JP4107069B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的アクチュエータによって開閉駆動される形式のエンジンと、そのエンジンから出力される動力を駆動輪へ伝達する動力伝達装置として変速比が連続的に変化させられる無段変速機とを備えた車両の制御装置に関し、特に、吸気弁および排気弁の作動状態に応じ無段変速機の変速速度を制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機の変速時にエンジンの回転数の低下に伴って放出される回転慣性エネルギーを吸収してアップシフト時の変速ショックを低減する車両が知られている。たとえば、特許文献1に示すように回転数変化時にエンジンから放出される回転慣性エネルギーを算出して、エンジンの出力軸に備え付けられた電動機によりその算出された回転慣性エネルギー分を回生制御により吸収することでアップシフト時の変速ショックを低減することが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−70104号公報
【特許文献2】
特開2000−8931号公報
【特許文献3】
特開平11−141364号公報
【特許文献4】
特開平11−117778号公報
【特許文献5】
特開平7−145745号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アップシフト時にエンジンから放出される回転慣性エネルギーを低減する回生制御は、エンジンに対しては間接的な制御となるために無段変速機の変速速度に対する応答性が悪くなり、変速ショックが生じる可能性があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、アップシフト時にエンジン自身でエンジン回転数を制御してエンジン回転数低下に伴って発生する慣性エネルギーの放出を防ぎ、その制御状況に応じて無段変速機の変速速度を制御することで変速応答性を向上させる車両の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的アクチュエータによって開閉駆動される形式のエンジンと、そのエンジンから出力される動力を駆動輪へ伝達するために変速比が連続的に変化させられる無段変速機とを備えた車両の制御装置であって、(a)前記無段変速機の変速時において、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御して前記エンジンの回転数を所定の回転数に制御する回転制御手段と、(b)前記無段変速機の変速を制御する変速制御手段と、(c)その無段変速機の目標変速速度を決定する目標変速速度決定手段と、(d)その目標変速速度決定手段によって決定された目標変速速度に応じて、前記回転制御手段によって前記所定のエンジン回転数に制御されるときのエンジン回転数の低下速度を変更する回転数変化速度変更手段とを、含むことにある。
【0007】
発明の効果】
このようにすれば、目標変速速度決定手段によって前記無段変速機の目標変速速度が決定されると、回転数変化速度変更手段によってその目標変速速度に応じて、回転制御手段によって所定のエンジン回転数に制御されるときのエンジン回転数の低下速度が変更されるので、アップシフト時の変速応答性が向上して変速フィーリングが向上する。
【0009】
ここで、好適には、前記車両の制御装置は、 (a) 前記回転制御手段によって前記エンジンの回転数を所定のエンジン回転数に制御可能か否かを判定する回転制御判定手段と、 (b) その回転制御判定手段の結果に応じて前記変速制御手段によって制御される変速速度を変更する変速速度変更手段とを含むものである。このようにすれば、回転制御判定手段によってエンジン自身の回転制御状態すなわち回転制御手段によって所定のエンジン回転数に制御可能か否かが判定され、変速速度変更手段によってその回転制御判定に応じて変速速度が変更され、変速制御手段によってその変速速度で無段変速機の変速速度が制御されるので、アップシフト時の変速応答性が向上して変速フィーリングが向上する。
【0010】
また、好適には、前記車両の制御装置は、前記無段変速機の変速時に前記回転制御判定手段によって所定のエンジン回転数に制御されないと判定された場合、前記エンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン制御手段を含むものである。このようにすれば、たとえ前記回転制御手段によってエンジン自身が所定のエンジン回転数に制御させられなくて、エンジン出力トルクが低下させられなくても、トルクダウン制御手段によってたとえば点火時期を遅角させたりスロットル開度を小さくしたりしてエンジン出力トルクが低下させられる。
【0011】
また、好適には、前記車両は電動機を備え、前記車両の制御装置は前記無段変速機の変速時に前記回転制御判定手段によって所定のエンジン回転数に制御されないと判定された場合、その電動機によって回生制御を実施する回生制御手段を含むものである。このようにすれば、たとえ前記回転制御手段によってエンジン自身が所定のエンジン回転数に制御させられなくて、エンジン出力トルクが低下させられなくても、回生制御手段によってたとえばエンジン出力トルクの一部が電動機の発電のためのエネルギーに変換されることによってエンジン出力トルクが低下させられる。
【0012】
また、好適には、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方は、電磁アクチュエータによって開閉駆動される電磁駆動弁である。このようにすれば、回転制御手段によって、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御して前記エンジンの回転数または所定のエンジン回転数に制御するエンジン回転数の変化速度をエンジン自身で制御することができる。
【0013】
また、好適には、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方は、電動モータにより回転駆動されるカムシャフトによって開閉駆動されるモータ駆動弁である。このようにすれば、回転制御手段によって、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御して前記エンジンの回転数または所定のエンジン回転数に制御するエンジン回転数の変化速度をエンジン自身で制御することができる。
