JP4108230B2 - レーダー装置及び類似装置並びに受信データとスイープラインの書込方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダーやソナーなど、たとえば、極座標系で受信される探知信号を全周囲にわたり直交座標で配列された画像メモリに記憶した後、ラスター走査方式の表示器に表示する装置に関し、特に、スイープラインの表示に関する。
【0002】
【従来の技術】
CRTの残光を利用する古いタイプのレーダー装置では、アンテナ方向のスイープにより蛍光体が発光した後、その明るさが時間の経過とともに暗くなることから、スイープラインを明るい輝線として観測することができる。しかし、この表示方式では蛍光体の残光特性を利用するものであるから表示輝度は低く、周囲を暗くしないと観測できない欠点があるため、近年は、全周囲にわたる受信信号を一旦画像メモリに記憶し、これを高速で読みだして表示器上に表示する方式が採用されている。
【0003】
このような装置では、アンテナ方向であるスイープライン上で最新の映像に更新され、更新時間は、通常、アンテナ1回転に必要な少なくとも2、3秒である。その結果、表示器上の各位置の映像はアンテナ1回転の周期で更新されることになるが、最新の映像を観測するためには、スイープライン通過直後に観測することが必要であり、そのためには現在のスイープ位置が分かりやすいことが望ましい。そこで、従来、例えば図1に示すようなレーダー装置が実施されている。
図1は、従来のレーダー装置の構成図を示している。
【0004】
レーダーアンテナ1は、ある周期で水平面を回転しながら別の周期でパルス状電波を発射すると同時に、物標で反射した電波を受信する。受信回路2はレーダーアンテナ1による受信信号を検波し増幅する。A/Dコンバータ3は、受信回路2で得られたアナログ信号をデジタル信号に変換する。一次メモリ4は、A/D変換された1スイープ分のデータを実時間で記憶し、次の送信により得られるデータが再び書き込まれるまでに、その1スイープ分のデータを後段のレーダー映像用画像メモリ6に書き込む際のバッファとして用いられる。
【0005】
座標変換部5は、中心座標を開始番地として、例えば船首方向を基準としたアンテナの角度θと、一次メモリ4の読出位置とから、中心から周辺に向かって、対応する直交座標で配列された画像メモリの画像を示す番地を作成する。
【0006】
座標変換部5は、具体的には次式を実現するハードウェアにより構成される。
X=Xs+r・sinθ
Y=Ys+r・cosθ
ただし、
X、Y:画像メモリ内の画素の場所を示す番地
Xs、Ys:中心番地
r:中心からの距離
θ:座標変換の角度
レーダー映像用画像メモリ6は、直交座標で配列され、一次メモリ4から読みだした1スイープ分のデータを、座標変換部5で作成した番地の画素に記憶することにより、全周にわたりレーダの受信信号を記憶する。
【0007】
GDC(グラフィックディスプレイコントローラ)7、マーク表示用画像メモリ8は、図示しないCPUにより制御され、各種マーク類を描画するためのものである。スイープラインの描画は、スイープ角度を元にCPUにおいてスイープラインの線分を描画するに必要なパラメータを演算し、GDC7に対して描画指示を行うことによって実現される。GDC7は、この描画指示を受けた時にマーク表示用画像メモリ8に対してスイープラインを書き込む。
【0008】
レーダー映像用画像メモリ6とマーク表示用画像メモリ8との内容は図示しない表示制御部により、CRTなどの表示器10に対するラスター走査に同期して高速に読みだされ、混合部9において、レーダー映像とマーク類とが識別して表示されるように処理された後、表示器10において輝度または色別で表示される。
【0009】
また、上記図1に示す装置の他に、図2に示すように、第1のスイープおよび第2のスイープからなる2本のスイープを制御する装置が実施されている。すなわち、本来のスイープを第1のスイープとし、第1のスイープの回転が進行する側で、第1のスイープの方向と平行したスイープを第2のスイープとし、第1のスイープでは本来の受信データを画像メモリに書き込み、第2のスイープでは、スイープライン用のデータを書き込む。このようにすると、第2のスイープは常に第1のスイープと平行して回転することになるから、スイープラインの回転を第2のスイープによって観測することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図1に示す従来のレーダー装置では、レーダー映像用画像メモリ6とは別にマーク表示画像用メモリ8およびGDC7を独立して設ける必要があり、その分コストが上昇するとともに、さらに、故障によってレーダー映像の更新動作が停止してもスイープの回転が停止するとは限らないために、故障の監視にならないという問題がある。
