成形法が有利である。
【0027】
例えば、上記噴霧乾燥法で得た均一に少量固溶された噴霧乾燥品をプレス成形することにより、嵩密度が大きく、且つ結晶化度と純度が高い複合酸化物を得ることができる。
【0028】
噴霧乾燥品である球状物は、流動性、成形性、充填性に優れた粉体であり、そのまま常法に従いプレス成形することができる。
【0029】
成形圧は、プレス機、仕込み量等により異なり、特に限定されるものではないが、通常500〜3000kg/cm2程度が好適である。プレス成形機は、打錠機、ブリケットマシン、ローラコンパクター等好適に使用できるがプレスできるものであればよく、特に制限はない。
【0030】
プレス品の密度は、1〜4g/cc、好ましくは2〜3g/cc程度が好適である。
【0031】
プレス成形は、分子間移動距離が短くなり、焼成時の結晶成長を促進するという点では極めて有用である。従って、プレス成型に供する材料は必ずしも噴霧乾燥品の球状物である必要はなく、凍結乾燥品でも同様に使用することができる。
【0032】
このプレス成形品は、そのまま焼成される。焼成温度は、通常600〜900℃、好ましくは750〜850℃で、酸素気流下、4時間以上で行う。焼成時間が長い程一次粒子は大きくなるので、焼成時間は所望の一次粒子の大きさによって決まる。
【0033】
このようにして得られた上記一般式(1)表示のリチウムニッケル複合酸化物は、本発明者らが公開公報WO98/06670号に開示した課題のたサイクル特性、高温時の安定性を維持しながら、さらに充放電効率の改善、放電時の電位が改善されたものであり、リチウムイオン二次電池用の正極材料として有効に利用できる。
【0034】
すなわち、本発明の非水電解液リチウムイオン二次電池は、正極活物質を含む正極とリチウムをドープ及び脱ドープ可能である負極と、リチウム塩を非水媒体に溶解又は分散してなる非水電解質からなる非水電解液リチウムイオン二次電池において、上記正極活物質が一般式(1)、
Liy(Ni1-(a+b+c)CoaAlbMnc)1-dBdO2 (1)
(但し、y、a、b、c及びdは、Li、Ni、Co、Al、Mn及びBの組成比を示し、yは0.9≦y≦1.3、a、b及びcは0.1<(a+b+c)≦0.3であり、aは0.01<a≦0.2、bは0.01<b≦0.1、cは0.01<c≦0.1であり、dは0<d≦0.03)で示されるリチウムニッケル複合酸化物であることを特徴とする。
【0035】
正極活物質を用いて正極を作製する方法としては、常法に従って、例えば、正極活物質の粉末と、例えば、カーボンブラックやグラファイト等の導電材料と、ポリフッ化ビニリデン等のバインダー樹脂とを均一に混合して正極合剤組成物を調製し、圧縮成型することによりコイン型二次電池用のペレット形状の正極を作製することができる。
【0036】
また、正極活物質の粉末と導電材料とバインダー樹脂とに加えて、さらに公知の溶媒、例えば、ホルムアミドやN−メチルピロリドン等の溶媒を添加してぺースト状の正極合剤を調整し、それを正極集電体に塗布し乾燥することにより、筒型又は角型二次電池用の正極を作製することができる。
【0037】
上記正極は、リチウムをドープ及び脱ドープ可能である材料、例えば炭素質材料、リチウム合金からなる負極と、リチウム塩を溶解してなる非水電解液から構成される非水電解液二次電池において好適に使用することができる。
このリチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料としては、例えば、熱分解炭素類、ピッチコークス、石油コークス、ニードルコークス等のコークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成した有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等の炭素質材料、あるいはポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を使用することができる。
リチウム合金としては、例えばリチウム−アルミニウム合金等を使用することができる。
【0038】
負極は、例えば、炭素質材料を使用する場合には、正極を作製する場合と同様に処理し、例えば、炭素質材料の粉末とポリフッ化ビニリデン等のバインダー樹脂とを均一に混合して負極合剤組成物を調整し、それを圧縮成型することによりコイン型二次電池用のペレット形状の負極を作製することができる。
金属リチウムやリチウム合金を負極材料として使用する場合には、板状の金属リチウム又はリチウム合金を所定の形状(例えばペレット形状)に機械的に打ち抜くことにより負極を作製することができる。
【0039】
非水電解液二次電池を構成する非水電解液としては、公知の非水媒体(非水溶媒又はイオン導電性ポリマー等)にリチウム塩電解質を溶解又は分散してなる非水電解液や固体電解質を使用することができる。
【0040】
非水電解液の非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチノレカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等を使用することができる。
上記溶媒は、1種又は2種類以上を組み合わせて使用するもできる。
【0041】
電解質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)等を使用できる。
非水電解液二次電池の他の構成、例えばセパレータ、電池缶等については、従来の非水電解液二次電池と同様にすることができ、特に限定されるものではない。また、電池の形状についても特に限定されるものではなく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等任意の形状にすることができる。
【0042】
以下、本発明の詳細について、実施例をもって説明する。
【実施例】
