JP4107475B2 - 繊維強化複合材料用の補強繊維 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリックス樹脂に機能傾斜を付与した繊維強化複合材料(以下、FRPという。)、そのFRPに好適に用いることのできる補強繊維及び前記FRPの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FRPは、熱硬化性樹脂などのマトリックス樹脂を補強繊維で強化したものであり、軽量、かつ高強度、高弾性の特性を有し、ゴルフシャフト、テニスラケット、釣り竿、等のスポーツレジャー関連から自動車、航空機などの産業用途にまで広く用いられている。
【0003】
FRPは高強度、軽量化を目指す各用途に対して非常に適しており、ますます今後の展開が期待される材料であるが、一方FRPの欠点として、補強繊維の方向に対し直角方向の強度が弱いことが挙げられる。これは、たとえば補強繊維方向の強度は、補強繊維そのものの強度が反映するため、非常に高強度が発現されるのに対し、それと直角方向の強度はマトリックスの強度、又は補強繊維とマトリックスの界面接着強度に支配されるために、補強繊維方向に比べて一桁以上低くなってしまう。
【0004】
このようにFRPは補強繊維方向と、それと直角方向とで大きく物性が異なる、いわゆる異方性材料であるが、あらゆる方向に同等の物性を付与する方法として、補強繊維が一方向に配列した一方向材料を、角度を変えて擬似等方に積層する方法がある。しかしながら、この積層方法にしても厚み方向に対しては異方性を防ぐことはできない。特に層間はガラス転移温度以下でのマトリックスの熱収縮が残留応力として残存するため、厚み方向の強度が非常に低くなってしまう。構造材料としては耐熱性が要求されることが多いが、耐熱性が向上するほど、残留応力は大きくなり、層間、すなわち厚み方向の強度が低くなってしまう。
【0005】
FRPの強度評価の一つにCAI(衝撃後圧縮強度)がある。これはFRP積層板に衝撃を与え、その後の圧縮強度を測定するものであるが、衝撃を与えたときに層間に剥離が伸展し、その後の圧縮強度を大きく低下させてしまう。このCAIは航空機などの構造材料にとって、耐熱性とともに最も重要な強度の一つであり、高い耐熱性とCAIを両立させることで航空機などの設計の自由度が大いに広がり、更なる軽量化が達成可能となる。
【0006】
CAIを向上させる方法としてはインターリーフ的層間補強技術が代表的なものであり、特開平1−104624号公報をはじめ、数多くの技術が開示されている。これらの技術の基本的な考え方は、熱可塑性樹脂やエラストマー、ゴム成分などの高靭性成分を層間に配置することにより、衝撃時の層間の剥離を抑え、CAIの低下を防ぐものである。
これらの方法の問題点としては、高靭性成分を層間に配置させることが困難であったり、工数を要したりするということが挙げられる。
【0007】
たとえばシート状の高靭性成分を添加する場合には、まず薄いシート状にしなくてはならない。厚ければ補強繊維の含有率が低下してしまい、その他の機械物性に悪影響を与えてしまう。次にこのシート状高靭性成分を層間に配置しなければならず、工数アップになる。又成形時にはこのシート状高靭性成分が乱れないように注意が必要である。工数アップを防ぐためにプリプレグなどの中間材料に予め貼り付けておく場合には、プリプレグのタックなどの取り扱い性を犠牲にせざるを得ないなど、課題が多い。
又、粒子状の高靭性成分を用いる場合にも、層間に配置させるのに高度な技術が必要であること、プリプレグの表面に予め分散させておく場合には、やはりタックの低減は避けられず、取り扱い性を犠牲にしなければならない。
【0008】
このように、FRPの最も重要な機械強度の一つであるCAIを向上する層間補強には高度な技術が必要であり、プリプレグにした場合にもその取り扱い性を犠牲にせざるを得ないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、FRPの補強繊維と直角方向の強度を向上し、層間の強度を向上して、CAIの高いFRPを提供することである。
又、本発明の課題は、そのようなFRPに好適な補強繊維であり、プリプレグにしたときもその取り扱い性を犠牲にすることなく、優れた機械物性、特に高いCAIを得ることができる補強繊維を提供することである。
さらに本発明の課題は、前記FRPを容易に得ることができる製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題について鋭意検討した結果、全く新しい発想により上記課題を解決することができ、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明のFRPは、マトリックスに機能傾斜を付与し、残留応力の低減を図ることによりCAIの向上、更にはFRPの繊維と直角方向の強度向上を達成したものである。