【0011】
また、図2に示す装置では、第2のスイープがレーダー映像の更新動作に同期して形成されるために故障監視が可能であり、またマーク表示用の画像メモリ等を別途設ける必要がないが、常に2本のスイープを画像メモリに書き込むことが必要になるから、スイープの書き込みに要する時間が2倍となり、全画像を更新する時間も2倍になり、アンテナ回転が高速になると更新が追いつかないという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、レーダー等の映像が表示されている限り必ずスイープラインが表示され、また、スイープラインの描画のための特別な画像メモリが不要であって、しかもスイープラインを描画するための時間も増加することのないレーダ装置および類似装置並びに受信データとスイープラインとの書き込み方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、スイープ回転に伴って受信データを順次極座標から直交座標に座標変換して記憶する画像メモリと、
スイープラインデータを設定するスイープラインデータ設定部と、
スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最後にアクセスする場合をLASTとして検出するLAST検出手段と、
前記画像メモリへの書込データとして、LAST検出以外の時にはスイープラインデータを選択し、LAST検出時には受信データを選択する書込データ選択部と、を備えてなることを特徴とする。
【0014】
この発明では、スイープ回転に伴って受信データを順次極座標から直交座標に座標変換して画像メモリに記憶するために、中心付近の画像ほど多くの受信データが対応することになる。図3はこの状態を示している。そこで、ある画像に対して複数回アクセスされる場合、前に描画したデータを、後で描画したデータで置き換えて記憶する処理方法とし、最後のアクセス(LAST)でないときは、スイープラインを表示するためのスイープラインデータを書き込みデータとして選択し、LAST時には受信データを書き込みデータとして選択する。このようにすることで、LASTになるまでスイープラインデータが画像メモリに記憶され、LAST時点で本来表示する受信データが上書き記憶され、LAST位置がスイープの回転とともに変化する結果、スイープラインが回転表示されることになる。この場合、最後に描いた受信データはその後スイープが1回転して再びその画像がアクセスされるまで保持されるから、スイープラインの表示がレーダー映像の表示に悪影響を及ぼすことがない。
【0015】
そして、スイープラインの1回転中において必ず複数回アクセスされる画像が存在するために、スイープラインは必ず表示されるとともに、スイープラインの回転速度が高速になっても必ず表示される。また、スイープラインデータの書き込み期間は、受信データの書き込み動作に必要な期間に含まれるためにスイープラインを描画することによって画像メモリを更新する時間が増加することがない。また、スイープラインデータはレーダー映像用画像メモリに書き込まれるから、特別な画像メモリを設けることも不要である。なお、スイープラインデータ設定部によりスイープラインデータの輝度や色を任意に設定することによって、表示画面上でスイープラインを分かりやすく表示させることが可能である。
【0016】
請求項2の発明は、スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最初にアクセスする場合をFIRSTとして検出するFIRST検出手段と、
FIRST検出時に画像メモリのデータを読み出して一時記憶する一時記憶メモリと、
LAST検出時に受信データと一時記憶メモリの記憶データとで相関処理を行う相関処理部と、を備え、
前記書込データ選択部は、LAST検出時に相関処理したデータを画像メモリへの書込データとして選択することを特徴とする。
【0017】
請求項1においては、受信データをLAST時の書き込みデータとして選択するようにしているが、一般に、海面反射などのクラッターを低減するために、連続したスイープ1回転ごとの相関処理(以下スキャン相関処理という)が行われることがある。スキャン相関処理では、連続したスイープ1回転ごとのデータ間で相関処理を行うものであり、具体的には、1スキャン前の画像メモリ上のデータと、今回転で新たに得られたデータの両者から今回書き込むデータを決定する。この場合、スイープラインデータを描くことは、1スイープ前のデータを壊してしまうことになるために、スイープラインの表示とスキャン相関処理は両立できないことになる。
【0018】