【0016】
また、好適には、前記車両の制御装置は、前記無段変速機の変速時に点火時期の遅角またはスロットル開度の減少により前記エンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン制御手段を含むものである。このようにすれば、トルクダウン制御手段によってたとえば点火時期を遅角させたり、スロットル開度を小さくしたりしてエンジン出力トルクが低下させられるので、エンジンの出力トルクが一層制御しやすくなる。
【0017】
また、好適には、前記車両は電動機を備え、前記車両の制御装置は、前記無段変速機の変速時にその電動機によって回生制御を実施する回生制御手段を含むものである。このようにすれば、回生制御手段によってたとえばエンジン出力トルクの一部が電動機の発電のためのエネルギーに変換されることによってエンジン出力トルクが低下させられるので、エンジンの出力トルクが一層制御しやすくなる。
【0018】
また、好適には、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方は、電磁アクチュエータによって開閉駆動される電磁駆動弁である。このようにすれば、回転制御手段によって、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御して前記エンジンの回転数または所定のエンジン回転数に制御するエンジン回転数の変化速度をエンジン自身で制御することができる。
【0019】
また、好適には、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方は、電動モータにより回転駆動されるカムシャフトによって開閉駆動されるモータ駆動弁である。このようにすれば、回転制御手段によって、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御して前記エンジンの回転数または所定のエンジン回転数に制御するエンジン回転数の変化速度をエンジン自身で制御することができる。
【0020】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例のエンジン制御装置が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。図において、内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、振動減衰装置(ダンパ)12を順次介して、副変速部14および無段変速部16を含む無段変速機17に入力され、差動歯車装置18および車軸19を介して一対の駆動輪(たとえば前輪)21へ伝達されるようになっている。また、第2の動力源および発電機として機能する電動機としてのモータジェネレータMG2が上記副変速部14の第2入力軸52に連結されている。無段変速機17は、エンジン10の後段に連結されて駆動輪21へ動力を伝達するための動力伝達装置として機能している。
【0022】
上記エンジン10は、好適には、燃料消費を減少させるために、燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼が行われるリーンバーンエンジンから構成される。このエンジン10は、たとえば3気筒ずつから構成される左右1対のバンクを備え、その1対のバンクは単独で或いは同時に作動させられるようになっており、作動気筒数の変更が可能とされている。このエンジン10の吸気配管には、図示しないスロットルアクチュエータによって操作されるスロットル弁とが設けられている。このスロットル弁は、基本的には図示しないアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度θACCに対応する大きさのスロットル開度θTHとなるように制御されるが、エンジン10の出力を調節するために変速過渡時などの種々の車両状態に応じた開度となるように制御されるようになっている。
【0023】
上記エンジン10には、エンジン10の起動、補機の駆動、回転エネルギの回収などのために、駆動用電動モータおよび発電機などとして機能する電動機としてのモータジェネレータMG1が直接的に連結されている。
【0024】
また、上記エンジン10は、その運転サイクル数が変更可能となるように構成されている。たとえば図2に示すように、各気筒を開閉する吸気弁20および排気弁22と、それらをそれぞれ開閉駆動する電磁アクチュエータ24および26とを含む可変動弁機構である電磁駆動弁28および29と、クランク軸30の回転角を検出する回転センサ32からの信号に従って上記吸気弁20および排気弁22の作動時期(タイミング)を制御する弁駆動制御装置34とを備えている。この弁駆動制御装置34は、エンジン負荷に応じて作動タイミングを最適時期に変更するだけでなく、加速操作時などの運転サイクル切り換え指令に従って、4サイクル運転を実現する開閉時期および2サイクル運転を実現する開閉時期となるように制御したり、たとえばモータ走行からエンジン走行への切換過渡期間において、エンジン10から出力される動力を駆動輪21へ伝達するためのクラッチC1の入出力回転を同期させるためにエンジン回転数NEを制御する。上記電磁アクチュエータ24および26は、たとえば図3に示すように、吸気弁20または排気弁22に連結されてその吸気弁20または排気弁22の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材36と、その可動部材36を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石38、40と、可動部材36をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング42、44とを備えている。
【0025】