(実施例1) LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al:Mn(モル比)=80:10:5:5組成で置換する場合:
Ni:Co:Al:Mnモル比=80:10:5:5となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸 アルミニウム 及び硝酸マンガンを用いて(Ni+Co+Al+Mn)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製した。さらに4.0Mの水酸化ナトリウム溶液を調製し、定量ポンプを用いて両水溶液を撹拌下、反応糟にpH9.5となるように同時添加を行い、反応温度25℃、滞留時間15分で連続反応を行った。得られた反応生成物を濾過、水洗し(なお、一部乾燥したものの組成は、Ni0.8Co0.1Al0.05Mn0.05(OH)1.7(NO3)0.35・0.22H2Oであった。)、水に懸濁させた後、前記Ni、Co,Al及びMnに対し(Ni+Co+Al+Mn):Bモル比=99:1に相当する量のホウ酸を添加し、スラリーとした。このスラリーにLi/(Ni+Co+Al+Mn+B)=1.05のモル比に相当する量の3.0Mの水酸化リチウム水溶液を添加した後、噴霧乾燥を行った。得られた乾燥ゲルをアルミナ製ボードに入れ管状炉(山田電気製 TF−630型)にて酸素流通下、750〜850℃の範囲で15時間焼成を行った。
焼成物のX線回折測定を行ったところJoint committee on powder diffraction standards (以下JCPDSとする)の09−0063(LiNiO2)に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図2)。
【0043】
正極の作成:
正極の作成は、まず正極活物質と導電剤であるアセチレンブラックと結合剤としてテフロンを重量比で70:20:10となるように混合し、この正極剤75mgを3トン/cm2で直径18mmのペレット状に加圧成型し、直径16mmに打ち抜き、充分に乾燥した後正極とした。
以上のように作成した電極を用いて製造した電池の断面図を図1に示す。
【0044】
前記正極7をアルゴン雰囲気のグローブボックス中で2032型コイン電池に組み立てた。負極2には直径15mm、厚さ1mmのリチウム金属を用い、電解液には1モルのLiPF6を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の1:2混合溶液を用いた。
【0045】
以上の様にして作成した電池について、3.0V〜4.3Vの電池範囲で0.4mA/cm2の電流密度で充放電試験を行った。
初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表1及び図5に示す。
【0046】
(参考例1) LiNiO2のニッケルの部分を実施例1と同組成で置換し、ホウ素を含まない場合:実施例1で得られた反応スラリーにLi/(Ni+Co+Al+Mn)=1.05のモル比に相当する量の3.0Mの水酸化リチウム水溶液を添加した後、噴霧乾燥を行った。得られた乾燥ゲルをアルミナ製ボードに入れ前記管状炉にて酸素流通下、750〜850℃の範囲で15時間焼成を行った。焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図2)。さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表1及び図6に示す。
【0047】
(実施例2) LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al:Mn(モル比)=80:5:5:10組成で置換する場合:Ni:Co:Al:Mn(モル比)=80:5:5:10となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸アルミニウム 及び硝酸マンガンを用いて(Ni+Co+Al+Mn)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製し、以下実施例1と同様に操作し、焼成物を得た。
【0048】
なお、途中で得られた反応生成物の一部乾燥した物の組成はNi0.8Co0.05Al0.05Mn0.1(OH)1.82(NO3)0.23・0.18H2Oであった。
焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図2)。
さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表1及び図5に示す。
【0049】
(参考例2) LiNiO2のニッケルの部分を実施例2と同組成で置換し、ホウ素を含まない場合:実施例2で得られた反応スラリーにLi/(Ni+Co+Al+Mn)=1.05のモル比に相当する量の3.0Mの水酸化リチウム水溶液を添加した後、噴霧乾燥を行った。得られた乾燥ゲルをアルミナ製ボードに入れ前記管状炉にて酸素流通下、750〜850℃の範囲で15時間焼成を行った。焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図2)。さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表1及び図6に示す。
【0050】
(比較例1) LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al(モル比)=80:15:5組成で置換する場合:
Ni:Co:Al(モル比)=80:15:5となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト 及び硝酸 アルミニウムを用いて(Ni+Co+Al)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製した。さらに4.0Mの水酸化ナトリウム溶液を調製し、定量ポンプを用いて両水溶液を撹拌下、反応糟にpH9.5となるように同時添加を行い、反応温度25℃、滞留時間15分で連続反応を行った。得られた反応生成物を濾過、水洗し(なお、一部乾燥したものの組成は、Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)1.86(NO3)0.19・0.24H2Oであった。)、水に懸濁させた後、前記Ni、Co及びAlに対し(Ni+Co+Al):B(モル比)=99:1に相当する量のホウ酸を添加し、スラリーとした。このスラリーにLi/(Ni+Co+Al+B)=1.05のモル比に相当する量の3.0Mの水酸化リチウム水溶液を添加した後、噴霧乾燥を行った。得られた乾燥ゲルをアルミナ製ボードに入れ前記管状炉にて酸素流通下、750〜850℃の範囲で15時間焼成を行った。
焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図2)。
さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表1及び図5及び6に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
(実施例3)
LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al:Mn(モル比)=80:12.5:2.5:5組成で置換する場合:Ni:Co:Al:Mn(モル比)=80:12.5:2.5:5となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸アルミニウム 及び硝酸マンガンを用いて(Ni+Co+Al+Mn)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製し、以下実施例1と同様に操作し、焼成物を得た。なお、途中で得られた反応生成物の一部乾燥した物の組成はNi0.8Co0.125Al0.025Mn0.05(OH)1.79(NO3)0.235・0.21H2Oであった。焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図3)。さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表2及び図7に示す。
【0053】
(比較例2)
LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al(モル比)=80:17.5:2.5組成で置換する場合:
Ni:Co:Al(モル比)=80:17.5:2.5となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト 及び硝酸 アルミニウムを用いて(Ni+Co+Al)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製した。さらに4.0Mの水酸化ナトリウム溶液を調製し、定量ポンプを用いて両水溶液を撹拌下、反応糟にpH9.5となるように同時添加を行い、反応温度25℃、滞留時間15分で連続反応を行った。得られた反応生成物を濾過、水洗し(なお、一部乾燥したものの組成は、Ni0.8Co0.175Al0.025(OH)1.84(NO3)0.185・0.23H2Oであった。)、水に懸濁させた後、前記Ni、Co及びAlに対し(Ni+Co+Al):B(モル比)=99:1に相当する量のホウ酸を添加し、スラリーとした。このスラリーにLi/(Ni+Co++Al+B)=1.05のモル比に相当する量の3.0Mの水酸化リチウム水溶液を添加した後、噴霧乾燥を行った。得られた乾燥ゲルをアルミナ製ボードに入れ前記管状炉にて酸素流通下、750〜850℃の範囲で15時間焼成を行った。
焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図3)。
さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表2及び図7に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
(実施例4)
LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al:Mn(モル比)=70:15:10:5組成で置換する場合:Ni:Co:Al:Mn(モル比)=70:15:10:5となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸アルミニウム及び硝酸マンガンを用いて(Ni+Co+Al+Mn)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製し、以下実施例1と同様に操作し、焼成物を得た。なお、途中で得られた反応生成物の一部乾燥した物の組成はNi0.7Co0.15Al0.1Mn0.05(OH)1.86(NO3)0.24・0.23H2Oであった。
【0056】
焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図4)。
さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表3及び図8に示す。
【0057】
(比較例3)