そこで、請求項2の発明においては、LASTの検出と並行して画像を最初にアクセスする場合(FIRST)を検出し、FIRST時点においてはスイープラインデータを描く前に同じ画像からすでに記憶されている1回転前のデータを読み出して一時的に記憶しておき、LAST時点で、今回転で新たに得られたデータと一時的に記憶しておいたデータの両者から今回書き込むデータを決定する。このようにすることで、スキャン相関処理とスイープライン表示をともに実現することができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、さらに、スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最初にアクセスする場合をFIRSTとして検出するFIRST検出手段と、
FIRST検出時に画像メモリのデータを読み出して一時記憶する一時記憶メモリと、
前記一時記憶メモリのデータと前記スイープラインデータ設定部で設定されているスイープラインデータとを加算する加算器と、を備え、
前記書込データ選択手段は、LAST検出時以外の時には、スイープラインデータを選択するのに代えて前記加算器の加算値を選択することを特徴としている。
【0020】
スイープライン設定部での設定データをそのままスイープラインデータとして画像メモリに記憶する構成では、スイープラインデータを任意の値に設定することで、これを任意の明るさで表示できるが、スイープラインデータを必要以上に大きな値にすると、スイープラインの観測は明瞭になる反面、スイープラインの回転を煩わしく感じ、全体としてレーダ映像観測の妨げになる。そこで、実用上は、かすかにスイープラインの回転が観測出来る程度にその大きさを設定することになるが、中以下の明るさに設定した場合でも近距離レンジにおいて陸等の映像が大きな面積で明るく表示されている状態の場合には、スイープラインとの間でコントラストに差が生じ、明るい陸映像の上を横切るスイープラインが暗く表示されるようになり、結局、スイープラインが目立ちすぎることになる。これに対し、この請求項3の発明ではスイープラインの輝度が陸映像等の実映像よりも常に設定スイープラインデータ分だけ大きいデータとなるため、実映像とのコントラストが表示画面のどの位置においても抑制され、必要以上に目立つことがなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明の実施形態であるレーダー装置の構成図である。このレーダー装置は、図1に示す従来のレーダー装置に対し、スイープラインデータ設定器11、書込データ選択器12およびLAST検出回路13を追加したものである。スイープラインデータ設定器11は、スイープラインデータを設定するレジスタで構成され、設定したデータに対応した明るさ、または色でスイープラインが表示されるようになる。書込データ選択器12は、レーダー映像用画像メモリ6への書き込みデータを選択するセレクタで構成され、LAST検出時以外の時にはスイープラインデータを書き込みデータとし、LAST検出時には受信データを書き込みデータとする。なお、図5に示すようにANDゲート14をセレクト端子Sに接続し、SWP−LINE−ON=1の時にのみスイープラインデータの表示を可能にすることもできる。スイープラインデータ設定用データやSWP−LINE−ONのデータは、図外のCPUから入力される。
【0022】
LAST検出回路13は、スイープの1回転内において画像メモリ6の画素に最後にアクセスする場合をLASTとして検出する。すなわち、画像メモリ6に対するアドレスは、座標変換部5において、極座標においてのスイープ方向θと中心方向からの距離rとに基づいて発生するが、このアドレスの画素に対するアクセスが最後である場合にLASTを検出して、LAST信号を書き込みデータ選択器12に対して出力する。画像メモリ6内の画素に対するアクセスが最後のアクセスであるかどうかは、例えば図7において、後行スイープθn-1 上の任意のサンプル点iがLASTであるかどうかを検出する構成とする。今、後行スイープθn-1 上の任意のサンプル点iをB点とし、後行スイープθn-1 上のスイープライン下流方向の隣接サンプル点をC点とし、先行スイープθn (アンテナ方向)上の複数の近接サンプル点をD点、E点、F点とする。なお、後行スイープθn-1 は先行スイープθn の1つ前のスイープである。近接サンプル点D点、E点、F点は、B点に対して先行スイープθn 上の同じサンプル位置のサンプル点(E点)とその前後の先行スイープθn 上の2つのサンプル点(すなわちD点とE点)である。そこで、B点がLASTサンプル点かどうかを判断するには、C、D、E、F点の4サンプル点とB点の対応画素アドレスが同一かどうかの対比を行えばよい(A点はB点より上流側であるため対比する必要はない)。したがって、図7(B)に示すように、後行スイープθn-1 アドレス発生部13aでB点、C点のアドレスを発生し、先行スイープθn アドレス発生部13bでD点、E点、F点のアドレスを発生し、一致検出回路13cで、B点のアドレスがC〜F点の各アドレスに一致するかどうかを判断する。一致すればB点はLAST(サンプル点)ではなく、一致しなければLASTである。このようにして、LASTを検出することが出来る。なお、このLAST回路13の詳細な構成については特願平10─160186号に示されている。