具体的には、(B)カーボンナノチューブと(C)エポキシ樹脂との均一混合物が(A)炭素繊維の表面に塗布されていることを特徴とする繊維強化複合材料用の補強繊維である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のFRPに用いられる(A)補強繊維としては、特に制限はなく、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、スチール繊維、高強度ポリエチレン繊維、PBO繊維、等が挙げられるが、強度、弾性率に優れる炭素繊維を使用した場合、本発明のFRPの強度が非常に優れたものとなるため、最も好適である。
【0016】
(B)無機系添加剤としては特に制限はないが、(C)樹脂に対する濃度が(A)補強繊維に接する部分で最大であり、(A)補強繊維から離れるにしたがって低くならなければならない。濃度の測定方法としてはたとえば次のような方法が例示できる。
まずFRPが層間を含む場合、図1に示したように補強繊維層1と補強繊維層2にはさまれた樹脂層3が確認できるようにFRPの断面写真をとる。層間の樹脂層部分を補強繊維の層に沿って5つの層に分ける。補強繊維の層1に近いほうから順にa層、b層、c層、d層、e層とし、各層の厚みに対して、それぞれ5倍以上の長さの断面において、各層の断面積に対する各層に含まれる(B)無機系添加剤の断面積の比を、その層での(B)無機系添加剤濃度とする。
又、FRPが層間を含まないような場合には、補強繊維とマトリックスが確認できるような、図2に示すような断面写真をとる。補強繊維4と補強繊維4の間のマトリックスを5つの層に分け、それぞれa層、b層、c層、d層、e層とする。前記と同様、各層の厚みに対して、それぞれ5倍以上の長さの断面において、各層の断面積に対する各層に含まれる(B)無機系添加剤の断面積の比を、その層での(B)無機系添加剤の濃度とする。いずれの場合にも厚みが一定でないときには、5点程度厚みを測り、その平均値に対して5倍以上の長さに対して濃度の評価を実施する。
【0017】
FRPに対して以上のような処理を施し、a層、e層を補強繊維に接する部分とし、c層を補強繊維から最も離れた部分とする。本発明においては(B)無機系添加剤の濃度の平均値が、a層→b層→c層(e層→d層→c層)と(A)補強繊維から離れるにしたがって低くならなければならない。a層、e層での(B)無機系添加剤の濃度が、c層での(B)無機系添加剤の濃度の2倍以上高い場合は、機能傾斜効果がより顕著になるために好ましい。
【0018】
本発明における(B)無機系添加剤の弾性率は(C)樹脂の弾性率よりも高いことが望ましい。(A)は補強するための繊維であるので、(C)樹脂よりも弾性率は高い。本発明は(B)無機系添加剤の(C)樹脂内での分布により、樹脂に機能傾斜を付与するものであるので、(B)弾性率は(C)弾性率よりも高いことが望ましいのである。
【0019】
又、(B)無機系添加剤はカーボンナノチューブであることが好ましい。カーボンナノチューブは非常に弾性率が高く、特に(A)補強繊維が炭素繊維である場合には、(B)成分も同等の弾性率となるため、補強繊維も含めたFRP全体に機能傾斜効果が付与され、機能傾斜効果が最も大きくなるので好ましい。カーボンナノチューブとしては特に制限はなく、単層カーボンナノチューブでも多層カーボンナノチューブでもよいが、コストパフォーマンスに優れる多層カーボンナノチューブの方が好適である。更に(B)無機系添加剤としてカーボンナノチューブを用いた場合、そのカーボンナノチューブがFRPの中で、(A)補強繊維に平行に配置されている場合には、(C)樹脂は(A)補強繊維による異方性をある程度保持しながら、なおかつ機能傾斜を付与されている為、本発明のFRPとして最も理想的な状態となり、機械強度も非常に高くなるので、特に好ましい。
【0020】
本発明における(C)樹脂としては特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が使用できるが、熱硬化性樹脂が、成形性や取り扱い性に優れるため好ましい。
【0021】
次にもう一つの発明である補強繊維について説明する。
(A)補強繊維、(B)無機系添加剤及び(C)樹脂は上述の通りである。
本発明のFRPに好適に用いることのできる補強繊維は、例えば次のようにして製造することができる。
【0022】
本発明のFRPの製造方法としては特に制限はないが、次の方法による製造方法が好適である。すなわち、(B)無機系添加剤を予め(A)補強繊維に付着させておいて、その後(C)樹脂と一体化して成形する方法である。このような方法で製造すると、本発明のFRPを比較的容易に製造することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
(実施例1)
