JP4109815B2 - レーザダイオード駆動装置およびレーザダイオード駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザダイオードからの発光量が所望の光量になるように駆動電流を制御する、レーザダイオード駆動装置およびレーザダイオード駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、デジタル光通信や電子写真などの分野において、電気パルス信号を光パルスに変換する為の発光素子としてレーザダイオードが用いられている。そして、発光素子の動作温度が変化したとしても、所望の発光量が得られるよう種々の工夫がなされてきた。
【0003】
しかしながら、レーザダイオードの発光特性は、動作温度に大きく依存しており、動作温度の変化に伴い、所望の光量を得るためにレーザダイオード駆動電流を制御する必要がある。
【0004】
図1は、従来から知られている、レーザダイオードのAPC(Auto Power Control)回路の一例を示す。すなわち本図は、カソード駆動タイプレーザダイオードのパルス電流制御によるレーザダイオード駆動回路を示す。
【0005】
図1において、101はコンパレータ回路、102はサンプル/ホールド回路、103はホールドコンデンサ(CH)、104は電流増幅回路、105は基準電流源(I0)、106はスイッチング回路、107はレーザダイオード(LD)、108はフォトダイオード(PD)、109はモニタ抵抗(Rm)である。
【0006】
コンパレータ回路101の正極端子には第1の基準電圧Vref1が入力されており、出力はサンプル/ホールド回路102に入力されている。サンプル/ホールド回路102には、ホールドコンデンサ103(CH)が接続されている。ホールドコンデンサ103(CH)の出力は、電流増幅回路104の正極端子に入力されている。電流増幅回路104には基準電流源105(I0)が接続されており、その出力はスイッチング回路106に入力されている。他方、電流増幅回路104の負極端子には、第2の基準電圧Vref2が入力されている。スイッチング回路106は、パルス変調データ信号Dataによりオン・オフ動作する。
【0007】
スイッチング回路106の出力端は、レーザダイオード107のカソードに接続されており、駆動電流Idrvを供給している。レーザダイオード107のアノードは、電源VCCに接続されている。レーザダイオード107の光量をモニタするフォトダイオード108のカソードは、電源VCCに接続されており、フォトダイオード108アノードはモニタ抵抗109(Rm)に接続されてモニタ電流(Im)をモニタ抵抗109(Rm)に流すことにより、モニタ電圧(Vm)を発生させている。このモニタ電圧(Vm)は、コンパレータ回路101の負極端子に帰還入力されている。
【0008】
次に、この図1に示した従来例の動作を簡単に説明する。
【0009】
サンプル/ホールド回路がサンプリング状態にある期間中(以下、APC(Auto Power Control)動作中という)、スイッチング回路106は、入力データ(Data)により、レーザダイオード107が全面発光状態になるよう設定する。この状態で、レーザダイオード107の発光量が所望の光量になるよう、フォトダイオード108でレーザダイオード107の発光量をモニタし、その発光量に比例したモニタ電流Imを発生させる。そして、モニタ電流Imをモニタ抵抗109(Rm)に流すことにより、モニタ電圧Vmを発生させる。
【0010】
このモニタ電圧Vmが、目標値である第1の基準電圧Vref1と一致するように、電流増幅回路104が基準電流源I0をもとに駆動電流Idrvを制御する。
【0011】
また、サンプル/ホールド回路102がホールド期間中にあるときには、入力データ(Data)に応じてスイッチング回路106がオン・オフ動作し、駆動電流Idrvにパルス幅変調を与える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、フォトダイオード(PD)端子の寄生容量とモニタ抵抗(Rm)で時定数回路が構成されているので、消灯状態からAPC動作に移行した直後、モニタ電圧Vmが目標電圧Vref1に達するまでにかなりの時間がかかってしまうといる問題があった。
【0013】
図2は、消灯状態からAPC動作が始まる過程を図示している。本図に示すように、時刻t1でレーザ光量がすでに目標値に達していたとしても、モニタ電圧Vmが遅れて立ち上がっていく為、目標電圧Vref1になっていない。それゆえ、図1に示したAPC回路は、レーザダイオード(LD)107の発光量が不足しているものと判定し、さらに駆動電流Idrvを大きくするよう動作する。これにより、発光量は目標値を越えてさらに大きくなり、モニタ電圧Vmが遅れて目標値を越えたとき(時刻t2)、今度は、図1のAPC回路は、発光量が過剰であると判断し、駆動電流を少なくするように動作する。その結果、APC動作中のハンチング現象を引き起こすことになる。
【0014】
この現象は、例えば数十mW程度のレーザダイオードあるいはモニタ電流Imが微少(数百μA程度)なレーザダイオードを用いた場合、時定数が大きなものとなってしまい特に問題である。より具体的には、この場合、APC期間が数μsecでは完了できず、制御を収束させる為に十分長いAPC期間が必要になってしまうという問題が生じる。
【0015】
一方、近年の複写機やレーザビームプリンタ(LPB)の動作周波数の高速化は著しく、APCが行える時間は短くなってきている。近い将来、数μsecの期間内にAPC動作を完了しなければならないことは十分に考えられることであり、上述した課題は、避けては通れないものである。
【0016】
また、レーザダイオードのスロープ効率が1mW/mA程度以上の大きいものを使用した場合、APC期間中のハンチング現象はより顕著に現れる。これに対して、従来の技術では、ホールドコンデンサ(CH)の容量値を大きくすることにより、APCループの周波数特性を落とすことで対策している。