【0023】
次に動作を説明する。
【0024】
LAST検出回路13でLASTを検出していない時には、書込データ選択器12はスイープラインデータを選択して画像メモリ6に出力する。したがって、或る画素に対して複数回アクセスされる場合には、LASTが検出されるまでの間その画素に対してスイープラインデータが更新書き込みされていく。LAST検出回路13がLASTを検出すると、この時始めて書き込みデータ選択器12が一次メモリ4の出力、すなわち受信データを選択して画像メモリ6に出力する。この時に始めて画像メモリ6の画素に対して受信データが書き込まれる。図6は、この状態を示している。1つの画素Aに対して座標変換の結果3回アクセスされる場合、1回目と2回目のアクセスではスイープラインデータが書き込まれる。a、b点はスイープラインデータに対応しており、a点のスイープラインデータが画素Aに書き込まれた後、次のアクセスにおいてb点のスイープラインデータで更新される(なお、a点のスイープラインデータもb点のスイープラインデータも同じデータである。)。したがって、a点、b点のアクセスの間は、画素Aにおいてはスイープラインデータで表示されることになる。3回目のアクセスの場合はLASTであるために、この時に始めて画素Aに対して受信データが書き込まれる。c点は受信データに対応している。そのc点において受信データが書き込まれることによってそれまで表示されていたスイープラインデータが消える。したがって、画素Aの表示位置では最初にスイープラインデータが表示され最後に受信データが表示されるようになる。このように、1つの画素に対して複数回アクセスされる場合は、必ずその画素の表示位置ではスイープラインが前半で表示されるようになる。この装置では、中心付近の画素ほど多くの受信データが対応するから、中心付近の画素においては、スイープラインの表示が相対的に明るく表示される。
【0025】
なお、スイープラインデータは輝度や色を任意に設定できるから、このデータの輝度や色を受信データと異なるようにしておけば表示上はスイープラインデータと受信データの識別が容易である。
【0026】
このように、この実施形態のレーダー装置では、スイープラインを確実に表示することができるとともに受信データの書き込みも必ず行われ、且つその受信データはスイープが1回転するまで保持されるから、スイープライン表示がデータ映像を損なうということがない。
【0027】
図8は、本発明の他の実施形態の一部構成図を示している。
【0028】
この例では、図4に示す構成に、スキャン相関処理回路15、一時記憶メモリ16およびFIRST検出回路17を追加している。
【0029】
スキャン相関処理回路15は、連続したスイープ回転毎のデータ間で相関処理を行う回路であって、1スキャン前の画像メモリ6内の画素のデータと、今回転で新たに得られた受信データの両者から当該画素へ今回書き込むデータを決定する。例えば、2つのデータの平均値を今回書き込むデータとすることができる。一時記憶メモリ16は、画像メモリ6の画素のデータを一時的に記憶するものであって、このデータはスキャン相関処理回路15に入力される。すなわち、スキャン相関処理回路15は、受信データと一時記憶メモリ16に記憶されているデータとで相関処理を行う。
【0030】
FIRST検出回路17は、スイープの1回転内において画像メモリの画素に最初にアクセスする場合(FIRST)を検出する。LAST検出回路13は、画素に最後にアクセスする場合をLASTとして検出するのに対し、このFIRST検出回路17は、画素に最初にアクセスする場合をFIRSTとして検出する。このFIRST検出回路17も、LAST検出回路13と同様に座標変換部5からの出力に基づいて、FIRSTを容易に検出することが可能である。
【0031】