まず、使用した材料について説明する。(A)補強繊維としては、三菱レイヨン社製の炭素繊維、パイロフィルTR50S−12Kを使用した。
(B)無機系添加剤としては、直径約16nmのガラス微粒子を使用した。
(C)樹脂としては、次の組成のエポキシ樹脂組成物を用いた。
すなわち、ジャパンエポキシレジン社製エピコート828 40質量部、同エピコート1002 30質量部、大日本インキ化学工業社製エピクロンN67330質量部、ジャパンエポキシレジン社製Dicy7 5質量部、保土ヶ谷化学社製DCMU99 5質量部、を均一に混合したものである。
【0025】
次にFRP用補強繊維の製造方法について説明する。
まず、(B)無機系添加剤 100質量部とジャパンエポキシレジン社製エピコート1001、100質量部、メチルエチルケトン 100質量部とを均一に混合した。次にこの均一混合物に(A)補強繊維をディップして塗布し、メチルエチルケトンを脱溶剤して本発明のFRP用補強繊維を得た。得られたFRP用補強繊維の、(A)補強繊維に対する(B)無機系添加剤の付着割合は12質量%であった。
さらにFRPの製造方法について説明する。
FRP用補強繊維を一方向に引き揃えて、(C)樹脂をホットメルト方式により含浸させてプリプレグを得た。プリプレグの補強繊維目付けは150g/m2とした。プリプレグの製造は通常の方法により実施可能であり、特に制限はなかった。又得られたプリプレグはタック、ドレープ性に優れ、取り扱い製に優れたものであった。
【0026】
得られたプリプレグを[45°/0°/−45°/90°/45°/0°/−45°/90°/45°/0°/−45°/90°/90°/−45°/0°/45°/90°/−45°/0°/45°/90°/−45°/0°/45°]で24ply積層し、オートクレーブで2kg/cm2の圧をかけて、130℃×1時間で成形した。炭素繊維の体積含有率は55体積%であった。成形したパネルの層間を含む断面写真をとり、機能傾斜の評価を、明細書に示した層間を含む場合に準じて実施した。a層、e層、b層、d層における(B)無機系添加剤の平均値はそれぞれ28%、20%であり、c層における(B)無機系添加剤の平均濃度は12%であった。a層、e層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はc層における(B)無機系添加剤の濃度の2倍以上であった。該CFRPパネルをボーイングマテリアルスペック8−276に従ってCAIを測定した。CAIは290MPaと高い値を示した。
【0027】
又、得られたプリプレグを[0°/0°/0°/0°/0°/0°/0°/0°/0°/0°]で10ply積層し、同様に成形して一方向のCFRPを得た。炭素繊維の体積含有率は55体積%であった。得られたCFRPは層間が不明瞭であったので、明細書中に示した層間を含まない場合に準じて機能傾斜の評価を実施した。a層、e層、b層、d層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はそれぞれ36%、29%であり、c層における(B)無機系添加剤の濃度は17%であった。a層、e層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はc層における(B)無機系添加剤の濃度の2倍以上であった。得られたCFRPの90°方向の曲げ強度をASTM D790に従って評価したところ、158MPaと高い値を示した。
【0028】
(比較例1)
(B)無機系添加剤のを用いない例を示す。(A)補強繊維、(C)樹脂は実施例1と同じものを用いた。(A)補強繊維に、ジャパンエポキシレジン社製エピコート1001 100質量部とメチルエチルケトン 100質量部を均一に混合したものを塗布し、メチルエチルケトンを脱溶剤した。次にこの補強繊維を一方向に引き揃えて、(C)樹脂をホットメルト方式により含浸させてプリプレグを得た。プリプレグの補強繊維目付けは150g/m2とした。
【0029】
得られたプリプレグから実施例1と同様にしてCFRPを成形した。成形物の炭素繊維の体積含有率は55体積%であった。得られたCFRPで、実施例1と同様にしてCAI、90°方向の曲げ強度を測定したところ、それぞれ245MPa、132MPaであった。
【0030】
(比較例2)
マトリックスに機能傾斜がない場合を示す。実施例1で用いた(B)添加剤を(C)樹脂に均一に混合し、(A)成分を一方向に引きそろえたものに含浸させてプリプレグを調製した。(B)添加量は(A)の質量に対して12質量%とした。得られたプリプレグから実施例1と同様にしてCFRPを成形した。成形物の炭素繊維の体積含有率は55%であった。得られたCFRPで、実施例1と同様にしてCAI、90度方向の曲げ強度を測定したところ、それぞれ234MPa、135MPaであった。
【0031】
(実施例2)