LiNiO2のニッケルの部分をNi:Co:Al(モル比)=70:20:10組成で置換する場合:Ni:Co:Al(モル比)=70:20:10となるように硝酸ニッケル、硝酸コバルト及び硝酸アルミニウムを用いて(Ni+Co+Al)の全モル数が4.0Mとなる混合水溶液を調製した。さらに4.0Mの水酸化ナトリウム溶液を調製し、定量ポンプを用いて両水溶液を撹拌下、反応糟にpH9.5となるように同時添加を行い、反応温度25℃、滞留時間15分で連続反応を行った。得られた反応生成物を濾過、水洗し(なお、一部乾燥したものの組成は、Ni0.7Co0.2Al0.1(OH)1.79(NO3)0.31・0.24H2Oであった。)、水に懸濁させた後、前記Ni、Co及びAlに対し(Ni+Co+Al):B(モル比)=99:1に相当する量のホウ酸を添加し、スラリーとした。このスラリーにLi/(Ni+Co+Al+B)=1.05のモル比に相当する量の3.0Mの水酸化リチウム水溶液を添加した後、噴霧乾燥を行った。得られた乾燥ゲルをアルミナ製ボードに入れ前記管状炉にて酸素流通下、750〜850℃の範囲で15時間焼成を行った。焼成物のX線回折測定を行ったところJCPDSの09−0063に登録されたパターンと類似しており、LiNiO2に帰属するピーク以外のピークは認められなく、ニッケル以外の成分がニッケルに均一に固溶したLiNiO2と同様の結晶構造を持つことが確認された(図4)。さらに、実施例1と同様の方法で電池を作製し、同条件で充放電試験を行った。初期充放電効率と初期放電曲線の結果を表3及び図8に示す。
【表3】
【0058】
以上の結果をまとめると表1の結果から分かるように、実施例1、参考例1、実施例2及び参考例2は比較例1に比べる充放電効率が改善されており、実施例1と2、参考例1と実施例2を比較するとマンガン置換量が増え、その分コバルト置換量が少なくなると充放電効率が低下することが分かる。さらに表2の結果から実施例3は比較例2に比べ充放電効率が改善されており、また、表3の結果から実施例4も比較例3に比べ充放電効率が改善されており、明らかにコバルト置換量の一部をマンガンで置き換えることにより充放電効率の改善が見られる。
【0059】
また、図5,6、7及び8の結果から各実施例、各参考例の放電電位が各比較例の放電電位に比べ高く改善されていることが分かる。
【0060】
ここで代表的なサンプルとして実施例1,2及び比較例1のサイクル特性をサイクル数に対する容量維持率(各サイクルの放電容量×100/初回放電容量)で図9に示す。
【0061】
電池の作成、測定条件は実施例1に従って行った。図9の結果からも分かるように、比較例1で示すサイクル特性が、比較例1のコバルトの一部をマンガンで置き換えた実施例1及び2でも維持若しくはさらに改善されていることが分かる。さらに、代表的なサンプルとして実施例1,2及び比較例1のグループと実施例3及び比較例2のグループについて高温時の安定性試験として以下のような示差熱による測定を行った。実施例1で示す電池を作成し、初回充電後電池を分解し正極を取り出す。正極を直径4mmの金型で3枚打ち抜き、打ち抜いた正極をジメチルカーボネートで洗浄後、2時間真空乾燥を行う。
【0062】
乾燥した正極を示差熱測定装置にて空気流通下、10℃/分の昇温速度で測定を行い酸素脱離温度、発熱ピーク温度を測定し、その結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
表4の結果から分かるように実施例1及び2は比較例1と比較して、酸素脱離開始温度及び発熱ピーク温度に差がみられない。
【0065】
【表5】
上記表5の結果から、実施例3と比較例2との比較においても酸素脱離開始温度及び発熱ピーク温度に差がみられないことが分かる。すなわち、表4の結果から分かるように実施例1及び2は比較例1と比較して、酸素脱離開始温度及び発熱ピーク温度に差がみられなく、さらに表5の結果から実施例3と比較例2との比較においても酸素脱離開始温度及び発熱ピーク温度に差がみられなく、比較例のコバルトの一部をマンガンで置き換えても高温時の安定性が維持されていることが分かる。
【0066】
【発明の効果】
本発明により、正極活物質として用いるリチウムニッケル複合酸化物にコバルト、アルミニウム及びホウ素とさらに所定量のマンガンを加えることにより、サイクル特性、高温時の安定性を維持しながら、さらに充放電効率及び放電時の電位が改良されたリチウムイオン二次電池用正極活物質及び該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるリチウムイオン二次電池の縦断面図。
【図2】 実施例1、2、参考例1,2及び比較例1の化合物のXRDである。
【図3】 実施例3及び比較例2の化合物XRDである。
【図4】 実施例4及び比較例3の化合物のXRDである。
【図5】 実施例1、2及び比較例1の放電カーブである。
【図6】 参考例1、2及び比較例1の放電カーブである。
【図7】 実施例3及び比較例2の放電カーブである。
【図8】 実施例4及び比較例3の放電カーブである。
【図9】 実施例1、2及び比較例1のサイクル特性である。
Claims (2)
- 一般式(1)、
Liy(Ni1-(a+b+c)CoaAlbMnc)1-dBdO2 (1)
(但し、y、a、b、c及びdは、Li、Ni、Co、Al、Mn及びBの組成比を示し、yは0.9≦y≦1.3、a、b及びcは0.1<(a+b+c)≦0.3であり、aは0.01<a≦0.2、bは0.01<b≦0.1、cは0.01<c≦0.1であり、dは0<d≦0.03)で示されるリチウムニッケル複合酸化物からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質。 - 正極活物質を含む正極とリチウムをドープ及び脱ドープ可能である負極と、リチウム塩を非水媒体に溶解又は分散してなる非水電解質からなる非水電解液リチウムイオン二次電池において上記正極活物質が一般式(1)、
Liy(Ni1-(a+b+c)CoaAlbMnc)1-dBdO2 (1)
(但し、y、a、b、c及びdは、Li、Ni、Co、Al、Mn及びBの組成比を示し、yは0.9≦y≦1.3、a、b及びcは0.1<(a+b+c)≦0.3であり、aは0.01<a≦0.2、bは0.01<b≦0.1、cは0.01<c≦0.1であり、dは0<d≦0.03)で示されるリチウムニッケル複合酸化物であることを特徴とする非水電解液リチウムイオン二次電池。
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