前記無段変速機17の副変速部14は、ギヤ比(変速比)γA[=エンジン回転数(入力軸回転速度)/入力軸56の回転速度(出力軸回転速度)]が1である高速側ギヤ段とギヤ比が1/ρ1である低速側ギヤ段との前進2段、およびギヤ比が−1/ρ2である高速側ギヤ段とギヤ比が−1/ρ1である低速側ギヤ段との後進2段を有するラビニヨ型遊星歯車装置を有する有段変速機である。この副変速部14は、第1クラッチC1、第2クラッチC2、およびブレーキB1と、第1クラッチC1を介してエンジン10と連結される第1入力軸50と、第1クラッチC1および第2クラッチC2を介してエンジン10と連結される第2入力軸52と、それら第1入力軸50および第2入力軸52に設けられた第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と、ブレーキB1を介して非回転のハウジング54と選択的に連結されるキャリヤKと、副変速部14の出力軸すなわち無段変速部16の入力軸56に連結されたリングギヤRと、キャリヤKによって回転可能に支持されるとともに第1サンギヤS1およびリングギヤRと噛み合う軸長の大きい第1遊星歯車P1と、同様にキャリヤKによって回転可能に支持されるとともに第2サンギヤS2および第1遊星歯車P1と噛み合う軸長の短い第2遊星歯車P2とを備えている。前記モータジェネレータMG2は、上記第2入力軸52に連結されている。
【0026】
図4は、上記副変速部14における各油圧式摩擦係合装置の係合作動の組み合わせによって得られる変速ギヤ段を,よく知られたP、R、N、D、2、Lなどのシフトレバーの操作位置(シフトポジション)毎に示す係合表である。図4において、○は係合、×は解放、△はスリップ係合を示している。前記副変速部14では、シフトレバーのDレンジ位置において、たとえば第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられるとともにブレーキB1が解放されることにより変速比γAが「1」である高速側ギヤ段(前進2nd)が成立させられ、たとえば第1クラッチC1および第2クラッチC2が解放されるとともにブレーキB1が係合されることにより変速比γAが「1/ρ1」である低速側ギヤ段(前進1st)が成立させられる。また、シフトレバーのRレンジ位置においては、たとえばエンジン走行において第1クラッチC1およびブレーキB1が係合させられるとともに第2クラッチC2が解放されることにより変速比γAが「−1/ρ2」である後進高速側ギヤ段が成立させられ、たとえばモータ走行において第1クラッチC1および第2クラッチC2が解放されるとともにブレーキB1が係合されることにより変速比γAが「−1/ρ1」である後進低速側ギヤ段が成立させられる。上記クラッチC1、C2およびブレーキB1は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0027】
上記車両のモータ走行による後進時には、モータジェネレータMG2の回転が反転させられて第2サンギヤS2へ入力される。車両停止中は、基本的には、前進および後進のいずれにおいても上記モータジェネレータMG2によりクリープ力が確保される。このため、二次電池68の充電残量が不足しても、エンジン10を始動することによりモータジェネレータMG1から発電された電力が充電のために二次電池68に供給されるので、故障時以外は、モータジェネレータMG2によるモータ発進走行が常時可能とされている。また、前進走行においては、モータジェネレータMG2でクリープトルクを確保しつつ、モータ発進走行が行われる。また、モータジェネレータMG1でエンジン10を始動させ、同期回転に到達したらクラッチC1が係合させられて、エンジン10によりセカンド(2nd)走行が行われる。エンジン10でも発進可能とされており、低速ではクラッチC1をスリップさせつつ徐々に車速Vを上昇させる。比較的高速となると、クラッチC1を完全に係合させる。後進走行においては、モータジェネレータMG2が反転駆動されてクリープ力が確保され、トルクが必要なときはさらにエンジン10が始動される。低速では上記と同様にクラッチC1がスリップ係合させられる。このように、上記副変速部14は、少ない回転要素の数ですべての機能が達成される特徴がある。後進走行時のモータジェネレータMG2からエンジン10への駆動源切換時においてブレーキB1がそのままであり、摩擦係合装置の作動を切り換える必要がない。
【0028】
図1に戻って、前記無段変速機17の無段変速部16は、入力軸56に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ60と、出力軸62に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ64と、それら入力側可変プーリ60および出力側可変プーリ64に巻き掛けられた伝動ベルト66とを備えたベルト式無段変速機である。この伝動ベルト66は、一対の入力側可変プーリ60および出力側可変プーリ64にそれぞれ挟圧された状態で摩擦により動力を伝達する動力伝達部材として機能している。上記入力側可変プーリ60は、入力軸56に固定された固定回転体60aとその入力軸56に軸方向に移動可能且つ軸周りに回転不能に設けられた可動回転体60bと、その可動回転体60bを駆動する入力側油圧シリンダ60cとを備え、その入力側油圧シリンダ60cにより入力側可変プーリ60の有効径が変更されるようになっている。また、出力側可変プーリ64も、出力軸62に固定された固定回転体64aとその出力軸62に軸方向に移動可能且つ軸周りに回転不能に設けられた可動回転体64bと、その可動回転体64bを駆動する出力側油圧シリンダ64cとを備え、その出力側油圧シリンダ64cにより挟圧力が付与されるようになっている。一般に、上記入力側油圧シリンダ60cは、無段変速部16の変速比γCVT(=入力軸56の回転速度NIN/出力軸62の回転速度NOUT )を変化させるために用いられ、上記出力側油圧シリンダ64c内の油圧は伝動ベルト66の張力すなわちトルク伝達容量を最適に制御するために調節される。上記入力側可変プーリ60および出力側可変プーリ64とそれに巻き掛けられた伝動ベルト66とは、摩擦を介して動力を伝達する油圧式摩擦係合装置として機能している。
【0029】