【0017】
しかしながら、この対策は、発光量のハンチングの原因を根本的に改善したわけではなく、単にホールドコンデンサCHの容量値を安易に大きくすることは、目標光量値に達するまでの時間を必要以上に長くしてしまうことにつながるという問題がある。
【0018】
よって、本発明の目的は上述の点に鑑み、従来に比してAPC期間の短縮化を図ったレーザダイオード駆動装置およびレーザダイオード駆動方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、レーザダイオードの出力光を受光したフォトダイオードからの出力によるモニタ信号を一方の端子に入力し他方の端子に基準信号を入力するコンパレータを含む、前記コンパレータに入力されたモニタ信号に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御する駆動手段を備えたレーザダイオード駆動装置であって、前記レーザダイオードの駆動電流を制御するために前記駆動手段を動作させるにあたり、前記モニタ信号に電圧を印加することにより所定値まで強制的に変化させる補助手段を具備し、前記駆動手段は、APC動作であるところの、前記レーザダイオードによる出力光を受光したことに応じた前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号を前記コンパレータの前記一方の端子に入力し、当該入力されたモニタ信号と前記基準信号の差分に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御し、前記モニタ信号が基準信号と一致するように帰還制御を行う閉回路を含み、前記補助手段は、前記モニタ信号を強制的に変化させることのない前記APC動作を開始させる前に、前記モニタ信号を所定値まで強制的に変化させるべく、電圧を印加することによって前記所定値の電圧信号を、前記APCを動作させた場合に前記閉回路における前記コンパレータの前記一端の端子に供給するものである。
【0020】
請求項2に係る本発明は、請求項1に記載のレーザダイオード駆動装置において、前記補助手段により電圧印加することで前記モニタ信号を前記目標レベルまで強制的に変化させる動作は、前記駆動手段によりAPC動作を開始する直前に終了する。
【0022】
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2に記載のレーザダイオード駆動装置において、前記駆動手段は、前記レーザダイオードの出力光量が、前記目標レベルに相当する第1目標レベルに該当する第1の光量となるように駆動電流を制御する第1の駆動手段と、前記レーザダイオードの出力光量が第2目標レベルに該当する第2の光量となるように駆動電流を制御する第2の駆動手段とを有し、前記補助手段は、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段にそれぞれ対応した第1の補助手段および第2の補助手段を有する。
【0023】
請求項4に係る本発明は、請求項3に記載のレーザダイオード駆動装置において、前記第1の光量は点灯時の発光量に相当し、前記第2の光量は前記点灯時の発光量における1/N(N:2以上の整数)の発光量に相当する。
【0025】
請求項5に係る本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザダイオード駆動装置において、レーザダイオードの出力光量に対応した前記モニタ信号と予め定められた基準信号とを比較する比較手段と、前記比較手段の出力をホールド容量に保持するサンプル/ホールド手段と、前記モニタ信号が前記予め定められた基準信号の所定の割合に到達したとき、前記ホールド容量の充電電流および放電電流を徐々に減少させる充放電制御手段とを有し、前記駆動手段は、前記ホールド容量の端子間電圧に基づいて前記レーザダイオードの駆動電流を制御する。
【0026】
請求項6に係る本発明は、請求項5に記載のレーザダイオード駆動装置において、前記比較手段のゲインを外部制御信号により制御することにより、前記基準信号の所定の割合を決定する。
【0027】
請求項7に係る本発明は、レーザダイオードの出力光を受光したフォトダイオードからの出力によるモニタ信号を一方の端子に入力し他方の端子に目標レベルの基準信号を入力するコンパレータを含み、前記一方の端子に入力された前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御する駆動手段を備えたレーザダイオード駆動装置によるレーザダイオード駆動方法であって、前記レーザダイオードの駆動電流を制御するために前記駆動手段を動作させるにあたり、前記モニタ信号を目標レベルまで電圧印加により強制的に変化させる補助ステップを具備し、前記駆動手段は、APC動作であるところの、前記一方の端子に入力されたモニタ信号と前記目標レベルの基準信号との差分に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御することで前記モニタ信号が基準信号と一致するように帰還制御を行う閉回路を含んでなり、前記補助ステップは、前記モニタ信号を強制的に変化させることのない前記APC動作を開始する直前に、前記モニタ信号を所定値まで強制的に変化させるべく、前記電圧印加による前記目標レベルの電圧信号を、前記APCを動作を開始した直後に前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号が前記目標レベルになるように、前記閉回路における前記モニタ信号の出力部に強制的に印加するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の各実施の形態を詳細に説明する。
【0036】
実施の形態1