(A)補強繊維及び(C)樹脂としては実施例1で用いたものと同じものを用いた。又、(B)無機系添加剤としてはカーボンナノチューブを用いた。カーボンナノチューブはアーク放電法により製造したものである。実施例1と同様にして、(B)無機系添加剤 100質量部とジャパンエポキシレジン社製エピコート1001 100質量部、メチルエチルケトン100質量部とを均一に混合した。
【0032】
次にこの均一混合物に(A)補強繊維をディップして塗布し、メチルエチルケトンを脱溶剤して本発明のFRP用補強繊維を得た。得られたFRP用補強繊維の(B)無機系添加剤の(A)補強繊維に対する質量割合は8質量%であった。続いてこのFRP用補強繊維を一方向に引き揃えて、(C)樹脂をホットメルト方式により含浸させてプリプレグを得た。プリプレグの補強繊維目付けは150g/m2とした。プリプレグの製造は通常の方法により実施可能であり、特に制限はなかった。又得られたプリプレグはタック、ドレープ性に優れ、取り扱い製に優れたものであった。
得られたプリプレグを実施例1と同様にしてCAI測定を実施した。CAIに用いたCFRPパネルの機能傾斜の評価を実施例1と同様にして実施したところ、a層、e層、b、d層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はそれぞれ37%、24%であり、c層における(B)無機系添加剤の濃度は14%であった。a,e層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はc層における(B)無機系添加剤の濃度の2倍以上であった。又、該CFRPパネルの炭素繊維含有率は55体積%であった。該CFRPパネルを実施例1と同様にしてCAIを測定したところ332MPaと高い値を示した。
【0033】
又、得られたプリプレグを実施例1と同様にして90°の曲げ試験を実施した。CFRPパネルの炭素繊維の体積含有率は55体積%であった。得られたCFRPは層間が不明瞭であったので、実施例1と同様、明細書中に示した層間を含まない場合に準じて機能傾斜の評価を実施した。a層、e層、b層、d層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はそれぞれ42%、30%であり、c層における(B)濃度は20%であった。a層、e層における(B)無機系添加剤の濃度の平均値はc層における(B)無機系添加剤の濃度の2倍以上であった。
【0034】
又、該CFRPの補強繊維に平行な断面の断面観察をしたところ、(B)カーボンナノチューブは補強繊維に対してほぼ平行に配置されていた。該CFRPの90°方向の曲げ強度をASTM D790に従って評価したところ、172MPaと高い値を示した。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】FRPが層間を含む場合のマトリックス層を5層に分ける方法の略図である。右図は拡大図である。
【図2】FRPの層間が不明瞭な場合のマトリックス層を5層に分ける方法の略図である。右図は拡大図である。
【符号の説明】
1 補強繊維層
2 マトリックス層
3 補強繊維層
a、e マトリックス層の中で、補強繊維に接する部分
c マトリックス層の中で、補強繊維より最も離れた個所
b、d マトリックス層の中で、a層とc層、c層とe層の中間層
4 補強繊維
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のFRPは、(A)補強繊維、(B)無機系添加剤及び(C)樹脂からなるFRPにおいて、(B)無機系添加剤の(C)樹脂中の分布濃度が(A)補強繊維に接する部分で最大であり、(A)補強繊維から離れるにしたがって低くなることを特徴とするFRPであるので、FRPの補強繊維と直角方向の強度を向上させ、層間の強度を向上させてCAIの高いFRPを提供することができる。
又、本発明のFRP用の補強繊維は、(B)無機系添加剤が(A)補強繊維の表面に塗布されていることを特徴とするFRP用の補強繊維であるので、補強繊維と直角方向の強度が高く、CAIの高いFRPを得ることができる補強繊維を提供することができ、更にプリプレグにしたときもその取り扱い性を犠牲にすることなく、優れた機械物性、特に高いCAIを得ることができる補強繊維を提供することができる。
さらに、本発明のFRPの製造方法は、(B)無機系添加剤を予め(A)補強繊維に塗布し、その後(C)樹脂と一体化して成形することを特徴とする請求項1記載のFRPの製造方法であるので、補強繊維と直角方向の強度が高く、CAIの高いFRPを得ることができる製造方法を提供することができた。
Claims (1)
- (B)カーボンナノチューブと(C)エポキシ樹脂との均一混合物が(A)炭素繊維の表面に塗布されていることを特徴とする繊維強化複合材料用の補強繊維。
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