車両には、充電可能な鉛蓄電池などの前記二次電池68の他に、水素などの燃料に基づいて発電を行う燃料電池70が設けられており、これら二次電池68および/または燃料電池70は切換装置72によって第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として選択的に利用され得るために電流を制御されたり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御されている。この切換装置72は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0030】
図5は、電子制御装置80に入力される信号およびその電子制御装置80から出力される信号を例示している。たとえば、電子制御装置80には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θACCを表すアクセル開度信号、無段変速部16の出力軸62の回転速度NOUTに対応する車速信号、エンジン回転速度すなわちエンジン回転数NEを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバーSHの操作位置SHを表す信号などが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置80からは、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、無段変速部16の変速比γCVTを変更するための図示しない油圧制御回路内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する変速指令信号、無段変速部16の伝動ベルト66の張力を制御するための張力指令信号、エンジン10のサイクル数を指令する信号などが出力される。
【0031】
上記電子制御装置80は、たとえばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、無段変速部16のギヤ比γCVTを最適値に自動的に切り換える変速制御、無段変速部16の伝動ベルト66の張力を最適値に制御する張力制御、駆動源切換(ハイブリッド駆動)制御などを実行する。たとえば、上記変速制御では、予め記憶されたよく知られた関係(変速線図)からアクセル開度θACC(%)および車速Vに基づいて目標変速比γCVT *を決定し、実際の変速比γCVTがその目標変速比γCVT *と一致するように前記入力側油圧シリンダ60cを作動させる。上記張力制御では、予め記憶された関係から実際のスロットル弁開度θTH、エンジン回転数NE、および副変速部14のギヤ比γAに基づいて基本挟圧力を算出し、実際の作動油温度TOIL、トルク振動幅或いはエンジン10の回転数に基づいてその基本挟圧力を補正し、その補正後の挟圧力で伝動ベルト66を挟圧してその張力すなわち挟圧力を制御するために出力側油圧シリンダ64cを作動させる。また、駆動源切換制御では、たとえば図6および図7に示す予め記憶された関係から車速Vおよび出力軸トルクTOUTに基づいて、駆動源および副変速部14のギヤ段の判定を行い、判定された駆動源および副変速部14のギヤ段に切り換えて走行させる。また、弁駆動制御装置34、図示しないスロットルアクチュエータ、点火時期制御装置、燃料噴射量制御装置などによりエンジン10の出力制御を行ったり、図示しないMG1コントローラ、MG2コントローラによりモータジェネレータMG1、MG2の力行制御や回生制御を行ったりする。
【0032】
上記の駆動源切換制御により、図4に示されるように、図示しないシフトレバーが前進(ドライブ:D)ポジションへ操作された前進走行では、モータ走行領域であるので、ブレーキB1が係合されて副変速部14が第1速状態(ギヤ比が1/ρ1の減速状態)とされた状態で、モータジェネレータMG2でクリープトルクを確保しながら、モータ発進が行われる。車速Vが増加してエンジン走行領域となると、エンジン10が起動され且つクラッチC1の入出力回転速度が同期するようにエンジン回転数NEが制御され、同期が完了するとそのクラッチC1が係合されてエンジン走行が行われる。二次電池68の充電残量が不足でもエンジン10を起動してモータジェネレータMG1で発電させてその二次電池68に充電することが可能であるので、故障時以外は上記のモータ発進が可能とされている。大きな駆動力を必要とするような場合にはエンジンで発進することも可能であり、この場合には、低車速ではクラッチC1をスリップ係合させながら車速を増加させ、比較的高車速となるとクラッチC1を完全係合させる。シフトレバーが後進(リバース:R)ポジションへ操作された後進走行では、モータジェネレータMG2の回転が反転させられてクリープ力が確保されつつ、上記と同様に、ブレーキB1が係合されて副変速部14が第1速状態(ギヤ比が−1/ρ1の減速状態)とされた状態で、モータ発進が行われる。この後進走行においてモータ走行からエンジン走行への切換時には、ブレーキB1は係合状態のままであり、切換が不要とされている。そして、車速増加などにより更に駆動トルクが必要となると、上記エンジン発進と同様に、エンジン10が起動され且つクラッチC1がスリップ係合される。
【0033】
図8および図9は、上記電子制御装置80の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図および制御作動の要部を説明するタイムチャートである。また、図9の一点鎖線は本実施例による変速制御作動が実行されない従来の場合を示している。
【0034】
図8において、変速開始判定手段90は、変速(アップシフト)が開始されたか否かを、たとえばアクセルが踏み込まれたことにより前記無段変速部16の変速比γCVTが、たとえば予め記憶されたよく知られた関係(変速線図)からアクセル開度θACC(%)および車速Vに基づいて決定された目標変速比γCVT *と一致するように前記入力側油圧シリンダ60cの作動が開始されたか否かにより判定する。図9のt3時点がアップシフトが開始された時点である。
【0035】