ここで述べる実施の形態1は、レーザダイオードに電流を供給して発光量を制御するレーザダイオード駆動回路のAPC動作において、APC動作を開始する前に、フォトダイオードから出力されるモニタ電流をモニタ電圧に変換する電流電圧変換回路の出力電圧を、入力電圧を目標電圧とする電圧増幅回路とスイッチング回路で構成されるブロックを電流電圧変換回路の出力に接続することにより、故意且つ急速に目標電圧にさせるものである。
【0037】
すなわち、レーザダイオード駆動回路において、APC動作開始直前までにモニタ電圧を故意に且つ急速に目標電圧にすることによって、モニタ電圧の立ち上がりスピードによる遅れを補うことができ、APC動作直後のコンパレータ回路の誤動作判定によるハンチングを防ぐことができる。その結果、APC動作に必要な制御時間を短縮することができる。これは、特にフォトダイオードからのモニタ電流が微少なものに対して非常に有効である。
【0038】
図3は、本発明を適用したレーザ駆動回路の第1の実施の形態を示すものである。本図において、101はコンパレータ回路、102はサンプル/ホールド回路、103はホールドコンデンサ(CH)、104は電流増幅回路、105は基準電流源(I0)、106は第1のスイッチング回路、107はレーザダイオード(LD)、108はフォトダイオード(PD)、109は電流電圧変換回路、110は電圧増幅回路、111は第2のスイッチング回路を示す。
【0039】
コンパレータ回路101の正極端子には第1の基準電圧Vref1が入力されており、その出力はサンプル/ホールド回路102に入力されている。サンプル/ホールド回路102には、ホールドコンデンサ103(CH)が接続されている。ホールドコンデンサ103(CH)の出力は、電流増幅回路104の正極端子に入力されている。
【0040】
電流増幅回路104には基準電流源105(I0)が接続されており、その出力はスイッチング回路106に入力されている。また、電流増幅回路104の負極端子には、第2の基準電圧Vref2が入力されている。スイッチング回路106はパルス変調データ信号Dataによりオン・オフ動作する。スイッチング回路106の出力端は、レーザダイオード107のカソードに接続されており、駆動電流Idrvを供給する。
【0041】
レーザダイオード107のアノードは、電源VCCに接続されている。レーザダイオード107の発光量を検出するフォトダイオード108のカソードは、電源VCCに接続されている。フォトダイオード108のアノードは電流電圧変換回路109に接続され、モニタ電流Imをこれに流すことにより、モニタ電圧Vmを発生させ、このモニタ電圧Vmをコンパレータ回路101の負極端子に帰還入力している。
【0042】
電圧増幅回路110の正極端子には、第1の基準電圧Vref1が入力されており、負極端子は出力端子と短絡してある。電圧増幅回路110の出力は第2のスイッチング回路111に入力されている。第2のスイッチング回路111は、制御信号S1によってオン・オフ動作をする。第2のスイッチング回路111の出力は、コンパレータ回路101の負極端子に入力されている。
【0043】
図4は、本実施の形態における制御信号のタイミングチャートを示す。まず、時刻t1において、Data信号は消灯状態から点灯状態に変化する。時刻t2において、SH(サンプル/ホールド)信号はホールド状態からサンプリング状態に変化し、APC動作が開始する。S1信号は、時刻t1からt2の期間のみオン状態になり、この期間をモニタ電圧準備期間とする。なお、S1信号のオンからオフへの状態の変化は、SH信号がサンプリング状態を示す前に終わっていることが望ましい。
【0044】
次に、図5を用いて本実施の形態の動作を説明する。なお、ここではAPC動作期間についてのみ説明する。
【0045】
時刻t1において、Data信号によりレーザダイオード107に駆動電流を供給する。それと同時に、図1の破線で囲んだブロックAのスイッチング回路111が導通状態となり、モニタ電圧Vmを到達すべき目標電圧である基準電圧Vref1に急速にもっていくように動作する。
【0046】
時刻t2において、スイッチング回路111は開放状態になり、モニタ電圧準備動作を終了する。これと同時に、サンプル/ホールド回路102がサンプリング状態になり、APC動作を開始する。
【0047】
この時、既にモニタ電圧Vmは目標値になっているので、APC動作開始直後の制御系の誤動作判定による発光量のハンチングを回避できる。その結果、APC動作の収束に必要な時間を短くすることができる。
【0048】
図1の破線で囲んだブロックAの具体的一例を図6に示す。これは、BiCMOSプロセスを用いて、実現したものである。
【0049】
図6において、Q1,Q2,Q5はNPNトランジスタ、Q3,Q4はPNPトランジスタ、R1,R2は抵抗、I1〜I4は電流源、MN1はnMOS、MP1,MP2,MP3はpMOS、iNVはインバータを示している。
【0050】
第1のNPNトランジスタQ1と第2のNPNトランジスタQ2は、エミッタカップルの構成を採っており、第1の電流源I1が接続されている。Q1のベースは、第1のpMOSトランジスタMP1のドレインに接続されており、さらにMP1のドレインには第3の電流源I3が接続されている。MP1のゲートには第1の基準電圧Vref1が入力されている。Q2のベースは、第2のpMOSトランジスタMP2のドレインに接続されており、さらにMP2のドレインには第4の電流源I4が接続されている。
【0051】
Q1のコレクタは、第1のPNPトランジスタQ3のコレクタおよびベースと第2のPNPトランジスタQ4のベースに接続されている。Q3のエミッタには第1の抵抗R1が接続されており、R1の他端は電源VCCに接続されている。同様に、Q4のエミッタには第2の抵抗R2が接続されており、R2の他端は電源VCCに接続されている。Q2のコレクタは、Q4のコレクタおよび第3のNPNトランジスタQ5のベースに接続されている。Q5のコレクタはVCCに接続されている。