画像メモリ6内の画素に対するアクセスが最初のアクセスであるかどうかは、例えば図9(A)において、先行スイープθn 上の任意のサンプル点iがFIRSTであるかどうかを検出する構成とする。今、先行スイープθn (アンテナ方向)上の任意のサンプル点iをE点とし、先行スイープθn 上のスイープライン上流方向の隣接サンプル点をD点とし、後行スイープθn-1 上の複数の近接サンプル点をA点、B点、C点とする。なお、後行スイープθn-1 は先行スイープθn の1つ前のスイープである。近接サンプル点A点、B点、C点は、E点に対して後行スイープθn-1 上の同じサンプル位置のサンプル点(B点)とその前後の後行スイープθn-1 上の2つのサンプル点(すなわちA点とC点)である。そこで、E点がFIRSTサンプル点かどうかを判断するには、D、A、B、C点の4サンプル点とE点の対応画素アドレスが同一かどうかの対比を行えばよい(F点はE点より下流側であるため対比する必要はない)。したがって、図9(B)に示すように、後行スイープθn-1 アドレス発生部17aでA点、B点、C点のアドレスを発生し、先行スイープθn アドレス発生部17bでD点、E点のアドレスを発生し、一致検出回路17cで、E点のアドレスがA〜D点の各アドレスに一致するかどうかを判断する。一致すればE点はFIRST(サンプル点)ではなく、一致しなければFIRSTである。このようにして、FIRSTを検出することが出来る。なお、このFIRST回路17の詳細な構成については特願平10─160186号に示されている。
【0032】
次に動作を説明する。
【0033】
FIRST検出回路17がFIRSTを検出すると、その時の画像メモリ6の画素のデータ、すなわち、それまでにスイープ1回転分保持されていたデータが読み出されて一時記憶メモリ16に一時記憶される。この時から、先に説明したように、その画素に対してはスイープラインデータが書き込まれていく。その画素に対してLASTが検出されると、LAST検出信号がスキャン相関処理回路15に入力されていることによって、このスキャン相関処理回路15が、受信データと一時記憶メモリ16に記憶されているデータとによって相関処理を行い、その結果を書込データ選択器12に出力する。書込データ選択器12には、この時、同時にLAST検出信号が出力されているために、スキャン相関処理回路15から出力されたデータはそのまま画像メモリ6の画素に対して書き込まれる。以上の動作によって、スキャン相関処理とスイープラインデータの書き込みを共に行うことができる。すなわち、FIRST時点においては、スイープラインデータを描く前に同じ画素から既に記憶されている1回転前のデータを読み出して一時的に記憶しておき、LAST時点において、今回転で新たに得られたデータと上記一時的に記憶しておいたデータとの両者を相関処理して、その結果を書き込みデータとして出力する。
【0034】
さらに他の実施形態として、1つの画素に対応する複数の受信データから最大値または平均値を前段において求めておき、このデータをLAST時において画像メモリに対する書込データとすることも可能である。
【0035】
さらに、図10に他の実施形態を示す。
【0036】
この実施形態の装置は、図4の装置に、FIRST検出回路17、一時記憶メモリ16、加算器20を追加したものである。FIRSTのタイミングで画像メモリ6のデータを読み出して一時記憶メモリ16に格納し、このデータをスイープラインデータ設定器11のデータとを加算器20で加算する。そして、この加算値をスイープライン用書込みデータとしてLAST以外のときに画像メモリ6に書込む。LASTのタイミングでは、書込みデータ選択器12を一次メモリ4側に切換えることで受信データを画像メモリに書込む。
【0037】
このようにすると、スイープライン用書込みデータとして、設定したスイープラインデータと既に書き込まれてある画像メモリのデータとを加算した値を使用することになるため、スイープラインはその輝度が実映像よりも設定したスイープライン分だけ常に大きいデータとして表示される。このため、以下の利点がある。
【0038】
図4に示す装置では、スイープラインのデータは任意の値に設定し、任意の明るさで表示できるが、スイープラインデータを必要以上に大きな値にすると、スイープラインの観測は明瞭になる反面、スイープラインの回転を煩わしく感じ、全体としてレーダ映像観測の妨げになる。そこで、実用上は、かすかにスイープラインの回転が観測出来る程度にその大きさを設定することになるが、中以下の明るさに設定した場合でも近距離レンジにおいて陸等の映像が大きな面積で明るく表示されている状態の場合には、スイープラインとの間でコントラストに差が生じ、明るい陸映像の上を横切るスイープラインが暗く表示されるようになり、結局、スイープラインが目立ちすぎることになる。これに対し、本実施形態ではスイープラインの輝度が陸映像等の実映像よりも常に設定スイープラインデータ分だけ大きいデータとなるため、実映像とのコントラストが表示画面のどの位置においても抑制され、必要以上に目立つことがなくなる。