回転制御手段92は、回転制御判定手段94と回転数変化速度変更手段96とを備えており、弁駆動制御装置34によりエンジン10の各気筒に備えられた電磁駆動弁28或いは29の作動が異常或いは制限されてないかによりエンジン10の回転数NEを所定のエンジン回転数たとえば変速後の値NE2(NE×γCVT2:γCVT2は変速後の変速比)に制御可能である状態にあるか否かを判定し、可能である状態であれば電磁駆動弁28および29の少なくとも一方を作動させてエンジン10自身の回転抵抗を発生させることによりエンジン回転数NEを制御(低下)させる自己減速指令を弁駆動制御装置34へ出力する。たとえば、変速開始判定手段90により無段変速機16の変速(アップシフト)が判定されると、アップシフトに際して回転数が低下させられるエンジン10から入力軸56に入力される入力トルクTIN(=TE+TI)を一時的に抑制するために、入力トルクTINに含まれるTIを消費させて、上記アップシフト中にエンジン回転数NEのNE2への低下に起因して発生するイナーシャトルクTIに相当するトルク分をエンジン10自身の回転抵抗で回転数NEを低下させることで相殺して、所定のエンジン回転数NE2に到達する速度を制御して無段変速機16の変速応答性を向上させる。つまり、図9の一点鎖線で示す従来の変速制御の場合は、イナーシャトルクTI相当分のトルクが発生するためにエンジン回転数NEが所定のエンジン回転数NE2に制御されるまでの時間がt3時点乃至t5時点のtN(sec)であるが、イナーシャトルクTI相当分のトルクが発生しないようにエンジン10自身でエンジン回転数NEを制御することで所定のエンジン回転数NE2に制御されるまでの時間がt3時点乃至t時点のtE(sec)となりエンジン回転数の制御速度(以下エンジン回転数の変化速度VE)が速められ、これによって無段変速機16の変速制御の制御速度(以下変速速度VCVT)が速くさせられるので無段変速機16の変速応答性を向上させることができる。上記イナーシャトルクTIとは、アップ変速に際して、エンジン10の回転数NEの変速前の値NE1から変速後の値NE2への低下すなわち慣性モーメントの減少に起因してエンジン10から一時的に放出されたエネルギが入力トルクTINのトルク増加分として現れるものであり、アップ変速中ではそのイナーシャ相で発生させられる。つまりこのイナーシャトルクTI相当分のトルクは、アップ変速に際してエンジン10の回転数NEが低下させられようとするとき、その回転を維持しようとしてイナーシャ相で発生するトルクである。上記自己減速指令は、エンジン10の内部に発生する回転抵抗により減速させるものであり、電磁アクチュエータ24および26により駆動される各気筒の吸気弁20および排気弁22の開閉タイミング、開閉期間、リフト量などを、エンジン10の回転抵抗すなわち吸気排気抵抗が増加する側へ変更させるものである。たとえば、吸気弁20を閉じた状態で排気弁22をピストンの下死点から上死点まで閉じ且つその上死点付近において開くことにより発生する圧縮仕事でエンジン回転数NEが低下させられる。上記自己減速指令による自己減速量は、一定値であってもよいが、たとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から実際の車速Vおよび変速状態または無段変速部16の変速速度d γCVT/dtに基づいてその自己減速量の大きさが逐次決定される。この関係は、車速Vが高くなるほど且つアップシフトの変速段が高速側となるほど自己減速量が大きくなるように設定されている。また、その自己減速量の減速速度すなわち上記エンジン回転数の変化速度d NE/dtは無段変速部16の上記変速速度d γCVT/dtに基づいて逐次変更されるように設定され、そのエンジン回転数の変化速度d NE/dtも上記自己減速指令とともに弁駆動制御装置34へ出力される。
【0036】
上記回転制御判定手段94は、変速開始判定手段90によりアップシフトが判定されると、エンジン10自身で発生させる回転抵抗によりエンジン回転数NEおよびイナーシャトルクTIを低下させるために、たとえば吸気弁20および排気弁22の作動角、リフト量、位相のうちの少なくとも1つを変化させるように電磁駆動弁28或いは29を作動させ、その電磁駆動弁28或いは29を用いてエンジン10自身でエンジン回転数NEを所定値分、たとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から実際の車速Vおよび変速段に基づく自己減速量分だけ低下させることができる状態であるか否かを判定するものであり、たとえば電磁駆動弁28或いは29の作動が異常となる故障を電磁駆動弁28および29のリフト量を検出するリフトセンサからの信号などに基づいて判定する。この故障の判定は、たとえば同じタイミングで作動させられる気筒の電磁駆動弁28、29のリフト量を所定のタイミングで相互に比較し、リフト量の差が予め設定された判定値を超えたことに基づいて実行される。上記回転数変化速度変更手段96は、所定のエンジン回転数NE2に制御(低下)されるエンジン回転数の変化速度d NE/dtをたとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から無段変速部16の後述する目標変速速度くわしくは変速比変化速度(d γCVT/dt)*に基づいて変更する。たとえば無段変速部16の目標変速速度(d γCVT/dt)*が高くさせられるほど、エンジン10自身で発生させる回転抵抗の値が大きくなるように電磁アクチュエータ24および26により駆動されるエンジン10の各気筒の吸気弁20および排気弁22の開閉タイミング、リフト量などを調節して所定のエンジン回転数NE2に速く到達するようにエンジン回転数の変化速度d NE/dtを大きな値に設定を変更する。つまり、図9に示すtE(sec)が速くなるようにエンジン回転数の変化速度d NE/dtを設定する。
【0037】
変速制御手段98は、目標変速速度決定手段100と変速速度変更手段102とを備えており、前述のとおり予め記憶されたよく知られた関係(変速線図)からアクセル開度θACC(%)および車速Vに基づいて決定された目標変速比γCVT *と実際の変速比γCVTが一致するように前記入力側油圧シリンダ60cを作動させるように図示しないCVT油圧制御装置へ指令信号Aが出力される。また、上記変速比γCVTが目標変速比γCVT *に略一致させるための前記目標変速速度(d γCVT/dt)*或いはエンジン10自身によるエンジン回転数NEの制御状態たとえばエンジン10の自らの回転抵抗でその回転数NEを所定のエンジン回転速度NE2に制御する速度により、逐次変更された前記変速速度(d γCVT/dt)2も上記指令信号AとともにCVT油圧制御装置へ出力される。