【0052】
Q5のエミッタは、第2の電流源I2とMP2のゲート、および、第1のnMOSトランジスタMN1と第3のpMOSトランジスタMP3で構成される双方向スイッチの一端に接続されている。この双方向スイッチの他端は、コンパレータ回路101の負極端子に接続されている。
【0053】
MN1のゲートには制御信号S1が入力され、MP3のゲートには、インバータ(INV)を介して、S1信号の反転信号が入力されている。
【0054】
なお、本実施の形態はカソード駆動タイプのレーザダイオードに対して説明したが、アノード駆動タイプのレーザダイオードに対しても、同様な原理で、本実施の形態を採用できることは勿論である。
【0055】
(実施の形態による効果)
本実施の形態によれば、APC動作を開始する前までに、モニタ電圧を故意且つ急速に目標電圧にすることにより、モニタ電圧の立ち上がりスピードの遅れによるAPC動作直後のコンパレータの誤動作判定をなくし、ハンチング現象を回避することができる。その結果として、APC動作に必要な制御時間を短縮することができる。これは、フォトダイオードの微少なモニタ電流を扱う場合に有効である。
【0056】
実施の形態2
ここで述べる実施の形態2は、レーザダイオードに電流を供給して点灯時の発光量および消灯時の発光量を制御するレーザダイオード駆動回路のAPC動作において、各APC動作を開始する前に、入力電圧を目標電圧とする電圧増幅回路とスイッチング回路で構成される回路を、電流電圧変換回路(フォトダイオードから出力されるモニタ電流をモニタ電圧に変換する回路)の出力端に接続する。そして、点灯時には所望の光量に相当する目標電圧に、消灯時には所望のI/Nの光量に相当する目標電圧に、故意且つ急速に目標電圧にさせる。
【0057】
すなわち、本実施の形態によるレーザダイオード駆動回路において、オンAPC動作およびオフAPC動作開始直前までに、モニタ電圧をそれぞれの動作の目標電圧になるよう故意に且つ急速に行うによって、APC動作直後のコンパレータ回路の誤動作判定によるハンチングを防ぐことができる。その結果、APC動作に必要な制御時間を短縮することができる。特に、オフAPC動作を行った場合、モニタ電流は点灯時に得られる電流のI/Nになるので、モニタ電圧の立ち上がりスピードによる遅れを解決するのに非常に有効である。
【0058】
上述した実施の形態1では、発光状態が所望の光量になるようにAPC動作(以下、オンAPC動作と呼ぶ)を行っているが、ここで述べる実施の形態2では、消灯状態を制御するAPC動作(以下、オフAPC動作と呼ぶ)に対しても、実施の形態1のブロックAと同じ回路をオフAPC動作回路に追加することにより、同様な効果を得ることができる。なお、本実施の形態2では、与えられたAPC制御時間内にオンAPC動作とオフAPC動作を終了しなければならず、各APC動作に与えられる時間は非常に短くなる。したがって、モニタ電圧の立ち上がりの遅れは、大きな問題となるが、斯かる問題を解決している点で本実施の形態は格別なものである。
【0059】
図7は、本発明を適用したレーザ駆動回路の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、所望の光量のI/Nの光量を実現するように駆動電流を制御し、これより、レーザダイオードのしきい値電流Ithを推定する。所望の光量を制御するには、オンAPC動作により駆動電流Imaxを決定する。消灯状態を制御するには、後に詳述する演算を行う。
【0060】
図7において、101,201はコンパレータ回路、102,202はサンプル/ホールド回路、103,203はホールドコンデンサ(CH)、104,204は電流増幅回路、105,205は基準電流源(I0)、106は第1のスイッチング回路、107はレーザダイオード(LD)、108はフォトダイオード(PD)、109は電流電圧変換回路、110,210は電圧増幅回路、111は第2のスイッチング回路、211は第3のスイッチング回路、301は電流増幅回路、302は第4のスイッチング回路を示す。
【0061】
第1のコンパレータ回路101の正極端子には第1の基準電圧Vref11が入力されており、その出力は第1のサンプル/ホールド回路102に入力されている。第1のサンプル/ホールド回路102には、第1のホールドコンデンサ103(CH1)が接続されている。第1のホールドコンデンサ103(CH1)からの出力電圧は、第1の電流増幅回路104の正極端子に入力されている。第1の電流増幅回路104には第1の基準電流源105(I01)が接続されている。
【0062】
第2のコンパレータ回路201の負極端子には第2の基準電圧Vref12が入力されており、その出力は第2のサンプル/ホールド回路202に入力されている。第2のサンプル/ホールド回路202には、第2のホールドコンデンサ203(CH2)が接続されている。第2のホールドコンデンサ203(CH2)からの出力電圧は、第2の電流増幅回路204の正極端子に入力されている。第2の電流増幅回路204には第2の基準電流源205(I02)が接続されている。
【0063】
第2の電流増幅回路204の出力端は、第3の電流増幅回路301に接続されている。第3の電流増幅回路301には制御信号としてS3が入力されており、S3が“H”の時ゲインは(N−1)/Nで、“L”のときゲインは1である。
【0064】
オフセット電源Ixは第4のスイッチング回路302を介して、第2の電流増幅回路204の出力に加算され、第1のスイッチング回路106に入力される。第4のスイッチング回路302には、制御信号としてS3が入力されており、S3が“H”の時OFF状態であり、“L”の時ON状態になる。
【0065】
レーザダイオード107に供給される電流Idrvは、第1の電流増幅回路104の出力電流Imaxから、第1のスイッチング回路106の出力電流Ipを減じた電流となる。
【0066】