【0039】
なお、本発明はレーダ装置だけではなく、スイープ回転に伴って受信データを順次極座標から直交座標に座標変換して表示用の画像メモリに記憶する他の装置、例えばソナー装置等にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、スイープライン表示用の画像メモリを特に設けなくても必ずスイープラインが表示されると共に、スイープの回転速度が高速になっても必ず表示される。また、LAST検出時には受信データが画像メモリに書き込まれるために、受信データはスイープ1回転間保持されることになり、そのためスイープラインの表示がレーダ映像に悪影響を及ぼすこともない。また、スイープラインデータの書き込み期間は従来の受信データの書き込み動作に必要な期間に含まれるために、スイープラインを描画することによって画像メモリを更新する時間が増加するということもない。さらに、装置の故障で画像メモリの更新動作が停止するとスイープラインの回転も停止するから、スイープラインの観測が故障状態を知るための手段となる。これにより、スイープラインによって故障監視を行うことができる。
【0041】
請求項2の発明によれば、海面反射等のクラッターを低減するための相関処理を行う場合にも、スイープラインを表示させることができる。
【0042】
請求項3の発明によれば、スイープラインの輝度が実映像よりも常に設定スイープラインデータ分だけ大きいデータとなるため、実映像とのコントラストが表示画面のどの位置においても抑制され、必要以上に目立つことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレーダ装置の構成を示す図
【図2】従来のレーダ装置の他の例の説明図
【図3】受信データと画素の対応図
【図4】本発明の実施形態のレーダ装置の構成を示す図
【図5】レーダ装置の他の例の一部構成を示す図
【図6】スイープラインデータと受信データの書き込みについて説明する図
【図7】LAST検出回路の動作説明と回路構成を示す図。
【図8】本発明の他の実施形態の一部構成図
【図9】FIRST検出回路の動作説明と回路構成を示す図。
【図10】本発明のさらに他の実施形態の一部構成図
Claims (4)
- スイープ回転に伴って受信データを順次極座標から直交座標に座標変換して記憶する画像メモリと、
スイープラインデータを設定するスイープラインデータ設定部と、
スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最後にアクセスする場合をLASTとして検出するLAST検出手段と、
前記画像メモリへの書込データとして、LAST検出以外の時にはスイープラインデータを選択し、LAST検出時には受信データを選択する書込データ選択部と、を備えてなるレーダー装置及び類似装置。 - スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最初にアクセスする場合をFIRSTとして検出するFIRST検出手段と、
FIRST検出時に画像メモリのデータを読み出して一時記憶する一時記憶メモリと、
LAST検出時に受信データと一時記憶メモリの記憶データとで相関処理を行う相関処理部と、を備え、
前記書込データ選択部は、LAST検出時に相関処理したデータを画像メモリへの書込データとして選択することを特徴とする、請求項1記載のレーダー装置及び類似装置。 - スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最初にアクセスする場合をFIRSTとして検出するFIRST検出手段と、
FIRST検出時に画像メモリのデータを読み出して一時記憶する一時記憶メモリと、
前記一時記憶メモリのデータと前記スイープラインデータ設定部で設定されているスイープラインデータとを加算する加算器と、を備え、
前記書込データ選択手段は、LAST検出時以外の時には、スイープラインデータを選択するのに代えて前記加算器の加算値を選択することを特徴とする、請求項1記載のレーダー装置及び類似装置。 - 受信データを極座標から直交座標に座標変換して1周回毎に画像メモリに更新しながら記憶するステップと、
スイープの1周回内において前記座標変換時に画像メモリの画素に最後にアクセスする場合をLASTとして検出するステップと、
前記画像メモリへの書込データとして、LAST検出以外の時には予め設定されているスイープラインデータを選択し、LAST検出時には受信データを選択する書込データ選択ステップと、を備えてなる、受信データとスイープラインとの書込方法。
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