【0038】
上記目標変速速度決定手段100は、変速開始判定手段90によりアップシフトが判定されると、無段変速部16の変速制御の速さすなわち上記変速比γCVTが目標変速比γCVT *に略一致させるための目標変速速度(d γCVT/dt)*を、たとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から走行モード(スポーツモード)およびアクセル開度θACC変化量に基づいて算出する。この目標変速速度(d γCVT/dt)*は、図示しないシフトレバーの操作位置がスポーツ走行のためのスポーツモードに切り換えられている時やアクセル開度θACCの変化量が大きな急加速を要求される時には、速い応答性が要求されるので変速制御の制御速度が速くさせられるように速い値に設定される。前記変速速度変更手段102は、目標変速速度決定手段100により決定された無段変速部16の目標変速速度(d γCVT/dt)*を前記回転制御判定手段94により判定されたエンジン10自身のエンジン回転数NEの制御状態に基づいて変更する。たとえば、電磁駆動弁28或いは29の作動状態が異常或いは制限がありエンジン10自身でエンジン回転数NEを所定の回転数NE2に制御できないときには、予め設定された通常の変速(シフトアップ)制御に従うような変速速度に変更する。また、この変速速度変更手段102は、エンジン10の自らの回転抵抗でその回転数NEが所定のエンジン回転速度NE2に制御される速度に応じて、前記無段変速機16の変速速度を変更する。つまり、エンジン10が自らの回転抵抗でその回転数NEを所定のエンジン回転速度NE2に制御される速度を変更すれば、無段変速機16の変速速度が変更されることになる。
【0039】
回生制御手段104は、無段変速機16の通常のアップシフトに際して発生する前記イナーシャトルクTIに相当するトルク分をある程度相殺するために、一時的に前記モータジェネレータMG1或いはMG2によって前記二次電池68に充電が行われるように前記切換装置72に信号を出力して、エンジン10の運動エネルギーをモータジェネレータMG1或いはMG2の回転運動に変換して発電を行ないエンジン10の運動エネルギーを減少させる。すなわち、モータジェネレータMG1或いはMG2の回転抵抗によってエンジンの回転数NEが減少させられエンジン10の出力トルクTEが低下させられる。
【0040】
トルクダウン制御手段106は、無段変速機16の通常のアップシフトに際して発生する前記イナーシャトルクTIに相当するトルク分をある程度相殺するために、一時的に燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を減少させたり、エンジン10の点火時期を遅角させたり、或いは図示しないスロットルアクチュエータによってスロットル開度θTHを閉じたりする信号を図示しないトルク低下装置へ出力して、アップシフトに伴うエンジン回転数NEの低下分以上にエンジン回転数NEを減少させてエンジン10の出力トルクTEを低下させる。
【0041】
図10は、上記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちアップシフト時における無段変速機16の変速制御作動を説明するフローチャートである。
【0042】
図10において、前記変速開始判定手段90に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1では、たとえばアクセルが踏み込まれたことによるアップシフトを実行するために前記変速比γCVTが目標変速比γCVT *と一致するように前記入力側油圧シリンダ60cの作動が開始されたか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記回転制御判定手段94に対応するS2において、吸気弁20および排気弁22の作動角、リフト量、位相のうちの少なくとも1つを変化させるように電磁駆動弁28或いは29が作動させられ、エンジン10自身でエンジン回転数NEを所定値分、たとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から実際の車速Vおよび変速段に基づく自己減速量分だけ低下させることができる状態であるか否かが判定される。このS2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられ変速制御作動が実行されなく通常(従来)のアップシフトの場合の変速が実行されるが、肯定される場合は、前記目標変速速度決定手段100に対応するS3において、無段変速部16の変速制御の速さすなわち上記変速比γCVTが目標変速比γCVT *に略一致させるための目標変速速度(d γCVT/dt)*が、たとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から走行モード(スポーツモード)およびアクセル開度θACC変化量に基づいて決定される。次いで、前記回転制御手段92に対応するS4において、エンジン10の各気筒に備えられた電磁駆動弁28或いは29を作動させる自己減速指令がエンジン回転数の変化速度d NE/dt(自己減速量の減速速度)とともに弁駆動制御装置34へ出力され、エンジン10自身でエンジン回転数NEがNE1から所定のエンジン回転数NE2に低下される。そのエンジン回転数の変化速度d NE/dtは、上記回転数変化速度変更手段96によって、たとえば予め実験的に求められた関係(マップ)から無段変速部16の上記目標変速速度(d γCVT/dt)*に基づいて決定される。また、このS4において、前記回生制御手段104によって、前記モータジェネレータMG1或いはMG2によって前記二次電池68に充電が行われるようにエンジン10の運動エネルギーがモータジェネレータMG1或いはMG2の回転運動に変換されることで発電が行なわれエンジン10の出力トルクTEが低下させられる回生制御や前記トルクダウン制御手段106によって、一時的に燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量が減少されたり、エンジン10の点火時期が遅角されたり、或いは図示しないスロットルアクチュエータによってスロットル開度θTHが閉じられたりしてエンジン10の出力トルクTEが低下させられるトルクダウン制御が同時に或いはどちらか一方が上記回転制御手段92と併用されるように実行されてもよい。次いで、上記S4と同時に前記変速制御手段98に対応するS5において、上記S3において決定された目標変速速度(d γCVT/dt)*で、前記目標変速比γCVT *と実際の変速比γCVTが一致するように前記入力側油圧シリンダ60cが作動されて変速制御が実行される。このS5において用いられる目標変速速度(d γCVT/dt)*は、前記変速速度変更手段102によって、上記S4におけるエンジン10の回転制御状態たとえばエンジン10の自らの回転抵抗でその回転数NEを所定のエンジン回転速度NE2に制御する速度により、変更された変速速度(d γCVT/dt)2が用いられて変速制御が実行されるようにしてもよい。