フォトダイオード108の出力は、電流電圧変換回路109に入力されており、その出力は第1のコンパレータ回路101の負極入力端および第2のコンパレータ回路201の正極入力端に入力されている。
【0067】
また、第1のコンパレータ回路101の負極入力端には、第1の電圧増幅回路110と第2のスイッチング回路111を介して、所望の光量に値する第1の基準電圧Vref11が入力される。さらに、第2のコンパレータ回路201の正極入力端には、第2の電圧増幅回路210と第3のスイッチング回路211を介して、所望の光量のI/Nに値する基準電圧Vref12(=Vref11/N)が入力される。
【0068】
次に、図8を用いて、本実施の形態の動作を説明する。
【0069】
時刻t1において、Data信号は消灯状態(ON)から点灯状態(OFF)に変化する。時刻t2では、SH1信号はホールド状態からサンプリング状態に変化してオンAPC動作を開始し、Imaxを決定する。S1信号は、時刻t1からt2の期間のみオン状態になり、この期間内に第1のコンパレータ回路101の負極入力電圧が所望の発光量に相当する電圧になるように、図中の破線で囲んだAのブロックが動作する。そして、SH1信号がサンプリング状態を示す前にAのブロックの動作は終了する。
【0070】
時刻t3でオンAPC動作が終了すると、Data信号は消灯状態(ON)になり、同時に、第3の電流増幅回路301のゲインは(N−1)/Nとなり、また、第4のスイッチング回路302もオフ状態になる。引き続いてオフAPC動作が開始される。時刻t4でSH2信号はホールド状態からサンプリング状態に変化してオフAPC動作を開始し、Inを決定する。
【0071】
S2信号は、時刻t3から時刻t4の期間のみオン状態になり、この期間内に第2のコンパレータ回路201の負極入力電圧が所望の発光量の1/Nに相当する電圧になるように図中の破線で囲んだBのブロックが動作する。そして、SH2信号がサンプリング状態を示す前にBのブロックの動作は終了する。
【0072】
時刻t5でオフAPC動作が終了すると、第3の電流増幅回路301のゲインは1となることで、(Imax−Ith)が決定される。また、同時に第4のスイッチング回路302はオン状態になり、Ixが加算される。したがって、時刻t5以降のIpは、
【0073】
【数1】
Ip=(Imax−Ith)+Ix
となる。
【0074】
図9は、上述した時刻t1から時刻t5にわたって駆動電流が変化する様子を示している。
【0075】
(実施の形態による効果)
本実施の形態2によれば、オンAPCおよびオフAPC動作を持つレーザダイオード駆動回路においても、モニタ電圧を故意且つ急速に目標電圧にすることにより、オン/オフAPC動作直後のコンパレータの誤動作判定をなくし、ハンチング現象を回避することができる。これにより、非常にモニタ電流の小さいレーザダイオードに対しても、短い時間内に制御を収束することができる。
【0076】
すなわち、消灯状態を制御するオフAPC動作ができるレーザダイオード駆動回路においては、モニタ電流がさらに小さくなってしまい、APCに与えられた時間内では制御を完了することができず目標光量にできない、ということが大きな問題になるが、本実施の形態を用いることで、オフAPC動作に関して非常に大きな利点を得ることができる。
【0077】
実施の形態3
ここで述べる実施の形態3は、レーザダイオードに電流を供給して発光量を制御するレーザダイオード駆動回路のAPC動作において、コンパレータ回路のゲインを有限なものにし、モニタ電圧が目標電圧の所望の割合に近づくとサンプル/ホールド回路に接続されているホールドコンデンサの充放電電流を徐々に少なくしていくものである。
【0078】
すなわち、本実施の形態に係るレーザダイオード駆動回路において、コンパレータ回路のゲインを有限にものにし、ホールドコンデンサの充放電電流を徐々に少なくすることにより、ホールドコンデンサを必要以上に大きくすることなくハンチングを抑えることができる。その結果、目標光量値に達するまでの時間、すなわちAPC動作に必要な時間を短くすることができる。
【0079】
上述した実施の形態1,2では、従来技術の問題点に対して、APC動作直後の遅れを改善し、大きなハンチング現象を低減したものである。しかし、スロープ効率が大きいものを使用したときに顕著に現れる、APC動作中のハンチング現象そのものを改善したものではない。ここで述べる実施の形態3は、図3中のコンパレータ回路のゲインを有限にするものであり、モニタ電圧Vmが目標電圧Vref1に近づくと、サンプル/ホールド回路に接続されているホールドコンデンサへの充電電流(または放電電流)を徐々に少なくすることが特有の点である。
【0080】
図10は、モニタ電圧Vmに対する充電電流I充電および放電電流I放電の関係を示しているものである。本図は、一例として、モニタ電圧Vmが基準電圧Vref1の90%まで近づくと徐々に充電電流I充電が減少しはじめ、モニタ電圧と基準電圧が等しくなったとき充放電電流は零となる。モニタ電圧が基準電圧より大きくなった場合に関しては、110%までは放電電流が徐々に大きくなっていくことを示している。すなわち、モニタ電圧と基準電圧の電位差が基準電圧の±10%以内では、充放電電流はアナログ的な変化をし、それ以上の電位差では、デジタル的に変化する。これにより、APC動作中のハンチングを回避することができる。
【0081】
図11は、図3中に示すコンパレータ回路101のゲインを有限にする回路構成の一例を示したものである。本図において、Q1,Q2はPNPトランジスタ、Q3,Q4はNPNトランジスタ、D1,D2はダイオード、MP1,MP2はpMOSトランジスタ、R1,R2,R3,R4,R5,R6は抵抗、I1,I2,I3,I4は電流源である。
【0082】
第1のpMOSトランジスタMP1と第2のpMOSトランジスタMP2はソースカップル構造になっており、第1の電流源I1が接続されている。I1の他方は、電源VCCに接続されている。