【0043】
上述のように、本実施例によれば、変速速度変更手段102(S5)により、吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御してエンジンの自らの回転抵抗でその回転数が所定のエンジン回転数に制御される速度が変更されることにより、無段変速機17(無段変速部16)の変速速度(d γCVT/dt)が変更されるので、変速応答性が向上して変速フィーリングが向上する。
【0044】
また、本実施例によれば、回転制御判定手段94(S2)によってエンジン自身の回転制御状態すなわち回転制御手段92(S4)によって所定のエンジン回転数に制御可能か否かが判定され、変速速度変更手段102(S5)によってその回転制御判定に応じて変速速度(d γCVT/dt)が変更され、変速制御手段98(S5)によってその変更された変速速度(d γCVT/dt)2で無段変速機17(無段変速部16)の変速速度が制御されるので、アップシフト時の変速応答性が向上して変速フィーリングが向上する。
【0045】
また、本実施例によれば、目標変速速度決定手段100(S3)によって無段変速機17(無段変速部16)の目標変速速度(d γCVT/dt)*が決定されると、回転数変化速度変更手段96(S4)よってその目標変速速度(d γCVT/dt)*に応じて所定のエンジン回転数NE2に制御されるエンジン回転数の変化速度d NE/dtが変更され、回転制御手段92(S4)によってそのエンジン回転数の変化速度d NE/dtでエンジン10の回転数の制御速度が制御されるのでアップシフト時の変速応答性が向上して変速フィーリングが向上する。
【0046】
また、本実施例によれば、トルクダウン制御手段106によってたとえば点火時期を遅角させたり、スロットル開度θTHを小さくしたりしてエンジン出力トルクTEが低下させられるので、エンジンの出力トルクTEが一層制御しやすくなる。
【0047】
また、本実施例によれば、回生制御手段104によってたとえばエンジン出力トルクTEの一部が電動機としてのモータジェネレータMG1或いはMG2の発電のためのエネルギーに変換されることによってエンジン出力トルクTEが低下させられるので、エンジンの出力トルクTEが一層制御しやすくなる。
【0048】
また、本実施例によれば、吸気弁20および排気弁22は、電磁アクチュエータ24および26によって開閉駆動される電磁駆動弁28および29であるので、回転制御手段92によって、吸気弁20および排気弁22の開閉駆動を制御してエンジン10の回転数NEまたは所定のエンジン回転数NE2に制御するエンジン回転数の変化速度d NE/dtがエンジン自身で好適に制御される。
【0049】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0050】
前述の実施例では、図10のS2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられ変速制御作動が実行されなく通常(従来)のアップシフトの場合の変速が実行されるが、そのS2の判断が否定されて電磁駆動弁28および29の作動が不可と判断された場合には、トルクダウン制御手段106に対応する図示しないステップにおいて、たとえば点火時期を遅角させたりスロットル開度θTHを小さくしたりしてエンジン出力トルクTEの低下が実行された後、通常のCVT変速制御が実行されるようにすれば、たとえ回転制御手段92によってエンジン10自身が所定の回転数NE2に制御させられなくてエンジン出力トルクTEが低下させられなくても、エンジン出力トルクTEが低下させられる。
【0051】
また、前述の実施例では、図10のS2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられ変速制御作動が実行されなく通常(従来)のアップシフトの場合の変速が実行されるが、そのS2の判断が否定されて電磁駆動弁28および29の作動が不可と判断された場合には、回生制御手段104に対応する図示しないステップにおいて、たとえばエンジン出力トルクの一部が電動機の発電のためのエネルギーに変換されることによってエンジン出力トルクTEの低下が実行された後、通常のCVT変速制御が実行されるようにすれば、たとえ回転制御手段92によってエンジン10自身が所定の回転数NE2に制御させられなくてエンジン出力トルクTEが低下させられなくても、エンジン出力トルクTEが低下させられる。
【0052】
また、前述の実施例のエンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が用いられ、少なくともエンジンを走行用駆動力源として備えておれば良く、モータジェネレータMG1およびMG2が備えられてない車両などにも適用され得る。また、エンジン10の図示しない吸気配管および排気管に、排気タービン式過給機などの過給機が設けられていてもよい。
【0053】