【0083】
MP1のゲートには第1の基準電圧Vref1が入力されており、MP2のゲートにはモニタ電圧Vmが入力されている。MP1のドレインには第1の抵抗R1と第1のPNPトランジスタQ1のベースが接続されており、MP2のドレインには第2の抵抗R2と第2のPNPトランジスタQ2のベースが接続されている。
【0084】
R1,R2の他端は接地されている。Q1のコレクタは接地されており、エミッタは第1のダイオードD1のカソードに接続され、アノードは第1のNPNトランジスタQ3のベースと第2の電流源I2に接続されている。同様に、Q2のコレクタは接地されており、エミッタは第2のダイオードD2のカソードに接続され、アノードは第2のNPNトランジスタQ4のベースと第3の電流源I3に接続されている。I2,I3の他端はVCCに接続されている。
【0085】
Q3のコレクタは第3の抵抗R3と、Q4のコレクタは第4の抵抗R4と接続されている。R3,R4の他端はVCCに接続されている。Q3とR3の接続点、および、Q4とR4の接続点をコンパレータ回路の出力とし、これをサンプル/ホールド回路に接続する。Q3のエミッタは第5の抵抗R5に接続され、Q4のエミッタは第6の抵抗R6に接続され、R5,R6を介してQ3,Q4はエミッタカップルを構成し、第4の電流源I4が接続されている。
【0086】
図11に示すR5,R6の抵抗値、あるいは、MP1,MP2の電流駆動能力をコントロールすることで、図10に示した特性を実現することは容易である。
【0087】
なお、コンパレータの入力をバイポーラトランジスタで構成すると、入力にベース電流を必要とする為、微少なモニタ電流しか出力できないフォトダイオードを扱った場合、APC動作終了後の光量が所望の値と異なってしまう。この光量誤差は、モニタ電流値とベース電流値が近づくほど大きくなり、もし、モニタ電流とベース電流値が等しくなった場合、光量は所望の2倍になってしまい、ベース電流補償回路が必要不可欠となる。したがって、入力インピーダンスの高いMOSトランジスタを入力段に使用することにより、上記補償回路を必要とせず、微少なモニタ電流の場合にも対応できる。
【0088】
かくして、本実施の形態を用いることで、ホールドコンデンサの容量値を必要以上に大きくすることなく、APC動作における光量のハンチングを回避することができ、目標光量値に達するまでの時間を短くすることができる。
【0089】
なお、本実施の形態は実施の形態2にも採用することができる。
【0090】
(実施の形態による効果)
本実施の形態によれば、コンパレータ回路のゲインを有限することにより、ホールドコンデンサの容量値を必要以上に大きくすることなく、APC動作における光量のハンチングを回避することができ、目標光量値に達するまでの時間、すなわち制御に必要な時間を短くすることができる。これは、レーザダイオードのスロープ効率の高いものを扱う場合に有効である。
【0091】
実施の形態4
ここで述べる実施の形態4は、レーザダイオードに電流を供給して発光量を制御するレーザダイオード駆動回路のAPC動作において、コンパレータ回路のゲインを有限なものにし、且つ、そのゲインを外部制御信号によって制御し、モニタ電圧とホールドコンデンサの充放電電流の関係を自由に変化させるものである。
【0092】
すなわち、本実施の形態によるレーザダイオード駆動回路において、コンパレータ回路のゲインを有限にものにし、且つ、外部信号によりコンパレータ回路のゲインを制御することにより、レーザダイオードのスロープ効率等に合わせてコンパレータ回路の再設計を行う必要がなくなり、使用者の自由度を広げることができる。
【0093】
上述した実施の形態3では、コンパレータ回路のゲインを一度決定すると、変更できない構成になっている。そこで、ここで述べる実施の形態4では、実施の形態3をさらに有効にする為、図3中のコンパレータ回路のゲインを有限にし、且つ、回路作成後、レーザダイオードのスロープ効率によってコンパレータのゲインを外部から変化させることができるコンパレータ回路を使用することである。
【0094】
図12は、図3中に示すコンパレータ回路101のゲインを有限かつ外部信号によりゲインをコントロールにする回路構成の一例を示しものである。本図において、Q1,Q2はPNPトランジスタ、Q3,Q4,Q5,Q6はNPNトランジスタ、D1,D2,D3,D4,D5,D6はダイオード、MP1,MP2はpMOPトランジスタ、R1,R2,R3,R4,R5は抵抗、I1,I2,I3,I4は電流源、Iaは可変電流源である。
【0095】
第1のpMOSトランジスタMP1と第2のpMOSトランジスタMP2はソースカップル構造になっており、第1の電流源I1が接続されている。I1の他方は、電源VCCに接続されている。MP1のゲートには第1の基準電圧Vref1が入力されており、MP2のゲートにはモニタ電圧Vmが入力されている。MP1のドレインには第1の抵抗R1と第1のPNPトランジスタQ1のベースが接続されており、MP2のドレインには第2の抵抗R2と第2のPNPトランジスタQ2のベースが接続されている。
【0096】
R1,R2の他端は接地されている。プリコンパレータにMOSトランジスタを使用することは、大パワー(30mW級)レーザダイオードに良く見られる。微少なモニタ電流に対応でき、目標光量値からの誤差を少なくすることができる。また、プリコンパレータ回路のゲインを1にすると、次段につながる可変利得コンパレータの特性を簡単に把握できる。
【0097】
Q1のコレクタは接地されており、エミッタは第1のダイオードD1のカソードに接続され、D1のアノードは第3のダイオードD3のカソードに接続されている。D3のアノードはNPNトランジスタQ3のベースと第2の電流源I2に接続されている。同様に、Q2のコレクタは接地されており、エミッタは第2のダイオードD2のカソードに接続され、D2のアノードは第4のダイオードD4のカソードに接続されている。D4のアノードは第2のNPNトランジスタQ4のベースと第3の電流源I3に接続されている。
【0098】
I2,I3の他端はVCCに接続されている。Q3のコレクタは第5のダイオードD5のカソードと第8のNPNトランジスタQ8のベースに接続されている。D5のアノードはVCCに接続されている。同様に、Q4のコレクタは第6のダイオードD6のカソードと第9のNPNトランジスタQ9のベースに接続されている。D6のアノードはVCCに接続されている。
【0099】
Q3とQ4は、第3の抵抗R3を介してエミッタカップルの構成を採っており、Q3のエミッタは第5のNPNトランジスタQ5のコレクタに接続され、Q4のエミッタは第6のNPNトランジスタQ6のコレクタに接続されている。Q5のエミッタは第4の抵抗R4に接続され、R4の他端はGNDに接続されている。
【0100】
Q6のエミッタは第5の抵抗R5に接続され、R5の他端はGNDに接続されている。Q5,Q6のベースは第7のNPNトランジスタQ7のベースとコレクタに接続されている。Q7のエミッタには第6の抵抗R6が接続されており、R6の他端はGNDに接続されている。すなわち、Q5,Q6,Q7はカレントミラーを構成しており、各トランジスタに流れる電流は、1:1:1である。
【0101】
Q7のコレクタには、制御信号CNTで制御される可変電流源Iaが接続されている。Q5とQ6はエミッタカップルの構成になっており、第4の電流源I4が接続されている。Q5のコレクタには、第4の抵抗R4が接続され、Q6のコレクタには第5の抵抗R5が接続されている。R4,R5の他端はVCCに接続されている。Q5とR4の接続点を正出力とし、Q6とR5の接続点を負出力として、次段のサンプル/ホールド回路に接続されている。
【0102】
次に、本実施の形態の動作を説明する。なお、初段のMOSコンパレータのゲインを1とする。
【0103】
初段のMOSコンパレータのゲインが1であるので、入力の基準電圧Vref1とモニタ電圧Vmの電位差(ΔV)は、Q3,Q4のベースの電位差となり、Q3,Q4のベース・エミッタ間電圧VBEを同じと仮定すると、入力電圧の電位差は、R3の両端にかかる電圧となる。ゆえに、R3に流れる電流IR3は、
【0104】
【数2】
IR3=ΔV/R3
で与えられる。
【0105】
次に、Q3,Q4のベース電流を無視すると、Q3のコレクタ電流IxおよびQ4のコレクタ電流Iyは、
【0106】
【数3】
Ix=Ia−IR3
Iy=Ia+IR3
となる。(ここで、Vref1>Vmとした。)
Q8,Q9で構成されるコンパレータ回路で、Q8のコレクタ電流IαおよびQ9のコレクタ電流Iβは、各々のベース電流を無視すると、
【0107】
【数4】
Iα+Iβ=I4
の関係にある。
【0108】
また、Ix,Iy,Iα,Iβは、Ix/Iy=Iβ/Iαの関係で与えられるので、出力電圧の電位差を決定することができる。この関係式を、ΔV,R3,Ia,I4を使って表現すると以下の式になる。
【0109】
【数5】
(Ia−ΔV/R3)/(Ia+ΔV/R3)=(I4−Iα)/Iα
上式より、入力電圧の電位差が同じであっても、可変電流源Iaの電流値を制御することで、出力電圧の電位差を制御することができる。従って、サンプル/ホールド回路の充放電電流について、モニタ電圧が目標電圧の何パーセントから減少させていくか制御することができる。
【0110】
図13は、図12に示したコンパレータ回路を用いた場合の、ホールドコンデンサの充放電電流の変化を示したものである。すなわち、制御信号CNTを変化させ、可変電流源Iaの電流値を変えることで、モニタ電圧に対する充放電電流の関係を変化させることができる。なお、Iaの値を大きくすると、充放電電流は、モニタ電圧が目標電圧に対して小さいところから徐々に減少していく。
【0111】
かくして、本実施の形態を用いることで、コンパレータ回路のゲインを有限にし、且つ、回路作成後、レーザダイオードのスロープ効率等に合わせて、コンパレータのゲインを外部信号で制御することができる。
【0112】
なお、本実施の形態は実施の形態2にも採用することができる。
【0113】
(実施の形態による効果)
本実施の形態によれば、コンパレータ回路のゲインを有限にし、且つ、外部信号でコンパレータ回路のゲインを制御することにより、レーザダイオードのスロープ効率等に合わせてコンパレータ回路の再設計を行う必要がなくなるので、使用者の自由度が広くなる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、従来に比してAPC期間の短縮化を図ったレーザダイオード駆動装置およびレーザダイオード駆動方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレーザダイオード駆動回路を示す図である。
【図2】従来のレーザダイオード駆動回路を用いたときの光量・モニタ電圧の時間変化を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるレーザダイオード駆動回路の構成図である。
【図4】実施の形態1における制御信号のタイミング図である。
【図5】実施の形態1を用いたときの光量・モニタ電圧の時間的変化を示す図である。
【図6】図3の破線で示すブロックAの具体的な回路例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2によるレーザダイオード駆動回路を示す図である。
【図8】実施の形態2における制御信号のタイミング図である。
【図9】実施の形態2における駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3における、モニタ電圧とホールドコンデンサの充放電電流との関係を示す図である。
【図11】実施の形態3におけるコンパレータ回路の具体的な回路例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態4におけるコンパレータ回路の具体的回路例を示す図である。