また、前述の実施例のエンジン10は、前記電磁駆動弁28および29を備えており、前記吸気弁20および排気弁22が電磁アクチュエータ24および26によって開閉駆動されていたが、少なくとも一方の電磁駆動弁を備えるだけでよい。またその電磁駆動弁に替えて、その吸気弁20および/または排気弁22を電動モータにより回転駆動されるカムシャフトによって開閉されるモータ駆動弁を備えたものであってもよい。たとえば図11は、そのモータ駆動弁であってエンジン10に設けられた吸気弁および排気弁のうち、吸気弁を代表して示している。図11において、エンジン10の吸気管路120には、その吸気管路120内の空気流通方向に直交する方向の回動軸122がその軸心まわりに回動可能に設けられており、その回動軸122には円板状の吸気弁124が固定されている。上記エンジン10の吸気管路120に固定された電動モータ126の出力軸128に固定されたピニオン130と上記回動軸122の軸端に固定された歯車132とが噛み合わされることにより、吸気弁124が電気的アクチュエータである電動モータ126によって開閉駆動されるようになっている。
【0054】
また、前述の実施例のエンジン10は、前記電磁駆動弁28および29を備えていたが、その電磁駆動弁に替えて、クランク軸の回転に同期して、吸気弁および排気弁を開閉駆動させるよく知られた動弁機構であってもよい。その動弁機構の型式にはOHV型、OHC型、DOHC型のような種類があり、たとえばDOHC型では、エンジンのクランク軸の回転をクランク軸プーリ、タイミングベルト、カム軸プーリ、カム軸、吸気弁或いは排気弁に取り付けられたロッカアーム或いは弁リフタを介して吸気弁或いは排気弁が開閉駆動されている。このような型式のエンジンにおいては、上記ロッカアーム或いはカム軸プーリに可変機構を備え付けたり、吸気弁用カム軸と排気弁用カム軸の同期のタイミングが可変となるように少なくとも一方のカム軸に可変機構を備え付けたり、或いはカム軸の特性(プロファイル形状)を可変(切り換え)したりして、弁のリフト量、開角或いは開閉時期が可変される。
【0055】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例のエンジン制御装置が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図3】図2の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図4】図1の副変速機におけるシフトレバーの操作位置および摩擦係合装置の作動の組み合わせによって得られる走行モード或いはギヤ段を説明する図である。
【図5】図1の実施例の車両に設けられた電子制御装置の入出力信号を説明する図である。
【図6】図5の電子制御装置による駆動源切換制御において用いられる予め記憶された関係であって、前進走行時に用いられる関係を示す図である。
【図7】図5の電子制御装置による駆動源切換制御において用いられる予め記憶された関係であって、後進走行時に用いられる関係を示す図である。
【図8】図5の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図9】図5の電子制御装置の制御機能の要部すなわちアップシフト時における無段変速機の変速制御作動を説明するタイムチャートである。
【図10】図5の電子制御装置の制御機能の要部すなわちアップシフト時における無段変速機の変速制御作動を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施例において、吸気弁および排気弁として機能する開閉制御弁であるモータ駆動式開閉弁の構成を、一部を切り欠いて示す説明する図である。
【符号の説明】
10:エンジン
17:無段変速機
20:吸気弁
22:排気弁
24、26:電磁アクチュエータ(アクチュエータ)
92:回転制御手段
94:回転制御判定手段
96:回転数変化速度変更手段
98:変速制御手段
100:目標変速速度決定手段
102:変速速度変更手段
104:回生制御手段
106:トルクダウン制御手段
124:吸気弁
126:電動モータ(アクチュエータ)
MG1、MG2:モータジェネレータ(電動機)

Claims (6)

  1. 気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的アクチュエータによって開閉駆動される形式のエンジンと、該エンジンから出力される動力を駆動輪へ伝達するために変速比が連続的に変化させられる無段変速機とを備えた車両の制御装置であって、
    前記無段変速機の変速時において、前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉駆動を制御して前記エンジンの回転数を所定の回転数に制御する回転制御手段と、
    前記無段変速機の変速を制御する変速制御手段と、
    該無段変速機の目標変速速度を決定する目標変速速度決定手段と、
    該目標変速速度決定手段によって決定された目標変速速度に応じて、前記回転制御手段によって前記所定のエンジン回転数に制御されるときのエンジン回転数の低下速度を変更する回転数変化速度変更手段と
    を、含むことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記回転制御手段によって前記エンジンの回転数を所定のエンジン回転数に制御可能か否かを判定する回転制御判定手段と、
    該回転制御判定手段の結果に応じて前記変速制御手段によって制御される変速速度を変更する変速速度変更手段と
    を、含むことを特徴とする請求項1の車両の制御装置。
  3. 前記無段変速機の変速時に前記回転制御判定手段によって所定のエンジン回転数に制御されないと判定された場合、前記エンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン制御手段を含むものである請求項2の車両の制御装置。
  4. 前記車両は電動機を備え、前記無段変速機の変速時に前記回転制御判定手段によって所定のエンジン回転数に制御されないと判定された場合、該電動機によって回生制御を実施する回生制御手段を含むものである請求項2または3の車両の制御装置。
  5. 前記無段変速機の変速時に点火時期の遅角またはスロットル開度の減少により前記エンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン制御手段を含むものである請求項の車両の制御装置。
  6. 前記車両は電動機を備え、前記無段変速機の変速時に該電動機によって回生制御を実施する回生制御手段を含むものである請求項またはの車両の制御装置。
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