【図13】実施の形態4におけるモニタ電圧とホールドコンデンサの充放電電流との関係を示す図である。
【符号の説明】
101 コンパレータ回路
102 サンプル/ホールド回路
103 ホールドコンデンサ
104 電流増幅回路
105 基準電流源
106 第1のスイッチング回路
107 レーザダイオード
108 フォトダイオード
109 電流電圧変換回路
110 電圧増幅回路
111 第2のスイッチング回路
Claims (7)
- レーザダイオードの出力光を受光したフォトダイオードからの出力によるモニタ信号を一方の端子に入力し他方の端子に目標レベルの基準信号を入力するコンパレータを含み、前記一方の端子に入力された前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御する駆動手段を備えたレーザダイオード駆動装置であって、
前記レーザダイオードの駆動電流を制御するために前記駆動手段を動作させるにあたり、前記モニタ信号を前記目標レベルまで電圧印加により強制的に変化させる補助手段を具備し、
前記駆動手段は、APC動作であるところの、前記一方の端子に入力されたモニタ信号と前記目標レベルの基準信号との差分に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御することで前記モニタ信号が基準信号と一致するように帰還制御を行う閉回路を有し、
前記補助手段は、前記モニタ信号を強制的に変化させることのない前記APC動作を開始する直前に、前記モニタ信号を所定値まで強制的に変化させるべく、前記電圧印加による前記目標レベルの電圧信号を、前記APCを動作を開始した直後に前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号が前記目標レベルになるように、前記閉回路における前記モニタ信号の出力部に強制的に印加することを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - 請求項1に記載のレーザダイオード駆動装置において、
前記補助手段により電圧印加することで前記モニタ信号を前記目標レベルまで強制的に変化させる動作は、前記駆動手段によりAPC動作を開始する直前に終了することを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載のレーザダイオード駆動装置において、
前記駆動手段は、前記レーザダイオードの出力光量が、前記目標レベルに相当する第1目標レベルに該当する第1の光量となるように駆動電流を制御する第1の駆動手段と、前記レーザダイオードの出力光量が第2目標レベルに該当する第2の光量となるように駆動電流を制御する第2の駆動手段とを有し、
前記補助手段は、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段にそれぞれ対応した第1の補助手段および第2の補助手段を有することを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - 請求項3に記載のレーザダイオード駆動装置において、
前記第1の光量は点灯時の発光量に相当し、前記第2の光量は前記点灯時の発光量における1/N(N:2以上の整数)の発光量に相当することを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザダイオード駆動装置において、
レーザダイオードの出力光量に対応した前記モニタ信号と予め定められた基準信号とを比較する比較手段と、
前記比較手段の出力をホールド容量に保持するサンプル/ホールド手段と、
前記モニタ信号が前記予め定められた基準信号の所定の割合に到達したとき、前記ホールド容量の充電電流および放電電流を徐々に減少させる充放電制御手段とを有し、
前記駆動手段は、前記ホールド容量の端子間電圧に基づいて前記レーザダイオードの駆動電流を制御することを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - 請求項5に記載のレーザダイオード駆動装置において、
前記比較手段のゲインを外部制御信号により制御することにより、前記基準信号の所定の割合を決定することを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - レーザダイオードの出力光を受光したフォトダイオードからの出力によるモニタ信号を一方の端子に入力し他方の端子に目標レベルの基準信号を入力するコンパレータを含み、前記一方の端子に入力された前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御する駆動手段を備えたレーザダイオード駆動装置によるレーザダイオード駆動方法であって、
前記レーザダイオードの駆動電流を制御するために前記駆動手段を動作させるにあたり、前記モニタ信号を目標レベルまで電圧印加により強制的に変化させる補助ステップを具備し、
前記駆動手段は、APC動作であるところの、前記一方の端子に入力されたモニタ信号と前記目標レベルの基準信号との差分に基づき前記レーザダイオードの駆動電流を制御することで前記モニタ信号が基準信号と一致するように帰還制御を行う閉回路を含んでなり、
前記補助ステップは、前記モニタ信号を強制的に変化させることのない前記APC動作を開始する直前に、前記モニタ信号を所定値まで強制的に変化させるべく、前記電圧印加による前記目標レベルの電圧信号を、前記APCを動作を開始した直後に前記フォトダイオードからの出力によるモニタ信号が前記目標レベルになるように、前記閉回路における前記モニタ信号の出力部に強制的に印加することを特徴とするレーザダイオード駆動方法。
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